D&D5e余話#86~D&D Encounters『Elemental Evil:Princes of the Apocalypes』第六回レポート~

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 渡米の準備中なんでさっさと本題に入りましょう。
 今回人数の関係でパーティの再編成が行われた。それはいいんだけど、こっちの卓はステッド、ジューレイ、アルビレオ、ウィリーの4人。マトモな前衛がパラディンしかいねえ。かたやもう一方の卓は回復呪文を使える人がいないとかなんとか。本当にこれで大丈夫なのかよオイ。4eでさえ全員撃破役とかでもOKだったのは、マルチクラス特技とかアイテムとかで何とかできるようになった場合に限られるんやで?
 もっとも、シナリオを最後まで通してみると、結果論であるが、どんなパーティ編成でも大体同じことだったかもしれない無論、大丈夫という意味で、ではない

 死霊の盆踊りも終わって次なる選択肢は登り坂と順路。なんか前回のノリだと本当にパーティ全員が即死するようなローリングストーンとか仕掛けられていてもおかしくはないので慎重に行きたいところだが、まあ慎重に行ったところで出目が出目なら仕方ないしねえ
 となればPLの取るべきは小賢しい手段。浦沢脚本よろしくいつもの爺ちゃんの投石とかダンシング・ライツを送り込むとかダイスロールを求められない手管足管を駆使して何とか予防線を張ろうとする。でもこの手の呪文が5eで戻って来たから、とりあえず言ってみるのはアリだと思うんよ(やりすぎには注意)。
 そろそろと坂を登っていくが、特に迫ってくる気配のようなものはない。視界が通ってくると、その先は小さな空間で、宝箱が2つ並んでいる。余計な物に手を出すのは控えたいところだけど、かといって目の前にあるオブジェクトを無視するというのもなあ。〈知覚〉で周辺を探ってみるも、見当たるものはなし。メイジ・ハンドで射程距離ギリギリから箱を開き、中を探らせても(メイジ・ハンドは壺の中のものを引っ張り出したりできる)、ひっかかるものもない。
 一応底を見てみようとステッドさんが踏み込むと、突如重々しい声が響き渡る。
???「貴様らは槍ヶ岩の主を挑発しようというのか! 欲深き者どもが、これでも受けるがいいわ!」
 そして高笑いと共に降ってくる2d6ダメージの落石。あーそーですか。
 箱が置いてあるこの部屋は、よく調べると小さな覗き穴があった。穴を通してみると、そこから階段が伸びており、声の主はそこを登ってこっちを窺っていたようだ。もちろん今は逃げ去った後。わざわざ覗き穴から観察して、罠にかけたら速攻で逃げるあたりにインケンさとせせこましさがよく表れているが、本当に槍ヶ岩の主を名乗る大物なんでしょうか。やっぱり自称主のような気がしてきた
 ステッドさんの傷は重傷ではなかったので、レイ・オン・ハンズで治療。続いて、大きな空間につながっているというもう片方の道を進む。
 こちらは非常にだだっぴろい長方形の部屋になっており、壁には燭台が並んでいる。アンデッド工場なのに灯りがあるということは、暗いと視線に困る輩がいるっちゅーことやな。んで、左隅のカドには三つの丸石があり、黒いローブを着た人物が何やらせっせと作業中。彼の指には骨でできた針がつままれていて、脇に置かれたバスケットはノコギリといっしょに切断された人間の部位らしきものが満杯。どうやら悪魔のいけにえ的労働に励んでいたようだ。ウオワー ちなみにこいつはゾンビ。ゾンビがゾンビを作り出すなんて、なんと経営者にとって理想的な自己複製体制であろうか
 そして、これまた作業台であろう奥の丸石4体のスケルトンがうろついている。我々が部屋に入ると同時に、あの時と声が響き渡る。
???「おのれ、尚も楯突こうというのか、この愚か者どもが! ならば我が力思い知らせてくれよう! さあ、主の前でお辞儀をするのだ、暗き狂気を見よ!」
 それに呼応するようにスケルトンが前身を始める。
 エンタングルで一網打尽にすることを考えたが、彼らは散開しながら近づいてくるので、タイミングを逸したまま手番を流してしまう。マトモに前衛に立てるのがステッドさんのみ、という状況下では、大半を巻き込めるのでもなければ、回復呪文との兼ね合いも考えて温存せざるを得ない。ところであのゾンビだが、戦線が開かれたというのにまったく動じず作業を続け、クォータースタッフでブン殴られても火にくべられても冷やされても作業を続けている。結局破壊されるまで続けていた。なんて見上げたワーカホリックだろう。
 スケルトンの接近を待っていると、奥から新たな人影が現れた。痩せ形で黒い顎鬚を蓄えており、そして目はイッている。こいつがアンデッド工場主、槍ヶ岩の主を名乗る。……ただの人間なのだけれど、あの“醜き変身の呪い”ってなんだったんだ。ただのフカシか。槍ヶ岩の主も自称っぽいし。
 この狂人も気になるが、その前にようやくステッドの周囲に集まり始めたスケルトンに、満を持してエンタングルを発動。2体を絡め取るが、不利を負いながらの攻撃はステッドに2回命中し、これにて気絶。最大hpが2桁やっとなのに2回ヒット受ければ、まあそうなりますわな。回復しに行こうとするウィリーに、今度は狂人からマジック・ミサイルが飛ぶ。それも2レベルスロットでってことはこいつ最低でも3レベル以上のスペルキャスター!? もっともDMGの経験点枠によると、3レベルPC一人分の“標準”経験点枠が150点。大体脅威度1/2と脅威度1の間の強さ、ということになるから、出てきてもおかしくはない。まあ、問題は2レベル枠でマジック・ミサイルを撃たれた場合、1レベルPCはかなりの確率で抵抗しようもなく倒れるってことですが(ウィリーの場合、ひとつでも4の目が出ると確実に気絶)。
 幸いなことに出目が渋ったのか気絶することはなかった、というより後で考えるとDMが固定値を足すのを忘れていたらしい。が、これで狂人に手番を回すと一人ずつ打倒されていくという事実が判明。何とか速攻をかけるしかないとジューレイもマジック・ミサイルを使用してhpを削る。さらにアルビレオ爺ちゃん必殺のクロマティック・オーブがインスピレーションを乗せて飛ぶ。メイジ・アーマーによってACを高めていた狂人であるが、見事に直撃。3d8ダメージを受けて昇天と思いきや、ピンピンして次に使う呪文を選定している
狂人クラウン・オヴ・マッドネスを使おうかと思ったが、立ってる面々の中で武器を持ってる奴はおらんのか」
 だからマトモな前衛はステッドさんしかおらんっちゅーとろーが!(三人とも焦点具で手が埋まっている)
 ウィリーはヒーリング・ワードでステッドを立ち直らせるも、これで回復手段は品切れ。ステッドはスケルトンに足止めをされて狂人に接近することができない。ジューレイから再びマジック・ミサイルが飛ぶが、それでも倒れない。スペルキャスターのぶんざいでなんちゅう体力だ。その反撃に、ジューレイに3レベルスロットのマジック・ミサイルを浴びせる……って、3レベルスロット!? ってことはこいつ最低でも5レベル以上のスペルキャスター!? 1レベルパーティにそんな輩ぶつけていいのかよ! むしろ変な呪文を使わず高レベルスロットでマジック・ミサイルを撃ってるだけで皆殺しじゃねえか!
 当然のようにジューレイ気絶。3レベルスロットで撃てば5d4+5、出目がすべて1でも10点確定なんだからそりゃそうです。にわかに戦闘の行く末とシナリオのバランスが暗雲を帯びてきたが、今更引き返そうにもスケルトンに包囲され、ステッドとウィリーは機会攻撃を受ければ一発で倒れる可能性のあるhp。アルビレオ爺ちゃんの一撃に全てを任せるしかない。
 ここでアルビレオ爺ちゃんはワイルド・マジック禁断の秘儀、“混沌の渦”を発動。イカれた表を振る代わりに判定に有利を得られるというアレだ。死に物狂いの一投は狂人をとらえ、本日二発目の3d8ダメージはやっとのことで絶命に至らせる。スケルトンは3体残っていたが、指導者を失ったためか、この時点であまりにも満身創痍であることを慮ってか、戦闘終了。ついでにワイルド・マジックの表を振ることさえ忘れていた。
(回復手段を失っていたため、ジューレイは〈医術〉ロールと自力のセーヴで何とかするしかない…と思いきや、1点だけレイ・オン・ハンズを残していたステッドさんが気絶したジューレイを蘇生させた。おお~クレバー)

 戦闘後、奥の研究室に残されていた手記などを調べてみると、この狂人の名はオレイオス。元はバルダーズ・ゲートの貴族の出であったが、自閉的な性格な上に生きている人間より死体の側にいた方が落ち着くという救いのない社会不適合性のために出奔。流れ着いたこの槍ヶ岩で、永遠にアンデッドに囲まれた屍者の楽園を作ろうと画策していたのだ。『パノラマ島綺譚』の人見廣介かお前は。ダメ人間の王国あたりでガマンしてりゃいいものを。
 それはさておいて、呆れたことにオレイオスは6レベルのスペルキャスターだったそうだ。ってオイ。ホントに3レベルスロットでマジック・ミサイルを撃ってれば1レベルパーティなんざ皆殺しにできるじゃねえかシールドを使えるウィザードとソーサラーなら生き残る目はあるが、多分最後の一人になったところをスケルトンにナマス切りにされる)。それは確かにどんなパーティ構成でも同じことなはずだよ。スペルキャスターが3人いたこちらの卓はまだマシだったのかもしれない。こいつをぶつけて1レベルパーティを壊滅させないのは曲芸のようなマスタリングと神がかった出目が要求されるところだが、半壊ながら勝利できたということは、つまりそういうDMの手腕とダイス目だったんでしょう。別の卓では2人死亡で撤退して終了だったらしい。まあ、そりゃそうだ。死んだのはセーヴを落としたPLの責任だったとしても。
 4eの時も遭遇の厳しさには相当ブーたれていたが、あれはまだ(見合ってるかどうかはともかく)数値の上だけでも辻褄を合わせようとしていた分マシだったんだな。以前シナリオライターがDMGを読んでない可能性を指摘したが、公式がちゃんと目を通してない可能性はもっと高いなこんな遭遇見せられて商品ラインに通したってんなら大したオフィシャルチェックだよまったく! オレイオスの性格上、押せば引く可能性も考慮されている、敵の強さもワカらずに交戦したPLが悪いと賢くも偉大なるシナリオライター様は仰りくだっしゃるのかもしれないが、そういうセリフはモンスター識別という概念のあるゲームで言ってほしい。あと、人間より死体にシンパシーを感じてゾンビ工場経営してるクソ野郎を交渉で見逃そうとするPLは少数派だと思う。
 経験点は450点だというが本当だろうか。脅威度2相当ということは、6レベルキャラクターは2レベルキャラクター4人に対して標準的な遭遇ということになるのだが。そうだといえばそうだと言えないこともないが、適正だろうとなかろうと、それ1レベル相手に出していい脅威度じゃないだろ。オマケにスケルトン4体まで添えた遭遇に。
 まあ経験点が何点であろうと、前回のシナリオで章の上限の300点に達していたオレたちは1点も得られないから関係ないんですがな!(本当)  経験点をシナリオごとに渡す仕様上、最後の最後で大物を出すのは継続参加できてない人への最後の調整的な意味もあるのかもしれないが、なんかここまで杜撰だと「どうせ経験点は300点で止まるんだからムチャしたれ」とか調子こいたんじゃないかとどうしても邪推したくなるな。
 バルダーズ・ゲートのひきこもりという本編に全然関係ない超どうでもいい設定の、それでいて手練れのNPCにいいように翻弄され、しかも話がまったく進まないまま3回も引っ張り、そして貰える経験点はゼロ! この怒りの三倍満はどうしたものか!?
 どうにもならないんでしょうね。
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 部屋の奥で互いを掴もうとしているような二本の手(これまた人体を使用)で形どられた台座があり、こいつに嵌められた赤い水晶、そこに浮かぶ紋章が“古き元素の目”であるとか、マジック・ミサイルのワンドを手に入れたとか、やっとのことで物語の進展らしい進展やマジック・アイテムはあったのですが、とにかくそんな具合で一刻も早くアメリカにわたって角材と火焔ビンを手に仕置き人旅始めたろかコラとトガリ目ニゴリ目のまま会場を後にした筆者は、高円寺北口のニューバーグでヤケ食いし、実に寒々しく腹にメシを詰め込んだのでありますよ。なんでその辺の後始末の話は次回のレポートでな!

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No title

どうすればオレイオスとガチで戦って勝てるだろう?と考えるのですが。
マジックミサイルを使えるウィザード、ソーサラー 4〜5人でパーティーを組めば勝てるのではなかろうか、と。
まあ、オレイオス戦に至るまでのエンカウントが辛いだろうとか、相手がシールド使った瞬間に士気崩壊しますね、とか、ツッコミどころはありますが(笑)

No title

2回ぐらい殴ってhpを削ってからからスリープで良い目を出すぐらいしか私は思いつきませんでした。眠ったご主人を見て起こしに行く理知的なスケルトンがいたらオレは怒っていいと思う。
距離的にオレイオスの登場直後に殴りにはいけなかったろうから、恐らくマジック・ミサイル頼みになるでしょう。
そういう戦法ならソーサラーが二人いた我々のパーティ構成も間違いではなかったのか……どっちにせよそんな極端な戦法を取らざるを得ない敵を出すなってハナシですけど……
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頑張りましょうと言えないのがとても残念です

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