D&D4e余話#178~D&D Encounters『死の国サーイ』第十回レポート~

抽出の大伽藍…
 破滅の迷宮の中でも、最も魔力の集中する場所といえば“抽出の大伽藍”であろう。
 ザスタムの最も信頼篤き者だけが立ち入ることのできるこの場所では、より強大な魔力を得るための儀式が日々行われているという。その重要性故、“抽出の大伽藍”はポータル化されており、通常の世界とは切り離され、容易に接近を許さないのである。
 部外者であれば秘門の鍵に加えて迷宮内に囚われているエンジェル、ルマリアの助力、そして大伽藍を守るレッド・ウィザードの命までも必要とする、それはもうキャンペーン一本分に匹敵する手間を要求されることは間違いない。ひょっとしたらザスタムの腹心でもうっかり間違えて入れなくなるんじゃないかと心配になるぐらいである。
 なお海と大地の狭間にあるというバイストン・ウェルのナの国で使用されていた旗艦は、この“抽出の大伽藍”の知識が地上人によって伝えられ、オーラ力を集積するオーラシップにふさわしいと評価されて、威厳さや壮大さを示す「グランド」と「伽藍」を組み合わせて「グラン・ガラン」と名付けられたという説がある。
 民明書房刊『世界のネーミング・意外なる関係』より

 二つの鍵を手に入れ、今こそ大伽藍へカチ込みだ!
 報復に燃える俺たちを、ゴーレム開発チームが送り出す。
一応、素通りさせたわけじゃないことを示さないといけないから……
 と、形だけの警報を鳴らすので早く立ち去りなさい、と促してくれる、うむ至れり尽くせりの対応です。やっぱり無邪気なロボヲタに悪い人はいないな(“無邪気な”は非常に重要な枕詞です。コレがない場合は保証しない)。あ、是非もう一度ゴーレムの実験台になってほしいからですか、そうですか……。
 というわけでさらばロボット研究所よ、必ずここへ帰ってくると笑顔で答え、戦う男の燃えるロマン、今我々はサーイの運命を決するべく旅立つのです。最早おなじみとなったゲートをくぐる時の、一瞬視界が真っ白になる感覚……それが終わった時、我らの前には見慣れたゴーレムと、研究者たちが立っていた
あれ!? 早いな。もう終わったの?
 これでホントに終わったら、TV番組の打ち切りよろしく4eの展開上で何か不祥事があったんじゃないかとかハズブロとの関係が悪化したんじゃないかとかスタッフのギャラ交渉がうまくいってないんじゃないかとかいらん心配をするところですが、もちろんそんなこたぁない。
 鍵からルマリアの「勇気ある者よ、すぐに大伽藍へ行けるわけではないのです」という警告の声が響く。大伽藍は破滅の迷宮の中でもなんぞ起きるとクリティカルな箇所故、ポータル化して物質界とは切り離されているのだ。ザスタムへの真に忠誠篤き気狂…もとい部下でなければ入り込むことはできない。しからば、鍵に込められたルマリアの命の一端に、より強い力を込めねばならない。まさに寿命を縮めるこの挺身によって、ついに大伽藍への道は拓かれた。

 凄まじいエネルギーを放つ六本の石柱の石柱の立ち並ぶフロアに、我らは転送された。久々のサイランナからの通信もノイズ混じりで判然としていない。
ザー…そこは危険です…ザー…くれぐれも…ザザー…気を抜かぬように……
 言われなくてもわかってるっちゅーねん。敵の中枢にカチ込みに行ってあー心が安らぐなぁ~とか言える奴がいたら…かえって心強いかも。いやそんなことよりもっと具体的なアドヴァイスとか支援策とかくださいよ。もっとつっこんで言うとマジックアイテムとかマジックアイテムとか経験点とか
 残念ながら早々に通信は切れてしまったので役に立つ小話とかは無かった。まあラスボス疑惑がいまだまとわりついてる輩だし、あんまりアテにするのも危険だろう。でも、せめてエネルギーの正体ぐらいは教えてもらえると助かるんだけどなぁ……結局<魔法学>で調べることになったし。
 石柱の中で、三本は清浄な力を、三本は禍々しい力を放っている。と、それぞれの石柱のエネルギーが人の姿を象り、我々に話しかけてきた!
「「「汝らは選ばれし者、我々の誰に従うや?」」」
 ここは技能チャレンジで、成功すれば善の力=ボーナスを、失敗すれば悪の力=ペナルティを受けるという寸法。悪の枢軸みたいな破滅の迷宮にこんな施設があっていいのか、と思うがD&Dの神様はけっこうバーリトゥードだからな
 各々決戦を控えて気合い入れてガチャピソチャレンジするが、運悪くリキさんが失敗してゼヒーアの懲罰、戦術的優位を得てダメージを与えた場合、[毒]ダメージを被る呪いを受けてしまった……て、アンデッド化したリキさんは[毒]への完全耐性を持っているのであった。すごいぞアンデッド。
 ここで再びサイランナからの通信。
そのエリアにいるレッド・ウィザードを信用してはなりません。ザスタムが信頼を置いている、狂えるウィザードしかいません
 言われなくてもわかってるっちゅーねん。そもそも今まで出会ったレッド・ウィザードなんてどいつもこいつもキチ×イばっかりで、信用できそうな連中なんて、ゴーレム研究所ぐらいしかいなかったし。第一、俺はアンタもラスボス候補から外しちゃいないからな
 さていよいよやってきた大伽藍、真紅に覆い尽くされた床の上に立つ巨大な台座には、巨大な魔力が集積されている。その前にいるのはあの男、一話でハダーが連れてきて速攻で裏切りやがったサーイ再生党のメネク=アリズ!
よくぞここまで来たな……だが、その狼藉もここまでだ。そして、貴様らを片づけたこの私はこの若さでザスタムの腹心へと昇進できる!
 若いのか? というツッコミはさておいて、てめぇやっぱりザスタムの犬か! と憤慨するも、彼はサーイ再生党としての使命を忘れていないらしい。ザスタムの支配を覆したいのはヤマヤマだが、それにはあまりにサーイ再生党の基盤は貧弱。ならばより大きな力を得るために、ザスタムに取り入るしかないじゃない! そういうワケで早朝バズーカと手を組んで我々をハメて、手柄を立てようとしたのだ。
 要するにザスタムを利用しようとして今NOW利用されてるってワケだな。というか、「いつか倒すために配下に甘んじる」と豪語するって、なんかこの人に通じる情けなさを覚えるなぁ。
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 それが本心かどうかとはおいといて、コッチとしても第二話以降ついに待ち望んだ瞬間が訪れたのだ手前の脳天にモールを叩き込んでやれる日を、幾度夢見たことか! この裏切り者がぁ!
 なお、ネメク自身は暴れ役……ウィザードで暴れ役とはちょっと意表を突かれた。新しいかもしれない、暴れん坊ウィザード。また周囲にいるのは容赦なく戦術的優位を取ってくるオーラ持ちのマッド・レイスと、動けない状態にするドレッド・ナイト……まぁもういいですけどね。動けない状態にされて戦闘から除外されるのは慣れっこだから。それにしても、突撃PCに煮え湯を飲まされたのをよっぽど根に持ってるんだろうか。エッセンシャル以後を見てるとわからんでもないが。
 とかなんとかブツブツゆってたら、レオンハルトが怪しげなパワーを発動する。その名はメイズ・オヴ・ミラー、範囲攻撃で命中した目標を動けない状態にする。しかも妙なオーブの力まで借りて使用回数を復活し、ほぼ敵全員を動けない状態に。これによって遠隔攻撃を持たないマッド・レイスとドレッド・ナイトは沈黙。その間にメネクへ殺到する一同。でぇりゃおう、てめぇのせいで俺たちは第二話から超大型デーモンと戦わされるわスライムに襲われて全滅しかけるわゾンビになった人は出るわでなぁ! コ・ノ・ウ・ラ・ミ・ハ・ラ・サ・デ・オ・ク・ベ・キ・カ!
 しかし敵もさるもの、メネクはPCが使う無限回パワーとはモノが違うサンダー・ウェイヴでバリバリ範囲攻撃を仕掛けてhpを削ってくる。また、動けない状態を脱したマッド・レイスは例によって物凄いマスをシフトで移動してきて弱っている味方に追い討ちをかけてくるもんだから、見る見るうちに我々の回復力も消えていく。1ターン目こそマッド・レイスとドレッド・ナイトを無力化させてイケる! と思ったものの、こっちも回復力6回も使わされるほどの大打撃だったですよ
 しかし、その1ターンの差こそ命取り。フォイルのモール突撃やアーデルハイドの斬撃に強襲されては、我々の損害以上にメネクのhpもハイペースで奪われていく。特に直撃すれば5d12ダメージのアーデルハイドに接近を許したのは致命傷だ。その渾身の一打、ビートレス・フューリィのクリティカルを叩き込まれて轟沈するも、アーデルハイドはトドメを刺さずにおく。うむ外道相手にも一分の情けありか。
 残ったドレッド・ナイトとマッド・レイスはリキさんが足止めしており、メネク討伐を終えたメンツと合流し始末。ようやっと一話以来の因縁にケリがついた。
 やっぱり酷い遭遇を乗り切るには、それ以上に酷い事をするしかないという結論でした。

 生き残ったメネクは情けをかけられた上に虜囚の辱めに「くっ殺せ!」と言ってくるが残念ながらHAGEで顔面蒼白のオッサンじゃなぁー。あ、いやいや。
 この祭壇の先は経箱の保管庫となっているそうだ。どうやらサーイ再生党の情報もバカにしたもんじゃなかったようだな。しかし、そこへ向かうのは、我々の独力では足りない。欠けているものとは、この私の命だぁ! と、メネクは自害する。憎い奴であったが、思えばこのSeasonもコイツあってこそのものだったな。
 そして、奴の死によって、ついに経箱保管庫へのゲートは開くのであった。というわけで、次回最終回!



鏡のなかの迷宮〈1〉水の女王鏡のなかの迷宮〈1〉水の女王
(2003/07)
カイ マイヤー

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