D&D5e余話#152~攻撃回数そんなに増やしてなんとする~

 もうそろそろモンクを選んでもあんまりいいことがなさそう(4eは除いていい。多分)と薄々気づいてよさそうなもんだけど、それでも選ぶ人が尽きない理由はお手軽に手数を増やせるからじゃなかろうか。確かに3eの頃は七面倒くさい《二刀流》取得までの流れをすっ飛ばして追加の攻撃回数、それも逆手のダメージ半減抜きと言うのは己の肉体のみで戦うというロマーンも合わせて惹かれる人が多くても無理はない。まあ実際には己の肉体どころか武器はおろかマジックアイテムによる防護も駆使してかつルールの熟知と繊細なビルドが必須と言う手数とロマーンを数段上回る工夫を要求されるのだが。PFではUnchainedでだいぶ工夫の必要が減じた。いがった。
 で、これはもう何度も書いたことだが5eのモンクもまた両手で武器を持ちつつ素手の追加攻撃を叩き込むとか工夫が必要な上に、他のクラスでも似たような事が割と簡単にできるというそりゃーないぜフヂコ的な扱いを受けている。3レベル以降の道やDMに泣きついて望みのマジック・アイテムが出れば戦力としてはマシになるが、どっちかてーと“連打”目当てで選ぶよりは特殊攻撃が本体だと思った方がええだろう。本題はモンクディスりではないのでこの辺にしておく。
 5eはモンクじゃなくても割と簡単に手数を増やせる。二刀流のルールがどえらく簡単になったためだ。しかも技巧特性のおかげで【敏捷力】さえあれば武器を振れるので、ヒョロガリばかりであろうローグ、単純武器しか使えないウィザードやソサでもやろうと思えばいくらでもやりようはある。これまでのD&Dで(言うても3e以降しかやってないが)二刀流をするまでの苦労をさんざ味わってきた年寄りゲーマーからすれば説教の一つもくれてやりたい気もするが、まあやりたいことを楽にできるようになったのはイイことではある。それよかショートジャブを重ねてダメージを積むより一発ドーンと叩き込む方を好む筆者としては、両手武器の評価がダダ下がりしたことの方が悲しくてなあ。みんな火力に注目して二刀流にばっかり目が行きよってからに。ま、両手武器は単発の威力の安定と「攻撃する時以外は片手で持って良い」という小回りが5eの利点ではありますがな。実は豪快に見えて一番小細工が利く戦い方だったりする(二刀流はもちろん、片手武器+シールドもシールドを用意するのに1アクション必要なせいで割と制限多い)。でも大業物スタイルは選ばん。あんなもん選ぶぐらいなら防御スタイルの方が数段マシ。
 ついでに言うと、ブレスヘックスなど、5eで細かい修正値を厭いダイスを追加するという豪快な裁定が、手数を増やすスタイルの追い風にもなっているんだろう。攻撃ロールに+1d4、こんな効果が攻撃毎に適用されるとゆうのならそれはもう二刀流でもなんでも手数を増やして殴りまくるしかありませんよウェッヘッヘッヘ、おっとすいません下劣な笑みがついグッヘッヘ。
 ただ、攻撃回数を増やす効果は二刀流や“連打”も含めて大抵はボーナス・アクションなので、それ以上増やすのが結構難しい。今のところボーナス・アクションは一回きりという縛りで、その縛りを崩す技はないようだ。故に逆手による攻撃は滅多に増えない。よほど以前の版でグチャグチャアクションを増やして行うコンボに辟易としたんだろう。大変いいこととオレは思う(が、そのうちボーナス・アクションを増やすマジック・アイテムとか出るんだろうな、絶対出るね! とも思っている)。追加攻撃にしても一度のみで、手数をウリにするイメージのモンクも、意外なことに怒涛の連打によるボーナス・アクションを消費しなければ2回+1回(“連打”ぶん)どまり、と他の二刀流戦士と変わらなかったりする。
 そんな中で最終的に最も多くの手数を振るうようになるのがファイターだ。3回もの追加攻撃を得た上で、なお“怒涛のアクション”という大技が待っている。“怒涛のアクション”で増えるのはアクションと言うのがミソで、当然フルの攻撃回数で再度殴りかかることができる(増えるのはアクションだから、二刀流による逆手の攻撃は増えない)。筆者は幸いと言うか不幸と言うかまだこのファイターのMAXは見たことがないのだが、きっと眼前にした人は
1441163928196.jpg
 と嘆息することであろう。
 戦士なんて肉の壁でしょとかぬかす魔法至上主義者からの蔑視を耐え抜き幾星霜、5eやPFにて神に選ばれた戦士でもなく蛮性の狂戦士でもなく、武骨で鈍重なファイターが粛々と振るう剣が最大の脅威になるとかいやあ考えただけでザマミロ&スカッとサワヤカの笑いが出て仕方ありませんね。あ、本題じゃないんでこれもこのへんにしとこう。
 こげな攻撃回数を目にすると思わずヘックスなどを挟んでウッシッシ(故・大橋巨泉)したくなるが、ファイターの追加攻撃の最後は20レベルにて贈与されるプレゼント(最高のプレゼントだね)なんで、一度でもマルチクラスを試みると露と消えるというのが難しい。追加攻撃の全てにダメージ・ダイスの追加が乗るのがいいか、攻撃回数の増加がいいか、判断は人それぞれだろう。筆者は精神集中が途切れることを考えると追加攻撃の方を取る。ファイターは【耐久力】セーヴに習熟するので確かに相性はいいのだが。
 ファイターで二刀流する場合は《二刀の駆使者/Dual Wielder》まで重ねてつい火力特化したくなるが、1レベルからこれを選ぶかと言うと筆者は全面的には同意し難い。脅威度が低いうちからACが高めの敵は数多く、身内のサポートや自身の能力が頼りない低レベルだと、せっかく増やした攻撃回数も防御に阻まれて失敗しまくるという恐れがあるため。なんせゴブリンでさえAC15、能力値16でさえ命中するには出目10が必要ですけん。取りあえず盾を持たせたモンスター・データのデザイナーは小指をゲイレブ・ドーアに踏まれればいいのに。また盾を持ってないのにゴブリン並みのACで魔法を使ってくるドラウとか耐性だらけでAC17のフライング・ソードとかそれを上回る脅威度詐欺のクソモンスターは低レベルの間事欠かない(付記。こいつら両方ともゴブリンと脅威度同じ)。こういうデータをゴリ押したデザイナーと嬉々として公式シナリオで濫用するライターはゼラチナス・キューブの角に頭ぶつけてくたばっちまえばいいのに。また話がズレてきたな。なので、例え二刀流スタイルでも《重装鎧の熟達者/Heavy Armor Master》は1レベルで選んだ方がいいんでは、というのが持論。
 ファイターの4回攻撃+1回の逆手攻撃に“怒涛のアクション”という核弾頭には負けるがモンクも5レベルという早さで追加攻撃と怒涛の連打で4回攻撃を行える。モンク=手数というイメーヂの矜持を守った。そのまんま怒涛の連打に特典を与える空手道もいいが、炎蛇の牙でアウトレンジから滅多打ちにする四象拳士もE感じだ。前者はノーコスト、後者はアクションの一環として行えるところが利点。二刀流のルールを勘違いしていて書かなかったが、《二刀の駆使者/Dual Wielder》抜きでd8ダメージを振るいつつ追加攻撃ができるのもモンクならでは(二刀流は《二刀の駆使者/Dual Wielder》がないと両手とも軽い武器でないとダメ。モンクは両手で武器を握りつつ素手打撃ができる)。
 1アクションの攻撃回数ではダークホースにビーストマスター・レンジャーがいる。11レベルまで耐えて“獣の怒り”が解禁されると本体の攻撃に加えて、二回の獣の攻撃が襲い掛かる。消費される追加攻撃は二刀流で補えるので、本体の攻撃&逆手+獣の2回攻撃、ノーコストで堂々ファイターや怒涛の連打モンクと張り合える。さらに呪文共有まで届けば全ての攻撃にハンターズ・マークが適用でき、総火力は凄まじいものとなる。ただ、レンジャーは【耐久力】セーヴに習熟していない上に、動物の相棒が物凄く打たれ弱い。《戦闘発動/War Caster》《騎乗戦闘/Mounted Combat》のような防護策は必須となるだろう。
 ビーストマスターほどではないけど、ハンターの道を選んだレンジャーも面の攻撃を得意とするだけあって、擬似的に攻撃回数が増えたようなもの。密集している所に敵軍一掃大旋風を撃ち込めば前述のクラスに恥じない攻撃回数を発揮できる。ちなみにどっちもボーナス・アクションとは関係ないので二刀流による攻撃も可能。また全部を使うと、大旋風で全員を攻撃している最中に、敵軍一掃でもう一体に攻撃しつつ、ボーナス・アクションで攻撃……というややこしい動きが可能になる(はず)。
 パラディンも攻撃回数増加と相性の良いスマイトシリーズがあるのだが、例によって例の如く【耐久力】セーヴに習熟していないため精神集中がニガテという致命的な弱点を思うと、敵のダメージ相性などがなければパラディン究極神拳にスロットを回した方が無難ではないかと思われる。そのためにわざわざ《戦闘発動/War Caster》を取るよりは、《重装鎧の熟達者/Heavy Armor Master》を優先した方がよろしいかと。一応、スマイト呪文は二刀流している場合、両方の武器に適用できる
 バーバリアンも激怒の追加ダメージがあるので、割と二刀流との相性は良いと言える。例え二刀流スタイルを噛ませていなくても、逆手のダメージに追加があるのは魅力。ダメージ抵抗のおかげで不安のあるACをあまり気にしなくてよいのも助かる。バーサーカーを選んだ場合は、“狂乱”で二刀流を使わずとも追加攻撃を得られる。ボーナス・アクションで二刀流とカブってしまうため、“狂乱”中は武器を両手で持つこと。“狂乱”用に両手武器を用意しておくとなおよいヘックスハンターズ・マークなどの呪文による強化は激怒前に使用しておけば持続するが、精神集中が切れてしまうと激怒を中断しない限り再使用できないので、ババリソと呪文の組み合わせは現実的とは言い難い。まあ、ババリソ以外でも有用性は筆者は疑問視しているのだけど。
 戦の領域のクレリックは回数限定ながらボーナス・アクションで攻撃する能力を得られる。1レベルから使える上に、戦の領域を選べば軍用武器と重装鎧の習熟までついてくるので、攻撃回数増加目当てのマルチクラスでもおいしい。最初に【耐久力】セーヴに習熟するクラスを選んでおき、マルチクラスで戦の領域クレリックを選ぶと自前でブレス発動でき、並のクレリック以上に精神集中が途切れづらいという珍妙な光景を目にすることになる。もっとも、クレ公の仕事は他の攻撃回数の多い人をサポートするブレスを撃つことというのは言うまでもない。あと、二刀流とか戦の領域とか練らなくてもくそ呪文中のくそ呪文、セイクリッド・ウェポンがあるからクレ公は2レベル呪文が解禁した時点で手数が増えるよ。公式シナリオに出てくる敵クレリックは必ず使ってくると思うと良いよ
 前衛クラス以外は追加攻撃が無いので二刀流以外で攻撃回数を増やすのが難しいが、ウォーロックはエルドリッチ・ブラストの本数が増えて最終的に3回攻撃できるとか舐めくさったことが書いてあるんでまあ好きなだけヘックスして連射すりゃいいんじゃないすかね。ペッ! 手数の増加と呪文の併用を考えた時、マルチ・クラスでは1レベルからヘックスを使えるウォーロックが最適だろう。ただ、近接攻撃がメインなら【耐久力】セーヴに習熟するクラスを1レベル目では選択しておきたい。ウォーロックをマルチクラスした場合の利点は激薄だが精神集中の安定には換えられない。
 射撃の場合は投擲PCの項で書いたのでそちらを見てほしいが、言及した通り射出武器を選ぶと両手が埋まってしまう、投擲するとうまみが薄いと近接攻撃と比べてちょっと手間が多い。一番手っ取り早いのが《クロスボウの練達者/Crossbow Expert》であるが、特技一枠を埋める上に金もかかるので結構大変だ。
 秘術呪文使いはこの手の話題とは縁が無さそうだが、D&D伝統の狂呪文ヘイストの存在を忘れてはなるめぇ。アクションが一回増えるとかトンでもないことが書いてあるため、20レベルに至ったファイターに使用すると大変なことに……ならない。何故かとゆうとこの追加のアクションでは1回の武器攻撃しかできないため。チェ。まー追加の武器攻撃を得られるだけでも御の字であるが、呪文が解けてしまうと次のラウンドは対象がなんにもできなくなるため、死んでも発動者は精神集中を切らさないこと。
 ところで、二刀流の条件は「攻撃アクションを行った際、片手に軽量級近接武器を持っている」ことなので、別に「近接or遠隔武器攻撃」とは限らない。即ち、攻撃ロールを伴う呪文を発動したのち、ボーナス・アクションで軽量近接武器で攻撃も可能、ということになる(「攻撃判定をしたら、それは攻撃だ」という一文もある)。相当限られた状況のみの使用となるだろうが、ファイア・ボルトを撃った後にダガーを投げたりするとビックリされるかもしれない。ブレードシンガーみたいなクラスならショッキング・グラスプからの逆手攻撃で実用性ある……かも。あと、DMによってはでけんと言われるかもしれんので、一応確認は取っておくべきでしょう。
※追記。結論から言うとできません。二刀流の条件は軽い近接武器で攻撃し、かつもう片方の手に別の軽い近接武器を持っている場合なので。文章を読み違えていました。ゴメソ。

スポンサーサイト

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

コメントの投稿

非公開コメント

二刀流の条件が間違っています。ベーシックルールp76を確認してみてください。
ブログの文章はPHB抄訳版の誤訳かと思われます。

No title

原文のルールを読み違えておりました。ベーシック・ルールの方だとスッキリ理解できますな。訂正しておきました。
てか、キャンペーン中勘違いしてる人をずっと見過ごしていたことになるんだけど知らない間に《二刀の駆使者/Dual Wielder》を取得していたとかそういうことにしとこう。
プロフィール

銀河アズマ

Author:銀河アズマ
頑張りましょうと言えないのがとても残念です

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
タグ

D&D Pathfinder PC作成 5e 4e Encounters 初期PC TRPG クトゥルー クトゥルフ神話TRPG キャンペーン 六門世界 東方ドミニオン ARG レポート 3e 読んだ本 ボードゲーム 迷宮キングダム 小説 サプリメント SW2.0 APG ACG MM カードゲーム ザ・ペナルティメイト・トゥルース モンスター・コレクション メタリックガーディアン N◎VA パラサイトブラッド 音楽 エッセンシャル 大槻ケンヂ UC 筋肉少女帯  ブレイド・オブ・アルカナ MTG 一発ネタ 風神録 漫画 Season8 PU SF キン肉マン UE ジョジョの奇妙な冒険 覚醒篇 中堅PC バカゲー GM 野望のルーツ ウォーハンマー Princes_of_the_Apocalypes Season6 Season4 永夜抄 Season7 アニメ リプレイ サタスペ 東方領土研究会 クトゥルフ2010 パズル EXTRA 紅魔郷 DMG ゲーム Bestiary UM PHB クトゥルフ2015 伊藤勢 Season11 椎名誠 妖々夢 天羅万象 R&R 死の国サーイ 真・女神転生 NEXT スパロボ ガンダム 地霊殿 PSYCO-GUNDAM スティール・ボール・ラン 機動戦士Zガンダム シナリオ Season3 ファンタズム・アドベンチャー Season9 Season5 MC 世紀末古代災厄公社伝説 シオドア=スタージョン Forge 奇想コレクション バキ Season12 フィリップ・K・ディック 荒野に獣慟哭す 空中庭園エリュシオン UA コードウェル城奇譚 好きなTRPG レッド・ノベンバーを救え! ナイトウィザード シャドーオーバーミスタラ タイム・オブ・ティアーズ・アゲン キャッスル・レイヴンロフト 番長学園!! フンタ 電車 レジェンド・オブ・ドリッズト 特撮(バンド) CRB 五つの風 UCa リボルミニ パンデミック サタスぺ ジョジョリオン Expeditions 特撮 プロモカード Volo's_Guide_to_Monsters 映画 ダンジョン・コマンド Temple_of_Elemental_Evil 快傑ズバット ACG 機甲猟兵メロウリンク FEAR アリアンロッド メガテン シャドウラン 異色作家短篇集 手塚治虫 ダークブレイズ 装甲騎兵ボトムズ d20モダン 雑記 東映特撮YouubeOfficial 即大休憩 真夜中の探偵 レイトショウ T&T 三国志 アルフレッド=ベスター ラス・オヴ・アシャーダロン ラクラク大統領になる方法 ゲーマーズ・フィールド エンゼルギア ジャングルスピード ドラスレ Pit 東方領土研究会会報 Out_of_the_Abyss 異色作家短編集 セブン=フォートレス MM2 VGtM モンスター画家 ウルトラマン 当方領土研究会 三上寛 クソコラ 鉄腕アトム ラフカディオ・ハーンと四つの顔 パラノイア 魔獣使いの少女 ガントレット・オブ・フールズ コズミック・エンカウンター 革命万歳 アーカム・ホラー 絶体絶命 キテレツカップリングパーティ 刺青の男 レイ=ブラッドベリ キャット&チョコレート ログ・ホライズンTRPG そっとおやすみ バイブルハンター ミストグレイヴ 島本和彦 火の鳥 スティーヴン=キング クトゥルー神話 ストーンオーシャン ポケットの中の戦争 イベント 都筑道夫 幻想少女大戦 カットスロート・プラネット フレドリック=ブラウン 

リンク
FC2カウンター
D&D5e
Pathfinder
クトゥルー
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード