クトゥルフ神話TRPGヨタ話#86~少しまじめに考える戦闘システム・ハウスルール編~

 基本的なルール・技能編と二回にわたってお届けしたクトゥルフ戦闘ルール、既に
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 空気が漂っているっちゅうか、普段の数倍の分量の記事を書いた気がするのだが、なんかクトゥルフの戦闘ルールのダメっぷりはあまねく知れ渡っているんだから、あんなに苦労しなくとも別に良かったような。いや自習的な意味で書いたんだからいいんだ、うん。
 で、マトモに回そうとしても回さないってことがワカった(嗚呼苦労に全く見合わない結論)ワケで、じゃあそれをどうするのかと問うならば、TRPGにおいていやさ万事に共通する格言、「無い物は作れ」。素晴らしい金言だな! マイナージャンルのエロ同人が無ければ自分で作るのが一番手っ取り早いのは、地続きの業界だけに皆様よくご存じでしょう! いやいくら地続きでもマイナージャンルのエロ同人はなかなか描かねえか。
 そう、このズブズブな戦闘ルールに我らがすべきことは、マトモに回らないなら、回るように改造すればいいじゃない! TRPGというかルールのある娯楽として色々間違ってる気がするが、実際素直に回すとようけわからんことになるんだから仕方がない! なあにもうちょっとまともに動くがユーザ各自の思惟の入る余地が物凄く多いT&Tというシステムだって立派に商売成り立っている!
 予告通り、今回は筆者がクトゥルフの戦闘を扱うハウスルールの話。公式見解でもなければ、他所のレギュレーションではまったく通じない話なんで、話半分もしくは都合のいいところだけを摘んでいく程度の気持ちで読んでくだち!

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クトゥルフ神話TRPGヨタ話#85~少しまじめに覚える戦闘ルール・技能編~

 前回さんざなんだこのズブなシステムはとかこれでよくもベーシック・ロールプレイング・ゲームと名乗れたもんだとかそれにつけても金の欲しさよとかディスったクトゥルフの戦闘システム、これ以上掘り進めても「各自でハウスルールを作って回さないと話にならん」と う結論に落ち着きそうな空気がふんぷんとしているのだが、始めちまったもんは仕方がねえ。そう、クトゥルフの戦闘ルールは前回押さえた基本的事項だけでなく、戦闘に関わる技能それぞれにも個別のルールが記載されているのだ! だからそういうことは戦闘ルールに包括しておけよ!
 早くも怒りのあまり歌舞伎揚げバリューパックを一袋空けてしまいそうな険悪ムードが漂ってきてますが、そんな既に敗北感たっぷりのクトゥルフ戦闘システムおさらい記事、今回は戦闘関連技能特集60分一本勝負だヨ!

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テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

クトゥルフ神話TRPGヨタ話#84~少しまじめに覚える戦闘ルール・基本編~

 故あってクトゥルフのルールを再確認している時、ふと「そういえばオレまじめに戦闘ルール読んだことねえな」と思った。
 本当に読んだこと無かった。まじめに戦闘する気が無かったから。
 護身用に銃ぶっぱなすとか空手蹴りするとかならともかく、KPから戦闘ルールを読み込んでいないと生き残れないほどのガチンコファイト倶楽部を挑まれるというのは、それは探索者のシナリオ的敗北だろうという古い考えが染み付いたウサミン世代なので。確かにKGBもといその前身のチェーカー相手にドロップキックで飛び回る大ハシャギをしたこともあるが、ありゃ若気の至り(あと装甲をもらえたし)であり、クトゥルフのシナリオってのは頭脳パズルで、足で稼いだ情報をひらめきで組み合わせれば必ず道は開ける! というのが基本的方針は今でも疑っていない。まあその割にオレが参加するシナリオはなんか独立種族に引っかかれたり狂人に銃で撃たれたり狂人が操った味方に銃で撃たれたりとやたらと物理的戦闘を強要された記憶ばかりなのだがな!
 とは言えいつまでも仲間内のゆるゆる裁定に与えてルールを疎かにしていると、いずれ来る全てをTRPGで解決するホビーアニメ的な世界において脱落し、ひとりジャパリまんを食い損ねるフレンズに落ちぶれる危険性も否定できない(もう言ってる方もわけわからん)。ここはひとつ卒業シーズンであることだし心機一転、少しはまじめに戦闘ルールを把握してみるか、とルールブックに手を付けた。
 手を付けたんだけど、本当にクトゥルフのルールブックって戦闘ルールパート少ねえのな
 およそTRPGにおいて戦闘というのは重要なファクターであり、それが占めるルールブックの割合というものは結構なものとなる。D&DやPFなんてそれだけで一冊の本が……とは言わない(考察や分析を含めるなら楽勝)が、小冊子一冊ぐらいはできそうな分量があるし、読めば読むほど新しい発見がある。オレ戦技を試みる前に機会攻撃でダメージを受けたらダメージぶんのペナルティを受けるなんてこの間初めて知ったよ。いやそもそも機会攻撃受けるような状況で戦技しなかったからさあ。大抵GM側で《(戦技)強化》持ってる奴ばっか使ってたから。
 対して、クトゥルフの戦闘ルールは6ページで終わる。そのうち4ページはスポット・ルール、さらに細かく見ると4ページ中2ページは火器のスポット・ルール。銃器の携行が許されていない現代日本だとまるで見ない可能性もある。見開きでルールがまとまる番長学園!! もなかなかに衝撃であるが、これでベーシック・ロールプレイング・ゲームを名乗るケイオシアムのふてぶてしさも相当なモンである。みくは〈頭突き〉がキャラクターシートに最初から印刷してあるシステムはベーシックではないという意見を曲げないよ。
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曲げない前川
 なんか記事にするほど熱心に読み返さなくてもいいような気がするけど、なんせ今ナウでイマいヤングに大人気のクトゥルフ、あたしもクトゥルフの戦闘ルールを把握して一人前の探索者になったるばい、ととんでもハップンする博多女子も見ているかもしれない。方言で喋る女性キャラを見ると興奮する性癖の筆者としては方言女子とエンカウントのチャンスを逃すわけにもいかないので、ここはひとつ本気(まじ)モードで戦闘ルールを再確認してみた。それに、戦闘ルールの記述こそ少ないが、実は〈回避〉や〈組みつき〉は技能個別の解説に重要な事柄が記載されているので、実際に把握せねばならないルールは見た目以上に多いのだ(この記述の散逸っぷりは何とかしてほしい。7版で直ってるといいネ)。

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クトゥルフ神話TRPGヨタ話#83~クトゥルフ神話怪物図鑑~

 クトゥルフの新サプリ、『クトゥルフ神話怪物図鑑』が9月30日に発売されるそうですな。意外と近くてあせった。
 仮面ライダーAmazonの解説によると「野外観察図鑑(フィールドガイド)」の体裁を取り、クトゥルフ神話の神格・クリーチャーをカラーイラストで紹介、さらに緻密な生息地や分布、警告を網羅した『図鑑』の名に相応しい内容(と期待を込めて★×5)であると探索者及びKPならばハチミツを発見したグリズルの如くニヤピク必須の紹介がなされている。
 モンスター・データなら『クトゥルフ・モンストロム』でお腹いっぱい胸いっぱい、一生かかっても使い切れなそう(そんなマイナーな独立種族や神格を掲載されても)な分量を収録しておったが、その姿は文章描写のみに留められ、真贋のうさんくさい参考写真や関連物が小脇に添えられていたのであった。あのセンスはムチャクチャ好き(シュブ=ニグラスの項に載せられているウィルヘルム・レームブリュック作・『黒山羊』の知らない人が見たらそうですかと納得してしまいそうなそれっぽさを見よ!)だが、あらためてイラストで、それも大々的にカラーで悍ましくも名状し難い姿を紹介してくれるなら、これは新たなクトゥルフ神話TRPGグッヅとして必携の一冊となるでしょう。BRPだと分厚くてプレイヤーに開いて見せづらく、イラストもちょっと小さくて見づらいのよね。
 当然のことですけど、クリーチャーの外見と言うのはそれだけで問答無用の個性と説得力であり、絵面のみでシナリオを一本組ませるぐらいの破壊力がある(実際オレは3eのMMで外見から何本もシナリオを作った)。こういうところに力を入れてくれる点がD&DやPFをはじめとした洋ゲーは本当に羨ましい。日本になると市場規模が小さく単純にカネがないんでいちいちクリーチャー一体ごとにイラストなんて付けてられるかベッキャロウと言われると反論できないのだが、そんな中で迷キンやサタスペで一モンスターに一イラストを貫いた冒企はエライ!
 解説文を読んでいて気付いていたのだが、これはつまり『クトゥルフ神話図説』の現代版と思えばええのかな

 あの本も奇天烈なイラストとユーモアとウィットに富んだ文面(「ドールは惑星を荒廃される生き物なので、地球上で出会ったらすぐに関係当局に報告すべきです」とか小学生向けの夏休みの友的警告文が笑える。まずどこが関係当局なのか、そして当局に報告してどうにかなるのか)がサイモンとガーファンクル、チョコラータとセッコ、MIO(現在MIQ)と『怒りの獣神』のような相乗効果とハーモニーを見事に奏でる名著であった。文章の全てが出典元の作者のものではなくラヴクラフト先生の手によるものとなり、かつダーレス的神話観が丸無視されていたのも思い出深い
 手元にある一冊の奥付によると1994年、8月31日に初版が発行とある。実に22年前、その時を越えて同様のコンセプトで作られた書が世に放たれようとは、クトゥルフというコンテンツのしぶとさとファンの熱意、それにドッ根性にはたまらずシャッポを脱ぐグッレイト(ケ○ッグ)。『図説』も最早中古ショップでン千円で取引される稀覯書、持ってるだけでもステイタスだ。筆者はこの本を何気なく足を踏み入れた、まったくTRPGと関係ない古本屋で安値で売られているのを目撃し、値段をひとケタ間違えてるんじゃないのか、はたまたドッキリかと無意味に挙動不審になってしまった。チェーン店系の広く浅く、な古本屋でも意外とひと昔前、ふた昔前のTRPGが売っていたりするのかなかなか油断ができない(この間は年始にやったガンダム戦記が3500円ぐらいで売っていた。確かイエサブだと中古で5000円ぐらい。350円なら買ったかもしれない)恐らく引っ越しや進学など諸所の事情でTRPGをできなくなった若者が売り払った置き土産であろうが、とりあえず近くにカメラが潜んでいるとか発信機が取り付けられているとか新手のスタンド攻撃とかはなさそうだったので、グフグフ笑いながら確保したのでありますよ。あれは思えばTRPG人生において五指に入るほどの幸運であったな。まあ、後に同じ古本屋で『比叡山炎上』と『ダーク・エイジ』が並んでいるのを見て悩んだ末『比叡山炎上』の方を選んでしまうTRPG人生において五指に入るやらかしをしてしまうワケですが。

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クトゥルフ神話TRPGヨタ話#82~これからクトゥルフを始めるみんなに言っておきたいことがある~

 かなりきびしい話もするが俺の本音を聴いておけ。
 いつの間にやらシマによってはTRPGと言えばD&Dでもなければソードワールドでもなくましてやマルチバースでもない(適当に浮かんだ名前を書いただけ)、クトゥルフと答えられるそうで吃驚。各種メディアで急速に取り上げられるようになったのもあるが、いやはや世の中何が起きるかワカらんもんだ。もしかしたらオレの終生の夢であるアマゾネスの住む秘境に迷い込んで子孫を残すためだけに拘束されて一生を終える、そんな野望も実現するかもしれんな! ちなみに火付け役がニコ動の卓上ゲーム動画という分析は『古きものたちの墓 クトゥルフ神話への招待』で森瀬繚氏が指摘しておられるが、オレもそれを読む前に同じ意見を提示していたりするのだフフン参考記事)←アオイホノオで鼻で笑われていた自慢。
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 せめて本が出る前にこの分析を記事にしてたらまだ格好がついたのにね。でも、たまーに「N◎VA新版ではマキナでINAUSが焼けなくなったよ」という四月バカの嘘が本当になって釈明に追われたりするから、ほんと世の中何が起きるかワカらない。あの時はスパイ扱いで追及されてマジで焦った。
 話の腰がボキッとエンマ号のマストのように折られたが、ともかくクトゥルフがTRPGのイメーヂになってるのは事実、クトゥルフをやりたくてTRPGを始めるという人も少なからずいることだろう。なんせ始業シーズンだしな!(とってつけたような時事ネタ) ただ、クトゥルフって決してTRPG全般のイメーヂとして適当でもなければ、初めて遊ぶのに適したシステムではないと思う
 これはクトゥルフ自体のシステムに問題があるのではなく……いや割とあるが……TRPG全体の中でも特殊なケースであることは認知しておかないと誤解を招く。さらに言うとクトゥルフ自体がメディアでの取り上げられ方やネタにされ具合のせいもあるが誤解を生みやすいシステムだったりする。この辺の認識の差があると、いざ実際にクトゥルフ卓に参加した際、経験者との間で齟齬が生まれ悲しいTRPGデビュー、場合によっては同時にTRPGにバイならする衝突事故にもなりかねない。
 というワケで、今回はクトゥルフ初めてさんが知っておいて欲しい、クトゥルフにありがちな誤解特集全部ポンチ野郎の筆者がやらかした痛い目を見た誤解なので、読むまでもなく「言われなくても知っとるわい」という内容かもしれんが、まあ痛い体験談とでも思って見てくれや! つまりクトゥルフ版しくじり先生だな!(そうなの?)

1.クトゥルフはバカゲーではない
 クトゥルフはバカゲーでもなければギャグゲーでもない。決してB級ホラー映画のようにあからさまに危険に突っ込む、わかっていてバカをやるゲームではない。確かにわかっていても危険に突っ込むB級ホラー映画以上に問題のある登場人物が多い……っていうか原作だとそういうセッティングはかなり多いんだけど、バカゲーじゃあないんだ! 信じてくれ! テキトーにヤバそうなものに触れてアッパッパーになるのを見てゲラゲラ笑うだけのゲームではない。初回は許してもらえるかもしれないが、繰り返すと多分不興がられるプレイである
 じゃあ何ゲーなのよ、というと、クトゥルフは一応ホラーゲーである。一応人知の及ばない神話的存在に遭遇する恐怖や狂気、人間の卑小さ、その上でいかに抗うかを楽しむというのが本題のはずだ。
 言うてもホラーとして楽しむというのは、実は結構難しかったりする。正気度を始めとしたシステムがハタから見るとバカっぽい上にネタとしてあまりに使い勝手がいいため、どうしてもギャグとして取り上げられがちであるし、そういうイメージを払拭するのも簡単ではない。しかも文章で盛り上げる小説や視覚・音響に頼れる映像とは違って、その場その場のKPの語り口という非常に心許ないものから想起される恐怖なので、実際にコワい思いをするかどうかは保証できない。
 ただ、人知の及ばない神話的存在の、この「人知の及ばなさ」は間違いなく保証できる。見たら発狂する存在だけあって、クトゥルフに登場する神話的存在どもはどんな思考回路してたらこんなもん思いつくんだろう、という風体や性質の連中がガンクビを揃えている。率直に言って創始者のラヴクラフト先生は危ないクスリでもヤッていたのではないのか。神秘的な夢をしょっちゅう見たというし(ショゴスは麻薬中毒患者の夢にしか出てこないという説があるが、それを克明に描写できる先生は……)。
 クトゥルフで遭遇する神話的存在は、恐らく今まで知っていたどんな創作物よりも気色悪くてヘンテコで、しかも面白いはずだ(原作風に言うと冒涜的ってヤツだね)。知らない、想像もつかないものに遭遇する、そういう楽しさがあることは期待してもらって間違いない。無論本当に怖かったならそれはそれでOKだ。思う存分怖がりまくって、一人で夜中トイレに行けないぐらいになってくれるとKPも喜ぶ

2.クトゥルフは狂うことが目的ではない
 想像もできない神話的存在との邂逅、そんな未知との遭遇も大きな楽しみだけれど、クトゥルフの楽しさはそれだけではない。
 だがそれは正気を失ってアッパッパーになることではない! これまた原作だとどいつもこいつもダメ人間どもが好奇心に負けて破滅する話ばかりだが、そういうラストはクトゥルフだと失敗を意味する。あと意外と完璧にアッパッパーになった奴は少ない。
 前述した通り、クトゥルフの目的は人知の及ばない神話的存在に遭遇する恐怖や狂気、人間のちっぽさに慄くと共に、それにいかに抗うか人間サイドとしてできる限りの抵抗を求められるゲームなんである
 しかし近くの者は見て狂い遠からん者は聞いて狂う神話的存在をたかだか人間が、それも後述するように貧弱な探索者がどう攻略するのか。それは論理的思考力に基づいた謎解きだ。神話的存在には物理的な手段は通じないが、太古の知識や禁断の書物に記された、封じられるに至った経緯や弱点がある。そうした対策を地道な調査で掘り起こし、実践するというのがクトゥルフの王道シナリオ。いきなり襲われるとか監禁されるとかスタートは異なるが、足で稼いだ情報を組み立てて対策を編み出す、という流れ自体はそう変わらない。もしもどうにかする手段がなんもありません、とか言われたらルールブックを投げつけて小説でやれ、と怒鳴っていいぞ!
 そうした調査の中で正気度はどんどん減っていくだろう。だが、狂ってアッパッパーになるのはあくまでも結果論、それも酷い場合の話なのだ。神話的存在を封じ、人類と世界の危機を救う事がクトゥルフのシナリオの成功であり、目的の達成を意味する。
 アッパッパーなロールプレイは狂っちゃったら初めて全力で行うべし、その時こそ許されるであろう。

3.クトゥルフで正気度はそんなに減らない
 2に関連して。
 確かに見たら一発狂人モノの脅威も存在しているが、そういう輩は簡単に出会うものではなく、大体が探索者の行動が失敗した場合の結果として出現する。セッション中に頻繁に遭遇する脅威の多くは、正気度損失は微々たるもので、一時的狂気=一度に5点失うようなのは結構重い方なのが事実(無論そうでない場合もある)。
 かといって、そんなに正気度が減らないからってお気軽にホイホイ突っ込んでいいものでもない。正気度というのは削られて笑いを取るものではないのだ。あくまでもHPやMPのような、キャラクターの存在にとって大事なリソースのひとつ。自発的に削るものではなく、シナリオを完遂するまでできる限り大事にしなければならない。第一、自分から削りに行かなくたって、ほっといても正気度を減らされるような脅威は押し寄せてくる。シナリオを成功させるために正気度の損失を求められることもある……多くのシナリオでそうだったりする。そして、ごく普通のKPならそう簡単に不定の狂気や永遠の狂気に陥るような正気度損失は起こさない多大な正気度損失の大安売りは脅威を薄れさせ、ゲームを陳腐化させるからだ……これもKPとしてやらかした上での体験談だったり。ジワジワと脅かされていく正気に焦りながらも真相究明を急ぐ、このスリルもまたクトゥルフの楽しみだ。真綿で喉を絞められるような削り方でなければ、こういう緊迫感は維持できない。
 自分から無闇に減らしに行くのは論外であるが、ビクビクし過ぎてもいけない。適度にびびってほしい。シナリオがうまく行っているようなら、減らされる正気度もまた正解の合図なのだ。怖れはしない飛び込めばいい(ウォウォウォー)←ダンバイン調。

4.クトゥルフは自分だけ生き残るゲームではない
 これまた2に関連して。
 死にやすいゲームと知るとついつい自分の生に固執して危険を他人に押し付けがちだが、クトゥルフで自分だけ生き延びようとする選択は、それが止むを得ない場合はともかく、えてして最悪の結果を呼ぶ(関わっているのが旧支配者クラスだと大体国がひとつ滅びる)。時には玉砕覚悟でシナリオ成功のために突撃しなければならない場合もある。なんか俺の参加したシナリオはそんなのばっかりだな! 命も正気も粗末に扱ってはいけないが、それらも必要経費と割り切る思い切りの良さが各人には必要だ。
 魔導書を読むなど、自発的に正気度を減らさなくてはならない場合は正気度が高い人が率先してあげるなど、分担もグループ全体の正気度を保つことになる。どうせ呪文発動にはMPや正気度がコストになる=POWが高い人=正気度が高い人が適しているのだし
 何よりクトゥルフだってTRPG。参加者全員がエンジョイ&エキサイティングの精神で取り組むゲームなんだから、他人を陥れてまで身の安全を優先する姿勢がそもそも間違いだ。ていうか他人を犠牲にして自分が生き延びても、シナリオが失敗したら神話的存在復活の巻き添えになって結局死ぬとか無駄なあがきになる場合が多いんであんまり意味ないぞ。度合いが酷いと探索者は生き延びてもプレイヤー生命が終わったりしち

5.クトゥルフの探索者はヒーローではないが一般人でもない
 クトゥルフの探索者が世間一般のゲームのキャラクターと比べて貧弱なのは、プレイ経験が無くてもご存知だろう。実際探索者はTRPG界のヒエラルキーにおいてはかなり下層に位置する。これだけショボいTRPGのキャラクターがPCとなるのも珍しい。他はガープスベーシックとか? 間違ってもばったばったと敵を薙ぎ倒すヒーローではない。人間を薙ぎ倒すぐらいの探索者は場合によっては生まれるが、神話的存在相手だと高確率でばったばったと薙ぎ倒される
 かといって、モブのように死んでいったり日和ったりするのが許されているわけでもない。あくまでも探索者は探索者、謎を追い怪奇を暴き脅威を封じるために神話的存在に立ち向かうことを宿命づけられたSRI怪奇大作戦な生き物なのだ。恐怖を知った上で戦いを挑む、人間賛歌は勇気の賛歌的スタンスないしは相手の技は受け切って見せるプロレス的スタンスが求められる。でも、受けたら死ぬ技を見極めるライン取りも覚えておきたいテクである。
 また、クトゥルフではカルティストや犯罪者など、意外と人対人の対決に巻き込まれる場合も多い。ハナっから物理的手段による解決に頼る思考は間違っているが、何らかの戦闘手段や〈回避〉を高めておくのは悪いことではない。特にダメージ・ボーナスがある場合は〈こぶし〉〈キック〉など格闘戦闘力を確保しておくと安心感がだいぶ異なる。ビッグザ〈武道〉まで取るのはやり過ぎかもしれないが。
 あ、そうそう、クトゥルフ以外のTRPGではばったばったと敵を薙ぎ倒すヒーローもできるでよ。最近じゃそっちの路線の方が多いぐらいじゃないかなぁ。中にはクトゥルフ以上に死にやすいシステムもあると覚えておくといいだろう。

※2~5を総合すると、クトゥルフで重要なのは踏み越えていいのかマズイのか、そのラインを見極める事。この線引きが探索者を長持ちさせるコツだ。

6.クトゥルフは原作を読む必要はない
 これは意見分かれるかもしれないが、筆者は無理して読む必要はないと思う。「クトゥルフを遊ぶには原作読んで勉強しないといけないのかなぁ」とか思ってるようならしんぱいごむよう。読まなくても解説書や関連サイトを見て回ったぐらいの予備知識でも十分遊んでいける。第一、原作を読んだところであの通りに進むシナリオなんて珍しいし、下手に原作っぽいシナリオをやろうとすると地味でつまんねぇという評判だったりする(具体的に言うとラヴクラフト先生の短編を元にした場合)。
 もしも原作に触れてみたい場合は、まずBRP版冒頭の『クトゥルフの呼び声』を読んでみればいいだろう。読めばワカると思うけど、ものすごく回りくどくて大仰な言い回しがず―――っと続くので、アレに耐えられるなら他の先生の作品も薦められる(流石に話は面白いのだが)。クトゥルフを始める前に本家を読んで勉強しておくか! と意気込んでラヴクラフト全集を手に取ったらあまりの読みづらさにウンザリしてテンション落としていては本末転倒。ラヴクラフト先生以外の作品だと読みやすいものもあるが、作家によってギミックや設定の取り扱いが全然異なるので、一本読んだだけではクトゥルフの全体像を掴んだことにはならないから厄介だ(っていうかオレだっていまだ掴めてねぇ)。
 もしもクトゥルフに関して事前に勉強したいのであれば、前述の通り解説書も関連サイトも世に溢れているからそこから入っていけば良し。ただ、解説書も森瀬氏がご指摘されているように、「80年代で時間が止まったような古臭い解説」だったりするのは珍しくないし、校閲が入っていない個人サイトなんかはもうバイアスかかりまくってる危険性がある。ルールブックを持っているなら、参考セクション及びクリーチャーと神格の項をサラッと見ておくといい。後者はKP向け内容だがデータバレして困るシナリオなんて少数だから気にするな。クトゥルフというTRPGについて勉強する、という意味なら、公式シナリオを読むのも一つの手きょうび公式シナリオなんてGM各自が手を入れて当然と言わんばかりの出来が横行する中、クトゥルフの公式シナリオは稀有なクオリティの高さを誇る。サプリの実用性も含めて、『2010』や『2015』あたりのシナリオがオススメ。勿論、一度そのシナリオを遊んでから読み込むのがベストだ。
 
 リプレイの顔役『るるいえ』シリーズは最初からクトゥルフをわかった上での行動が多いので、参考書としては経験者向けかもしれない。話の面白さ、シナリオの参考としては非常に役に立つので、何度か遊んだら是非読んでみてほしい。君も内山靖二郎先生のキモシナリオに戦慄するんだッ!
 ちなみに、クトゥルフの原作を読みたい場合は、青心社の暗黒神話体系シリーズが文庫で出ており、安価で割と読みやすい作家が揃っている。ただ、如何せん訳が古い。訳の新しさでは、扶桑社ミステリーの『クトゥルフ神話への招待 遊星からの物体X』『古きものたちの墓 クトゥルフ神話への招待』の二冊。前者には『クトゥルフの呼び声』の新訳も掲載されている。……こっちもこっちで神話作品の参考として適切か悩む『遊星からの物体X』が入っていたり、キャンベル作品に偏っていたり、で収録作にはやや難ありだが。再版された真ク・リトル・リトル神話体系シリーズは、収録作のマニアックさという点では比肩するものが無い。本当にここでしか読めない作品も多いので、通ぶりたい人は迷わずコレだ。訳に関してはこの中でも最もクセが強い。注意されたし。
  
 ラヴクラフト全集は原作の中でも最も手ごわい部類に入る。御大の文章が迂遠な上に訳も特に古いため。セッションを重ねたり、アンソロジーで何篇か触れて興味が生まれたら初めて読むぐらいでも十分だ。読むのは大変だが『インスマスの影』『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』『時間からの影』『ダニッチの怪』などクトゥルフ史にサンゼンと輝く錚々たるメンツが揃っている。四巻収録の『狂気の山脈にて』を読んで延々続く古のものかんさつにっきに骨を折りつつ、その運命に慨嘆してみないか?

 最後に、ちょっと意地悪な物言いになるが、「読む必要はない」けれど上辺だけでクトゥルフを理解したつもりになるのも間違いだ。お手軽に集めた情報だけで通を気取るのも非常に嫌がられるプレイスタイルである……まあ、半端な知識を振りかざすのはクトゥルフに限らず何処でも嫌がられるけど。読んでもいないクセに「ダーレス? ああクトゥルフ神話の設定を滅茶苦茶にした駄作家でしょ?」とかぬかしたら『幻想と怪奇』1巻で殴りかかるぞ!

7.クトゥルフはスタンダードなTRPGではない
 一応クトゥルフはベーシックロールプレイングを名乗っている。が、頭突きがデフォでキャラクターシートに印刷されているようなシステムをベーシックとはオレは認めない
 そんな小ネタはさておいて、知名度という点ではクトゥルフがTRPG界において抜きん出たかもしれないが、アレをもってTRPGを知ったと思うのは早計というものだ。貧弱なキャラクターが頭脳を駆使して謎解きをするというシステムは、TRPG全体で見てもかなり珍しい部類に入る。システムにしても、技能ポイントと正気度(≒EDUとINTとPOW)でキャラクターの能力の八割が決まるとか相当なキワモノである。
 てか、普通のTRPGなら直接敵をぶちのめすとか、もっと物理的手段に頼った解決法が望まれている。そういうどつきあいに適した強さを保証されたキャラクターがほとんどだ。クトゥルフと同じノリで戦闘を必死で回避しようとしたり特攻精神を発揮したりすると周囲のプレイヤーやGMも困った顔をするだろう。TRPGのジャンルが千差万別であるように、その遊び方もまた然り。一つのシステムで通じた遊び方が他のシステムで通じるとは限らない。クトゥルフ以外を遊ぶ時は、イチから勉強し直すつもりで取り組むべし。郷に入っては郷に従う柔軟性をTRPGでは忘れないでほしい。通用する遊び方があるなら、それはそれで貴重な財産。じゃんじゃん活用してネ。

 以上の内容は初めてクトゥルフを遊ぶプレイヤー向き。
 初めてのクトゥルフでKPに挑むナイスガッツな初心者はあまりいないと思うのでそちらは割愛するが、KP向けの体験談もいくつか含まれているので、そちらを汲み取ってほしい。クトゥルフは謎を解くゲームであり探索者が狂ったり死んだりするゲームではない、狂気の大安売りをしてはいけない、原作そのままをやっても面白いシナリオになるわけではない……など。R&R99号の“KPの十戒”はそのものズバリ、KP版しくじり先生な内容なんで、こちらも探し出して参考にすべし(記事にしたこともあります)。クトゥルフからはみ出すが、MTGのマーク=ローズウォーター氏の“20の教訓”からも学ぶことが多い。取り上げた記事中でも書いたが、クトゥルフは特に論理的思考による謎解きに頼るゲームのため、プレイヤーが考えに詰まると消化不良のままバッドエンドに陥る可能性が非常に高い。解決法は呪文を唱える、所定の場所にアーティファクトを安置するなど出来る限りシンプルに、それでいてボディペインティングして火の回りを跳び回るとか珍しい動物の臓物を生贄に捧げるとか、外面を思いっ切り凝った方が成功しやすいしウケもいい。そしてプレイヤーが謎を解けなかったからといって無情に切り捨ててはいけない、解けないようなら解けるように導いてあげるのだ折角用意した謎を謎のままで終えてしまうことこそKP最大の恥と知れ。真相は受け手のご想像にお任せするのが美しいなんて、そんなエヴァンゲリオンシンドロームは二十年前に捨てっちまえ!
 そういえば最近は「ニャルラトテップオチはもういいよ」という飽きられムードだそうで、安直な種明かしにウンザリしていた筆者としては実に喜ばしい。
 そして経験者の方々は、もしもクトゥルフを遊んでみたいという人が来たら邪険にしたり「えっ動画勢かよ」と過剰に警戒するのでもなく、優しく迎えてあげてほしい初めてなんだからクトゥルフ的知識や流儀をわきまえてなくたって仕方ないじゃないか。彼らだって自発的にゲームを荒らしたいわけじゃなくて、ただ知らないだけなんだから。というか、経験者だってクトゥルフを初めて遊ぶ時は同じような誤解を抱いていただろうし。むしろ今回取り上げたような誤解を一つも抱かず、最初から思考力で謎を解くゲームという正しい認識をしていた人はどれだけいるんだろうか。前にも書いたけどベジータクラスのクトゥルフ超エリートじゃなかろうか、それ。
 それに原作からであろうとリプレイであろうと卓上ゲーム動画だろうと、新しいユーザが増えるということ、これは裏心なく喜ぶべきことだ。後は、間違った道に進まないように先人が導いてあげつつ、二度とTRPGから逃げられないようにガッチリ関節技で固めて深みに沈めればいい(グフフ)。冒頭で紹介した2年前に書いた記事の言葉を繰り返すと、誤解は解いて理解は深め合おうぜ!

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クトゥルフ神話TRPGヨタ話#81~新サプリ『ダーレスのすべて』偽情報~

 クトゥルフの○○のすべてシリーズの次回作は『ダーレスのすべて』だそうですな。
 今までBRPで軽んじられた、というか露骨になかったことにされてきたダーレス神性の全てが今ここに! おなじみ四大元素説はもちろんのこと、ヨグ=ソトースが地属性など数々の珍妙なダーレス流解釈にも新たな分析が試みられている。ダーレスファンもそうでない人も(たぶん)納得の一冊となるだろうて。
 また謎のヴェールに包まれてきた善なる存在“旧神”も例によって例の如くケイオシアムが本腰入れて好き放題に作ってくれたので充実のデータ量となっている。ダーレス調のみならず、カットナー調のシナリオを遊びたいユーザも安心だ。参考データとしてクトゥルフに核を使用した場合のダメージや影響、クトゥルフ復活までに要する情報なども掲載されているんで思う存分核弾頭ぶちこんだり帆船で突撃したりしてくれい。
 インスマス発祥の深きものの一族がどう分布していったかの派生図、またダニッチやアイルズベリイ街道など、既存のサプリで紹介された場所に組み込める、ダーレス作品的新情報もあるそうで。インスマスとダニッチを組み合わせたまったく新しい神話作品とか、どう考えても鬼子にしかならないダーレスならではのシナリオもばっちり作成できるぞ。
 ラヴクラフト御大や優等生を尊重し、ダーレス流の大味な作風がないがしろにされてきたのに物足りなさを感じていた君はマストバイ。ダーレスというだけで低評価をつける意固地な原理主義者どもに思う様ねえ今どんな気持ち? してやろうぜ!

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クトゥルフ神話TRPGヨタ話#80~クトゥルフかるた~

#クトゥルフかるた
 ツイッターで見かけたネタから色々考えてみました。

「あ」悪文ではないトミノ小説みたいなもんです
・御大の文章が読みづらい読みづらいと言われるけど、トミノ小説と思えば納得できるんじゃ……読みづらいのは結局変わりませんが。せめて主語と述語の関係をハッキリしてくだち。

「い」犬はヨグ=ソトースの息子よりも強し
・無論ミ=ゴよりも強し。透明の方の息子は勘弁な。

「く」空鬼の元ネタはただのコスプレ
・特殊な指の形状とか次元を移動するとか、出典の『博物館の恐怖』だと全然出てこないどころか中身人間なんすよ。マジで(重大なネタバレ)。

「こ」好奇心は探索者を殺す
・クトゥルフ神話の登場人物って頭では拒否してるのに好奇心を押さえられないダメ人間ばっかり。故に保身が先立つチキンは推奨されないプレイなのです。

「し」漆喰が割れたら犬が来る
・「角に犬」もシンプルでいいかな、と思ったけどより原作に深く関わったネタとゆうことで。

「せ」戦闘がしたければ比叡山炎上をやりなさい
・クトゥルフでさえ無双プレイができないとブンむくれる人がいるって本当なんだろうか。想像上の生き物なんじゃないでしょうか

「た」ダーレスも駄作ばかりとは限らない
・クトゥルフが絡んでこない話だと結構面白い神話作品もあるんだぞ。

「て」添削どころかほぼ代作
・名義上は添削、ほとんどラヴクラフト先生の作品に書き直しちゃったタイトルもチラホラと。今なら炎上事案なんじゃ。

「な」なんでもニャルラトテップのせいにするのはやめなさい
・夢オチ同様安易に頼るとKPレベルドレインを喰らいます。

「に」日記に書く暇があったら逃げろ
・「窓に、窓に!」は素晴らしいオチだったけど、あまりにも繰り返されてる上に悲鳴まで記されるようだと流石にゲンナリする。そうまで迫真の文章をヒネり出せる思考力があるなら逃げろよ!

「は」発狂より失神
・迂闊に起きて宇宙的恐怖を体験して正気度ゼロになるよりは、失神してた方がマシという場合もある。というか神話作品で失神したまんま人生デッドエンドクライマックス迎えたケースの方が少ないような

「む」無表情と思ったら仮面
・喋ってるのに口が全然動かないとか言われたら、取りあえず顔を触ってみるといいだろう(そして正気度を失うハメになる)。

「ゆ」有色人種を見たら危険人物と思え
・ラヴクラフト御大の作品だと白人以外は大抵堕落した民族扱い。

 後は任せた。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

クトゥルフ神話TRPGヨタ話#79~第7版までに出てほしいサプリ~

 新版が告知された後のサプリ展開というのは色々思うものがあるなNEXTが出るでよ、と言われてからもなお4e新製品が出ていた頃を思い出す。旧ソードワールドぐらい死に体だったのなら後腐れなく乗り換えられるのだが。
 クトゥルフは第7版がアナウンスされているが、そいつが日本上陸する前に出してほしいサプリがある。クトゥルフ神話のクリーチャーはマレウス・モンストロムで一堂に会したので、同様のコンセプトで呪文だけを集めたサプリを作ってほしい。ちょくちょく呪文も増えてはいるので、サプリをまたいで参照せずに済む書籍が欲しいのれす。それにあれだけモンストロムに収録されたクリーチャーや神格がいるのであれば、当然その数だけの召喚/従属や退散、接触の呪文も増えて然るべきでしょうしね。ナガアエと是非とも接触したいりゅん、というカルティストだって世にはいるでしょう。
 一番の要求はマトモなレイアウトで呪文を参照したいってことなんですけど。レベル順ではなく五十音順に並んだ3eのリストより酷いのって俺あれ以外見たことが無い気がする。呪文名で改行しないとか、説明文とのサイズ差がほとんどないとか、不親切にも程がある見づらさはもちろんとして、五十音なのになんで時々従ってないのがあるんだ? と思っていたら、「神格との接触」とか同系統の呪文の場合、系統名は五十音順に従っているのだが、そこで個々の呪文をまとめて書いているからだったのか(系統名が「神格との接触」なら「心臓停止」の次、そこであらためて五十音順で神格との接触の呪文が並ぶ。だから「心臓停止」の次に「アイホートとの接触」が来るようなことが起きる)。わかりづらいよ! 買ってから10年以上過ぎてやっと気付いたよ!
 そういえば「あれより酷い呪文リストは見たことない」って言ってたけど、舌の根も乾かぬうちに『ラヴクラフトの幻夢境』がもっと酷いのに気付いた。
 別にカード化せいとか、ヒロイン全員を緑髪巨乳眼鏡にして不人気属性呼ばわりする輩に泡を吹かせてやりましょう、みたいなムチャなことは言いません。ただただ呪文名で改行して文字のサイズを大きくして、コストと詠唱時間と継続時間を別に書いてくれればそれでいいです。呪文だけだとだいぶ薄くなりそうな気もするが、その辺のレイアウトに気を遣えばだいぶ分量増えそうな気がするし。
 あと、出典作品も書いてくれたりすると直義。資料性がグッと上がるし、原作に興味を持ってもらうという意味でも良い情報になると思いまっせ。「精神交換」と「精神転移」みたいに名前は似ているが条件が随分違う呪文があったりするし。前者は『戸口にあらわれたもの』でアセナス=ウェイトが使ったもの、後者は『チャールズ=デクスター=ウォード事件』でジョーゼフ=カーウィンが使ったもの?

 

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

クトゥルフ神話TRPGヨタ話#78~学生探索者の創造サンプル・早乙女冴子~

 前回レポートに登場した女子高生探索者・早乙女冴子のデータはこんな感じだ!
1442141269691.png
探索者近影
 記録が曖昧でびみょうに経歴が合ってるかどうか心配なのだが、まああのルールを使った場合このぐらいの数値になる、という目安程度に思ってちょうだい。出目がかなり偏っているので参考になるかどうかは怪しいもんだが。

●能力値
STR(2D6):3 DEX(3D6):6 SIZ(2D6):5 INT(2D6+6):15
CON(3D6):10 APP(3D6):16 POW(3D6):13 EDU(固定):6
・ 能力値は「ダイスの数が同じもののみ入れ替え可能」というオプション・ルールを使用。要するにダイス先振り当てはめのD&D方式です。
 ちょくちょくいい目は出ているが、局所的にものすごく悪い出目なのがワカる。
 すごくどんくさくするか、すごく虚弱にするか悩んだのだが、DEXの低さで〈回避〉を損なうよりは、【耐久力】が低くなる方がより死に近いと判断してCONを10に。それ以上にSTRは悲惨。本ばっかり読んでたからか。輝けるAPP16が物凄く無駄臭いけど、まあキャラ付けって大事よね。POWと入れ替えてもよかったが、あんまりSANが高いと正気度ロールのスリルが無いので、このぐらいがちょうどいい。

●小学校時代の経歴
「家庭科が得意」×2…〈心理学〉×2、〈製作(料理)〉×2
「算数が得意」×2…〈コンピューター〉×2、〈図書館〉×2
「社会が得意」×2…〈図書館〉×2、〈歴史〉×2
〈コンピューター〉+5%、〈心理学〉+10%、〈製作(料理)〉+12%、〈図書館〉+27%、〈歴史〉+7%
この時点から、既に本の虫っぷりが発揮されている(まあそう選んだんですけど)。〈図書館〉は期待値以上のハイスコアを叩き出しているものの、他の技能成長はイマイチ。
 料理上手と言われた時期もあったのだが、結局子供の料理の範囲に収まったようだ。

○中学・高校時代の成長
「文化部・趣味に没頭」×4…〈図書館〉×6、〈オカルト〉×12
STR+2、EDU+1
中学卒業時の技能リスト:1
〈オカルト〉+75%、〈機械修理〉+5%、〈電気修理〉+5%、〈図書館〉+42%、〈歴史〉+5%
EDUがまさかの4年間で1回しか上昇せず。ずっとオカルト研究会の活動に励んでいればそりゃ学業もおろそかになるでしょうが。それに比べて上がりづらいSTRが2点も伸びてるとか超どうでもいい。泣きそうになったが一点突破(今回は表を振らず、全て「文化部・趣味に没頭」を選択)が功を奏したか、〈オカルト〉の成長が爆裂したため辛うじて安定した判定値を確保できた。

●年収
8万円(3D6)
・やや低めながら、レポートにもある通り月割すると6700円程度なので、結構貰っている。
 が、実際にはお年玉と誕生日に集中しているらしい(本人・談)。

○探索者の特徴
4-5・不思議ちゃん(技能ポイント10点)、当然4-7・眼鏡をかけている(技能ポイント60点)
・経歴だけだと技能ポイントが足りないのは火を見るよりっていうかクトゥグァが顕現するより明らかだったので、容赦なく不利な特徴2つを選んで補填。一つ目のd6で1が出た時は舌を噛み切りたくなったが、眼鏡っ子パワーで何とか持ち直す。眼鏡っ子はもちろん、「不思議ちゃん」の珍妙な発言はレポートを見る限り問題なかったと思うのだが、どうか
 得た70ポイントは〈回避〉に40点、〈目星〉に30点割り振った。

 最終的なデータは以下のようになる。技能はポイントを割り振ったものと、初期値が通常の探索者と異なるもののみ表記してます。

●早乙女冴子
性別:♀ 年齢:17 職業:高校二年生
STR:5 DEX:5 SIZ:9 INT:15 CON:10 APP:16 POW:13 EDU:7
〈アイデア〉:75% 〈幸運〉:65% SAN:65 マジック・ポイント:13 耐久力:10
ダメージ・ボーナス:-1D4
〈運転(自動車)〉:5% 〈応急手当〉:5% 〈オカルト〉:80% 〈回避〉:62%
〈隠れる〉:20% 〈コンピューター〉:6% 〈忍び歩き〉20% 〈信用〉:1%
〈心理学〉:15% 〈製作(料理)〉:17% 〈電気修理〉:6% 〈図書館〉:74%
〈ほかの言語(英語)〉:6% 〈目星〉:55% 〈歴史〉:22%
年収:8万円
探索者の特徴:眼鏡をかけている、不思議ちゃん
クトゥルフの探索者ってデータ・ブロックがすごいスッキリしてるな

 これを見て「……単に弱い探索者じゃない?」と思ったお兄さん鋭いね。実はその通りなんだよ。普通に作ったら〈製作(料理)〉になんか間違っても12点も割り振らん。単に技能ポイントが少ないのもそうだが、〈応急手当〉や〈図書館〉、〈歴史〉といった有用な技能の基本成功率が低いのもつらい(〈信用〉1%は1点もポイントを振らないとそうなるというワケです、ハイ)。あとEDUの成長でしくじったのが何より痛い
 その代わり、〈回避〉〈隠れる〉〈忍び歩き〉のスニーク技能の初期値が高目なので、本来はこっちを活用するのが学生探索者の生きる道かと思われます……実際には真逆のキャラになってますけど、オカルト女子路線で行くと決めて作ってましたので。あとあんまり成長しちゃうとこれらのボーナスも減っていくので注意ね(高校を卒業するころには全て失われる)。つまり隠れ系探索者ならJSかJCだな!(えー)
※本格的に技能が成長するのは中学以後なので、せめて中学生or高校入学直後にしておくのがオススメ。
 結論としては、一点突破にすればある程度実用には耐え得ますが、積極的に学生をやりたいか、KPから指定された場合でなければ自己責任の上覚悟して作成して下さいってカンジ。人生模様がなんとなく見えてくるのは面白いんだけどねぇ。全員探索者の○課後○奇くらぶとかなら平等だが、出目によってはそもそもほとんどの判定に成功しないような探索者が出来上がりかねないんで、やはり多少は完全ランダムではなく一点突破を推奨する。
 小学生時分の技能にもうちょっと色が付いていたなら、全員小学生の『MOTHER』っぽいシナリオをやってみたかったんですがねぇ(´・ω・`)

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

クトゥルフ神話TRPGヨタ話#77~クトゥルフセッションレポート『もっと食べたい』後編~

 彼は暗く奥まったところに、無形の大きな塊がうずくまった形で頭をもたげているのに気がついた。塊は彼が近づいたためにちょっと身じろぎをし、けだるい様子でヒキガエルのような形の大きな頭を前へ突き出した。そこについている目が、まるでまどろみから半分だけ覚めたとでも言わんばかりにゆっくりと開いた。眉毛の無い黒い顔の中の2つの裂け目から燐光が漏れ出たような感じだった。
 ―クラーク=アシュトン=スミス『七つの呪い』―

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