TRPGこぼれ話#254~訳語のもんだいいろいろ~

 界隈で散々ネタにされているんで今更触れることでもないが、洋楽のアルバムが詰め込まれている棚を見て素直に感じたことを書く。
 往年の洋楽アルバムの邦訳ってほんとにだせえな。
 『A Hard Day's Night』がどうして『ビートルズがやって来る ヤァ! ヤァ! ヤァ!』になるんだ。当時の業界の世相を顧みるに、恐らく命名者はお薬をヤッていたに違いない。え、噂によると名付け親は水野晴郎先生ですって? いや、その、何でもないっす。お願いですからシベリア送り超特急はカンベンして下さい。
 橘高文彦さんやナカジマノブさんもオススメ、「バカだも~ん」こと『Bark at the moon』が『月に吠える』だったのも、なかなかのズッコケであった。『月に吠える』というタイトルそのものに文句はないし、語感は非常に美しい。が、しかし、何故よりにもよってオジーのアルバムの邦訳に萩原朔太郎を引っ張ってくるのだ。ブラック菩薩が純情小曲集になってしまったではないか。
 ピンクフロイドの『吹けよ風、呼べよ嵐』はイイ。ださいかそうでないかだとださいが、ウォーの『世界はゲットーだ!』も捨て難いなぁ。
 洋楽に限らず、洋画のタイトルを邦訳すると、妙に“愛”という単語が連発されるこっぱずかしい現象がある。これは、カップルに金を落とさせるためという話。金を払って映画館に通ってくれるのは今やカップルが中心で、そういう層には“愛”という文句が実に効果的なんだとか。つまり内容を伝えるよりイチャつく場所としての広告効果を期待してってことですけ。タハー
 でも洋楽は洋楽で内容を訳すとすっげえくだらないことを語ってたりするので、これはこれでどっちもどっちなのかもしれない。使用言語が違う我々には聞いても伝わってこないけれど。洋楽・洋画・洋ゲー、舶来モンは全部良し、和製は全部ダメ! という洋モノ信仰って、違う言語や文化=よくわからない、よくわからないからカッコいい気がするというしょーもないマヤカシが根底で働いてるのかもしれない(「よくわからないものをカッコイイと言える俺カッコイイ!」てな自己陶酔は言うに及ばずね)。
 往年のSF邦題はヒネってかつ美しいものが多く、この辺センスが先鋭化されていた時代っちゅうものを感じて頭が下がる。『渚にて(On the Beach)』(新版の人類最後の日は余計だなー)、『月は無慈悲な夜の女王(The Moon Is a Harsh Mistress)』、見よこの日本語の美しさと英単語の配列の見事なゆうごう。ディック先生のフェミニストマジギレ短編『The Pre-Persons』は傑作選の『人間以前』より『まだ人間じゃない』が断然(・∀・)イイ!!
 アナログゲームの翻訳のセンスではMTGが群を抜いて素晴らしい。カード名、キーワード能力に収まらず、フレーバー・テキストまでキメにキメキメなのはこれぞ日本語と翻訳者の力ってカ・ン・ジ。原語の洒落っ気あってなのは当然のこととして、ニヤリとさせられる名訳をよくもまあ次から次へとポンポン生み出してくれるものです。愛しいけれど憎いお方。《最後の言葉/Last Word》はフレーバー・テキストのカッコよさもさることながら、エウレカセブンの初期OPとひっかけて「最初の嘘、最後の言葉、最後の言葉は打ち消されない」というネタが内輪でひっそりと流行った。
 中山てい子先生はMTGだけでなくクトゥルフの翻訳にも関わっており、邦訳センス決定戦はもうてい子無双(2016年KOEIから発売予定)ってカンジだ。定番ながら“名状し難きもの”なんてのは響きだけでゾクゾクする。個人的にはチャウグナー=フォーンが登場する『The Horror from the Hills』は、神格の二つ名と同じ“丘より来たる恐怖”がいい。『恐怖の山』だと『狂気の山脈にて』とカブるのであるよ(真ク・リトル・リトル神話体系の全然関係ない『夜歩く石像』もあれはあれで好きだが)。
 同じくWoCで地続きの3e以降のD&Dもよぉー大統領! と囃子の一つも入れたくなる傑作訳ぞろい。原語ではシンプルな単語の並びを、よくぞあそこまで雰囲気を壊さずかつ冗長にならず仕上げてくれたものです(“悪を討つ一撃”なんて“Smite Evil”だもんな)。残念ながら5eの翻訳は今の所動きナシであるが、これだけの蓄積あらば、自力訳の際のネーミングに困らなくて済む。
 そうか、ダサい翻訳が罷り通る業界は名作SFとアナログゲームを参考にすればいいんだな!
 5eの特技に関しては、今の所原語verをカタカナ表記にするのが一般的のようだ。独自の和名を当てはめている例は少ない。早い所特技の和名化ブームが来てほしいものですが自力でひねくり出した自前の和名を使っているが、これはどうなのか客観的な判断に困っている身としてはもっとオーディナリーなセンスを知りたい。

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テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

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No title

 指輪の瀬田先生を忘れずに!(走召糸色木亥火暴)
 馳夫っ!とか最高です(腹筋崩壊)

No title

70年代の訳なんでそういうセンスもあるかもしれませんなぁ
ストライダー飛竜が馳夫飛竜になるのか…
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Author:銀河アズマ
頑張りましょうと言えないのがとても残念です

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