D&D5e余話#163~言語を考える~
だってそうじゃないですか。たとえその内容がトレビアン下着の色は何ザマスかでもぼけっ死にさらせーっでも、お国言葉もとい種族言語じゃなく、取りあえず相手に伝わるであろう言語で話しかけてくれるとゆう気遣い、これが紳士でなくてなんですか。闇の帝王ヴォルフガング=クラウザーさんも確か対戦相手に通じないと困るんでドイツ語は限られた時しか使わないという設定もあったし、心の広い人物というのは敵対者であっても気配りができるものなのです。
5e(いや4eからかな)だと共通語を喋ることができる種族が多くて
と感心する機会が増えた気がします。どうでもいいんだけど、筆者が時々発する「おお、紳士だ」というリアクションはこの画像が元ネタ。なんたってゴブリンやコボルドはもちろん、オーガでさえ共通語をしゃべくるんだからファイア・ジェナシもビックリだ。あからさまに学習する気もなさそうなフンガー系の中でも特にあたま悪そうな連中なのに。……というか、巨人の中で共通語を喋るのは、クラウド・ジャイアントとストーム・ジャイアントしかいない。あれ? ……まあ、これは人間社会との接点の多少という問題か。ちなみにエティンはオーク語(他種族をパシリにするからか)、フォーモリアンは地下共通語と巨人語以外を使える珍しい巨人。
逆に言うと共通語を喋らん種族というのは、いかに人間社会と接点がないか、あるいは「敵性言語なんぞ使っていられるか! この非国民がッ!」という根性曲がりども、ということだろうか。ホブゴブリンやオークはともかく、流石にノールやサフアグンぐらいもう人間じゃないゾーンに入っちゃうと人間とワカり合える余地がないようだ(彼らの種族言語のみ)。完全カエル人なブリーワグもちょっと。このツラで親しげに共通語で「お前牛丼チェーン店でどこが好き? 俺なか卯派」とか話しかけてきたら応対に困ります。とはいえブライトでさえ共通語を理解できるんだから、お前らもうちょっと他文化に寛容になれよ、と言いたくもなりますが。っていうか植物クリーチャーらしく理解するならせめて森語とかにしたらどないやねん。アーラコクラはMMだとアーラコクラ語しか話せないが、PCで使う場合は共通語はおろか巨人語まで使いこなすインターナショナルなので安心だ。
ちなみに独自原語でウケを取るならウォーグがオススメ。「お前たちの中にウォーグ語を話せる者はいるか!」という質問にはPLから「いるわけねーだろ!」とナイスツッコミが返ってくることであろう。まあ普通にゴブリン語喋れやっちゅう話ですわな。イエティ語なんて超狭い範囲でしか使われない言語もあるでよ! モドローンのモドローン語もかなりイカス。
人間もとい地上の人間社会と出会う機会が少ないアンダーダーク住まいなら、地下共通語が話せるならまあ許せる範囲か。逆に言うとアンダーダークで共通語でコンタクトを取ろうとする奴なんざぁ巨人帽被って阪神電車に乗り込んだも同然ということだな。そう考えると地下共通語しか話さないクオトアの使うのが、地下共通語のスタンダードだったりするのだろうか。クオトアが他種族の地下共通語を聞くと「このエセ地下共通語が!」とエセ関西弁聞いて怒る純関西人みたいな反応したりして。レンジャーでディープ・ストーカーなら覚える言語は地下共通語一択やね。なお、比較的インテリ層に入るであろうビホルダー様やマインド・フレイヤーも地下共通語を喋っても共通語は通じない。なんでえ、地下のエラブツも意外と不勉強だなあ。イリシッドはテレパシーがあるとはいえ。
そういえば、いくら住まいがアンダーダークだからといって、日光に弱いぶんざいであんだけ地上で活動してるドラウどもが共通語を話せなくていいんだろうか(エルフ語と地下共通語のみ)。なんとドラウの女帝になってもこの言語的不自由は直ってない。よく公式シナリオでゴブリンやオークの背後で暗躍する黒幕を気取ってる割には脇が甘い奴らだな。故に普通ドラウと遭遇して「くたばれこのガングロ野郎」とか共通語で罵ろうにも何言ってんだコイツという顔をされるだけだ。PCで使った場合は流石に共通語も解するようになるが、あろうことかお里言葉である地下共通語を忘れるので、アンダーダークの案内役なんてまるで務まらなくなる。エェ━(・3・)━! それ一番忘れちゃいけないことのような……。
PCの取得する言語とゆうのはちょっとした悩みどころであるが、汎用性という観点からならオススメはドワーフ語。言葉は通じなくとも、文字でドワーフ語を使っている種族というのはかなり多いのだ(オーク語、ノーム語、巨人語、ゴブリン語の文字はドワーフ語)。また異文化圏で活動する場合は、上記のようにヘンな独自言語以外喋る気がない奴もいることだし、取りあえずコンプリヘンド・ランゲージズを儀式発動しておくのが吉。
実際言語が通じないというのは、PCにとってもつらいがマスターにとってもつらいものである。かっこよく登場して前向上を述べたワームリング・ドラゴンが竜語しか話せないせいで、眼前にいたPCには「なんかガアガア喚いてるなあ」ぐらいにしか通じず、しかも第一発見者のそのPCが月の結社のドルイド(変身中)で、慌てて仲間に警告を発しようにも「クマの声でゴウゴウ吼えられてもわからねえんだよなあ」と首を傾げられるというシュールな光景が繰り広げられたことがある。