クトゥルフ神話TRPGヨタ話#85~少しまじめに覚える戦闘ルール・技能編~

 前回さんざなんだこのズブなシステムはとかこれでよくもベーシック・ロールプレイング・ゲームと名乗れたもんだとかそれにつけても金の欲しさよとかディスったクトゥルフの戦闘システム、これ以上掘り進めても「各自でハウスルールを作って回さないと話にならん」と う結論に落ち着きそうな空気がふんぷんとしているのだが、始めちまったもんは仕方がねえ。そう、クトゥルフの戦闘ルールは前回押さえた基本的事項だけでなく、戦闘に関わる技能それぞれにも個別のルールが記載されているのだ! だからそういうことは戦闘ルールに包括しておけよ!
 早くも怒りのあまり歌舞伎揚げバリューパックを一袋空けてしまいそうな険悪ムードが漂ってきてますが、そんな既に敗北感たっぷりのクトゥルフ戦闘システムおさらい記事、今回は戦闘関連技能特集60分一本勝負だヨ!

●素手の攻撃
 恐らくヤーパンで最も多くのレギュにて採用されているであろう舞台現代日本にて、法にうるさく口を出されない攻撃手段と言えばコレ。というか〈マーシャルアーツ〉で物凄いダメージが出せるもんだから、現代日本に限らず1920年代アメリカでもロシア革命直後でもポリネシアの沖合でもみんなしてキン肉マングレート(中身カメハメ)みたいにマーシャルアーツキックしまくってんでしょ?(ただしダメージ・ボーナスが存在する場合のみ) そんなに〈マーシャルアーツ〉が好きならもう〈マーシャルアーツ〉の王国を作ればいいじゃない! 王様は君で家来は貴方たちだよ! 「人を殺したければ銃は撃つな蹴りを打て」という格言を言い出した私は大臣ぐらいにしてもらえませんかねえ(揉み手しつつ)。
 最も〈マーシャルアーツ〉は単体では何もしない奴なので、その〈マーシャルアーツ〉で凄いダメージを叩き出すための手段の話に持っていこう。クトゥルフにおける素手攻撃は前回例示したように、〈こぶし〉〈キック〉〈組みつき〉〈頭突き〉の4つ。
 〈こぶし〉はダメージ・ダイスが1D3と最も小さいが、素で50%の命中率があり、非常手段として使うことも少なくない。一方、〈キック〉はダメージ・ダイスが1D6と武器攻撃並だが、ノックアウト攻撃には基本的に使えない。〈頭突き〉は1D4ダメージでノックアウト攻撃に使用可能、ただし受け流しが行えない。ちなみにどうでもいい話だけど、五十音順に並んでいる技能解説の中で、〈追跡〉と〈電気修理〉の間にあるので「づつき」が正しいルビらしい。受け流しとノックアウト攻撃両方を使いたければ、〈こぶし〉ということになる。これら3つには〈マーシャルアーツ〉が適用される。
 〈組みつき〉はPFほどじゃないけどオプションが複雑な上にKPの裁量に委ねられる点が多いので、重点的にここを見ていこう。
 まず、〈組みつき〉の1回目では相手をつかむだけ。ここから以下のような各種行動に移る。

1.相手を押さえつける。STRの対抗判定を行い、勝利すれば相手は動けなくなる。次のアクションを起こすまで、この状態は続く。
2.相手を倒す。この行動は自動的に成功する。
3.対象にノックアウト攻撃を行う。
4.対象の武器を取り上げる。この行動にはもう一度〈組みつき〉に成功しなければならない。
5.対象にダメージを与える。この行動には対象が押さえつけられていなければならず、もう一度〈組みつき〉に成功しなければならない。〈組みつき〉に成功した場合、対象は1D6+ダメージ・ボーナスの耐久力を失う。各ラウンドで〈組みつき〉に成功することで、同じダメージを与える。
6.対象の首を絞める。そのラウンドから対象は窒息してゆく。
※5、6はSTRの対抗ロールに勝つ以外脱出する手段は無い。

 4と5を除いたオプションは、〈組みつき〉成功後即座に選択できるオプションである。ただ、3の「最初のラウンドに~」という表記が怪しいのだが、まあ「そのラウンド」と読んでいいのではないか。それよかノックアウト攻撃(原文だと「ノックアウトする」)となっているが、〈組みつき〉にダメージは無いのだけれど、これはどう処理するのだろうか? ダメージは0で相手の耐久力と抵抗ロール? 相手の耐久力がかなり減っていれば、多少は成功の目もあるけど……。
 また4では一度目の成功で近接攻撃をされないように〈組みつき〉を行えるような記述があり、〈組みつき〉に成功すれば受け流ししたも同じ、というスポット・ルールの表現はこれを指しているんだろう……だったらやっぱり2回成功しなくても受け流したのと同じなんじゃ。てか取り上げたら受け流したより遥かにええ結果だよな。
 5はまず相手を押さえつけていなければならない、という記述からするに、まず1に勝利する仕込みが必要なんだろう。実質的には〈組みつき〉成功→STRの対抗ロールに勝利→次のラウンドで〈組みつき〉という3ステップを踏むことになる。
 一応、6の窒息でもダメージを与えることはできるが、最初のラウンドだとCON×10、次のラウンドにCON×9……に失敗しないと通らないので、正直3ステップを踏む5以上に悠長。いくら再度の〈組みつき〉が不要でも、使うのはダメージを与える以外の目的となるだろう(呪文の詠唱を止めるとか)。
 この技能で一番気になるのが脱出する方法が5と6しか書いていないこと。まさか1のSTRで敗北したら、組みついた方が何もしない限り為す術なく永遠に押さえつけられたまま、とかないですよね……いや、BRPだとあり得るかも……。もしくは、1、5、6を除くとそのオプションを取った後〈組みつき〉は解除されるってことかな。〈組みつき〉から相手を倒してなお組みついたままというのも大変だろうし……4eに強制的に転倒+立ったまんまで組みつき状態維持とかいうアンデッドがいて怒った記憶があるな
 ただ1、それに4に移行するまでの間、組みつかれている方がどうなるのか、についてなんも言及されていないのがすごく困る。一応、『2010』には近接武器技能ロールの成功で無効化できる、としてもよい、という回答もある。が、ただの技能ロールで一方的に解除されてしまうというのもちと味気ない気もする。というか、単に1、4の場合でもつかまれている方が自分の行動としてSTR対抗ロールを行い、勝利したら脱出、でいいような。
 また、つかまれている場合どうなるか、のルールも1(と1が必要な5)を除くと実は無い。無い以上じゃあ武器を掴まれたり首を絞められながら移動したりしてもいいのか、という意地の悪いツッコミはもう前回の記事からしてヤボテンというものだろう。BRPを運用するのに必要なのは行間を読む能力、言われんでもワカっとる。組みつかれている場合は基本的にお互い移動や〈回避〉は不可であり、またつかまれている方の行動は各オプションごとに各位が考える事、ということだろう。『2010』の解決策と合わせると、補足ルールはこんな感じになるかな?

・〈組みつき〉が成功し、組みついている間は、組みついている側も組みつかれている側も移動・受け流し・〈回避〉はできない。
・武器に対して組みついている場合、その武器は使用できなくなる。武器を離せば、即座に自由に行動できる。
・組みつかれている側は、STRの対抗ロールに勝利すれば組みつきから逃れることができる。
・組みつかれている側は、近接武器技能ロールに成功することで組みつきから逃れることができる。この時、ダメージは与えない。武器に対しての〈組みつき〉を宣言された場合、即座にこのロールを行える。
・組みつかれている側に対してダメージが与えられた場合、そのダメージとCONの対抗ロールを行わなければならない。失敗すると、組みつきは解除される。(近接武器技能ロールに成功して無効化するのではなく、ダメージを与えて逃れる手段も取れる)。
・組みつかれている側は、〈組みつき〉に成功するとオプションを使用できる。

 〈組みつき〉は〈組みつき〉でしか受け流すことはできない。また、〈マーシャルアーツ〉を適用することはできないが、『2010』で登場した〈武道〉を使用することが可能。この〈武道〉がまた酷い事をし始めるため、現代日本のクトゥルフでは〈マーシャルアーツ〉に代わって〈武道〉爆裂キックで飛び回るエセネプチューン・キングどもが跋扈していることであろう。まあ第7版ではついに〈マーシャルアーツ〉が息絶えるという話であるし、時を待たずして崩壊する砂上の楼閣でせいぜいふんぞり返るがいい(今回誰にケンカ売ってるんだろう)。
 〈武道〉は〈マーシャルアーツ〉に代わって使用する技能で、素手攻撃のダメージ・ダイスを2倍にするのは同じだが、様々な特殊攻撃を行えることや、細かいルールに差異がある。まず〈武道〉による攻撃は、〈武道〉でなければ受け流しができない。通常の素手攻撃では×(この「〈武道〉による攻撃」という表記からすると、〈マーシャルアーツ〉では表記がやや曖昧だったが、本来は同時に使用することをまず宣言する必要があるんではないだろうか? つまり〈こぶし〉に成功したが〈マーシャルアーツ〉には失敗した場合、攻撃は失敗となる)。また、ナイフや小さい棍棒を受け流すことが可能となる。これは〈武道〉のみで受け流しが可能のようだ。まあ、素手攻撃技能も必要とすると、組み技系はそもそも〈組みつき〉しか受け流せなくなるからね……。あと、ラウンドの最初に受け流しを宣言しなければならないルールを採用している場合は、〈武道〉なら攻撃をされた直後に宣言すればよい。……まあ、あのルール自体そのまま使うかどうかは疑問であったけど。
 これだけ見るとただ強い〈マーシャルアーツ〉で尚のこと素手戦闘がウッハウッハ、現代日本に武道家どもが溢れ返るように見えるが、両手両足が自由でないと使えないという新しい制限がある。〈マーシャルアーツ〉のように、受け流し用の武器を握りつつ殴るような芸当はできない。ただ、〈頭突き〉で〈武道〉の時に両手両足が必要……両足はともかく……かは判断が分かれそうであるが、相手をしっかり掴んで頭突きかましてるということか。
 〈武道〉は柔道・合気道などの組み技系と空手、中国拳法などの立ち技系に分かれる。それぞれに存在する特殊攻撃を使用するには、60%以上の技能が必要。
 組み技系は〈組みつき〉から発生するダメージ・ダイスを2倍にすると共に、サルトタックルの2つの特殊攻撃が存在する。
 サルトは投げ飛ばしで、〈武道:組み技系〉〈組みつき〉に成功すると、1D6+ダメージ・ボーナスのダメージを与え、さらに投げ飛ばされた方はCON×5のロールに失敗するとその場でノックアウトされる。この攻撃は〈武道:立ち技〉で防ぐことはできない(ただし、誰でも〈武道:組み技〉も1%は持っている。つまり1%は受け流せる可能性がある。判定できるってだけだけど)。
 タックルは〈武道:組み技系〉〈頭突き〉に成功すると、1D4+ダメージ・ボーナスのダメージを与え、さらに対象を3メートル移動させると同時にDEX×5のロールを行わせ、失敗すると対象は転倒する。転倒した対象はCON×5のロールに失敗するとノックアウトされる。さらに、移動先に壁などがある場合は追加で1D4ダメージが発生する。こちらは〈武道〉で受け流し可能な上にダメージ・ダイスも小さいが、3メートルの強制移動がミソ。強制移動が一般的でないゲームでどんな凶悪な効果になるかは、4e→5eへの移行で味わった方も多いのではないか。
 いずれの特殊攻撃もノックアウト攻撃を適用することはできない。また〈武道:組み技系〉と同時に成功することが必要とされていながら、はっきりダメージが1D6or1D4+ダメージ・ボーナスと指定されているので、ダメージを2倍にする効果は得られない。サルトは超自然の存在に使用できるかはKP次第。タックルは相手の種別を選ばないが、SIZが人間の範疇(18以下)でないと通用しない。まあ、SIZが19以上って大体超自然の存在だから同じようなもんだと思うけど……でも、『2015』を採用すると19以上になることもあるんだよな……やっぱりもう人間じゃないサイズということか。
 続いて立ち技系。〈こぶし〉〈キック〉〈頭突き〉から発生するダメージ・ダイスを2倍にすると共に、ラッシュフェイントの2つの特殊攻撃が存在する。
 ラッシュは〈武道:立ち技系〉の攻撃が命中した時点で宣言し、ダメージを与える代わりに相手をスタン状態にする。そして、そのラウンドの最後に〈武道:立ち技系〉と〈こぶし〉または〈キック〉による追加攻撃を行える。ラッシュによるノックアウト攻撃はできない。スタン状態でも〈回避〉はできるので、2撃目をかわされる可能性はあるが、それよりは1回の手番を自動的に失わせる方が重要。
 フェイントは素早く2回のパンチやキックを繰り出すことで、相手の受け流しや〈回避〉を誘発する。一回目の攻撃は必ず外れるが、対象は受け流しか〈回避〉を行ってしまう。2回目の攻撃は受け流しや〈回避〉をされることなく攻撃が可能。これを防ぐには、一回目の攻撃で〈武道〉による受け流しに成功すれば、2回目の攻撃も無効化できる。対象が既に受け流しや〈回避〉をしている場合は一回目の攻撃が無くなるので、容赦なく2回目を叩き込むことが可能。特に、受け流しづらい素手攻撃、しかも〈武道〉でしか防げないのに、〈回避〉すら許さない2撃目があまりにもドイヒー。しかもノックアウト攻撃まで唯一適用できる特殊攻撃と至れり尽せりである。さすがにラッシュと同時に使用することはできない。
 効率だけ考えると敵の行動潰しもできれば回避できない立ち技系に軍配が上がるが、自動的にノックアウトの発生する可能性のある組み技系の方が対人戦は有利、という見方もある。まあ、結局のところ〈武道〉と素手攻撃技能に十分なポイント振るだけの余裕があり、かつダメージ・ボーナスが存在するほど恵まれた者のみの特権(ダメージ・ボーナスは無くても別にええけど)だから、好きな方を選べばいいんじゃないかな。あと、組み技系と立ち技系はあくまで分類で、実際に〈武道:○○〉の○○は具体的な格闘技名を自由に決めて良いそうなので、コマンドサンボでもシステマでもこれがア・イ・キでも男塾名物撲針愚でもカポエラ…でもムァイタイ(原文ママ。つまりムエタイね)でも好きにコダワリの君色思いに染め上げて、決してマンチ的ビルドで取ったわけじゃあないんですと精一杯のアプィールをしてみてはどうか

○近接武器
 素手の攻撃のルールがどえらく長くなってしまった。
 素手のルールが個々に詳述されている割に、基本ルールだと近接武器に関しては「武器ごとに技能取ってチョ」としか書かれていない(火器はもちろん、〈投擲〉にさえちゃんと枠が用意されているのに)。
 そこはかとない扱いの悪さを感じるクトゥルフの近接武器であるが、まあ手に持ってないと使えない上に〈マーシャルアーツ〉や〈武道〉を適用できないとなれば見向きもされないのも当然というか、いやいや近接武器は近接武器じゃなきゃ受け流しできないんだからそう簡単に切り捨てるのはまだ早い。それに『2010』で鈍器は受け流しされないと明示されたのであるし。
 流石にコレじゃナンだと判断したのか、『2010』以降は各種近接武器に対応した技能が作成された。……そう言いつつも、ポン刀や青龍刀、サーベルのように扱えるのは結局狂人どもになりそうな武器も多いのだけれど。現代日本で鎖鎌を持ち歩いてるとかもうコレしかない。これは狂ってますわ。
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 フェンシング、薙刀はまだ使いこなせても言い訳が利きそうだが、常日頃から持ち歩くのはちょっと……ムチも持ち歩けそうだが、やっぱり常日頃からってのは言い訳に困るな。それこそ普通の武器以上に困る。仕事道具と言い張るか? 比較的実用性があるのは、棍棒を振るえて基本命中率も高い〈杖〉か。ノックアウト攻撃もできる。
 〈フェンシング〉は〈サーベル〉、〈日本刀〉、〈青龍刀〉を-10%として代用できる。〈サーベル〉、〈日本刀〉、〈青龍刀〉はそれぞれ-10%で代用できる関係にある。この中で〈日本刀〉だけが両手で使う必要があり(片手の場合-10%)、
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 とノックアウト攻撃もできる。あ、ポン刀はまずいが竹刀は大丈夫そうね……ちょっと待て、命中したらダメージ・ボーナス+スタン? 下手したら普通にダメージ負うよりタチ悪くないですかソレ。ついでにしっかりダメージ・ボーナスは通るから、人外の膂力が振り下ろしたら藤木源之助のようになる。
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あの人たち比叡山炎上の人種っぽいし……。
 〈杖〉とは違うシブイ技能、〈節棍〉は対手の受け流しの成功率を1/2にする効果がある。ヌンチャカより大ぶりなものを指すようなので、実際の携行はやっぱりちと厳しいかも。
 鎖鎌、ムチでは巻きつきの特殊攻撃が用意されている。宣言して攻撃に成功すると、手にした武器や腕、足に巻きつかせることができる。この後即座にSTRの対抗ロールを行って、成功した場合武器ならそれを落とし、腕や足なら再度のSTR対抗ロールに勝利で転倒させることができる。転倒のためのSTR対抗ロールに敗北した場合、攻撃側は武器を手放すか時分から倒れるかを選択しなければならない(お、PFちっく)。
 巻きつきはSTR対抗ロールの解決の時点で解除される、と〈組みつき〉と違って明言されているので後処理も安心だ。ムチや鎖鎌は使う機会が少なくとも、ロープや類似の道具で使うことはあるルールかもしれない。
 鎖鎌は受け流しが困難で、相手の受け流しの成功率が1/2になるが、逆にムチはコレで受け流そうとすると1/2になる。
 オプションが多数用意されているのは〈居合〉。〈マーシャルアーツ〉や〈武道〉と同じく、〈日本刀〉と併用する技能で、その名の通り抜刀しながら攻撃したり受け流したりできるのだが、基本的に1回きり、しかもダメージを2倍にするとかけったいな特殊効果もないので、求めるポイントが多い割にいまひとつパッとしない(しかも日本刀を片手で使うペナルティを受けるのでは?)。ノックアウト攻撃も可能とあるが、そもそも日本刀自体が峰打ちでノックアウト攻撃できるのよね。これは〈〈居合〉と組み合わせた場合の処理を考えた上の記述か)。
 最大の特徴は自分以外が腰に差している刀に対してこのような行動を取れるというオプション。上手くいったら拍手喝采であるが、やはりおもしろ技能という評価は免れ得ない。というか、日本刀を腰に差してるような敵手ってやっぱりだいたいが狂人かカタギじゃないような……。
 近接武器は受け流しに使用できるか、同じラウンドで攻撃と受け流しを同時に使用できるかが武器によって異なる。前回も軽く触れてはいるのだが、ここでおさらい。基本的な原則として、刃の付いた武器、尖った武器、貫通できる武器は受け流しをされる。なんとチェーンソーでさえ受け流せるのに、棍棒を受け流せないのはやっぱりちょっと不思議。次に、クロスガード(鍔)の付いている刀剣は、同じラウンドに攻撃と受け流しを行える。それ以外の武器は攻撃か受け流しのいずれかしか同じラウンドでは行えない。できることならこの辺は表に組み込んでほしかった。
 この「同じラウンドで攻撃と受け流しを行える」武器の技能は、『2010』より〈フェンシング〉〈サーベル〉〈日本刀〉〈青龍刀〉が該当する。受け流しに使えないのは弓関連。近接武器ぢゃないだろと思ったけど、クトゥルフでは飛び道具全般ではなく、火器というくくりが主流なんで、ここに入れるしかなかったんだろう。
 あと武器表にすら書いてない存在ですが、非常に大きい、1D10+ダメージ・ボーナスのダメージを与えるような棍棒はSTR13以上でないと使えないそうです。ハガー市長のパイプ攻撃みたなもんか。いやSTR13じゃとても振り回せないなアレ。

●火器
 近接武器のルールはササーと流しておいて、火器のスポット・ルールは最初からビッシリ、キャラクターシートにもユーザが生涯使わねぇ可能性すらある〈マシンガン〉までしっかり印刷してあるあたり流石銃社会アメリカ、ライフル協会バンザイって感じだ。
 火器のルールは前回あらかた書いてしまったので、基本的な事項そちらを参考にしてほしい。で、ここではより細かいルールを。
 R&Rでも推奨していた〈ショットガン〉は、遠くの目標を撃った場合、対象にできる数とダメージが変化する。10メートルより近距離では最大の威力が出るが、対象は1体だけ。10~20メートルでは1D3体、20~50メートルでは1D6体と散弾が広がるのに合わせて対象の数も増えていく。同時に、ダメージも低下していく。50メートルから先の対象の数とダメージはは記載されていないが、まあ法則に従って1D8人、武器のダメージ・ダイスを小さくしていくのがスジというものか。最初からゼロ距離射撃しか狙ってないならあんまり気にしなくていいす。
 ゼロ距離射撃、長い射程と共に火器には大きな対象への命中率のボーナスがある。対象のSIZが30を10上回るごとに命中率が+5%されるというものだが、SIZ40ってそれ銃を撃ってどうにかなる目標ではないと思うから、これまたあんまり気にしなくていいように見える。せめて30からなら、馬よりちょいでかい相手なんでまだ撃ってみる気にもなるのだが。廃棄物13号への特殊弾頭をブチ込むようなシチュエーションなら使えそう。おお、これはカッコイイしクトゥルフ的でもあるぞ。
 実に今更であるが、(これは近接武器もだけど)火器の命中率は火器ごとに設定された基本命中率に依存する。払った技能ポイントは同じでも、基本命中率が異なれば命中率も異なる。キャラクターシートの火器の初期の技能ポイントと矛盾することもある、ってことで、混乱を避けるために一応記載しておいた(だったら最初から初期の技能ポイントを書かなきゃいいのに)。
 また、武器の両手で使える・使えないはあまりクトゥルフで重視されていないようで、両手用であることを明確に指示されているのは日本刀ぐらいだったりする。まあ、これは常識と武具知識の範囲内で判断すれば、裁定は難しくないのだが(探索者の標準的なSIZは良い物差しになる)。ルールに書いてないからといってショットガンを片手で使えると主張する輩がいたら、一般的にショットガンを片手で使ってる光景を求めればいいだろう。それでシュワちゃんを持ち出したら張り倒していいよ。レイトショウ方式で「それならやってみせてくれ」と言うのもいい手段だ。ただし、これは別種の危険も伴うと注意書きがあることも留意してほしい。例えばショットガンを片手で撃てるもんなら撃ってみろ、と言ったらプレイヤーがバッグから何か長物を取り出してきて……。

○投擲武器
 近接武器以上に影の薄い投擲武器。〈投擲〉技能はあるのに……。
 影は薄いが〈投擲〉に関するルールは妙に細かい。手の平サイズの物品で、バランスが適していれば、探索者のSTRが物品のSIZを1超えるごとに3メートル投げることができる。それが投擲に適しているなら、6メートル飛ぶようになる。まあ、物品の細かいSIZは指定されてねえのだがな(武器表にも載ってない)。
 〈投擲〉に失敗した場合は対象から離れたランダムな位置に落下し、実際の出目と成功率を比較し、物品が何メートルの近さまで届いたかを指定する……うん、使われない理由がよくわかりました。オレがKPでもこんな面倒くせえルール使いたくない。出目と成功率の比較から割り出すのもあくまで目安で、具体的にどう割り出すのか書いてないし(まさか出目引く成功率メートルとか室伏も真っ青な大遠投じゃないだろうな)。

●〈医学〉〈応急手当〉
 治癒の項目で書いた通り、この2つは緊急措置として1D3点の耐久力を回復させることが可能。リカバリの利きづらいクトゥルフにおいて、数少ない蘇生手段なので覚えておいて損は無い。もっとも戦闘中に可能かどうかはKPの判断にもよるが。そういえば前回触れなかったが、MPがゼロになった場合の意識不明から立ち直らせるのに使用できるのだろうか? MPがゼロになった時は「意識を失う」なので、厳密には意識不明と異なるのかもしれない。

○その他の武器・兵器
 護身用として割と現実性があるのがスタンガン。隠匿しやすく、基本命中率も〈こぶし〉なので割と成功しやすく、命中すればスタン確定なのも実用性高い。やっぱり職質を避けるためにも〈隠す〉はあった方がええだろうけどね。
 『2010』以降シンゴジ的展開を遊ぶためか武器っちゅうか兵器レベルまで掲載されており、クレイモア地雷は基本命中率が〈幸運〉ロールとなかなかイカスことが書いてあったりする。が、基本的にはそういうシナリオでしか使わないものであるから、その時が来てから知ればいいデータである。火炎放射器とか『腕に刻まれた死』で作れたけど基本命中率5%とか誰も使わねえよ。
 学生運動時代を遊びたいとかならモトロフ・カクテルこと火炎瓶の出番はありそうだな。アスファルトひっぺがしての投擲もあるし、革命闘士を自称するなら〈投擲〉は伸ばしとけ

 基本ルールに比べてなんか割とまっとうな記事になってしまった。全体図の設計が間違っているだけであって、個々のパーツはそんなに狂っていないという事か……ところどころはやっぱり狂っているけど。
 探索者が主に使うのは〈武道:立ち技系〉と思われるので、ここのところはしっかり把握しておこう。所詮神話的生物相手には通じないと一笑に付されても、精一杯出来る事を隅々まで知っておくというのは立派な探索者の生存策である。一方、探索者・KP問わず武器の受け流しと攻撃の併用の可否、攻撃ごとの受け流しの可・不可は知っておくべき知識。たまたまそこに落ちていた物を振り回す機会というのは少なくないのだ
 戦闘ルールはKPスクリーンに整理された情報が掲載されているが、詳しい裁定は『2010』に掲載されているので、現代日本が舞台でなくても購入して一読しておくことをオススメしておく。しかし〈武道〉の各種ルールややたらと固有の武器技能が増えたのは、ザ・チャンバラをお好みのユーザのニーズがあったということなのだろうか。とは言え鎖鎌とかコアなバキ的小道具を持ち出されても困るんですけお……。そういうことならとやっぱり比叡山炎上を取り出せばいいような……。
 それに結局のところ、戦闘ルール自体があれじゃあアカンわという出来なので、いくら技能云々の話をしても前には進まない。次回は前回のルール回り・そして今回の技能の二つの記事を総括した上で、筆者がKPをする場合のハウスルールをドカンと掲載予定。

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No title

gdgdなBRPの戦闘ルールを何とかしたい場合は、ルーンクエスト6th改題のMythrasが相当まとも?なコンバットルールに改善されてるので、無理矢理ルーンクエスト系のチャンバラをルールごとハウス移植するというのはありかもしれません。
ヴァリアントのClassic Fantasyを導入すれば、ヘクスコンバット&レベル制呪文導入でD&Dもどきとして遊ぶのも可能です(・∀・;)

No title

さすがにルンクエが元ならば戦闘ルールは何とかなってる……と思いたいです。
しかしクトゥルフでヘクスコンバットかぁ……d20CoCの3eと混ぜて遊ぶルールを思い出す。
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銀河アズマ

Author:銀河アズマ
頑張りましょうと言えないのがとても残念です

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