TRPGこぼれ話#303~やったことがないキャンペーン~

 筆者はキャンペーンが終わんないことへの恐怖感が常にあるので、基本的にキャンペーンを始める時はまず結末を定めるようにしている。こうすると終着点が見えてくるのでキャンペーン全体の長さやペースも自然と決まる。この方針のおかげか、中断したキャンペーンというのは普段「キャンペーンは終わらないもの」とネタにしてる割にはそんなに無い。
 一方で終着点が見えているだけに、終わりを設けずダラダラと続けるキャンペーンというのはやった覚えが無い。別に結末を決めてからダラダラやってもいいのだが、なまじキャンペーン未完への恐怖があるもんだから長期的な計画はびびって立てられず、せいぜい長くて10回ぐらいに収まることになる(世間的にこれを短いというのか長いというのか筆者は知らない)。
 リアルセッション至上主義者なので、単に人や会場を押さえるのがつらいという話もある。参加者の年齢も上がり忙しい身になってくると定期的に集まるのは勿論、日程を合わせるだけでも一苦労で、上記の10回程度のキャンペーンでも完結に2年ぐらいかかった。こうなるとキャンペーンを進めること自体にも疑心暗鬼になって来くる→やがてキャンペーン終わらない恐怖症がぶり返す→ついには合わない日程・参加者・世の中などなど全てに怒りを抱くようになる→やさぐれる→世界を滅ぼそうと決意→なんやかんやあって地球滅亡→荒廃した地球に宇宙人が降り立ち、PFのビギナーズ・ボックスを発掘→宇宙人の言語に翻訳してみる→たまたま宇宙人の使っている言語が日本語だった→その記憶が時を越え次元を超えPaizoスタッフにパイルフォーメーション→こうしてビギナーズ・ボックスの翻訳が決定したのサ、とまあえらくムダな文章量を食った気がするが色々大変なことになって精神的にもよぐねえのよ。
 同じ考えかは知らないが、筆者がプレイヤーで参加しているキャンペーンも、長さは大体筆者と似たり寄ったりである。まあ、これは単にそのぐらいの回数遊んでいるとシステムに飽きてきたり、新しいシステムを遊んでみたくなったりするせいかもしれない。
 ついでに言うと、お金をコツコツ貯めるキャンペーンというのもやった覚えが無い。基本的に気前がいいGMが多いのか、報酬がショボイよりは数段良いが目標金額へつもり貯金するような地道な苦労はしたことがないし、さもなければ最初っから「この長さのキャンペーンでは絶対手が届かんな」と判断して候補から外していた。4eをやっていた時は現物支給でばんばんマジック・アイテムを貰ってたっけな。まあ、あまりにもアイテムが多過ぎて「ぼくこれがほしい」と告げるほど知らんかったというのもあるが。5eの時はバードだったんで鎧を買うための金を集めるような苦労はせんかったし。術者はあんまり金の使い道ないんよ。
 SW2.0の時は首切り刀を狙っていましたが、毎戦闘ポーションを消費するレンジャーで1ターンで数千ガメルすっ飛んでいく自分の戦闘を見つめ直して諦めました(ポーションを補充・消費するのをガマンして首切り刀買うより遥かに安定していた)。
 でも、オンセなら人や会場、時間の問題は相当軽減されるから、もしかしたらこんなふうに終わりを設けず、GMも明日のことは明日考える無頼マスタリングもできるかもしれない。実際ツイッターを眺めていると、それこそ毎晩のようにセッションをしている人達がいて、てえしたもんだと驚くと共に羨ましくも思う。もっと早く流行物は廃り物などと斜に構えず利用していれば……いやしてたんだけど、パスワード忘れてそのまま放置してたんで……まあこのまま知らずに終わるより乗る機会が増えたと思っておこう。実際そのおかげでセッションの機会も増えているのだし。
 できるものなら、PFで終わりを設けずそれこそダラダラと10回20回と続けるようなキャンペーンをやってみたいものですが。今日は此処でシナリオ解決したから明日はあそこでシナリオ解決、てな具合に気分と状況で次の舞台を決めていく、今日もどこかでデビルマン的なやつ。昔のキャンペーンってこんな感じだったんじゃねえかな。レベルアップはしなくても、シナリオで手に入れた財産やアイテムで強くなったことを実感できるようなキャンペーンも、一度ぐらいはのびのび長々とやったってバチは当たるめえ。勿論、GM側でもPL側でもね。皆でついに高品質の武器を買えるお金が貯まった、と手を取って喜びあえるような体験、たまにはしてみたいもんですよ
 そんでそういうキャンペーンに限って未完で終わったりしてな。

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TRPGこぼれ話#302~バレンタイン大作戦

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そしてセッション当日
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テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#255~ハローMr.Unchained 集約技能~

 技能ポイントを別個に与える背景技能、技能そのものの数を減らす統合技能とPUにて技能システムには大ナタが振るわれたワケだが、それでもうぬら煩雑が過ぎる故、口減らしだけは飽き足らぬとさらに遠心力をぶち足した必滅の斬魔斧が繰り出された! 第三のオプション・ルール、集約技能ではついに技能ポイントそのものが削除されることとなったのだ!
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 ロビンじゃなくても思わずツッコミを入れるであろうからヨゴザンス! お望み通り集約技能の説明に入ろう!
 大雑把に言うと集約技能のルールを使用した場合、技能ランクはポイントを振るのではなく、キャラクターのレベルによって決定される。既存の技能をいくつかのカテゴリに分けて一括で固定値を与えるようにする、という点では統合技能に近いモンがあるけど、個々の技能がそのままに存在するという点が大きな違い。
 PCは作成した時点で得意なカテゴリ、“技能グループ”をクラスによって決められた数を選ぶ(この数はクラスごとの技能ポイントによって決められる)。こうして選ばれた技能グループに含まれる技能は、全てキャラクター・レベル÷2(最低1)のボーナスを得られる。これに加えて、1レベル時点で1+【知力】修正値÷2個の“得意技能”を選ぶことができ、指定したものが技能グループに属していない場合は同様にキャラクター・レベル÷2のボーナスを得る。技能グループに属しかつ得意技能な場合は、判定へのボーナスがキャラクター・レベルとなる。クラス技能の+3ボーナスを得るには技能グループに含まれているか、得意技能として選択するかの何れかでOK。
 実例を挙げると、バードは技能ポイントの固定値が6なので、選択できる技能グループは3つ(表:レベル毎の得意技能と技能グループを参照のこと)。ここでは学術分野(〈鑑定〉〈呪文学〉〈職能〉〈製作〉〈知識:すべて〉)、社交分野(〈威圧〉〈芸能〉〈言語学〉〈交渉〉〈はったり〉)、盗賊分野(〈隠密〉〈装置無力化〉〈手先の早業〉〈変装〉〈魔法装置使用〉)を選択した。
 まずこの時点でこれら全ての技能にキャラクター・レベル÷2のボーナスが追加され、クラス技能である〈威圧〉〈隠密〉〈鑑定〉〈言語学〉〈交渉〉〈呪文学〉〈職能〉〈製作〉〈知識:すべて〉〈手先の早業〉〈はったり〉〈変装〉〈魔法装置使用〉は+3のボーナスが得られる。さらに技能グループに属する技能全てが修得したとみなされるので、未収得次判定不可の〈言語学〉〈呪文学〉〈職能〉〈装置無力化〉〈知識:すべて〉〈手先の早業〉〈魔法装置使用〉が判定可能となった(〈知識〉は“バードの知識”で未収得でも判定は可能なのだが、技能グループに属していればクラス技能とみなされ+3のボーナスを得られる=〈知識:すべて〉がクラス技能のバードは一括で修得するとむちゃくちゃ効率が良い、さらにバード・レベル÷2が技能グループのボーナスに加わってグフェフェフェ、という判断)。
 さらに【知力】14の場合得意技能に選択できるのは2つ(1+【知力】修正値の+2÷2)。1つは〈芸能〉を指定し、もう1つは〈知覚〉にした。〈芸能〉は技能グループに含まれ、得意技能かつクラス技能なのでキャラクター・レベル+3がボーナスとなる。〈知覚〉はクラス技能なので得意技能に指定すると+3を得られるが、〈知覚〉を含む知覚分野は訓練していないので、それに加えてキャラクター・レベル÷2がボーナスとなる。
 最終的に各技能のボーナスは
・技能グループに属するか得意技能に指定されており、クラス技能でない→キャラクター・レベル÷2のボーナス
 …〈装置無力化〉
・技能グループに属するか得意技能に指定されており、クラス技能である→キャラクター・レベル÷2+3のボーナス
 …〈威圧〉〈隠密〉〈鑑定〉〈言語学〉〈交渉〉〈呪文学〉〈職能〉〈製作〉〈知覚〉〈知識:すべて〉〈手先の早業〉〈はったり〉〈変装〉〈魔法装置使用〉
・技能グループに属し、かつ得意技能に指定されており、クラス技能でない→キャラクター・レベルのボーナス
 …なし。例えば〈装置無力化〉を得意技能に指定していれば、ここに属する。
・技能グループに属し、かつ得意技能に指定されており、クラス技能である→キャラクター・レベル+3のボーナス
 …〈芸能〉
 となった。
 以後、技能グループの数の推移は、元の技能ポイントによって変動する。得意技能は2レベルに1個ずつ増えていくが、技能グループの数はかなり緩やか。技能ポイントが非常に良好なローグでさえ、技能グループが拡張されるのは8レベル。技能ポイントが劣悪(2ポイント)の場合は、なんと10レベルで3つになって以降20レベルまで据え置き。また得意技能の天井も11+【知力】修正値÷2と決まっており、最大のボーナスを得られる技能はその範囲内ということになる。
 一括でボーナスを得られ、修得したとみなされてクラス技能のボーナスを得やすいのは利点ではあるが、この得意技能の数からすると、キャラクター・レベル+3のボーナスを得られる技能は一握りとなる。キャラクター・レベルの低い内はまだいいが、次第にキャラクター・レベル÷2のボーナスだけでやりくりしないといけない判定ではDCを抜くのが困難になってきそう。というか5レベル時点でもキャラクター・レベルの5+クラス技能の+3のボーナスで判定できる技能が3+【知力】修正値÷2個しかないというのは相当ヤバイと思う。技能職が技能職と名乗れないレベル。
 なお、マルチクラスした場合は技能グループの数について、強制的に技能ポイントの低い方が適用されるのも苦しいところ。例えば前述のバードがファイターをマルチクラスで取得した場合、一生涯技能グループは3つのままで固定である(ファイターは技能ポイントが2点、なので技能グループの数は最大でも3)。
 統合技能も数値の上下で阿鼻叫喚の惨状が予想されたが、コチラは地獄絵図って感じ。キャラクター・レベルが伸びれば伸びるほど開いていく固定値の差もしんどいが、それ以上にもっさりした得意技能の増加があまりにも辛い。一括で技能にボーナスが貰えて楽チンというメリットが、ボーナスの差と絞られた得意技能のせいでかえって悶絶と介抱と見せかけて首を絞めてる感がある。
 いくらボーナスを一度に貰えると言っても、キャラクター・レベルに等しいボーナスを得られた技能と得られなかった技能の差がコレだと、専門家以外は口出しできないような数値になりそうな……まあ、元からそうだったと言われるとそんな気もしてくるし、結局1d20判定だから出目とドッ根性でなんとかならないこともないでもないでしょうが。それはいいとしても、GM側もDCの設定で専門家じゃない人でも成功の余地を出すと専門家にとっては楽勝も楽勝(ファンブルが無いし)、専門家に合わせるとそれ以外の人がまったく対処できない、と難しいハンドリングを要求されそうである。
 技能ランクの配分がプレイグループ内で等しく不評であるならともかく、
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 ただただこんなだるいっぺれ~という理由で採用すると、そのプセりっぷりの代償は血であがなう事になる故、技能オプションの中でも特に慎重に慎重を重ねて検討されたし。
 なお統合技能と併用することもできるが、技能グループと得意技能の数が半減するので結局のところ固定値の差は如何ともし難い。【知力】による得意技能の増加なんて絶望的であるし、6レベルになるまで得意技能の数が1個なのは、従来のルール以上の惨状を招きかねない拘束である。ウギャー
 なおルール的にも怪しい部分がいくつかあるオプションだったり。まず得意技能は技能グループに属していない技能に適用できる、と書いてあるのだが、これだと技能グループ&得意技能で重複した場合のボーナスが得られないことになる。ルールの根幹と思いっ切り矛盾しているので、これは単なる記述ミスだろう。
 次に統合技能と併用した場合であるが、「特定のクラスが与える技能グループと得意技能の数を決定する際、基本ルールでレベル毎に得られる技能ランクの半分を用いること」という一文が何を意味するのかよくワカらない。技能グループの数を決定するのは技能ランクであるのは前述の通りであるが、これを半分にすると表で参照できないクラスが出てくるのだが(半分にした結果1になる技能ランク2のクラスや3になる技能ランク6のクラス)。技能グループの数と得意技能の数を半分にするという処理とも食い違うし。ついでに言うと得意技能の数は技能ポイントに関わらず決定されるはずなので、ますますこの一文が謎である。原文・原書にもある記述なのだが、どうにも意味を掴みかねて困っておりますので、ご存知の方いらっしゃったら解説お願いします。
 最後に、クリーチャーの技能に関してはコンバートの指針が無い。技能グループが決して狭くないだけに、あらためてクリーチャーごとに技能のボーナスを決定し直すというのは結構な手間になりそうなんで、ここはフォローして欲しかったのですが。拘らないなら、ボーナスが高いものはHDに、そうでないものはHD÷2に変更という手もありますが。結構クリーチャーの技能も数値がバラけてるからなあ。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#254~ハローMr.Unchained 背景技能~

 前回の記事でその影をチラチラと見せていた謎の単語・背景技能
 知れば後戻りができなくなるかもしれんぞ! それはゴラリオンの均衡が崩壊するほどの秘密! ということはトントなく、まあ強いて言うならおにぎりを作る時サランラップでくるんで握るとラクだよというぐらいのミニアイデアだったりする。
 開けてガッカリ人食い箱な種明かしも済んじゃったしサッサと要点を述べると、背景技能とは使用頻度にやや……というかかなり劣る技能に背景技能という新たなカテゴリを与えて、通常とは別個に技能ポイントを貰えるようにする、というもの。
 背景技能に設定されたのは〈鑑定〉〈芸能〉〈職能〉〈製作〉〈知識:貴族〉〈知識:工学〉〈知識:地理〉〈知識:歴史〉〈手先の早業〉〈動物使い〉……何れも使用頻度という点ではまあ頷かざるを得ない顔触れであるし、要するに戦闘・探索・交渉というD&Dの三本柱+クリーチャー識別に使わない知識技能が軒並み含められたというワケだ。こういうことを言うと「そういう技能にランクを振ることにこそTRPGの醍醐味があるのだこの和マンチが!」と罵られそうな気がするが、君は【知力】7のパラディンで〈知識:貴族〉を1ランクでも取得する度胸はあるかい? あまりにも技能ポイントが悲惨だとかえって好き放題する人もいるかもしれないがそれは別の問題である。あと、〈芸能〉〈動物使い〉とかは伸ばす人は伸ばすが伸ばさない人はまったく触れなさそーな技能で、そういう技能ならクラス特徴に取り込むとかするのが道理であろうし。
 ただ、武器を隠しておくような小技になる〈手先の早業〉が背景技能入りしたのは意外。未収得判定不可であるし、割と使い方次第で化ける技能だったと思うのだが……〈芸能〉のような使い方もできる点を考慮したのかもしれないが、案外実際のセッションだと使用頻度は高くなかったのか? 確かにコアクラスだとバードとローグしかクラス技能にできる者がいなかったから、あまり上げる気にはならないのもわかるけど。
 背景技能は毎レベル2点のポイントを与えられ、割り振ることができる。これには【知力】修正値は適用されない。PCの味付け的な技能を延ばしていく余裕が2ポイントだけ降ってくると思えばおおむねOK。〈職能〉で冒険以外の生活ぶりを演出してもいいし、バード、ドルイドなんかは確実に〈芸能〉〈動物使い〉を伸ばせるようになったワケで、喜びのあまり脱糞しそうな処置である。
 なお、これら以外の従来から存在する技能は“冒険技能”と呼称され、いつも通りクラス固定の数値+【知力】修正値の技能ポイントを使って伸ばす。このポイントは背景技能に使うことも可能。
 通常のシステムと比べると、ポイントを割り振る技能の数が35個から24個に減った……まだかなり多いような気がする……あと相変わらず【筋力】準拠の技能にいまいっちんぐな感じが抜け切らないぺらっしゃ~、とフカシつつも、PCの一面を演出するギミックが一枚増えたというのは純粋に喜ぶところだろう。ただでさえ乏しい技能ポイントで一生に一度判定の機会があるかないか、の技能に居座られてもそれはただのインクの染みに過ぎんし、いざ判定を要求されてそれが未収得判定不可だとPLもGMも困った顔になるだろうよ。
 あと、前回の統合技能でこそ背景技能は生きるギミック。ひとつひとつの技能の汎用性が上がったところにニッチな所を埋める背景技能が加わることで、冒険者が冒険者でありかつ一個の人間としての彩りが出来上がるのDA
 背景技能には新たに加えられたものも存在する。〈創作〉と〈伝承〉がソレ(いずれも【知力】使用)。
 〈創作〉は〈製作〉と似ているが、無形のものでも構わないという点が異なる。例えば〈創作:批評〉〈創作:楽曲〉のような取り方ができる。むしろ〈製作〉でこれらが取れなかったのか、と今知った。どっちかというと従来のシステムに合わせるなら〈職能〉の方が近いか(〈職能:作曲家〉とか)。それを言ったら〈芸能〉でもよさそうなモンだけど、【知力】準拠だけに〈創作:楽曲〉を持っていても優れた演奏家であるワケではないのがミソである。〈芸能〉はパフォーマンスも含めた芸能活動であり、〈芸能〉に近い〈創作〉の場合はそうした人々に売り込む提供者、もしくは本人が表に立たず出版物など媒介を通すう立場と考えるのが適切だろう。〈芸能〉が華やかな仕草で【魅力】を売るのに対し、〈創作〉は筆で豊かな【知力】を売るのだ。
 中には絵画や彫刻のように〈製作〉と〈創作〉の中間に立つものもあるので、そこはGMが適宜判断してくれや、とのこと。そういえば芸術作品を作るのは手先の器用さ(【敏捷力】)やパッション(【魅力】)ではなく、教養(【知力】)なのだなあ。
 〈伝承〉ごくごく狭い範囲の〈知識〉みたいなものと思えば良し。使い方は同様ながら、特定の土地や個人、クリーチャーに限られる。〈伝承:フロスト・ジャイアント〉はOKだが〈伝承:巨人〉はNGってな具合。超決め打ちすればクリーチャー識別に使えないでもないが、ここはデザインの意図を汲み取って、PC設定やシナリオやキャンペーンに則した個人的知識の表現として使うのがイエスであろう。一族の仇であるピット・フィーンドをぶっ殺すと誓ったPCなら出会う出会わないはさておいて〈伝承:ピット・フィーンド〉を指定しても誰も責めはしないし、いざキャンペーンで伏線を拾われてピット・フィーンドと出くわした際にクリーチャー識別で使ってもマンチ呼ばわりされるいわれは何もあるまい。というかGM側で各PCごとにキャンペーンに関連するワードを指定するのも面白そうだな。
 なお狭い範囲を指定する技能ではあるが、それに近い対象であるなら-5のペナルティを負って〈知識〉のような使い方ができるというオプション・ルールもある。意外なところで活かされる時もあるかもしれない。
 導入すれば単純に技能ポイントのやりくりが楽になるのでPLには嬉しいオプションであるし、何より固定値が激しく上下するワケではないので統合技能と比べて従来のPCに対して容易に適用できるのがデカい。長らく展開しているキャンペーンなんかにはコチラを採用するのが無難だろう。そのぶん、技能の数の多さという欠点を解消できないのは止む無し。
 また〈製作〉〈職能〉を使ったものつくりやゼニコを稼ぐだけでなく、〈知識〉のような調査に使用できる拡張ルールも掲載されており、こちらも使用法について新たなスポットを当てることになるだろう。これからPFを始める人も始めている人も是非是非ひとつ採用を考慮してみてはどうだろうか。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#253~ハローMr.Unchained 統合技能~

 PFは3eッ子で遅く来た青春を謳歌した身としては大好きなシステムなんだけど、流石に一昔前のシステムなので改善して欲しい点も色々ある。それは面倒臭さにグールも二度死しそうな呪文準備システムであったりべらぼうに多い技能数であったりアイコニック・キャラクターに眼鏡っ子がいないことだったりするワケだ
 このうち呪文の準備はいい具合にウィザードとソーサラーのいいとこどりした5eのパクリのアーケイニストが登場してまあいいやという気になったし、アイコニック・キャラクターの眼鏡っ子不在問題に関しては、アミリたんのキャラデザで一億二千万点はあげられるからガマンできる。ただ、技能数に関しては相変わらず如何ともし難い。繰り返し繰り返し書いてきたように、これでも3e→3.5e→PFと順調に減ってきてはいるのだが……。技能ポイント数を基本的に3eから継承している(劣悪→2点、標準→4点、良好→6点、非常に良好→8点)以上あんまり減らすとゲームバランスを崩しかねないのかもしれん。どうせ〈軽業〉・〈呪文学〉・〈知覚〉・クリーチャー識別に関わる〈知識〉・〈魔法装置使用〉ぐらいしか伸ばさないんだろうって? うるさいよ!
 それでも一生に一度も使いそうにない技能がいつまでも候補に居座り、しかもピンポイントでシナリオ中判定を要求されると空気が悪くなるのは必定、使用頻度の差異はこりゃアカンなあと懸念していたのか、PUでついに技能に関してもオプションとしてメスが入れられることになった。そのうちの一つが、今回紹介する統合技能
 統合技能はオプションの中でも直接的に技能の数を減らすもの。以下のように、新たに設定された技能にこれまでの技能は集約されることになる。
・〈運動〉(【筋力】)※1→〈軽業〉(跳躍)〈水泳〉〈登攀〉
・〈演芸〉(【魅力】)→〈芸能〉〈変装〉
・〈隠密〉(【敏捷力】)※1→〈隠密〉
・〈軽業〉(【敏捷力】)※1→〈軽業〉(跳躍以外)〈騎乗〉〈脱出術〉〈飛行〉
・〈感化〉(【魅力】)→〈威圧〉〈交渉〉〈はったり〉
・〈技巧〉(【敏捷力】)※1、※2→〈装置無力化〉〈手先の早業〉
・〈自然〉(【知力】)※2→〈知識:自然〉〈知識:ダンジョン探検〉〈知識:地理〉〈動物使い〉
・〈社会〉(【知力】)※2→〈言語学〉〈知識:貴族〉〈知識:地域〉〈知識:歴史〉
・〈宗教〉(【知力】)※2→〈知識:次元界〉〈知識:宗教〉
・〈呪文学〉(【知力】)※2→〈呪文学〉〈知識:神秘学〉〈魔法装置使用〉
・〈生存〉(【判断力】)→〈生存〉〈治療〉
・〈知覚〉(【判断力】)→〈真意看破〉〈知覚〉
※1…防具による判定ペナルティを受ける、※2…未収得判定不可
 あのくそ多い技能数が4eや5eより少なくなってしまった(4e→17個、5e→18個。5eの方が多いのね)。35もの技能が12に集約できる! そう、PUならね(既にヤングに通じないネタ)。というか35個もあったのかよ。もっと減らせよ最初から!
 おおむね使用する能力値や判定ペナルティ、未収得判定不可の制限は元の技能を踏襲していて納得はいくだろうが、〈動物使い〉と〈魔法装置使用〉は使用する能力値が【魅力】から【知力】になった。動物に芸を仕込むには、これからは感じの良さから知識ということか。また〈魔法装置使用〉はウィザードからすれば呪文のプロである俺の【知力】で何故に魔法装置動かせんのやというのはもっともな主張であったろうが、実のところPF及びD&Dでは何故か【知力】でなく【魅力】で呪文を使うパープリンのイケメンどもが少なくなく、この変更で悲鳴を上げていることだろう。
 そういえば〈鑑定〉や〈職能〉〈製作〉〈知識:工学〉は? そう、この集約技能は全ての技能をカヴァーしているわけではない。冒険の中で使用する機会が少ないと判断され、抹殺された技能もあるのだ。……しかし、〈鑑定〉はそんなに低いとも思えないのだけれど。そりゃマジックアイテムの識別は〈呪文学〉であるし、重視されるのは価格より能力だろうが……。また〈知識:工学〉は一つだけのけ者にされるぐらいなら、〈社会〉にでも捻じ込んであげればよかったんでは。〈製作〉や〈職能〉もキャラクターの味付けとしは便利だったのだが、まー削られても仕方ないと言えば仕方ないよなー……という方にはまた別のオプション、“背景技能”が用意されているのだが、それはまた次回以降をお待ち下さい。
 集約後の使用頻度の高さでは、やはり〈軽業〉と〈知覚〉が汎用性でズバ抜けて光る。特に嘘を見抜く能力まで〈知覚〉扱いにしちゃうのは便利過ぎてやー、という人もいるかも。また、〈登攀〉〈水泳〉を一括できるということで、いまひとつ扱いの悪い感のあった【筋力】技能も多少は伸ばし甲斐も出てきたかもしれない。知識技能の中でも工学と並んで使用頻度がアレだった〈知識:地理〉〈知識:貴族〉が人型生物クリーチャーの識別に使う〈知識:地域〉と便利な〈知識:歴史〉とセットなのはIKG。〈知識〉は1個で複数のクリーチャーを識別できるようになったぶん、今まで以上に緊密に分担して穴を埋めておくことが求められる。ただでさえ技能ポイント少ないウィザードがさらに削られて悶死しそうなのであるし。
 しかし〈威圧〉も〈はったり〉も〈感化〉、相変わらず嘘をつくにも凄むにも要求されるのは頭の回転や腕力でなくイケメンであるか否かなのな。《腕力による威圧》みたいに特技で用意したから文句ねえだろ、というのも解決策ではあるんだけど、そろそろ5eのように場合によっては【筋力】で〈威圧〉を振れるぐらいの融通効かせていいような……。
 こんだけ技能数を減らしたからには技能ポイントもそのままで済むワケがなく、クラスで指定された技能ポイントはもちろん、【知力】ぶんまで半減してしまった。これまでもゴラリオンはバカキャラに厳しい世界であったが、チョイイン(ちょいとインテリの略)如きでは技能ポイントを稼げぬさらなる学歴社会が形成されることであろう。そう考えると1レベルごとに技能ポイント1点貰える人間が座り失禁するぐらいつええな。適性クラス・オプションの技能ポイント+1もhp+1を引き換えにして全然惜しくない。
 これだけでもしんどい変更点であるが、実はそれ以上に厳しいのがクラス技能であると思われる。技能の集約の都合上、かつてはクラス技能だったはずの技能が他所の技能に移ってしまったため、+3のボーナスを得られないという事態が多発しておるのだ。ファイターなんか比較的優先順位の高かった〈知識:ダンジョン探検〉は〈自然〉に移籍、〈運動〉と〈軽業〉というフィジカル方面にしかクラス技能ボーナスを適用できなくなってしまった。ローグは〈魔法装置使用〉がクラス外技能となり、ワンド等の悪さがしづらくなったのはもちろん、魔法的な装置に対する探索能力の低下は免れない。オラクルに至ってはクラス技能は〈宗教〉のみ。ヂゴクだ。そういや〈威圧〉は結局【魅力】判定か、とグチってたけど、魅力】のいらない腕力系の人で〈感化〉がクラス技能の人って皆無だからどうでもよかったその中でソサは術者にして〈感化〉がクラス技能扱いされるという快挙。これは〈魔法装置使用〉という半身を断ち落とされる苦痛を帳消しにしてもオツリが来る大勝利だ。能力値と技能が全然噛み合ってないのはサモナーの方が酷いんですがアイツはやり過ぎと判断されるぐらい強かったので救う気にはなりませんや。
 技能数が減り、ひとつの技能に多様性を持たせた影響で種族やクラスで得られるボーナスもだいたいが半減。技能フューチャーの特技も軒並み憤死、《技能熟練》 はボーナスが+3に低下してすんぼり。逆にインヴェスティゲーターのように、“目端”が<知識>以外の判定にも適用できるようになる追い風のクラスも存在する。アルケミストなんかは〈製作〉技能が削除=〈製作:錬金術〉がシバウというアイデンティティの爆発四散な危機もあったが、ちゃんと技能ポイントを振ることなくクラス・レベル+【知力】修正値+3のボーナスを貰えるというやさしい救済策が用意されているので安心。もしくは背景技能(これは次回以降以下略)。これらで固定値を稼ぎづらくなると、今まで以上にマジック・アイテムによる増強がより重要になることだろう。
 あ、PUローグは超越技能をどうしよう? 流石に含まれる技能全部解放はマズイから、その中から1つ選んで技能解放能力を得る、みたいなのが適切だろうな。
 技能ポイントの差は狭まったものの、クラス技能の数の減少のせいで、各PCごとの固定値の埋め難い差はやはり存在するのはもちろん、集約による固定値の変動も阿鼻叫喚の惨状となっているであろうから、既存キャンペーンにいきなし導入するのは危険運転もいいトコ。GM側で設定するDCにも見直しが要求されるであろう。まずはテストプレイを何度か重ねてからの採用を自他ともにオススメします。個人的には、このぐらい技能の数が少ない方が快適に回せて好きではあるから、コレでミニキャンペーンを1つ2つ回してから判断したいモンですが

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TRPGこぼれ話#301~クリーチャー識別の重要さ~

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クリーチャー識別失敗

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物理反射

 5eみたいにクリーチャー識別がシステム上存在しない場合はどうするのかって?
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テーマ : TRPG
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D&D5e余話#169~訳語のもんだい・クリーチャーの二つ名~

 DM用ベーシックルールはデータや特殊能力の訳について安心して読める資料であるんだけど、残念ながら通常のクリーチャーの上位種……例えばゴブリンに対するゴブリンの首領みたいな……のデータは掲載されていない。ま、そういう遭遇を組みたかったらMM買ってくれやという方針に異論反論オブジェクションはないんであるけど、データはともかく上位種クリーチャーの和名については見てみたかったという気持ちがある。
 というか、人型生物の上位種の二つ名って似たような名前が多くて。列挙してみると、
・オーク……War Chief
・ゴブリン……Boss
・バグベア……Chief
・ホブゴブリン……Captain、Warlord
 どれもニュアンスは違うんだろうけど、いざ日本語で差異を付けようとするとなかなか難しい。ホブゴブリンなんて同じ種族内に似たような単語が並んでて特に大変だ。というかホブゴブリンの最上位、ウォーロード!? 4e→5eに移行するにあたり死んだはずじゃ! ノールのPack Lordみたいな特異な二つ名なら区別もつけやすいんですが。サフアグンのBalon(男爵)なんかも、すっかりおなじみですしな。
 単純にカタカナにしちゃってもいいといえばいいんですが、特技名を頑張ってひねくり出したように、出来れば雰囲気づくりというのは重視したいもので……当方で独自に訳した二つ名は、以下のようになります。
・オーク……War Chief→戦長
・ゴブリン……Boss→首領
・ノール→Pack Lord→群れ長
・バグベア……Chief→頭目
・ホブゴブリン……Captain、Warlord→司令官、戦王
 ……雰囲気を出そうという努力はしました。ノールの群れ長はかなり気に入ってます
 逆にEye of Gruumshみたいな種族独自の二つ名は「グルームシュの目」と訳すより、そのまんまカタカナで呼んだ方が好きだったりするんですが、これはごく個人的な嗜好であろうな。
 この手の独自二つ名の訳し方は4eが絶品で、流石MTGでならしたホビージャパンと唸らされる。『Volo's Guide to Monsters(以下VGtM)』に登場したKobold Dragonshieldなんかどっからどう見ても竜鱗盾のコボルド、もうそう呼ぶしかないじゃないですか。じゃあScale Sorcererも4eから取って竜司祭に……とはいかないわな。竜鱗呪術師とかかな? 4eから流用できそうでびみょうにズレてるあたりがもったいない。ナイスネームいっぱいあったのになー。ゴブリンひとつとっても、黒刃使いとか脳天割りとか。キュクロプスの串刺し屋・ぶったぎり屋というパワー屋さんどもも捨て難い。
 VGtMでカッコイイ二つ名持ちがドバッと増え、特にオークはBlade of Ilneval(イルネヴァルの刃)やClaw of Luthic(ルーシックの爪)など訳すと日本語の美しさを認識できそうで面白いと思うんですが(カタカナ呼びの方が好きと先に書いたがそれはそれ)。またノールはPack Lordに加えてFlesh Gnawer(生肉齧り)が登場、ノールの二つ名は数は少ないながら独特なセンスを感じられて好き
 クリーチャーの名称に関しては3e・4eを踏襲して統一されている感がありますが、この手の二つ名は皆さん訳したりしてるんでしょーか。他の方の訳も見てみたい。

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TRPGこぼれ話#300~300回記念スペシャル・画像で遊ぼう2017

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D&D5e余話#168~訳語のもんだい・ベーシックルールの用語訳~

 ベーシックルールのDM用は安心して参照できるクリーチャー・データの訳として取り上げたけど、訳と言えばプレイヤー用の方、ゲーム中の用語を訳すとしたらどうなるか? そげな疑問に対するプロの回答というところでも見所がある。オレだけかもしれないけどこんなところに見所を見出す奴は。5eのサイトを見て回ってるとゲーム中の用語って原語そのままだったり、発音をカタカナ表記していたり、独自の訳を当てていたりと扱い様々でたまーに混乱することがあったので。
 当方では独自訳を当ててきており、基本的な方針としては3eや4eに登場した用語を当てはめてきた。が、時々なんと当てていいのか困るやつもある。例えば単純なんだけど武器特性のHeavy。Lightは“軽量”という言葉がスパッと出てきたが、対になると“重量”ってのはおかしい、っちゅうかそれWeightとカブるし。「重い」という形容詞ってバラエティがありそうで適切な単語が意外と出てこなかったりしていたところ、何処で見たか忘れたが“重厚”と表現していたのに
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 と素早く反応して取り入れた。
 このHeavy特性はベーシックルールだと“重武器”という訳となっている。Lightは“軽武器”。言われてみればそういう訳もできるよね、ではある。が、個人的には“軽量”“重厚”の方が好きかな。
 ベーシックルールの訳は流石にプロの仕事ということでナールMと頷ける内容でもあり、時にはいやぼくのかんがえたすごいやくの方がいい時もあり、まあどーせ日本語版のライセンス下りねえことだし気分で使い分けていこうと思う
 今回はそんな公式……とはちょっと違うけど、公開されたベーシックルールに採用された気になるゲーム用語アレコレの話。

・Finess→妙技
 武器特性と言えばコレ。筆者がツベルクリン注射ぐらい嫌いなFiness特性は"妙技”特性となった。《武器の妙技》からのイタダキであろうが、Weapon Finesseを《武器の妙技》と訳した人、今見てもお美事な言語感覚にござりまする。“技巧”特性という訳を使っていたこともあるが、5eでも妙技という単語を使うというなら敬意を表して従いましょう。

・Shield→シールド(防具名)
 キタ━━(゚∀゚)━━ ! と思ったのがこの訳。
 5eはバックラーやライト・シールドやへヴィ・シールドやタワー・シールドみたいな区別なく一枚っきりだったので、Shieldを「」と訳す人も多かったが、筆者はガンとして「シールド」表記だった。あのうんこNPC御用達呪文シールドと混同されるのも恐れず「シールド」と通した。それは何故かと問うならば、D&Dの防具名は和名に訳さずカタカナ表記するモンだから。例え一枚こっきりしかなかったとしても、防具の分類は「盾」、そして防具名は「シールド」でなければあかんのです。
 この風習をキチンと5eでも死守した翻訳スタッフの方々の姿勢には拍手拍手。例えシールド一枚しかないのに盾分類を作る意義があったのか、しかもよりにもよって分類と防具名を同じにして、というギモソはあるとしても

・Prayer Wheel→マニ車
 侍祭の所持品欄を見て十人中七人ぐらいが初見で首を捻ったであろう謎アイテム、prayer wheel。祈祷と車輪という組み合わせで「あーあの回してお経唱える奴か」とピンと来た人もいたのではなかろうか。無論私は初見で気付いた十人中の三人ですがねフフン(ムカつく顔)。ベーシックルール出る前にこういうことは言うと格好がつくのにね!(コレクトゥルフと動画の関連性の時も言った
 ……しかし密教用語をまんま取り入れてよかったのか。聖輪とか少しは捻った訳をアテるのかと思っていたんだけど。なお形状はわかっても装備品の説明がまるでないので、データ面では相変わらず謎のままで侍祭背景を選ぶとすごく困る。重量:なしと言えるほど軽そうには見えないし。
 そういえば背景が訳されてD&D語でなく英語で書かれたフレーバー部分もフトゥーに読めるようになっていいことだ。水夫(sailor)はPHBにしか載ってませんが。背景で〈知覚〉を習熟できる唯一の存在は水夫だけ! 水夫だけです! だからPHBも買おう!(必死の宣伝)

・Trinket→珍品奇品
 背景のフレーバー部分ばりに訳すのが大変だったトリンケットつまらないものや小物という意味で、あんま適切な訳語が思いつかず当方ではそのまんまトリンケットと読んでいた。ちなみにトリンケットを持っているPCは便秘に悩まされません、何故ならオチは言うまでもないし想像つくだろうから言いません。
 訳した人間が( ・ω・)? な顔になるつまらないものにしては面白過ぎるパンチきいた商品だけに“珍品奇品”と命名されたが翻訳ティームも相当苦吟したのか何処となく苦し紛れ感漂うネーミングである。“稀少品”みたいな言い方もできたろうけど、稀少なのは間違いないがかといって所詮値段付けられない、むしろどうやって値段付けたらいいんじゃこんなもんと怒り出されそうなブツまで混入してるし。ネバネバして臭いピラミッド型のお香とか。なおコードウェル城奇譚に登場した守銭奴女・ガーメット古い靴下一足は恐らくこの中でも仏契(ぶっちぎ)りにショボイ“珍品気品”と思われる。
 それにしても「じゃあ君の持ってる珍品奇品を決めよう」とか言われたら、プレイヤーは( ・ω・)? だろうな。

・Mask of the Wild→自然隠れ
 装備品の話をフリにしたので流れ上いきなし装備品の話になってしまったので、手始めの種族話はこっから。ワイルド・エルフのMask of the Wildはチョイと洒落っ気を加えて“自然の覆い”なんてスカした訳をひねくり出してみたら、ベーシックルールでは想像以上に直球だった。直球にも程がある。

・Dwarven Resilience→ドワーフの毒耐性
・Dwarven Toughness→壮健なるドワーフ

 ResilienceとToughnessとか似たような単語に同じドワーヴンとか付けないで下さいよ! 訳に困ったよこれ! 和名を隠してどっちがドワーフの基本特徴でどっちがヒル・ドワーフの特徴? と聞かれて即答できない人も少なくなかろうよ。で、ベーシックルールは一目でResilienceが毒耐性とワカるようになった。それがワカれば二択問題なんだから間違えようがない。[毒]のドの字も原語になかろうとこういう配慮は翻訳において必要なのですな。べんきょになるなあ。

・Channel Divinity→神性伝導
 4eの頃は遭遇毎パワーで「チャネル・ディヴィニティ:○○」と表記されてたんで、5eでもこれに倣ってカタカナで書いていた。が、特殊能力は和名をアテるという方針のようで結構硬質な訳がついた。やはりなんだかんだで4eで見慣れてしまっていた単語なので和名で呼ばれると違和感があるのう。

・Dueling→片手武器戦闘
 うーむむむ決闘術という訳はかなり気に入っていたのですが。確かに片手武器で戦うと強いでというのは一目でワカるようになったんだけど、これじゃデュエリスト要素皆無だよ! かといって決闘術スタイルと言われて片手武器で戦う様を想像できる人もそんなに多くない気もするしなぁー。
 あ、Protectionは護衛となったのね。防衛と表記していたけど防御とゴッチャになりそうなのでこちらはGoo。

・Archetype→類型
 一番
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 となったのがこの訳。いや確かにアーキタイプって言えばそういう意味ですが、ウィザードやクレ公は学派領域と雰囲気盛られて来て類型と言われてもなんかこう、チョコパイと思って食ってたらエンゼルパイでマシュマロだったみたいな妙な歯触りが。[毒]のドの字もないのに毒耐性と振っちゃうぐらいなら、4eを引き継いでミの字もないけど「」としてほしかった……ということで、当方ではファイターなら戦士の道、ローグなら盗賊の道と表記するのでyrsk。

・Working Together→協力
 つい3e以来の慣習で戦闘も戦闘外もいっしょくたに“援護”と呼んでしまったが、今回は明確に別もんであった。ちなみにPFの“援護”はAid、5eはHelp。“援護”アクションで他人の攻撃に有利を与えるのは誰でもできるが、“協力”は有利を与えてあげる側もできる作業のみ、具体的に言うと習熟を問われる能力値判定(盗賊道具を使った罠解除とか)なら有利を与えてあげる側がソレに習熟していないとダメ。別に有利を貰う方が習熟してない分には構わないらしい……わざわざ習熟してないそいつが判定する状況もあまりないと思うが。また援護アクションによる能力値判定に習熟云々は書かれていないが、戦闘中の“協力”と考えるとやはり必要なんだろう。
 ちなみに、技能を用いない能力値判定、能力値ボーナスのみの判定なら、能力値そのものに習熟しているPCはいないハズなので誰でも協力できる。技能判定でなければ取りあえず協力しとけ。

・Investigation→〈捜査〉
 アルケミスト+シーフのぶんざいで〈知識:すべて〉がクラス技能という個人的に許せん(その理由は気が向いたら後で書く!)ACGのインヴェスティゲーターと同じやね。〈調査〉と振っていたのだけれど、思えば〈捜査〉という技能があったんだな。ホラあれ、3eで〈視認〉〈聞き耳〉と一緒にやる、眠くなりそうな罠発見の一手順

・Deception→〈ペテン〉
 一時期は〈欺瞞〉と表記されてた覚えがある(Encountersのキャラクターシートで見た)が、アレはどうだろうと心の中で思いながらも口に出せないままベーシックルールが出てしまった。当方では〈虚偽〉という訳をアテていた。3eや4eに倣って〈はったり〉としたトコもありそうだが、Deceptionという単語がちょっと〈はったり〉ではしっくりこなかったので……結構〈虚偽〉もうまくいったと気に入っていたけど、〈ペテン〉といういい意味で安っぽい響きも捨て難いものがあるな。オーケニストだし。もう十分に君は苦しんだ♪

・Revivify→リヴィヴィファイ
 モルデンカイネンズ・マグニフィシャントとかアナライズ・ドゥウェオマーとか舌を噛みそうな呪文が多いD&D界隈ながら、5eは比較的発音しやすくヤーパン人にも優しい並びのものがセレクトされておるが、ベーシックルールに収録されてる上に死者蘇生と使用頻度高そうな割に、ホントに正しいかいまひとつ自信が持てなかった呪文がコレ。
 字面からするとリヴィヴィとは発音するんだろうけどなんかそんなオーヤンヒーヒ―みたいな読みで良いのか、そんな不安も無事解消されたので遠慮なくこの発音を採用し、リヴィッ……リヴィビ……どうせDM側で使う機会は少なそうだから発音できなくていいや

 あとプロの手による翻訳を見てみたいのは特技。ドワーフの話じゃないけどResilientとToughとか似たような意味の特技名はあるし、それでなくてもそれっぽい単語をでっちあげるのはボールペンを肛門に出し入れされる、しかもクリップ付きで返しが激痛を呼ぶが如く苦悶の作業でありました。その成果がコレで、あれはペンですかいいえトムですの域から出ない英語力の割には頑張ったと自負しております。意外と特技に和名をアテてる人って見ないのよね。単純に外から見た人がわからんからだと思うが。
 理想はPHBも翻訳されて、晴れてこの独自名がPFの自作冒険者セットに続いてお役御免になる事なのですが、なかなか世の中総都合よく動きますまい。とは言えPFのビギナーズ・ボックス翻訳という「まさか」もある世の中なので、ラスト五秒の逆転ファイトを心の何処かで信じつつ焼けた砂にd20を投げ込む修業は続けていきます。

テーマ : TRPG
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TRPGこぼれ話#299~TRPG的に見る0083~

 前回から派生した話。
 迷走ぶりではZガンダムとタメを張れる0083ありゃなんであんなザマになったのか? これもTRPG的に、キャンペーンとして考えてみよう。
 取りあえず意見が一致した点では最初にキャンペーンを始めたGMが引っ越しなどの都合で続けられなくなったので、別のGMがじゃあオレが引き継ぐわとやってみたら、なんか今までの路線と違う方向に行ってしまったという話。まあリアルの事情じゃ仕方ないよなー。きっとPCからも続けたいという要望があったからそうなったんだろうなー。
 そこからは同席した人の意見によると、コウがGMの想定していたシナリオの方向性とすれ違ったせいでああなったという。ニナがガトーを庇うシーン、あそこはコウがニナを説得するロールプレイを期待していたんだけど、コウがそれに乗るようなPLじゃなかったんでガトーがかっさらう結果になったと。まあ確かにコウは如才なく活性剤を用意していたり、巨大MA運用ルールを読み込んでいたりと恋愛ロールプレイよりデータ寄りのPLっぽかったが。戦闘でかち合ったガトーとの因縁ロールプレイは頑張ってたのを見るに、戦闘外で振られるとノれなタイプなんだろう。
 が、オレ的にはあのジオン持ち上げぶりを考えると、GMがNPCのガトーに感情移入して吟遊をカマしたという方がしっくりくるね。先代のGMから引き継いだ設定を踏襲していたら、ガトーを気に入ってしまってPCに見せ場を与えるより全部ぼくのかんがえたすごいNPCのガトーとジオンを持ち上げるための踏み台にしやがったねあのGM。アルビオンが後手後手に回ったのも、PCの出す打開策を悉く後出しジャンケンで潰していったせいだな。都合よくデンドロビウムのIフィールド発生装置が破壊されるとかも、命中部位をマスタースクリーンの裏でいじったから。前のGMが食えない敵役として出したシーマ勢なんてガトーにやらせたくない汚れ仕事の格好のスケープゴート。今時珍しい超正統派の吟遊GMだな!(25年も前の作品な上に筆者の偏見100%)
 一話の反応と齟齬をきたすニナとの関係も、「ヒロインがガトーを前にPC1になびくなんてあり得ない!」とGMが捻じ曲げた結果の矛盾と考えると納得がいく。何故かそこにいるヒロインがPC1よりNPCを庇って銃まで突きつけてきたらそら("゚д゚)ポカーンだわ。え、これ説得するシーンなの? それともヒロインもろとも撃つシーンなの? と
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 こんな苦み走った顔で必死でリアクション考えていたら、「あっそう、止めないならシーン切るね」と宣告されてブチ切れですよ。つまり何を言ってもヒロインはガトーを取ることになるじゃねーか、と察して。
 非難轟轟な最後のニナの笑顔、あれもガトーを退場させて美しく幕引きしたが流石にガトーが持ってき過ぎじゃ、と遅すぎた自制が働いたのと空気の悪さを察して、いやらしくPC1の顔色を窺い「ハイこてんぱんに負けたけど救済はありますよ」という演出故そうなったんだろう。そういう言い訳がましさって何よりプレイヤーの心情逆なでするんだけど。しかも、PC2のキースを登場させて全てを失ったコウに帰る場所がある、みたいなイイ場面で持ち上げておいてな。
 プレイヤー側の被害者はコウばかりではない。PC2のキースも弱気な相棒が成長していく様をだいぶ端折られていた、が、もっと酷い扱いの人がいる。PC3ぐらいで参加したモンシアなんか口うるさいけど面倒見のいい先輩役になるんだな、と思っていたらGM交代により見せ場を奪われ、「あれ? このまんまだとオレただの嫌な奴じゃない?」と不安がっていたら、待っていたのは将来的に破滅確定の組織(ティターンズ)の制服を手渡されるエンディング。キャンペーンのラストがコレですよ。PCの希望ガン無視して一方的に押し付けられたラスト。
 こんなキャンペーンに参加したら、お気に入りNPCを活躍させられて御満悦のGM以外は全員作業の目になって「お疲れ様でした」と棒読みで言った後感想戦もなく解散だな。むしろ解散した後、GM抜きのファミレスに集合のメールが出回り、夕飯を食いながらなあもうアイツ(GM)呼ぶのやめようぜ」「でもアイツ抜きって露骨にやるとカドが立つしなあ」「じゃあ別のサークル立ち上げようよてな会話がコウ・キース・モンシアの間で交わされていたのは想像に難くない。
 泣くに泣けないのは、用意されてるデータとか演出は吟遊であることを抜きにすれば出来が高水準であること。吟遊GMって自分の思い描く世界を再現する能力は往々にしてレベル高いからね。それ故「小説でも書いてろ」と言われるワケだが。
 メカデザ&キャラデザ、作画や演出は本当に超一級なんだけどナー……。

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