TRPGこぼれ話#275~昔のゲーム・ここが凄いぞ昔は編~

 前回はネガな話寄りになってしまい「大変だったよ話」と小学生レベルのサブタイを付けたが、それだけで終わってしまうとちょっとイメージ悪いので、併せて昔のゲームならではの持ち味の話も。
 整理された今のゲームでは体験できない、昔のゲーム独特の風味……それは何かと問うならば、「変」であることに行き着いた。ハタから見ると明らかにおかしいんだけどそう記載されてないんだから仕方ない、と納得するしかないような珍要素。これだよ。
 魅力と言っていいのか疑わしいところだけれど、ユーザビリティという点では時間をかけてきた最新のシステムに劣るんだから仕方がない。むしろTRPGという遊びが発展途上であったらこそ、
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 てなやみくもな情熱がスパークして生まれた荒削りさを味わえずして、なんで過去の遺物を掘り起こそうかとオレは思う。さもなくばなしてそんなメンド臭いことを。道もない荒れた原野にレールを作るのは苦しいことさってZZガンダムでも言ってたし。
 だって常識的に考えて前世に覚醒した瞬間グローブとボクサーパンツが降ってくるシステムとかおかしいだろ! どうしたらこんな発想が出てくるんだよ! デザイナーは絶対変なクスリとか脱法ハーブとかヤッてたに違いない。メガテンだし。っていうかこの「前世に覚醒したら○○が降ってきた」流しで絶対に笑いが取れる上に、システムの説明になっちゃうところが恐ろしい。この一言でハートを掴まれないTRPGユーザがいようか、いやいまい(反語)。技能や相性ごとの格差が酷いとか難のあるシステムなのはさておいて、「覚醒」というシステムの根幹たる一点でプレイヤーをグワッと引き付けて離さないシステムの魅力を持たせた、というのはこれぞアイデアの勝利。……実は前世の覚醒ってそこまでメガテンでクローズアップされてない(気がする)のに、ここまで重要なシステムに仕立てちゃったというくそ度胸もなかなかのモンである。原理主義者がうるさい今ならどんな評価になったもんだろう。
 D&Dはオリジンだけあって今見ると色々おかしい。よくツッこまれる開始時点はhp1点問題。これで何故冒険者になったのか、という疑問には「冒険者になるしかなかった」という簡潔な回答で済むのだが、そもそもCD&Dのキャラクターは農家の三男坊が鎧を着てるレベルという事実をまず認識すべきだろう。コモナーだと【耐久力】ボーナスなんてまずなかろうし、そこいらの一般人ならhpが1点は当たり前。迷キンの【小鬼】のように常に死にかけているのではない、戦闘において1hpを失うというのは、それだけ致命傷なんだ強引に理解するんだッ! 実際D&Dって攻撃がヒットしなかった時は鎧に弾かれたか、ダメージを与えるほどでもなかったという解釈のようだし。指を切ったとかかすり傷程度はダメージにすらならんのだろう。外見の負傷ってやつな(by番長学園!!)。こういうシステムで生き残っていく喜びというのは、なかなか最近のシステムでは味わえないでしょう……無理して味わいたくもないけれど……5eで2レベルまで生き残ることだって相当嬉しいのに。
 っていうかセーヴィング・スローのくそ高い難易度を見るに、この死にやすさはデザイナーも意図してたんじゃないかなぁ。普通成功しないDCばっかりですやん。
 今となってはこのゲームでしか味わえない、という持ち味があるタイトルは強い。ファンタズム・アドベンチャーなんかは思いっ切りソレ。基本システムからして相当に変なシステムであるのだが、あのズラーッッと並んだ種族のイソパクトの前には霞がちである。メガテン覚醒篇の覚醒システム同様にトレントやマンティコアをプレイヤーで遊べるシステムと聞いて圧倒されぬユーザはいまい、おおさ圧倒されたともよ。しかも未だに最新版が遊べるというんだから恐ろしい。真面目にこういう変なゲームを作ろうという気概が今の国産TRPG市場にあるか? と聞かれたら、残念ながら筆者は首を振らざるを得ない。TRPGがいちコンテンツとして勢力を保っている洋ゲーの市場規模ならではのオンリーワンタイトルです……あれ、でもファンタズム・アドベンチャーってトロイ=クリステンセン先生以外のスタッフの大半が日本人の国産洋ゲーだったような……(クレジットを見ながら)。
 種族数のインパクトにゃあ負けるが技能ごとにクリティカル・ファンブル表が存在する、ダメージ・ダイスの決定がいやに大雑把(ダメージ決定に1d20を使うゲームを俺は他に知らない。だってこう数値の分散とかさあ)など、各方面においてもオンリーワンぶりは健在なのであった。そんな中で発動条件を自身でカスタマイズすることができる呪文ルールは今見てもなかなか風情があって読み応えがある。また胴体限定で装甲を付与する呪文と胴体しか命中部位が無いトレントを組み合わせたGMも「何それつええ」とのけぞるほどの強コンボが生まれたみたいな、システムの全てが相互作用を起こした奇跡レベルの逸話もあるそうで侮れない。
 ファンタズム・アドベンチャーと並んでフォロワーがいない、という点ではT&Tが挙げられる。六門世界2Eのメレー攻撃ダメージが突然合計方式になったのはSNEが何としてもT&Tを世に残そうとしたのではないか、という説にはなんとなく頷けるが、やはり直接的フォロワーというには血筋が薄いと思う。あの味方のヒット合計と敵のヒット合計を比べ合い負けた方が差分を頭割りする侠(おとこ)らしいにも程がある、どう想像力を発揮したって脳筋的戦闘シーンにしかならないグワシャバーッとかバムオッシュとかアストロ球団的擬音が似合いそうな戦闘ルールは、確かにT&T以外に盛り込もうとしたら中途半端なパクリにしかならんだろう。知人氏曰く「一度不利になると巻き返しが非常に難しい」「弱い所からどんどん脱落していく」ところにたまらないリアリティを感じるそうだ(マスタリングにサディストのケがある人物の発言とコッソリ付記しておく)。悪意ダメージなどの細かいカスタマイズはありながらも、第7版までT&Tは元気に活動中。ちなみに第6版は存在しない(HT&Tがそうといえばそう)。第5版以後大きく間が開いたせいか、世間に第6版を名乗るものが出回っており、これらは公式には認めないが海賊版と断定することをせず、「読者のみなさんはこれからもハウスルールを作る権利があるのです」とコメントするに留めているとか。いい話だなぁ(しみじみ)。PFの有志による翻訳への許諾とか、こういう懐の広さは見習うべきだよね。
 未だに版を重ねる現役のタイトルなんで“昔のゲーム”というには不適当かもしれないが、ダブルクロスもd10ゴロゴロ振るシステムはあれもフォロワーが出ないだろうなー、そういや。まさかここまであのシステムを貫き通すとは発売当初思わなかったよ。
 逆にフォロワーは無数に生んだけど、ロールプレイ評価システムを搭載した天羅とかって当時は相当ヘンなシステムだっただろう。ソードワールドに触れ始めた程度のTRPGユーザだったあっしにもありゃあレボリューションだったね。体を夏にして過激に最高。事実異端児過ぎて、天羅零で零システムとして構築されるまでには長い長い試行錯誤と紆余曲折があったようだが。ロールプレイの評価権限がGMに一任されていて、評価のタイミングもリミッターもなく常に与えられるともなれば、そうなろう。GMの裁定ひとつで気力の充実が変わるとか空気を読めないプレイヤーがいるだけで破綻するとか、それはもうLOVEサバイバーな様相を繰り広げていただろうサ。そういう経過と成立を知らず未だにロールプレイ強制システムと穿った認識の人がいてゲンナリするまでワンセット(大体そういう人はFEARゲーというだけで低評価なのもワンセット)。
 そんな零システム成立までの苦節があった一方、楽しければ「いんだよ細けぇことは」とばかりに勢いとノリだけで押し切った番長学園!! みたいなシステムが存在するのを見ていると、天羅零誕生までの苦労は一体何だったんだろうかと思わなくもないが(あのシステムもオンリーワンだろうなぁ……)。まあTRPGなんざ所詮は遊びなんだからみんなでグルーヴできるに越したことはないよね。天羅WARではどうなってるのかしら。
 ソードワールドは戦闘の手順が命中判定→回避判定→ダメージ算出→ダメージ減少算出……と今見ると妙に長いのと【知力】逆順に宣言、【敏捷度】順に行動とかヘンなところはある(レーティング表はデザイナーがメックのミサイル命中表を使いたかっただけだろうと納得した)が、おおむね理解できるシステムだった。そんな中極め付け異端だったのがソーサラー呪文ベンドバー。その効果たるや、棒を曲げる。しかもこれが7レベル呪文。コレだけは今もって何を意図して作られた呪文なのかわからない。相手の武器を曲げるためとか使い道はあるんだろうけど、敵を無力化させるための効果だったら他にもっといいもんが低いレベルの呪文でいくらでもありそうな。それにTRPGで武器を使う敵って大抵三流だからな。鉄柵を曲げたりするんだよとドヤ顔してる人もいたが、局所的な使い道で存在意義を主張されてもなぁ。
 ダイスで必殺技コマンドを入力する拳皇伝説はルールブックをチラ見しただけで詳細を知りません。残念。
 ……と、ここまで昔のゲームならではの持ち味は紹介してきたけれど、絶版のせいでやっぱり遊べないタイトルが多かったり。中古品漁らないと基本ルールブックも手に入らないのでは、ナウなヤングの若者に強く薦めるのはためらわれるのでありますよ。もしも興味が湧いたらサークルの先輩にセッションをねだってみると、きっと嬉々としてポン刀取り出す古物商のように、とっときの珍システムで相手をして下さることでしょう。そうやって新旧の知識と体験を共有していけば、TRPGはもっともっと楽しい遊びになるはずさ!

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(一応)今年の夏にdT&T日本語版が発売(予定)しますよ

No title

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噂には聞いておりました、怪人ケン=セント=アンドレいまだ健在! とニヤリとしましたね。
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