クトゥルフ神話TRPGヨタ話#76~クトゥルフセッションレポート『もっと食べたい』前編~

 『腕に刻まれる死』に続いて『渇きの泉』も好評につき、「我々は金を払わないと遊べないシナリオにもっと取り組むべきだ!」と公式シナリオをプレイする機運が身内の中でにわかに高まっている。
 今回はRole&Rollの初期も初期(Vol.10)に掲載され、珍しくサプリメント『クトゥルフ2010』に再掲(なんと5年越しだよ!)されながら、今までプレイする機会が無かったシナリオのレポートだぞえ。

 もっと食べたい

 シナリオは『2010』掲載だけど、『2015』を導入する手前、年代は2015年近辺。“探索者の特徴”ルールももちろん採用だ。
 作成された探索者は以下の通り。

●司馬江 太郎(しばえ たろう)
 職業:医師 年齢:29歳 性別:男
 名前の元ネタは(恐らく)シバイタロカ博士と同じく『白い巨塔』。
 立身出世欲がとみに強く、自分を持ち上げる話題が大好き
 優秀な精神科医のはずがどうにもこうにも〈精神分析〉の出目に恵まれない。
 趣味はサイダーの王冠コレクションで、極上の逸品を持ち歩いており、これを手放すと正気度が減る
 特徴は4-6・寄せ餌と4-8・大切なもの(これでサイダーの王冠コレクションを指定した)。

○早乙女 冴子(さおとめ さえこ)
 職業:高校生 年齢:17歳 性別:女
 “学生探索者の創造”ルールは果たして実用に耐え得るのか? 身をもって検証すべくプレイヤーが特攻して生まれた女子高生探索者。EDUが4年間で一度しか上がらず前途を危ぶまれたが、中学~高校の一点突破(流石にこれはランダムではなく選択した)で出目に恵まれたのに加え、二つともデメリットになる特徴を指定する手段の選ばなさで〈オカルト〉と〈図書館〉は辛うじて安定した成功率となった。
 オカルト研究会所属の美少女(APP16)で、会長兼副会長兼書記兼会計兼ヒラ会員。口癖は「これはオカルト的に考えて超常現象です!」。イメージは東方の会長こと宇佐見菫子。愛称さめさ(このネタがワカる人は相当年季の入った少女漫画ファンだ)。
kaicyo.jpg
 特徴は4-5・不思議ちゃんと当然4-7・眼鏡をかけている

●相桐 日虎(あいどう にっこ)
 職業:芸術家(画家) 年齢:24歳 性別:男
 怖い人に目を付けられるのがイヤなので、元ネタは各人で想像して下さい
 元ネタ同様、画家としての腕前や戦闘力はサッパリ(非力な冴子以上に非力)だが、〈説得〉〈心理学〉と他人に影響を与える技量には長けている。〈回避〉や〈目星〉〈隠れる〉など、本業以外が妙に優秀なのもクトゥルフにおいては正しい芸術家と言えるのではないだろうか
 特徴は1-10・予期せぬ協力者と6-6・急速な回復力。前者で留守 月平(るす げっぺい)なる取り巻きがいるが、悲しいことに影響力はd100で6なのであくまで取り巻き

 探索者たちは社会性の強いルポ記事で認められつつある、ジャーナリストの石沢啓太と共通の友人という設定である。会社に取り込まれて自由な取材ができなくなるのを厭い、稼ぎは少なくともフリーランスを貫く硬骨漢だ。司馬江のスタンスと真逆な気がするが、まあその辺は上手く折り合いをつけたんだろう。冴子は資料探しで手伝いをしており、相桐は芸術関連の話題で取材を受けたことがある、という関係。
 その日、季節は執筆時期と同じく晩秋。三人は石沢と旧交を温めるべく、昼時オッシャレーな中華料理屋の個室で会食していた。
 楽しく会話をしながら、司馬江と石沢が同時にトイレのため席を立った時のことだ(冴子「男の友情! 大声で笑いながらするのが礼儀のアレですね!」KP「女の子が下品なことを言ってはいかーん!」)。
KP「石沢はこっそり、相談したいことがある、と打ち明けます」
司馬江「ほう、何の相談かね。ウチを持ち上げる記事ならじゃんじゃん乗るぞ」
石沢「いや、今追っている仕事の話なんだけどな……ただ、食事中にする話じゃないから、終わってからな」
 二人が戻って来てからも、和やかに会食は進む。
 ただ、それも石沢の様子が急変するまでの話だ
 石沢が猛烈な勢いで料理を平らげ始めたのだ。最初は大皿から自分の取り分を真っ先に確保してしまうぐらいだったのだが、その量はどんどん異常なものになっていき、ついには一人で大皿を奪い取ってしまうほどになる
冴子「あ……回鍋肉私も食べたかったのに……」
KP「料理が持ち込まれると、石沢は大皿を自分で受け取って、今や犬のように直接かぶりついています」
相桐「おい大丈夫なのかコレ。こんなキャラクターのNPCじゃないよね?」
司馬江「なんか〈精神分析〉の必要がありそうな気がするが……」
KP「ではちょっと皆さん〈聞き耳〉ロールを」
冴子「うーんポイントを割り振っている人が誰もいない……おっ、でも私は成功しました」
 呆気に取られている冴子の耳に、何かボリボリと硬い物をかみ砕くような音が忍び込んできた。その音はどうやら、テーブルの下から響いてきているのだ。
冴子「まさかネズミでもいるのかなあ……あんまり見たくないけど見ちゃいますよね、よっと」
 クロスの間から覗いたテーブルの下。薄暗い闇の中で、石沢の両足が消えていた。いや、消えたのではない。彼の両足は体の内側にめり込んでいっているのだ。やがては脚全体が腰にめり込んでいき、腰も胴へと沈んでいく。奇妙なことに、一滴も血は流れていない。
冴子「顔の色を失って椅子からズリ落ちてます……こ、これはオカルト的に考えて超常現象です!」
KP「石沢は自分の体に構わず、無我夢中で食事を貪り続けます。やがて、石沢の下半身が失われますが、彼は両腕だけでテーブルにしがみつき、手づかみで食事を続けます」
相桐「(引いてる)なんか医者の先生の出番のような気がするのだが……っていうかそれどころじゃない気もする」
司馬江「(引いてる)え、えー、とにかく〈精神分析〉を試みてみよう……うーん失敗しとる」
相桐「お前精神科医じゃなかったんかい!」
司馬江「いや出目が90越えてるし」
冴子「私は個室のドアを開けて店員さんを呼んでます! 誰か、誰か早く来てー!」
 探索者の見ている前で、石沢の両腕も上半身も体の内側へとめり込んで消えていく。この時、〈聞き耳〉に成功した司馬江には、どこからともなく「ウガ……クトゥ……フ……」という、妙な音がかすかに聞こえていた。それはまるで石沢の体の中から聞こえる、異界的な音響であった。
KP「ついに石沢の頭まで消え、歯をむき出しにした口だけが残ります。その口は“もっと食べたい……”と、石沢の声で小さく呟くと、探索者の方へ飛びかかってきます。一番近くにいたのは……〈精神分析〉してた司馬江さんだろうなぁ」
司馬江「むお!? なら、テーブルを傾けて盾にするぞ!」
 派手な音を立てて料理を床に落としながら、司馬江はテーブルで身を隠して口から逃れようとする。しかし、奇妙なことにその口は触れる寸前に煙のように消えてしまった
KP「ではこのような異常な体験をした皆さんは正気度ロールをどうぞ。失敗すると1D6点の正気度損失です」
相桐「開始5分で一時的狂気圏内かい! ウオアァー失敗した!」
冴子「呼び鈴をガンガン連打して助けを呼びます! 早く、早くー!」
 狂乱した騒音で店員が駆けつけるも、石沢の姿はまったく見つからない。まるで最初からこの世に存在しなかったかのように、石沢の痕跡は消え失せてしまったのだ。
 それどころかありのままの事態を話すわけにもいかず、司馬江がひっくり返したテーブルやら冴子がしがみついてひっちゃぶいたカーテンやらの説明に苦慮することになったり。
相桐「この席に四人いたということは、予約や伝票を調べればわかるはずだろう。それがパッタリいなくなっちまって、こっちも混乱してるんだ」
KP「でもそれだけじゃこんだけ暴れた理由にはならないでしょうしねぇ」
司馬江「よしこういう時は精神科医のキャリアたる私の〈説得〉でなんとか説き伏せてみせよう……00なんで自動失敗
相桐「うおーい!」
KP「(無言でダイスを振る)……では、司馬江さんは急な腹痛に襲われます
司馬江「失礼、話の途中なんだけどおなかが痛いんでトイレに行ってきます……後よろしく、イタタタ」
冴子「さっき食べ過ぎたんじゃないですかあ」
相桐「わかったわかった、後は俺がなんとかしとく」
 相桐の〈説得〉は成功して、後始末の費用込みの代金を支払ってなんとか解放された三人。だが、石沢が消えた怪現象については、まったく彼らの理解を超えている。
冴子「石沢さんは間違ってもあんな冗談を仕込むような人柄じゃありませんでした。だとすると、これはオカルト的に考えて超常現象です!」
司馬江「お、おう」
相桐「しかし一体何だったんだありゃ。最近、様子が変だったとか知らないか?」
司馬江「そう言えば、なんかメシが不味くなりそうな相談があるとか言ってたな」
相桐「そりゃあんなもん見せられればメシも不味くなるわ! ……でも相談事となると、仕事のことかな。石沢の手荷物とか残ってなかったのか」
KP「生憎、そういったものは持ってきていなかったようです」
司馬江「となると、直接石沢宅に向かうしかないか」
 石沢が住んでいるのは、住宅街の安アパート。事務所を持つ余裕などないため、仕事場兼寝床である。
司馬江「周辺におかしな気配はないかな。誰かが見張っているとか」
KP「それなら〈目星〉ですね」
相桐「俺は成功」
KP「それなら怪しいものは見当たりませんが……司馬江さん、その出目」
司馬江うーんさっきから90以上の出目ばっかりだな
KP「(ダイスを振って)またも司馬江さんは急な腹痛に襲われますな」
司馬江「ちょっと近くのコンビニに行ってくるんで待ってて……イタタタ」
冴子「やっぱり食べ過ぎたんじゃ……」
 司馬江が戻ってきたところで、石沢の部屋の前に来る。
相桐「当たり前だけど鍵掛かってるよな」
KP「そりゃそうです」
冴子「基本成功率だけの〈鍵開け〉がいかに無謀かは『腕に刻まれる死』でよくわかっているので、素直に大家さんに相談しましょう」
司馬江「では、自分たちは石沢さんの友人だが、突然姿を消したので行方を捜している、何か手掛かりが無いか部屋を調べたいので開けてもらえないか……という口実で」
冴子「警察を通した方がいい相談かもしれませんけど、緊急事態ですし、石沢さんと連絡が取れないのは確かめてもらえばすぐわかりますからね」
KP「では〈説得〉ロールをどうぞ」
司馬江「任せておいてくれたまえ。……出目が00で自動失敗
一同「またかよ!」
KP「(ダイスを振って)今度は司馬江さんは猛烈な飢餓感に襲われます」
司馬江「それはそれとしてお茶とお菓子出してもらえませんかねえ」
相桐「ええい俺がフォローに回るわい!」
 今度も相桐が何とか大家と話を付けることに成功。無事石沢の部屋の中に入る事が出来た。
 仕事命の独身者ながら、すっきりと片付けられた、荷物は多くとも清潔感のある部屋である。目に付くのはノートパソコンが置かれた仕事机と、資料の納められた本棚。
冴子「私は図書館っ子だし本棚を見ましょうか」
司馬江「では私が机を見よう」
相桐「後は、ゴミ箱にでも何か残されたものがないか、だな」
KP「では〈目星〉ロールをどうぞ」
司馬江&冴子「失敗でーす」
相桐「お前ら何やっとんじゃい!」
冴子「私〈目星〉にポイントをあんまり振ってなくって」
司馬江「実は私も成功は五分なのよな」
KP「成功したのは相桐さんだけか……では、妙なスケッチが丸められていたのを、ゴミ箱から見つけ出しました」
 そこに描かれているのは、コウモリの耳が生えたヒキガエルの頭部に太ったクマの胴体を据え付けたような、奇妙な生物の姿であった。おかしみを感じる風体ではあるが、どことなく意識をざわつかせる、何か得体の知れない薄気味の悪さがある。
KP「その恐怖を感じ取ってしまうか、アイデアロールをどうぞ。成功すると理解してしまい、正気度ロールをせねばなりません」
相桐「俺頭はいい(INT16)から、理解しちまうんだよなぁ……だが正気度ロールには成功。仕方ないけど他の人にも見てもらわにゃならんだろう」
 全体的にINTの高い探索者たちだが、幸いにして正気度ロールには司馬江・冴子とも成功。
冴子「なんですかコレ。新手のゆるキャラですか」
相桐「正気度下がるようなデザインを採用しちゃイカンだろう。っていうか全然ゆるくねえ
冴子「いやメロン熊みたいなのが通るならあるいは……」
相桐「確かにアレは全然ゆるくないけど……」
司馬江「見た目も神話生物っぽいしな」
meronguma.png
襲われてる虚ろな目の黒い方も十分神話生物っぽい。
冴子「何か、絵から思い当たるような存在ってありませんかね? 見た感じ〈オカルト〉っぽいけど」
KP「ですね。成功したなら、エスキモーや北欧あたりの伝承にそのような姿があったような気がします」
冴子「ふーん、後で調べてみようっと」
司馬江「しかし、机と棚、両方に失敗しちまったのは痛いな」
KP「違う場所なら、あらためて判定してよいことにしましょうか」
冴子「じゃあ、今度は私が机を調べます……おっ、今度は成功しましたよ!」
KP「書類や写真、雑誌の切り抜きなどが大量に目に付きますね。ノートパソコンも含めて、それらは韮崎という女性カウンセラーという一つの事象を追っているようです。では続いて〈図書館〉を」
冴子「〈図書館〉なら私の得意分野です……これも成功」
KP「二時間ほどかけて調べてみると、石沢は直前まで、韮崎孝江という摂食障害を対象としたカウンセラーを追っていたのがわかります。二年前まで中小企業のOLで、それからカウンセラーに突然転身したという異色の経歴で、そのきっかけが気になっていたようですね」
司馬江「一般企業からいきなりねえ。そりゃ異色だが、正規の医療知識は身に着いているのかね」
KP「韮崎のカウンセリングを受けた相談者のブログ記事もパソコンに保存されています。それによると、韮崎のカウンセリングは素晴らしいという絶賛の言葉ばかりで、たった数時間で摂食障害治ったという即効性には誰もが驚いています」
冴子「あのーこれちょっと見てくれません?」
司馬江「では精神科医としてどうなのかを判断してしんぜよう……うーん、〈精神分析〉には失敗しとる。が、〈医学〉には成功したぞ。精神医学的に考えてはあり得るかもしれんが、医学的には明らかにおかしい!
相桐いやどう考えてもあるわけねーだろ!
KP「まあそりゃあそうです。摂食障害がそんなに簡単に治るわけがない。また、ブログの記事に対しては〈心理学〉を」
冴子「〈心理学〉は小学校時代家庭科が得意だった流れで、申し訳程度にポイントを振ってるだけなんですが……それでも成功!」
KP「記事からは、韮崎に対する賛美の言葉から、まるで崇拝のような熱狂を感じます」
冴子「えええ……何か危ないものでも使ってるんじゃ」
司馬江「まったく正しい医療教育を受けていない人間に騙される無学な大衆は尽きないものだ」
相桐「お前さっき危うく見抜けなかったところだろ」
KP「それと、ブログの各所には“ウガア・クトゥン・ユフ!”という謎の言葉が見られます。韮崎がカウンセリングをする時に口にするおまじないの言葉らしく、ブログの相談者同士のコメントで挨拶や合言葉のように使用されていますね」
冴子「ガデッサーとかオーラ・ドン・ザウサーみたいなもんですか」
司馬江「ん……何か聞いたことがある響きだな」
KP「最後に、机の一番上の目立つところに、近所のイタリアンレストランを扱った雑誌があります」
冴子「なんですかソレ。店員が鉢形カットとか目が落ちくぼんでるとか身長が低いとかホワイトポークのソースを出す店じゃないでしょうね(妙に具体的なのは、先日そういう人種が出るシナリオを遊んだから)」
KP「ブラック・ドラゴン・レストランじゃないですから大丈夫です。普通の流行レストランっぽいです」
 一方、棚を調べていた司馬江と相桐。
相桐「では、あらためて〈目星〉かな。もちろん俺は成功だ」
司馬江うーん出目が00で自動失敗しとる食べ物はどこかにないかなー
相桐「うるせー冷蔵庫を開けろ!」
KP「(ダイスを振って)……突然、司馬江さんはなんだか相桐さんがとっても美味しそうに見えてきましたね
相桐「えっ! それは同性愛的な意味で!?
冴子「あのう、女子が全員男同士の恋愛を許容するとは思わないでほしいんですけど
KP「いやもちろん人肉嗜食的な意味でですが。そんな衝動にかられた司馬江さんは正気度を1点減らして下さい
司馬江「ぐふぉお……なんか自分の精神状態が非常に不安になってきたが、じゃあ相桐さんにフトモモの肉って美味そうじゃありません? とか話を振りながら作業を進めよう」
相桐「それで、一体何が見つかったんだ(焦ってる)」
KP「摂食障害に関する専門的な書籍と、摂食障害者が自分の日常を書いたブログのプリントアウト、摂食障害に関する新聞や雑誌のコピーですね。特に、韮崎孝江を取材対象と決めてから集めたもののようです」
相桐「あの、妙なスケッチに関するものは無いのか?」
KP「それがとんと」
冴子「ふーむ……摂食障害に北欧神話……トロルか何かかな? ひょっとするとこれはオカルト的に考えて超常現象ですね!」
 そんなことをしていると、いきなり部屋の扉が開いて、若い女性が入ってくる。
KP「女性は見知らぬ男女が入り込んで部屋を荒らしているのを見て仰天していますね。幾分きつい口調で兄の部屋で何をしてるんですか、と問いかけてきます」
相桐「まあ、そりゃそうだろう」
司馬江「すると、この娘さんが石沢さんの妹?」
KP「彼女は石沢裕美といって、彼のアパートから数時間かかる実家に暮らしているそうです」
司馬江「なら、自分たちが石沢さんの友人で、突然連絡が取れなくなったのを心配して、様子を窺いに来たという説明をもう一度しておこう」
冴子「スマホで石沢さんの連絡先を見せることもできますし、大家さんに確認して貰えば話が通っているとワカりますよ」
KP「無理矢理入ったりしたわけじゃないから、裕美さんもそれで納得しますね。でも、連絡が取れなくなったと聞いて驚いているようです」
相桐「裕美さんはお兄さんの異変や最近の取材については、何も知らないのかな」
KP「摂食障害の調査と、摂食障害についてカウンセリングを受けている先輩がいて、その人に話を聞こうとしていた、という以外は。で、その手伝いをしたお礼で、ショッピングと食事に連れて行ってもらう予定だったんだそうです」
司馬江「ああ、それでこのイタリアンレストランか」
KP「そういうことです」
相桐「何かそのレストランにも手掛かりがあるかもしれんな。話を聞くついでに行ってみるか」
 実際には冴子が危惧しているような怪しげな店でも、相桐が期待していたようなヒントも無いのだが、一同裕美から話を聞きながら、夕食は彼女が目を付けていたイタリアンレストランにすることに。
冴子「わー高そうな店。えーと……一番安いのは……あのー、パンと水でいいですか?
相桐「お前レストランで食事するぐらいの金もないんかい!」
冴子「高校生だから年収が8万円しかないんですよう」
司馬江「月で割ると6700円ってところか。結構小遣いは貰っているようだが」
冴子「いえ、お年玉と誕生日に収入が集中してるんです
司馬江「ええい、そのぐらい社会人二人で払っちゃるわい!」
冴子「わーい、ありがとうございます」
司馬江「しかし相変わらず人肉嗜食衝動が終わってないんだよな……肉食動物の肉って硬くて不味いらしいから、人間の肉も食事には適さないと思うんですよ、とか話しましょう」
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牛・豚・鳥ィィーッ
 五部エピローグのミスタトークのような話題を繰り広げる司馬江に一同ドン引きしつつも、裕美は韮崎のカウンセリングを受けた先輩、原田ひかるの事を教えてくれる。裕美と同じ大学出身のOLで、彼女もまた摂食障害に悩まされていたところを、韮崎によって救われたというのだ。至急調べた方がいいだろうと判断し、原田の予定がたまたま空いていたので、翌日の昼間喫茶店で裕美立ち合いのもと、カウンセリング体験について語ってもらう約束を取り付ける。
 急いでいたのは司馬江の変調のせいもあるが、その晩、司馬江が石沢のように、自分で自分の体を呑み込んで消滅するような悪夢を見て正気度を減らしたので、正しい判断だったと言える。
冴子「(ゲンナリしている司馬江に)あのう、本当に大丈夫ですか? お医者さんに行った方がいいんじゃ……」
司馬江いいや精神科医が精神科の世話になるとかメンツに関わる! 自分の評判を落とすようなマネは私には絶対に許容できん!」
 強硬に司馬江が言い張ったので、医者にかかることはなかったのだが、医療機関で調べると、とある存在が体内に潜んでいることが判明して大幅に正気度を減らされるので、これも実は正解だったのだ。
 その“とある存在”については次回以降で。

(つづく)

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