D&D5e余話#138~これから5eを始めるみんなに言うに言えないことだらけ~

 かなり淋しい話になるが俺の本音も聞いとくれ。
 前回クトゥルフはじめてさん向けの記事を書いたんで、この始業シーズンに乗って今度は5eを筆頭にD&D、Pathfinderを始めたい人向け。PFはじめてさん記事はその昔やったが、D&Dは確か初めてのはず。5eもコアルール三冊揃って既に一年、噂を聞きつけて遊びたいとハッする(ハッスルする、略してハッする)若人も各所で生まれていることだろう。原文だけど。ただ、今更も今更だけど筆者のD&D知識や経験はグレイホーク戦争でならして当局に目を付けられ地下に潜ったD&D猛者どもに比べると野営追行者とかそんなレベルなので、したり顔で高説たれるとかちょっと気が憚られる。そこで今回は先人の知恵を借りよう。
 ここに『R・P・G』という季刊誌がある。魔術師らしいじいちゃんがRPG(対戦車ロケット擲弾発射器の方)を握っているというイカスアイコンが目印の『R・P・G』、残念ながら4号で休刊してしまったがサポートしているシステムや解析記事などは相当に濃い紙面だった。創刊号で佐野史郎氏にクトゥルフの呼び声TRPG(氏が遊んでいた頃はホビージャパン版だったのね)を遊んでいたという噂の真偽を確かめるとか、古谷徹氏、同姓同名の別人じゃないぞ、あのアムロだぞ、に『おこんないでね』掲載のガンダムRPGでシャアを演じた経緯を思い返してもらうとかインタビュー記事は狂気の沙汰としか思えん。また第3号には伝説の、そして地球が滅亡するまで伝説のままで終わりそうなTRPG『カットスロート・プラネット』のリプレイが掲載されている。カッスロの存在を知らしめる数少ない物証であるが、判定に使うダイスが一切書いてない辺りに封印された理由がうかがえるかもしれない。
※ダメージに使うダイスとしてd10が言及されている。また「9以下で成功」という発言があるから下方修正なのは間違いなさそう。どうせ信じてもらえないと思うが筆者がイベントでプレイした時は1d20判定だった。それが後日のプレゼント企画のハガキに掲載された文面だと2d10になっていて目が丸くなった。
 閑話休題。
 『R・P・G』は元からD&Dのサポートを行っており、商品紹介や田中としひさ氏の漫画、『ゆるゆるSpeak Easy』の原型とも言うべき吉井徹氏の『痩せゆく男のd20』が読めたりする。そして、第2号では、“d20とD&D”で大々的に特集された。この特集記事内で、“はじめての人に~D&Dなんかこわくない”(こいでたく氏の漫画は『RPGなんてこわくない!』ね)というD&Dはじめてさん向け記事が執筆されている。D&D界の味皇もしくは東方不敗(と筆者は勝手に呼んでいる)たる桂令夫氏の文章だけに、長らくD&Dに抱かれていた誤解を解きつつも軽妙洒脱なユーモアは忘れない、解説としても読み物としても一級の記事。
 前述の通り、『R・P・G』は休刊してしまっており、原文を読みたくば中古ショップを当たるしかない。んが、この出来の良さを埋もれさせてしまうのはもったいないし、版をまたいでもD&D以外の傾聴すべき価値ある内容を含んでいるので、これを元にD&Dはじめてさん向けのアドヴァイスとしていきたい。なお、執筆された当時ナウかった3eが基準となっていることを留意されたし。CD&DやAD&Dについては何とも言えません。ゴメソ。

「ルールが複雑なんじゃないか」
 これに関してはまず「ルールが多いのは確か」と認めている。PHB、DMG、MMと三冊あるのだし。
 ただ、基本は「何をするにも20面体ダイスを振って大きい目を出せば成功する」、この明快さは4eや5e、PFになっても変わらない。というかD&D系列はダイス目が大きくて悪いことは基本的に無い(ランダムエンカウントとかワイルド・マジック表とかは知らん)。とにかくダイスを振って大きい出目ならいいことがあったんだな、と思えばOKだ。
 それと、DMGとMMはマスター用のルール。プレイヤーにとっては、自分のキャラクターに関するルール(PHB)を押さえておけばいい。一つのクラスに必要なルールだけを覚えるだけなら、そんなに難しい事ではない。5eはクラス特徴が非常にスッキリしたので、まず自分のできることをしっかり把握すれば、プレイ中迷うことはそうないはずだ。極端な話、自分のクラス特徴と戦闘システムだけを覚えていても大概は何とかなる。こう書くと「やっぱり戦闘だけしかやることがないシステムかよ」とかクサす輩が出てきそうだけど、ルール回りが戦闘に集中してるのと、戦闘外は先述した「d20を振って大きい目を出せばいい」で済む事が多いんである
特にローグはハタからは大変そうに見えるのですが実はやることがきまっていて楽だったりします
 というコメントは実際その通り。「宣言が無かったんで見落としました」とか20世紀も90年代なクソマスターでもない限り、ローグ的な仕事はルーティンワーク化で済ませることができる(まず部屋の中を〈知覚〉&〈調査〉からローグの仕事は始まる)。またローグというと悪漢らしい口八丁を要求されるんじゃないかと警戒するかもしれないが、その手の話術というのはローグに限らず求められるし、はじめて遊ぶ慣れないシステムのシナリオで、キャラクターの能力というよりプレイヤー力を試すようなマスターもいないだろう、多分。
 それに、4e以降は技能のクラス間格差が埋まってきており、ローグ的な仕事だからと言って専任する必要もなければ押し付けられるいわれもない(5eでは盗賊道具に習熟してないと辛いが)。1d20という出目の散りやすい判定方法だけに、他の人も代行する場面が多い事は自覚しておくべし。トーク力に関しても同様。ローグだけど口下手なら、自信のある人について来てもらおう。言うても盗賊ギルドとか、ローグしか入れないような場所もあるのは事実(他のクラスでも同じことが言える)ので、単独でも出来る限りのことはする誠意は示そう。それが本物で方向性も間違っていなければ、マスターだって無碍にはすまいて。

「ダンジョンに潜るしかできないんじゃないか」
 未だにこういう誤解をする人っているんだろうか。赤箱当時ならいざ知らず、日本で出たD&Dプレイ情報、リプレイなんかでダンジョン潜りしかしてない話ってオラ見たことねえぞ。っていうか緑箱の時点で領土経営できるとか時代を先取りし過ぎなシステムだったそうやないですか
 王道としては「ダンジョンに潜ってドラゴンをブッチする」なのが間違いないだろう。タイトルがダンジョンズ&ドラゴンズなんだし。が、DMGを見てもらえばワカる通り、ダンジョン探索というのはD&Dを形成する一要素に過ぎない。野外やシティ・アドベンチャー、他次元界などそれ以外の環境を遊ぶ場合のセッティングもみっちりとサポートされている。中でも村や都市などの共同体のありようについては、3e・4eともに力の入った構成である。現代人視点でなく、ファンタジー世界の住人としての視点を身に着けるのに、大いに役立つのには間違いない。TRPGのみならずファンタジー世界の構築を考える人ならば、参考文献として一読の価値アリだ。

「戦術がわかってないと遊べないんじゃないか」
「ボードを使うタクティカル・コンバットなのでむつかしいんじゃないのか」

 桂氏はD&Dに求められる戦術とは「スパロボやファイアーエムブレムがとける人なら装備してないハズがない程度」と仰っている。FEは未プレイなので何とも言えんが、スパロボに限って言えば、絶対スパロボの方が難しい。ゲロを吐きながらF完をクリアしたオレはそう言える。FならともかくF完だとビルバインを突っ込ませて自動反撃にしてるだけで敵が半壊してる、てなワケにはいかなかったし(攻略サイトとかレベル99とか抜きだった上での話ね)。
 これは私見であるが、ボードを使ったタクティカル・コンバットはプレイヤーの視覚に対するアプローチとしての意味が強く、タクティカルな部分というのはそこまで重視されていないのではないかと思う(兼ミニチュアの販促)。重視されていないというのは言い過ぎかもしれないが、「俺戦術的な事をしてる」とプレイヤーに思わせる効果の方を期待されてるというか。バトルテックやPSYCO-GUNDAMのようなガッチガッチのSLG、1戦闘どころか1ターン、1行動終わるごとにヘトヘトになるような代物と比べれば羽毛のような軽さである(どっちにも良い所悪い所はある)。
 それでもボードで上でミニチュアを動かして展開していくというのは、やはり抽象戦闘と比べて難解と思う人もいるかもしれない。とりあえずこれだけは覚えておいた方がいい、という体験談を上げると、まず一人が集団に取り囲まれるのは避けた方がいい。どの版においてもこれはかなり悪い事態を招く。また、自由に動き回ることのできる敵を作るのもよくない。誰にでも攻撃が及ぶなら、普通は一番脆い所が狙われる。
 これらを総合すると、厚い鎧や高いhpに守られたPCは積極的にできるだけ多くの敵に隣接しに行く。それが無理なら直線上に立つだけでも足止めとしてはかなり有益。そして、ACやhpに自信のないPCは敵との距離を保つこと。また、上記の注意した状況は敵からしても嫌なもの。単独で突出しているようなモンスターがいれば集団で叩きのめしてやれば速やかに戦力差を作れるし、フリーのPCを作ることは前線に加わるのを嫌がる4e風に言えば指揮型・制御型モンスターを刺しに行くことを可能にする。
 3e・4e・PFでは相手を挟み込むと挟撃ボーナスが貰えるため、敵を囲むというのは特に重要。5eでは消滅したものの、2体以上のクリーチャーに囲まれると離脱以外で安全に移動するのはかなり困難となる。一度足を封じてしまえば、それ以前の版以上に動きを制限することができる。加えて、雑魚のダメージが上がった5eでは数の差というのは覆しがたい不利。倒せる敵から集中し、確実に数を減らすという戦法が手堅い。
 なお、4eに限って言うと、防衛役が敵を引き付けることが重要なため、「一人が集団に取り囲まれる」のを是とする場合もあり得る。ただ、それは集中攻撃を受けても生き残れる場合に限られる。それと4eは強制移動が多いので、戦術という面においてはやや難易度が高い。どこに動かしていいかわからなくなってしまったら、先述した「一人が集団に取り囲まれないようにする」「自由に動き回る敵を作らない」「防衛役に隣接する場所に移動させる」「挟撃を取れるようにする」このうちのいずれかを考えて判断するといい。

「PCのオプションが多すぎて使いこなせないんじゃないか」
 多いねえ。
 特にPFは色々凄い。オプション(クラス特徴)の中にさらに選択肢が無数に埋め込まれているのでうじゃらくじゃらとデータが積み上げられることに。5eは相当シンプルになったが、それでも呪文使いは増えていく呪文のレパートリー及び選択でにらめっこすることになるだろう。
 文中でも言及されているように、3eやPFのファイターは特技で飯を食っているようなもんなので、キャラメイク時点で緻密に考えて取った特技を本番で使いこなせないというのはよくワカる。痛いほどよくワカる。ファイターという響きだと初心者向けという刷りこみがTRPGユーザにはなされているが、取りあえずワカりやすい前衛を、という気分で選べるクラスじゃなかったんですよね。嗚呼懐かしい(PFの場合は今でも注意)。
 これについて桂氏は「使いこなせるキャラクターこそが最も強いのだ」ということを理解すべきです、とアドヴァイスしている。いくら強い強いと評判でも機能させられないデータなんぞ取得していても無き物と同じ。それよりは自分の能力をフルに活用できるPCの方が楽しい=自分のやりたい事をできている=これTRPG最強のキャラクター。筆者の持論と全く同じである(えっへん)←先人の言葉を唱えることで自分がエラくなったと勘違いする浅はかな錯覚。
 実践的な話としては、単に数値がベタで上がる特技や戦闘前に仲間を強化する呪文を多目にとったりするのが有益という示唆がなされている。D&Dにおいても固定値は正義。微量でも数字が上がるというのはかけがえのないアドバンテージ。また、呪文に関しては特に3e・PFだと呪文抵抗という厄介な存在のために、攻撃的な呪文が通じなくなる恐れがある。しかも火力においても戦士どもの素殴り連打に負けることもあったり。なので、どうせスロットを切るなら常に期待通りの効果を発揮する強化系呪文を、というのも一つの考え。
 5eにおいて筆者がマジック・ミサイルスリープを推奨するのは、この「スロットを切れば間違いなく効果は発揮してくれる」という点。例えダイス目が悪くてもマジック・ミサイルならダメージは与えられるし、スリープならセーヴ抜きで小物の一体や二体は寝かせてくれる。リソースを使った甲斐があった、という実感はカタルシスとなり、ゲームの楽しさを知る=もっと遊びたくなるというゲームへの愛着となる。D&D教布教者としてはそういう効力も考えておるのです。今考えた。逆に攻撃ロールが必要だったりすると、ミスした場合せっかくリソースを切っても何の効果も無いという落胆、しかも極端に限られたリソースを使ってコレかよという失望に変わる……のは4eの初期で散々味わったからねえ。
 1レベルからシールドマジック・ミサイルは無効、人造やアンデッドだからスリープも効きませーん、なんて言い張るモンスターをぶつけるDMなら多分不満のひとつを言っても卓の総意に反する行為にはならないだろう。
 使いこなすという話といえば、PFババリソの驚異的精度や4eの一日毎パワーのような使い切りの効果は、いつ使っていいか迷うこともあるだろう。これに関しては「使った方がいいかな」と思った時が使い時。そういう思考が頭をよぎる時は、味方が押されている、想定外に敵が強いなど変えるべき状況に陥っているもの。次の大一番まで温存した方がいいかも、という気持ちもよくワカる。が、その変えるべき状況においては次の大一番まで君を生かしておいてくれる保証はどこにもないのだ。抱え落ちほど悔いの残る死に様はないと知るべし!

「プレイヤー人数が足りないと死ぬんじゃないか」
 死にます。正直に書くけど。
 やはりTRPGの鉄則頭数の多さは強さ、公式で推奨されている4人は確保できていないと難易度は厳しいものになる。5eは1レベル時のhpが引き下げられ敵のダメージは底上げされるとなおの事少人数はつらい。ついでに書いておくと、公式シナリオにおけるPC人数が少ない場合のバランス調整ってあんまり鵜呑みにしてはいけない場合が多いような……すいません失言でした。
 まあプレイヤー人数が足りないと死ぬのはD&Dに限ったことじゃなく、殊更懸念することじゃないと思いますが。
 人数が足りない場合……ここでは三人とします……に関してはマスター側で考慮すべき点の方が多くなるが、プレイヤーとしても最低限確保しておきたい人材はhpを回復できる人材。どの版においてもクレリックはどつきあいもできて回復もできるため、選んで間違いないだろう。4eではテンプラことPHBクレリック、5eなら生命の領域がズバ抜けた回復能力を持つ。しかも後者は重装鎧に習熟するため《重装鎧の練達者》が取れる。また前衛が一人というのはかなり死ぬるので出来ればもう一人前に立てる人が欲しいけど、困ったことにD&Dはローグにしか解除できない罠とか呪文でないと発見できない物品とかもちょくちょく見受けられる。純粋な戦闘系クラスよりは、技能職や呪文を兼ねることができた方が、パーティ全体への生存率の向上には寄与できるだろう。
 レベルが上がればクラス特徴やマルチクラスでこの辺は何とかできないでもないが、1レベルの場合はどうしようもない(ハイブリッドとか手は無きにしも非ずだが初心者にはオススメできない)。PF・5eにおいてはバードが技能職と呪文をカヴァーでき、かつ回復も少々は可能というマルチタレントぶり。5eならば背景で盗賊道具を習熟できるものを選択できるとなお良い。またレンジャーは技能がそこそこ豊富で鎧も厚め。ただ5eだと3レベルまでがかなり厳しい。いっそ鎧の制限がないバーバリアンなんかもアリかもしれない。
 ローグは技能職としてトップクラスであるし、高い【敏捷力】のおかげで前に立てないでもない。5eでもそれは同じだが、前に立つメリットが殆ど無くなってしまった上に、能力値の天井が低い、クリーチャーのダメージが全体的に上がったなど前衛ローグには逆風ぎみ。前に立つからには、レイピアとショートソードの二刀流で火力で押し切るしかないと思う。二刀流スタイルで押そうとすると2“狡猾なアクション”を使用するヒマがないのも難しい。なお、ローグをマルチクラスすると盗賊道具に習熟しつつ、いきなり“技能練達”で習熟ボーナスを2倍に出来るので安心感が全然違う。急所攻撃もあるし少人数パーティなら取りあえず1レベル仕込んでおく価値はある。
 5eパラディンはレイ・オン・ハンズがあるため、ポスト回復役ぐらいの仕事はしつつ前衛が張れる。ただ間違ってもクレリックの代わりに回復を選任してもらおうなんて思ってはいけないヒーリング・ワードを使えないパラディンにそこまで求めたら過労死してしまう。ただでさえパラディン究極神拳で呪文枠を食うのに。
 秘術に選任してもらう枠を許すなら、やはりウィザードだろう。行使できる人が少ない以上、呪文を覚えるのに制限がないウィザードのメリットは計り知れない。しかも5eなら呪文書に書いてさえあれば儀式発動可能とかズル過ぎ。
 4eは3人の場合でもそれなりに戦える。優先すべきは指揮役・撃破役、残り一枠で防衛役と制御役のいずれを取るかはパーティ次第。個人的には制御役だが。
 プレイヤー人数が足りない場合のパーティ編成は3eのPHBⅡに有益な示唆があるそうですが、残念ながら筆者の手元にないので確認できない。持ってる方は見てみて下さい。
 これは余談ながら、1レベル時のhpが1点というCD&Dのイメージから「D&Dはすぐ死ぬゲーム」という誤解している人が多い。正確には、死亡までの猶予が版を上げるごとに緩やかになっているので、そう簡単に死ぬもんではない。正しくはすぐ死ぬんじゃなく「すぐ気絶するゲーム」だ。そして死ぬ場合はすぐ死ぬより回復リソースを使い切ってジリ貧になってじわじわと死んでいく方が多い。

「ルールブックが高いんじゃないか」
「5eって英語がわからないと遊べないんじゃないか」

 これは記事中にはないけど補足事項として。
 ルールブックが高い、というのは3eや4eの頃サンザ言われた文句である。実際翻訳やらフルカラーやらで6000~7000円という弩級の高額商品だったんでこれはまっとうな消費者の声と言える……が、同じぐらいのクトゥルフだと喜んでホイホイ買ってるのになぁ(ブツブツ)。やっぱ三冊ないと遊べないから?
 が、幸か不幸か5eは原書のみなので、翻訳料という上積み抜きの価格で遊べる。おかげで当ブログの脇にリンクが張られているアマザン(露骨な宣伝)を見ればわかる通り、5000~6000円という本国価格で……あんまり変わってねえな。なんかえらく原書も値上がりしてる気がするがハズブロの方針とか色々あるのかもしれん。
 原書でしかも遊ぶのにDMはこの値段を三冊というのは3eや4e以上に、清水の舞台とまでは言わないが増水してない妙正寺川(ローカルな比喩)に飛び降りるぐらいの覚悟は必要だろう。とりあえず遊びたいという人は、いきなり三冊買うより安価で手に入るDungeons and Dragons: Starter Setと無料公開かつ翻訳もされているベーシック・ルールを組み合わせるといい。

 て、このリンクだともう中古品しかないぢゃん。新品が欲しい場合は頑張って取り寄せるか、もしくは書泉グランデをあたってみると多少値は上がっているが現物をすぐに手にれられる可能性はある。あと、Starter Setのボスであるバグベアは正面切って戦うと1レベルPCは高確率で一発気絶するため、良識あるDMならダメージがd8増える特徴は見なかったことにするのが吉かと(ネタバレ防止のため伏せ字)。
 ベーシック・ルールで基本的なルールは翻訳されているので、システムを掴むのならこれでも十分。MMを加えれば遊び方の幅も広がる。が、やはりベーシック・ルールのみではクラスの選択が寂しいし、遭遇の構築はDMG掲載なので、本格的に遊ぶなら三冊は必要。あとヴァリアントを導入しないと人間を選ぶ理由が絶無。
 英語ではあるものの、これらの書はデータ部分だけ抜き出すならば、そこまで難しい事は書いていない。英語がわからないと遊べないのは事実だが、MTGと同じく英語が「まったく」わからない人には遊べない、という程度の意味だ。使われているのは英語ではなくD&D語故、D&D教信者なら必ず通じる。流石にフレーバー部分までくると専門の翻訳家でないと解読できなくなるけど、その辺は3eなど以前の版から抜き出して使用するという手もある。DMGは最低限81~83Pの遭遇の構築の項だけは訳しておくべし

「マニヤとか古株とかが多くて『そんなものは正しいD&Dじゃない、おれが明日ほんとうのD&Dを見せてやる』とか言われそうな気がする」
 これに関しては記事中最も素晴らしい回答がなされているので、PFはじめてさん記事の繰り返しになりますが以下に引用しておきます。

「これは完全に誤解とは言いきれません。そういう人もいるかもしれない。しかしそういう人は何にだっているのです、たとえ昨日発売されたゲームにだって。そしてもし世の中に「正しいゲーム」というものがあるとしたら、セッションに参加している全員が楽しめたゲームこそが正しいゲームなのです。ですから万一そのようなことを言われた場合、あなたは勇気をもって言うべきです「黙れ」と」

  
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