いちばん好きなTRPG〜D&D接触編〜
前回はTRPGを始めるきっかけとなった「いちばん好きなリプレイ」の話をしたので、今回は「いちばん好きなTRPG」…
ダンジョンズ&ドラゴンズ
についてのお話を。
註1:筆者は3e以降に本格的にD&Dを始めたので、話題の中心はそちらになります。
「1レベルのhpが最大値なんて認めねえ! ゆるさねえ! あんな奴がD&D継承者であってたまるか〜!」という北斗の三男ライクな御方はご了承下さい。
註2:肝心の3eを遊ぶまでの話がえらい長くなってしまったので、3e以降の話題は後編に譲ります。
『ウルフレンドの冒険者』でTRPGとのファースト・インプレッションを果たしたことは語った通りだが、実際筆者がTRPGを始めるのはかなり後になった。それというのも時期的にはTRPGの冬(こう言うとまるで春があったようで抵抗があるのだが)で、TRPGに関する話題はほとんどゼロに等しい状況、TRPGマガジンが実質MTGマガジンな紙面であったのも記憶に生々しい(未だにあの方針をオレは根に持っている)。
名前にだけは憧憬を抱いているが、実際に遊ぶ機会もなければ情報も無い期間が続いては自然とそれも薄れてくるもの…が、いきなり筆者をTRPGに引き戻すタイトルがやってきた。
その名も『ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ』(以下、SOM)。
往年のゲーマーの方々には説明不要であろう、『SOM』はカプコンが放ったベルトスクロールアクション(所謂ファイナルファイト型)で、ファイターやクレリックなどの冒険者を操ってレッドドラゴン・シンと個性豊かな手下に戦いを挑む大作(※1)。ただでさえこの手のゲーム好きの筆者は正調ファンタジー世界を舞台にした大冒険にグッときたもんだが、プレイヤーキャラクターの一人、マジックユーザーのかっこいいビジュアルとド派手な魔法に完全にやられてしまった。
そう、今でこそイチバン好きなTRPGにD&Dを掲げ、「D&D者でござい」という顔をTRPG仲間にしているものの、D&Dに接するきっかけは非常にミーハーなものだったのだ。あまつさえ原作がTRPGと知ったのはSOMを遊んだ後だった。こんなことは口が裂けてもD&D古参兵の前では言えない。
さて、SOMを遊んでいくうちに、なんと原作のゲームがあり、しかもそれはあの幻のゲーム、TRPGとの事。夢のゲームTRPGでSOMのような大冒険ができるなんて、考えただけでもヘブン状態!
一時は燻っていたTRPG魂に今こそ火をつける時!(一度も遊んだことないけど) 東京に赴いた際に御茶ノ水の書泉に駆け込み購入した!
モンスターズ・マニュアル(言語版)を!
バカですね〜私も!
しかも値段は6500円、当時の自分からすれば神にも悪魔にもなれる(アーカンソー州知事レベルは固い)金額を突っ込んで、読めもしない洋書を…。
ま、本に載っているイラストを見て、SOMに出てくる種族や未だ見ぬ敵に胸をときめかせて十分満足できたし、後年知人が自力で翻訳してセッションに役立たせた(※2)ので、ムダにはならなかったんですが。
とはいえ、さすがにモンスターマニュアルだけではゲームにならないと気づいた(もっと早く気づけ)ので、遊ぶためのルールというものを探してみたところ、今は無き電撃G文庫から出ていた『D&D プレイヤーズ』を発見。喜び勇んで入手してみたらうむ全然ちげえ!
SOMのような遊び方なんぞ全然できやしねえ!
まず何と言っても、読んでてどうやって遊ぶのかサッパリわからない。リプレイに度々出てきてた判定、このゲームではどうやるんだ? 何度見てもACのルールを理解できない。このセービングスローって数字は何に使うんだろうか。
今考えてみるとD&Dの電撃文庫版が発売されたのはTRPG冬の時代の直前、逆に言えば全盛期を経た後で、TRPG経験者を前提とした構成だったのかもしれない。もっとも、今読んでもあの文面で一読して把握するのは困難だろうが(※3)。
一応、リプレイ『ミスタラ黙示録』も同時購入していたので、なんとなく死にやすいゲーム(あとハーフリングがやたらと強い、エルフはイマイチ)だということはわかったのだけど…(※4)。
ただ、わからないなりに凄く面白そうだ、ということは理解できた。
シビアな戦闘に少ないリソース、ダンジョンの中をd20を握り締めて進むプレイヤーの緊迫度合いが伝わってくる臨場感。SOMやモンスターマニュアルに出てきたモンスターと交戦する箇所を読む時の高揚。石を投げるぐらいしかやることのなかったマジックユーザーが、タメにタメて放つスリープの破壊力。D&Dをやったこともないぶんざいで、「これぞD&D」という感覚が味わえるような、そんなリプレイだった(なんとイラストレーターはいまやスター・アニメーターの中澤一登氏だった!)。
なお、筆者のお気に入りはマジックユーザーのユリアヌス君。主義としては君子危うきに近寄らずのヘタレ野郎なのだが、何故か気付くと危険な立場で奮戦するハメになる、というリアリティのある活躍が赴き深い。
かといって面白いことは理解できても、遊べない状況は続いていた。TRPGを知っている仲間が一人しかおらず(自分にTRPGを教えた人)、さらにTRPG以外の話題に忙しい時分とあっては、新規開拓してるヒマなんかなかったのだ。
結局、TRPGを遊ぶことになったのはそれから2年ほど経ってからのことだった。
入学してから2年目に念願のTRPGサークル入りを果たした。2年目だったのは1年目に入る度胸がなかったからだが、1年目から入っていたら、多分卒業できなかっただろう。
とまれTRPGサークル入りを果たしてさあD&Dを! ということになったかというと、またもそうでもなかった。
『ソード・ワールド完全版』が発売されたばかりの頃(あのマスタースクリーンの使い勝手といったらなかった、今でも購入できなかった貧しさを呪う)で、サークルではそれが全盛であり、主要メンバーはD&Dを積極的に遊ぶ年代ではなくなっていた。さらには自分も『セブン=フォートレス アドバンスド』で本格的にTRPGに覚醒し、気付くとD&Dそっちのけで2d6を振り狂っていた(現在のようなd20キチになることなんて考えてもみなかった)。
サークルには『プレイヤーズ』の他に『ダンジョンマスターズ』『モンスターズ』も揃っていたのだが、読んでみてもやっぱり遊び方がわからなかったのも大きい。何度か遊んではみたが、プレイヤーの反応も自身の手応えもイマイチで、思い入ればかりが空回りして、内容がついてこない結果になってしまった。
結局のところ、D&Dは筆者にとっては高嶺の花だった。
件の知人からキャンペーンの話を聞いて心震わせることはあっても、それは訓練されたD&D者がやってこその結果なのだろう、と羨望とともに理解していた。
卒業も迫る中、D&Dは本格的に遊んではみたいが、遊んでみたいだけのゲームで終わるかと思っていた。
そう、3eが発売されるまでは。
後編に続く。
(※1)SOMには『タワー・オブ・ドゥーム(TOD)』という先輩作品があり、こちらは在りし日のアーケードゲームらしい容赦無い(ノー・マーシー)な難易度。SOMが後半大オイルゲーとなることをはじめとしたバランスの難点に対して、総合評価でTODに軍配を上げる人も多い。
総合評価のTODと、荒削りだが新しい魅力のSOMは3.5eと4eに通ずるものがある、と勝手に思っている。
(※2)このモンスター・マニュアルは凄まじいデータ量もさることながら、モンスター一体ごとの詳細な情報(生息分布、社会体系、生活周期…)が詰め込まれていた。筆者も翻訳に成功したのは数体だが、はっきり言ってモンスターマニュアル1Pだけで余裕でシナリオが作れる。
このようなデータ以外の情報の網羅は原文が読めればもっと楽しめただけに残念でならない(このデータ以外の情報量というスタンスはある程度3.5eに継承されている。4eについては、察して欲しい)。
(※3)名誉のため書き添えておくと、電撃G文庫版は翻訳が良かったらしい。
(※4)リプレイより前に『D&Dがよくわかる本』を読んでいたので、ある程度は把握できた。が、本書は内容があまりにアレなので言及は避ける。
ダンジョンズ&ドラゴンズ
についてのお話を。
註1:筆者は3e以降に本格的にD&Dを始めたので、話題の中心はそちらになります。
「1レベルのhpが最大値なんて認めねえ! ゆるさねえ! あんな奴がD&D継承者であってたまるか〜!」という北斗の三男ライクな御方はご了承下さい。
註2:肝心の3eを遊ぶまでの話がえらい長くなってしまったので、3e以降の話題は後編に譲ります。
『ウルフレンドの冒険者』でTRPGとのファースト・インプレッションを果たしたことは語った通りだが、実際筆者がTRPGを始めるのはかなり後になった。それというのも時期的にはTRPGの冬(こう言うとまるで春があったようで抵抗があるのだが)で、TRPGに関する話題はほとんどゼロに等しい状況、TRPGマガジンが実質MTGマガジンな紙面であったのも記憶に生々しい(未だにあの方針をオレは根に持っている)。
名前にだけは憧憬を抱いているが、実際に遊ぶ機会もなければ情報も無い期間が続いては自然とそれも薄れてくるもの…が、いきなり筆者をTRPGに引き戻すタイトルがやってきた。
その名も『ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ』(以下、SOM)。
往年のゲーマーの方々には説明不要であろう、『SOM』はカプコンが放ったベルトスクロールアクション(所謂ファイナルファイト型)で、ファイターやクレリックなどの冒険者を操ってレッドドラゴン・シンと個性豊かな手下に戦いを挑む大作(※1)。ただでさえこの手のゲーム好きの筆者は正調ファンタジー世界を舞台にした大冒険にグッときたもんだが、プレイヤーキャラクターの一人、マジックユーザーのかっこいいビジュアルとド派手な魔法に完全にやられてしまった。
そう、今でこそイチバン好きなTRPGにD&Dを掲げ、「D&D者でござい」という顔をTRPG仲間にしているものの、D&Dに接するきっかけは非常にミーハーなものだったのだ。あまつさえ原作がTRPGと知ったのはSOMを遊んだ後だった。こんなことは口が裂けてもD&D古参兵の前では言えない。
さて、SOMを遊んでいくうちに、なんと原作のゲームがあり、しかもそれはあの幻のゲーム、TRPGとの事。夢のゲームTRPGでSOMのような大冒険ができるなんて、考えただけでもヘブン状態!
一時は燻っていたTRPG魂に今こそ火をつける時!(一度も遊んだことないけど) 東京に赴いた際に御茶ノ水の書泉に駆け込み購入した!
モンスターズ・マニュアル(言語版)を!
バカですね〜私も!
しかも値段は6500円、当時の自分からすれば神にも悪魔にもなれる(アーカンソー州知事レベルは固い)金額を突っ込んで、読めもしない洋書を…。
ま、本に載っているイラストを見て、SOMに出てくる種族や未だ見ぬ敵に胸をときめかせて十分満足できたし、後年知人が自力で翻訳してセッションに役立たせた(※2)ので、ムダにはならなかったんですが。
とはいえ、さすがにモンスターマニュアルだけではゲームにならないと気づいた(もっと早く気づけ)ので、遊ぶためのルールというものを探してみたところ、今は無き電撃G文庫から出ていた『D&D プレイヤーズ』を発見。喜び勇んで入手してみたらうむ全然ちげえ!
SOMのような遊び方なんぞ全然できやしねえ!
まず何と言っても、読んでてどうやって遊ぶのかサッパリわからない。リプレイに度々出てきてた判定、このゲームではどうやるんだ? 何度見てもACのルールを理解できない。このセービングスローって数字は何に使うんだろうか。
今考えてみるとD&Dの電撃文庫版が発売されたのはTRPG冬の時代の直前、逆に言えば全盛期を経た後で、TRPG経験者を前提とした構成だったのかもしれない。もっとも、今読んでもあの文面で一読して把握するのは困難だろうが(※3)。
一応、リプレイ『ミスタラ黙示録』も同時購入していたので、なんとなく死にやすいゲーム(あとハーフリングがやたらと強い、エルフはイマイチ)だということはわかったのだけど…(※4)。
ただ、わからないなりに凄く面白そうだ、ということは理解できた。
シビアな戦闘に少ないリソース、ダンジョンの中をd20を握り締めて進むプレイヤーの緊迫度合いが伝わってくる臨場感。SOMやモンスターマニュアルに出てきたモンスターと交戦する箇所を読む時の高揚。石を投げるぐらいしかやることのなかったマジックユーザーが、タメにタメて放つスリープの破壊力。D&Dをやったこともないぶんざいで、「これぞD&D」という感覚が味わえるような、そんなリプレイだった(なんとイラストレーターはいまやスター・アニメーターの中澤一登氏だった!)。
なお、筆者のお気に入りはマジックユーザーのユリアヌス君。主義としては君子危うきに近寄らずのヘタレ野郎なのだが、何故か気付くと危険な立場で奮戦するハメになる、というリアリティのある活躍が赴き深い。
かといって面白いことは理解できても、遊べない状況は続いていた。TRPGを知っている仲間が一人しかおらず(自分にTRPGを教えた人)、さらにTRPG以外の話題に忙しい時分とあっては、新規開拓してるヒマなんかなかったのだ。
結局、TRPGを遊ぶことになったのはそれから2年ほど経ってからのことだった。
入学してから2年目に念願のTRPGサークル入りを果たした。2年目だったのは1年目に入る度胸がなかったからだが、1年目から入っていたら、多分卒業できなかっただろう。
とまれTRPGサークル入りを果たしてさあD&Dを! ということになったかというと、またもそうでもなかった。
『ソード・ワールド完全版』が発売されたばかりの頃(あのマスタースクリーンの使い勝手といったらなかった、今でも購入できなかった貧しさを呪う)で、サークルではそれが全盛であり、主要メンバーはD&Dを積極的に遊ぶ年代ではなくなっていた。さらには自分も『セブン=フォートレス アドバンスド』で本格的にTRPGに覚醒し、気付くとD&Dそっちのけで2d6を振り狂っていた(現在のようなd20キチになることなんて考えてもみなかった)。
サークルには『プレイヤーズ』の他に『ダンジョンマスターズ』『モンスターズ』も揃っていたのだが、読んでみてもやっぱり遊び方がわからなかったのも大きい。何度か遊んではみたが、プレイヤーの反応も自身の手応えもイマイチで、思い入ればかりが空回りして、内容がついてこない結果になってしまった。
結局のところ、D&Dは筆者にとっては高嶺の花だった。
件の知人からキャンペーンの話を聞いて心震わせることはあっても、それは訓練されたD&D者がやってこその結果なのだろう、と羨望とともに理解していた。
卒業も迫る中、D&Dは本格的に遊んではみたいが、遊んでみたいだけのゲームで終わるかと思っていた。
そう、3eが発売されるまでは。
後編に続く。
(※1)SOMには『タワー・オブ・ドゥーム(TOD)』という先輩作品があり、こちらは在りし日のアーケードゲームらしい容赦無い(ノー・マーシー)な難易度。SOMが後半大オイルゲーとなることをはじめとしたバランスの難点に対して、総合評価でTODに軍配を上げる人も多い。
総合評価のTODと、荒削りだが新しい魅力のSOMは3.5eと4eに通ずるものがある、と勝手に思っている。
(※2)このモンスター・マニュアルは凄まじいデータ量もさることながら、モンスター一体ごとの詳細な情報(生息分布、社会体系、生活周期…)が詰め込まれていた。筆者も翻訳に成功したのは数体だが、はっきり言ってモンスターマニュアル1Pだけで余裕でシナリオが作れる。
このようなデータ以外の情報の網羅は原文が読めればもっと楽しめただけに残念でならない(このデータ以外の情報量というスタンスはある程度3.5eに継承されている。4eについては、察して欲しい)。
(※3)名誉のため書き添えておくと、電撃G文庫版は翻訳が良かったらしい。
(※4)リプレイより前に『D&Dがよくわかる本』を読んでいたので、ある程度は把握できた。が、本書は内容があまりにアレなので言及は避ける。

























