D&D5e余話#183~だいぶ過ぎての遭遇論~

 5eのクリーチャーには脅威度1とそれより低い敵との間にまず大きな壁があり、さらに脅威度2とそれより低い敵の間には越えられない壁ができる。ただでさえhpのおぼつかない頃に出会う脅威度1クリーチャーの打撃力は心臓に悪いが、これが脅威度2になると当たり前のように特に何の根拠も無く追加のダメージ・ダイスを得て(強いて言うなら「オークですから」。まあ、オークじゃ仕方ねえか)ブン殴って来たりするのでこれはもうはうあ! 心臓が苦しい!(漫☆画太郎調) と心筋梗塞必至。
 が、ダメージ自体は一部を除いて、脅威度が上がってもそこから先はあまり変わっていなかったりする。戦闘狂いのデーモン、ヴロックは脅威度6だが打撃力は嘴(2d6+3)と爪(2d10+3)が1回ずつと戦闘狂いの割にかなり大人しい。上位の脅威度8のヘズロウだと3回攻撃ながら噛みつき(2d10+4)1回に爪(2d6+4)2回。爪が1回増えたがダメージ自体は大差ナッシン。このサンプル2体は“悪臭”や“朦朧化の絶叫”による無力化からの打撃がメインのためかもしれないが……言うてもセーヴ難易度がだいぶ有情になったし、例え有利を貰って殴ってもガッチリ盾と鎧で身を固めた前衛相手にはそうそう当たらなかったりする。タハー 習熟ボーナスの伸びづらい今、ヘズロウの攻撃ボーナス+7はかなり高い方であるが、プレート+盾に命中させるには13以上とまだまだ失敗確率の方が大きく、これでうっかり魔法の防具なんて手渡してたりすると、そこらの腕力自慢クリーチャーではカスリもせず憤死も冗談ごとではない。
 これはPCが特技の取得や能力値の増加が著しく制限されるようになった影響とクリーチャーも無縁でなく、データ・ブロックやサイズに対して与えるダメージが割と正直であるためかと思われる。《強打》だの《断頭の一撃》だのをぶん回せば固定値がモリモリ上がった以前ならいざ知らず、きょうびのクリーチャーどもは特技をそもそも持ってすらいない。ダメージを伸ばす特殊能力が無ければ、基本的には追加ダメージは武器固有のダイスに能力値が根拠となる。中には攻撃ボーナスとダメージに何の能力値を使っているのかよくワカらない奴もいたりする(ブラック・ベアとか)が、能力値とダメージがまるで合って無いインチキは見当たらず、わりかし正直な数値となっている。余談だけれど、クリーチャーは特技を持ってないから、敵の間合い以内で呪文や遠隔武器を使っても機会攻撃で殴られることはないのだ。やったぜ(遠隔武器に対して機会攻撃を行う特技はそもそも無かった気がするけど)
 また数値は見た目通りだが攻撃回数に関しては、見た目に反してやや控えめとなった。クマはクマでもクマプソ名物張り手張り手のがぶりよりこと爪爪噛みつきをやってくるクマ系クリーチャーは存在せず。ポーラー・ベアに至っても攻撃回数は2回のまま。一縷の望みをかけてワー・ベアを見てもやっぱり2回攻撃。データ・ブロックは見た目通りながら、ゲームバランスを考えて攻撃回数はそうはいかず、キャップを設けたということか。なお、たまにトログロダイトとか見た目通りの3回攻撃で脅威度1/4とかデータ・ブロックを偽ってるクソ野郎はいる。
 故に大ダメージを与える場合は特殊能力依存で、追加の[酸]だとか[火]、[毒]ダメージを与える奴が選ばれる。この追加ダメージを与える奴になると途端にすさまじく、ブラック・プティングなんか一度に4d8の[酸]ダメージを与えてきたりする。また前述のオークは1d8の追加ダメージ、バグベアは追加の武器ダメージ・ダイス+1(1[W]ではないようだ)と素でもかなりの打撃力を誇り、たかだか脅威度2の司祭の「呪文スロットを1つ消費すると追加で3d6[光輝]ダメージ」もかなり頭おかしい。もっともNPCの脅威度じたいが5eでは特にアテにならんのだけれど。また一度に大規模なhpを奪い取る手段としては呪文がやはり手っ取り早い。その昔「前衛が何度も攻撃を命中させて与えるダメージを術者は1回のアクションで与えられる。だから前衛はゴミ」とか言い出す奴が出るぞ、などと揶揄した手前こういうことを書くのはじゃっかん気が引けるが、やはり広範囲に一度にダメージを、セーヴに成功されても半減与えられる効率の良さは否定できない。フレイムスカルのファイアーボール、オニのコーン・オヴ・コールドなんかがその代表格。ただし、これはカウンタースペルの格好の標的であることを忘れてはならない。できれば4レベル以上であることが望ましく、またその対策にカウンタースペルをクリーチャー側で用意しておくのは大変不毛極まるので止めた方がいい。どうしても破られるのが嫌ならシレッと効果が同じ特殊能力にしておくとか(くそDM)。
 では改めて素殴りと手数だけのクリーチャーとなると、序盤~中盤はともかく、PCのhpやACが整ってくると、肉弾戦志向のボスとしては少々物足りなくなってくる。激怒したババリソの防御力は打撃だけでは突破できず、クリーチャーの攻撃ボーナスだと純粋な前衛のACに命中させるのはなかなかしんどい。ACはピンキリながらhpはさすがに脅威度相応に100点前後でそう簡単に倒れず、4e風に言うなら兵士役的な使い方となるであろうか。これをボスに据えるとPC側の攻撃はよく通るがなかなか倒れず、ボス側の攻撃はじわじわ削れるが大事には至らず、ちゅうかあんまり脅威を演出できない地味な攻防になりがち。あ、そういえばセーヴを落としやすいせいで存外簡単に無力化されるのも兵士役っぽい(そうだっけ?)。クリーチャー側のセーヴ難易度は有情になったが、逆にセーヴに習熟してるクリーチャーが少なくってねぇ。どうせ親玉にするからには、何らかの増強が望ましい。
 手っ取り早いのは魔法の武器。これで攻撃ボーナスとダメージを+1~+2するだけでも、大幅に打率が上がるはず。武器をPCに奪われるとちょっと、という場合は悪属性限定とか、サイズの違うクリーチャーに持たせるようにすればOK。ただし後で売り払ったり、ランクの低い魔法のアイテムに置き換えて別種の報酬にしてあげるのがフェアである。セーヴに関しては、クローク・オヴ・レジスタンスリング・オヴ・プロテクションで補強できる。特にリング・オヴ・プロテクションは、手足がない奴でも装備できる余地があるのが良い(DMGでもビホルダー様が眼枝に嵌めておられる)。……こっちもジャイアントが嵌めていた指輪をPCが使用できるか、には一考の余地があるな。また、5eは魔法のアイテムの効果が大抵累積するため、この手のアイテムを多用すると、PCのACとセーヴがばんばん伸びていくので気を付けよう。ただでさえ当たらない重戦士への攻撃が、さらに当たらなくなっていく。致命的な呪文(ホールド・モンスターのような)に対しては、伝説級クリーチャーになると“伝説的抵抗力”で1日に3回まで失敗したセーヴを成功にすることができるので、伝説級に相応しい大ボスには、これを採用してみては如何か。
 もうひとつは特殊能力の付与でダメージを増強する。単純な武器によるダメージでなく、激怒や《重装鎧の熟達者/Heavy Armor Master》で防げない[火]などのダメージを追加で与えられるのが望ましい。言うてもあんまりやり過ぎるとしばかれるんで、せいぜい追加するのはd8いっこぐらいに押さえておくのが無難かと。毒は特殊能力を与えるためのエクスキューズを考えずに済むので特にラク。種族で抵抗を持ってるPCも多いしあんまりヘイトを買わずに済むんでないかな。クリーチャーの騎士が持っている“指揮”でダイス目そのものを増強するのもE感じ。騎士専用能力に限らず、もっとグローバルなテンプレートとして付けてもいいんじゃないかな、これ
 呪文による範囲攻撃ももちろん有効であるが、頻繁にやるとカウンタースペル合戦になって不毛また不毛この話題もういいや。単純に呪文をいちいち参照管理するのがめんどいという理由もあるけど。
 それと、クリーチャーの攻撃ボーナスという面で見ると、VGtMで追加されたクリーチャーの方が全体的に高いように感じる。脅威度5~6程度でも攻撃ボーナス+5どまりでガチガチの前衛相手に手も足も出ないことも多かったのを反省してか、底上げが図られたようだ。後継機というのは改良もされているしターンXは∀の番人と御大将も言っていたことであるし、もっとスリリングな戦闘を望むのであればVGtMを買おう(くそDM)。……ダメージ自体はそこまで変わっとりゃせんけどね。
 最後に、暴れ役にふさわしい例外的なクリーチャーとなると、これはホントに凄いダメージがすっ飛んでいく。ヒル・ジャイアントはフンガー系もフンガー系らしく3d8+5の2回攻撃で、攻撃ボーナスも+8と図抜けている。ジャイアント名物岩投げも1回攻撃ながら3d10+5ダメージ、グレートクラブ以上の破壊力でぼーっとしていた後衛は悶死必至。両手武器は殴る時だけ両手で持てばよい=いつでも片手で投石可能と抜かりはない。またベーシックルールの唯一脅威度7であるジャイアント・エイプは3d10+6の拳×2もしくは7d6+6の投石というヒル・ジャイアントの上位互換みたいな奴。つまりこいつの投石はファイアーボール並、いや固定値で+6ある時点で単体火力だがファイアーボール以上とさえ言える。ここまで来たら激怒したババリソでさえ殴り負ける恐れがある。ただのでかいゴリラか、などと侮っていられない、すごいゴリラ略してすゴリラな亜空大作戦クリーチャーだ。
 おっと書き忘れていた、魔法のアイテムによる増強にせよ、オリジナルの特殊能力付与にせよ、伝説級にするにせよ、脅威度の調整は忘れずにね♡

 
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D&D5e余話#171~モンスター注意報! 第六回 ノール編~

 5eの1レベル時はPCの戦力が突き抜けて貧弱なので、バランスに苦慮している方々も多いのではなかろうか。なんせ作成したてのPCはhp少ないリソース少ないそれにえーっと……そう、選択肢も少ないの三重苦。最後の一つはちょっとムリクリ出した感があるな。ピアノがないぐらいにしとけばよかったか。ダメージは4eの無限回パワーぐらい叩き出せるのにhpや回復リソースは3e並に引き下げられるというチグハグな仕様も相まって、即行で呪文も特徴も使い切りどーすんのよコレという状態で行軍を強いられる悪しきD&Dの伝統が繰り返されていることは想像に難くない。
 そんなデリケートゾーンをどう凌げばいいのかというユーザの素朴なギモソに公式のこうすればいいんじゃという答えはスターターセットでバグベア(そろそろ伏字にしなくていいかなあ)をぶっつけたり6レベル術者で一人ずつ3レベルマジック・ミサイルで嬲り殺しにしたりすることだったんですが、まあアレはあまりアテにしない方がさわやかD&Dライフを送れると思いますバグベアはスターターセットのシナリオ読んだ人のほぼ全員が「いや、あれは無いでしょう」とゆってたし。
 1レベルPCが弱いのも困ったもんだけど、そのレベル帯にぶつけるべきであろう、脅威度の低い連中の評価が難しいのもまた困りもの。脅威度1以下のクリーチャーは「ボスにしては物足りないがザコとして大量に出すには強い」という輩が多い。散々脅威度詐欺とブーたれてきたが、本当にそれが該当するのはフライング・ソードとドラウ、スペクターぐらいのもんだろう。
 例えば誰が決めたか冒険者はじめのA定食ことゴブリン退治であるが、5eのゴブリンは立派な脅威度1/4。1レベル冒険者一人がさほど問題なく相手にできる、ただし時には問題になることもある評価で、ひと山いくらでフッ飛ばされる拳王の取り巻きほど貧弱ではない。むしろhp7点はd8ダメージだと1レベルPCが安定して即死させることができないし、何よりACは15もある。数で出てこられた場合は“素早い脱出”と相まって始末に時間がかかることだろう。殴れば吹っ飛ぶのはコボルドの方が適切だがこっちは“連携戦闘”のせいで数出すとゴブリン以上の惨事になりやすいし。
 まーこれらはある程度数が出てきても止む無し、というメンツであるが、それらを束ねるボス格で何を出すかというと、「ボスにしては物足りないがザコとして大量に出すには強い」問題として提起したようにさらに難しい。
 少し上の脅威度1/2を見てみると、オークはACこそ低いが伝統のグレートアックスの一撃はカンタンに1レベルPCのhpを消し飛ばす破壊力がある。その一方でhpは脅威度1/2の人型生物なり(15点)で、即死こそしないがスリープで取り巻きもろとも眠らされてもおかしくない。1レベル相手に数は出しづらいがボスを張るにもちょっと食い足りない。かといって硬くて威力があるけどhpも命中率も低いという、いつ出しても嫌がられるだけ、という奴もな(ホブゴブリンのこと)。
 せめてボス格なら脅威度1/2以上はありたいところですが……ウイングド・コボルドがボスというのもちょっと締まらないし。かといってそれこそスターターセットのアレとかもな。ゴブリンズ・ボスのACがもっと低ければちょうどいいぐらいだったのだけれど。
 そんな反抗期の娘さんのような扱いに難のある時期に対して、比較的穏当かつそこそこの脅威度を持つ、1レベルパーティにぶつけたい筆者推しメンクリーチャー、ノールが今回の主役。
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ハイエナ頭という設定もさることながら、タッパはあるが猫背で目立たないのと不自然に巨大な手という特徴が魅力。
 ノールと言えばD&Dにはおなじみのハイエナ野郎、ジャンニーキックプキャンセルガードのTODのクソ挙動で一部アクションゲーマーはハラワタ煮えくり返るかもしれないが、5eのノールはSOM仕様を髣髴とさせるマイルド調整。片手武器の、しかも性能のあまりよくないスピアを使っているのでダメージ・ダイスはd6と控え目で、これで即倒れるようなPCはあんまり前衛にいないだろう。特殊能力の“大暴れ”の発動条件も「近接攻撃で」hpを0にすることなので、頻繁に発動することはないはず。
 一方で防御能力はAC15、攻撃ボーナス+5の1レベルPCが攻撃する際には出目10以上から、とワカりやすくかつまずまずの数値。加えて22点の高hpもあって、即無力化させるのは困難な数値。この時点で高いhpの敵をダウンさせる数少ない手段、スリープでも確実性を取るなら何度か打撃を与えてからになるだろう。
 打撃力としては遠隔武器のロングボウの方が強力で、薄い後衛を狙い撃ちにしてやると冷や汗をかかせられるだろうが、こちらは攻撃ボーナスがスピア以上に低い(ダメージも固定値は1点低い)ので、案外竜ソーサラーやローグ相手には外すこともある。何より両手が塞がるので、盾が使えないのが痛い。仮に接近を許した場合は、1ラウンドかけて盾を用意するよりスピアを両手持ちせざるを得ないだろうが、そうなったらそうなったで1d8ダメージの両手スピアが火を吹くので、ガッチリ防御したノールとはまた違った脅威を演出できたりする。“大暴れ”を披露する機会も増えるかもしれない。
 このように、火力と防御力のバランスが良いので、手段の少ない1レベルPC相手でもじっくり戦うことができ、一方的な戦闘になりづらいのがノール推しの大きな理由。スピア+盾による接近戦、ロングボウの射撃→スピア両手持ちへの移行など、戦い方とデータの幅が広いのも魅力。
 『Volo's Guide to Monsters』(以下VGtM)で追加されたノールの亜種も、1レベルPC相手として十分使える強さ。ノールの狩人盾を抜いた代わりに2回攻撃を可能にしたものと思ってほぼ間違いない。脅威度は同じだが打撃力重視のノールにしたい場合はコチラになる。が、盾が無い=ロングスピアを両手持ちしない理由が無いし、【敏捷力】ボーナスが+2となりロングボウの命中率もダメージも上がっているので、これを乱射されると前衛でも危ない。SOMでもそうだったように、真に恐れるべきは弓ノールなのです(そうか?)。普通ノールと比べて経験点枠は同じでもややデッドリーな遭遇となる。
 脅威度1のノールの生肉齧りは、脅威度1にしてはhpは低目。ACも14とそこまで苦労する数値ではない。ただしショートソード×2と噛みつきの3回攻撃はやはり依然として脅威であり、d6ダメージとd4ダメージでも1レベルPC相手に出すにはキツイと考える人もいるかもしれない。筆者としては取り巻きの数と脅威度を絞って出すならアリという感じ。並ノールはもちろんノールの狩人とコレをいっぺんに相手するのはナンであろうから、ハイエナ二匹程度で。遠隔攻撃は持っていないから、距離を空けた状態で開戦して飛び道具を撃つチャンスを与えつつ、“不意の猛進/Sudden Rush”で度胆を抜いてやるというのもアリだな。
 スケルタル・ノールとでも言おうかウィザーリングは脅威度1/4だが攻撃回数が2回にhpも11と高めで、付近のノールが倒れるとなお殴る、とやたらと手数が多い。1レベルPCでも対処はできるが数を並べるのはちょっと難ありかな。
 PCで相手にする場合は、打撃も防御も標準的で変化球もないから、まあ単純に「強い敵」と戦う心構えでドシフンを締めてかかればいいだろう。“大暴れ”はhpが0にならなければ発動しないので、クレ公など指揮役は倒れそうな味方を見逃さないように。ロングボウで撃たれた場合は低下したACにつけこんで射返したり、一気に隣接して封じたり、5eの戦闘の基本を活かした対策を立てていけば、自然と戦闘ルールも学習でき身に着いていくのではないでしょうか。1レベルPCにぶつけるちょっと強い敵とはこうあってほしいよネ。性格的にも混沌にして悪の典型らしく、残虐で怠け者で嗜虐的で同族食いも辞さない絵に描いたようなクソ野郎だから遠慮なく迷いなく退治できるし。自分たち以外は食料兼奴隷、弱い異種族を連れててもおかしくないから混成部隊も出しやすいし。
 余談ながら上位種のノールの群れ長、“イーノグフの牙”とも正統派のブン殴り屋で、あまり頭を使わず運用できて好感を持てる。“大暴れの煽動/Incite Rampage”をアクションで使うぐらいなら自分で殴った方が早そうだし。VGtMのフリンドになるとなんかよくわかんないことを始めるが。
 唯一の難点を挙げるとしたら、ノール語しか喋らないんでコミュニケーションを取りづらいことか。PC作成時の言語でノール語を選択するような悪趣味な人もあんまりいないだろうし。カッコイイ前向上を言ってもオジー・オズボーンのモノマネをするブラック菩薩のオジー・文彦こと橘高文彦さんが上げるような奇声しか返って来ないと思います。

 

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D&D5e余話#169~訳語のもんだい・クリーチャーの二つ名~

 DM用ベーシックルールはデータや特殊能力の訳について安心して読める資料であるんだけど、残念ながら通常のクリーチャーの上位種……例えばゴブリンに対するゴブリンの首領みたいな……のデータは掲載されていない。ま、そういう遭遇を組みたかったらMM買ってくれやという方針に異論反論オブジェクションはないんであるけど、データはともかく上位種クリーチャーの和名については見てみたかったという気持ちがある。
 というか、人型生物の上位種の二つ名って似たような名前が多くて。列挙してみると、
・オーク……War Chief
・ゴブリン……Boss
・バグベア……Chief
・ホブゴブリン……Captain、Warlord
 どれもニュアンスは違うんだろうけど、いざ日本語で差異を付けようとするとなかなか難しい。ホブゴブリンなんて同じ種族内に似たような単語が並んでて特に大変だ。というかホブゴブリンの最上位、ウォーロード!? 4e→5eに移行するにあたり死んだはずじゃ! ノールのPack Lordみたいな特異な二つ名なら区別もつけやすいんですが。サフアグンのBalon(男爵)なんかも、すっかりおなじみですしな。
 単純にカタカナにしちゃってもいいといえばいいんですが、特技名を頑張ってひねくり出したように、出来れば雰囲気づくりというのは重視したいもので……当方で独自に訳した二つ名は、以下のようになります。
・オーク……War Chief→戦長
・ゴブリン……Boss→首領
・ノール→Pack Lord→群れ長
・バグベア……Chief→頭目
・ホブゴブリン……Captain、Warlord→司令官、戦王
 ……雰囲気を出そうという努力はしました。ノールの群れ長はかなり気に入ってます
 逆にEye of Gruumshみたいな種族独自の二つ名は「グルームシュの目」と訳すより、そのまんまカタカナで呼んだ方が好きだったりするんですが、これはごく個人的な嗜好であろうな。
 この手の独自二つ名の訳し方は4eが絶品で、流石MTGでならしたホビージャパンと唸らされる。『Volo's Guide to Monsters(以下VGtM)』に登場したKobold Dragonshieldなんかどっからどう見ても竜鱗盾のコボルド、もうそう呼ぶしかないじゃないですか。じゃあScale Sorcererも4eから取って竜司祭に……とはいかないわな。竜鱗呪術師とかかな? 4eから流用できそうでびみょうにズレてるあたりがもったいない。ナイスネームいっぱいあったのになー。ゴブリンひとつとっても、黒刃使いとか脳天割りとか。キュクロプスの串刺し屋・ぶったぎり屋というパワー屋さんどもも捨て難い。
 VGtMでカッコイイ二つ名持ちがドバッと増え、特にオークはBlade of Ilneval(イルネヴァルの刃)やClaw of Luthic(ルーシックの爪)など訳すと日本語の美しさを認識できそうで面白いと思うんですが(カタカナ呼びの方が好きと先に書いたがそれはそれ)。またノールはPack Lordに加えてFlesh Gnawer(生肉齧り)が登場、ノールの二つ名は数は少ないながら独特なセンスを感じられて好き
 クリーチャーの名称に関しては3e・4eを踏襲して統一されている感がありますが、この手の二つ名は皆さん訳したりしてるんでしょーか。他の方の訳も見てみたい。

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D&D5e余話#166~Volo's Guide to Monsters~

volo.jpg
 Volo's Guide to Monstersは大体こんな感じのサプリです。

 MMは5eの数少ない不満点が割と集中していた(百万遍繰り返したんであらためて書きません。まあフライング・ソードとかドラウとかパック・タクティクスとかコピペ呪文リストのことですけど)んで追加モンスターと聞いて大丈夫かなあ、と不安を抱いていたんですが、知人氏が持ってたのを見せてもらって、↑のモンスターイラストを見て即購入決定。実際デキもよく杞憂に終わったようで胸を撫で下ろしました。フゥ。
 追加モンスターサプリと言いつつも、しょっぱなからビホルダー様を皮切りに、ジャイアントやノール、ハグ、果てはマインド・フレイヤーの生態に迫る読んで楽しいが別に知りたくもないし実用性もあんまりない、Guide to Monstersの名に恥じないモンスター百科的内容になっているのDA! だって君は人生の内でビホルダー様の名前表やハグの背景を決定する権利を得るのに6358円(仮面ライダーAmazon価格)が妥当な値段だと思えるかい!? なお、マインド・フレイヤーの解剖図の見物料も含まれております。オエー
 さておき、ビホルダー様なら大きさ・色・肌の質感・眼枝の長さ・口の大きさなど詳細な個性付けが可能になるし、巨人訛りの対応表(armorは巨人曰くharbunadになる)を見ればうっかり遭遇したどんだけtheジャイアントとの交渉にも竦むこともない。5e発売からすでに2年(もう2年か……)、ここで他のユーザに差をつけナウくてイマくてマブいギャルにモッテモテのD&Dプレイヤーを志向する貴方には必携の一冊と言えよう。
 楽しいけれどあまり嬉しくもない炉端のバベルの小噺風味な情報が続いた後は、追加の種族が掲載。PFではノーペナルティで能力値2つが+2&特典ごっちゃりという脅威のクソ性能で脚光を浴びたアアシマールが抜擢された。ただ、善属性の割にイラストが異様に怖い。ロビンマスクもじゃっかん退くぐらい冷たい眼をしている。笹目桜二郎なら人殺しの眼だと確信しますよこの目力の強さ。妙におっかねえと思ったらフォースの暗黒面に触れてしまったフォールン・アアシマールだからか。エルフのアイコニック・イラストにドラウを使うとか5eはなぜアウトサイダーを起用したがるのか。遅れてきた中二病か。
Aasimar.jpg
 種族としては素で暗視持ちに[死霊][光輝]抵抗、キャラクター・レベルの追加ダメージを与える能力を持ってたりするのでかなり強力と思われます(“治癒の手”はキャラクター・レベル点なので気休めでしょうなぁ)。強過ぎるというほどじゃないし、飛行能力もデフォで持ってたりはしないから、環境によっては許可もされるんでは?
 PC向けで直球で強いのがフィルボルグ。何がやべえってボーナス・アクションで透明になれるって能力がヤバ過ぎ。これを小休憩ごとに使えていいものか。ちなみに能力値は【判断力】+2、【筋力】+1といそうでいなかった組み合わせ。戦クレ公や筆者謹製の激怒ドルイドを作りたい人向きやね。逆に鳥人間コンテストことケンクウはものまねに偽造・複製とやや変化球。同じ鳥キャラでもアーラコクラと競り合うのはちょっと厳しいか……てか、何故アーラコクラがいるのにコイツが選ばれたのか、いやそもそもアドベンチャーズ・リーグで禁止されるぐらいならアーラコクラよりこっちをサプリに入れれば良かったんじゃ……。あ、そういえばEEで追加されたゴリさんも再掲。
 ハ虫人類というとD&Dではドラゴンボーンにお株を奪われた感があるが、リザードフォークもめでたくPC用種族に昇格。……ただ、共食いはもちろん人肉も平気でボリボリやっちゃう種族をPC種族に入れていいものなのかなあ。まあ、彼らは他に食い物がないから食ってるだけで、単に精神構造の違いの問題なんでしょうけど(こういうのがプライマルな真なる中立のスタンスなのです。わかったか、森に入ってきた人を迷わせて殺すのが趣味のバンシュレイ)牙や爪などの肉体武器ではなく、ちゃんと「素手打撃」で1d6+【筋力】修正値の噛みつきができたり、鎧を着ていなくても素のACが13+【敏捷力】修正値だったりと一見強力そうな能力は持ち合わせているのだが、それを活用しようとすると意外と難しい。上昇する能力値が【判断力】【耐久力】といずれも戦闘に直結する能力値ではないし、鎧を着られない人向きの能力値でもない。モンクで素手攻撃のダメージ・ダイス上昇を先取りするという手もあるが、結局ACの効果がカブってしまう。ボーナス・アクションで噛みつきを行える“飢えた顎”も小休憩ごとに1回、【耐久力】修正値の一時的hpとかなり寂しく、種族特徴は豊富ながら活用するにはテクが必要になるだろう。種族特徴で2個も技能が増えるのが実は一番の強みかもしれない。これはなかなかスゴイ。
 D&D版キャットフォークとでも言うのか、タバクシーと発音するんでしょーか?(原文だとTabaxi) 前からいた種族かな、と思って画像検索してみたら、いたね~AD&DのMonstrous Manualにこんな人。大胆にも無修正全裸画像で掲載されてましたよ。
tabaxi.gif
喜ぶ人がいるだろうか……結構いそうだな……
 1ターンに1回2倍の移動速度になる凄まじい機動力に加え、20フィートの登攀移動速度という脅威の行動範囲の広さがウリだ。〈隠密〉〈知覚〉を種族で習熟してくれる懐の広さにもウッハリ。
 トリを務めるのは海洋種族のトリトン。別にトリだからトリトンなんちてプススーッなどというしょーもない意図は欠片もないとセコラの名の元にここに誓います(それサフアグンの神)。流石にPFや六門世界の魚人のように、ジュエルペットサンシャインのイルカ先生の如く水槽で移動してもらうのはナンだと判断されたか、最初から地上移動速度あり(妥当な判断だと思います)。それよりもガスト・オヴ・ウィンドウォール・オヴ・ウォーターを発動できる擬似呪文能力、【筋力】【耐久力】【魅力】+1、[冷気]への抵抗という通好みの種族特徴が目を引く。
 前半で紹介されたモンスター種族をPCに使う場合のデータも掲載されているけど、流石に中型サイズ以下の種族に限っているし、バグベアの“残虐性”(武器のダメージ・ダイス+1)なんてヤバいもんは調整されております。とは言えコボルドが4eのようなシフティを失った去勢データではなく、パック・タクティクスを種族特徴として、かつコボルドだけの特色として所持しているのはエライ! きっとコボルド・ローグが大流行してるんでしょうねぇ。あーやだやだ(ホメてるのかケナしてるのか)。なお、コボルドPCを使う場合はちゃんと環境を聞いてからやんないと“陽光への脆弱性”をモロに浴びてパック・タクティクスどころじゃなくなります。ウヒウヒ笑いながらコボルド・ローグを持ち込むのはちょっと考えた方がいいかと。アクションを使用して敵1体への攻撃に1ターンの間有利を乗せられるとか、確かに強くはあるけど。
 変更はされたものの、バグベアだと近接攻撃の間合いが5フィート伸びる(!)、ゴブリンが自分より大きな敵にダメージを与えると追加ダメージが発生するなど、PC用のアレンジもあって楽しませてくれますな。こちらを使って組み直したモンスター・データを使用するのもアリなのでは? その中で、ほとんど修正を加えられていないオークは完成度の高さを窺わせる。言うても特性はほとんど劣化ハーフオーク、“猛進”をどれだけ評価できたものか。PF同様食いしばりがハーフオークにしかないのは、やっぱりサイヤ人のように混血の方が強くなるのか?
 実は既にページの半分近くを使っており、追加モンスターって後半しかねえぢゃん! と嘆き憤りの貴方もしんぱいごむよう。いるかいらないかで言ったら別になくてもいい情報にたっぷりページを食ったぶん、追加モンスターはセレクト・内容ともに充実。そういえばMMに掲載されていなかったっけ、という顔触れも多数収録されており、どの版を遊んでいた人でも懐かしむことができるのではないでしょうか。リュークロコッタの再録にむせび泣くファンもきっと少なくない……いや少ないかな……みんな大好きバンダーホッブ君もおるでよ! それにゴリラパワーキンジラレタチカラの国メリケン製とあらば、百万ゴリラパワーを誇るギラロンはやっぱりいなくちゃね。あ、この間シャドーオーバーミスタラキャンペーンをやりたいんでスコーピオンフォークを5eに加えてくだち! と喚いていたら、ホントに追加されてびびったんだった。なんでも言ってみるものですな。次はナグパの番ですかな?
 3eを中心に遊んでいた筆者はハグと言えばアニス・ハグがいないとしっくりこなかったし、シャドウ・マスティフやイェス・ハウンドという名前には熱く激しい時代へのノスタルジックを呼び起こしてくれたものです……アニス・ハグが超キモいのにはびっくりしたし、イェス・ハウンドがやたらとおっさん顔になっていたのにはもっとびっくりしたけど。
yethhound02.jpg YethHound.png
……まあ、版をまたぐごとに年代ジャンプしてるから色々苦労したんでしょう。おかげでこんなおっさん顔に。
 びっくりしたと言えばコレを外すワケにはいかない、冒頭に上げたクソコラの上段にいる二人。ハイ、ここでもう一度見てみましょう。誰だと思います? 彼ら。『水晶窟を越えて』を遊んだ方なら絶対知ってます
xvart.jpg
 Xvartという原語を見てなんて発音なんだ? と首を捻ってたら、これでジボートと読むんですね。そうです、あの地元のジボートさんたち。水晶窟でソリスの下で散々我らに嫌がらせをしてきた青っ白い肌の小人共です。
 ……どうしちゃったの君達!? Encountersで第一話の開幕そうそう遅刻したら既にコイツらと乱戦状態だったり本宮ひろ志調に転がしてきた丸太で潰されかけたりと浅からぬ仲だった筆者としては心配せざるを得ません。何か悪いものでも食べたんでしょうか。それともハリキリシャカリキ過ぎて5eデビュー大失敗しちゃったとか。ジボートに限らず何とも言い難いツラ構え(下段の二体もすごく好き)の連中が多く、ビジュアル面では特Aクラスのクオリティで魅せてくれますZO! 中でも最も本書中最もキモいのがビホルダーの亜種、ガウス。中央の眼の周囲に小さい眼が無数に開いているという絵面で見た瞬間「うわキモッ!」とのけぞるキモさです(次点がディープ・サイオン)。
 個人的にありがたいのは、前半で生態が紹介されていたクリーチャー(MMに掲載されていた)が拡張されたことで、さらに広範な脅威度や遭遇に対応できるようになったこと。デルヴ形式の遭遇や、特定種族との抗争をテーマにしたキャンペーンではことクリーチャーのバリエーションに苦慮しがちだったので、繰り返し同じ種族と戦わせても飽きが来ないようになりました。中でもオークは“グルームシュの眼”に続いてグルームシュ様の伴侶など、親類縁者の神格にまつわる変種が怒涛の六体追加。本書で取り上げられた種族の主役格と言っても過言ではなかろう。5e界の愛されボディだけはあるな。今回は変なヘアースタイルのチーマーじゃなく、ちゃんと雰囲気たっぷりですぞ!
 一方であんだけ露骨なプッシュを受けていたドラウは一体も追加されてませんでした。やーいやーいお前らみたいなミストラ復活で立場が無くなった負け組ヒロインどもはアンダーダークに帰れー! とか年甲斐もなくハシャいでたら、ドレイグロスとかロルスの影響で生まれた連中はちゃんと追加されてました。チッ未練がましい……むしろ生態でフューチャーしてんだからゴブリンの追加データを入れればよかったんじゃありませんのん(ホブゴブリンにすらいるのに)。あれこそ並ゴブリンとボスしか収録されてない手薄種族だったのがこの扱い、ドボジデ。
 ゴブリンと同じく、上位種がウィングド・コボルドぐらいしかいなかったコボルドは、4eでおなじみだった竜鱗盾のコボルドを筆頭に三種追加。版を重ねるごとに磨きがかかるIKEMENぶりを今回も遺憾なく発揮しております。……ただ、コボルドの竜鱗術師はほほう脅威度1らしくウィングド・コボルドの亜種か……と思ってよーく見たら翼が木材+ボロ布製の作り物でクスッとさせてくれる(飛行移動速度ナシ)。
 ドラウに続いてWoCが新たなプロデュースアイドルとして目を付けているっぽいユアンティ(王道のオークがCuドラウがCoユアンティがPaって感じか)
5e_cu_co_pa.jpg
勢いで作りました。
オークに次ぐ五種追加。アナテマ様もいよいよ5eに上陸あそばされた。言うてもオレユアンティにはそんなに思い入れないんだけど。力を入れられてるわりに4e時代Encountersで一回も会わなかったし。あ、でもマインド・ウィスパーズの怪人っぽいビジュアル(金子一馬デザインと言われたら納得しそう)や、ピット・マスターの王家の谷の守護者達(ファラオ・スフィンクス)的佇まいはイイネ。後者は兜からオエーした吐瀉物が顔から腹へと伝ってるようなペイントと、腕が触手の塊になってるのがゴッズマーグのパクリっぽいのが少々気になるが!
 ジャイアントは一種類ずつごっつい上位種が追加、大型→超大型サイズとただでさえ図体でかくなって威圧感たっぷりなのが、どいつもこいつも見るからに危ないツラ魂で今まで以上に出会いたくない連中に仕上がった。妖獣ジンメンみたいなことになってるフロスト・ジャイアント“エバーラスティング・ワン”が筆者イチオシであるが、ストーン・ジャイアント“ドリームウォーカー”の生気のない顔がそれ以上に気になって仕方がない。見て下さいこの弱々しい顔。とてもストーン・ジャイアントとは思えない細っこい首も相まって、夢に逃避するのも止む無しという儚さです。もうダメかもしれません。
sg_dw.jpg
 それと、ネオセリッドやフロフェモス、スポーン・オヴ・キュスのように長物キモ系クリーチャーに力を入れるのが相変わらずPFやD&Dはお好きですね。メシが不味くなるんで食前食後には勘弁してほしいですが。フレイル・スナールのウルトラQっぽい外見がお気に入り。ゴーガとかナメゴン好きなんですよ。
 例によってアレでアレなクリーチャーが収録されているのもまあいつも通りですかな。ゲイレブ・ドーアに小指ぶつけちまえとかゼラチナス・キューブの角に頭ぶつけて死んじゃえと言いたくなるような。オレは公式が大量のニルボグ(被ダメージをリアクションで0に軽減、ダメージを与えてきたクリーチャーを魅了)と戦う遭遇をシナリオで出してくるに違いないと踏んだね! 外したらマインド・フレイヤーに鼻から脳髄吸引されてやるぜ! ……いや、何か妙にリアリティある冒険者の死に様っぽいんでやっぱやめとくわ。アレでアレがアレと言えば、クリーチャーのコピペ呪文リスト及びNPCのデータは5eの不満点の結構な部分を背負っていたので、今回の追加NPCデータは特に不安があったんだけど……筆者と同様の批判があったのかどうか知らんが多少は変化があり、戦闘以外のことも意識した呪文リストの構成となった(今考えるとあの呪文リストはクソデザイナーがゴリ押したというより、納期に押されてコピペで済ませたんじゃないかという気もする)。前線で殴り合うストレートなパワー型NPCも、ただACが高いだけの敵はストレスを溜めるだけと学習し、やっと盾を手放してパリーにも頼らないことを覚えたようだ。まあそれでも多少は改善されたってだけで、相変わらずマジック・ミサイルメイジ・アーマーはずぇったい放さないみたいな強い意志は感じるが、そこまでやるんだったら好きなだけおやんなさい(投げやり)。秘術呪文術者相手に呪文を使うと八割方カウンタースペルで潰される、故にカウンタースペル合戦になるなんて状況が減っただけで少しはマシってもんです(体験者の弁)。
 おっとこれを忘れてはいけなかった、今回はちゃんと脅威度ごとのクリーチャー一覧が巻末に掲載されているから安心だ! MMにで忘れてて、慌ててDMGで掲載したせいで参照がえらい面倒なんてことはないぞ!(MMで忘れてたのはあくまでも筆者の推論です) 環境ごとの出没クリーチャーも、やっぱりクリーチャー本に載せてほしいねえ。これを見ていると、全体的に序盤~中堅どころに使いやすい、脅威度5~6ぐらいまでのクリーチャーが手厚く追加されたのが本書の特徴のひとつになっているのがワカる。駆け出し冒険者がじっくり成長していくのを楽しみたいスタイルの人達には嬉しいモンスター本。TRPGで一番楽しいのは、このあたりの出来ることと出来ないことのバランスがちょうどいいレベル帯ってのもありますしね。5eだと成長しても脅威度2~3の相手は意外と油断ならないということで、データが腐りづらいのも利点。
 そんなこんなで読んで楽しい使って便利な『Volo's Guide to Monsters』、お子さんへのクリスマスプレゼントで悩んでいる親御さんはおひとつチェケラッチョウ! 脅威度1/2だからと“ユートラスの養い子”を大量にぶつけて破裂させると、きっと大泣きされて気まずい年末を過ごせますぞ!

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

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