D&D5e余話#137~鎧が欲しければ着てる奴を襲えばいいじゃない~

 5eのEncountersなどのイベントでは敵から装備をかっぱぐのは基本的にNGだった。
 5e全体でも敵から装備品をかっぱぐのは推奨していないという話もチラと聞いた気がするのだが、本当なんでしょうか
 あの鎧の値段を見るに、てっきりチェインメイル以降を入手するのは、装備してる奴から分捕るのが一番手っ取り早いということだろうと推察していたのですけれど。いわゆるウォーハンマー方式という奴(似非魔術師が呪文を使っても捕まらない魔術師になるには活版印刷本が必要→活版印刷本を持ってる奴を殺して奪うのが一番早い。恐らく狙われるのは見習い魔術師)。
 ちなみにそんなに脅威度高くない割にいい鎧を着てるのは
・ギスヤンキ・ウォリアー→脅威度3、ハーフ・プレート
・ヘルムド・ホラー→脅威度4、プレート
・ハーフレッド・ドラゴン・ヴェテラン→脅威度5、プレート
・ホブゴブリン・ウォーロード→脅威度6、プレート
 こんな感じ。流石にいい鎧を着てるだけになかなかのふてぶてしいツラ魂が揃っている。一番脅威度の低いギスヤンキ・ウォリアーでさえグレソのダメージに加えて2d6の[精神]ダメージが飛んでくる大火力なので、奪おうと挑みかかるにしても命懸けなのは覚悟すべし。脅威度こそ高いが一発一発の軽いヘルムド・ホラーの方が楽かもしれない。ヘルムド・ホラーはシールドによるAC強化と飛行能力をどれだけDMが悪用してくるかで評価が変わるな。あと気前の良さ(非魔法の物理ダメージ半減を持つ)。ハーフレッド・ドラゴン・ヴェテランもヒマさえあればシールドを持たせたがる5eのMMにおいて珍しく二刀流なのでAC18据え置き、ブレス攻撃を除けばそれほどヘンなことはしてこない。パリィは気合で消費させるのだ。
 デス・ナイトやエリニュスなど、鎧を着る習慣のある高位モンスターの中でもプレートを着ているのは限られる。いかに5eのプレートが高級品かうかがわせる。制限すっごい軽くなって、着られるなら着ない理由ないもんな。【敏捷力】の上限とかもなくなったし(4eの時点でもうない)。
 てなわけで、モンスターからのかっぱぎOKのDMは上記の面々を出す場合は多少気にした方がいいかもしれない……が、どいつもこいつも結構しんどい相手だから、倒した暁にはそのぐらいの報酬があってもいい気もする。っていうか、ヘルムド・ホラーの素体になったプレートとかどう見ても呪われそうであんまり着たくねぇ。あと、この記事を読んだからってオウギスヤンキ・ウォリアーとかヘルムド・ホラー出せや! とDMを強請るのも禁止な! そういう邪な要望は考え得る限りの最悪の状況で叶えられることになるぞ!(水中に叩き落とされた上に、水面に顔を出すとヘルムド・ホラーが襲ってくるとか)

Monster Manual (D&D Core Rulebook)(2014/09/30)
Wizards RPG Team

商品詳細を見る
スポンサーサイト

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

クトゥルフ神話TRPGヨタ話#80~クトゥルフかるた~

#クトゥルフかるた
 ツイッターで見かけたネタから色々考えてみました。

「あ」悪文ではないトミノ小説みたいなもんです
・御大の文章が読みづらい読みづらいと言われるけど、トミノ小説と思えば納得できるんじゃ……読みづらいのは結局変わりませんが。せめて主語と述語の関係をハッキリしてくだち。

「い」犬はヨグ=ソトースの息子よりも強し
・無論ミ=ゴよりも強し。透明の方の息子は勘弁な。

「く」空鬼の元ネタはただのコスプレ
・特殊な指の形状とか次元を移動するとか、出典の『博物館の恐怖』だと全然出てこないどころか中身人間なんすよ。マジで(重大なネタバレ)。

「こ」好奇心は探索者を殺す
・クトゥルフ神話の登場人物って頭では拒否してるのに好奇心を押さえられないダメ人間ばっかり。故に保身が先立つチキンは推奨されないプレイなのです。

「し」漆喰が割れたら犬が来る
・「角に犬」もシンプルでいいかな、と思ったけどより原作に深く関わったネタとゆうことで。

「せ」戦闘がしたければ比叡山炎上をやりなさい
・クトゥルフでさえ無双プレイができないとブンむくれる人がいるって本当なんだろうか。想像上の生き物なんじゃないでしょうか

「た」ダーレスも駄作ばかりとは限らない
・クトゥルフが絡んでこない話だと結構面白い神話作品もあるんだぞ。

「て」添削どころかほぼ代作
・名義上は添削、ほとんどラヴクラフト先生の作品に書き直しちゃったタイトルもチラホラと。今なら炎上事案なんじゃ。

「な」なんでもニャルラトテップのせいにするのはやめなさい
・夢オチ同様安易に頼るとKPレベルドレインを喰らいます。

「に」日記に書く暇があったら逃げろ
・「窓に、窓に!」は素晴らしいオチだったけど、あまりにも繰り返されてる上に悲鳴まで記されるようだと流石にゲンナリする。そうまで迫真の文章をヒネり出せる思考力があるなら逃げろよ!

「は」発狂より失神
・迂闊に起きて宇宙的恐怖を体験して正気度ゼロになるよりは、失神してた方がマシという場合もある。というか神話作品で失神したまんま人生デッドエンドクライマックス迎えたケースの方が少ないような

「む」無表情と思ったら仮面
・喋ってるのに口が全然動かないとか言われたら、取りあえず顔を触ってみるといいだろう(そして正気度を失うハメになる)。

「ゆ」有色人種を見たら危険人物と思え
・ラヴクラフト御大の作品だと白人以外は大抵堕落した民族扱い。

 後は任せた。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

TRPGこぼれ話#278~20の教訓についてちょっとばかり……~

 これは余話ですが、20の教訓に関する記事を書いていたら、なんか逆説的に界隈に溢れているダメなオタクのダメっぷりを糾弾されてるような気がしてきた……。

その1:人間の本性に反するゲームデザインをすれば、敗北が待つのみ→適応できない連中(=オレ以外の人間)が劣っているんだ!

その4:巨人の肩に乗る→些細な誤用に長々と噛みついて鬱陶しがられる。

その5:「興味深い」と「楽しい」を混同しない→適応できない連中(以下略)。

その11:「好き」をどんなに集めてもゲームは失敗する。「愛」を集めよ→ちょっとでも話が重くなると「鬱展開! 鬱展開!」と騒ぎ立てる。

その12:実力を見せつけるためにゲームをデザインするな→ノーコメント。

その14:ストレートすぎる表現を恐れるな→「中二病だ!」「今更こんなヒネリのないネタなんてあり得ない!」

その19:ファンは問題を探り当てる達人だが、解決法はロクなものを提供してくれない→無駄に活動的なオタクを見てると「無能な働き者は○せ」という格言を……ゲゲフソ。

 ……ほぼ全てが他人事ではないので大変胸が痛みました。お金を出して業界を支えているとしても、こんなこと言ってる連中が業界を健全化させるわけないよね。猛省いたしますです。
 まあその19に関して言えば、「5eの1レベルPCのhpはもっと高くて良かった」これをロクでもない意見とは認めんがね!

Player's Handbook (D&D Core Rulebook)(2014/08/19)
Wizards RPG Team

商品詳細を見る

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

TRPGこぼれ話#277~20の教訓(からいくつか)~

 Game Developers Conference(GDC)にてマーク=ローズウォーター氏が明かした“20の教訓”が記事になっております(4Gamer.netさんより)。マーク=ローズウォーター氏ことマローと言えばイカレたレアカード、バランスクラッシャー(昔の話だがウルザ・ブロックにおける《変異種/Morphling》《時のらせん/Time Spiral 》《マスティコア/Masticore》を巡る論議は今も抱腹絶倒。デュエリスト・ジャパンvo.11掲載)、そしてクソカードの生産者という不穏な称号に事欠かないことで記憶している人も多いでしょうが、優れたゲーム・デザイナーであることに疑いを持つ者はいまい。ちなみに、本人曰く「強いレアカードがないと売れないんだよー」「弱いカードも入れないと強いカードの強さが実感できないんだよー」だ、そうです。一定の理解は示しますよ、マロー!
 記事中で書いてある通り、マロー氏が20年に渡って蓄積してきた経験と知識から編み出された教訓、ゲーム・デザインにはもちろん、それと隣接した領域にあるTRPGのセッションやシナリオライティングにも含蓄ある言葉なのは間違い無し。というわけで今回は20全部取り上げると長くなるので、その中で特にTRPGと関連ありそうな教訓をピックアップしていきます。話の都合上マスターやゲームデザイン視点が多いですがご了承くだせえ。

その1:人間の本性に反するゲームデザインをすれば,敗北が待つのみ
 ……普通はこうだよね、という常識に基づいた判断に逆らうゲームデザインでは、プレイヤーに違和感を与えてしまう。これを「ゲームについていけないプレイヤーが悪い」と考えるのではなく、「プレイヤーに寄り添ったゲームデザイン」に変えよう」と考える方がより良い結果が得られる、という話。
 なんかいきなり針の筵に座らされているような教訓がすっ飛んできました。思い当たる事あり過ぎ。
 いや、まあルールに書いてあると言えばそうですか、と我々ユーザは従うしかないんですが。でも「普通おかしいだろ!?」という所まで踏み込んでくるとちょっと、なあ。幸いTRPGはハウスルールでいじくりようがある、という余地が残されているものの。
 D&DのACを高い方がいいようにして、THAC0を止めたのは英断であり、かつこの教訓の正しさを物語っている。いや、普通は表なんか使わず出目で判断できた方がええですやん
 あと、シナリオに関しても同じことが言える。GMがそれはない、と言えば終わってしまうのだけれど、普通あり得ないだろ、とツッ込みたくなるような事態は遺恨を残すので避けたいところ。話の展開が多少不自然なのはご都合主義だとしても許せるけれど、常識が無いのはイカンよね。自戒とします。押忍。

その2:美術は重要
 ……プレイヤーはゲームのビジュアル面に関して適切なクオリティを求める。どんなにいいゲームでも、人間の自然な知覚に逆らったゲームをデザインすれば、そこで集中力は失われ、ゲームの楽しさは損なわれてしまう。
 角川スニーカーG文庫時代のガープスや無印ソード・ワールドを見ていて目が痛くなったことはありませんか。私はあります。これとSW2.0を並べてみるとグラフィックデザインの革新をまざまざと実感できます。
 同人システムだと今なお文章だけがずらずら並ぶような作品もあるけれど、ありゃよぐねぇ。どんなにデキのいいシステムでも、読みづらかったり参照しづらかったりすれば片手落ち。プレイヤーの興味を惹き、またシステムに入り込んでもらう=知ってもらうには、美術という視覚的な要素はシステムと同じぐらい重要と言えましょう。例え媚びてると批判されようと、ムチプリのねーちゃんのイラストが沢山載ってるシステムと文字だけがべったり並ぶシステム、どっちを取れと言うなら私はねーちゃんを取ります。何か別の目的になってる気がしますが。
 また一枚の絵は千の言葉にも匹敵するという通り、NPCやクリーチャーの姿なんかは口で描写するより絵を見せた方がスピーディかつ的確にイメージが伝わります。キャリオン・クロウラーについて「こう、口の周りにニュウッと触手が沢山生えてて、人間のフトモモぐらいの太さで……」とか長々と講釈するより、モンスター・マニュアルのイラストをサッと見せた方が、プレイヤーから「うわキモッ」とダイレクトな反応が返ってくることでしょう。中にはフランフとかマジで形容に困る奴がいますし。
Flumph.jpg
何コレ?

その4:巨人の肩に乗る
 ……多くの人が知っている概念や名前を利用することで、ゲームの理解力を深めることができる、という話。
 『エンサイクロペディア・クトゥルフ』の“本書について”にて、こんなことが語られていました。「クトゥルフ神話」という用語を使用するかどうかが最初の問題であった、と。この用語はラヴクラフトの死後に(あの)オーガスト=ダーレスが発明したことで、一部のユーザではこれに代わる呼び名を作る試みも続いています。これについて筆者はこう語っています。「私にはこれらの新しい用語を使用する理由が思いつかない。なぜ一般的に使われていて誰の感情も害していない用語を変えなければならないのか?
 TRPGという遊びも誕生して数十年、中には原語の意味から外れて定着してしまった単語もあるでしょう。かといって、目先の新しさや単なる衒学的欲求を元に、築かれてきた知識を崩して新しい事を積み上げようとしても、それはデザイナーにしてもユーザにしても迷惑なだけ。
 「ロングソードは本来馬上で使われるもので、それを歩行する冒険者が使うのは間違いであり云々」などと主張して武器リストから取っ払ったとしても、周囲のプレイヤーからすれば退屈極まる顔で「はあ、そうっすか」と呟いて終い、さもなくば蹴り出されて二度とゲームに呼ばれることはあるますまい。一般的にファンタジー世界を舞台にしたゲームで使われる長剣というイメージを“ロングソード”という武器に与えられていることに、何か不都合があるのか。筆者は別に思い当たりません。むしろ今更浸透してるイメージをつまらんこだわりで破壊するような無駄な労力使うぐらいなら、そんなことよりゲームデザインをよりよいものにするか、もっと面白いシナリオなりキャラクターなり作ってくれんかなぁ、と思う。
 正しい知識が掬われず、誤った認識で定着してるのを苦々しく感じる人もいるかもしれない。でも、そういう人が沢山いるなら、その思いは取り上げられてとっくにゲームに反映されているはずだろうさ。

その5:「興味深い」と「楽しい」を混同しない
 ……理論上はバランスが取れていて、知的で興味深い要素であっても、プレイヤーが「楽しい」と感じるとは限らない。プレイヤーに「楽しさ」「満足感」を与えるのであれば、知的なレイヤーではなく情緒的なレイヤーに働きかけた方がよい、という話。
 また胸が痛くなるような教訓が飛んできた
 気合を入れて作ったはずの謎解きが、気付けばセッションは疲労と無表情と爆睡の渦! この惨状を体験していないマスターはいまいて。TRPGの謎は基本的に諸要素が揃ったら「誰でも」「自然と」解けるものでないと、しばしばこういう事態に陥ります。ミステリなんかに嗜んでおられる方からすると謎解きとしては簡単過ぎて低級なんじゃないか? と悩まれるかもしれないけれど、それよりは謎を解いてもらえず、PCが行き詰って退屈してくることの方を恐れるべし。謎を謎のまま残して消化不良になることほどマスターにとって屈辱的な結果はそうありません(クトゥルフで死ぬほど味わった)。
 それにTRPGってどんなに図表やハンドアウトに頼っても、主要な情報の伝達は口頭ですからな。他人には言いたい事の三割も伝わらない、TRPGやるまでもなく皆さんよくご存知かと。であるならば、三割にも満たない部分で解いてもらえる謎となると、どうしてもシンプルになるのは致し方ない。推理小説と違って、リアルタイムで複数人数の他人に解いてもらわにゃいけませんし。それよりは情報の渡し方や雰囲気など、ディティールで凝った方がTRPG的には楽しんでもらえるでしょう。あくまでTRPGの面白さはオシャベリとダイスロールが生み出す空気とか状況ですからな。謎解きがメインになってしまうと本末転倒。謎の複雑さが他の媒体と比べて低いからと言って、TRPGは知的ゲームとして質が劣るというのはまったくの誤解です。
 プレイヤーサイドで言うと、複雑な挙動やコンボを考え出してGFFと一人で含み笑いしていたら、じぇんじぇん機能しなかった、なんてのもよくある話。TRPGにおいて最強のキャラクターとは大ダメージを出すのでも遠大なコンボを決めるのでもなく、「自分が使いこなせて楽しいキャラクター」であると認識すべき。
 また、往古の時代に複雑さがリアリティなどともてはやされていたシステムが、現在日本では悉く絶滅危惧種なのを思い返すと「興味深さと楽しさは違うんやで」という言葉がつくづく金言に思える。

その7:ゲームを「プレイヤー自身のもの」とせよ
その9:プレイヤーに所有感を与えよ
その10:プレイヤーに探索の余地を与えよ

 ……ゲームを通じて「自分らしさ」を表現することは、自分自身を表現することでもある。そして、「自分らしさ」の表現はゲームに愛着を生み、プレイヤーに「このゲームは良いものだ」という認識を与えてくれる、という話。
 重複する内容もあるので、併記します。
 文中にあるように、「自分ならではの選択」が「そのゲームを自分はよく知っている」という感覚を深め、その感覚はプレイヤーに対して「そのゲームは良いものだ」という感覚を醸造する……これはTRPGにおいてもまったく同じことが言えます。ビルド、戦術、成長、ストーリー分岐、なんにせよ自分ならではの選択によって獲得した結果が良いものであって嬉しくない人がいるはずがない。自分だけの選択によって、如何様にも変化するのがTRPGの醍醐味。であるからには、無数の選択肢には無数の可能性が眠っていなくてはならないし、その意志は尊重されねばなりません
 一部の突出したビルドやコンボだけが生存を許すような環境はイカンという意味とも取れる。やりたくなくても選ばざるを得ないような要素は、それはシステムの中に織り込まれるべきもので、ユーザに見せかけだけの選択権を与えて取得させるものではない。そりゃ強制によって得られる優位であってあんまり楽しいもんではないからねぇ。

その12:実力を見せつけるためにゲームをデザインするな
 ……エゴは重要だが、仕えるべきはプレイヤーであり、自分が楽しむためにデザインしてはならない、という話。
 痛い痛い痛い(胸が)。
 Y岡さんのように「こんなのは本当の○○じゃない、俺が明日本当の○○を見せてやる」なんて意気込んで作ったシナリオやPCは九割九分九厘失敗して周囲に迷惑をかけます面白くしてやろう、というアグレッシブさは必要ですが、TRPGにおけるソレは他の人と一緒に盛り上げていこうという「気配り」であって、自己顕示欲と直結したものではないのです。むしろあっしの助力でお役に立てたら幸いです、なんならファンタとか買ってきますというぐらい謙虚なやる気であるべき……これは下手に出過ぎか。
 「実力を見せつけるためにゲームデザインをしてはいけない」のと関連する話題として、佐藤順一監督の非常に重みのある御言葉を紹介しておきます。
20121019083631_228_1.jpg
これも自然と頭が垂れるお話だなぁ。

その13:ゲームを楽しむことによって、戦略的にも優位に立てるようにデザインせよ
 ……ゲームのルールとは約束事であり、「このような選択肢の範囲内で、ルールに従って行動し、勝利を目指せば、たとえ負けたとしても楽しい体験ができます」という提案である。デザイナーは「楽しさ」をデザインし、それが勝利の道と合致するようにしなくてはならない、という話。
 ゲームデザイナーの中で、いやゲームデザインを一度でも志望したことがる人の中で、これを聞いて悶絶しない人がいるだろうか。泣きそうなぐらい厳しくも反論の余地もない言葉です。一点の余地があるとすれば、あんだけ即死コンボやパーミッションを横行させたMTGのデザイナーが言うことか、というぐらいか。
 サンプルキャラクターなり、キャラクターのビルドなり、ルールブックやシステムで示唆された方向性が誤っていたら、ユーザはシステムそのものを信用できなくなってしまう。サンプルキャラを選んでサンプルシナリオを遊んでくその役にも立たなかったら怒り出しても無理はありません(実体験あり)。時に邪道が強くなることはあっても、やはり王道こそが正解でなくてはならないと筆者は思います。
 個別のデータにしても、私は重戦士冷遇に憤る重戦士スキーではあるけれど、重戦士以外の冷遇だって気分はよくねえす。どのクラスもみんな同じ世界の住人なら、どれを選んだって「損をした!」と思われず、同じぐらい楽しく強くあってほしいよね。
 “約束を守ったのに楽しい体験が得られなかったとなれば、プレイヤーが怒るのは当然”という言葉は、プレイヤーサイドの管理はガチガチのくせして、マスターサイドの管理になるとガバガバのシステムやシナリオを作る連中にももっと言うたって下さい。
 先ほどMTGのパーミッションをディスったが、年々弱体化していったというのはこの教訓に従ったのならワカる話だ。パーミッションがハバを利かせれば対戦相手は呪文を使うことにためらうようになり、「手札から呪文を唱えて相手のライフを0にする」というMTGの決まり事=約束された楽しさに疑問を抱くようになってしまうだろう。やりたいことをやることが勝利につながる、こういうスタンスには好感が持てる。べ、別に迷キンの【分析】【抗魔式】とか六門2Eの対抗とかをディスってるわけじゃないっすよ和ゲーって何かを「させない」ことに重きを置く向きがある気がする、というのは偏見だろうか。……5eのキャンペーンは毎戦闘くそみたいなコピペ呪文リストを持つ敵が出てきて、カウンター・マジックに殆ど呪文枠を食われていたなあ、そういや……俺バードなのに……(あまりにも敵の呪文が鬱陶しかったので知の徳の“更なる魔法の秘儀”でやむなく取った。本当ならブレスとか取りたかったよ)。

その16:プレイヤーに挑戦することを恐れるな。退屈させることこそ恐れよ。
 ……ユーザは挑戦を評価し、失敗したとしても「次は何をしてくれるんだろう?」と期待してくれる。一方、退屈な思いをしたが最後、最悪の場合はそこでゲームを辞めてしまう、という話。
 今日はなんだか悶絶してばっかりです。針の筵を通り越してロックマンのトゲ&ブーンブロック地帯に挑んでいる気分。ロックマンワールド(初代)のワイリーステージぐらい長い面の。
 筆者はセッション中にスマホをいじられるとバキで紹介されていた試し割り(石と台の間にチョット空間を空けて叩くとカンタンに割れる)を実践したくなる衝動にかられるのですが、これも己の未熟と不徳の結果とグッと我慢。
 挑戦することは何時だって怖い事。ワカります、ええワカりますとも。毛色が違う、今までやったことのないアイデアを盛り込んだシナリオを作った時には毎回逃げ出したくなります。そうでなくてもセッション前にはいつも放り投げて逃げ出したくなります。が、感性を鈍らせるマンネリは最大の敵。知的ゲームたるTRPGという遊びにおいて、新鮮味という刺激が失われるのは死に体と同義です。苦しくてもつらくても新しいことにゃあ挑戦し続けねばならんのです。マロー氏の言葉を借りれば「最大のリスクとは,リスクをまったく取らないこと」、マグロは泳ぎ続けなければ死ぬのです!

その17:巨大な変革のために、すべてを変える必要はない
 ……新しい要素を付け加えれば付け加える程、「ウケる」層は増えていく気がするが、足し算の繰り返しの先にあるのはゲームの破綻である。「どのくらい足さねばならないのか」ではなく、「どれくらい何も足さずに済むのか」と考えるべきだ、という話。
1456931652181.jpg
 もっともっと言ってくれ! オレはあんたについていくぜ! 正直言ってMTGのキーワード能力は拡大し過ぎて完全についていけないけど。まーあれは知らないなら知らないで何とでもなるかんね。
 サプリメント展開を見るまでもなく、コンテンツを存続させるためには新要素を加えていかなければいけないけれど、土台もしっかりしてないのにムリクリ付け加え続けていけばどんどん首は締まっていき、やがてシステムとユーザを巻き込んだ死に至る。そこに残ってるのは、コアルールブックに載ってるデータを使ってたプレイヤーが怒り出すようなイビツな別ゲーでしょう。それよりはしっかりした方針を基本のシステムに定めるべき。それさえあれば、方針からほんの少しずらすだけで、十分新しいモノには仕上げられるはずです(この辺PFは上手いよなあ)。
 キャラクター作成にも同じことが言える。サプリが出る度に新しいデータを際限なく組み込んでいったら、どんどんワケのワカらん方向に進んでいくのは必定。もう一から新キャラ作った方がいいんじゃねえの? というツッコミを受けたりしたら、そいつの個性は死んでるも同然です。

その19:ファンは問題を探り当てる達人だが、解決法はロクなものを提供してくれない
 ……ファンは問題点を指摘することにはデザイナー以上の能力を発揮する。だがそれを解決すべきか、という点についてはまったくアテにならないという話。
 一番グッと来たのがこの教訓
 これは筆者のTRPG訓戒のひとつですが、「プレイヤーはマスターの想像以上にずる賢い。が、賢いというわけではない」。
 往々にしてプレイヤーというのは気付いてほしくないことに気付き、気付いてほしいことにこそ気付かないもんだ。
 ファンの解決策は~、というくだりは教訓7・9・10のくだりと矛盾するように見えますが、商品としての「解決策」であることに注目。ハウスルールなどはあくまでもそのシマのみに通用する「こうした方がいいんじゃない?」というサジェスチョンに過ぎず、一歩縄張りを出ればそれは単なるひとりよがりの言に過ぎません。商品として通用するか、という観点においては、役に立つかはともかく何の約束も無いのです。そういう自覚もなく、「あのシステムが○○じゃないのはデザイナーがおかしいからだ!
1393888927306.jpg
 あと、解決策をファンに依存し過ぎると非常に良くないことが起きる、という指摘はホントその通り。いくら熱心なファンであっても、彼らはそれで金貰ってる、責任感を持たされたプロというわけじゃない。故にその発言はどこまでも無責任でありうるワケだし。マニヤの反応に委縮して方向転換して失敗したコンテンツというのは枚挙に暇がないし、ブログなりツイッターなり情報発信が無名の人でも可能になった今、こういう弊害というのは、今いろんなところで起きている。そういう意味でも傾聴の価値ありです。

その20:すべての教訓はリンクしている
 ……すべての教訓はどこかでつながっている。だからどれか一つにすがるのではなく、全体を見て組み合わせて考えるべきだ、という話。
 最早多くを語ることも無いでしょう。教訓とは無数の体験から紡ぎ出されるもの、その無数の体験というバックグラウンドがある限り、単一で意味を成す教訓など存在し得ないのです。イイ言葉をめっけたら、私も貴方もその裏にある無数の意図を、読んで読んで深読みしまくりましょう
 ……て、すべての教訓と言いつつ、今回20全部記事にしてないぢゃん。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#209~またまた巨人殺し~

 第三刷の訂正で巨人殺しが大型サイズクリーチャーの両手武器を使えるようになった!
1451405991953.gif
喜びを抑え切れない筆者。どうでもいいけどこんな画像が、しかもコラが存在するなんてネットは広大過ぎる。できる・できないのひみつね。
 が、使えるのは3レベルからなんで、1~2レベルの間はしんぼうだ! そそそそりゃ~ないぜ不二子~。
 まあ解禁された事それだけでウルトラハッピーな話題だもんで、その程度の忍耐の期間は喜んで受け容れましょうぞ。
 んで、3レベルで解禁されるのはいいとして、じゃあ1~2レベルの間は何を使ったものだろう?
 ぶっちゃけた話、でかい武器を振り回す巨人殺しというアーキタイプであるのだが、わざわざ大型サイズ用武器を調達してこの間振り回しても良いことはあまりない。結局3レベルまでは大型サイズ用の片手武器までしか使えないし、それだったら別に巨人殺しアーキタイプでなくてもできたり。例えばアイコニック・キャラクターのアミリたんはアイコニック・キャラクターなのに大型サイズ用バスタード・ソードを装備してるチャレンジャブルな女子である(《武器熟練》より《強打》を優先。アンタ侠(おとこ)だね)。
 また、大型サイズ用にして意味のある片手武器のダメージ・ダイスはd10から(大型用だと2d8となる)。d8だと大型サイズ用でも2d6なので、ペナルティを受けながら振るうぐらいなら(キャラクター・イメージを重視したいならともかく)グレートソードやアース・ブレイカーを最初から使った方がいいだろう。
 かつては持てる上限が大型サイズ用の片手武器だったので、イチオシはバスタード・ソードだったのだが、《特殊武器習熟》を要求される上に、両手武器までOKになったもんだから再考の必要がある。ペナルティが大きくなるぐらいならバスタード・ソードの2d8で我慢するという考えも勿論アリだ(将来的には“巨大な武器”でペナルティが帳消しになり、メリットは消えてしまう)。
 言うても大型サイズ用の両手武器となると、元が2d6でも1d12でも3d6になっちゃうから、グレソなりグレートアックスなりダメージ・ダイスのでかいやつなら大体候補になる(グレートアックスの一発が薄れてしまうのはいっぱい悲しい)。クリティカル倍率とダメージ属性の好みで考えればええでしょう。足払いなど戦技を使いたいならまた話は別ですが。
 大型サイズ用の両手武器を使った場合のペナルティは-3と小さくない、というかデケェので、できれば《武器熟練》は3レベルまでには押さえておきたい。特技枠を食わないためにも、やはり軍用武器から選ぶのがベストか。あまり変な事をしなければ、特殊武器から選ぶ必要はそうないはず。
 ダメージ・ダイスが2d6もしくは1d12の軍用武器はUEを参照すると、グレートソード、グレートアックス([斬撃]タイプ)、アース・ブレイカー([殴打]タイプ)、ルツェルン・ハンマー([殴打]または[刺突])。この中でルツェルン・ハンマーが間合い武器。一歩離れたところから殴るというのはババリソのイメージに合っていないかもしれないが、巨人殺しには“間合い回避”という面白い特徴がある。敵の数が少ない場合はこれで機会攻撃の間合いを縮められるため、敵に張り付かれても間合い武器を振るうポジションに動くことは容易。ダメージ属性を切り替えられる点も評価したい。14レベルになると“巨人の怒り”でエンラージ・パースンがかかるため、間合いはさらに広がる。ここまで来ると間合いは15フィート、実に超大型サイズ並のリーチです……まあ、そういうレベルになると敵の間合いもべらぼうに長くなってると思うんですけど。接近する時機会攻撃を受けづらいことを評価すべきか。
 ……余談ですが、訂正が入る前、持てる上限が大型サイズ用の片手武器だった頃に候補となる武器は、バスタード・ソードの他にドワーヴン・ウォーアックスがあった。ドワーフはドワーヴン・ウォーアックスを軍用武器として使えるので、《特殊武器習熟》がなくても問題ない。ただ、大型サイズ用のドワーフ用武器ってどこでどうやって手に入れたのか、誰が何のために作ったのかの言い訳がかなり苦しい気がする。少なくとも大型サイズ用バッソと違ってその辺の巨人が握っていたりすることはないだろう。

Ultimate Combat (Pathfinder Roleplaying Game)(2011/08/23)
LLC Paizo Publishing

商品詳細を見る

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

TRPGこぼれ話#276~TRPG冬の時代・自分史~

 寒い日暖かい日が入れ替わりにやってくる日々が続いておりますが、暖かい日はホント暖かくて上着なんて着てくるんじゃなかったと汗ばむほどだったりして、いよいよ冬も終わりだなー、と実感する今日この頃。
 して冬と言えば、TRPG関連ブログで連想するのは当然厳寒のロシアに飛んだ冒険者がラスプーチンをブッ殺しに行くPFシナリオ。違う。せめてネバーウィンター。などというむなしい一人ボケツッコミは置いといて、TRPG冬の時代
 TRPG冬の時代とは90年代後半に新作や商品展開が途絶えていた現象のこと。TRPG専門誌はバタバタ休刊が続き、他のメディアへの露出も皆無に、MTGという黒船来航ということもあって、当時の人々からすればそりゃ冬に見えたのは想像に難くない。
 まあ、何度も書いているようにオレはTRPGバブルを体験してない世代なので「は? TRPGに春なんてあったんすか?」などとやさぐれた反応を示すほかないのですが。時間を空けて分析してみると本当に冬だったのか疑わしい統計も出ているそうで。ただ、この話をすると業界人ぶりたがるアマチュア未満があった派・なかった派に分かれて個人の主観によるイチャモン・こじつけ、出典の怪しい情報の応酬、果ては特定企業や個人への攻撃に発展して、飛び蹴りやパイプ椅子が飛び交うルール無用の残虐ファイトと化すためとても冷静な論議なんてしてらんない。ので、今回は筆者の思い出話と個人的見解に留める。
 冬の時代を唱えた人の言うように、TRPGがメディアから消えた時代は、確かに筆者からすれば「ある」と思う。筆者がTRPGを始めたいと思った頃に筆者の周囲にTRPGを知ってる人間と遭遇する確率は、ワイルド・マジックで自分の周囲がファイアボールで焼かれるより稀だっただろう。流通も今と比べれば天と地の差、普通の漫画さえ書店に注文しても届かないことなんかザラ。リプレイはちょこちょこ見かけた気がするが、文庫版ソード・ワールドさえ新品で見かけたことは少なかった。遊ぼうにも人もいないし商品も手に入らないという八方塞がりだったのだな。
 TRPG関連雑誌の連鎖消滅を目の当たりにすることはなかったが、恐らく最後の生き残り組であるRPGマガジンの方針転換は「???」だった。買ったはいいがTRPG記事が数えるほど少なく、掲載されているのはガンダムとMTGと読者参加ゲームばっか。期待していたTRPGはどこにあるねん、と首を捻っていたら、それから2号ほどでRPGマガジンはゲームぎゃざに鞍替えしたという笑えないオチがついたのであった。
 幸いTRPGサークルに出会って、以後も機会に恵まれ今日まで続くTRPGジャンキーと化す(こうして見ると不幸だったかもしれない)のだが。あらためて「冬の時代」を振り返ってみると、ホントに「冬だったのかな?」と疑わしい部分はある。
 TRPGの関連誌消滅という話であるが、古本で手に入れたTRPG関連誌を読んでいると、ぶっちゃけTRPG浸透にそれほど貢献していたとは思えない。これは雑誌の質が悪かったという意味ではなく(ルナルの貞本先生のビジュアルイメージはすんばらごい)、TRPGという遊戯の質のモンダイであろう。一言ないしは一見で説明できないTRPGという存在のせいで、雑誌を読んでいても何をしてるのか門外漢が読んだらサッパリわからんかったであろうことは想像に難くない。脚本のようにセリフがずらずら並んで、時々状況説明とイラストが入って、一体これは何の雑誌なんだろう……? というのが、TRPG知識ゼロの人が読んだ場合の大半の感想ではなかろうか(初めてリプレイを読んだ時も同じような感想だった)。しかも、そんなリプレイが読み物の主体であるというのがよぐねえ。大概続き物で途中から読むとますます理解できないんだもの。
 漫画や小説は既に定着している娯楽であるし、TVゲームだって知らない人が見ても「なんか画面が綺麗でスゲエことをしてるんだな」という視覚情報に訴えることはできる(ゲーム雑誌も同様)。が、TRPGの根本は想像力であり、その抽象的な面白さを未体験の人達に伝達するには、まだまだ技術や方程式を確立するのに時間が足りな過ぎた。というか今でも確立されてないし。加えて、TRPGとは何であるか、という説明をTRPG専門誌で見た覚えも薄い。RPGマガジンでは初心者RPG講座を開いていたものの、TRPGの性質を考えると毎号の冒頭にでも掲載しておくのがベストのような気がする……ああっこんな娯楽がメジャーになるわけがないと唐突に理解してしまった。
 結局のところTRPG雑誌とはマニヤ雑誌に過ぎず、それが消えても業界的には痛手であったろうが、元々新規参入者を呼ぶための訴求力としてはそれほどでもなかったんじゃないのかなあ、というのが筆者の実感。
 TRPG出版点数の減少はコチラを見ると、確かに案外減った印象はない(99年の狭さが泣けるけど)。目に付くのはFEARのガンバリだろう。HJがMTGに舵を切り、SNEがモンコレに現を抜かしていた間にセブン=フォートレスAdやノバレボなど、現在まで続く商品ラインナップを生み出してTRPG供給を続けていた事実は、いくらFEARゲー嫌いでも(ゲヒャヒャヒャ)直視せねばなるまい。ちうかFEARぐらいしか新作を安定して出してくれる土壌が無かったから、FEARゲーマーという固定ファン層ができたとも言える。でも、本当に評価されるべきなのは、TRPGというへんちくりんなゲームを見捨てずずっと付き合ってくれるアスキーやエンターブレイン、ログインな気がする
 またFEARゲー一強だったと言っても、TRPGにおいては王道よりワンオフ、キワモノ商品寄りだったという事実は否定できない。天羅や番長学園!!、熱血専用などのロールプレイ支援システム系列の後継者であったから、当然と言えば当然であるが。メリケンならD&D、日本ならソード・ワールドのように、TRPGならコレ! というスタンダードが軽視された結果、マニヤ向け作品ばかりになって新規参入者の窓口が狭くなってしまった、というのがTRPG市場縮小の原因の一説にあったが、割と的を射ているのではないか。供給点数自体は減っていなくても、少々イビツであったことはFEAR育ちの人間としても認めるのにやぶさかではない。
 TCGやMMOなど他ジャンルの隆盛でTRPG層が食われたという説は根強いが、これもどうだろう。特に語調が強いのはTCG。前述の通りMTGにRPGマガジンが侵食されていったのを思うとnrhdと思わなくもないが。MMOやコンシューマ・ゲームとなると、やることは、やればわかるがTRPGと全然違う形態だから、食い合うというのは想像しづらい。TCGは非電源ゲームなのでまあ地続きと言えるから、まだわからんでもない……にしたってこれも全然違う遊びだからなあ。局所的にTRPGサークルがMTGサークルとなっていった、とは聞くものの。そういうプレイ機会が減らされた人たちの恨み節というのが本音のような。というか、筆者としてはTCGがTRPGを食ったというよりも、TRPGをサポートしていた企業が揃ってTCGに走ったのが真相で、業界人がTRPG冬の時代を唱えてるのを聞くと、それ以前にお前らが真っ先にTRPGを見限ったんじゃねーか! と喝を入れたいのが本心。そうやってTCGに走った末路がどうだったかというと、死体蹴りになるのであんまり責めたくはないのだけれど。……モンコレは言うに及ばず、HJはMTGと手を切り、そして回り回ってウィザーズにD&D翻訳打ち切りという物凄い不義理をカマされてるしなあ……。
 現在においては、TRPGの出版点数自体はバブル期とされる90年代をも超えているとされている。ただ、これをもってTRPGバブルが見せかけだったとか、TRPG冬の時代がコケオドシだったとかいうのもどうかなー、と思う。DTP技術の発達、アマザンなど商品流通の改善によって出版と供給のハードルが下がったこと、他サヴカルチャ盛り上がりの余波、ノウハウの再利用が可能になっただけで、他のメディアにまで出張できてた時代と比べたら数字としてはともかく、影響力としては遠く及ばないというのは揺るぎないのではなかろうか。SRSやサイコロフィクションのように共通のシステムでガワだけ変えて売る、というスタイルで点数を稼いでいるという側面もあるし。やっと再びニュースサイトで取り上げられたりする機会も増えてきたのはいいことだ。
 結論をまとめると、「冬の時代」とされる時期は確かにあったけど、それは業界内に限って騒がれていた話で、実態はそれほどのモンでもなかったというのが筆者の見解。なんかバブル景気を基準にして日本はダメになった、とブーブー言ってるのと同じ感覚を覚える。異常な時期を基準に「悪くなった」と言われたってこっちも困るんよ。同時に、当時を知らずデータだけで冬の時代はイカサマだったとか語られたらば今だって冬の時代を無かったことにできる程盛り上がってるわけじゃねーぞ、とは言っておきたい。むしろ出版点数やユーザが全盛期より増えたといっても、商品ラインナップを見てると供給側で世代交代や新人発掘、人材育成が上手くいってるのか不安になる方がオラァ心配だ。狭いながらに購買層は確保され、メソッドも確立されつつあるだけに、既存ファンの囲い込みに熱心になりベテランデザイナーが居座り続け、新しい芽を育てる余裕や機会に恵まれない。そういう意味で今はまた「冬の時代」に入りつつあるんじゃなかろうか。
 まあ、こんな心配こそ冒頭でディスったアマチュア未満のタワゴトであり、現行遊んでる人たちからすれば単なる大きなお世話だと思いますけど。スマン。俺もそんな懸念を語られたとしたら、「大きなお世話じゃ」と吐き捨てて終わる。TRPGを遊べる限りは春だろうと冬だろうと知ったことじゃねえやあ、元からTRPGで飯を食ってるわけじゃねえんだ、そんな栄枯盛衰とは無関係じゃあ、というのが本音だしな。恐らくPFとクトゥルフと欲を言えばD&Dの最新版を回し続けてるだけで、まともに言葉が喋れなくなるまで遊べる。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

TRPGこぼれ話#275~昔のゲーム・ここが凄いぞ昔は編~

 前回はネガな話寄りになってしまい「大変だったよ話」と小学生レベルのサブタイを付けたが、それだけで終わってしまうとちょっとイメージ悪いので、併せて昔のゲームならではの持ち味の話も。
 整理された今のゲームでは体験できない、昔のゲーム独特の風味……それは何かと問うならば、「変」であることに行き着いた。ハタから見ると明らかにおかしいんだけどそう記載されてないんだから仕方ない、と納得するしかないような珍要素。これだよ。
 魅力と言っていいのか疑わしいところだけれど、ユーザビリティという点では時間をかけてきた最新のシステムに劣るんだから仕方がない。むしろTRPGという遊びが発展途上であったらこそ、
1396978936069.jpg
 てなやみくもな情熱がスパークして生まれた荒削りさを味わえずして、なんで過去の遺物を掘り起こそうかとオレは思う。さもなくばなしてそんなメンド臭いことを。道もない荒れた原野にレールを作るのは苦しいことさってZZガンダムでも言ってたし。
 だって常識的に考えて前世に覚醒した瞬間グローブとボクサーパンツが降ってくるシステムとかおかしいだろ! どうしたらこんな発想が出てくるんだよ! デザイナーは絶対変なクスリとか脱法ハーブとかヤッてたに違いない。メガテンだし。っていうかこの「前世に覚醒したら○○が降ってきた」流しで絶対に笑いが取れる上に、システムの説明になっちゃうところが恐ろしい。この一言でハートを掴まれないTRPGユーザがいようか、いやいまい(反語)。技能や相性ごとの格差が酷いとか難のあるシステムなのはさておいて、「覚醒」というシステムの根幹たる一点でプレイヤーをグワッと引き付けて離さないシステムの魅力を持たせた、というのはこれぞアイデアの勝利。……実は前世の覚醒ってそこまでメガテンでクローズアップされてない(気がする)のに、ここまで重要なシステムに仕立てちゃったというくそ度胸もなかなかのモンである。原理主義者がうるさい今ならどんな評価になったもんだろう。
 D&Dはオリジンだけあって今見ると色々おかしい。よくツッこまれる開始時点はhp1点問題。これで何故冒険者になったのか、という疑問には「冒険者になるしかなかった」という簡潔な回答で済むのだが、そもそもCD&Dのキャラクターは農家の三男坊が鎧を着てるレベルという事実をまず認識すべきだろう。コモナーだと【耐久力】ボーナスなんてまずなかろうし、そこいらの一般人ならhpが1点は当たり前。迷キンの【小鬼】のように常に死にかけているのではない、戦闘において1hpを失うというのは、それだけ致命傷なんだ強引に理解するんだッ! 実際D&Dって攻撃がヒットしなかった時は鎧に弾かれたか、ダメージを与えるほどでもなかったという解釈のようだし。指を切ったとかかすり傷程度はダメージにすらならんのだろう。外見の負傷ってやつな(by番長学園!!)。こういうシステムで生き残っていく喜びというのは、なかなか最近のシステムでは味わえないでしょう……無理して味わいたくもないけれど……5eで2レベルまで生き残ることだって相当嬉しいのに。
 っていうかセーヴィング・スローのくそ高い難易度を見るに、この死にやすさはデザイナーも意図してたんじゃないかなぁ。普通成功しないDCばっかりですやん。
 今となってはこのゲームでしか味わえない、という持ち味があるタイトルは強い。ファンタズム・アドベンチャーなんかは思いっ切りソレ。基本システムからして相当に変なシステムであるのだが、あのズラーッッと並んだ種族のイソパクトの前には霞がちである。メガテン覚醒篇の覚醒システム同様にトレントやマンティコアをプレイヤーで遊べるシステムと聞いて圧倒されぬユーザはいまい、おおさ圧倒されたともよ。しかも未だに最新版が遊べるというんだから恐ろしい。真面目にこういう変なゲームを作ろうという気概が今の国産TRPG市場にあるか? と聞かれたら、残念ながら筆者は首を振らざるを得ない。TRPGがいちコンテンツとして勢力を保っている洋ゲーの市場規模ならではのオンリーワンタイトルです……あれ、でもファンタズム・アドベンチャーってトロイ=クリステンセン先生以外のスタッフの大半が日本人の国産洋ゲーだったような……(クレジットを見ながら)。
 種族数のインパクトにゃあ負けるが技能ごとにクリティカル・ファンブル表が存在する、ダメージ・ダイスの決定がいやに大雑把(ダメージ決定に1d20を使うゲームを俺は他に知らない。だってこう数値の分散とかさあ)など、各方面においてもオンリーワンぶりは健在なのであった。そんな中で発動条件を自身でカスタマイズすることができる呪文ルールは今見てもなかなか風情があって読み応えがある。また胴体限定で装甲を付与する呪文と胴体しか命中部位が無いトレントを組み合わせたGMも「何それつええ」とのけぞるほどの強コンボが生まれたみたいな、システムの全てが相互作用を起こした奇跡レベルの逸話もあるそうで侮れない。
 ファンタズム・アドベンチャーと並んでフォロワーがいない、という点ではT&Tが挙げられる。六門世界2Eのメレー攻撃ダメージが突然合計方式になったのはSNEが何としてもT&Tを世に残そうとしたのではないか、という説にはなんとなく頷けるが、やはり直接的フォロワーというには血筋が薄いと思う。あの味方のヒット合計と敵のヒット合計を比べ合い負けた方が差分を頭割りする侠(おとこ)らしいにも程がある、どう想像力を発揮したって脳筋的戦闘シーンにしかならないグワシャバーッとかバムオッシュとかアストロ球団的擬音が似合いそうな戦闘ルールは、確かにT&T以外に盛り込もうとしたら中途半端なパクリにしかならんだろう。知人氏曰く「一度不利になると巻き返しが非常に難しい」「弱い所からどんどん脱落していく」ところにたまらないリアリティを感じるそうだ(マスタリングにサディストのケがある人物の発言とコッソリ付記しておく)。悪意ダメージなどの細かいカスタマイズはありながらも、第7版までT&Tは元気に活動中。ちなみに第6版は存在しない(HT&Tがそうといえばそう)。第5版以後大きく間が開いたせいか、世間に第6版を名乗るものが出回っており、これらは公式には認めないが海賊版と断定することをせず、「読者のみなさんはこれからもハウスルールを作る権利があるのです」とコメントするに留めているとか。いい話だなぁ(しみじみ)。PFの有志による翻訳への許諾とか、こういう懐の広さは見習うべきだよね。
 未だに版を重ねる現役のタイトルなんで“昔のゲーム”というには不適当かもしれないが、ダブルクロスもd10ゴロゴロ振るシステムはあれもフォロワーが出ないだろうなー、そういや。まさかここまであのシステムを貫き通すとは発売当初思わなかったよ。
 逆にフォロワーは無数に生んだけど、ロールプレイ評価システムを搭載した天羅とかって当時は相当ヘンなシステムだっただろう。ソードワールドに触れ始めた程度のTRPGユーザだったあっしにもありゃあレボリューションだったね。体を夏にして過激に最高。事実異端児過ぎて、天羅零で零システムとして構築されるまでには長い長い試行錯誤と紆余曲折があったようだが。ロールプレイの評価権限がGMに一任されていて、評価のタイミングもリミッターもなく常に与えられるともなれば、そうなろう。GMの裁定ひとつで気力の充実が変わるとか空気を読めないプレイヤーがいるだけで破綻するとか、それはもうLOVEサバイバーな様相を繰り広げていただろうサ。そういう経過と成立を知らず未だにロールプレイ強制システムと穿った認識の人がいてゲンナリするまでワンセット(大体そういう人はFEARゲーというだけで低評価なのもワンセット)。
 そんな零システム成立までの苦節があった一方、楽しければ「いんだよ細けぇことは」とばかりに勢いとノリだけで押し切った番長学園!! みたいなシステムが存在するのを見ていると、天羅零誕生までの苦労は一体何だったんだろうかと思わなくもないが(あのシステムもオンリーワンだろうなぁ……)。まあTRPGなんざ所詮は遊びなんだからみんなでグルーヴできるに越したことはないよね。天羅WARではどうなってるのかしら。
 ソードワールドは戦闘の手順が命中判定→回避判定→ダメージ算出→ダメージ減少算出……と今見ると妙に長いのと【知力】逆順に宣言、【敏捷度】順に行動とかヘンなところはある(レーティング表はデザイナーがメックのミサイル命中表を使いたかっただけだろうと納得した)が、おおむね理解できるシステムだった。そんな中極め付け異端だったのがソーサラー呪文ベンドバー。その効果たるや、棒を曲げる。しかもこれが7レベル呪文。コレだけは今もって何を意図して作られた呪文なのかわからない。相手の武器を曲げるためとか使い道はあるんだろうけど、敵を無力化させるための効果だったら他にもっといいもんが低いレベルの呪文でいくらでもありそうな。それにTRPGで武器を使う敵って大抵三流だからな。鉄柵を曲げたりするんだよとドヤ顔してる人もいたが、局所的な使い道で存在意義を主張されてもなぁ。
 ダイスで必殺技コマンドを入力する拳皇伝説はルールブックをチラ見しただけで詳細を知りません。残念。
 ……と、ここまで昔のゲームならではの持ち味は紹介してきたけれど、絶版のせいでやっぱり遊べないタイトルが多かったり。中古品漁らないと基本ルールブックも手に入らないのでは、ナウなヤングの若者に強く薦めるのはためらわれるのでありますよ。もしも興味が湧いたらサークルの先輩にセッションをねだってみると、きっと嬉々としてポン刀取り出す古物商のように、とっときの珍システムで相手をして下さることでしょう。そうやって新旧の知識と体験を共有していけば、TRPGはもっともっと楽しい遊びになるはずさ!

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

TRPGこぼれ話#274~昔のゲーム・大変だったよ昔は話~

 ガンダム戦記という20世紀のゲームを2016年にもなって遊んだワケだが、いかにも昔のゲームらしい難もあれば独特の味もあった。洗練されていないだけに荒削りの魅力ちうもんはあるものですな。
 昔のゲームだな~、とTRPG実感するのは何と言っても重戦士の冷遇だな。かつては戦士のアドバンテージって大抵「高いhpと全ての武具が使える!」だったけど、ハッキリ言ってそれぐらいなんでMAXがキャラ作成の時点で既に見えていたりする。TRPGの解説書なんかで「頭を使わないと魔術師の盾扱いにされちゃうぞ」とか揶揄されていたけれど、それは揶揄じゃなくて割と事実に近かったんじゃなかろうか。ドラゴンがブレスをぶっぱなし魔術師が彗星を落としたりする横で1dダメージの武器でポカスカやってればそれもさもありなん、だが。意外と90年代末~2000年初頭あたりのゲームでもこの傾向残っていたりする。
 D&Dやソード・ワールドみたいな古典的名作でも……というか、古典的名作だからこそ、この傾向が顕著「D&Dのファイターの仕事はd8を振る事」というディスり、この俺は生涯……と言っては言い過ぎなんで、とりあえず暫くの間は許さん。言い得て妙だが。っていうか3eに入っても、一部では「ファイターの仕事はパラディンの馬番」などと言われてたこともあるとか。失礼ですね。そんなファイターがPFに入るとクリティカル強化特技で悪さを始めるため、最終的には強豪クラスというのはやっと雪辱を果たしたというか、ザマミロ&スカッとサワヤカの笑いが止まりません。……ただ神話級ファイターがクリティカルで15000点ぐらい叩き出した目撃例もあるそうで、いささかやり過ぎ感否めない。なにそれ怖い。どうやってそんなダメージ出したのか及びもつかないし、あんまり知りたいとも思いませんワカったらこっそり教えて下さい。
 ソード・ワールドではファイターを上限の10レベルにする理由が
1366450121317.jpg
 という以外に無いというコメントが忘れ難い。「ファイターを10レベルにするよりクレリックを1レベル噛ませた方が強い」という回答は一体誰がしたんだったかなぁ……まさか公式じゃないよな。SW2.0だと戦闘特技のおかげでだいぶマシになったが取れる機会が極端に限られる戦闘特技を活用しないといけないのに比べ、レベルが上がれば勝手にレパートリーが増えて確実に半減ダメージは与えられてクリティカルが10から発生してMPも増えて《頑強》や《タフネス》を取るまでHP差が生まれない魔法使いを思うとこれでやっとスタート地点に立てた、というぐらいのもんか。《頑強》《超頑強》《タフネス》まで取ってHPを確保すればさすがに立ち位置を意識できたが、これ実現するの7レベルでしかも特技二枠も食ってるからね。多分《鎧習熟》あたりを取ってた方が強い。当然火力はイマイチどころかイマサンてえところだな。
 HT&Tで戦士にハイパー・バーサークができたのも、戦士があまりにもどうしようもないから、という噂を聞いたことがあるな……使うと死にそう、というリスクを背負ってるのと、HT&T自体遊んだ経験が少ないので発動したの見たことねぇですが。
 むしろ往古のゲームで重戦士の扱いがいいゲームでコレだ、というのが思いつきません。あったらこれまた是非教えて下さい。ウォーハンマーの重戦士は、俺が遊んだ版では相当強かったのですが。昔っからああだったのかな。今更だけど↑の体験は重戦士スキーの妬みと嫉みと被害妄想がだいぶ入ってるから、実際にはさっぴいて考えるべきだと思います。こんなこと言っても焼け石にウォーターですがな。
 昔のゲーム、と感じるいまひとつは細かい修正値がやたらと多い事。しゃがんでいる時走っている時暗い時……などなど、状況状況ごとの修正値が律儀におせっかいなほど設定されていて、いざ判定を、という際になると修正値の一覧表と首っ引きになる羽目になる。一時はこういうリアリティがもてはやされた時代もあったそうだが、ガープスが売れていたと思うと説得力ある。俺がFASAのゲームを遊べない体になってしまった原因もコレだな。あの一手にかかる時間を思えば、銃を撃つなり呪文を唱えるなり行動するたびに他のプレイヤーが睡眠のバッドステータスに陥るのも責められまいよ。しかもそれでいて一手でもしくじりがあると致命傷につながりかねないんで余計に時間がかかるし空気は悪くなるし。なんで移動先が1ヘクス違っただけで「え~?」とかブーイングを浴びなきゃいけねぇんだ(以下ブツブツと恨み言が続く)。
 ファンなのであんまり大きな声では言いたくないのだが、PFも割とその系譜だったりする。あれは事前に計算しておくタイプの修正値が多い分だいぶマシな方であるが。この間5eをやってる時「高所からの攻撃のボーナスって無くなったんだっけ?」と聞かれて「ありません」と即答したのだが、あのボーナスっていつから無くなったんだっけな……4e時点でもうありませんでしたよね……?(PFでは残ってます)
 やたらと技能が細分化されてるのも昔のゲームの特徴か。罠を調べるのに〈聞き耳〉と〈視認〉と〈捜索〉判定を行って、罠があるようなら〈装置無力化〉、鍵がかかっているなら〈開錠〉、そして敵に気付かれないように〈隠れ身〉、そこから接近するために〈忍び足〉…………はっ! スマン、書いていて思わず眠くなってしまった。それでいてキャラクターと技能がかみ合ってない、使う技能と使わない技能の差が極端なんてのはザラ。「一生に一度使うかもわからん、しかも鎧によるペナルティがかかる〈跳躍〉に技能ポイントを振るぐらいなら、クラス外技能でも〈視認〉を取っておけ」という先人のアドヴァイスに俺は力強く頷いたのであった。また、MSに乗ってドンパチするゲームで〈作詞/著述〉に技能ポイントを払う意味合いなんて、プレイヤーの趣味以外に何があるんだい?(俺は割り振りました) 趣味でポイントを払う余裕があるなら兎も角、それでいて戦闘技能と一般技能も同じコストで上げるシステムだったりすると、キャラクターシートに書かれている技能の大半は単なるインクの染みと化す。「趣きを解さぬこの和マンチが!」とか言われたところでさー、どうせ〈砲術〉を上限まで上げ続けなきゃ死ぬんだから知ったことじゃねえんだよ、そういう奴に限って自分がいざPLをやる時はよー(以下再びブツブツと恨み言が続く)。
 ……ちなみに、細分化されてるどころか、特定クラスでしかその種の判定が「できない」のも昔のゲームの特徴。やることが多い上に本人しかできない判定が多いことから、シーフ系クラスに責任が集中しやすかった。初心者向きでないとされていたのも、こういう理由があったんではないのかな。最近は大抵の判定が技能なり能力値なりで、誰でも事態に取り組める目が出てきたのはEことだ。技能ポイントをめいっぱい割り振ってないと話になりません、なんて傾向も解消されつつあるし。
 いまだに特定クラス以外できないシステムもあるけど。前述したSW2.0とか。せめて危険感知と隠密とイニシアチブぐらいは冒険者技能で判定させてくだち。熟練の冒険者がスカウトを取ってないとコボルドにも先手を許すとか、スカウトなりレンジャーなりがないとまったく危険に気付かないとか、熟練してる感薄いのはどうかと思う。また、誰でも判定が出来るようになってワリを食うクラスもあったんだ、と5eのレンジャー記事を読んで知った。
 筆者は周囲から懐古主義者と思われているし、自分でもそう思う。絵柄や話の古さは全然気にしないので、昔の小説や漫画も平気で楽しめる(というか幼少に触れる機会が少なかったのでかえって新鮮)。ただTRPGにおいてはその限りではない。昔のゲームとなるとユーザビリティの低さを痛感する結果になりかねないからだ。それにTRPGって、コンシューマ・ゲームなら自分一人で済むが、それを参加者全員で味わう事になるかんね。昔はヨカッタという言葉はあまり使いたくない(昔「」ヨカッタなら良し!)し、TRPGに関して言えば明らかにオレは今の方がいい時代だと思う。システムの整備にはちゃんと必然性があり、ゴールデンルールが記載されるようになってトラブルシューティングもしっかりしている。逆に未整備のシステムを遊ぶというのは、研究とか勉強目的の場合であって、それはあんまり面白くない遊び方なんだよなあ。しなくていい苦労っていうのはホント必要ないし、自慢にもならんすよ。
 もっとも丸くなっただけに消えてしまった味というものも、もちろんある。PFや3.5eがあるのに3eを遊ぶ気はないけれど、(冒頭に述べたような格差が露呈しない範囲で)CD&Dはちょっとやってみたい。特にD&Dは版が変わるごとにガラッとシステムが変わるから、敢えて今3eや4e系列を遊ぶというのも断然アリだ(PF楽しいよPF! エッセンシャルもいいぞ!)。今でもメガテンは覚醒篇が大好きさ。
 最新のシステムで遊ぶのも昔ながらのシステムで遊ぶのもPLの勝手、これもTRPGのイイところ。扱いづらい旧作を敢えて遊び続けるプレイグループというのも歴戦の傭兵みたいでカッコイイぞ! でもそれを他人に強制したり、若手を見下したりしない範囲でな!

Player's Handbook (D&D Core Rulebook)(2014/08/19)
Wizards RPG Team

商品詳細を見る

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#136~Elemental Evil Players Companion キャントリップ編~

 『Elemental Evil Players Companion』は種族編でも触れたように、とても無料とは思えないほど充実した内容がぐっちゃり収録されており、特に例によって例の如くアルファベット順に掲載されている呪文表などメンド臭くて見る気も起きぬ! ものぐさ太郎ですいません。が、フロストバイトが大抵のクラスで取得可能というウヒョヒョ! なニュースを聞いてヴィシャス・モッカリーで飯を食ってきたバード愛好者として複雑な感情を抱いたりもしたので、地道に解析を進めていこうと思います。てなわけで今回はキャントリップ編だヨ。
 『Elemental Evil Players Companion』導入最大の利点と言えば、前述の通りフロストバイトの採用といっても過言ではなかろう。いや過言か。でも一発の被弾が命取りの1レベルの時点から、相手に不利を与えられる手段が増えたというのは心から歓迎したい。
1434249216201.jpg
 しかも特筆すべきは【耐久力】セーヴというところ。低脅威度の間横行してるのはパック・タクティクスと“技巧”特定の【敏捷力】一本で飯が食っていけるとか甘っちょろい思考に頼ってる連中なんで、【判断力】狙いのヴィシャス・モッカリーと合わせてガンガン弱点を突いていびり倒してやるといい。ただ、忘れやすいのが「武器攻撃のロール」に限ること。武器以外の呪文攻撃に対しては不利が乗らないため、この点ではヴィシャス・モッカリーに譲る。
 採用されてうれしいキャントリップといえばマジック・ストーン。キャントリップにしては珍しく能力値修正値がダメージに乗る。しかも、効果を適用された石を投げつける場合は、発動者の能力値修正値で攻撃ロールを行える。効果時間も集中要らずで1分のため、人に渡す余裕もアリだ。基本のダメージ・ダイスはd6と小さいが、「固定値さえあれば倒せる」という状況は少なくないし、最低でも能力値修正値+1点のダメージが約束されているだけでも十分だろう。キャントリップ主体で、固定値の乗る遠隔武器を持ってない後衛に渡すにも有用。
 数少ない修得可能クラスのドルイドにとって、この恩恵は大きい。1レベルが激辛な上にキャントリップの枠が少なく、攻撃手段としては一長一短だったラインナップに安定してダメージを与えられるマジック・ストーンが加わるのは心強い。ダメージを求めてシレーラで殴りかからなくてもよくなった。ちなみにドルイドの他にウォーロックも使える。チッ まあどうせ2レベルからエルドリッチ・ブラストに固定値を乗せるようになるから使わなくなる気がしますけど……。
 残念ながら魔法的なダメージではないようなので、ライカンスロープなんかには通じない。ガイダンスを切ってでもプロデュース・フレイム辺りを覚えておくか、それともやっぱりシレーラで殴りかかるか!? ダメージと言えば、他のキャントリップと違ってダメージは1d6のままなのが痛い。
 命中判定を伴わない攻撃手段としては、クリエイト・ボンファイアが登場。【敏捷力】セーヴに失敗すると1d8[火]ダメージに加え、設置型のためその地点に踏み込むか留まると再度ダメージを受ける。敵の周りをグルグル回れる代わりに5フィートステップが消え、2体以上の敵に囲まれると非常に動きづらくなった現環境では配置次第でかなりいやらしい効果になる可能性はある。フレイミング・スフィアーのミニ版みたいなもんか。
 サンダー・クラップは自分から5フィート以内に[電撃]ダメージを与える、キャントリップにしては珍しい範囲攻撃だけど、わざわざ敵中に突っ込むぐらいなら、アシッド・スプラッシュでいいんじゃない? と思わなくもない。勇の徳を選んだバードとか、エルドリッチ・ナイトなら有効に使えるであろうが。
 攻撃手段以外ではなかなかのシブメンどもが揃っている。コントロール・フレイムスは延焼を起こす・炎を消す瞬間効果と、光量を拡大or縮小する・炎の形を変える持続型効果の2つを持つ。光量の拡大は闇の中で視線を通す際に重宝するだろう。地下探検ではべらぼうに広い範囲の暗視を持つ奴と戦う状況も多いことだし。ドラウとかドラウとかドラウとかな。持続型効果は1度に3つまで動作させることができるのもミソ。
 ガストは珍しい【筋力】セーヴを要求させるキャントリップ。セーヴを起こすと相手を5フィート突き飛ばせる。ミニチュア戦闘が標準でなくなった5eだが、まだまだ強制移動の可能性は残されている。物体の移動も色々悪さができそうである。片手武器は大抵重さ5ポンド以下なんで、持ち替えを面倒がって投げ捨てるようや奴がいたらすっ飛ばしてやると面白そう。……でも一手使うほどでもないか。有効に使えればカッコイイが、ただでさえ少ないキャントリップ枠を埋めていいのかは怪しい、いつもの通好み呪文って感じれすか。音を起こすこともできるで。
 モールド・アース土や石の地面を移動困難地形にしたり、移動困難地形を通常の地形にしたりできる。キャントリップで戦場そのものに干渉できるというのはかなり新しい。しかも集中がいらないため、どんどん移動困難地形を減らしたり増やしたりすることができる。戦闘中は勿論、事前に戦場を操作して有利な地形を作る、なんて使い方も面白そう。「お前らぐらいのレベルの冒険者なら、フリーダム・オヴ・ムーヴメントぐらい常備して当然だろ、な?」とかぬかしそう(5eの公式シナリオを思うとなんか笑えないなぁ)なくそライターにほえ面かかせられるカモよ。あ、土や石の地面じゃないと駄目だけどね。土を掘ったり操作したりできるというのもこの手の呪文のお約束。
 シェープ・ウォーターはこの手の呪文の中でも、水限定というのがちょっと汎用性において難がある。水の色を変えて視界を遮るとか、水を凍結するとか使いではありそうではあるんですけどねぇー。
 ちうわけで注目のキャントリップは一にフロストバイト、二にフロストバイト、三四がなくて五にマジック・ストーンってな具合か。マジック・ストーンは個人的な趣味として推す。ドルイド1レベルの待遇改善にもなるだろうし。次点で戦場への干渉力というレア度でモールド・アース。が、ほんとにキャントリップって枠が少なくて、そうそう遊びを入れる余裕がないんだよねェ~。ソーサラーを選んだ時には是非とも使ってみてちゃぶだい。そして使う際には翻訳してくれたカゲシタさんに感謝の念を忘れずに遅れるのだ。感謝。
1431723429833.jpg


テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

TRPGこぼれ話#273~ガンダム戦記レポート「ダイクンの亡霊」後編~

gundam01.jpg

続きを読む

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

プロフィール

銀河アズマ

Author:銀河アズマ
頑張りましょうと言えないのがとても残念です

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
タグ

D&D Pathfinder PC作成 5e 4e Encounters 初期PC TRPG クトゥルー クトゥルフ神話TRPG キャンペーン 六門世界 東方ドミニオン ARG レポート 3e 読んだ本 ボードゲーム 迷宮キングダム 小説 サプリメント SW2.0 APG ACG MM カードゲーム ザ・ペナルティメイト・トゥルース モンスター・コレクション メタリックガーディアン N◎VA パラサイトブラッド 音楽 エッセンシャル 大槻ケンヂ UC 筋肉少女帯  ブレイド・オブ・アルカナ MTG 一発ネタ 風神録 漫画 Season8 PU SF キン肉マン UE ジョジョの奇妙な冒険 覚醒篇 中堅PC バカゲー GM 野望のルーツ ウォーハンマー Princes_of_the_Apocalypes Season6 Season4 永夜抄 Season7 アニメ リプレイ サタスペ 東方領土研究会 クトゥルフ2010 パズル EXTRA 紅魔郷 DMG ゲーム Bestiary UM PHB クトゥルフ2015 伊藤勢 Season11 椎名誠 妖々夢 天羅万象 R&R 死の国サーイ 真・女神転生 NEXT スパロボ ガンダム 地霊殿 PSYCO-GUNDAM スティール・ボール・ラン 機動戦士Zガンダム シナリオ Season3 ファンタズム・アドベンチャー Season9 Season5 MC 世紀末古代災厄公社伝説 シオドア=スタージョン Forge 奇想コレクション バキ Season12 フィリップ・K・ディック 荒野に獣慟哭す 空中庭園エリュシオン UA コードウェル城奇譚 好きなTRPG レッド・ノベンバーを救え! ナイトウィザード シャドーオーバーミスタラ タイム・オブ・ティアーズ・アゲン キャッスル・レイヴンロフト 番長学園!! フンタ 電車 レジェンド・オブ・ドリッズト 特撮(バンド) CRB 五つの風 UCa リボルミニ パンデミック サタスぺ ジョジョリオン Expeditions 特撮 プロモカード Volo's_Guide_to_Monsters 映画 ダンジョン・コマンド Temple_of_Elemental_Evil 快傑ズバット ACG 機甲猟兵メロウリンク FEAR アリアンロッド メガテン シャドウラン 異色作家短篇集 手塚治虫 ダークブレイズ 装甲騎兵ボトムズ d20モダン 雑記 東映特撮YouubeOfficial 即大休憩 真夜中の探偵 レイトショウ T&T 三国志 アルフレッド=ベスター ラス・オヴ・アシャーダロン ラクラク大統領になる方法 ゲーマーズ・フィールド エンゼルギア ジャングルスピード ドラスレ Pit 東方領土研究会会報 Out_of_the_Abyss 異色作家短編集 セブン=フォートレス MM2 VGtM モンスター画家 ウルトラマン 当方領土研究会 三上寛 クソコラ 鉄腕アトム ラフカディオ・ハーンと四つの顔 パラノイア 魔獣使いの少女 ガントレット・オブ・フールズ コズミック・エンカウンター 革命万歳 アーカム・ホラー 絶体絶命 キテレツカップリングパーティ 刺青の男 レイ=ブラッドベリ キャット&チョコレート ログ・ホライズンTRPG そっとおやすみ バイブルハンター ミストグレイヴ 島本和彦 火の鳥 スティーヴン=キング クトゥルー神話 ストーンオーシャン ポケットの中の戦争 イベント 都筑道夫 幻想少女大戦 カットスロート・プラネット フレドリック=ブラウン 

リンク
FC2カウンター
D&D5e
Pathfinder
クトゥルー
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード