D&D5e余話#172~5e翻訳決定~

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この話をした時の周囲の反応
 エイプリルフールになると民明書房的ウソ情報で人心を惑わす、ハタ迷惑な趣味を筆者が持っていることは既にご存知のことと思う。同時に割とそれが的中したりして焦った話は何度か書いた。
 が、今回の話は一度ウソ記事として取り上げようかと考えはしたものの、「D&Dクラスタの人に刺されたらヤダな」と取り下げたネタで、まあオレも「フライング・ソードやドラウを脅威度1/4でゴリ押したデザイナーが突然目の前に停車したバンから降りた男に機関銃で撃たれたとしても、オレは悼まないし不思議にも思わないよ」とか言ってるからさあ。まあそんなネタだったワケだから、このニュースを聞いてもまず現物を見ないと信じないタチであるし、なんせ朗報に踊らされてイザ待ちわびた時が来てみれば、血涙血尿の弩級憤怒、そんな少しだけ「希望」で喜ばせておいて、いざ最後に全てを奪い去って行くジョニィ=ジョースター的体験なんて数知れませんからな! アニメ化と聞いてドキワクしてたら謎展開で作品ごと壊沈せしめたとか! 時を越えた新作かと思ったらソシャゲとか!(ソシャゲでも金を出せばホントに新作が出るかも、という希望的観測に「金が稼げるとわかったらソシャゲを維持するだけだろうが」という返答は秀逸であった)。
 そんな風にモノがモノだけに、今回は慎重に慎重を重ね、警戒に警戒を張り、日本語版のニュースを見るまでは信じないフリ喜ばないフリをしてたですよ。だって
 5e翻訳決定
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 ね、こんな気持ちになったでしょ?
 日本語サイトのニュースはコチラ。英語サイトだと訳にいまひとつ自信が持てないのだが、流石にこうして自分にも読解できる言語で言われると信じないワケにはいかなくなった(余談ながらPF関連商品翻訳は日本語サイトで取り上げてないようだ)。
 今年は「ねえよ」と一笑に付してきたネタが次々と現実化してスゲエな。まさかオレの思考が現実化してる? とかディック先生調の危ない妄想が捗りますね。PFは現段階だとビギナーズ・ボックスとカードゲームだが、こちらはしっかりコアルール三冊+ビギナーズ・ボックスというアナウンスがされているので一安心。日本語のルールブックで人間のくそヴァリアントやキャリオン・クロウラー&アンバー・ハルク&ビホルダー様のD&D御三家を使えるとは感激だな! ちなみに二年前のエイプリルフールでは「5e翻訳か、ガープスが再び日本で覇権を握るよりは望みがあろう」などとやさぐれていたが、そりゃD&Dに失礼な話だったな! 実際2年で実現したんだから。というか二年前のオレよ、その確率は時間停止物のAVとまでは言わんが盗撮物のAVの本物率ぐらい低いと思うぞ。
 それにしてもこの方針の転換は一体? 英語圏以外にライセンスを下ろさないというあの初期の宣言はなんだったんだ。公式には今までとは違った、単なる翻訳だけでない品質の維持やコミュニティのサポートを探っていたと回答している。が、プロレス的思考をすると人生退屈しないという信条のオレとしては、もっと面白い理由の方が好ましい。「英語が公用語でない下等民族にライセンスなんて下ろせるか!」と現政権を先駆けた保護主義が発動したとか。売上が悪いのを英語圏以外に八つ当たりしたとか。経営者が変なカルトに染まってたとか(最近下ろされたのでやっと経営方針転換できた)。まあ単に反応を見てから多言語展開を始めようと最初っから考えていたか、もしくは手を広げるのに慎重だったんだろと思いますけど。PFのビギナーズ・ボックスが翻訳されると聞いてケツに火が付いたとかだとちょっと面白いな。
 日本語版のパートナーは現在未発表ですが、これでホビージャパン以外だったら、ホビージャパンもちょっとは怒っていいと思います。仮にそうなったら、どんな事情があるのか知らんが、3eから続いてきた縁故に通すべき仁義を無視ってもんがあるでしょう。牛のクソにも順番ってもんがあるんやで!
 まあめでたい席なんだからそんなゲスイ勘繰りは置いとこう、D&DとPF言うなればTRPGのGI砲が結成されたようなモンなのですから!(DP砲?)
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 日本中のd20戦士たちがこんな感じで拳突き上げ怒号を挙げて東京ドームを揺るがしてる筈さ!
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 本番中にも関わらずタレントの関根努(45歳)さんも大興奮さッッ!
 それもこれも、ライセンスが下りないのがなんぼのもんじゃいとD&Dを愛好してきた方々の地道な活動の結果、その努力に敬意を表しますです(ふかくふかく頭を下げる)。
 盆と正月がいっぺんに来たどころかレア武具で【ビキニアーマー】を引き当てたが如き大変動の2017年、こりゃ東京オリンピックとAKIRAを待ってる場合じゃないぜ! こいつぁ2017年がd20新年になるかもしれんで!?
 5e翻訳決定おめでとうございます!
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We are Pathfinders!#260~覚えておくとちょっと便利な計算式~

 PFの各種計算式は割とシンプルなのだが、算出法はモノによってはデカデカと載ってないので、パッと出なかったり忘れたりしがち。まあその都度prdj@ウィキを見たりCRBや3eを引っ張り出したり(これはオレだけか)すればいいのだけれど、暗算でできればそれに越したこたぁないよね。
 てなわけで、今回はPFで出てくる各種数値の算出方法のミニ特集。小数点が出た場合、全て切り捨てです。

・基本攻撃ボーナスの算出
 良好な基本攻撃ボーナス…クラス・レベルに等しい
 平均的な基本攻撃ボーナス…クラス・レベル×3/4
 劣悪な基本攻撃ボーナス…クラス・レベル÷2

 良好と劣悪の基本攻撃ボーナスはすぐに割り出せるけど、平均的な基本攻撃ボーナスは必ず一度は「ん?」とひっかかるだろう。これは算出に3/4という数値を使っているため。なんや中途半端な数やなぁ、と思うかもしれないが、良好が100%、劣悪が50%と考えればその中間の75%=3/4ということで納得してもらえるんではないか。忘れた場合は、20レベル時に最大攻撃ボーナスが+15なのを基準に思い出すと良い

・基本セーヴの算出
 良好なセーヴ…2+(クラス・レベル)÷2
 劣悪なセーヴ…(クラス・レベル)÷3

 御覧の通り、劣悪なセーヴは最終的に18レベルで+6になって以来ピクリとも伸びない。ウソだと思うんならprdj@ウィキで適当なクラスのデータを開いて確認してみてほしい。あー、旧モンクのデータを見ても参考にならんので注意するように。で、この事実を知れば、劣悪なセーヴがいかに成功しないかはワカっていただいたと思います。18レベルでさえ6+能力値ボーナスですぜ? まあ良好なセーヴとて所詮2レベルにつき+1しか伸びんのですが。
 つまりセーヴというのはそうそう成功しないもんであって、コレを克服するにはガチ組みするか、キレイサッパリ諦めてダイス目に身を任せるかだな!(前者は大体実現しない上にダイス目に振り回されて失敗し、後者はほぼ確実に破滅的悲劇に終わる)

・呪文の修得レベル
 早い…呪文レベル×2-1
 通常…呪文レベル×2
 遅い…1+(呪文レベル-1)×3
 非常に遅い…呪文レベル×3+1

 術者が、呪文スロット○○レベルの呪文を何レベルに使えるようになるか? の計算式。「早い」はウィザード・クレリック、「通常」はソーサラー・オラクル、「遅い」はバード・サモナー(6レベル呪文までしか使えない)、「非常に遅い」はパラディン・レンジャー(1レベルから呪文が使えない)が代表例。
 「遅い」はちょっと回りくどいんで、単に「3レベル成長するごとに1つ上の呪文が解禁」でいいかも。
 ちなみに、5eでは術者クラスの殆どが「早い」の呪文レベル×2-1に統一されている。

・呪文に関する各種ルール
 呪文セーヴDC…10+関連する能力値ボーナス+呪文レベル
 精神集中…1d20+術者レベル+関連する能力値ボーナス
 防御的発動DC…15+呪文レベル×2
 呪文抵抗を破る…1d20+術者レベル

 これは“魔法”のルールに一括して掲載されている。その中から、使用頻度が高そうなものを抜粋。
 意外な事に、呪文セーヴのDCに関しては術者レベルを参照しない(3eから気になっていた)。術者としての腕前は能力値ボーナスのみが反映されるということになる。……まあ、呪文レベルが1伸びればDCも1伸びていくから、この上天井突き破られてたまるか、と言われたらその通りですけど。
 精神集中というと懐かしいなぁ、その昔は〈精神集中〉という技能があって、【耐久力】ボーナスを使ってたんですよね。おかげで術者が一に関連能力値、2に【耐久力】、うっかりすると前衛よりタフで(だから【耐久力】が下がる上に【知力】も伸びないエルフは適性クラスがウィザードかよ、などと失笑された)、何は無くとも毎レベル〈精神集中〉に技能ランク振っとけなどと言われたものです。恐ろしい事に3.5eでもこの仕様継続していた
 PFでやっとこさ是正されたが、同時にシレッと防御的発動DCが呪文レベル×2になっている(3.5eでは15+呪文レベルだった)ので、かなり困難な印象。術者レベルの低い内はもちろん、レベルが上がってからも《戦闘発動》抜きで成功させるのは難しい。

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クトゥルフ神話TRPGヨタ話#86~少しまじめに考える戦闘システム・ハウスルール編~

 基本的なルール・技能編と二回にわたってお届けしたクトゥルフ戦闘ルール、既に
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 空気が漂っているっちゅうか、普段の数倍の分量の記事を書いた気がするのだが、なんかクトゥルフの戦闘ルールのダメっぷりはあまねく知れ渡っているんだから、あんなに苦労しなくとも別に良かったような。いや自習的な意味で書いたんだからいいんだ、うん。
 で、マトモに回そうとしても回さないってことがワカった(嗚呼苦労に全く見合わない結論)ワケで、じゃあそれをどうするのかと問うならば、TRPGにおいていやさ万事に共通する格言、「無い物は作れ」。素晴らしい金言だな! マイナージャンルのエロ同人が無ければ自分で作るのが一番手っ取り早いのは、地続きの業界だけに皆様よくご存じでしょう! いやいくら地続きでもマイナージャンルのエロ同人はなかなか描かねえか。
 そう、このズブズブな戦闘ルールに我らがすべきことは、マトモに回らないなら、回るように改造すればいいじゃない! TRPGというかルールのある娯楽として色々間違ってる気がするが、実際素直に回すとようけわからんことになるんだから仕方がない! なあにもうちょっとまともに動くがユーザ各自の思惟の入る余地が物凄く多いT&Tというシステムだって立派に商売成り立っている!
 予告通り、今回は筆者がクトゥルフの戦闘を扱うハウスルールの話。公式見解でもなければ、他所のレギュレーションではまったく通じない話なんで、話半分もしくは都合のいいところだけを摘んでいく程度の気持ちで読んでくだち!

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クトゥルフ神話TRPGヨタ話#85~少しまじめに覚える戦闘ルール・技能編~

 前回さんざなんだこのズブなシステムはとかこれでよくもベーシック・ロールプレイング・ゲームと名乗れたもんだとかそれにつけても金の欲しさよとかディスったクトゥルフの戦闘システム、これ以上掘り進めても「各自でハウスルールを作って回さないと話にならん」と う結論に落ち着きそうな空気がふんぷんとしているのだが、始めちまったもんは仕方がねえ。そう、クトゥルフの戦闘ルールは前回押さえた基本的事項だけでなく、戦闘に関わる技能それぞれにも個別のルールが記載されているのだ! だからそういうことは戦闘ルールに包括しておけよ!
 早くも怒りのあまり歌舞伎揚げバリューパックを一袋空けてしまいそうな険悪ムードが漂ってきてますが、そんな既に敗北感たっぷりのクトゥルフ戦闘システムおさらい記事、今回は戦闘関連技能特集60分一本勝負だヨ!

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クトゥルフ神話TRPGヨタ話#84~少しまじめに覚える戦闘ルール・基本編~

 故あってクトゥルフのルールを再確認している時、ふと「そういえばオレまじめに戦闘ルール読んだことねえな」と思った。
 本当に読んだこと無かった。まじめに戦闘する気が無かったから。
 護身用に銃ぶっぱなすとか空手蹴りするとかならともかく、KPから戦闘ルールを読み込んでいないと生き残れないほどのガチンコファイト倶楽部を挑まれるというのは、それは探索者のシナリオ的敗北だろうという古い考えが染み付いたウサミン世代なので。確かにKGBもといその前身のチェーカー相手にドロップキックで飛び回る大ハシャギをしたこともあるが、ありゃ若気の至り(あと装甲をもらえたし)であり、クトゥルフのシナリオってのは頭脳パズルで、足で稼いだ情報をひらめきで組み合わせれば必ず道は開ける! というのが基本的方針は今でも疑っていない。まあその割にオレが参加するシナリオはなんか独立種族に引っかかれたり狂人に銃で撃たれたり狂人が操った味方に銃で撃たれたりとやたらと物理的戦闘を強要された記憶ばかりなのだがな!
 とは言えいつまでも仲間内のゆるゆる裁定に与えてルールを疎かにしていると、いずれ来る全てをTRPGで解決するホビーアニメ的な世界において脱落し、ひとりジャパリまんを食い損ねるフレンズに落ちぶれる危険性も否定できない(もう言ってる方もわけわからん)。ここはひとつ卒業シーズンであることだし心機一転、少しはまじめに戦闘ルールを把握してみるか、とルールブックに手を付けた。
 手を付けたんだけど、本当にクトゥルフのルールブックって戦闘ルールパート少ねえのな
 およそTRPGにおいて戦闘というのは重要なファクターであり、それが占めるルールブックの割合というものは結構なものとなる。D&DやPFなんてそれだけで一冊の本が……とは言わない(考察や分析を含めるなら楽勝)が、小冊子一冊ぐらいはできそうな分量があるし、読めば読むほど新しい発見がある。オレ戦技を試みる前に機会攻撃でダメージを受けたらダメージぶんのペナルティを受けるなんてこの間初めて知ったよ。いやそもそも機会攻撃受けるような状況で戦技しなかったからさあ。大抵GM側で《(戦技)強化》持ってる奴ばっか使ってたから。
 対して、クトゥルフの戦闘ルールは6ページで終わる。そのうち4ページはスポット・ルール、さらに細かく見ると4ページ中2ページは火器のスポット・ルール。銃器の携行が許されていない現代日本だとまるで見ない可能性もある。見開きでルールがまとまる番長学園!! もなかなかに衝撃であるが、これでベーシック・ロールプレイング・ゲームを名乗るケイオシアムのふてぶてしさも相当なモンである。みくは〈頭突き〉がキャラクターシートに最初から印刷してあるシステムはベーシックではないという意見を曲げないよ。
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曲げない前川
 なんか記事にするほど熱心に読み返さなくてもいいような気がするけど、なんせ今ナウでイマいヤングに大人気のクトゥルフ、あたしもクトゥルフの戦闘ルールを把握して一人前の探索者になったるばい、ととんでもハップンする博多女子も見ているかもしれない。方言で喋る女性キャラを見ると興奮する性癖の筆者としては方言女子とエンカウントのチャンスを逃すわけにもいかないので、ここはひとつ本気(まじ)モードで戦闘ルールを再確認してみた。それに、戦闘ルールの記述こそ少ないが、実は〈回避〉や〈組みつき〉は技能個別の解説に重要な事柄が記載されているので、実際に把握せねばならないルールは見た目以上に多いのだ(この記述の散逸っぷりは何とかしてほしい。7版で直ってるといいネ)。

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We are Pathfinders!#259~ハローMr.Unchained 変更版マルチクラスのススメ~

 変更版マルチクラスの仕様は以前述べた通りなんで、今回はそれを活用したビルドの話を。
 まず真っ先にオススメするのはキュア系が任意発動可能になるクレリック、3レベルで領域特典まで獲得できてゲバゲバ30分と言いたいところだが、個人的にまず推したいのはバード。これを搭載して〈知識〉判定全般に対応しようというものだ。未収得判定不可の技能を出来る限り減らしたいというのはパスファインダー協会員として当然の備え、
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 なんて会話が交わされるゴラリオンにてクリーチャー識別を落とさないのは生死を分ける判断力であるが、なんでかPFというシステムはクラス技能で〈知識:すべて〉の輩に限って技能ランクが2点だったりする(インヴェスティゲーターみたいな例外もいはする)。故に〈知識〉を分担するのは自然な流れであるのだけれど、分担することすら困難な技能ランクとアーパーばっかしというのも割とあり得るパーティ構成(ファイターとかパラディンとか)。そうでなくても〈知識〉はむっちり10種類にも及ぶため、これらを安定した技能ランクで判定するというのは難しい。また、〈知識:歴史〉のようにクリーチャー識別に使わなくても汎用性の高いものもあるので尚のこと割り振るポイントには頭を悩まされる。
 この辺の悩みが二次クラスでバードを仕込むと、3レベルで“バードの知識”が降ってくるのでパパーと一挙に解決。例えポイントを振っていない〈知識〉でも判定可能になるし、キャラクター・レベルの半分が判定に加えられるので、ポイントが散ってしまっていてもそこそこの固定値は確保できる。ウィザードなんかが《イニシアチブ強化》と《戦闘発動》さえ押さえておけば最低限の仕事はしてみせる、と割り切ってくれるならこれで〈知識〉担当は万全。
 二次クラスの特徴が無駄になりづらいのも、バードを推奨する理由。“勇気鼓舞の呪芸”を獲得してから2レベル後(9レベル)ですぐにボーナスは+2に上がるし、“武勇鼓舞の呪芸”も獲得時点で3人に効果を及ぼすことができる(19レベルで獲得するため、15レベル・バードとして計算される)。“万能なる芸”がちょっと浮いているが、関連する技能2つの再訓練を自由にしていいという裁定に、背景技能の導入がなされると途端に外道な事をし始める。今までろくに使ったこと無かった〈軽業〉をキャラクター・レベルと同じランクで機会攻撃範囲を抜けるのに使い出すとか。
 属性を問わずに激怒しまくるというのは先生感心しないのだが、ババリソを仕込んでおけば確かに接近戦能力は向上する。激怒以降の二次クラス特徴もいずれも強力なもので、特技1つぶんの働きは保証してくれる。“直感回避”まで付いてくるのは少々やり過ぎ感すら漂っている。まあ、ACの低下と伸びた【耐久力】のバックファイアはゆめゆめ忘れなさるな。
 最初に触れたクレリックの二次クラスはキュア系任意発動不可のクラスが仕込むとみんなに喜ばれるが、7レベルの時点で得るものがエネルギー放出1d6と死ぬほどショボイのが実に悩ましい。一応、11レベルになるとキャラクター・レベル-4のクレ公になるので、やっと4d6と使い物になってくるが、戦闘中の使用に必須である《選択的エネルギー放出》を取るチャンスは変更版マルチクラスの仕様故これまた悩む。ちうかただでさえ特技が少ないのにそれを《選択的エネルギー放出》にアテてしまっていいものか。ウィッチは《呪術追加》など取りたい特技も多いから、敢えて垣根の魔女のような任意発動可能なアーキタイプを優先する、というのも手である。低レベルの間に限るとキュア系を好きな時に使える安心感は言うに及ばず、3レベルで領域特典も付いてくるからまあ解放の領域っつっとけばいいんじゃねえの(投げやり)。あと、領域特典はキャラクター・レベルを有効クレリック・レベルとして扱えるが、【判断力】準拠のやつもあるんでそこんところは注意。解放の領域にゃねえけどよ。
 少々変化球になるが、実は前衛クラスがソーサラーを選ぶというのもアリ。異形と運命の子の血脈の力は前衛クラスが使用しても問題ないし、あまり【魅力】を問われないのも○。“長き腕”はそもそも前衛向きの能力と言える。《物質要素省略》の代わりに選べる血脈特技も、実は前衛向け特技も少なくないのだ。11レベルで獲得する、血脈で貰える耐性やセーヴ向上もエラく強い。ただ、血脈の1レベルの力はオマケ(ばっちり【魅力】が関わる)程度なので、真価を発揮するのは7レベルから、と少々遅め。
 ローグは3レベルで“罠探し”を獲得できる、と見て「おっ」と思ったものの、魔法の罠解除目当てなら1レベルローグを普通にマルチクラスした方がいいような……急所攻撃もすぐに付いてくるし。ただ、“罠探し”のボーナスは変更版マルチクラスの方が活用できる。“罠探し”の能力そのものより、目当てにすべきはこっちだな。
 今回取り上げたのは、クラス独自の持ち味を活かしていると感じた変更版マルチクラスで、他はそうした能力の獲得が遅く、かつかんなり限定的な効果というものが多い。変更版マルチクラスを実感するのは7レベルから、さらにそれが実践的になるかどうかも技量と工夫が求められる。ウィザードの“秘術の発見”を取得なんか悪さできそうなんだけど、遅いんだよなぁ、とにかく(15レベル)。サモナーの幻獣なんか獲得は7レベルで有効レベル-4に進化ポイント半減、サモン・モンスター擬似呪文能力でないと呼べない、と意地でも戦力にさせへんで、という強い意志を感じる。せめてサモン・モンスター擬似呪文能力の使用回数に余裕があれば、耐性の多い使い魔みたいに運用出来たんですがねぇ(小型の幻獣という選択肢も活用できたのに)。一方ドルイドは7レベルまではしょっぱいが11レベルになると完全にキャラクター・レベルを反映した相棒を持てるようになる。動物ならあまり変な事をしないという思惑だろうか?
 まー余計な寄り道せず他のクラスの特徴を黙ってても取得できるんだから、あまり贅沢は言うめぇ。使い勝手の優劣に限らず、変更版マルチクラスの真価は「キャラクター・レベルを二次クラスのクラス・レベルに適用できる」ところにアリ、と思うので、ここらへんに活路を見出したい。

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We are Pathfinders!#258~Monster Codexがあらわれた! ノール編~

 脅威度詐欺のクソモンスターが横行するTRPG界において、ノールは大抵脅威度相応のイイ奴と思ってきましたが、MCのババリソのアーキタイプを見てやっぱりあんな怠惰で傲慢で残忍外道なハイエナ野郎どもは絶滅させるべきだと考え直しました。
 ちゅうか暴力的で残虐で自分以外を食料としか思わず労働なんて大キライ、てなクソ野郎がD&D系列には多過ぎてぱっと見キャラ被りも甚だしい。そこでノールみたいなハイエナ頭とか強烈な外見で個性付けてるのも上手い所だけど、MCみたいに詳細な記事を読み込んでいくと同じクソ野郎でも方向性が違いとワカって面白い
 特にMCは種族独自の行動原理の表記にセンスがあって(トロルは家族、サフアグンは社会とか)、ノールにとっては
・自分より弱い→餌
・自分より強い→狩るに十分に強い
・群れに属さない奴→動く肉

 という極めてワカりやすい他者認識を持つという。
 また、もうひとつのキーワードは“群れ”で、狩りの相棒ハイエナ同様に群れによる戦術を得意とする。獲物を発見しても急がずゆっくりと取り囲み、追い詰め、嘲笑い、疑心と恐怖と疲労で戦えなくなったところを一気に血祭りにする、そんな気長な戦術が取れる種族である。【知力】ひとケタの分際でよくそんな戦術を理解できんなあ。いや野生的な【判断力】でなさしめているのか。
 そんな群れ戦術をフューチャーしたのが冒頭で触れたババリソのアーキタイプ、集団激怒者チームワーク特技を30フィート以内の味方全員に与えるという吐きそうな能力を持つ。ね、絶滅させたくなるでしょ? 言うても解禁されるのは7レベルからだし、それまで味方に一緒に取ってもらったチームワーク特技がちょっともったいない気もするけど、そのうち2つ3つ与えられるようになるからいいよねそのぐらい。5eのパック・タクティクスはこのぐらい連携戦闘らしい連携をしてみせろと説教したい
 ちなみにダメージ減少が無くなるのが地味に痛い。激怒パワーが激減りするのはすごく痛い
 ブーダはウィッチのアーキタイプ。アーパーのノールに【知力】準拠のウィッチなんかできんのか、と思いきやノールの女性は大抵男性より大柄で頭もよく、一族のリーダーを務めるそうな。トロルといいゴラリオンの異種族は女系社会が多いのね。ブーダはそのようなリーダーに助言者として仕えている神秘の力を秘めたウィッチというワケ……別にウィッチというクラスは女に限らない、てな話はこの際いいっこなしね。クソ野郎のノールのウィッチだけあって悪属性限定という制限がある。
 専用呪術のブーダの目はAC、能力値判定、攻撃ロール、セーヴィング・スロー、技能判定のいずれかにペナルティを与える。8レベルでペナルティが-4になるのもキツイが、さらに1日に1回2つのペナルティを与えられるのがエグイ。効果としては邪眼の上位互換だが、邪眼があるとペナルティを与える対象が1つ増えるため、後述するブーダの例でもばっちりセットで取得している。またダイア・ハイエナ(もしくは普通ハイエナ)に変身でき、その間スピーク・ウィズ・アニマルのようにハイエナと交信できるというドルイドっぽい要素も持ち合わせている。
 群れの戦術を押しているだけあって、種族特技はなんと五個中四個がチームワーク特技。これには集団激怒者もウッハリ。それでいて《追尾》が前提の《協調位置替え》や武器落とし失敗に続けてさらに武器落としを行う《連携武器落とし》というシブさがたまらない(《協調位置替え》は訳がバグっているのだが、正しくは「この特技を持つ味方が、君が機会攻撃範囲内に収めているクリーチャーを機会攻撃範囲に収めており、かつ5フィート・ステップをした時に自分も割り込みアクションで5フィート移動できる」かな)。ただし前提が攻撃ボーナス+9に噛みつきと重いだけに《挟撃噛みつき》即行アクションで噛みつきをカマしてくる恐るべきラフファイトっぷり。こんなチームワーク特技持ってる一団がノールの標準戦力なら覇権種族入り待ったなしだが、そこは基本攻撃ボーナス+9、ちゃんと脅威度というものをわきまえた連中ですからな。噛みつきは《噛み千切り》で取得可能。頭が肉食獣だけに、主要攻撃かつ1d6ダメージ、と並の中型人型生物の得る噛みつきより一段階ダメージ・ダイスが大きい。
 どこにでも住んでいる、それこそトリンタン村から大樹の大要塞、浮遊城まで出張するフットワークの軽い種族であるが、ノール本来の住処は熱砂の不毛地帯。ノールの魔法のアイテムは、そんな過酷な暑熱と砂塵から生き抜くためのサバイバルキットになっている。ハイエナ・ショールは着用していると砂嵐に視界を遮られなくなり、嵐で非致傷ダメージも受けなくなる。さらに、不快な笑い声によって聞いたものを恐れ状態、セーヴに失敗しても1d4ラウンド怯え状態に陥れるいやらしい特殊能力付き。獲物を不安に陥れる嘲笑も、コレが一因で語られるようになったんではあるまいか。ハンターズ・ノーズ・リングは文字通り鼻輪。着用者に鋭敏嗅覚を与えると共に、獲物を追跡する判定にボーナスを与えてくれる。プラチナが編み込まれているためか、妙に高い(10,000gp)。まあ、技能2つに+4ボーナスと鋭敏嗅覚となればそのぐらいはするのかもしれんが、10,000gpの鼻輪かぁ……うーん。
 何かとノールと縁のあるグレムリンのバグワンピ(Bestiary2掲載)の生皮を使ったバグワンピ・ブレイド(刃のBladeではなく紐のBraid。MTGのガロウブレイドと同じ)は1分間の間副種別(ノール)以外全てのd20ロールを2回振って悪い方を選ばねばならないというかなりサイテーなオーラを放つ災厄のおまじない。バグワンピをノールは毛嫌いしているのでそりゃあガンガン素材にするために始末されていることでしょう。幸運ボーナスがあれば無効化できるためノール討伐の際にはクレ公に豊富にディヴァイン・フェイヴァーを用意させたりするのであろうな。
 野生的な種族ながら戦術に長けるためか、ノールの例におけるクラスは案外幅が広い。またD&Dならイーノグフ、ゴラリオンならラマーシュトゥのように異形の神への信心深いだけあり、信仰系の例も多いのが特徴。
 ノールの蛮族はバーバリアン。ノールの激怒狂(バーバリアン/集団激怒者2レベル、脅威度3)は激怒で上昇した【筋力】によるグレートアックスと噛みつきの複数回攻撃が持ち味だが、チームワーク特技は《協調位置替え》というシブさが光る。その上位種はノールの群れの長(バーバリアン/集団激怒者8レベル、脅威度9)。パックロード! 5eにも出ていたパックロードじゃないか! あっちでは割とフトゥーの上位種だったがババリソ8レベルと気合入ったクラス・レベルだけあって《挟撃噛みつき》がばっちり火を吹く。これでノールの激怒狂なんかを連れ回されたら手が付けられん。が、思ったほどチームワーク特技を取りまくってないところにやはり奥ゆかしさが感じられる(他は《連携武器落とし》《連携武器落とし強化》だけ)。《追尾》はあっても《協調位置替え》取ってないし。
 天性の狩人であるノールにとってノールの遊撃兵はごく自然なサンプル、当然クラスはレンジャーってノールの乱暴者は違うじゃありませんのん!?(ファイター1レベル/ローグ1レベル、脅威度3) それも乱暴者て! 確かに遊んで撃ってそうだがそういう意味ぢゃないと思う。などとつっこみつつも、戦い方は《強行突破》による斬り込みや足留め袋など乱暴者にしては小回りが利き、しっかり遊撃役を務めているやり手デアデヴィル・ブーツなんてものを用意しており、〈軽業〉のすり抜けもかなりの腕前である。例え判定ペナルティを受けない物もあろうと鎧を着ないところは流石空気を読める畜生ノールの用心棒は今度こそレンジャー(9レベル、遊撃兵アーキタイプ使用、脅威度10)。腕っ節が自慢のノールながら、弓術スタイルであるところに群れの戦術に本領を発揮する性質が表れていると言えよう。砂混じりの風の中を見通す巧妙な射撃支援攻撃で仲間を援護し、《機動射撃》で撃っては逃げ、隙を見ては《速射》してくる、こんな狩人を相手にしてたら疲労とストレスがマッハである。
 ノールの戦争指揮官ノールの軍曹もレンジャー(3レベル、脅威度4)。戦闘指揮官というからには、もう1レベル伸びたら仲間との絆を持っていそうなのだがちょっと間に合わなかった。それにノールに「仲間」との「絆」というのも、な。こちらも弓術スタイルで、やはりノールの恐れるべきはSOMに倣って弓か。クセのない《速射》メインの射手ながら筋力】等級4などとどえらく上等なコンポジット・ロングボウを持っている。砂漠に来た冒険者とノールの軍曹の間では熾烈なコンポジット・ロングボウの奪取戦が発生することであろう(高いし)。ノールの副官はファイター(5レベル、脅威度6)。ただでさえ技能ランクがくそなファイターの上に【知力】6、その全てを結集した《威圧演舞》で敵の士気をくじくマイトガイだ(見よ技能の〈威圧〉のみという侠らしさ)。筆者もこれには直に出会ったことがあるが、敵で使われると[精神作用]の効きづらさや相手のHDの高さを大して気にしなくてよく、大抵のPCの士気をヘシ折る恐るべき効果を発揮するのだ(だって固定値で6レベルの【判断力】ボーナス無しのPCの士気をくじけるんだぜ)。なおそん時筆者はゴブリンだったんでいやあ士気が折られに折られまくったぜ。おしっこちょっと出た。
 前述したようにラマーシュトゥの信徒であるノールは信仰系クラスにも縁がある。ノールの信奉者がそれ。ノールのクレリック(クレリック4レベル、脅威度5)は欺きと力の領域を授かっている。混沌にして悪だけに負のエネルギー放出であるが《選択的エネルギー放出》なんて持っちゃいねえ。隣のノールもお構いなしに餌食にするのだ。そもそもキュア系呪文を任意発動できなければ準備すらしてないので癒す気まるで無し。ノールの強奪者(アンティパラディン10レベル、脅威度11)は善を討つ一撃&《クリティカル強化》ヒューマン・ベイン・ファルシオンという激アツな殺戮者だが、実はイケメンというほどではなくややイケ(【魅力】13しかない)ぐらいで、善を討つ一撃による攻撃ボーナス上昇は+1のみというあたりにやはりそこはかとない控え目さが(そろそろ表現する言葉が無くなってきた)。
 階層構造の指揮者である選ばれし者もクレリック(11レベル、脅威度12)。実は選ばれし者と大層な名前が付いている割にノールのクレリックのレベルが上がっただけで、劇的に変化した感は薄い。てゆーか神に選ばれたと自称するぶんざいで並クレリックと【魅力】が同じというのはいかがなものかヘッドバンド・オヴ・アリュアリング・カリズマ+2でやっと14)。まあ11レベルまで成長した実績と、《エネルギー放出強化》より《選択的エネルギー放出》を取る判断力が選ばれし者の所以か……。
 助言者ながらノールの例の最上位がノールのブーダ(ウィッチ/ブーダ12レベル、脅威度13)。ブーダの項で触れたように、邪眼ブーダの目を両方修得しているところにデバフ要員としてのやる気まんまん。これらでセーヴを下げてやったらクラウド・キルスティンキング・クラウドで一網打尽だ。他の呪文もバングルビストウ・カースを筆頭に盲目状態にするやつが2つもあったりとデバフの本気に抜かりはない。なお、秘術呪文はノールにあまり縁がないそうで、秘術クラスの例はブーダのみ。種族呪文も存在しない(信仰呪文ならあってもよかったような)。
 ノールの亜種ではこれまた5eにも出演していたフリンドを紹介。5eみたいな変な特殊能力は持っていない、純粋にノールのアップァーバージョン(脅威度も3)であるが、緻密な交配によって生まれた独立した種族という背景を持つ。種族アイテムのフリンドバーは文字通りフリンドが愛用するヌンチャカ。武器が整理された5eではただのフレイルであるが、珍妙な武器データが豊富なPF、こっちは軽い武器ではないが足払い特性に[殴打]および[刺突]に対応する独自性を持つ。まあフリンドは《足払い強化》も《武器落とし強化》も無いのだが、そこでノールの群れの長が《連携武器落とし強化》を提供するワケか。軽い武器じゃないから両手で持てるし。ちなみにフリンドバーはノールにフリンドが一本一本オーダーメイドで作らせる一品もので、たいそうこだわりを持つという。作成にしくじるとフリンドから痛い目に合わされるらしいから、〈製作:フリンドバー〉も命懸けだろう。
 ノールの遭遇サンプルは役割分担がはっきりしているせいか、あまり複雑な戦力の構成にはなっていない(複数の襲撃部隊が編成されるという記述もある)。狩猟隊(脅威度5)はノールの激怒狂率いる並ノールであるし、野生の群れ(脅威度5)はなんとMCで紹介されたノールの例が一体も含まれていない(これはMCでは珍しいと思う)。普通ノールとハイエナのみの構成である。フリンドの群れ(脅威度7)はフリンドの群れと言いつつフリンドは一体だけ、ほかのノールの乱暴者も脅威度は同じだったり。まあ、それでいてノールを従えられるのがフリンドという地位というワケか。呪術師と用心棒(脅威度14)はブーダと用心棒のみで、畏怖されがちなブーダなら側における戦力もこのぐらいシンプルでないといけないかな。
 その中で夜の恐怖(脅威度10)はまさに夜の恐怖で、クレリック、乱暴者、群れの長の混成部隊。こんな奴に夜間追い回され続けたら睡眠できないし昼間は暑熱で疲労するし、で長く生きられる者は少なかろうて。というか急所攻撃つきの噛みつきが即行アクションで襲ってくるとか普通に真正面から襲われても殺られそう
 先にも触れたように、ノールの女性は大柄で頭も良いので、リーダーになるのは女性となる(ブーダや選ばれし者もそう)。その代わり絵に描いたようなゲス野郎だけに、リーダーが衰弱したり面目を失ったりすると「リーダーなんていらんかったんや! オレが法律や!」と即座に熱い手の平返しを見せて結束を忘れた血生臭い内紛に身を投じる。結果失敗した指導者候補や支持者は群れから叩き出されるので、ノールの群れは分散しやすく、大きな群れをつくるのは難しい。真に強固な軍勢を作り上げるのは類稀なるカリスマ性と、移ろいやすいノールの群れの性質を掌握し切った者でなければならない。故にそれは強力なノール、あるいは外部から来た第三者的視点を持つ者であるそうだ。フリンドのような種族を作ったのも、恐らくこうした特A級のノールの女帝だろう。
 ノールの食生活は厳然とした肉食であり、特に知的生物の肉を好むが、これは痛めつけると意味のある言葉で嘆き悲しむという嗜虐的な理由でなく、いやそれも含まれてると思うんだけど喰らった肉からそいつの能力を吸収できるというお前は『荒野に獣慟哭す』のチプカ族か、てな迷信に基づく。ただしノールに媚びるバグワンピだけは、食べると弱体化の呪いを受けるということで皮をバグワンピ・ブレイドの素材にして肉は腐らせるのが普通。こんなクソ野郎を神と崇め奉るバグワンピもよっぽどの好き者であるが、ノールなんて種族をフューチャーしたグレムリンを作る方も作る方だよ
 自分たち以外の動くものは肉と考えるノールながら、単純作業を厭う怠惰さから奴隷として暫く使うこともある。そして、虐待して十分に弱ってくるとノールの子供が行う狩りの最初の獲物にするという。その目的のために奴隷は若い方が好まれるが、最終的には戦闘能力を失っていることがサイコーの条件とかサイテーな事が書いてある
 怠け者で頭も足りないのに群れの戦術を確立しており、かつ長期的な狩りに熱心というのは矛盾しているようだが、ノールの性質を考えるに、これだけ注力できるのは獲物を追い詰めて殺すのが楽しいから、という一点に尽きるんだろう。やる気のある所には全力を注ぐがそれ以外はだるいっぺれ~とプセるのはそれはそれで混沌にして悪らしいスタンスではある。整理された分業と執拗かつ巧妙な追い詰める手口、この2つをうまく表現できると、そこいらに溢れるただの乱暴者でない、ノールの独自性をアプィールできるでarrow。そして繰り返し言うが、トロルみたいに種族そのものがくそみたいな変な特殊能力は持っていないし、独自色もくそな方向性ではなく、あくまで脅威度相応の範囲で持ち味を発揮しているので比較的GMにもPLにも優しい。適性レベルの遭遇を存分に楽しみつつ、こっそり集団激怒者でチームワーク特技を撒いたりノールの副官で《威圧演舞》したり、健やかなダーティファイトを繰り広げていただきたい。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#171~モンスター注意報! 第六回 ノール編~

 5eの1レベル時はPCの戦力が突き抜けて貧弱なので、バランスに苦慮している方々も多いのではなかろうか。なんせ作成したてのPCはhp少ないリソース少ないそれにえーっと……そう、選択肢も少ないの三重苦。最後の一つはちょっとムリクリ出した感があるな。ピアノがないぐらいにしとけばよかったか。ダメージは4eの無限回パワーぐらい叩き出せるのにhpや回復リソースは3e並に引き下げられるというチグハグな仕様も相まって、即行で呪文も特徴も使い切りどーすんのよコレという状態で行軍を強いられる悪しきD&Dの伝統が繰り返されていることは想像に難くない。
 そんなデリケートゾーンをどう凌げばいいのかというユーザの素朴なギモソに公式のこうすればいいんじゃという答えはスターターセットでバグベア(そろそろ伏字にしなくていいかなあ)をぶっつけたり6レベル術者で一人ずつ3レベルマジック・ミサイルで嬲り殺しにしたりすることだったんですが、まあアレはあまりアテにしない方がさわやかD&Dライフを送れると思いますバグベアはスターターセットのシナリオ読んだ人のほぼ全員が「いや、あれは無いでしょう」とゆってたし。
 1レベルPCが弱いのも困ったもんだけど、そのレベル帯にぶつけるべきであろう、脅威度の低い連中の評価が難しいのもまた困りもの。脅威度1以下のクリーチャーは「ボスにしては物足りないがザコとして大量に出すには強い」という輩が多い。散々脅威度詐欺とブーたれてきたが、本当にそれが該当するのはフライング・ソードとドラウ、スペクターぐらいのもんだろう。
 例えば誰が決めたか冒険者はじめのA定食ことゴブリン退治であるが、5eのゴブリンは立派な脅威度1/4。1レベル冒険者一人がさほど問題なく相手にできる、ただし時には問題になることもある評価で、ひと山いくらでフッ飛ばされる拳王の取り巻きほど貧弱ではない。むしろhp7点はd8ダメージだと1レベルPCが安定して即死させることができないし、何よりACは15もある。数で出てこられた場合は“素早い脱出”と相まって始末に時間がかかることだろう。殴れば吹っ飛ぶのはコボルドの方が適切だがこっちは“連携戦闘”のせいで数出すとゴブリン以上の惨事になりやすいし。
 まーこれらはある程度数が出てきても止む無し、というメンツであるが、それらを束ねるボス格で何を出すかというと、「ボスにしては物足りないがザコとして大量に出すには強い」問題として提起したようにさらに難しい。
 少し上の脅威度1/2を見てみると、オークはACこそ低いが伝統のグレートアックスの一撃はカンタンに1レベルPCのhpを消し飛ばす破壊力がある。その一方でhpは脅威度1/2の人型生物なり(15点)で、即死こそしないがスリープで取り巻きもろとも眠らされてもおかしくない。1レベル相手に数は出しづらいがボスを張るにもちょっと食い足りない。かといって硬くて威力があるけどhpも命中率も低いという、いつ出しても嫌がられるだけ、という奴もな(ホブゴブリンのこと)。
 せめてボス格なら脅威度1/2以上はありたいところですが……ウイングド・コボルドがボスというのもちょっと締まらないし。かといってそれこそスターターセットのアレとかもな。ゴブリンズ・ボスのACがもっと低ければちょうどいいぐらいだったのだけれど。
 そんな反抗期の娘さんのような扱いに難のある時期に対して、比較的穏当かつそこそこの脅威度を持つ、1レベルパーティにぶつけたい筆者推しメンクリーチャー、ノールが今回の主役。
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ハイエナ頭という設定もさることながら、タッパはあるが猫背で目立たないのと不自然に巨大な手という特徴が魅力。
 ノールと言えばD&Dにはおなじみのハイエナ野郎、ジャンニーキックプキャンセルガードのTODのクソ挙動で一部アクションゲーマーはハラワタ煮えくり返るかもしれないが、5eのノールはSOM仕様を髣髴とさせるマイルド調整。片手武器の、しかも性能のあまりよくないスピアを使っているのでダメージ・ダイスはd6と控え目で、これで即倒れるようなPCはあんまり前衛にいないだろう。特殊能力の“大暴れ”の発動条件も「近接攻撃で」hpを0にすることなので、頻繁に発動することはないはず。
 一方で防御能力はAC15、攻撃ボーナス+5の1レベルPCが攻撃する際には出目10以上から、とワカりやすくかつまずまずの数値。加えて22点の高hpもあって、即無力化させるのは困難な数値。この時点で高いhpの敵をダウンさせる数少ない手段、スリープでも確実性を取るなら何度か打撃を与えてからになるだろう。
 打撃力としては遠隔武器のロングボウの方が強力で、薄い後衛を狙い撃ちにしてやると冷や汗をかかせられるだろうが、こちらは攻撃ボーナスがスピア以上に低い(ダメージも固定値は1点低い)ので、案外竜ソーサラーやローグ相手には外すこともある。何より両手が塞がるので、盾が使えないのが痛い。仮に接近を許した場合は、1ラウンドかけて盾を用意するよりスピアを両手持ちせざるを得ないだろうが、そうなったらそうなったで1d8ダメージの両手スピアが火を吹くので、ガッチリ防御したノールとはまた違った脅威を演出できたりする。“大暴れ”を披露する機会も増えるかもしれない。
 このように、火力と防御力のバランスが良いので、手段の少ない1レベルPC相手でもじっくり戦うことができ、一方的な戦闘になりづらいのがノール推しの大きな理由。スピア+盾による接近戦、ロングボウの射撃→スピア両手持ちへの移行など、戦い方とデータの幅が広いのも魅力。
 『Volo's Guide to Monsters』(以下VGtM)で追加されたノールの亜種も、1レベルPC相手として十分使える強さ。ノールの狩人盾を抜いた代わりに2回攻撃を可能にしたものと思ってほぼ間違いない。脅威度は同じだが打撃力重視のノールにしたい場合はコチラになる。が、盾が無い=ロングスピアを両手持ちしない理由が無いし、【敏捷力】ボーナスが+2となりロングボウの命中率もダメージも上がっているので、これを乱射されると前衛でも危ない。SOMでもそうだったように、真に恐れるべきは弓ノールなのです(そうか?)。普通ノールと比べて経験点枠は同じでもややデッドリーな遭遇となる。
 脅威度1のノールの生肉齧りは、脅威度1にしてはhpは低目。ACも14とそこまで苦労する数値ではない。ただしショートソード×2と噛みつきの3回攻撃はやはり依然として脅威であり、d6ダメージとd4ダメージでも1レベルPC相手に出すにはキツイと考える人もいるかもしれない。筆者としては取り巻きの数と脅威度を絞って出すならアリという感じ。並ノールはもちろんノールの狩人とコレをいっぺんに相手するのはナンであろうから、ハイエナ二匹程度で。遠隔攻撃は持っていないから、距離を空けた状態で開戦して飛び道具を撃つチャンスを与えつつ、“不意の猛進/Sudden Rush”で度胆を抜いてやるというのもアリだな。
 スケルタル・ノールとでも言おうかウィザーリングは脅威度1/4だが攻撃回数が2回にhpも11と高めで、付近のノールが倒れるとなお殴る、とやたらと手数が多い。1レベルPCでも対処はできるが数を並べるのはちょっと難ありかな。
 PCで相手にする場合は、打撃も防御も標準的で変化球もないから、まあ単純に「強い敵」と戦う心構えでドシフンを締めてかかればいいだろう。“大暴れ”はhpが0にならなければ発動しないので、クレ公など指揮役は倒れそうな味方を見逃さないように。ロングボウで撃たれた場合は低下したACにつけこんで射返したり、一気に隣接して封じたり、5eの戦闘の基本を活かした対策を立てていけば、自然と戦闘ルールも学習でき身に着いていくのではないでしょうか。1レベルPCにぶつけるちょっと強い敵とはこうあってほしいよネ。性格的にも混沌にして悪の典型らしく、残虐で怠け者で嗜虐的で同族食いも辞さない絵に描いたようなクソ野郎だから遠慮なく迷いなく退治できるし。自分たち以外は食料兼奴隷、弱い異種族を連れててもおかしくないから混成部隊も出しやすいし。
 余談ながら上位種のノールの群れ長、“イーノグフの牙”とも正統派のブン殴り屋で、あまり頭を使わず運用できて好感を持てる。“大暴れの煽動/Incite Rampage”をアクションで使うぐらいなら自分で殴った方が早そうだし。VGtMのフリンドになるとなんかよくわかんないことを始めるが。
 唯一の難点を挙げるとしたら、ノール語しか喋らないんでコミュニケーションを取りづらいことか。PC作成時の言語でノール語を選択するような悪趣味な人もあんまりいないだろうし。カッコイイ前向上を言ってもオジー・オズボーンのモノマネをするブラック菩薩のオジー・文彦こと橘高文彦さんが上げるような奇声しか返って来ないと思います。

 

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