D&D5e余話#167~第5版プレイガイド&短編シナリオ~

 ヤッター桂令夫さんの記事&シナリオだー!
 クリスマスセッションも終えて(他人のGMで「クリスマスがなんじゃあい!」ネタを聞くのはなんだか不思議な気分だった)、次に物をせびる機会は正月でお年玉の相当品まで待たないといけないのかケッ、なんなら大晦日に蕎麦でもせびりに行くかケッなどとと不埒なことを考えていたら、思わぬお年玉先取り! それもD&D界の味皇もしくは東方不敗(と私が勝手に呼んでいる)たる桂令夫さんの文章とあらば、これは読まないワケにはいかんのれす(記事は4Gamer.netさんに掲載)。
 オレはどちらかというといくつになってもお年玉を貰いたい方で、あげる側に回るのはヤなので“お正月は「ダンジョンズ&ドラゴンズ」で遊ぼう”というフレコミに従い、親類縁者相手には「オレからのお年玉は少年少女達に送る新年最初の冒険なのら!」と言い訳をして散財を避けたいと思います。というわけで容赦なくDM用情報も読み込んでいく。
(以下ネタバレなので注意)
 内容の方はプレイガイドと銘打ってあるが、TRPGのテクニック的なプレイガイドよりは、実際にTRPGを遊ぶ段にあたっての準備という意味合いの方が強い。TRPGのなんたるかなどは別所で掲載した記事があることだし、今更繰り返すのもな、という判断だろうか(こういう時過去の情報をカンタンに参照できるWEB記事は強い)。
 もっとつっこんだ話をするなら、記事のメインは「DM用プレイガイド」と言っていい。プレイ前の準備については、TRPG慣れしている人なら既知の内容なので、それほど目新しい内容でもない。そんな人が見るべきは“アドベンチャー(DM用)”から始まる、アドベンチャー≒シナリオの用意に関する記事。掲載されている5eはじめてさんのために用意された短編アドベンチャー、これは完全新作。1~2時間で終わることを想定されている、ごくごく短いシナリオであるが、交渉・探索・戦闘というD&Dで提唱されているTRPGの三要素をしっかり搭載。PCがすべきことは開始段階で明示されているし、DMがはっきりと提示すべき情報は赤字で示されているから迷うこともない。真っ先に書かれている助言が援護のルールとガイダンスなのは流石によくわかっておられる(経験者でもよく忘れる)。
 公式シナリオというとユーザ各自で手を入れて当然みたいないくない風潮があるが、今回はそのまま遊んでもあんま問題ないので安心してくだち! 特に、TRPG及び5eはじめての人でもフトゥーに遊べる戦闘の難易度というのも、特筆すべきことではないだろうか。まず経験点枠を守る意志があるという点。おいらこれに感動した(これで感動できるのがナンだが)。ボスの僧侶のEXPは50点、海賊は25×3=75点、アロサウルスの雛で200点、4体以上の遭遇のため合計の325点を2倍にして650点の経験点枠。PC4人の場合の致死遭遇400点をだいぶオーバーしているが、これはアロサウルスの雛に関する情報収集と対処に悉く失敗した場合。空腹を察して食料を与えて大人しくさせれば戦わずに済むし、事前に鉄格子を上げて始末することもできる。DMによっては、鉄格子の向こうから遠隔武器を撃ち込んで弱らせることも許可してくれるかもしれない(自分なら不利を与えて遠隔攻撃のみ可能、2ラウンド経過したところで海賊が様子を見に来る、という処理にするかな)。慣れたPLなら鉄格子を空けると同時にスリープを発動し、然る後一斉に袋叩きにするという手も思いつくだろう。
 一度に戦うというのは、PC側の出目が悪いか、いいアイデアが思いつかなかった場合の状況になる。そういうまずい結果としての遭遇なら、このぐらいの難易度も仕方あるめぇ。
 アロサウルスの雛を抜いた場合の経験点枠は250点となる。これはPC4人にとって通常~困難の遭遇であり、規模からすれば十分妥当と言える範囲だろう。僧侶がブレスを発動すると一気に形勢が傾く可能性もあるが、集中攻撃すれば簡単に撃破できるhpであるし、何と言ってもウィザードには精神集中殺しのマジック・ミサイルという強い味方がいる。3本まとめ撃ちすれば精神集中を破れなくともダウンを取れる可能性もある。以後のスペルユーザ対策の体感として、ウィザードのPLには是非教えてあげてほしい。
 それに、アロサウルスの雛が戦場に到達するまでには1ラウンドの猶予がある。疾走アクションを取ってやっとカーテン越しに届くぐらいなので、戦闘開始直後にいきなり1d10点の噛みつきを喰らってオダブるなんて悲しい結末はひとまずは避けられる。カーテンの後ろに隠れているとかチキンなウィザードは冷や汗をかくかもしれないが。まあそうなったら全力でスリープを撃つとかいくらでも打開策はあるからな。
 実際にアロサウルスの雛と戦う場合は、本アドベンチャー中最大の脅威なので相応の被害は免れない。攻撃ボーナスはやや低いものの、真後ろから現れるためACが低い後衛が狙われがちなのがさらに危険。とは言え狭い戦場なので最大の火力である“飛びかかり”はそうそう発動しないぶん、クリティカル・ヒットが出ない限り死亡して戦線離脱することはまずない(噛みつきがクリティカルした場合は御愁傷様)。ベーシック・ルールのクレ公が生命領域であるため、立て直しは難しくない筈。アロサウルスの雛のACは低いので集中攻撃をかけるか、前述のスリープで早急に無力化させるが吉。脅威度1にしてはかなり大人しい能力のため、真正面から戦っても何とかならない相手ではない。
 取り巻きの海賊についても、シミターで斬りかかってくるので即気絶という事態には陥りづらい。d8ダメージのクロスボウを持ってはいるが使わない配慮がありがたい。いくら攻撃ボーナスが低くとも、アレを連射されるとイニシアチブを取られただけで簡単にくたばるPCが出るので……(実体験)。d8ダメージというと後はセイクリッド・フレイムで、マックスダメージを受けるとウィザードは一撃で倒れる可能性が高いが、これは運が悪かったと思うしかない。
 もう一つ評価したいのは、全体的にACがかなり低い一方で、片手武器だと即死させるのが難しいhpになっていること。5eの低脅威度、特に人型生物はどいつもこいつもが盾を持ちたがるせいで、安定して攻撃を命中させるのが難しい(ゴブリンでさえ15)。そのぶんhpは低くなっているのだが、脆くて当たりづらい奴にウロチョロされるよりは、命中させたカタルシスを得やすくタフな敵の方がプレイヤーに与える心象はずっと良いだろう。hp11と能力値ボーナス+3・d8の片手武器でマックスダメージが出れば倒せるのもポイント。個体のhpが高い分、範囲魔法一発で壊滅になりづらいのもいい塩梅だな。
 どうですか、この1~2時間で終える範囲のシナリオで、PCにそれなりの脅威を与えつつ、創意工夫で打開できるという適切な難易度。公式シナリオのぶんざいで毎戦闘致死遭遇クラスをぶつけておいて「このシナリオは1日のうちに起こる事なので大休憩は取れない」とかジョジョ五部レベルの連戦を強要するとか1レベル相手に6レベル術者(と護衛のスケルトン)を戦わせて3レベルマジック・ミサイルで一人ずつ撃ち殺すとか、そんなトンチキな展開を執筆するライターとそれを通すチェックは猛省しろと言いたい。……ただ、5人パーティだとアロサウルスの雛が2体に増えるのはどうだろう。これを採用するなら、なんとかする手立てについて、甘めに情報を渡してあげた方がいいと思う。
 短編を終えた後のアドベンチャーでは、『クリスタル・シャードの影』と『殺戮のバルダーズ・ゲート』が紹介されている。考えてみたら、これらは当時、5eにも対応しているというのが売り文句だったな……今の今まで忘れていました。ぶっちゃけ内容もかなり忘れているのであるが、個人的にはどっちが良かったかというと『クリスタル・シャードの影』の方があっちこっちを行き来する冒険っぽさがあって楽しかった。バルダーズゲートの方は中間管理職っぽさと経営者同士の足の引っ張り合いに振り回される展開がやや人を選ぶ感じ。D&D調のシナリオは日本語版ページでEncountersのシナリオがごっちゃり無料公開されているので、それらをコンバートするのもいいだろう。コンバートに関する指針では、“「単に+がつくだけのアイテム」は無視するといい。ストーリーに絡む主要アイテムだけを渡すのが、第5版流だ”という言葉を覚えておきたい。
 なお、桂令夫さんと言えばウィットとアイロニーに富んだ軽妙な文体が特徴であるが、流石に文章量が限られており、はじめてさん向けということもあって控え目。その辺はコラム『古参冒険者のための小咄』に期待しよう(『恐怖の島』に関するエピソードでいきなり笑わせてくれる)。
 要望を付け加えるなら、サンプルキャラクターを用意してもらえるとなおよかったですな。5eは3eの頃のようなクラス特徴による差別化を図っているので、PCに何ができるかをひとつひとつ説明していかないといけなくて、スッキリした見た目ながら把握に時間がかかる(4eだとパワーという書式ひとつで説明できるのでここんとこはラク)。PCの戦闘中の挙動を包括したサンプルキャラクターがあれば、なお万全だったと思うのですが。特にウィザードはスリープマジック・ミサイルの使い道が戦闘の趨勢を分ける呪文の持ち主、ここに気付けると一気に楽しくなる。一回の戦闘でそこに行き着くためのヒント(スリープは多数をまとめて眠らせることもできるが、単体に使っても効果大、とか)も含めたサンプルキャラクターを望みたいけど、そこまでは贅沢を言い過ぎっちゅうもんでしょうか。
 それと、現状でも5e日本語版に対するHJ社の働きかけは続けているという嬉しい話もある。日本の5e熱が伝わるよう、この短編を楽しんでもらえたならガンガン続きを遊んでほしいし、出来る事ならコアルールブックも買ってほしい。全編英語が辛いというなら、PHBのみでも良し。特技が解禁されるから。なんせベーシック・ルールだけだと誰も人間を選びそうにないって恐れがあるからよお。
 さあ皆さん、2017年のスタートダッシュもしくは2016年の締めくくりは5eの布教活動が幸運を呼びますよ! 実行すればね、むこう一年間ラッキースケベに欠くことがないってノレーボ様(byグレイホーク・ワールドガイド)も言ってました!

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