We are Pathfinders!#204~Monster Codexがあらわれた! バグベア編~

 多様な突然変異種で心ときめかしちくれたサフアグンの次は、数ある敵対種族の中でえっ何故お前が!? と選出に驚かされたバグベアだ! タッグマッチ編におけるビッグ・ボンバーズとまで言っては可哀想だが、アイドル超人軍にバリアフリーマンが混じってるとかリアルバウト餓狼伝説スペシャルの新キャラがタン・フー・ルー、チン・シンザン、ローレンスみたいなびみょうな場違い感が拭えません。実力と知名度はともかくそんなに取り上げられる程の地位にいたのか君。
 のっけからディスり気味だが紹介されてるアーキタイプはアンティパラディンの“恐怖を撒くもの”といきなりカッコイイぞ! 怠惰で弱い者いじめが大好きで強欲な汚いジャイアンというかいい所が無いジャイアンの分際で不相応にも!
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小学生の発現と思えないが、形容の語彙力も凄い
 凶漢らしく怯え状態、恐れ状態、恐慌状態(この分類の細かさが3e系列だなぁと久々に見て思ったり)に主眼が置かれており、これまたただの暴漢の割には“恐怖喰い”とカッコイイ名前が与えられている。[恐怖]効果へのセーヴに失敗した奴がいると2アンティパラディン・レベル毎に1点のhp回復とかなりイマイチな効果なのはさておいて(しかも回数制限あり。使い切ることはそうないと思うけど)。自発的に発動する手段は、“恐怖呼ぶ無慈悲”でリストに強制的に追加される……ところで、“腐敗の接触”は“恐怖喰い”に置き換わるのだけれど、その場合“腐敗の接触”に状態異常を付与する“無慈悲”はどう扱えばいいんでしょうか。“無慈悲”を使えるようになった段階で“腐敗の接触”解禁(通常より1レベル遅い)と考えるのが妥当か?
 アンティパラディンといっても、パラディンから堕ちて転向するバグベアはそういないだろうな(いてたまるか)
 “恐怖喰い”を活用したい場合は、〈威圧〉で士気をくじくと即殴りつけられる《痛めつけ》がオススメ。すぐに怯え状態は終わってしまうが、hp回復に攻撃が付いてくると考えれば悪くない。この手の能力はPCが使うとクリーチャーのCMDの高さのせいでちと使いづらいが、GM側ならかなり成功の目があるしな(クソGM)。延々《恐怖蓄積》でダメージを半分にしつつ恐怖を継続するというのも嗜虐的でバグベアのキャラクターにバッチリハマっていて良し。
 《奇襲組みつき》は《素手打撃強化》を要求する変わり種ながら、不意を打った相手に組みつきが成功すると、即押さえ込みに移行できる、これまた暴漢らしさ満点の特技。物陰から突然現れて横四方固めとか物凄く痴漢チックな絵柄はこの際気にするな。不意討ちに特化するなら、フリー・アクションで不意を打った相手の士気をくじける《強烈な怒鳴り》もどんぞ。逆に《ラッソ絞首術》はAPGに登場したラッソで絡みつかれた状態の目標を、達成値が高かった場合発声不能にする必殺仕事技。音も無く伸びてきたラッソで声も出せず、仲間に知られることもなく暗がりで殺されるとか、生来の忍び寄り技術を持つバグベアならではの手口で実にカッコイイ
 《よろめき化打撃》は、《渾身の一打》にペナルティを受けることで目標をよろめき状態にするオプションを付与する。腕っ節の強いバグベアらしいが、恐怖状態に陥れた相手の行動を奪い、間合いを取ることを許さない、恐怖にスポットを当てたMCらしい効果。
 《理屈抜きの脅威》を取れば、〈威圧〉ひとつでフェイントも可能……だが、《腕力による威圧》まで要求するのはちょっと重いかなあ。
 バグベアの呪文は、これまたすごく「らしい」。アイソレイトインヴィビリティのように目標を不可視状態にするが、なんと目標の味方にのみ適用されるという珍呪文(ついでに音も消す)。珍呪文であるが、ちょっと考えれば非常に恐ろしいことになると気付くだろう。自分の居場所も声も味方に認知されない、という事態がどれほど危険かは、今更言及するまでもあるまい。物陰に引きずり込むのを得意とするバグベアが使うのなら尚更だ。前述のバグベアの特技と、〈隠密〉へのボーナスを活かしてGM諸氏は思う存分アイソレイってほしい。セーヴに成功しても1ラウンドは続くというのも実にいやらしい
 種族アイテム、エリクサー・オヴ・オプレッションは嗅覚の強化に、怯えの臭いを嗅ぎつける。『荒野に獣慟哭す』の真ちゃんを思い出すな。さらにそうした状態の目標への攻撃ロールと、敵対的な技能判定にボーナス。脅し系のバグベアなら仕事前に一杯やっておきたい。そして逃げた相手の怯えの臭いで追跡するのだ。ホラー・ダストはナイトメアの一部をすり潰した物……夢魔ってすり潰せたのか……で、投げつけると幻覚の雲が生じ、中にいる者に恐ろしい幻覚を見せて怯え状態にする。直接ぶっつけられた相手は、さらに混乱状態に陥れる、これもバグベアの荒事には必携の仕掛けである。ゴブリン類はこの幻覚をキャッキャッと楽しんでしまうので完全耐性を持つ。自分が突っ込んでも大丈夫なように、という配慮であるが、なんというか、PFのゴブリンはほんまにアホやな。
 紹介されているバグベアのサンプルは以下の通り。
 バグベアの獣肉喰らいはババリソのクラスを持つ。バグベアの歯ぎしり男(2レベル、脅威度4)は獣の憤怒による噛みつきが主戦法だが、それ以上に〈威圧〉+17という恐るべき数値こそが真の脅威か。〈隠密〉もブレストプレートを着ながら+11という相当な腕前。しかし歯ぎしり男ってスゴイ二つ名だよな。松本零士的乱杭歯を髣髴とさせる。上位のバグベアの大肉喰らい(5レベル、脅威度8)ではクローク・オヴ・ファングスで強化された噛みつきで襲いかかる。
 バグベアの狩人はレンジャー。バグベアの静殺者(3レベル、脅威度5)の“得意な敵”はもちろん人間です。納得。まずは覇権種族とか調子づいてる人間のPCを《致命的な狙い》で射殺してやるといいだろう。バグベアの奇襲兵(8レベル、脅威度10)は水飲み場や足跡に罠を仕掛ける手口で、まずは罠にハマってない相手をナマス切りにする。当然だ、罠にかかった相手は後でじっくりいたぶり殺すからな!
 【魅力】のこれっぽっちもなさそーなバグベアですが、バグベアの信徒のように、オラクルとして予言者を名乗るイカレポンチもいるらしい。当たり前だけど教団は小さく長続きしないそうですが。騙されるのはゴブリンとかコボルドとか、頭が弱いか無理矢理信じ込まされそうな連中。エターキャップ、ハウラーみたいな妙な生物を連れている場合もある。オラクルとして6レベルも研鑽を積んできたのに、【魅力】14どまりという数値が実にバグベアらしくて泣かせる(脅威度7)。まあ、たまたま名前を知ってるデーモン・ロードに感謝を捧げる程度の信仰じゃそんなもんでしょう。っていうかフルゲック崇めんかいバグベアなら。
 バグベアの急襲者はバグベアの本領、ローグやニンジャなど、不意討ちを得意とするクラスを付与した例。バグベアの要撃手(ローグ7レベル、脅威度8)は高速隠密で近寄りながら、種々のバグベアの特技で襲いかかると思いきや、真の狙いは不意討ち攻撃に適したポジション取りというシブイやり手。バグベアの影討ち士(ニンジャ5レベル、シャドウダンサー4レベル、脅威度10)は翳に潜むだけでなく、シャドウダンサーの能力で影を操る。しかしあのむくつけき面相でニンジャとかシャドウダンサーと名乗られてもしまらんなぁ。
 バグベアの流血魔術師はソーサラーだが、こっちはちゃんと【魅力】17と人並み以上にあるので安心して呪文を使ってほしい(10レベルで17かよとか言ってはいけない。脅威度11)。……しかし何故にソサなのにアイソレイトを使わんかね!? あとインヴィビリティで不可視状態になって襲うならグレーター・インヴィビリティを持とうぜ!
 バグベアの暴君は12レベルのアンティパラディン(脅威度13)。デーモン・ロードの代理人として破壊と殺戮を振りまく、残虐無道の悪漢のリーダーである。その行く手に計画性と言うものは存在せず、ただただ虐げ、痛めつける事だけを好み、退屈を紛らわすためには部下に矛先を向けることもためらわない。バグベアの暴力性のカリカチュアとまで言える、“暴君”という二つ名が相応しい……割に、ディスガイズ・セルフアイソレイトの不意討ちとか、《威圧演舞》と“恐怖喰い”でhpザクザクとか、妙に計算高いのは気にしてはいけない。あとやってることがどうにもせせこましいのも。
 追加モンスターのフライトフル・ホーンターは、バグベアの恐怖と不幸を他者に植え付ける欲求と妄執が生み出したアンデッド・クリーチャー。その残留思念は霊障を作り出す能力を持つ、バグベアのような形を取る霧のような怪物となる。当然のように非実体です。ウギャー 敵をじっくり観察し、恐怖に基づいた形を取る霊障を作るとか、ジョジョ四部のエニグマかお前は。周囲に入ると[恐怖]効果へのセーヴにペナルティを与えるオーラに、自分の攻撃で怯え状態にする自己完結っぷりは4eクリーチャーを連想させるな。
 バグベアの遭遇にこのフライトフル・ホーンターを加えたら絶好なのだが、生憎バグベアだろうとなんだろうとお構いなしに恐怖を食っちゃいそうなので参加せず。残念。バグベアの暴君が加わった中枢の側近を見るに、暴君はソーサラーやオラクル、レンジャーの罠師のような搦め手を好む性格のようだ。講堂に計画性は無くともやり口には計画性を求めるということか。
 バグベアに関する詳細では、彼らが猫背であることが触れられている。ノールが猫背で背丈の割に低く見えることはメジャーな描写だが、バグベアの場合は関節の不規則な湾曲によって起こるそうだ。
 バグベアは単独で行動することを好み、それは弱い相手を連れて歩くことへの生理的な嫌悪感に基づく。誰かを頼るという行為は、例え家族や士族であってもバグベアにとっては不信の対象となる。年老いて力の衰えいてくると、はじめて過去の栄光をタテに集団生活に入ろうとする(もしくは不意の死を恐れながら一人でひっそり生きていく)。集団にとってこのようなバグベアは危険を及ぼす可能性が低く、かつ練達の殺しと忍びの技を伝授してくれる相手として期待されているため、歓迎されることがあるという。他人に技を教えるなんて行為とは縁が遠そうな種族だが、こうしてバグベアの技術は継承されていくのである。
 とは言え、生来の性質からして、バグベアの家族や部族は長続きできない。隣にいるんで襲ってはいけないという単純な理屈も働かない粗暴さは、簡単に組織を崩壊させる。些細な衝突が全面戦争に発展することを止める術がない。バグベアが秩序立った生活を営めるのは、巨人や竜などより強い種族の制圧下にあり、「死ぬより従った方がマシ」という状況で密偵や拷問吏、秘密警察などとして使われている場合。この際、抑圧下にあるバグベアは当然他の種よりも怒りっぽく、凶暴である。もう一つはバグベアの結社で、ゴブリン、オークなどを従えた強盗団。こちらはバグベアにしては上手くやっていると言える方だが、結局のところ結社を縛っているのは純粋暴力でしかない(結社の中で生き残る最良の方法は、バグベアの興味を惹かないことだという)。暴力だけしか物差しを持たない種族は、支配されるにせよするにせよ、結局暴力以外に無いってトコだろう。
 己の腕力のみを信じ、それを誇示することを厭わないが、それだけに末路やいざ他者の支配下に置かれた時のバグベアの最期と言うのは惨めなもんである。一種、他種族の無頼漢の末期への警句のようにも見える。もっとも彼らにまったく共感も同情も覚えないのは、汚いジャイアンというどーしよーもなく救いのないキャラクター性故でしょうねえー。

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