D&D5e余話#175~5eことはじめ記・いつかドラゴンスレイヤーになるために クレリック編~

 PFのクレリック記事ではあまりの分量にウンザリしてくれたかな! 許してくだち!
 それというのも増殖の一途を辿る呪文数と野放図な呪文準備システムの野郎どものせいだがしんぱいごむよう、さすがにユーザからの泣き声呻き声が押し寄せたのか、5eではそのへんの苦労が大幅に軽減されたのです! これで術者クラスもだいぶはじめてさんに薦められるようになりました。呪文修得はどうなのかって? 変わってねえス。
 特に信仰系≒指揮役≒回復役と言えば、他クラスと比較してナッパとラディッツぐらい差があるこの人の安定感こそ、はじめてさんにズバリオススメ!
 一行目で既に名前出てるけど今回はこの人です。

クレリック

●クラス解説
 回復と味方の強化がクレリックの主な役割、それは5eでも変わっていない。さらに、5eのクレリックには強力な専用の呪文が用意され、さらにその役割が強調されている。回復・強化を目的としているならば、クレリックを選べば間違いなし。領域能力による個性付けも健在で、回復・強化を特化させることもできれば、クレリック自身が攻撃に転じる事も可能。
 戦闘に関しては、実を言うとクレリックは重装鎧に非常に簡単に習熟できるクラスで、前衛と遜色ないACが実現可能。打撃力も、いずれの領域でも武器攻撃か呪文に追加ダメージを得られる特典があるのでまずまず。
 呪文の準備だけは相変わらずちょっと億劫だが、使用回数まで指定しなくてよくなったので、だいぶラクになった。それに、呪文の準備数は結構少ないのだけれど、クレリックは神格が与えてくれる呪文は常に準備されている扱いの為、そういう点でも優遇されている。

○能力値
判断力】≧【筋力】>【耐久力】>【敏捷力】>【知力】=【魅力

 その昔は「どうせクレリック呪文は味方に使えばセーヴDC関係ないし、キュア系呪文の回復量にも反映されないなら【判断力】はそんなにいらん」てな豪快極まる考えもあったそうですが(っていうかちょっと前にそんなことを書いた気が)、5eでは呪文によるhp回復量にばっちり【判断力】が適用されるようになったので、そんなこと言ってられなくなった。また殴りクレでもセイクリッド・フレイムを撃ち込むシチュエーションは少なくないため、やはり最優先したいのは【判断力】。てかあったりまえの話ですいませんねえ。
 第二位は、ローグが前に立つのにやや厳しく、前衛を張れるようになるまで時間がかかるので、重装鎧にも習熟できるクレリックが壁役となりたい。で、前に立つなら近接戦闘力はあるに越したことはない。それに重装鎧を着るには【筋力】が低いと困るし。ヒル・ドワーフでセイクリッド・フレイムを撃ちまくるようなビルドなら【筋力】は8でいいという考え方もあるが、キャントリップには固定値が乗らないため、ダメージの安定性に欠ける。それに脅威度が低い連中は【敏捷力】の高い奴が多く、相性が悪い。つらい序盤でダメージを通せないのはPC作成の効率以上に悪い状況を呼び込むし、武器攻撃をまったく使わなくては、領域によっては“信仰込めた打撃”が無駄になってしまう。いくらセーヴに習熟していない敵が多いと言っても、武器でブン殴った方が手っ取り早い話はいくらでもある。
 正直言って【耐久力】を除けば、後は横並び。イニシアチブや頻繁にセーヴで使うことになる【敏捷力】だけはマイナスでない方が良いとは思うが、【知力】【魅力】は技能の習熟と相談で。

●技能
〈医術〉
〈看破〉
〈宗教〉

 クレリックだから〈知識:宗教〉に習熟していると誰が決めたんだ(歌:ヒデキ)。
 各種専用呪文に1レベルから特典満載の領域と例によって神に愛されたクラスながら、技能のしょっぱさだけはいつまで経っても改善されない。いくら技能の習熟数が絞られたと言えど、せめて〈宗教〉ぐらいは自動的に習熟してほしいもんだ
 【判断力】を活かそうと思うなら〈医術〉〈看破〉が大安定……〈宗教〉が【知力】依存だからなぁ。でも、〈宗教〉に習熟していないとハクが付かないだろうし。なかなか便利な〈歴史〉に、神職らしく〈説得〉も持てたらいいんだけど、悲しいかなクレリックに求められる能力値と噛み合わないんだよなぁ~。
 ちなみに、高い【判断力】と〈知覚〉を併用しようとした場合は背景で水夫になるしかない。〈知覚〉が欲しければ海に出るんだ!

○信仰の領域
戦の領域
生命の領域
光の領域

 クレリックの強みは、1レベルからいきなり獲得できる領域特典。これと重装鎧習熟のためにクレ公を1レベルだけ噛ませるバチかぶりが巷に溢れて……オレが見たのはウィザード/クレリックで、クレリックを2まで上げていたからそれなりに苦労していたな。
 万事に安定しているのは生命の領域キュア・ウーンズを筆頭に、回復・治療呪文が準備されていると見せかけて、ブレスやくそ呪文スピリチュアル・ウェポンのように攻勢の呪文も領域呪文に含まれているやり手。あとなんつっても1レベルからアホみたいに回復量に差が付く“生命の使徒”に、オマケにしちゃあ豪華過ぎる重装鎧習熟ね。やがては人を治せば自分も癒せるし、最終的には出目最大でhp回復と来てはこれぞ生命の領域の面目躍如。また殴っては“信仰込めた打撃”の追加ダメージで火力を確保できる。それと“神性伝導”でhpの回復もできるが、これは最大hpの半分までしか回復できない。瀕死になった味方が出てから使った方が効率は良いが、本当に瀕死の味方にはさらにヒーリング・ワードで癒しておきたい。
 殴りに寄せる場合は戦の領域。重装鎧習熟だけでなく、軍用武器にも習熟できる。これでグレソなど高性能な両手武器を使うのは、クレリックにとって非常に相性が良い。両手武器を両手で使うのは殴る時だけでよく、呪文発動のために片手を空けておけるからだ(逆に言うと盾+武器の場合は《戦闘発動/War Caster》が必要)。そして領域特典がこれまた強烈。ブレスを発動してすぐの“戦闘司祭”コンボ、出目+10の“導きの一撃”“戦神の祝福”は必ずやDM泣かせの一撃となってくれる。あっそうそう、確実に《大業物の達人/Great Weapon Master》を当てていきたかったら、戦の領域クレを2レベルまで伸ばすのが最適解だ(えー)。
 呪文による火力を取る場合は光の領域と嵐の領域の二つが挙げられる。
 光の領域は領域呪文にバーニング・ハンズフレイミング・スフィアースコーチング・レイファイアーボールなど[火]ダメージを与えるものが多数(フェアリー・ファイアーを使えるのもシブイ)。信仰呪文使いとは思えない攻撃的な呪文を行使できる。“神性伝導”でも範囲攻撃が可能。8レベルからはクレリック呪文全てに【判断力】修正値が加えられる。1レベルの“保護する炎”は数少ない防御的な効果で、自身に向けられた攻撃に不利を与える。使用回数の回復は大休憩が必要だが、【判断力】修正値回数使えるので割と気軽に使っていける。6レベルからは自分以外にも使える。
 嵐の領域もやはり攻撃的な領域呪文を持つが、領域特典は光の領域と比べて少々変化球。まず、戦の領域同様に重装鎧と軍用武器の習熟を得る。次に、“神性伝導”で[電撃][雷鳴]ダメージを最大化できる。この爆発力が最大の特徴。“神性伝導”が解禁された時点ではサンダーウェイヴぐらいしか活用できないと見せかけて、“嵐の怒り”で叩き込むことも可能。攻撃ロールの必要な[電撃][雷鳴]があれば、クリティカル時に使うととんでもないことになる……クレリック単独だと少々難しいけれど。領域呪文も範囲はともかく、そんなにダイスを沢山振らないのが惜しい。また、8レベルで得られるのは“信仰込めた打撃”なので、光の領域よりは武器攻撃に寄せた戦い方になるだろう。地味にこの“信仰込めた打撃”も“神性伝導”で最大化できる。
 信仰呪文使いながら、探索で力を発揮するのが欺きの領域ディスガイズ・セルフパス・ウィズアウト・トレイスなどおよそクレリックらしからぬ呪文が準備に加わる。地味ながら1時間の間〈隠密〉に有利を与える“ペテン師の祝福”も強烈。だってこれ、使用回数制限が無いんだぜ。幻影を作り出す“神性伝導”はそこを起点にして呪文を発動するなど、トリッキーな挙動もできるが、メインはやはり自身と幻影から5フィート以内に存在するクリーチャーに対する有利だろう。残念ながら集中が必要なため、ブレスと併用できず、無効化されやすいのが惜しい。集中のいらないミラー・イメージと併せて、うまく身を守りたい(これと17レベルで幻影4つを作り出す“神性伝導”を組み合わせたらエライ絵面になりそう)。“信仰込めた打撃”も考えると、こちらはある程度殴る能力も欲しい。
 知識の領域はその名の通り、豊富な【知力】関連技能が特徴。1レベルの段階で2つの習熟を得て、しかも選択した技能は習熟ボーナスが2倍になる。これでちゃんと〈宗教〉が得意なクレリックができるぞ。“神性伝導”、領域呪文共にこちらはウィザードのような便利系呪文が揃っている。この領域を選ぶ場合は、回復・支援と共に、物理的にどうにかできない状況を打破する秘術呪文使いのような役割も兼ねるようになる。
 最後に、自然の領域は呪文・“神性伝導”とも少々限定的で使いづらいイメージを受ける。野獣や植物相手に強いと言っても、それ以外の相手に置物となるのはちょっとね……シャレイリを発動できるようになるとか、確かに面白い能力はあるのだが。
 オススメはやはり生命の領域、殴りクレなら戦の領域、焼きクレなら光の領域。知識の領域や欺きの領域が力を発揮するには、システムに慣れてからになるかもしれない。もっとも、工夫次第でなんとかなるクオリティなのがクレリックの領域。他所から[電撃][雷鳴]で凄い数のダイスを振る呪文や武器を引っ張って来て“神性伝導”を叩き込むなど、可能性はいくらでも眠っている。各人の発見を期待しますです。

●装備品
 実は半分以上の領域が重装鎧に習熟できるので、鎧は着られるならチェインメイルでまず間違いはない。クレリックで敢えてスケイル・メイルを着てチェインメイルに匹敵するACを作ることができる【敏捷力】は考えづらいし、やったところで結局〈隠密〉にペナルティを負うことは変わりない。
 武器は軍用武器に習熟しているか、ドワーフならウォーハンマーが使えるものの、そうでないとメイスで1d6ダメージとかなり悲惨。【筋力】もそこそこ欲しいとは言ったが、これで殴りクレをやるのはちょっとツライもんがあるな。エルフの場合は周囲の仲間に借金してでもロングソードを買っておきたい。
 また遠隔武器としてはライト・クロスボウを推奨しておく。いくら【筋力】で投げる単純武器の方が効率が良いと言っても、投擲武器が届く距離の敵にはセイクリッド・フレイムで十分。それにパッとしない【敏捷力】で使うとしても、射程の長い呪文以外の手段は用意しておいた方が良い。絶対に。
 クレリックの聖印は鎧か盾に刻印できて、これを示せば物質要素を満たすとか他の呪文発動クラスがキレそうな利点がある。鎧の場合は盾のように手放す恐れが無いのが利点であるが、鎧を着るヒマもない夜襲を考えると盾の方が安全という考えもある。ベストは両方に刻印しておくことか(侍祭を選ぶと聖印が2つになるんでこれが可能)。なお、両手武器を使うつもりの殴りクレでも、1レベル時は盾を持っておくに越したことはない。

○呪文
・初級呪文
ガイダンス
セイクリッド・フレイム

・1レベル
ガイディング・ボルト
キュア・ウーンズ
サンクチュアリ
ヒーリング・ワード
ブレス
プロテクション・フロム・イーヴル・アンド・グッド


 キャントリップは3つ選んだものから4レベルまで増えないし変更ができない。ここは慎重になる必要がある。ただ、ガイダンスセイクリッド・フレイムはほぼ必須の呪文のため、残された枠は2つ。さらに厳選を強いられることになる。
 クレリックらしさを出すならスペア・ザ・ダイイングレジスタンスになるのだろうけど、パーティ中誰も魔法の光を点けられない、なんてのはそれはそれで困る。他の術者のキャントリップを見て、ライトメンディング辺りは埋めておきたい。
 さて、クレリックは相変わらず信仰呪文が神様からの授かりものだけに、使用できるようになった呪文を全部修得する。故にあのくそ長い呪文リストを全部閲覧する羽目になるのだが、世の中にはイジメかっつうぐらい修得呪文が少ないソーサラーみたいなクラスもいる(しかも同じような呪文を連発するキャラクターまでウォーロックに奪われて)んだから、それは贅沢な悩みと思ってガマンしよう。幸い、5eでは呪文の準備が「その日使える呪文のレパートリー」になり、その中から自由に呪文スロットの限り使用できるようになった。例えば、1レベル時の呪文スロットが2つでキュア・ウーンズガイディング・ボルトを準備していた場合、キュア・ウーンズを2回でもガイディング・ボルトを2回でもキュア・ウーンズガイディング・ボルト1回ずつでもOK。PFで言えば、その日その日の修得呪文を決められるソーサラーみたいなもんだと思えばいい。ぶっちゃけアーケイニストのパク(以下略)もしくはパクられ(以下略)。
 で、そっから何を準備するかだが、まずヒーリング・ワードは何はなくとも準備しておきたい。これ、意外と領域呪文で準備されない。ボーナス・アクションで発動できる=何かするついでに回復できる利便性は、キュア・ウーンズでは代用できないものだ。
 次にブレス。えらく大雑把になった判定へのボーナスの最たるもので、出目に+1d4とか大雑把にも程がある。攻撃ボーナスはもちろん、元々有情な数値になったセーヴDCをかなり安定して越えられるようになる。精神集中が途切れないよう、できる限り自分も対象に含めたい。
 ガイディング・ボルトはクレリックの秘密兵器。攻撃性に若干欠けるクレリックにとって、4d6ダメージの一発逆転を狙える切り札だ。呪文スロットがキュア・ウーンズヒーリング・ワードで消えるとしても、非常手段として準備しておくだけの価値はある。
 残りの呪文は各々のセンスに委ねられる。ブレスを使うことを考えると、あまり他の要精神集中呪文は使っている余裕が無い。また信仰呪文使いの宿命として、回復呪文を切ってまで使うかどうかという永遠のテーゼがつきまとうので、PF同様選択は「使い所がハッキリしているもの」にすると迷いが無い。その中ではプロテクション・フロム・イーヴル・アンド・グッドだろうか? [魅了]はともかく、[恐怖]に陥る状況は割とレベルの低いうちから訪れるもんだし。後は、他のクラスで修得しづらい呪文としてサンクチュアリが挙げられる。セーヴに成功されると終わるものの、無力なNPCを守る目的で使ってはどうだろう。
 それと、ディテクト・マジックを覚えている人が他にいない場合は儀式発動できるクレリックが担当してあげるが吉。……ディテクト・ポイズン・アンド・ディジーズディテクト・アンデッドのような呪文こそ儀式発動可能にすべきなんじゃないかな……。

●種族相性
◎人間、ドワーフ(ヒル・ドワーフ)
○エルフ(ウッド・エルフ)

 《重装鎧の熟達者/Heavy Armor Master》で身を守ることもできれば、《戦闘発動/War Caster》で精神集中をより確実に維持することもできる、《癒し手/Healer》で呪文を節約してもよし、人間の特技枠は偉大なり。能力値上昇にウォーハンマーへの習熟、ヒル・ドワーフの種族特徴もまさにクレリックになるために生まれたようなもの。実はウォーハンマーへの習熟が特に大きい。これ、人間だと領域を選ばない限り、そうそう持てない。
 ウッド・エルフはせっかくの【敏捷力】+2を活用しづらいのが残念だが、各種武器への習熟は有難い。移動速度の向上もクレリックには嬉しい限り。
 なお、サプリが許可されているなら、Volo's Guide to Monsters掲載のフィルボルグがオススメ。殴りクレに適した能力値上昇に、ボーナス・アクションで不可視状態ととんでもない種族特徴を持つ。

○運用
 ガイダンスのボーナスがアホみたいに大きくなったので、もう技能がショボイんで戦闘外ではアクティブさに欠けるなんて言ってられない。PF以上にクレリックは仲間をストーキングしてガイダンスを使っていかねばならない。クレリックは技能と能力値の噛み合わせがあまりよろしくないので、自身はサブに回って、より固定値の高い人をガイダンスも含めて支援することの方が適しているだろう。もちろん、自分にガイダンスを使うこともできるから、多少固定値がアレでも単独行動だってできないことはない。言うてもクレリックの技能習熟で、単独行動中に使いそうなものってあんまりないのだが。
 あとガイダンスはDMにウザがられない程度にな。これを使えるか否かはクレリックの存在意義に関わるので、YESNOマクラみたいに確認用のカードでも作ってはどうか。
 神官という立場故、一般人が話をしやすいクラスなのはやはりメリットの一つ。取りあえず話せば楽になる、と新橋のガード下でしてそうなトークに持ち込みやすいのがクレリックだ。
 戦闘においては前述の通り、優良なACを持てるクラスなので、人数が少ない場合は壁役にならざるを得ない(スケイル・メイルの場合はちょっとつらいが)。ウォーハンマーを使えるなら、攻撃能力も前衛と比べてそこまで劣ることはない。ACの高い相手にはセイクリッド・フレイムで攻めるという柔軟さも持つ。特に人型生物はシールドを持っているせいで、脅威度の割にACが高い。ゴブリンでもACは15、前衛が(UAを除くと)持てる最良の攻撃ボーナス+5でも出目で10は無いと当たらない。変則的な攻撃手段は積極的に利用していくべし。もっとも、そういう奴に限って【敏捷力】が高かったりするんだけど。
 問題はやはり自分も含めたhpの低さ。例えダガーの一刺しでもこのレベルでは放っておくのは怖い負傷となる。かといって小休憩を取るには1時間と状況が限られ、結果本当にアッという間に呪文が尽きるブレスガイディング・ボルトに頼るのはよっぽど余裕のある時かどうにもならない時で、基本的にはキュア・ウーンズもしくはヒーリング・ワードのために温存しておきたい。回復リソースが尽きたままの行軍はストレスフルかつデンジャラスな最悪の展開故、撤退を選択することも決して恥ではない(これはDMも理解してもらいたいお話)。
 びみょうにマンチ臭い話で恐縮なのだが、脅威度1/4程度のクリーチャーのダメージは、1d6+2点程度の場合が多い。つまり、9点以上のhpがあれば一撃は耐えられる。呪文を使ってまで回復するかどうかは、このあたりが基準となる。まあたまに2d4+2ダメージ(ウルフの噛みつき)とか1d8+1(山賊のライト・クロスボウ)みたいな例外もあるが、治してもらうか否かはこの9点を意識してみてはどうか。スターター・セットのバグベアみたいな火力の敵が相手だったら、まあ何点あっても一発でくたばる可能性はあるから、シナリオライターに呪いの言葉を吐きながら明日無き総力戦に身を投じるしかない。中途半端に回復呪文で起こしてウッカリ即死するぐらいなら、いっそガイディング・ボルトの一発に賭けてみるか(酷いアドヴァイス)。
 なお、クレリックの場合はHDがd8のせいで、一発貰っただけでまず確実にこの危険水域に入る。万事に恵まれたクレリックだが、万事に突出して優れているわけではないと痛感する瞬間である。人間で前に立つなら、優先すべきは《重装鎧の熟達者/Heavy Armor Master》。正直な話、前衛が2人以上いるなら、一歩下がってセイクリッド・フレイムに専念していたい。《戦闘発動/War Caster》や《癒し手/Healer》を取る余裕も出てくるし。
 まあ要するに
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 ってことね。ともかく1レベルの間は生き残ることを最優先に。
 ところで、hpを回復する呪文にはキュア・ウーンズヒーリング・ワードの二種類がある。アクションを使う代わりに回復量が多い前者と、回復量は少ないがボーナス・アクションで済む後者、どちらを優先すべきか。筆者としては、1レベルならヒーリング・ワードを優先すると答える。1レベル段階では圧倒的にリソースが足りておらず、敵の出目が良いだけですぐ窮地に立たされる。回復する「だけ」では状況を打開することにはならない。結局、いかに早く敵を叩きのめすかが勝負であり、それを問われるのならば、クレリックも攻撃の手数に加わった方が良い、という判断。生命の領域の場合は固定値で結構な値を回復できるため、ヒーリング・ワード一発でも十分だったりするのでなおのこと。戦の領域の場合はキュア・ウーンズで回復しつつ“戦闘司祭”で殴ることができるが、盾を使っている場合は武器を手放さないといけない。
 2レベルからは“神性伝導”が解禁され、hpも増える事で一気に負担が軽減される。特に“神性伝導”はクレリックの挙動そのものを変える程のポテンシャルを持つ。生命の領域なら瀕死の仲間達を一度に立ち直らせることができるし、戦の領域ではガイディング・ボルトの一発で火力に転じることもできる。何よりいちいち回復リソースを残すことに怯えなくていいってのは、いいもんだ
 呪文数に余裕ができたなら、強敵との戦いでは一手目はブレスが基本。ビーコン・オヴ・ホープのようなどえらく強力な呪文もあるが、精神集中を使ってまで維持したいとなると、攻撃ロール&セーヴ+1d4のブレスが攻防に渡って与えるアドバンテージを上回るのは難しい。特に、セーヴを向上させる効果を持続的に与えるのはブレス以外に求めづらいのが実情。……ブレスを他の人が使って、自分はビーコン・オヴ・ホープのような呪文を担当するのがベストなんだけど、ブレスを使える人がクレリック以外でなかなかいないのよね。それに敵の火力はこちらの回復量を上回るスピードで増していくため、安定を求めるよりは速攻で叩きのめすことを考えたい。
 もう一つ、スピリチュアル・ウェポン精神集中無用、ボーナス・アクションで起動できるくそ呪文中のくそ呪文。やや控え目なクレリックの攻撃能力を補う一手となる。1ターン目はブレスを発動、2ターン目からスピリチュアル・ウェポンが3レベル以降の基本的な挙動となるだろう(精神集中が不安なら逆で)。というかこの攻撃にもブレスの+1d4が乗るというのがくそ過ぎるキュア・ウーンズで回復しつつ殴り飛ばすことができるこのファンネル、エラッタが出ない今が使い倒すチャンスだ。
 ただし、呪文数に余裕ができると言っても増える呪文数は緩やか。それに対して敵のダメージは結構なスピードで増加していく。ブレススピリチュアル・ウェポンを唱えるのは強敵相手、それも相応の呪文数を残している場合。平常の戦闘なら、呪文を使わずに勝利できればそれに越したことはない。
 また、忘れがちだけど非常に重要なルールとして、ボーナス・アクションで1レベル以上の呪文を発動した場合、アクションで発動できるのは初級呪文のみキュア・ウーンズヒーリング・ワードの併用はできない。この時点で1ターンの回復量にはある程度の天井ができる(生命の領域の場合は“神性伝導”とヒーリング・ワードの併用なら可能)。時には2レベル以上のスロットを切って回復する事も覚えておきたい。これを踏まえた上で、味方を回復するか否かは検討しよう。チマチマ回復していても、いたずらに呪文スロットを消耗するだけだ。
 なお、回復が必要かどうか迷うし把握しきれんという人には、カンタンな手段がある。「危なくなったら言ってくれ」と伝えておくことだ(by『墜落世界』)。

●呪文(レベルアップ後)
・2レベル
シー・インヴィジビリティ
スピリチュアル・ウェポン
プレイヤー・オヴ・ヒーリング
プロテクション・フロム・ポイズン
レッサー・レストレーション

・3レベル
ディスペル・マジック
マジック・サークル
マス・ヒーリング・ワード
リヴィヴィファイ
リムーヴ・カース

・4レベル
フリーダム・オヴ・ムーヴメント
・5レベル
グレーター・レストレーション
マス・キュア・ウーンズ
レイズ・デッド


 PF同様、はじめてさん向け記事であんまり高レベルの指南をかます知恵も度胸も無いので取りあえず10レベル前後までを想定してのレベルアップ計画です。
 クレリックはレベルアップすると呪文と領域特典が増えていく。後者については、領域の選択の項であらかた書いてしまったので、ここでは呪文の準備について記載する。
 2レベル呪文では筆頭のスピリチュアル・ウェポンに加え、プロテクション・フロム・ポイズンレッサー・レストレーションの状態異常治療が並ぶ。この手の治療手段はどんな時にでも備えておいて損は無し(3レベルという早い段階で準備できるようになったのが本当に嬉しい)。3レベル呪文のリムーヴ・カースや5レベル呪文のグレーター・レストレーションも同様に、クレリックたるもの状態異常治療は解禁次第準備しておくべし。おっと、状態異常対策と言えば、フリーダム・オヴ・ムーヴメントも健在だ。
 状態異常対策&防衛手段の両取りできるのがマジック・サークル。広範囲にプロテクション・フロム・イーヴル・アンド・グッドが適用される。[恐怖]と[魅了]はいつか必ずDMが行使してくる攻撃と心得よう(偏見)。不可視の敵対策のシー・インヴィジビリティは秘術呪文でも使用できるので、仲間内で相談して準備を。
 一度に複数の味方を回復する手段は貴重なので、プレイヤー・オヴ・ヒーリングマス・ヒーリング・ワードマス・キュア・ウーンズも用意しておきたい。実際、先制取られてブレスでパーティ壊滅という危機はこの手の呪文でなければ立ち直らせるのが困難であるし、そういう危険はD&Dだとしょっちゅうあるプレイヤー・オヴ・ヒーリングは戦闘中でこそ使わないが、小休憩ほどの時間を使わずに一気に回復できる、そういう点での効率の良さを買った。なお、エイドでも擬似的に一度に複数の味方を回復することはできる(これは一時的hp)。
 可能な限り避けたい事態だが、死者が出た場合にそれを救えるのはクレリックならでは。特に、3レベルという早い段階でリヴィヴィファイを使えるのはクレリックの特権である
 最後に、ディスペル・マジックはウィザードに任せてもいいけれど、クレリックも使えますよってことで一応挙げておいた。これに頼らざるを得ない状況って大体ろくでもないから、そうならない事を祈っているが。もしくは敵が術者の場合。MM掲載のNPCをそのまんま使う場合、八割メイジ・アーマーシールドホールド・パースンスピリチュアル・ウェポンフライに頼ってくるので、低レベルでとにかく効率が良い物を、という思考を逆手に取って、3レベル以下の呪文をガンガン解呪していってやろうシールドを無効化するには待機アクションで「シールドを発動した瞬間発動する」と宣言しておくと効果的。既にシールドでリアクションを使っているからカンスペされる心配が無い。カンスペ対策にはウィザードと二人がかりでディスペルもしくはウィザードにカンスペ返しをしてもらう……こういう遭遇、オレは不毛だからヤだけどね。

○備考
 クレリックの成長は【判断力】と【筋力】をどれだけ並行して伸ばすかが難しい。ガントレッツ・オヴ・オーガパワーがあれば暫くは【判断力】一本でいいだろうが(っていうか19もあれば最後まで【筋力】は手つかずでいいかも)。ちなみに、【筋力】【知力】を19固定にするマジック・アイテムはアンコモン、【耐久力】19はレアで存在するのに他の能力値は存在しない。コレはアレか、「妙技特性があるんだから【筋力】の優位性なんてそんなモンよ、どうせ【知力】19にしたってウィザード以外は技能にしか使うめぇ。【耐久力】はhpぐらいしか反映しないんだからええんちゃう」という意志表示か(#^ω^)ピキピキ
 閑話休題。
 【判断力】を20まで上げてから【筋力】に手を付けるのは早くても12レベルからなので、これはちょっと時すでにおすしな感が漂う。それに、クレリックは【耐久力】セーヴに習熟していないので、精神集中が苦手なのを思うと《戦闘発動/War Caster》はどうしても欲しくなる特技(盾と武器を併用する場合は必須。聖印は鎧か盾に刻印すればOK)。これで能力値成長を遅らせると、ますます武器攻撃が当たらなくなっていく。“信仰込めた打撃”を思うと、完全に切り捨てるのはちょっともったいない。1レベル時点で【筋力】【判断力】を17に持っていければ4レベルでともに18、これで【筋力】は何とか格好がつくと思うが……《戦闘発動/War Caster》に《セーヴ習熟/Resilient》で【耐久力】セーヴに習熟すればなお万全なものの、【筋力】【判断力】と並行して伸ばそうとしたらまずムリでしょうな。1点2点程度の固定値がなんぼのもんじゃい、と能力値成長よりは特技を優先し、セーヴDCを問われないよう味方に使う呪文を中心にするという考え方だってアリっちゃありである。まあ、一番いいのはガントレッツ・オヴ・オーガパワーを出してくれとDMに泣きつくことのような気がする(だってマジック・アイテムの購入のルールがまだ無いんだもん)。
 鎧と盾の習熟のために壁にならざるを得ないものの、中装鎧どまりの場合は【敏捷力】に依存するため、次第に厳しくなってくる。っちゅうか【敏捷力】ボーナスが無いとスケイル・メイル+盾で16なんで1レベル時点からかなり不安(幸い、“信仰込めた打撃”で戦う領域は欺きの領域を除いて重装鎧に習熟している)。重装鎧に習熟していない場合、できれば1レベルの時点では難しいとしても、将来的に前衛を替わってもらえる仲間がいてほしい。PFクレリック同様に自身は中衛として、前衛にシフトできる位置に立ちつつ、後衛に遊撃役の手が及ばないように立ち塞がるのがベストだ。
 克服しようと思ってもできないクレリック最大の弱点は、5eでも変わらず【敏捷力】セーヴ。【判断力】に【筋力】に【耐久力】が必要、その上に《戦闘発動/War Caster》まで取得したいクレリックに《セーヴ習熟/Resilient》で【敏捷力】を指定するヒマなんてあるわけがない。こればっかりはブレスの補助に頼るしかない。

 相変わらず味方の戦力がおぼつかない内は回復にばっかり呪文スロットが消えて切ない思いをするかもしれないが、そこは5eきっての強豪クラス。段々と回復をしながらやりたい放題し始めるとんでもない横暴ぶりを発揮し出しやがるスピリチュアル・ウェポン+ブレスのくそコンボを皮切りに“神性伝導”を絡めた戦術は、必ずや戦場を一変させるほどの影響力をもたらす。そう、回復してばっかりなのが不満ならば、回復も必要ないぐらい苛烈な攻撃でボッコボコにしてやればいいのだ! クレリックならそれができる!
 回復・支援という本分をまっとうしながら思うがままに蹂躙できる強クラス感、ひとつ味わってみてはどうよ!?

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ジャンル : ゲーム

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