好きなTRPG#05〜六門世界TRPG〜
君は知るか、君は知るかといってもゴーディアンではない、日本のMTGをめざして開発されたはいいが結局頓挫したかと思ったら昨年8月《ゴブリン放浪王》よろしくしれっと帰還ししっこちびらせたTCGを。
貴方は知るか、MTGのデュエリストに対してプレイヤーを“モンコレ・ファイター”と呼び、「ださっ!」と当のプレイヤー本人達を震撼せしめたTCGを!
今回取り上げるのは、そのTCG『モンスター・コレクションTCG』題材にした
六門世界TRPG
のハナシです。
最初に言っておきますが、「モンスター・コレクション」と聞いてポケットモンスターを連想した人は(・∀・)カエレ!
…某同人誌のネタだけど、まだ通じるのかなあ。
そもそも『六門世界』に触れる前に『モンスター・コレクションTCG(以下モンコレ)』について語らねばなりますまい。本作は『マジック・ザ・ギャザリング(以下MTG)』の大ヒットに触発されたグループSNEが柳の下のドジョ…ゲゲフソ、社長こと安田均氏自ら注力して制作されたTCG。
著名イラストレーターやエロ絵師を積極的に起用し、MTGの「綺麗だけど怖い・濃い・キモイ」と敬遠された路線とはまったく方向性の異なるビジュアル志向で注目を集めておりました。今考えると「萌えさえあれば売れる」という現在の業界に蔓延する空気を貪欲に先駆けていた気がしないでもない。いやまあ、ちゃんとゲーム性でも評価されたんだろうし、自分もMTGの絵が苦手でモンコレに入ったクチだからあんまり悪口は言えないんすけどね。実際旧カードがないと勝負にならなかった(当時の)MTGに対し、全体的なカードパワーへの配慮はしっかりしてた気がします(初期に限って言えば)。
あ、MTGを日本に紹介した功績だけでも朱鷺田祐介は賞賛に値すると思いますよ。デザインするゲームのレイアウトはクソだが。
このゲームの思い出は語っても語り尽くせないぐらいいろいろ思い出もあるし、これがきっかけで広がった付き合いもいろいろあるんですが…結果としては、ちょっと残念なことになっちゃった、というのが実感でした。自分は2001年の『魔法帝国の興亡』を最後に手をつけていません。
ボードゲームっぽい陣取りゲームの側面を含んでおりまして、このせいで「場所を取る」「時間を取る」というTCGの二大利点を削いでる致命的な欠陥が根本にあったんですが…だんだん後期に至るにつれて、相手の行動を阻害する優秀なカードが頻発したのも離れることになった原因か。MTGで言えば《対抗呪文》がどの色でもゴロゴロしてるようなもんかな。やっぱり「自分がやりたいことをやる」よりも、「相手のやりたいことをさせない」ことに考えがシフトすると、ゲームってどんどん手詰まりになってくる気がするんだなー。水土聖戦闘スペルユーザにあらずんばユニットに非ず、みたいな風潮はカンベンしてほしかった。
企画自体の展開もメディアミックスで成功したとはちょっと言いづらかったような…『モンコレナイト』は一部に熱狂的なファンを生んだりしたようだけど。余談ですが『モンコレナイトTCG』は多分『モンコレ』本体より面白いので、こっちをリメイクすべきだったんじゃないかと知人氏との間で意見が一致している。小説も安田社長得意の《停滞》に、北沢慶の趣味全開なエログロ妖精さん話だったしな。漫画『モンコレキッズ』のトンデモながらコロコロホビー漫画ほど突き抜けないもどかしさはなんか発疹にも似たムズムズしたものを感じます。唯一評価すべきは前に触れた『魔獣使いの少女』で、伊藤勢の漫画が完結したことぐらいか。これはエロい。いやエラい。でも伊藤勢だからエロいでも問題ない。ドラゴンJrなんぞにはもったいない良作だ。
なんか散々言ってますが、世界設定自体は安田社長が「当時のことをよく思い出せない」と語っていたほど力が入っていて、『ロードス島戦記』『ソード・ワールド』を輩出したSNEの真空跳び膝蹴り、しっかりした剣と魔法のファンタジーになってました。これを土台に制作されたのが『六門世界TRPG』というワケです。長い前フリだった。
あの『モンコレ』がTRPGになった、というだけでドキワクするには十分だったんですが、「ガープスを意識した」とデザイナー自ら発言するだけあって、あのギャルがエロエロでウッシッシな軟派ゲーがどうしてこうもストイックなゲームになるのか、と驚愕した。「四季童子や七瀬葵のギャルモンスターの海で遊ぶりゅん!」などと全裸で突撃したら、七水号多や中村亮の屈強な漢どもとくんずほぐれつしていた気分だ。
なにしろ死ねる。攻撃を回避するという手段がない(防御のみ)ため、大型モンスターがエイッと往復ビンタ張れば前線が崩壊します。初期は戦闘スペル>>モンスター>前衛PCみたいな見方がされてたものの、打ち消せる・抵抗される戦闘スペルより単なるパンチの方がよっぽどやばいということが判明。おかげで、いらない子扱いされたナイトが一挙重鎮クラスに踊り出たサクセスストーリーは涙無しには語れません。また、サイズが攻撃できる範囲に影響するため、サイズの大きさ=強さという認識。素晴らしい。
システムの随所に「同時攻撃」「魔法カード」など『モンコレ』の要素をうまく絡めていることもさることながら、本作で注目すべきはそれ以上にボードゲーム的な遊び方をTRPGに取り入れ始めたところだったと思います。
ここでいうボードゲーム的、という表現は『迷宮キングダム』『サタスペ』など、冒険企画局のゲームに見られるように、リサーチ、探索などを独自の処理で済ませる方式のことを指してます(『サタスペ』の情報マトリクスなど)。 本作では戦闘の処理(エリア、ポケット)に兆候を見せつつ、サプリメントの『迷宮都市メルラルズ』『海賊都市クロスボーン』において、その方向性が全面に押し出されてました。
特に後者、『クロスボーン』は絶品。
やたらめったらイベント表と探索ルールが充実していて、美麗で広大な海洋マップを舞台にサメに襲われたり、島でカエルに襲われたりしながら素材・賞金首を求めて船旅を続ける様はまさに海洋冒険小説。目的の賞金首をアッサリ片付けておきながら、不意に遭遇した巨大生物に頓死するあたりも実に冒険小説っぽい。だって海で遭遇するサメとか島で遭遇するカエルとかの方が、よっぽど強いんだもん!
航路も桃鉄の冬もまっさおのレッドゾーンに挑むもよし、アリアハン周辺のようなクロスボーン海域をウロチョロしてもよし、プレイグループによって遊び方の色と工夫がすごくよく出る、面白い試みでした。何度も遊べる、いつまでも遊べる、これを両立したのはなかなかスゴイよ。『ダークブレイズ』がボードゲーム的な遊び方を最初から考えられていたのも、この辺がスタートだったんでしょう。
筆者も海賊団「デス・メタル・シティ(DMC)」の筆頭“ヨハネ・クラウザー三世”となり、「僕はネクロマンサーなんかじゃなくて、もっとオシャレなバードとかやりたいんだ…」と言いつつも「エンジョイ&エキサイティング」を信条の仲間を率いて一秒間に10回の対抗発言とか「ガレー船などレイプしてくれるわー!」と衝角で突撃したりしていたものです。おかげでGMから「たぶん今まで見た中で最低最悪のキャラクター」呼ばわりされたさ! これで最低野郎(ボトムズ)認定は二回目だよ! キィッ!
なお、『六門世界』は旧版と第二版があり、版やサプリメントごとにけっこう手が入っております。まだ数えるほどしか遊んでないけど、好みなら第二版の『六門世界セカンド』の方が大本命。
旧版で煩雑と問題になっていた対抗や技能評価が簡略化され、非常に快適に遊べるようになってました。それでいて、六門世界のウリだった豪快な接近戦のぶつかり合いが「メレー戦闘」として洗練され、さらに爽快・さらに壮絶に。キャラクター・クラスもあの特色を残しながら、より個々の独自路線を打ち出したラインナップとなっております。旧作の持ち味を損ねることなく、それ以上に発揮するように昇華させた手腕には拍手喝采。
PC作成時に経歴を振るごとに資金・技能が追加できるので、自然と定年間近の負け組みパーティになるのも趣き深い。サプリメントに収録されていた異種族が最初から選択できるようになったのですが、最強クラスが本編では北斗のモヒカン扱いで汚物と消毒される役目のオーク、ヤク中のブタ野郎であることも実に六門世界らしいといえよう。
貴方は知るか、MTGのデュエリストに対してプレイヤーを“モンコレ・ファイター”と呼び、「ださっ!」と当のプレイヤー本人達を震撼せしめたTCGを!
今回取り上げるのは、そのTCG『モンスター・コレクションTCG』題材にした
六門世界TRPG
のハナシです。
最初に言っておきますが、「モンスター・コレクション」と聞いてポケットモンスターを連想した人は(・∀・)カエレ!
…某同人誌のネタだけど、まだ通じるのかなあ。
そもそも『六門世界』に触れる前に『モンスター・コレクションTCG(以下モンコレ)』について語らねばなりますまい。本作は『マジック・ザ・ギャザリング(以下MTG)』の大ヒットに触発されたグループSNEが柳の下のドジョ…ゲゲフソ、社長こと安田均氏自ら注力して制作されたTCG。
著名イラストレーターやエロ絵師を積極的に起用し、MTGの「綺麗だけど怖い・濃い・キモイ」と敬遠された路線とはまったく方向性の異なるビジュアル志向で注目を集めておりました。今考えると「萌えさえあれば売れる」という現在の業界に蔓延する空気を貪欲に先駆けていた気がしないでもない。いやまあ、ちゃんとゲーム性でも評価されたんだろうし、自分もMTGの絵が苦手でモンコレに入ったクチだからあんまり悪口は言えないんすけどね。実際旧カードがないと勝負にならなかった(当時の)MTGに対し、全体的なカードパワーへの配慮はしっかりしてた気がします(初期に限って言えば)。
あ、MTGを日本に紹介した功績だけでも朱鷺田祐介は賞賛に値すると思いますよ。デザインするゲームのレイアウトはクソだが。
このゲームの思い出は語っても語り尽くせないぐらいいろいろ思い出もあるし、これがきっかけで広がった付き合いもいろいろあるんですが…結果としては、ちょっと残念なことになっちゃった、というのが実感でした。自分は2001年の『魔法帝国の興亡』を最後に手をつけていません。
ボードゲームっぽい陣取りゲームの側面を含んでおりまして、このせいで「場所を取る」「時間を取る」というTCGの二大利点を削いでる致命的な欠陥が根本にあったんですが…だんだん後期に至るにつれて、相手の行動を阻害する優秀なカードが頻発したのも離れることになった原因か。MTGで言えば《対抗呪文》がどの色でもゴロゴロしてるようなもんかな。やっぱり「自分がやりたいことをやる」よりも、「相手のやりたいことをさせない」ことに考えがシフトすると、ゲームってどんどん手詰まりになってくる気がするんだなー。水土聖戦闘スペルユーザにあらずんばユニットに非ず、みたいな風潮はカンベンしてほしかった。
企画自体の展開もメディアミックスで成功したとはちょっと言いづらかったような…『モンコレナイト』は一部に熱狂的なファンを生んだりしたようだけど。余談ですが『モンコレナイトTCG』は多分『モンコレ』本体より面白いので、こっちをリメイクすべきだったんじゃないかと知人氏との間で意見が一致している。小説も安田社長得意の《停滞》に、北沢慶の趣味全開なエログロ妖精さん話だったしな。漫画『モンコレキッズ』のトンデモながらコロコロホビー漫画ほど突き抜けないもどかしさはなんか発疹にも似たムズムズしたものを感じます。唯一評価すべきは前に触れた『魔獣使いの少女』で、伊藤勢の漫画が完結したことぐらいか。これはエロい。いやエラい。でも伊藤勢だからエロいでも問題ない。ドラゴンJrなんぞにはもったいない良作だ。
なんか散々言ってますが、世界設定自体は安田社長が「当時のことをよく思い出せない」と語っていたほど力が入っていて、『ロードス島戦記』『ソード・ワールド』を輩出したSNEの真空跳び膝蹴り、しっかりした剣と魔法のファンタジーになってました。これを土台に制作されたのが『六門世界TRPG』というワケです。長い前フリだった。
あの『モンコレ』がTRPGになった、というだけでドキワクするには十分だったんですが、「ガープスを意識した」とデザイナー自ら発言するだけあって、あのギャルがエロエロでウッシッシな軟派ゲーがどうしてこうもストイックなゲームになるのか、と驚愕した。「四季童子や七瀬葵のギャルモンスターの海で遊ぶりゅん!」などと全裸で突撃したら、七水号多や中村亮の屈強な漢どもとくんずほぐれつしていた気分だ。
なにしろ死ねる。攻撃を回避するという手段がない(防御のみ)ため、大型モンスターがエイッと往復ビンタ張れば前線が崩壊します。初期は戦闘スペル>>モンスター>前衛PCみたいな見方がされてたものの、打ち消せる・抵抗される戦闘スペルより単なるパンチの方がよっぽどやばいということが判明。おかげで、いらない子扱いされたナイトが一挙重鎮クラスに踊り出たサクセスストーリーは涙無しには語れません。また、サイズが攻撃できる範囲に影響するため、サイズの大きさ=強さという認識。素晴らしい。
システムの随所に「同時攻撃」「魔法カード」など『モンコレ』の要素をうまく絡めていることもさることながら、本作で注目すべきはそれ以上にボードゲーム的な遊び方をTRPGに取り入れ始めたところだったと思います。
ここでいうボードゲーム的、という表現は『迷宮キングダム』『サタスペ』など、冒険企画局のゲームに見られるように、リサーチ、探索などを独自の処理で済ませる方式のことを指してます(『サタスペ』の情報マトリクスなど)。 本作では戦闘の処理(エリア、ポケット)に兆候を見せつつ、サプリメントの『迷宮都市メルラルズ』『海賊都市クロスボーン』において、その方向性が全面に押し出されてました。
特に後者、『クロスボーン』は絶品。
やたらめったらイベント表と探索ルールが充実していて、美麗で広大な海洋マップを舞台にサメに襲われたり、島でカエルに襲われたりしながら素材・賞金首を求めて船旅を続ける様はまさに海洋冒険小説。目的の賞金首をアッサリ片付けておきながら、不意に遭遇した巨大生物に頓死するあたりも実に冒険小説っぽい。だって海で遭遇するサメとか島で遭遇するカエルとかの方が、よっぽど強いんだもん!
航路も桃鉄の冬もまっさおのレッドゾーンに挑むもよし、アリアハン周辺のようなクロスボーン海域をウロチョロしてもよし、プレイグループによって遊び方の色と工夫がすごくよく出る、面白い試みでした。何度も遊べる、いつまでも遊べる、これを両立したのはなかなかスゴイよ。『ダークブレイズ』がボードゲーム的な遊び方を最初から考えられていたのも、この辺がスタートだったんでしょう。
筆者も海賊団「デス・メタル・シティ(DMC)」の筆頭“ヨハネ・クラウザー三世”となり、「僕はネクロマンサーなんかじゃなくて、もっとオシャレなバードとかやりたいんだ…」と言いつつも「エンジョイ&エキサイティング」を信条の仲間を率いて一秒間に10回の対抗発言とか「ガレー船などレイプしてくれるわー!」と衝角で突撃したりしていたものです。おかげでGMから「たぶん今まで見た中で最低最悪のキャラクター」呼ばわりされたさ! これで最低野郎(ボトムズ)認定は二回目だよ! キィッ!
なお、『六門世界』は旧版と第二版があり、版やサプリメントごとにけっこう手が入っております。まだ数えるほどしか遊んでないけど、好みなら第二版の『六門世界セカンド』の方が大本命。
旧版で煩雑と問題になっていた対抗や技能評価が簡略化され、非常に快適に遊べるようになってました。それでいて、六門世界のウリだった豪快な接近戦のぶつかり合いが「メレー戦闘」として洗練され、さらに爽快・さらに壮絶に。キャラクター・クラスもあの特色を残しながら、より個々の独自路線を打ち出したラインナップとなっております。旧作の持ち味を損ねることなく、それ以上に発揮するように昇華させた手腕には拍手喝采。
PC作成時に経歴を振るごとに資金・技能が追加できるので、自然と定年間近の負け組みパーティになるのも趣き深い。サプリメントに収録されていた異種族が最初から選択できるようになったのですが、最強クラスが本編では北斗のモヒカン扱いで汚物と消毒される役目のオーク、ヤク中のブタ野郎であることも実に六門世界らしいといえよう。

























