銀河アズマのバカゲーとそれ以外だいすき#07~上毛かるたを知っておるか~

 上毛かるたとは、群馬県民なら避けて通れない(はず)遊戯兼教材である。学内では上毛かるた大会が開催され、県内のツワモノどもが技と力を競い合うし、正月のかるた遊びでもきっぱり使うのは上毛かるたなのである。群馬県というと最近未開の魔境のように茶化す輩が増えているが、そういう輩には上毛かるたと焼マンジュウと東武伊勢崎線も知らずして何をぬかすか、とうそぶいてよい。うそぶいてどうなるものでもないが。
 上毛かるたの構造やルールは基本的なかるたに則っている。文字札で指定された絵札を一番早く叩いた人が、その絵札を獲得。その枚数を競う。総枚数は44枚。「を」「ん」の札は無い。うちのシマでは獲得数が同数だった場合、「つ」「鶴舞う形の群馬県」を握っていた方が勝利するルールだった。このように札一枚につき群馬県にまつわるフレーズが設定されており、これを遊ぶことによって自然と群馬県に関する〈知識:地域〉が伸びていくというスグレモノなのよ! というのが売り文句なのだろうけど、正直言って子供にはわからんちんな語句が多くてあまり勉強にはならなかった。というか今考えてみると、このトシになってもよくワカらないフレーズが結構多い
 例えば切り出しの「あ」「浅間のいたづら鬼の押し出し」。山の頂上に建つデデデ城みたいな館から煙を吐いている絵なのだが、どの辺がいたずらでどの辺が鬼を押し出しているのかサッパリわからない。てっきり浅間山に住む悪戯鬼が土俵際から押し出され山から転落したのだろうか、などと勝手に脳内力人伝説を組み立てていたら、浅間山の大噴火で押し出された溶岩が風雨によって奇妙な姿で積み重なっている様を読んだのだという。悪戯をしたのは鬼じゃなくて浅間山だったんですね。
 「か」「関東と信越つなぐ高崎市」は信越の意味が幼少期はようけわからんかったが、まあ無難な語呂ですねってそのまんまじゃねーか今見ると! 逆に「ら」「雷と空っ風義理人情」は、語呂と絵札はかっちょよいが何をいわんとしているのかよくワカらない。単に群馬の気風を三つ合わせただけか。カミナリをライと読むのはちょっと無理矢理合わせた感があるな。もしくはライチュウの出現を予見していた。しかし群馬県の「空っ風」は間違いない(登下校の自転車で散々突風に泣かされた)が、そんなに雷は凄かったっけ? 義理人情は明確に違うと言える。二度出会ったら四、五発殴りつけたくなるような奴ばっかりだったぞ。
 「ち」「力あわせる190万」の190万は群馬県の人口のため、しょっちゅう変わった。版が変わるごとに更新しなければならないため、印刷する方は大変だったであろう。
 「ひ」「白衣観音慈悲の御手」は、漢字を見ればワカるが子供の時は「みて」をどう書くのか知らなかった。「のみて」→「飲みて」、清濁併せ呑むということか? と勘違いしたり。 それとも『家政婦は見た!』みたいなもん?(見てんじゃねーよ)
 「ゆ」「ゆかりは古し貫前神社」は貫前神社の存在を知らない以外はまあ珍札とは言えないが、どうも「かりはふるしきさしじんじゃ」と覚えてしまってお手つきが多くて困った。もうちょっと響きを考えてくだちい「む」「昔を語る多胡の古碑」の「多胡の古碑」も響きだけではちょっと字面を想像しづらい。たこ八郎や「こら、タコ!」(寅さん風)とも関係ないし、ガンダムWの五飛とも関係はなかった。
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 「や」「耶馬溪しのぐ吾妻峡」、耶馬渓をしのぐ、って言われても、そもそも耶馬渓がなんなのかよくワカらなかった。耶馬渓ってな大分県中津市にある渓谷の事ね。他県をディスるとはなかなかいい根性しているな上毛かるた
 偉人シリーズ、「へ」「平和の使い新島襄」を「平和の使いあしたのジョー」、「ほ」「誇る文豪田山花袋」を「誇る文豪頭かたい」は、地元民なら定番のギャグってやつですね。ボストンで宣教師として活動していたお人がサンドバッグに浮かんで消えるにくいあんちくしょうを叩いて叩いて叩く野生のケンカ屋になってしまった。通は「平和の使いコンドルのジョー」とするところか。戦闘の鬼コンドルのジョーをあてはめるところに妙とアイロニーがあってですね(以下長いので省略)。後者は藤原カタマリに比肩できるであろう勘違い人名。その昔授業で名作『布団』が「想い人の布団に主人公が潜ってウヒウヒして終わるキモ小説」と聞いたんだけど本当だろか。
 「ろ」「老農船津傳次平(でんじべえ)」今見ても意味がよくワカらない。音の響きだけ聞いてもワカらない札の中でもこれはかなりの強豪である。老農というからには年経た農家の方なんでしょうが。調べてみたら、幕末~明治にかけて農業改革を行った人で、“老農”はその時期の優れた農業指導者を指す言葉だったので、別に老人と言う意味ではないらしい。身内では「老農船津デンジマン」というギャグが流行していたが、あの当時既にスーパー戦隊はフラッシュマン期だったのに、よくサラリとデンジマンなんて出てきたな。
 まとめて一つの単語かと思い込んで意味がワカらなかった札も多い。「よ」「世のちり洗う四万温泉」は「ヨノチリって何だ?」と思ったけれど、バラバラに読んでみればなーんだ、である。「せ」「仙境尾瀬沼花の原」の「仙境」もそう使う単語じゃないけんね。てっきりセンキョウオゼヌマっていう土地があるのかと。でも尾瀬の幻想的な風景に「仙境」という言葉をアテたセンスは美しいなあ。
 色々地元民として茶化してきたが、「ね」「ねぎとこんにゃく下仁田名産」には何の異論もありません。甘くてウマいぞ下仁田ネギ! 一度食ってくんねい。

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高円寺ストリートの食堂

 学生のような飯の食い方が抜けてないため、高円寺の高架下にあるやたら量の多い食堂にはよくお世話になっている。セッション前後の食事について書いた回に出てくる、500円ちょっとで鳥野菜フライ定食が食える店のことだ。
 高円寺というのは日本の印度と呼ばれるだけに、よくもまあ日本の首都にこんだけ怪しくて古臭い街並みがあるもんだ(無論いい意味で)、と感心してしまう。この食堂も狭くて床がなんとなくベタベタしている清潔とは言い難い店なのだけれど、キレイキレイな場所に来ると息苦しくなる筆者のような人間には大変居心地がいい。毎日訪れる人もいれば、1日2回以上利用する人もいるという恐るべき地域密着型の食堂である
 高円寺の高架下という怪しい場所なのも良い。はす向かいにライブハウスだかなんだかわからない、とてつもなく危険な臭いのする店がある。三上寛さんが時折訪れるそうだが、あまりにも雰囲気が怖くて未だに行ったためしがない。某所で高円寺のイメージについて「過激派が潜んでいそうなイメージ」「むしろいないとがっかりする」という発言を聞いたことがあるが、多分そのイメージは、この高円寺ストリート近辺が一身に担っている気がする。阿佐ヶ谷までの高架下もホントに何もなくて暗くて恐ろしかったが、アニメストリートなるよくわからんもんが出来てダラクしてしまった。ジャズの町などと気取った売り文句があるのだからそっちを推せばいいのに。荻窪もよく立ち寄っていた本屋が潰れて、何が入るのかなあ、と思っていたらコンビニだったという一番つまらない変化を遂げているのでダメだ。高円寺だけはいつまでも程よく古くて怪しいままであってほしい。
 その日、私は近場のインディーズCDを扱う店(ここもビニール袋に入ったコピー本だかなんだかわからんもんを売っている大変怪しい店だ)を見た後、この食堂に入った。入り口の側の席に座り、いつも通り鳥野菜フライ定食を頼み、さて待っている間にヤングジャンプでも読むかなあ、と身体をひねったところ、目についたものがあった。
 客は筆者のほかに二人。そのうち、店の奥にいる一人が不思議な姿だった。見た感じ小学生ぐらいの少年なのである。はて最近の子供は一人でこんな大衆食堂に来るものなのか、オレが子供の時は昼飯を一人で食うカネなんて持たされなかったし、あったとしてもマンガやらオモチャやらに費やしたものだけれどなあ……と思っていたら、さらに下を向いている少年の手元にあるものに目が行った。
 学校の教材と思しき小冊子に、熱心に漢字の書き取りをしているのだ
 教育ママやガリ勉などという言葉はとっくに死語と化しているが、やたら勝ち負けを煽りたがるこのご時世、教育競争は未だに、いや昔以上に加熱しているのかもしれない。しかしまあ飯を食う前までそんなことをしなくてもなあ、そんなに今どきの子供は忙しいのかね……などと柄にもなく分別臭いことを考えていたら、料理がやってきた。
 少年のことを気にするのもそこそこに、筆者は料理を平らげていった。膨れた腹に満足を覚えつつ、そういえばあの少年はどうしたろうか、とチラと振り返ってみると、そこは空席になっていた。筆者は入り口の側に座っていたのだし、この店はドアを開くと結構大きな音を立てるので、出ていったのなら気付かないことはありえないはずだった。
 はて? と思って何気なく厨房の方を見たら、その少年がいた。流し台で、食器を洗っている最中だった
 どうやら少年はこの店の夫婦の、ご子息だったらしい
 それなら店の机で漢字の書き取りをしていたのも不思議ではない。多分、学校の宿題か何かを終えて、今は店の手伝いをしているのだろう。子供が店の手伝いをするという、言葉にすると不思議ではないが、とんと見ていなかった光景であった。学校の生徒としてやるべき漢字の書き取りと、子供としてやるべき家の手伝いをきちんと両立している少年の姿に、筆者は我知らず感動してしまっていた。8畳ほどの食堂に、少年の日常を見たような気がした。
 あの少年が本当にご子息なのか、確証があるわけではない。しかし本当にそうだとしたら少年よ、君の家のお店は高円寺の誇りにしていいと思いますぞ



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