We are Pathfinders!#282~パスファインダーRPG セカンドエディション~

 モンスター・マニュアル発売で流した鼻血を止めようとしたり、TORGに金をつぎ込んだせいでガスと水道を止められたりしている間にとんでもないことがパスファインダー界隈でも起きていた。
 パスファインダーRPG セカンドエディション(以下2nd)発表。


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 つい2週間ほど前に「パスファインダーももうじき10年選手だから、改版するかもしれませんね。PUやStarfinderが試金石っぽいところもあるし」とセッション後のダベリで適当こいてたのでしこたまびびりました。実際、パスファインダー10周年である2019年を意識しての版上げのようで。真偽が中途半端な放言というものはすべきでない
 現在はテスト段階であり、8月初頭からテスト用ルールブックをダウンロード可能になるであろう、とのこと。400ページの大著、それも1~20レベルをプレイ可能なテスト用ルールブックを配布という相も変わらぬフトッパラにしびれる。96ページのシナリオ『Doomsday Dawn』と、フリップマットも同時に公開されるらしいじぇ。
 テストのリポートもちょくちょく上がってきており、どんな感じの変更点が加えられたのかというと(以下、筆者の独自訳なんで間違いもあると思います。ご了承してくだち)

・アクションの種別が撤廃
 一番度肝を抜かれた&ドキワクなのがこの変更。
 移動アクションや標準アクションといった種別が撤廃されることになった。そして、1ターンには3つのアクションを取ることができる
 一体どうなってしまうんです!?
 ゲームとしてワカりやすくなったのは間違いないし、「武器を抜く・移動する・攻撃する」ような一連の動きを一括してひとつひとつのアクションとしてとらえれば非常に機能的で美しい。しかし1ターンに3つのアクション、その気になれば1レベルから3回攻撃ができちゃったりするのかい!? ええ~!?(マスオさん風) フグタく~ん、どうだい今晩複数回攻撃! うれ失禁する前にゲームバランスは大丈夫なのだろうか(ちなみに、2回目以降の攻撃はペナルティを受けるのは変わらず)。
 まーその辺を踏まえないようだったら10年続くゲームなんて生まれてないし、実際のところアクションの種別はちょくちょく混乱を起こす元だったという反省もあるのかもしれない。全力攻撃をした時は移動できない、これは誰もが一度は間違えることであるが、5フィート・ステップは移動じゃないので同時に武器を抜けない、これいまだに忘れる。あと即行アクションと割り込みアクションもか。5eのターン中の行動が「アクション」とそれ以外(移動はアクションではない、ボーナス・アクションは特殊能力以外で使うことはほぼ無し)と簡潔になったのを意識した、とみても間違いないのではないか。そういやターン外の行動がリアクションと称するのもいっしょだ。
 アクションの使い方としては、単に移動や攻撃に費やすだけでなく、様々なオプションに割り当てることができる。例えば、盾は常にACへのボーナスを与えてくれることは無くなった。その代わりに、盾を構えるというアクションを使うことでACにボーナスを得られるとのこと。さらに追加のリアクションを得られる、という面白い特性が。ファイターはリアクションに多くのオプションを使えるそうで、盾戦士の吉報になりそう(またリアクションにオプションということは、4eファイターっぽい挙動ができるのかも)。回避専念のようなオプションもあり、ルールをスッキリさせた代わりに行動の選択肢という形で多様性を持たせる方針を匂わせる。ちなみに、突撃も健在で「2つのアクションを使用して、終了時に攻撃」という扱い。これだと普通に移動して斬るより単にオトクに見えるけど、Starfinderだと突撃は攻撃ロールにペナルティを受けるというとんでもない変更点があったから油断は禁物だ。
 呪文の使い方にもこの変更は影響を及ぼしており、構成要素もアクションにカウントされアシッド・スプラッシュは動作要素と音声要素の2つを持つので2アクションが必要。一方、シールド呪文は音声要素だけなので1アクションで可能……という具合。また秘術術者の魂マジック・ミサイルは1つのアクションで1本、2つのアクションで2本、3つのアクションで3本飛ばすことができる……Starfinderでも、ふつうは1本全ラウンド・アクションで3本という体裁だったのを上記のルールにマッチさせるとこうなるということか。アクションの費やし方で効果が変わる呪文も、他にもいろいろ出てくるだろう。特に燃えるのがクレリックの回復能力で、1つのアクションなら接触単体、2つのアクションなら遠隔単体、3つのアクションなら範囲回復と、消費するアクションによって劇的に効果が変化する(オーラ放出の新しい形?)。もしもこんな変化が回復以外の効果にも内蔵されるとしたら、もう期待しまくるほかない。

・出目がAC+10でクリティカル、AC-10でファンブル
 前述の通り、アクションが増えたんでこれはもう好き放題複数回攻撃やったるでぇ、とあさはかにブンブン丸新聞してると、この変更点が襲いかかってくる。2ndのファンブルは目標のAC-10でも発生するため、迂闊にひどいペナルティを被りながら殴るともりもりファンブることに。そして、ファンブルした場合は足をくじいた状態になり、移動速度が5フィート落ちるというペナルティを受けたという。その程度なら大したことないやんという人は、今すぐ小型PC作って中装鎧以上を着て移動速度15フィートで戦ってみてほしい。
 順番が前後したが、AC+10だとクリティカル発生でダメージ2倍ACのタコい後衛が射手に狙い撃ちされると簡単に死に至りそう、というもっともな予想が出ており、これには何らかの措置が入るかもしれない。例えば射撃攻撃の場合は「矢をつがえる→攻撃」で2つのアクションを使うため、複数回攻撃が難しいとか。でもいくつかの呪文には攻撃ロールが存在するというからやっぱりやばいかもしれん。
 テストプレイに参加した人の弁によると、攻撃ロールの出目20がどんな影響を与えるかはわからなかった、とのこと。攻撃ロールにおける出目1の言及はないが、アシッド・スプラッシュに反応セーヴでファンブルすると2倍ダメージを受けるという記述アリ。
 いっこ予想できることは、接触ACという概念は死ぬだろうあんなルールでAC+10でクリティカルなんてされたらやってられっか!
※噂によると接触ACは残存とのこと。本気(まじ)かよ。重装鎧のACは適用できるらしい。
 そういや、ちょっと論旨からズレるが立ちすくみ状態はどうだろう? うーん、Starfinderだと内容別物で名前だと残ってはいるんだけど。対応できていない段階では大打撃を受けやすいってのも面白いが、あれもなんだかんだでちょっと面倒だったからなァ。

・hpはクラスと種族から受け取る
 Starfinderを遊んだことがある人ならこれはすぐ飲み込めるだろう。
 hpはクラスと種族、それに【耐久力】で決定されることになった。Starfinderだとそれにスタミナ・ポイントが存在するものの、2ndではナシ。Starfinderでは、回復手段がミスティックのクラス能力を除くとポーションに頼るぐらいしかない&SFらしいタフなヒーロー・アクションを意識してスタミナ・ポイントという概念を導入したであろうし、簡略化を進める2ndにおいてライフの概念を二重に用意するのはそりゃ時流に逆行してるというものだろう。
 ファイターの1レベル時のhpは19とのことで、ゴブリンのショートソードの一突きにビクビクしなければいけない時代は完全に終わったようだ。

・《武器開眼》が標準化
 ファイター魂《武器開眼》が、Starfinderと同じく標準化。クラスによってボーナスを得られる対象は変わるようだが、全てのクラスで同様の効果は持てるそうだ。3e系列を引き継ぐだけに、急所攻撃や《強打》などクラス特徴・特技などを使うならまだしも、恒常的にダメージを上げる手段が乏しかった環境は一変することになる。
 インフレを押さえつつ平均化を図るという方針は国産TRPGにも共通している変化で、きょうびのTRPG全体に求められてるんだろうか。

・PC作成には背景が関わる
 PCがどこから来てどのように育てられたか、冒険者になる前はどんな生活を送っていたのか、そのような背景がクラスの他に反映される。それによって能力値や習熟、クラス技能が決定される、ってこれ5eのパクリじゃねっすか。そんなことだからパイゾ本社がいぬたまになって可愛いワンちゃんたちがゴブリンを次々に噛み殺し(久々に以下略)。きょうび5eじゃなくても導入してるようなシステムだからパクリもへったくれもないっていうか、これもStarfinderで既に導入されてた事ですけどね。和マンチ呼ばわりされた男として、背景で能力値が決まるのはなかなか苦しかった思い出が。
 5eのプレイ報告によると、特技のようなデータの作り込みよりも、多くのプレイヤーは背景でPCに練り込んだ物語を与えることに満足感を覚えるそうで、そうした反応はパスファインダーRPGとしても無視できない声の大きさだったのか? 個人的にデータ的裏付けを持って設定を盛るのは好きなのでわちきこの変更は歓迎するが。

・ゲームが3つのモードを持つ
 2ndでは1つのゲームが時間単位によって「遭遇モード」「探検モード」「余暇モード」の3つに分類される。
 「遭遇モード」は戦闘のように、生きるか死ぬかの数刻みのモード。
 「探検モード」は冒険中の罠の発見やルーン文字の解読など、分~時間のモード。
 「余暇モード」は冒険外の回復やトレーニングなどに費やされる、数日単位のモード。
 早い話がアレだな。4eの遭遇。もしくはシーン制。
 何故か一部の人々は上記の単語(あとシーン制とはロールプレイ支援システムもセットにしたい)を聞くと烈火の如く怒り出すのだが、単に時間の進みによってゲーム進行を区別しただけなので、なんも青筋立てんでもええやねん。それにモード区切りにしたのは後述するイニシアチブの問題に関わってくるのであるよ。
 実際の冒険の多くは探検モードで進んでいくので、ゲーム風景自体に大きな変更は無さそう。ただ、遭遇モードに移行するまでには、探検モードでも行動が大きく関わることになり、ここに極めて重大な変更点がある。もしもダンジョンを探索中、2人のキャラクターが周囲を警戒し、1人は影に隠れ、1人は魔法の反応を探っていたとする。ここから戦闘が開始されたとすると、各人のロールするイニシアチブは状況によってガラリと変わる。2ndのイニシアチブは、遭遇モードに移行する前の行動に応じた技能で決定され、さらに行動によって何らかの特典がついてくる。
 この例では、最初の2人は〈知覚〉でイニシアチブをロールすると共に、武器を抜く=アクションを1つ既に使っている状況で戦闘に加わることができる。2番目のキャラクターは、〈隠密〉でイニシアチブをロールし、隠れるための機会を得る。最後の1人はやはり〈知覚〉ロールながら、魔法の反応に関する何らかの洞察を得る……という結果となる。
 従来のPFの固定値からするとかなり高い数値が出てきそうだが、全体的に数値が使われるなら差は大して気にならないし、Starfinderで固定値の暴騰を防ぐ工夫がされているのを見るに、そこまで無法な数値は出ないのかもしれない。むしろ気になるのはイニシアチブを取ろうとすると高い固定値の技能を意識した行動で固定されてしまうのではないか、という点と、得られる特典を判断するのが大変でないか、という点。戦闘に入るのを警戒するあまり、探検モードでの行動がカタくなってしまってはせっかく用意された豊富な技能がもったいないし、技能の使用頻度に偏りが出る(〈知覚〉はただでさえユーティリティ高いしのう)のも心配。得られる特典に関しては、技能に内蔵することで多少は軽減できそうだが。
 PUやStarfinderを見るに、技能に関しては統合が進む(ついに〈運動〉が導入されるぞい)のが自然の流れなので、これにうまく適合してほしいものです。

・CMBとCMDの撤廃
 戦技まわりのボーナス・DCはシバウ。代わって、〈運動〉ロールでDCは相手の反応セーヴのボーナスを使う一例(武器落とし)が提示されている。〈運動〉判定を行うということは、より【筋力】の重要度が上がって5eで蔓延していた【敏捷力】至上主義者どもの首が締まっていくのかなあゲヒャヒャヒャ、などという邪悪な笑いはさておいて。CMDが反応セーヴと合体とか、この辺は4eの防御値周りの処理を彷彿とさせるな。っていうか〈運動〉で戦技ってこれ5eのパクリじゃねっすか。そんなことだからパイゾ本社がねこたまに(以下略)。
 ボーナスとDCはさておき、組みつき周りのルールは頼むから簡略化してくれんかのう。あと、〈軽業〉も存在しているそうだが戦技にどんな影響を与えるかはわからん。5eの〈軽業〉は「〈運動〉との差異? 【敏捷力】で振る〈運動〉が〈軽業〉だ。なんか文句あるか」という潔さの一方で、突き飛ばしや組みつきには〈運動〉と限定しており、これを踏襲するのだろうか。

・アイテムのボーナスは+1~+3の範囲
 高品質の装備品には「熟練級」「達人級」「伝説級」の級がある。級ごとに得られるボーナスが増加していき、熟練級では+1、達人級では+2、伝説級では+3のボーナス。伝説級でも+3のボーナスとは、昔を知る人々には寂しい限りかもしれないが、先述の通りStarfinderからこっち固定値の暴騰を防ぐ方向に動いているようで、これも止むを得ない措置であろう。5eでも武器や鎧のボーナスは+3までとなっていたし。
 なお、下位の品質「劣悪級」も存在するとか。ちょっと『りゅうたま』とか『六門世界』っぽい。

・アルケミストが基本クラス入り
 APGの爆弾野郎アルケミストが基本クラスに。確かに見ていてなかなか面白そうなクラスだったけど、まさか基本クラスにまで上り詰めようとは。本国で人気が高かったのかしら。変にデザイナーに守護られてるウォーロックの野郎よりはずっと好感が持てるな
 ところで、テスト版のカバー・アートにも登場しているように、アルケミストのアイコニック・キャラクターはゴブリンらしい。APGのエルフ・アルケミストのダミエル君まさかのリストラ!? などと界隈で騒動になっているとかいないとか。いかにアイコニック・キャラクターでも、ゲーム自体のアイコニックであるゴブリンには勝てなかったんやな…悲劇山…。あとゴブリンのアルケミストゆうたらモグマーチ君だが、髑髏のお帽子を被ってないから別人もとい別ゴブリンじゃないだろうか。

 ……ざっとこんな感じ。
 読んでもワカるように、PF2ndはもう「D&D3.75e」と呼べるものではない。3e系列をベースにしながら、まったく別のゲームへと生まれ変わろうとしている(「3eでhpがHDの最大値貰えると聞いた時、俺は卒倒するかと思った」とのたまった知人氏は何と言うだろうか)。
 10年間PFを愛し続けた人は惜しいと思って当然であるし、不安に思うかもしれないが、甚だエキサイティングなニュースであるのは間違いない。あんなに面白かったパスファインダーRPGというシステムが新生するというのだから、期待せずにいられようか、いや期待せずにはいられまい。こういう時にはいい方いい方に考えるのが大物というものだ! 「日本語版発売決定と同時に発表はどうなんだ」とか「5eにシェアを奪われたんじゃないか」とか心配事もあるだろうが、ファンならばこそ刺激的なニュースにはマイナスの反応を吐くより、まずは面白がる方が自然いやさ当然。タイトルに愛着を持つあまり変化を恐れるようになってると、「ガン○ムは初代しか認めない」とか「N○VAはD以降戦闘ばかり意識する」とか面倒なファンになっちまうぞ。モロボシダンも言ってるように、何を疑っているんだまずはパイゾを信じることだ。そうでなければ、ファンは永遠に新版を掴む事なんかできっこないんだ。それにパスファインダーファンがパスファインダーを信じずして誰が信じるというのだ!
 どうせ別ゲーになるんなら、3e系列を引き継いだ方でブラッシュアップした別路線を展開してもいいんじゃないかな、とは思ったりもしたけどね。D&Dみたいにクラシック・パスファインダーRPGとか。それはそれとして、日本語版もyrsk。こっちも売れれば2nd翻訳だってきっと芽は開く。
 最後に、今回の記事はパイゾのサイトと、コチラのレポートを参考にしております。ここで触れてない内容も多いから、興味が湧いたら一読してみて下さい(どちらも英語サイト)。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#195~モンスター・マニュアル日本語版発売~

 世間ではちょいと前にバレンタインデーなどという糖分過多の甘っちょろい話題で浮かれチ……もといポンチだったようだが、TRPGに血肉を捧げTRPGに魂を売ったTRPG悪鬼にとって、エルドリッチ・ブラストの射程ぐらい遠い事象! そんな人並みな幸せは遠いウサミン星に捨ててきたのです!(電車で向かえば一時間) 俺もお前もd20に命を預けた間柄なら、バレンタインデー一日後に発売されたこいつに鼻血を流せ!
 モンスター・マニュアル日本語版(以下MM)

 これでDM用ベーシック・ルールに掲載されていなかったキャリオン・クロウラー様、アンバー・ハルク様、ビホルダー様のD&D御三家にマインド・フレイヤー先生やディプレイサー・ビーストなど、「これぞD&D」なメンツとどつきあいができるということだな! それにフランフやアティアグみたいなヘンテコクリーチャーとのふれあいイベントも!(ふれあいたくねえ)
 何よりも原書版同様、PHBの次に出るのがMMというのが「わかっていて」良い。取りあえずはこの2冊さえあれば遊ぶことはできるからな! マジック・アイテムの欠乏は……まー買価が指定されてないぐらいですし、きっと必要になる頃にはDMGも出てるよ(こちらは四月発売)。当初の予定では三冊同時発売だったとか言うたら駄目ばい! それに触れたらPFなんてなあ(中略)。
 さて原書をお持ちの人なら既にご存知のことではあるが、MMもPHB同様完全フルカラー。MMではクリーチャーのビジュアル・デザインにいっとう力が入っておるので、このフルカラーであることの意味が極めて大きい。PHBのヅバーンと1Pブチ抜きイラストは度胆を抜かれると共にちょびっとこれはどうだろうと思わないでもなかったが、これは文句ない文句ない。D&Dのビジュアルもまた時代を反映しており、技術向上でアナログとデジタルの境目が曖昧になっている変化が窺える。手描きではなくデジタル色彩であるとはわかるが、濁った色合いを作り出すのが非常に巧みで、一昔前の一目でデジタルとわかる着色とは一味違う(特に、水多目の水彩絵の具のようなノイズの混じらせ方が絶品)。ノールのグラフィックはその代表格と言うべきもので筆者のお気に入り。
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カッコキモイ
 イラストの見所ではもうひとつ、クリーチャーの頭部や骨格などの、デザインラフ。イメージを掴むためのパーツの拡大図やポージングが併記されていて、イラストレーター氏のイマジネーションがイキイキと躍っているのが窺える。ゾーンの瞳孔の変化、ホムンクルスのウルトラ怪獣図鑑風足の裏、ラスト・モンスターの尻尾、タラスクの襲撃時の姿勢など、キャラクターデザインとは我々ユーザが完成品で知る以上の、細部に渡ってまで考え抜かないといけない難行なのだということが伝わってくる情報量。これはクリーチャーの説明文よりも豊かとさえ言ってもよい。マグミンの背中なんか藤木源之助ばりに語る背中だ
 そしてD&DのMMに欠かせないのはクリーチャー一体一体に込められたエピソード。クリーチャー一冊だけで本ができる成人病不可避なカロリー過多は伊達ではなく、クリーチャーの背景がしっかりと、それこそシナリオ一本を組めるぐらい綿密に書き込まれている。クリーチャー一体一体にドラマがあり、クリーチャーの数だけシナリオができる、これぞ歴史とそれを許されるページ数のあるD&Dならではの強みだ。そんなみっちりむっちり詰まったページが352ページも、って352ページってMAJIで? PHBより分量多いぢゃない(PHBは316ページ+シート類)。これはもう単なるデータ集ではない。コアルールであると共にシナリオフックであり、優れた読み物であり、画集だ。知人氏曰く、「読めば読む程時間が溶けていく魔導書」は役に立ったレビュー☆×5。
 クリーチャーの設定は版ごとに「君なんか前の版と違わない?」てなダイナミック変化を遂げているものですが、前版がかなり独特の世界設定だった4eだけに、その辺にも手を入れられているので要チェケラ。来訪者から異形扱いになったスラードのように、地味なイメチェンした輩もいる。ホブゴブリンはベイン信仰からマグルビィエト信仰に戻された。鞭でしばかれないと正気を保てないクオトアの狂気はどんどん酷くなっており、5eではとうとう最初からおかしくなってしまった。そういえばクオトアは出会ったアボレスをなんとなく神として崇拝していることがあるとか(頭がおかしいから)。4eの頃はすすんで仕えていたのだが、やっぱりおかしさが進行してる。あのアボレスの野郎スカムを造り出してるぐらいで満足してればいいのに、チュールを支配するとか更なる悪玉コレステロールぶりを発揮していやがる。脅威度も黒幕らしく10とドーンとテコ入れされており、キャンペーンのラスボスを張って見劣りせず。ちゃんと伝説級アクションもあるぜ!(ただし伝説級抵抗は無いのでホールド・モンスターが普通に刺さったりする。ラスボスにする時はコッソリ追加しておこう)
 中でもオススメなのは、涅槃郷メカヌスで永遠のメンテを続ける人造クリーチャー・モノドロン。なんだか妙に愛嬌のある面相になったがマスコットというにはキショく、得も言われぬ味わいを漂わせている。まどかマギカショックを受けた世代だけに、周囲からは「何よこのイヌカレー空間」とか言われたものサ。PFのゴブリンみたいにこやつを顔役にするのはどうだろう。
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とりあえずその分厚い唇といやに綺麗な歯並びはやめろ、話はそれからだ
 そして、5eのMMの進歩はデータ・ブロックが大体1ページに収まっているところ。4eの見開きでデータが完結させるようにしていたのを引き継ぎ、5eナイズされた決して簡素でないクリーチャー情報をギュッと簡素に圧縮している。背景情報はじっくり読ませ、それはそれとしてゲームで使うデータ・ブロックは1ページに収めた取り回しの良さ、これもまたD&Dの諸版の蓄積(特に戦闘遭遇に注力した4e)あっての実現でしょう。個人的に評価するのが、呪文を使用するクリーチャーの少なさ。いちいちPHBのあの(そう、あの)呪文リストを首っ引きで参照せなあかん労力をせず、データ・ブロックだけを見ればよし。ここを3eに倣わなかったのはエライ。それだけにNPCの術者は……ゲゲフソ。まーサプリで呪文を使うクリーチャーはかんなり増えておるのだけれど、いずれ呪文カードも出るしな! あ、そういえばクリーチャーもカード化されるらしいから、これを見越してのデザインとしたら商売上手だネ。
 ただ、各五十音の始まりのページには「」とデカく表示されているのだが、コレが何だか気が抜けて。どうせひらがな表記のクリーチャーなんておらんのだから、カタカナの方がまだしまったのでは。……それと、大変申し上げにくいのだが、MMもPHB同様ページ数は原書版と同じであり、当然のように脅威度別のクリーチャー一覧は掲載されていない
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 ……オンラインサポートでダウンロードできるようになったりするといいね(DMGには掲載されるはずだが)。
 そうそう、MM発売に合わせて公式ページでは毎日クリーチャーを1体ずつ紹介するナイスガッツなコラムが連載されている。購入をどうしよっかなンと思案している方はここを見て、いかに緻密かつドキワクな情報が詰まっているかを確認してみるがよかろうて。そしてここで掲載されている画像はPNGで透過処理がしてあり、オンセのコマとして利用するのに最適という、既にMMを購入済みのユーザにも見逃せぬアドバンテージがある故必見。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

TRPGこぼれ話#307~おかし会社の陰謀の日だけどそれはそれとしてチョコレートはおいしい~

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テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#194~使っている使おうと思っているハウスルール~

 5eは基本的なルールはスッキリさせて、解釈が分かれそうなところは各々プレイグループで判断してくれや、という設計になっているようだ。考えてみると、本当に解釈が分かれて困るような時(両手武器を片手で保持する時とか)はQ&Aに頼るものの、ルールで規定されていない事は、よくその場その場で処断している。
 筆者DMの時に下している、ルールブックに掲載されていない裁定というと……

・武器を落とす→特にアクションを要さない
 「物体を扱う行動」は小さなことからかなり大きなことまで出来るようになったが、この「武器を落とす」行為がそれに入るかは割と解釈がわかれるんではあるまいか。筆者は「武器を鞘に納める」が物体を扱う行動に含まれているので、それよりリスクのある「落とす」はカウントしなくて良いと判断する。
 武器を拾うのも「物体を扱う」で出来るから、武器を落とす→動作要素の呪文を発動→武器を拾う、というかなり気色悪りい一連の挙動が可能になるんで、これを美しくないと断じて、物体を扱う行動に含めると裁定するDMがいても、筆者は否定しません。

・クリーチャー識別→10+脅威度÷2、達成値が高いと有益な情報を得られる
 5eはクリーチャー識別のルールが無く、「痛くなければ覚えませぬ」方式であるが、そこを真面目にやるこたあないしもう少しこうなんというか手心というかを鑑みてクリーチャー識別判定を導入しています。
 DCの基準は…5eだとDCの決定方法が8+習熟ボーナス+能力値修正がスタンダードであるが、クリーチャー識別となるとナニを基準にしたものか判断に迷う。やむなくPF同様の方式に従っていたけど、低レベル~中レベル帯ではそれほど支障なし。問題は10前後を迎えるあたりからで、逆立ちしても習熟ボーナス+能力値修正の最大値が11を越えない(しかも伸びが緩い)5eでは脅威度の伸びに確実についていけなくなる(脅威度20のタラスクだとDC30とかぬかすし)。
 4eのように一律の難易度にしてしまうというのも一つの手だが、出来れば敵の強さをDCには反映させたいし……他に基準として使えそうなのがHDだけど、こちらもCRと直結していそうでいないのが難しい(脅威度3の奴が10HDだったり)。
 なんにせよ、脅威度をダイレクトに反映させるのは危険過ぎるので、半分ぐらいにしておくか? しかし、そうすると低レベル帯の識別が簡単過ぎる気もするな(脅威度2も11で抜ける)。現状、クリーチャー識別に使えそうな技能がオール【知力】だから、パーティによってはそれでもつらいから、ちょうどいいかもしれないが。ウィザード以外【知力】メインのクラスってないもんな。
 DCが簡単過ぎるという場合は、段階的な情報開示を採用してみてはどうだろう。上記のDCなら、それに達しただけでは名前と大雑把な情報ぐらいしかわからず、高い数値を出すと具体的な能力を教えてもらえる……という具合に。お、これなら結構イケてるぞ。タラスクもDC20で識別できて、さらにプラスアルファが狙える。
 どれだけ高い数値を出せばよいかは、一律に段階的だと2ごととか、敵の強さによって変動させたいなら、敵の習熟ボーナスごととか色々考えられる。後者の場合は脅威度が高くなればなるほどキツイので、大雑把に抜けたら攻撃能力or防御能力全部とか伝えるぐらいで良いだろう。

 あと、これから使っていきたいハウスルールは

・インスピレーションの譲渡→渡す側がロールプレイをしてもOK
 現状インスピレーションは何らかのロールプレイに
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 と渡すもんであるが、逆を返すと誰かのロールプレイに渡す仕様であり、渡したい時に渡すルールが無い。せっかくロールプレイによって有利を得られるギミックであるなら、ここは零システムで鍛えたロールプレイ支援システムの本場らしく(いやTORGを遊ぶまで迂闊なことは言えんな)、自発的に渡す手段を設けてしまおう。クレリックが神の加護を口にしながらファイターにインスピレーションを渡すような具合に。さらにこのロールプレイでインスピレーションを稼ぐこともできるという寸法よ。
 実際のところ、5eの戦闘ってやっぱりD&Dらしくシステマチックだから、ロールプレイでインスピレーションを回すような余裕がなかなかないんよね。DMも熱が入ってると、ロールプレイにインスピレーションを渡すのをつい忘れるし、PLとしても「インスピレーションちょうだい」とは激戦の最中だと言いづらいし。またインスピレーションは戦闘中だと自衛のために保持しがちなので、思い切りよく使える工夫というのはあった方がより活用しやすいでしょう。

・イニシアチブの変更→リアクションを失うことで可能に
 5eは一度決めたイニシアチブを変更できず、待機でトリガーを決めて行うことしかできない。まあ
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 って言うなら仕方ねえし、そうしなくちゃいけない理由もなんかあるんだろうけど、頭の悪い俺にはそうしなくちゃいけない致命的な理由が思いつかんかったので。あと、21世紀のタイトルで決めたイニシアチブを決定できないのはどうなのよメーン、というヤンチャな反骨心が頭をもたげて。
 もっとも基本システムでイニシアチブ変更がでけん、と言うからには、出来るようにするのにそれ相応のリスクやコストが生じるのは至極当然の話である。では何を枷にしたものか。アクションを消費……だと、これ誰も使わない気がするな。結局、待機が指定した時を窺ってリアクションで行動するのに対し、そもそもいつ行動するかに意識が向いているので自ターン以外の行動が疎かになる=リアクションを消費して、みたいな感じをイメージした。
 ルール的に記述すると、

◆遅延(リアクション)
 自ターンが回ってくる直前にリアクションで「遅延」が可能。「遅延」を宣言したPCは、以後好きなイニシアチブで行動できる。自身のイニシアチブは、行動したイニシアチブに変更される。ただし、誰かのターン中に割り込んで行動することはできない(それは「待機」でなければならない)。
 一度変更したイニシアチブは、以後戦闘中そのままである。行動するまでイニシアチブは変化しない。
 「遅延」を宣言したまま、再度変更前のイニシアチブを迎えた場合、自身のターンを失ったことになる。

 こんな具合でひとつ。割とよくできたんじゃないかと思うんですがどうでしょう。

※追記。コメントでのご指摘通り、このままだとターン開始時に発動する効果・終了時にセーヴを行える効果に対する処理が曖昧である。まずターン開始時に発動する効果に関して、これを逃れるために延々遅延するとかんなアホなことがあるかい、というわけで、これは遅延の前に処理されなくてはならない。てえとやっぱり「自ターンが回ってくる直前に」という表記はマズイな。「ターン開始時に受ける効果を処理した後」の一文は入れる必要がある。
 次に、ターン終了時にセーヴを行える効果に対する処理……これも、そうした効果への回復を受けるために遅らせることが可能となるのだが。筆者はできてもいいような気がするし、よくないような気もする。毎回、そんなに都合良くイニシアチブが決まるとも限らないし(例えば間に敵が入っているのにのんきして遅延などやってられるものではない)。他方、恐怖状態や魅了状態のような、正常な判断力が失われている際に遅延を選べるのか、というのも疑問であるし。
 一律に状態異常を受けている時は不可、では乱暴過ぎるが、ルールの書式が局所的な状況に及ぶのも5e的には美しくない。「DMは恐怖状態や魅了状態のように、正常な判断力が失われている場合は遅延を行えないと判断してもよい」ぐらいに留めておくか。麻痺状態・朦朧状態やコンフュージョンによる混乱中はそもそもリアクションが行えないから、遅延自体もできないので気にしなくてよし。
 こうして考えてみると結構グチャグチャするから、ハブられたという話に理解を示せんでもない。でもイニシアチブ変更すらできないというのはなぁー。

・背景ルールの拡張→一部の習熟・特徴の代替
 4eであった背景のルールはなかなか好きだったので、これを再利用……って5eでも思いっきし背景って要素があるじゃーん。
 さておき、シナリオへのとっかかりをスムーズにするという点では、今のままでもいいんだけど、冒険者以前の職業や習熟など、縛られる要素が4eと比べてちょっと多い。
 そこで、シナリオ開始時点の背景情報と共に一部習熟や特徴を置き換えられるハンドアウト的なオプションを用意してみたい。例えばウッド・エルフと関わりが深い森林探索系シナリオであるなら、「言語:エルフ語に習熟し、技能1つを〈自然〉と置き換えてもよい」というように。
 アドベンチャー・リーグでは所属によってシナリオへの関わりをスムーズにしており、あれをもっとグローバルな形にしたら世界設定を限らず使えるんじゃない、というのがコンセプト。かつシナリオ上これがあるとええで(むしろないと困る)、てな習熟を取りこぼす心配もなくなる。
 あんまりピンポイントな置き換えだとネタバレになる可能性があるが。アンバー・ハルク語の習熟を得るとか(ねえよ)。

・セーヴィング・スロー→20は絶対成功、1は絶対失敗
 これを加えるのを忘れていた。能力値判定に絶対成功と絶対失敗が無いのは有名な話ですが、実は5eのセーヴィング・スローにもありません。死亡セーヴにはあるのに。なんでやねん。

 あくまでも筆者DMの場合の解釈なので、他所に持ち込むのはよした方がいいだろう。またこのスカタン頭を考慮すると、ハウスルール導入の際に起きる致命的な支障を見落としている可能性がかなり高いから、気付いた人いたら教えてくだちい(イニシアチブ遅延のルールが無い理由とか)。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#193~呪文カード発売決定~

 昨年末の5ePHB発売、年始のパスファインダーカードゲームにビギナー・ボックス、そして今月はTORGに5eモンスター・マニュアルと的確に財布にボディブローが撃ち込まれ続けているが、そんなグロッキー状態のところにバスチューアプ!(byアクセル=ホーク)とばかしにさらなる関連商品の刺客が。

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 5eのただアルファベット順にずらずら並べてある呪文を見て「これきっと日本語版も同じレイアウトなんだろうな…」と思っていたらまったくもってその通りで結構ダメージ大きく、「呪文をカード形式で管理できるようにしてくれたら文句も減るのにな、しかしそううまくはいかねえだろうな」と愚痴っていたらコレですよ! 要望は口にすると実現するという迷信があるが、もしかしたらイワシの頭も信心の類なのかもしれない。じゃあもしかしたら六門世界やパラブラ復活も言い続けていたら実現するのか!? ビキニアーマーの女戦士がオレの前に突然現れて異世界に誘う終生の夢も実現しちゃうのかい!?
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 閑話休題。
 気になるラインナッペルは『秘術(ウィザード・ウォーロック・ソーサラー用)』『クレリック』『ドルイド』『バード』『パラディン』『レンジャー』という具合に、各呪文発動クラスごとにセットになっているそうだ。これに加えて『武勇と種族の技』が用意されており、ファイターバトル・マスターの“戦技”、ババリソのトーテム戦士用、モンクの技、さらにティーフリング・ドラウ(ダークエルフ)・ハイ・エルフ・フォレスト・ノームに、VGtMで追加された新種族を含めたアアシマール・ジェナシ・トリトン・フィルボルグら、種族特徴で呪文を使える連中用のカードが収録されているという。
 あの猛烈に見づれえ呪文一覧と、結構な呪文数という《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》ばりのやる気クラッシャーな相乗効果も、これで相当軽減されることであろうて。思えばD&Dに望み続けてきた「数の多いデータはカード化して管理する」を、ついに公式自ら対応してくるとは、
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 一応、4eのスターター・セットもパワーのカード化はしてくれたんだけど、あくまでもスターター・セットの範囲内だったからね。他のパワーもカード化されてた覚えがあるが、結局翻訳しての販売はされなかったし。この辺のアクセまで日本語版展開してくれるあたりに、HJ社の5eに欠ける本気(まじ)っぷりがうかがえる
 ちなみに当然のことながらセットごとに枚数も値段も違う。『秘術』は257枚とパンッパンだがいっちゃん少ないレンジャーなんか46枚だ。ウォーロックをやる人にとっては使えんカードがだいぶ多いことになるが、まー何時の日かウィザードやソサをやる日のための投資と思っていただきたい。
 筆者はネットで拾ったExcel版ブランクの呪文カードにペシペシ打ち込んで、印刷しては切り抜いてスリーブに台紙と突っ込むという今考えてもザ・徒労という作業に身を粉にしていたのだが、そんな暗い青春も終わりだね。この調子で魔法のアイテムのカード化もされれば万全だな。
 全部買った時のお値段はざっと1万7千円チョイ。……まあ暗い青春に別れを告げてきらめきときめきに満ち溢れた学園薔薇ダイスに旅立つには仕方ない出費なのだ。でも自分の使うクラスのカードから順次買っていけばいいんじゃないかな。

     

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#192~5eことはじめ記・いつかドラゴンスレイヤーになるために UAレンジャー編~

 常連四クラスを終えてパラディン・バードと来てさて次のはじめてさん向けクラス紹介、今度も悩んだ悩んだ。おかげで「三ヶ月空いた」とほざいた前回から四ヶ月も経った。でも言い訳は毎回やってるし毎回同じ泣き言を繰り返しているなと前回の記事を見て思ったので今回はササーっと行きます!

UAレンジャー

 ササーっと行きたいけどでも言い訳はさせて下さい。今回だけだから。
 日本語版に載って無くてすまん。

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テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#281~パスファインダー・アドベンチャー:ルーンロードの帰還~

 いよいよ明日に迫ったパスファインダーRPG(カタカナ表記にして日本語版浸透を小賢しく謀る)ビギナー・ボックス、新渡戸稲造と消費税分の小銭掴んでゲムショップに走る覚悟はできておるかね!? え? もう5千円札は樋口一葉になってる? すまんねオッサン新紙幣に慣れてなくってついつい最近まで使ってた旧紙幣を……え? 一葉になってからもう14年?
 気まずい空気が一瞬流れたが、今を遡る事二週間ぐらい前にパスファインダーRPGじゃないけどパスファインダー関連商品が出てたのは当然鍛え抜かれたパスファインダー協会員ならご存知の通りであるし、買ってなかったらガルト送りになる厳罰が執行されるのは既に通達済みである故、未購入者はショップ開店と同時に駆けこむ事。アナログゲームを取り扱ってる店は大体昼時開店なのが難点であるが昼休みとか営業回りとか上手いこと隙をついて入手してちょうだい。
 値段はだいたい諭吉(こっちは今も諭吉でいいんだよな、よし)一枚とちいとばかし張るが、これもパスファインダー振興のため、ふるさと納税みたいなもんだと思ってくれや! 俺達の心のふるさとがパスファインダーって意気でな(いい事言った調のムカつく顔で)。当然私はガルト送りは泣いて拒否ったため、発売直後新宿イエサブで討ち死にし「やべえそんなに在庫ねえのかよ」と慌ててR&Rステで確保しました(Amazonでも一瞬で在庫がハケたようで、一度は復活しするもまたまた出品頼み)。財布にダメージで別の意味で泣きましたが。
 そういえば何を発売したのかまったく触れてねえや。
 パスファインダー アドベンチャー:ルーンロードの帰還


 見た感じ「え? これがビギナー・ボックス?」という感じの外装、もしくはパスファインダーRPGアクセサリーorシナリオ集と見まごうてもおかしくないので、なんでえ発売日超前倒しかよ! とかビギナー・ボックス前にこんなグッヅを発売してくれるとはイキなはからいをしてくれるぜ! などと喜び勇んで購入すると、
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 となるので注意。
 ゲーム自体が面白い上に、ビギナー・ボックスとセットで買うとすごくいいアクセサリーになるんで間違って買ってしまってもあまり問題が無いというのが、二重に困る。

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テーマ : カードゲーム
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#280~2018年になった今ならわかる《技能熟練》 を取るあの人の気持ちが~

 以前は「《強打》のような実用性の高い特技と、技能2つに+2のボーナスを与えるような特技が同列に扱われているのはどうだろう」と申し上げていたが、最近では割と技能にボーナスを与えるタイプの特技を取るのもアリなのではないかと考えを改めるようになった。
 Pathfinderでは技能が戦術の中核になるようなビルドも存在しており、例えば《抜け目ない軽身》に命を賭けるローグにとっては、敵のどんどん無体になっていくCMDに対抗するために《技能熟練》 で+3点の底上げを図ることは間違った選択とは言えまい。いくら魔法のアイテムで底上げができると言ってもPFのボーナスは重複させづらいし、技能において恒常的に+3とは3レベルぶんの先取りになるのだ。CMDを3点上げる労力と比較してもこの差は大きい(例えばBABが標準のクリーチャー相手ならより意義は大となる)。そして技能ランクが10になったらボーナスは+6(2つに+2の場合は+4)となる。ここが特に重要っていうか酷い
 以前紹介したワンド・キー・リング(ACG)を組み込んだビルドならば、《魔法の才》《技能熟練》 を仕込んでおくと、1ランクだけ〈魔法装置使用〉を取っているだけでもボーナスは+16~17。これに能力値のボーナスが乗るとなればもうワンドは振り放題だ。ハーフエルフで得られる《技能熟練》 をアテると無駄が無いだろう。一方、《魔法の才》の場合は〈呪文学〉は+2がなかなか美味しい。ローグの下級魔法ディテクト・マジックを使えるようにしておくと、自力で魔法のアイテムの鑑定ができる……って、ローグだと〈呪文学〉がクラス技能じゃないぢゃん。ここはうまいことキャラクター特徴でクラス技能にしといて頂戴。
 クラス特徴で固定値がガンガン伸びるようなクラスに技能特技を重ねてやりたい放題の固定値でブイブイ言わせるのも気持ちが良い。アルケミストの〈製作:錬金術〉やインクィジターの〈威圧〉〈真意看破〉がこれに当たる。インクィジターは“審問”(UM)によって〈威圧〉を【判断力】ボーナスを行えるようになるので、これを選択するといよいよ【判断力】で無法を働くクラスになって楽しくって仕方がない。〈威圧〉はPUで追加された技能解放によって恐怖の段階を深化させるようになり、潜在能力が一挙に高まった。ガラガラ薬(ACG)のような、比較的安価で大きなボーナスを乗せられる錬金術道具が登場したのも追い風。アルケミストがパーティにいたらじゃんじゃん量産してもらおう。……相変わらず[精神作用]の効かない相手にはどうしようもないけど。
 サプリメント『Heros of the Wild』に収録されているウィッチのアーキタイプ、ハーブの魔女/Herb Witchは〈職能:薬草商〉で病気や毒、各種状態異常を解除できる「万能薬」を精製できる。脱法ハーブみたいな危ないもんじゃなくてちゃんと効果はあるから安心してくれ。「万能薬」は自称だけどな(ウォーハンマーのママ・メルキンの薬みてえなもんだろう)。DCは病気や毒など原因のDCになっているので、《技能熟練》 で底上げして確実性を向上させる価値は非常に高い。アルケミストのように〈職能:薬草商〉にボーナスを得られるが、クラス・レベルの半分とやや頼りないので、この補強は強く推奨しておきたい。なんなら人間で“畑の心”(ARG)を突っ込んでもよい。これだと、クラス・レベルをそのまま足せるようなもんだ(ウィッチ・レベルの半分+キャラクター・レベルの半分)。ハーブの魔女の呪術が2つ潰れる(1レベル置き換え、2レベルは大釜固定)欠点を人間のボーナス特技で《呪術追加》をもって埋められるのも利点。
 より技能に特化する場合は、人間で“集中訓練”(ARG)を選択すると、1、8、16レベル時に《技能熟練》 が降ってくる。スパンはかなり長いものの、勝手に技能解放されていくPUローグはこれを選択してみるのもアリか。
 これらを活用するには、何度か言及している技能解放を併用するとさらなる相乗効果を見込める。恐怖を深化してく〈威圧〉も良いし、ハーブの魔女では〈職能:薬草商〉を2回ロールできる。それも、常にだ。ローグ以外のクラスでは《二つ名たる技能》(PU)を取得しないといけないが、技能解放の項にもあるように、ローグのみの能力に限定するGMもいるからそこんとこは確認しておこう。
 魔法の罠に対する〈装置無力化〉のように、単純に無理難題過ぎるDCを突破するために取るのも立派な取得の根拠である(25+呪文レベル。高レベルならともかく……)。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#191~今さら聞けない5eのいろいろ~

 気付いたら新年からもう2週間も経過しようとしているが、まあ遅れてきた年賀状気分で読んでくれや。
 さて日本語版PHBもめでたく発売され、アナルの青い子ゼルでもなければ皆買うてくれたと思う。もしも青い子ゼルがいたら親御さんにねだって買ってもらおう! あと肛門科行くべし。そして同時発売したスターター・セットで楽しくどついたりどつかれたりしているとでしょう。第一章のボスはここでも散々ネタにしてきたしいっぺん遊んだ人は色々言いたい事あると思うけど、まあこれからの方々はうまいことやってちょうだい。私がPCで遊んだ時は「こいつは余裕綽々で立ち上がるので、移動速度は半減します。んで、このターンは移動するだけ」という温情をいただきました。うまい演出だよねコレ。後はパラディンさんが延々回避で壁になってもらってるところをローグが急所攻撃を必死で撃ち込んでた。あとは盾を外すとか初手はジャヴェリン投げるとか色々調整の手はあるべな。(ネタバレ回避のため伏字)
 これからD&Dを始める人はロンモチ、鍛えられたドラゴンスレイヤーも次々5e世界に突入していると思われますが、5e発売から3年が経過したとはいえそれは原語版の話、イベントに参加したり、ベーシック・ルールで遊んでいるんでもなきゃ以前の版の知識のままで遊ぶことになる故混乱することも多々あるでしょう。俺はこの間逆に「あれ? 遮蔽ってACボーナス+2じゃなかったっけ」とPFで発言した。
 てなわけで、今年初の記事はこれから5eを始めるにあたって、前の版と比較して忘れがち&混乱しがちなアレコレの話ダヨー。

・有利・不利を測るのはd20一個
 5eに踏み込むにあたってD&Dユーザが最初に受ける洗礼はコレだろう。3eにせよ4eにせよ細かな修正を積み上げて積み上げて判定に至る過程を知っているあまねく全ての人々はこのあまりに簡素、あまりに豪快な処断に圧倒されるであろう、おおさ圧倒されたとも。
 判定において、チャレンジするものにとって有利であればd20を2個振って良い方を取る、不利であればd20を2個振って悪い方を取る、5eにおける昔からの「修正」はこれでほぼ一本化されたと思ってよい。状況毎に受ける修正が変わらないことに不満はあるかもしれないが、取りあえず「では有利(もしくは不利)で判定してみて」という一言で済むようになったのはある意味ユーザーフレンドリーではあるし、これも時代の流れとゆうものか。
 なお、有利と不利が同時に存在する場合は打ち消し合うし、いくつ不利が乗っていても関係なし。《強運》のような特殊な例でもなければd20を3個以上振ることは無い。
 ただ、状況による修正自体が消えたわけではなく、クラス特徴や呪文でボーナス(もしくはペナルティ)が乗ることもあるが、それらの大半はダイス自体を追加するブレスなら攻撃ロールとセーヴに+1d4)。これまたなんとも大切断おろしな思い切った変化であるが、いちいち細かい数値を計算する手間を取っ払った故の判断と思われる。細かい数値は重ねなくていいが、ダイス自体は結構重なるので割と大変なことになったりするぞブレスと“バードの鼓舞”と戦技ダイスが組み合わさったりすると…)。
 ちなみに、数値そのものの修正もごくわずかであるが生き残っている。遠隔攻撃において遮蔽が存在する場合、攻撃ロール-2はその一例。シールド・オヴ・フェイス武器聖別も、稀少な数値そのものの修正。

・習熟ボーナスを乗せられるのは「能力値判定」なら「技能」「道具」、「攻撃ロール」なら「武器」(呪文含む)、「セーヴ」なら「能力値」に習熟している時のみ
・これに属さないものは習熟ボーナスを乗せない

 非常に誤解を招きやすいのがココ。
 よく聞くのが「○○(能力値)セーヴに習熟してるから○○判定に習熟ボーナス乗りますか?」という質問。それも「能力値判定」という書き方がいかんと思うのであるが、「能力値判定」と「セーヴ」は別個のものなのでこの質問には「乗りません」が正しい。
 習熟している判定には習熟ボーナスが乗る、が5eの原則であり、各判定ごとに習熟しているか否かを判断する要素は以下の通り。
・能力値判定→技能習熟、道具習熟
・攻撃ロール→武器への習熟(呪文攻撃含む)
・セーヴ→クラスによって与えられる各能力値のセーヴ習熟
 これに当てはまらないものは習熟ボーナスを乗せない。つまりダメージ・ロールには習熟ボーナスが乗らないし、能力値単独の判定に習熟ボーナスが乗ることも(バードの“なんでも屋”などを除いて)ないとわかる。それと、ヘックスで不利を与えられるのは「能力値判定」だから、例え【耐久力】を指定しても【耐久力】セーヴに不利が乗ることはない。【敏捷力】を指定して隠れるのにフリを与えるなんてことはできるが。
 忘れがちなのがイニシアチブは能力値判定なので有利・不利が乗るし、インスピレーションを使うこともできる
 余談ながら、頑健・反応・意志というセーヴ御三家は撤廃され、各能力値ごとにセーヴが存在することになった。……が、結局のところ【耐久力】【敏捷力】【判断力】が主要なセーヴであるのに変わりはなく、つまりそれ以外のセーヴの頻度はと言うと……拘束から抜ける【筋力】セーヴや魅了に抵抗する【魅力】セーヴはともかく、【知力】セーヴは……しかもやたらと習熟するクラスが多いのはいやがらせか!?(幻影を見破るのもセーヴではなく【知力】〈調査〉判定。なんでじゃ!)

・技能は必ずしも能力値を指定しているわけではない
 ↑と関連してのお話。
 技能には能力値が指定されているが、別にその能力値で常に判定しなくてはならない、というわけではない。腕力で〈威圧〉する場合は【筋力】による判定になるだろう、という例示がPHBでもされている(いちいち技能の横に能力値が併記されている理由はこのため)。
 まあ、それもDMから許可を得られた場合ではあるだけれど……一発ネタなら兎も角、【耐久力】で〈看破〉とか繰り返しやったら不興を買うであろうし。

・敵の周囲を回る分には機会攻撃を誘発しない
・移動で機会攻撃を誘発するのは、敵の間合いから「離れる」時のみ

 一番目の理由は二番目のルールに従ってのこと。5eで機会攻撃を誘発するのが敵の間合いから離れる時ならば、距離が変わらない=敵の周りをグルグル回るだけなら、機会攻撃は誘発しないという寸法。挟撃がオプションになったのはこの仕様のためかと思われる。一見するとあまり意味のないような挙動に見えるが、離脱をボーナス・アクションで行えるローグやゴブリンの場合、これで手薄な後衛に簡単に飛び込むことができるようになる。
 合わせて、敵の動きを封じたい場合は斜めに挟み込むようにすると良い。
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 「C」はクレリックから、「F」はファイターから、「C&F」は両者からの機会攻撃を誘発する移動。このような位置取りなら、一歩でも動けばいずれかの機会攻撃を誘発することになる。
 敵の間合いから「離れる」ことを、PFのように単に間合いの中で「動く」ことと定義するDMもいるかもしれないが、これは各卓によって判断が分かれるところなので要確認。筆者DMの場合は「離れる」だから接近するだけなら誘発しないと判断する。ハーフリングで敵をすり抜けようとする場合は…うーん、「離れる」ではないから、誘発しなくてもいいかな? 股裂きスライディングのようでカッコイイし。
 5フィート・ステップ及びシフトは完全に撤廃された。安全に敵の間合いから離れるには離脱アクションを取るか、機会攻撃を封じる何かを使うかしかない。

・遠隔攻撃・呪文で機会攻撃を受けることはない
 機会攻撃関連ではこれが2番目にデカい変更点。
 よく4eやPFを遊んでた方々から「敵の間合い内で射撃or呪文詠唱すると機会攻撃受けるんじゃ?」と心配顔されますが、5eではこれらの行動では機会攻撃を誘発しません。特技《魔導士退治》を取得していれば呪文に対しては機会攻撃をできるようになりますが、特技に限った話なのでクリーチャーにおいてはほぼ無縁の話でしょう。というわけで隣接した敵への遠隔攻撃&呪文で機会攻撃に怯える心配はないのですムハハハ。
 言うても遠隔攻撃に不利は乗るし、射手や術者が挑まれて無事でいることはあんまりないので、早めに距離は取った方がいいと思いますけどネ。重要なのは、不利が乗るのは遠隔攻撃のみであり、セーヴを振らせる効果ならば関係が無いという点。敵に詰め寄られているが、別の場所で起きている混戦に加勢しなければいけないという場面に合わせて、初級呪文でもセーヴ効果で射程の長いものは用意しておきたい。「初級呪文は」と限定したのは、呪文レベルが上がると、攻撃ロールが必要な呪文自体が減ってくるので、あまりこのような心配をする必要が無くなるから。

・移動の途中でアクションが可能
 つまり全員が全員《一撃離脱》仕様に……あ、《一撃離脱》じゃ呪文が使いから適切じゃないな。じゃあ《かすめ飛び攻撃》……これもダメだな。
 これで恩恵を特に受けたのは遠隔攻撃&術者だろう。間合いが遠いが近付くまでが怖い、という状況でも必要な距離まで移動→使用後元の位置まで戻る、という一連の動作で距離を保つことが可能になった(通称反復横飛び)。ロングボウのような長射程武器なら物凄く簡単に「退き撃ち」が可能に。前衛クラスでも移動後の攻撃で敵を倒して移動力が余った、という場合は次の敵に接敵することができる。攻撃回数が2回以上の場合は、攻撃の合間に移動を挟むことが可能(さながら全力攻撃の合間に5フィート・ステップするように)。シンプルに見えて戦闘の機動性は実はかなり高いのですよ5eは

・アクション及び移動の置き換えは不可
 アクション関連で混乱の原因となっているのが、恐らくコレ。
 5eにおけるターン中にできることは「移動」「ボーナス・アクション」「アクション」「その他のアクション」で、それぞれを別のアクションに置き換えることはできない。では早足は? というと、あれは「早足」という「アクション」はなのであって、「アクション」を「移動」に置き換えているのではない。それと、アクションをボーナス・アクションに換えたり、移動をその他のアクションに換えたりするようなこともできない。それぞれのアクション及び移動はターン中に1つずつだけ、特例(“怒涛のアクション”のような)を除いてこの原則が崩れることは無い。強いて言うなら「その他のアクション」の2つ目が「アクション」に換えられる、という具合か。
 ついでに細かい事言うと5eにおける「移動」はアクションではない。なので「移動アクション」という単語は存在しない。その昔移動アクション(たまにマイナー・アクション)相当であった行為はほとんどが「その他のアクション」となった。また「ボーナス・アクション」はクラス特徴や呪文など特殊な能力で使用する、文字通りボーナス的なアクションで、素のままでこれを使うことはあまりない。マイナー・アクションとは違う概念な事に注意。
 ターン外の行動は「リアクション」に一本化された。これも1ターンに1回しかできないので、自ターン以外に何かできるチャンスは1回きりだと思った方がいい。流石のファイターでもこれを増やすことはできない。

・ダメージへの抵抗は半減・脆弱性は倍加
 何らかのダメージ種別への耐性は、全て「抵抗」=半減という扱いに。細かい数値計算を省くシステム上の方針と同じく、特定の数値をダメージから引くのではなく、一括で半減に。脆弱性は倍加と非常にキツくなった。
 ダメージ減少とエネルギー抵抗が一本化され、非魔法的な武器への耐性も「抵抗」に含まれる(4e時点でも似たようなもんだったけど)。5eの武器への抵抗(より正確に言うと[殴打][刺突][斬撃]への抵抗)は魔法の武器であれば大抵貫けるから、手元に無ければマジック・ウェポンのひとつも準備しておくと安心。タラスクさえも武器への抵抗は魔法の武器なら無効化できる。

・hpは0を下回らない
・現在hpを抜けたダメージが最大hp以上だと死亡
・死亡セーヴはセーヴだけど能力値を使ったセーヴではない

 5eには負のhpが存在せず、どんなに大きなダメージが現在hpより抜けても、生きてさえいれば0で留まる。ただ、この「現在hpを抜けた」ダメージ(負のhpという概念が無いからこう表記する)が最大hp以上となるとPCは死亡する。1レベルの時点でさえ一撃死に至るのはクリティカルでもなきゃ考えづらい。人々がD&Dに抱くイメージは「すぐ死ぬ」であろうが、正しくは「すぐ気絶する」「すぐ死にはしないがリソース切れでじわじわと死んでいく」である、これは5eでも受け継がれている(それが良いか悪いかはおいといて)。
 で、hpが0のPCは死亡セーヴを振らねばならないのだが、習熟ボーナスを乗っけたくないという判断からか、死亡セーヴはセーヴなんだけど特定の能力値を指定しないセーヴという何が何だかよくわからん扱いになっている。ここだけは4eに返り咲いた感じで、単にd20を振って10が出れば成功という扱い。それにしてももうちょっとなんとかならんかったのだろうか。

・習熟さえしていれば防具は呪文を阻害しない
・防具の制限は〈隠密〉と移動速度のみ

 信仰だろーと秘術だろーとその防具に習熟してさえいれば、呪文発動を阻害されることは無い。ウォーロックやバードが《中装防具習熟》を取ってもよいし、なんならクレリックマルチしてもいいぞ。5eで重装鎧に習熟する最短の道はクレリックをマルチクラスして、重装鎧に習熟できる領域を選ぶことだからな……いーのかなー、本当にこれで。
 一方習熟していない防具を着ている場合は信仰だろーと秘術だろーと一切呪文が使えない、とより一層制限がキツくなった。ちびしい。
 防具の制限自体が非常に小さくなっているのも5eの特徴で、重装鎧を着ていてもデメリットは〈隠密〉への不利、それに【筋力】が足りていなかった場合の移動速度ぐらい。【筋力】型なら素直に重装鎧を着込んでおいて悪い事は何もない。


・攻撃回数・能力値の増加はクラス特徴
・特技は能力値上昇と選択

 攻撃回数は前衛クラスで5レベルになった際、能力値は4レベルになった際増加する。これらがクラス特徴になったため、マルチクラスをすればするほどこれらを得るのは遠のいていく。さらに、固定値1点を伸ばすのが大変のため、能力値は早めに最大値の20まで持っていきたいが、特技が能力値上昇と引き換え。色々と出来る事を増やそうとすればするほどに首が締まっていくこの調整が絶妙。それにババリソを1レベルだけ仕込んで激怒を得たり、ファイターの弓術スタイルを取ったりするのは能力値上昇を1レベルを遅らせても取る価値はあるしね。追加攻撃を遅らせるのはちょっとどうかと思うが、つまりは成長のタイミングを楽しく悩ませてくれる良調整って事さな。そして一本伸ばしで能力値上昇の機会が多くて特技を取得しやすく、攻撃回数も伸びていく5eのファイターは素晴らしいぞ

 以前の版と比べて混乱しそうなところは大体こんな感じ。ついつい「遠隔呪文攻撃は【敏捷力】判定だっけ」などと口にしてしまい、「エディション・ウォーズから抜け出せないこの老害が! PEッ!」とナウくてイマいD&Dユーザに侮蔑されないためにもこの辺頭に叩き込み、並み居るライヴァルに差を付けろ!(進研ゼミ調)

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

TRPGこぼれ話#306~来年2018年の目標~

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 もうひとつの目標は、「恩を仇で返さない」です。
 来年はもちっと更新率を上げていきたいと思いますのでyrsk。

テーマ : TRPG
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銀河アズマ

Author:銀河アズマ
R&RにてパスファインダーRPGのサポート記事を担当させていただいております。

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