We are Pathfinders!#288~ゲームマーケット春お疲れ様でした~

 事後報告になりますが、ゲームマーケット春にてTRPGフレッシュフェスに、パスファインダーRPGのGMとしてちょっとだけ協力してきました。
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参加者ではなく開催サイドで来るのはえらく久しぶり
 下の写真はお勤めを終えた後、会場の外のベンチに座ってヨレヨレになりながら撮影した物。
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 身内以外でパスファインダーRPGの自作シナリオを回すのは初めてでした。拙いGMでしたが楽しんでいただけましたらこの上ない幸いです。この機会を与えて下さった全ての人々と、卓に参加して下さった人々に精一杯の感謝を。
 そしてみんな『ビギナー・ボックス』買ってパスファインダーRPGを遊んでNE!(あとRole&Rollの連載もyrsk)

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We are Pathfinders!#287~PFことはじめ記・いつかパスファインダー協会員になるために レンジャー後編~

 レンジャーは技能職であるがローグ程色濃くはなく、良好な攻撃ボーナスや武器・防具の習熟を見ればわかるように、戦闘職としての傾向も兼ねている。一方で戦闘職ではあるが、ファイターやバーバリアンのように、ただ前線でガンガン殴り合っても真価は発揮しづらい。戦闘スタイルや“得意な敵”が噛み合ってこその実力であり、また技能職としての仕事も両立するためには、立ち回りのみならずビルドの段階から考えねばならないことが多い。

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We are Pathfinders!#286~PFことはじめ記・いつかパスファインダー協会員になるために レンジャー前編~

 5e以上にえらい間が空いてるけど、こっちも地道に再開していきます。

レンジャー

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We are Pathfinders!#285~ビギナー・ボックスのここが違う~

 先の記事に書いた通り、『ビギナー・ボックス』のルールは簡略化したもので、CRB掲載のルールより削除されたものがちょくちょくある。
 まず『ビギナー・ボックス』を遊び、それからCRB環境に移行する人、あるいはCRB環境で遊んでいた人が『ビギナー・ボックス』をやってみようという時にはこれを把握していないと混乱するかもしれない。
 『ビギナー・ボックス』解剖記事をやったところで、今度はCRBとの差異を取り上げ、シームレスに移行できるよう助力したい。
 なお、取り上げるのはルール上の差異を中心にするため、単なるデータの拡張(呪文や特技、クラス)は省略し、ルールに抵触する内容に限った。

●キャラクター作成
・小型種族がいない
 『ビギナー・ボックス』では多くを古来D&Dの作法に倣い、種族・クラスはCD&Dに登場したものに限られて……ないハーフリングがハブられてるのだ。これは「生まれついての奴隷根性の小人など濁世内海地域からの先兵には不適格よ! PEッ!」などという小型種族差別ではなくて、導入した場合のルール掲載するヒマがなかったんだろう。ダメージ・ダイス、荷重、AC・攻撃ロールなど、小型種族が与える影響というのは、こうして見ると少なくない。いちいち武器のサイズ違いによるダメージ・ダイスなんて書くスペースがありゃしないし、荷重に戦技へのペナルティは『ビギナー・ボックス』だと作用しようがないしな(あ、この辺は後述する話だったい)。
 モンスターのデータには小型種族のルールが適応されているが、プレイヤーの使用するデータとは異なる書式だから、サラッと見ていると気付かれないかもしれない。例えば、ゴブリンの使うショート・ソードがd4ダメージなのに一見して違和感を覚えた人は鋭い

・技能が少ない
 『ビギナー・ボックス』だと毎レベル得られる技能ランクが2のクラスばっかだが、技能の数が絞られているからそこまで気にならないかもしれない……が、CRBになった途端怒涛の拡大、さらに未収得判定不可技能が襲いかかる。8ランク貰えるローグさえ足りなくなるんだから、こりゃ大変なことですよ。目に付くのは〈魔法装置使用〉だが、〈知識:次元界〉の追加もモンスター情報の把握において忘れてはならない。それにつかみからの脱出手段、〈脱出術〉、これも大事だった。
 パスファインダーRPGには「クラス技能がしょぼいクラスに限って技能ランクもしょぼい」というジンクスがあり、『ビギナー・ボックス』でも技能の割り振りに苦労したクレリック、ファイターはさらにしんどい思いをすることになる。『ビギナー・ボックス』のうちから「クラス技能にランクを1点でも振っておくと段違い」「集中してランクを振る技能を決めておく」、これを意識すると多少は悩まずに済むかと。

・適性クラスボーナスがない
・言語が無い
 技能の項にも関わる問題2点をまとめて解説。
 まず、適性クラスのボーナス。これは割と忘れやすい存在だったから、混乱を避けるために削除したのだろうか? hpが欲しい人はレベルごとに1点のトク、技能が欲しい人は1ランクのトクがあると覚えておけばOK。
 次に大きいのが言語の有無。『ビギナー・ボックス』には言語および〈言語学〉が無いから、相手がゴブリンだろうとボガードだろうとブラック・ドラゴンだろうとオレのケツを舐めろと叫べば通じたが、CRB以降では共通語を相手が理解しなければ「何コイツいかついカオしてワケわからんこと叫んで…怖…」と引かれるだけだ。異文化との接触の際に、言語におけるコミュニケーションは極めて大切。いちいちコンプリヘンド・ランゲージズに頼るわけにもいかんし(当たり前だけど、言語のルールが無いからこの呪文も『ビギナー・ボックス』には無い)。〈言語学〉に振ったランク1点が身を助くと言っても過言ではない。
 ちなみに、初期の言語の数は【知力】ボーナスに依存する。元からバカキャラには厳しいゲームなのだが、CRB導入後はますます【知力】の重要性が増すことになる。

・荷重が存在しない
・防具の判定ペナルティが存在しない
 個人的に、CRBに移行した際、最もキツイのはここではないかと思う。
 パスファインダーRPGはバカキャラに厳しいが、ゲームを開始して暫くはヒョロガリにもかなり厳しい。『ビギナー・ボックス』と同じ気分でひょいひょい背負い袋にモノを詰め込んでいくと、あっという間に中荷重になる。ローグなんかもう盗賊道具とレザーとショート・ソード以外ほん投げたくなることだろう(メリシエルさんが【筋力】13のややマッチョなのは決して間違った選択ではない)。中荷重によって生じる移動速度20フィートと技能へのペナルティがどんなにツライかは、いっぺん遊んだ人には言うまでもない。いらない道具は【筋力】の余裕のある人やドワーフに預ける(当然『ビギナー・ボックス』仕様のドワーフには荷重にまつわる種族特徴がない)、もしくは投げ捨てやすく袋に入れておく知恵を身に着けておきたい。
 荷重のルールが存在しなければ、防具の判定ペナルティも存在しない。おかげでヴァレロス君やキーラが割と軽やかにアスレチックできていたのだけれど、CRBの導入と共にこのようなムーブも憤死。鎧を着ながらの運動技能は、残念ながらペナルティを軽減する手段が無ければかなり劣ると言わざるを得ない。
 『ビギナー・ボックス』に防具の判定ペナルティが無いと聞くとエズレン君がフル・プレートに飛びつくかもしれないが、ウィザードには「鎧を着ることができない」という一文がキッチリ書かれているので無理竜。それと、判定ペナルティこそ存在しないが移動速度の低下は生じる。

●戦闘ルール
・機会攻撃がない
 まずはこれに触れねばならぬ
 機会攻撃がないから、メリシエルはガンガン挟撃を取りに行けるし、キーラも敵前で堂々とキュア系呪文を使える。エズレンは…後で話す。その代わり、敵も同じように挟撃を取りに行ける上に、後衛に殺到することも可能になった。足止めするための位置取りは、CRB環境以上に重要かつ難題となる(もっとも、『ビギナー・ボックス』なんだから新規さんに優しくGMは多少の手心を加えて最適解の位置取りに走らずとも良いのではなかろうか)。順序は逆なんだけどちょっと5eっぽくあるな。
 逆に言えば防御の薄いPCが敵に詰め寄られても、距離を取ることは容易になった。それに大型クリーチャーの長い間合いによるカウンターパンチに怯える心配もない。移動に関しては別ゲーと言えるぐらい自由で、これに慣れてしまうとCRBで迂闊な挙動に走る恐れがある。CRB導入後の戦闘では、ここんとこ重点的に解説するのが望ましいだろう。離脱アクションも当然のことながら無いよ。
 ……そういえばテスト段階ながらパスファインダーRPG2ndではファイター以外機会攻撃が存在しないという話であったな。

・全ラウンド・アクションがない
・即行アクションと割り込みアクションがない
・待機アクションと行動遅延がない
 アクションまわりの話をまとめて。
 「全ラウンド・アクションを開始する」という標準アクションがあることを皆さんは覚えておいででしょうか。「次のターンの標準アクションも使って全ラウンド・アクションの行動を完了する」という処理を聞けば納得できるでしょうが、字面だけ見ると何が何だかよくわからん。
 『ビギナー・ボックス』で存在するアクションは移動アクション、標準アクション、フリー・アクションのみ。全力攻撃(というか全ラウンド・アクション)を行う時は、移動アクション+標準アクションを使用したという扱いになる。これは前回書いた通り。5フィート・ステップは存在するから、複数回攻撃をした後の移動も可能(ただ、機会攻撃が存在しないから、意義はやや薄くなったかも)。
 それよりも即行アクションと割り込みアクションの削除だよ。即行アクションはまだいい。割り込みアクションを自分のターン中に使った時は即行アクションと同じ、自分のターン中以外で使った場合は次の自分のターン終了まで使用することはできない、それと立ちすくみ状態のときは割り込みアクションを使用できない…えーともういいや! なんちゅうか、使ったか使ってないかを忘れやすい能力というのはいくないので、『ビギナー・ボックス』で削られたのは極めて納得である。せめて自分のターン以外で使った場合が無ければまだ得心がいくのだが。『ビギナー・ボックス』からCRBに入る人は、一度はつまづくルール。CRB発売の折には、よーく読んでおこう。
 待機アクションが無いので移動に関しての制約が少なくなった代わりに、状況毎の柔軟な対応力はやや低下した。イニシアチブカウントの変化が生じるのも、行動遅延の存在しない『ビギナー・ボックス』では不適と判断されたか? そういや行動遅延も無いあたり、ますます5eっぽい。これに関しては5e記事でも書いたように、ターン開始・終了の処理や、延々イニシアチブを遅延させ続けた場合の処理をグチャグチャ書き連ねることになるからだろう。本当、ペナルティを逃れるためなら何でもする奴というのは色々考えるもんだよ!
 地味に「基本攻撃ボーナス+1以上なら、移動と一緒にフリー・アクションで武器を抜ける/盾を準備できる」ルールは生き残った。

・敵に隣接されていた場合、接触呪文でない呪文の発動と遠隔攻撃を行えない
 なんだかエズレン君をぬか喜びさせてばかりで気が引けるのであるが、機会攻撃のルールが無いから安全に敵の間合い内で呪文を発動……できるのは、キュア系のような接触呪文。敵に隣接されていると通常は呪文を発動できないシィィットッ! 機会攻撃を受けなくて済むぶん、呪文発動時は大人しく距離を取ってからにしよう。CRBになってからは、逆に腹をくくって敵の眼前で呪文を発動する度胸が要求される……でも精神集中のDCって高いから、無理せず離脱アクションを取る思慮を優先しても咎めはされまい。あと、『ビギナー・ボックス』では精神集中判定が存在しない。それに呪文発動に必要な要素なのはCRBとも共通ながら、『ビギナー・ボックス』では「敵に隣接されていると精神集中ができない」、と大きく扱いが異なる。
 遠隔攻撃も最低でも10フィート以上離れていないと行うことができない。その代わりといっちゃなんだが、最大射程範囲までペナルティ無しで撃てるもんだから、飛び道具が物凄いレンジを持つことに。ダガーでさえ50フィート先まで飛ばせるから、メリシエルはヒマがあったら投擲用に抜いておこう。シレッと書いてあるけど、ロングボウが1000フィート先まで射ることができるのだが、本当にいいんんだろうか。
※訂正。いいわけありませんでした。ちゃんと射程単位ごとのペナルティは存在します。申し訳ぬぇ。

・戦技がない
 機会攻撃がないとノーペナルティで行えるのもそうだが、戦闘がかんなりゴチャゴチャしたものになるからだろう。おかげでつかみや足払いが自動的に発生するようになりかんなりしんどいが、これは耐えよ。戦技というよりは、つかまれた状態や伏せ状態を生じさせるバッド・ステータス付き攻撃とみた方が『ビギナー・ボックス』内では適切だろう。ところで組みつき状態とは異なり、つかんできた側はつかまれた状態にはならない。文面的につかんできた側がつかまれた状態になったらおかしいのも道理だが、ずるい。
 PC側から戦技に類する判定を求められた時は、CRBに準拠した判定を行う(その場でCMBとCMDを算出)するか、スポット・ルールをGM・PCと協議の元立案するか、のふたつ。あくまでのスポット・ルールであるから、CRB発売の際には使用できなくなることも合意しておかねばならない。
 CRBで戦技のルールを見るとそれだけでうんじゃりするかもしれないけれど、プレイヤーで扱うぶんには「使いたい人だけ使えばいい」というルールだから、その気がなければ無いもんだと思っても構わない。敵に仕掛けられた場合は自分のCMDだけ伝えれば後はGMが処理してくれるだろう。ただその結果理不尽な事が起きても立腹しないよう、事前に読み込んでおくというのも精神安定上悪い事ではない。特に組みつき関連はよく出くわす割に異次元化してるルールだから、せめて脱出する手段ぐらいは把握しておきたい。
 組みつきや足払いはともかく、武器落としとかチョイ変わった戦技は仕掛けるのが難しくなっているから、武器落としが幅を利かせる往年のゲームみたいに、そこまで怯えることも無いだろうけど。ただレベルが上がってきたら、武器は壊されるものと心の片隅には留めておき、予備の武器を持ち歩くようにはしよう。いるんだよ高レベルシナリオには1体ぐらい、武器破壊を異様に高いCMBで仕掛けてくる奴がよぉ!(被害妄想)

 ザバッと『ビギナー・ボックス』・CRB間で生じるルール違いを洗い出すと、大体こんな感じ。
 探ればまだまだ出そうだけど、特に重要なのは機会攻撃まわり。呪文発動にも影響を与える、ある意味パスファインダーRPG(と3e系列)の戦闘の一柱でさえあるこのルールを『ビギナー・ボックス』から引っこ抜いたのはかなりの英断…というか敢行であったろう。これのあるなしが戦闘システムの随所に響くぐらいである(今回、機会攻撃が消滅したことで生じる変化を何度言及しただろう)。せめて敵から離れる時、敵の周囲を移動する時に生じるぐらい簡易なルールで残してもよかったような気もするのだけれど。
 それ以外の点でCRBで追加するルールはちょいと手間がかかるけど、冒険や戦闘を多彩にしてくれる一味。『ビギナー・ボックス』で遊び慣れてからも、まずは初心に帰ってジックリ読み込んでいただきたい変わるわよ
 CRBから『ビギナー・ボックス』を遊ぶ人は、蛮声を上げながら果敢に挟撃を取りに行って下さい。誰も止める者はいません。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#283~パスファインダーRPG ビギナー・ボックス~

 パスファインダー協会員の間では2nd到来というビッグバンパンチに震撼しておりおしっこちょっと出るかと思ったサ、おおさ出たとも。が、日本語展開はいよいよこれから始まろうとしているんだぜ! パスファインダー協会員の諸君らに秘密指令を与えるコレヲミテウットリセヨ!!(シュプルパーッ)
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  今回は全パスファインダー協会員のみならず、あまねくすべてのTRPGユーザ必携の一品…ごめんちょっと言い過ぎた、SFや現代モノ専業の人は対象外かも。ちょびっと譲歩してだいたいすべてのTRPGユーザ必携の一品であるパスファインダーRPG『ビギナー・ボックス』を大解剖DA!

 発売からもう2ヶ月も経ってるじゃねーか、とか言わないように。あとアドベンチャーカードゲームは、まあ、カードゲームだかんね。
 見よこの充実のコンポーネント! 輝けるグラフィックデザイン! 無明の闇に閉ざされていたと思われていたパスファインダーRPG日本語版展開、それをこうも気合の入った商品で実現してくれるとは嗚呼まさにド☆リーム!(迷宮島) 生きててよかった。
 遊んだ人遊んだ人からアレはいいぞと言われ続けたもので、その日本語版到来を一日千秋の思いで伊豆石(石抱きの刑で使われるアレ)の下待っていたのですが、寸分違わずその通りですY。これからパスファインダーRPGを始める人に必要な情報やグッヅが本当に一通り、余すことなく揃っている。これにドキワクしない者はおるまいて。いたとしたらそりゃ夢を忘れた古い地球人だな。
 まず箱を開くと目に入るのが、『ビギナー・ボックス』の遊び方を解説するペラ一枚。「冒険の世界へようこそ!」という売り文句と共に掲載されているイラストが、ヒーローではなく民家を火をもて襲撃するゴブリンであるところにパスファインダーRPGの何たるかが明示されていると言えようがそれはさておき、すぐにプレイヤーとして始めたい場合、GMとしてセッションを開催する場合などの流れが丁寧に解説してある。総勢俺1名参上という人でもソロプレイシナリオの指示があるから安心だ(ただし、「すべてのプレイグループにはゲームマスターが必要だ」という容赦ない一文もある)。
 それじゃ冒険を始めてみっかな、という人がまず手に付ける『ヒーローズ・ハンドブック』には前述のソロプレイ用シナリオとPC作成と運用ルールが掲載。ソロプレイ用シナリオのびみょうに気の弱そうなおじさんが気になるかもしれないが、大丈夫それは君だけじゃない(『Pathfinder Campaign Setting: Rival Guide』に登場する都市レンジャーのイッシュ=トロヴァンさんのイラストらしいゾ)。またシナリオ内では猛火に照らされる(っていうか燃えてる)ゴブリンが掲載されており、ゴブリンの生態が「これから毎日家を焼こうぜ」、冗談ではなくコレというのがいやがおうにもおわかりいただけるのではなかろうか。
 PC作成ルールの項ではアイコンや見出しがふんだんに使用され、従来のTRPGと比べても視認性が格段に上がっている。FEAR系統のボックス式のデータ表記とはまた違った整理された見やすさは、これぞグラフィックデザインの勝利。特に、本当に嬉しいのが整理された呪文リスト。この見やすい呪文リストを願って何年耐え難きを耐え忍び難きを忍んできたことか。何かと「呪文リストが見づらいんだけど」と言われ続けてきたD&D系列でこんなにすっきりさっぱりしたデザインを目にすることができるとは、美しいのぉ死んだ婆さんに見せたかった。呪文以外でも、見るべき情報が見開き2ページにキチッと収まっているところが地味に好感触。
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うーんすっきり
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適性あるクラスはアイコンで表示。
 装備品は全てにイラストが用意され、いやがうえにも冒険への期待を煽りまくってくれるであろう。トリミングがおかしいせいでグレートソードってつかしか入ってないやん、な絵もあるがそこは御愛嬌ってことで。CRBだと掲載されていない冒険者キットがあるのがなかなか興味深い。また馬も買えるよ(75gp)。
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アイコンの中のD○はACへのボーナス。ちょっと混同しやすいかも?
 『ビギナー・ボックス』で使えるクラスは、D&Dの重鎮4クラスを引き継いだウィザード、クレリック、ファイター、ローグ。種族に関してはエルフ、ドワーフ、人間とちょっと寂しい。ちゅうか小型種族がいない。小型種族限定のルールを採用するのが面倒だったからだろうか。
 運用ルールに関しては、『ビギナー・ボックス』用に簡略化したものであり、いくつかのルールが削除されている。例えばそれは機会攻撃であったり、荷重のルールであったりする。特に機会攻撃のルールは戦場の光景がまったく異なるものになるから、CRBに移行する際には注意した方が良いだろう。『ビギナー・ボックス』で省略されたのは、ローグのメリシエルに思う存分挟撃してもらうことを想定したのかもしれない。ついでに荷重のルールもないもんだから、並のローグなら中荷重まっしぐらの量のアイテムを抱えていたりする。……実はメリシエルは【知力】を10にしてまで【筋力】13で殴りかかる割とマッチョ思考のエルフなのであるけど(ん? つまり種族修正入れる前は【知力】8?)。アドベンチャーカードゲームでも【知力】が一番苦手だったしな。ローグなのに…。
 アクションの種別は標準・移動・フリーのみ。全力アクションは標準アクション+移動アクションというコストとして表記。順序が逆なのだが、2ndで導入予定のルールを彷彿とさせる。即行アクションや割り込みアクションのルールも存在しないため、かなりスッキリした印象を受ける。2ndのルールに影響を与えたと見ても間違いではないのではないか。戦技のルールはCRBまでお預け。つかみは自動的に発生し、「つかまれた状態」を発生させる状態異常攻撃のような扱いになった。
 技能も数を削りつつ技能ランクは据え置きなので、多少の余裕をもって割り振りができそうである。本当はこのぐらいの数でちょうどいいような気もしなくもない。て、よく考えたらローグ以外全員レベルごとの技能ランク2だからやっぱり苦しい思いをするかもしれん。削られた技能はおおむね『ビギナー・ボックス』のクラスと縁の遠いものであるが、〈魔法装置使用〉が消えたのは結構な変動。ムリクリ呪文能力が無いのにワンドを起動させるようなことはできない……そもそもワンド自体が『ビギナー・ボックス』には無いんだけど
※訂正。ワンドのルールはちゃんとありました。ゴメソ。〈魔法装置使用〉がないんで適した術者じゃないと使用できないのは正しい。
 技能の話で思い出したが、非常に重要な事として、キャラクターシートに誤植がある。〈真意看破〉を【知力】で振れてウィザードウッハリとか〈呪文学〉を【敏捷力】で判定などという頓珍漢な裁定があるわけないから、公式ページから正しいやつをDLしておこう。
 GM用の『ゲームマスターズ・ガイド』にはお待たせのパッケージでデカデカとネタバレされてる、黒くてデカくてにくいあんちくしょうとどつきあいをする『ブラック・ファングのダンジョン』が掲載。言うても1レベル用シナリオだからね、いくらなんでも1レベルPCと殴り合いをさせるワケが無いでしょうハハハってやっぱり戦うんじゃないですかやだー!(´;ω;`) 本来のデータよりデチューンしてはいるものの、度々「慎重に扱わねばならない」と書くぐらいなら、イベント戦闘で済ませても良かったんじゃ…もしくはワームリングに押さえるとかさあ。まあでもヤングじゃねえと大型サイズにならないじゃン、それじゃミニチュアで迫力出ないじゃン、というのももっともなので止む無し! 手心は加えられるだけ加えてあげても罰は当たらないと思うが(ご丁寧に死人を蘇生させるスクロールがダンジョン内に置いてある)。
 この『ブラック・ファングのダンジョン』を遊ぶ時が『ビギナー・ボックス』の真骨頂、まずはプレロールドキャラクター、コアルールブック収録のモンスターにNPCまで詰め込んだキャラクターポーン。本体と土台を切り離し、交換式にしたことによって、大量のポーンを収めることが可能になった(その数80以上)。
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メリシエルさんとゴブリン君でハイチーズ
 そしてもうひとつが「これだけで2000円はする」と言われているフリップマット。『ブラック・ファングのダンジョン』が1枚に収められ、そのままポーンを置いていけばシナリオを進行させることができるし、裏返せば汎用の無地のマットとしても使える。コンポーネントを増やすとメンドごとも原価も高くつきそうなのに、これらの豪華仕様をまんま商品化してくれたナイスガッツにはただただ頭が下がります。その特攻精神に男一匹ガキ大将ふうに切腹でもして報いたいところだが、おれおなかが弱いからな。
 『ゲームマスターズ・ガイド』の特徴としては、『ブラック・ファングのダンジョン』終了後の冒険にも多くの力を割いている所。シナリオを自作する場合のフォローは多くの初心者向けキットにも用意されているが、森林や湿地、荒野など環境ごとに異なる冒険の姿を、豊富なデータやスポット・ルールを交えて解説までくると、これはなかなか無い。だって普通の初心者向けキットにゃ木のHPとかACなんて記載しないし気にもされないでしょ。都市での冒険の項では具体的なデータをもって様相を説明してくれる(建物の構造、街路の幅など)から、アドリブで街の様子を書かないといけない時の助けになるだろう。環境の項に掲載されているイラストも個性的で、「お、これは?」と思わせるオブジェが1つや2つ混じっている。パスファインダーRPGがよく知られたファンタジーと一味違う世界なのだということを知らしめる一助となる。
 『ビギナー・ボックス』の冒険者たちの拠点となるのはヴァリシアの開拓地・サンドポイント。すごく近くにゴブリンシナリオでおなじみのブリンスタンプ湿原があったり、別の部族鳥噛み族の集落があったりするから、そりゃしょっちゅう燃やされるわけだ。周辺で起きる事件のサンプルも多数掲載されており、これと前述の環境ガイド、モンスターデータと組み合わせれば『ビギナー・ボックス』のみでも無数のシナリオが作り出せる。サンドポイントがらみのNPCはアドベンチャーカードゲームでカード化されているから、合わせて購入すれば雰囲気たっぷりだ。カードゲームを遊んでるとびみょうにネタバレになるのが難点だが


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内箱の側面にはアドベンチャーカードゲームと、これから出るCRBの宣伝が。商売上手だネ。
 モンスターデータのグラフィックデザインにも隙はなく、形式自体はPRDとそう変わらないのだが、デザイン次第でこうも見やすくなるのであるな。個人的にCRやXP、HPがイニシアチブと移動速度と並んで、一行でサッと見られるところが好き。
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みんな大好きなあのバカはこんな感じで収録されている
 収録データは『ベスティアリ』のものを『ビギナー・ボックス』仕様にしたもの。その中でリーフクロウのみは『ベスティアリ2』掲載。むしろ『ビギナー・ボックス』限定だったのが『ベスティアリ2』に入ったと考える方が自然か。いずれ出る日本語版『ベスティアリ』だけでは体験できない、シナリオ限定クリーチャーってやつか。
 最後の目玉は状態異常。パスファインダーRPGの特徴の1つはやたらと多い状態異常、その中から23の状態異常(まだ23個もあるんだ…)がピックアップされ、そのひとつひとつに状態を示すゴブリンのイラストが付けられている。これぞパスファインダーRPGのアイドゥ、ゴブリンの面目躍如だ。どんなに酷い目に遭わせても心が痛まない上に笑いが取れる理想的なマスコットなのだ(カロッゾ調)。既存のイラストから引っ張ってきたのもあるから、多少ムリのあるのも見受けられるが。恐れ状態とかあんまり恐れてる感ない、っていうかむっちゃ火つける気満々に見えるし。あと疲労状態、ガットワド族長何やってんすか?
 よく比較される5eの『スターター・セット』がひとつのキャンペーンというシナリオ面でのボリュームで攻めつつ、コンポーネントは最小限に押さえた(PHBとマスタースクリーンが入る隙間アリ)なら、こちらはコンポーネントやグラフィックデザイン、そしてセッションへの導入という「TRPGへのいざない」により力を入れている、と言ったところか。

 ところで、『スターター・セット』を買った方は、是非ともこの『ビギナー・ボックス』も購入することをオススメする。前述の通りパスファインダーRPGに必要なものは大体入っている、つまりD&Dを遊ぶ上で必要な物もこれで事足りるから、『スターター・セット』を買った人にとっても損をしない商品というワケよグフフ。それに『スターター・セット』だと1個しか入ってないd20が、有利不利用にもう1個で完全になるしな(余談ながら、付属のダイス一式はアドベンチャーカードゲームの色違い)。
 本年中に出る(はず)のCRB日本語版、そして本格的な日本語版展開において、『ビギナー・ボックス』が果たしてくれた役目は申し分なしと太鼓判を押せる。単なるCRBまでの「つなぎ」でなく、パスファインダーRPGを遊ぶ上で必要なコンポーネントと情報を揃え、その上で『ビギナー・ボックス』だけで広がりを持たせられたのは、疑うべくもない商品の持つ力だ。そりゃ本国でもメガヒットを飛ばしますよ。いよいよロール&ロール誌上でもパスファインダーRPGのサポートが始まることであるし、CRBが出るまでサポート記事と併せて『ビギナー・ボックス』をズブズブ遊び込むべし! そしてゆくゆくは、黒くてにくいあんちくしょうを、今度こそ命果つるまで追い詰めるべし! CR8だ5レベルになればなんとかなる!

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#282~パスファインダーRPG セカンドエディション~

 モンスター・マニュアル発売で流した鼻血を止めようとしたり、TORGに金をつぎ込んだせいでガスと水道を止められたりしている間にとんでもないことがパスファインダー界隈でも起きていた。
 パスファインダーRPG セカンドエディション(以下2nd)発表。


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 つい2週間ほど前に「パスファインダーももうじき10年選手だから、改版するかもしれませんね。PUやStarfinderが試金石っぽいところもあるし」とセッション後のダベリで適当こいてたのでしこたまびびりました。実際、パスファインダー10周年である2019年を意識しての版上げのようで。真偽が中途半端な放言というものはすべきでない
 現在はテスト段階であり、8月初頭からテスト用ルールブックをダウンロード可能になるであろう、とのこと。400ページの大著、それも1~20レベルをプレイ可能なテスト用ルールブックを配布という相も変わらぬフトッパラにしびれる。96ページのシナリオ『Doomsday Dawn』と、フリップマットも同時に公開されるらしいじぇ。
 テストのリポートもちょくちょく上がってきており、どんな感じの変更点が加えられたのかというと(以下、筆者の独自訳なんで間違いもあると思います。ご了承してくだち)

・アクションの種別が撤廃
 一番度肝を抜かれた&ドキワクなのがこの変更。
 移動アクションや標準アクションといった種別が撤廃されることになった。そして、1ターンには3つのアクションを取ることができる
 一体どうなってしまうんです!?
 ゲームとしてワカりやすくなったのは間違いないし、「武器を抜く・移動する・攻撃する」ような一連の動きを一括してひとつひとつのアクションとしてとらえれば非常に機能的で美しい。しかし1ターンに3つのアクション、その気になれば1レベルから3回攻撃ができちゃったりするのかい!? ええ~!?(マスオさん風) フグタく~ん、どうだい今晩複数回攻撃! うれ失禁する前にゲームバランスは大丈夫なのだろうか(ちなみに、2回目以降の攻撃はペナルティを受けるのは変わらず)。
 まーその辺を踏まえないようだったら10年続くゲームなんて生まれてないし、実際のところアクションの種別はちょくちょく混乱を起こす元だったという反省もあるのかもしれない。全力攻撃をした時は移動できない、これは誰もが一度は間違えることであるが、5フィート・ステップは移動じゃないので同時に武器を抜けない、これいまだに忘れる。あと即行アクションと割り込みアクションもか。5eのターン中の行動が「アクション」とそれ以外(移動はアクションではない、ボーナス・アクションは特殊能力以外で使うことはほぼ無し)と簡潔になったのを意識した、とみても間違いないのではないか。そういやターン外の行動がリアクションと称するのもいっしょだ。
 アクションの使い方としては、単に移動や攻撃に費やすだけでなく、様々なオプションに割り当てることができる。例えば、盾は常にACへのボーナスを与えてくれることは無くなった。その代わりに、盾を構えるというアクションを使うことでACにボーナスを得られるとのこと。さらに追加のリアクションを得られる、という面白い特性が。ファイターはリアクションに多くのオプションを使えるそうで、盾戦士の吉報になりそう(またリアクションにオプションということは、4eファイターっぽい挙動ができるのかも)。回避専念のようなオプションもあり、ルールをスッキリさせた代わりに行動の選択肢という形で多様性を持たせる方針を匂わせる。ちなみに、突撃も健在で「2つのアクションを使用して、終了時に攻撃」という扱い。これだと普通に移動して斬るより単にオトクに見えるけど、Starfinderだと突撃は攻撃ロールにペナルティを受けるというとんでもない変更点があったから油断は禁物だ。
 呪文の使い方にもこの変更は影響を及ぼしており、構成要素もアクションにカウントされアシッド・スプラッシュは動作要素と音声要素の2つを持つので2アクションが必要。一方、シールド呪文は音声要素だけなので1アクションで可能……という具合。また秘術術者の魂マジック・ミサイルは1つのアクションで1本、2つのアクションで2本、3つのアクションで3本飛ばすことができる……Starfinderでも、ふつうは1本全ラウンド・アクションで3本という体裁だったのを上記のルールにマッチさせるとこうなるということか。アクションの費やし方で効果が変わる呪文も、他にもいろいろ出てくるだろう。特に燃えるのがクレリックの回復能力で、1つのアクションなら接触単体、2つのアクションなら遠隔単体、3つのアクションなら範囲回復と、消費するアクションによって劇的に効果が変化する(オーラ放出の新しい形?)。もしもこんな変化が回復以外の効果にも内蔵されるとしたら、もう期待しまくるほかない。

・出目がAC+10でクリティカル、AC-10でファンブル
 前述の通り、アクションが増えたんでこれはもう好き放題複数回攻撃やったるでぇ、とあさはかにブンブン丸新聞してると、この変更点が襲いかかってくる。2ndのファンブルは目標のAC-10でも発生するため、迂闊にひどいペナルティを被りながら殴るともりもりファンブることに。そして、ファンブルした場合は足をくじいた状態になり、移動速度が5フィート落ちるというペナルティを受けたという。その程度なら大したことないやんという人は、今すぐ小型PC作って中装鎧以上を着て移動速度15フィートで戦ってみてほしい。
 順番が前後したが、AC+10だとクリティカル発生でダメージ2倍ACのタコい後衛が射手に狙い撃ちされると簡単に死に至りそう、というもっともな予想が出ており、これには何らかの措置が入るかもしれない。例えば射撃攻撃の場合は「矢をつがえる→攻撃」で2つのアクションを使うため、複数回攻撃が難しいとか。でもいくつかの呪文には攻撃ロールが存在するというからやっぱりやばいかもしれん。
 テストプレイに参加した人の弁によると、攻撃ロールの出目20がどんな影響を与えるかはわからなかった、とのこと。攻撃ロールにおける出目1の言及はないが、アシッド・スプラッシュに反応セーヴでファンブルすると2倍ダメージを受けるという記述アリ。
 いっこ予想できることは、接触ACという概念は死ぬだろうあんなルールでAC+10でクリティカルなんてされたらやってられっか!
※噂によると接触ACは残存とのこと。本気(まじ)かよ。重装鎧のACは適用できるらしい。
 そういや、ちょっと論旨からズレるが立ちすくみ状態はどうだろう? うーん、Starfinderだと内容別物で名前だと残ってはいるんだけど。対応できていない段階では大打撃を受けやすいってのも面白いが、あれもなんだかんだでちょっと面倒だったからなァ。

・hpはクラスと種族から受け取る
 Starfinderを遊んだことがある人ならこれはすぐ飲み込めるだろう。
 hpはクラスと種族、それに【耐久力】で決定されることになった。Starfinderだとそれにスタミナ・ポイントが存在するものの、2ndではナシ。Starfinderでは、回復手段がミスティックのクラス能力を除くとポーションに頼るぐらいしかない&SFらしいタフなヒーロー・アクションを意識してスタミナ・ポイントという概念を導入したであろうし、簡略化を進める2ndにおいてライフの概念を二重に用意するのはそりゃ時流に逆行してるというものだろう。
 ファイターの1レベル時のhpは19とのことで、ゴブリンのショートソードの一突きにビクビクしなければいけない時代は完全に終わったようだ。

・《武器開眼》が標準化
 ファイター魂《武器開眼》が、Starfinderと同じく標準化。クラスによってボーナスを得られる対象は変わるようだが、全てのクラスで同様の効果は持てるそうだ。3e系列を引き継ぐだけに、急所攻撃や《強打》などクラス特徴・特技などを使うならまだしも、恒常的にダメージを上げる手段が乏しかった環境は一変することになる。
 インフレを押さえつつ平均化を図るという方針は国産TRPGにも共通している変化で、きょうびのTRPG全体に求められてるんだろうか。

・PC作成には背景が関わる
 PCがどこから来てどのように育てられたか、冒険者になる前はどんな生活を送っていたのか、そのような背景がクラスの他に反映される。それによって能力値や習熟、クラス技能が決定される、ってこれ5eのパクリじゃねっすか。そんなことだからパイゾ本社がいぬたまになって可愛いワンちゃんたちがゴブリンを次々に噛み殺し(久々に以下略)。きょうび5eじゃなくても導入してるようなシステムだからパクリもへったくれもないっていうか、これもStarfinderで既に導入されてた事ですけどね。和マンチ呼ばわりされた男として、背景で能力値が決まるのはなかなか苦しかった思い出が。
 5eのプレイ報告によると、特技のようなデータの作り込みよりも、多くのプレイヤーは背景でPCに練り込んだ物語を与えることに満足感を覚えるそうで、そうした反応はパスファインダーRPGとしても無視できない声の大きさだったのか? 個人的にデータ的裏付けを持って設定を盛るのは好きなのでわちきこの変更は歓迎するが。

・ゲームが3つのモードを持つ
 2ndでは1つのゲームが時間単位によって「遭遇モード」「探検モード」「余暇モード」の3つに分類される。
 「遭遇モード」は戦闘のように、生きるか死ぬかの数刻みのモード。
 「探検モード」は冒険中の罠の発見やルーン文字の解読など、分~時間のモード。
 「余暇モード」は冒険外の回復やトレーニングなどに費やされる、数日単位のモード。
 早い話がアレだな。4eの遭遇。もしくはシーン制。
 何故か一部の人々は上記の単語(あとシーン制とはロールプレイ支援システムもセットにしたい)を聞くと烈火の如く怒り出すのだが、単に時間の進みによってゲーム進行を区別しただけなので、なんも青筋立てんでもええやねん。それにモード区切りにしたのは後述するイニシアチブの問題に関わってくるのであるよ。
 実際の冒険の多くは探検モードで進んでいくので、ゲーム風景自体に大きな変更は無さそう。ただ、遭遇モードに移行するまでには、探検モードでも行動が大きく関わることになり、ここに極めて重大な変更点がある。もしもダンジョンを探索中、2人のキャラクターが周囲を警戒し、1人は影に隠れ、1人は魔法の反応を探っていたとする。ここから戦闘が開始されたとすると、各人のロールするイニシアチブは状況によってガラリと変わる。2ndのイニシアチブは、遭遇モードに移行する前の行動に応じた技能で決定され、さらに行動によって何らかの特典がついてくる。
 この例では、最初の2人は〈知覚〉でイニシアチブをロールすると共に、武器を抜く=アクションを1つ既に使っている状況で戦闘に加わることができる。2番目のキャラクターは、〈隠密〉でイニシアチブをロールし、隠れるための機会を得る。最後の1人はやはり〈知覚〉ロールながら、魔法の反応に関する何らかの洞察を得る……という結果となる。
 従来のPFの固定値からするとかなり高い数値が出てきそうだが、全体的に数値が使われるなら差は大して気にならないし、Starfinderで固定値の暴騰を防ぐ工夫がされているのを見るに、そこまで無法な数値は出ないのかもしれない。むしろ気になるのはイニシアチブを取ろうとすると高い固定値の技能を意識した行動で固定されてしまうのではないか、という点と、得られる特典を判断するのが大変でないか、という点。戦闘に入るのを警戒するあまり、探検モードでの行動がカタくなってしまってはせっかく用意された豊富な技能がもったいないし、技能の使用頻度に偏りが出る(〈知覚〉はただでさえユーティリティ高いしのう)のも心配。得られる特典に関しては、技能に内蔵することで多少は軽減できそうだが。
 PUやStarfinderを見るに、技能に関しては統合が進む(ついに〈運動〉が導入されるぞい)のが自然の流れなので、これにうまく適合してほしいものです。

・CMBとCMDの撤廃
 戦技まわりのボーナス・DCはシバウ。代わって、〈運動〉ロールでDCは相手の反応セーヴのボーナスを使う一例(武器落とし)が提示されている。〈運動〉判定を行うということは、より【筋力】の重要度が上がって5eで蔓延していた【敏捷力】至上主義者どもの首が締まっていくのかなあゲヒャヒャヒャ、などという邪悪な笑いはさておいて。CMDが反応セーヴと合体とか、この辺は4eの防御値周りの処理を彷彿とさせるな。っていうか〈運動〉で戦技ってこれ5eのパクリじゃねっすか。そんなことだからパイゾ本社がねこたまに(以下略)。
 ボーナスとDCはさておき、組みつき周りのルールは頼むから簡略化してくれんかのう。あと、〈軽業〉も存在しているそうだが戦技にどんな影響を与えるかはわからん。5eの〈軽業〉は「〈運動〉との差異? 【敏捷力】で振る〈運動〉が〈軽業〉だ。なんか文句あるか」という潔さの一方で、突き飛ばしや組みつきには〈運動〉と限定しており、これを踏襲するのだろうか。

・アイテムのボーナスは+1~+3の範囲
 高品質の装備品には「熟練級」「達人級」「伝説級」の級がある。級ごとに得られるボーナスが増加していき、熟練級では+1、達人級では+2、伝説級では+3のボーナス。伝説級でも+3のボーナスとは、昔を知る人々には寂しい限りかもしれないが、先述の通りStarfinderからこっち固定値の暴騰を防ぐ方向に動いているようで、これも止むを得ない措置であろう。5eでも武器や鎧のボーナスは+3までとなっていたし。
 なお、下位の品質「劣悪級」も存在するとか。ちょっと『りゅうたま』とか『六門世界』っぽい。

・アルケミストが基本クラス入り
 APGの爆弾野郎アルケミストが基本クラスに。確かに見ていてなかなか面白そうなクラスだったけど、まさか基本クラスにまで上り詰めようとは。本国で人気が高かったのかしら。変にデザイナーに守護られてるウォーロックの野郎よりはずっと好感が持てるな
 ところで、テスト版のカバー・アートにも登場しているように、アルケミストのアイコニック・キャラクターはゴブリンらしい。APGのエルフ・アルケミストのダミエル君まさかのリストラ!? などと界隈で騒動になっているとかいないとか。いかにアイコニック・キャラクターでも、ゲーム自体のアイコニックであるゴブリンには勝てなかったんやな…悲劇山…。あとゴブリンのアルケミストゆうたらモグマーチ君だが、髑髏のお帽子を被ってないから別人もとい別ゴブリンじゃないだろうか。

 ……ざっとこんな感じ。
 読んでもワカるように、PF2ndはもう「D&D3.75e」と呼べるものではない。3e系列をベースにしながら、まったく別のゲームへと生まれ変わろうとしている(「3eでhpがHDの最大値貰えると聞いた時、俺は卒倒するかと思った」とのたまった知人氏は何と言うだろうか)。
 10年間PFを愛し続けた人は惜しいと思って当然であるし、不安に思うかもしれないが、甚だエキサイティングなニュースであるのは間違いない。あんなに面白かったパスファインダーRPGというシステムが新生するというのだから、期待せずにいられようか、いや期待せずにはいられまい。こういう時にはいい方いい方に考えるのが大物というものだ! 「日本語版発売決定と同時に発表はどうなんだ」とか「5eにシェアを奪われたんじゃないか」とか心配事もあるだろうが、ファンならばこそ刺激的なニュースにはマイナスの反応を吐くより、まずは面白がる方が自然いやさ当然。タイトルに愛着を持つあまり変化を恐れるようになってると、「ガン○ムは初代しか認めない」とか「N○VAはD以降戦闘ばかり意識する」とか面倒なファンになっちまうぞ。モロボシダンも言ってるように、何を疑っているんだまずはパイゾを信じることだ。そうでなければ、ファンは永遠に新版を掴む事なんかできっこないんだ。それにパスファインダーファンがパスファインダーを信じずして誰が信じるというのだ!
 どうせ別ゲーになるんなら、3e系列を引き継いだ方でブラッシュアップした別路線を展開してもいいんじゃないかな、とは思ったりもしたけどね。D&Dみたいにクラシック・パスファインダーRPGとか。それはそれとして、日本語版もyrsk。こっちも売れれば2nd翻訳だってきっと芽は開く。
 最後に、今回の記事はパイゾのサイトと、コチラのレポートを参考にしております。ここで触れてない内容も多いから、興味が湧いたら一読してみて下さい(どちらも英語サイト)。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#281~パスファインダー・アドベンチャー:ルーンロードの帰還~

 いよいよ明日に迫ったパスファインダーRPG(カタカナ表記にして日本語版浸透を小賢しく謀る)ビギナー・ボックス、新渡戸稲造と消費税分の小銭掴んでゲムショップに走る覚悟はできておるかね!? え? もう5千円札は樋口一葉になってる? すまんねオッサン新紙幣に慣れてなくってついつい最近まで使ってた旧紙幣を……え? 一葉になってからもう14年?
 気まずい空気が一瞬流れたが、今を遡る事二週間ぐらい前にパスファインダーRPGじゃないけどパスファインダー関連商品が出てたのは当然鍛え抜かれたパスファインダー協会員ならご存知の通りであるし、買ってなかったらガルト送りになる厳罰が執行されるのは既に通達済みである故、未購入者はショップ開店と同時に駆けこむ事。アナログゲームを取り扱ってる店は大体昼時開店なのが難点であるが昼休みとか営業回りとか上手いこと隙をついて入手してちょうだい。
 値段はだいたい諭吉(こっちは今も諭吉でいいんだよな、よし)一枚とちいとばかし張るが、これもパスファインダー振興のため、ふるさと納税みたいなもんだと思ってくれや! 俺達の心のふるさとがパスファインダーって意気でな(いい事言った調のムカつく顔で)。当然私はガルト送りは泣いて拒否ったため、発売直後新宿イエサブで討ち死にし「やべえそんなに在庫ねえのかよ」と慌ててR&Rステで確保しました(Amazonでも一瞬で在庫がハケたようで、一度は復活しするもまたまた出品頼み)。財布にダメージで別の意味で泣きましたが。
 そういえば何を発売したのかまったく触れてねえや。
 パスファインダー アドベンチャー:ルーンロードの帰還


 見た感じ「え? これがビギナー・ボックス?」という感じの外装、もしくはパスファインダーRPGアクセサリーorシナリオ集と見まごうてもおかしくないので、なんでえ発売日超前倒しかよ! とかビギナー・ボックス前にこんなグッヅを発売してくれるとはイキなはからいをしてくれるぜ! などと喜び勇んで購入すると、
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 となるので注意。
 ゲーム自体が面白い上に、ビギナー・ボックスとセットで買うとすごくいいアクセサリーになるんで間違って買ってしまってもあまり問題が無いというのが、二重に困る。

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テーマ : カードゲーム
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#280~2018年になった今ならわかる《技能熟練》 を取るあの人の気持ちが~

 以前は「《強打》のような実用性の高い特技と、技能2つに+2のボーナスを与えるような特技が同列に扱われているのはどうだろう」と申し上げていたが、最近では割と技能にボーナスを与えるタイプの特技を取るのもアリなのではないかと考えを改めるようになった。
 Pathfinderでは技能が戦術の中核になるようなビルドも存在しており、例えば《抜け目ない軽身》に命を賭けるローグにとっては、敵のどんどん無体になっていくCMDに対抗するために《技能熟練》 で+3点の底上げを図ることは間違った選択とは言えまい。いくら魔法のアイテムで底上げができると言ってもPFのボーナスは重複させづらいし、技能において恒常的に+3とは3レベルぶんの先取りになるのだ。CMDを3点上げる労力と比較してもこの差は大きい(例えばBABが標準のクリーチャー相手ならより意義は大となる)。そして技能ランクが10になったらボーナスは+6(2つに+2の場合は+4)となる。ここが特に重要っていうか酷い
 以前紹介したワンド・キー・リング(ACG)を組み込んだビルドならば、《魔法の才》《技能熟練》 を仕込んでおくと、1ランクだけ〈魔法装置使用〉を取っているだけでもボーナスは+16~17。これに能力値のボーナスが乗るとなればもうワンドは振り放題だ。ハーフエルフで得られる《技能熟練》 をアテると無駄が無いだろう。一方、《魔法の才》の場合は〈呪文学〉は+2がなかなか美味しい。ローグの下級魔法ディテクト・マジックを使えるようにしておくと、自力で魔法のアイテムの鑑定ができる……って、ローグだと〈呪文学〉がクラス技能じゃないぢゃん。ここはうまいことキャラクター特徴でクラス技能にしといて頂戴。
 クラス特徴で固定値がガンガン伸びるようなクラスに技能特技を重ねてやりたい放題の固定値でブイブイ言わせるのも気持ちが良い。アルケミストの〈製作:錬金術〉やインクィジターの〈威圧〉〈真意看破〉がこれに当たる。インクィジターは“審問”(UM)によって〈威圧〉を【判断力】ボーナスを行えるようになるので、これを選択するといよいよ【判断力】で無法を働くクラスになって楽しくって仕方がない。〈威圧〉はPUで追加された技能解放によって恐怖の段階を深化させるようになり、潜在能力が一挙に高まった。ガラガラ薬(ACG)のような、比較的安価で大きなボーナスを乗せられる錬金術道具が登場したのも追い風。アルケミストがパーティにいたらじゃんじゃん量産してもらおう。……相変わらず[精神作用]の効かない相手にはどうしようもないけど。
 サプリメント『Heros of the Wild』に収録されているウィッチのアーキタイプ、ハーブの魔女/Herb Witchは〈職能:薬草商〉で病気や毒、各種状態異常を解除できる「万能薬」を精製できる。脱法ハーブみたいな危ないもんじゃなくてちゃんと効果はあるから安心してくれ。「万能薬」は自称だけどな(ウォーハンマーのママ・メルキンの薬みてえなもんだろう)。DCは病気や毒など原因のDCになっているので、《技能熟練》 で底上げして確実性を向上させる価値は非常に高い。アルケミストのように〈職能:薬草商〉にボーナスを得られるが、クラス・レベルの半分とやや頼りないので、この補強は強く推奨しておきたい。なんなら人間で“畑の心”(ARG)を突っ込んでもよい。これだと、クラス・レベルをそのまま足せるようなもんだ(ウィッチ・レベルの半分+キャラクター・レベルの半分)。ハーブの魔女の呪術が2つ潰れる(1レベル置き換え、2レベルは大釜固定)欠点を人間のボーナス特技で《呪術追加》をもって埋められるのも利点。
 より技能に特化する場合は、人間で“集中訓練”(ARG)を選択すると、1、8、16レベル時に《技能熟練》 が降ってくる。スパンはかなり長いものの、勝手に技能解放されていくPUローグはこれを選択してみるのもアリか。
 これらを活用するには、何度か言及している技能解放を併用するとさらなる相乗効果を見込める。恐怖を深化してく〈威圧〉も良いし、ハーブの魔女では〈職能:薬草商〉を2回ロールできる。それも、常にだ。ローグ以外のクラスでは《二つ名たる技能》(PU)を取得しないといけないが、技能解放の項にもあるように、ローグのみの能力に限定するGMもいるからそこんとこは確認しておこう。
 魔法の罠に対する〈装置無力化〉のように、単純に無理難題過ぎるDCを突破するために取るのも立派な取得の根拠である(25+呪文レベル。高レベルならともかく……)。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#279~ここがすごいぞPF特集~

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 結局、(クリスマスセッションには)誰も来なかったということか…!

 いや、来たんですけどね。オンセながら。
誰か一人ぐらい見栄を張ってゴメンその日予定があるんだと言ってもいいのになあ
 と思いつつも、力強く参加を宣言した皆様の勇姿も頼もしく健やかに遊べました。感謝感激♡
 セッション中のPL・GM全員揃って物凄い出目には割とマジで「何がクリスマスじゃあい!」と叫びそうでしたが……。
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 さてクリスマスプレゼントは当然5eのPHBをお子様に送ったでしょうが師匠の死に走ると書いて師走、年末進行と正月進行がツープラトンで襲いかかってくるこの時節には親御さんの財布が顧みられる余裕はないのです! クリスマスプレゼントをきわどくかわした次にはお年玉という第二の爆弾がコッチヲミロォ~と迫っている! しかしてなんか用意するにもMMは2月発売だもんなぁ、とお悩みのお父さんお母さん、ピッタリのお年玉候補がありますよ!
 今月発売されたRole&Roll vol.159には、なんとなんと20ページ超のPathfinder特集記事が組まれているのです!

 日本における公式なPathfinder紙面サポートとしては(たぶん)これが初!
 ビギナーズ・ボックス&アドベンチャー・カードゲーム発売が来年1月にドンと鎮座まします今、ついに来るべき時が来た事を告げる号砲と言えましょう! 本当は今年の四半期に出るはずだったんじゃ? とかヤボテンなことはこの際お口にチャックノリス。
 して見所はビギナーズ・ボックスのガイド、コンポーネントが写真入りで詳細に解説されている。それによるとプレイヤー用・GM用の冊子、ダイスセットという5eのスターター・セットと同様の仕様に加え、80個以上のフルカラー・ペーパーポーン(本文中ではコマと表記)&台座、そして何よりシナリオ中のダンジョン&汎用のフリップマットが付属という超豪華仕様。一部では「5eのスターター・セットと競合するんじゃ?」などと懸念されていましたが、5eがPHBとマスタースクリーンを入れることを前提とした(あの超上げ底にはそういう意図があったらしい)シンプルなコンポーネントにみっちりむっちりシナリオで攻めてくるのに対し、PFは80ものペーパーポーン、1枚入れるだけで2千円はかかると噂されるフリップマット同梱の大盤振る舞いという異なるファイトスタイルなので、それは杞憂のようだ。範馬勇次郎の名言を思い出せ!
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というか5eとPFって共通点はもうD&D系列ってぐらいしか残ってない別ゲーだからね。
 また大きな違いとしては、気合の入ったレイアウト。サンプルを見る限りこれまでのd20系列の中でもかなり見やすそうである。例えば特技では4eのパワーを彷彿とさせるボックス形式の表記。特技名に背景が置かれることで視認性アップ。取得可能なクラスが顔アイコンで示される配慮もこれまではなかった工夫だ……本当は、あんだけデータの多いゲームなら、最初からこれぐらいやってくれてよかったと思うんですが……贅沢は承知ながら、ひたすら文章だけがズラズラと並ぶ5ePHBの特技や呪文リストを見てると、なんかこう、ねえ。顔アイコンは無理にしてもこのレイアウトのキアイはCRBに続いてくれることを祈りたい。
 PFを遊んだことがねいという人にはソロプレイ用シナリオも収録されているので安心。どちらかというと、ソロプレイ用PCのおじさんのびみょうに腰の引けた気弱そうなポーズが気になる
 GM用冊子にはシナリオの『ブラック・ファングのダンジョン』が収録。そのブラック・ファングがなんでえという質問には、『スピタのコピタの!』曰く「パッケージで思いっきしネタバレしている」そうなので、まあそうなんだろうけど、俺は出来ればそうでないと願っているよ。だってパッケージのアレと戦いたくはねえからな! 戦うことになるんだろうけどさ!

熱いネタバレ
 先ほどのレイアウトの気合はこちらでも健在で、魔法のアイテムには全てイラストが掲載(プレイヤー用冊子のアイテムの項でも同様)。最大の目玉は状態異常、PFの状態異常といえばべらぼうな多さであるが、そのひとつひとつにPFのアイドゥ、ゴブリンのイラストがアテられている。『Pathfinder Condition Cards』『We Be Goblins!』を知っている人たちならクスリとさせられる人選もといゴブリン選のようで、これは楽しみ(ガットワド様、そんなところで何やってんですか!)。
 続いて、アドベンチャー・カードゲームはビギナーズ・ボックスを先駆けた来月13日に発売予定。8,500円のスーパーヘビー級でありながら最初から追加パックを収納可能という強気の構成で、その力の入れようが窺える。売上が好調なら拡張セットがばんばん出るという話なので皆買おう。あと買う時はビギナーズ・ボックスと区別がつかなかったら店員さんにすいませんどっちがTRPG用ですかと尋ねる勇気を持とう。理想は両方買うことだけどさ。タイトルがアドベンチャー・パスと同じなんで紛らわしいし。

普通にRPG関連商品に見える
 ゲーム自体は協力型のデッキ構築型ゲームで、用意されたシナリオを手札とダイスで攻略することになる。軽量化・シンプル化が進む日本のボドゲ業界と比べてこのメリケン的カロリーよ……と言いつつも、アドベンチャー・カードゲーム自体が数年前のゲームであり、キャッスル・レイヴンロフトなど4eの協力型ボドゲが日本でも展開されていたことを考えれば単純に時期の違いということであろうな。ゲームの構想自体も結構近いものを感じる。
 しかし財布への大規模ダメージを与えるだけに、こちらのコンポーネントも抜かりなく、カードゲームのぶんざいでキャラクターシートが用意されており、さらに各キャラクターにはRPGと同様のバックグラウンドが掲載されているという。悪意まんてんのゴラリオンに生きるだけに、彼らのストーリーは泣かせてくれるのでこれは必読であろう。またカード化されたキャラクター、アイテム、クリーチャーはRPGの小道具として利用するのも便利そうだ。なんと日本語版の特別仕様では、ゴブリンの歌があしらわれたプロモカードが12枚も付属しているという!(おいそのうち4枚はブリンスタンプ湿原のあいつらじゃないだろうな) PFのアイドゥであるゴブリンのプロモカード、言うなればこれはPFのアイマスいやさ物がカードだけにPFのデレマス、このためだけにでもアドベンチャー・カードゲーム、振ればお金が出てくる魔法のカードに頼ってでも買わなあきまへんで! そういやシナリオはゴブリンの放火魔に襲われるサンドポイントから始まるらしいよ。ビギナーズ・ボックスといい『We Be Goblins!』といい、あそこ何回襲われてるねん。
 記事の最後には緑一色先生執筆によるビギナーズ・ボックス&カードゲームのプレイレポートが付属。残念ながらビギナーズ・ボックスの方は本格的なアタックを前に終わってまうのであるが、先生の手によるアイコニック・キャラクターを見られただけでありがたく思いましょう。ちなみにコミックに出てくるキーラとメリシエール(二人とも♀)、あいつらデキてるらしいぜ
 この後のPF展開は冒頭でコア・ルールブックの発売が宣言されており、割ともうひっこみつかない感じ。PF特集号は売上ランキングに居並ぶ5e関連商品の間に食い込んだそうで、高まる潜在的PF勢の期待がヒシヒシと感じられる話です(であるといいなあ)。PF展開がCRBだけで終わったとかだと切な過ぎるんで、いざ発売したらビギナーズ・ボックスとアドベンチャー・カードゲーム、皆買ってPF団員ここにありの喊声を世に訴えよう(切実)。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#278~『We Be Goblins!』ありありコンストラクション~

 前回『We Be Goblins!』のプレロールドキャラクターについてちょこっとつっこんだが、もちっと本格的に考えてみよう。
 まず全体的に言えることとして、プレロールドキャラクターのゴブリン達は火力の点でやや弱い。サイズでダメージ・ダイスが落ちているのもあるし、サイズ差を問われない火力呪文を持っているのがプーグ君(しかもバーニング・ハンズの1d4)ぐらいのため。まあ、ブサメンの上に識字率が絶望的なゴブリンに秘術呪文というのはハナっから無理もいいところでしょうが……OAクラスに走れば何とかなりそうだが、できればクラスはいじりたくないので。恐らくメイン火力はモグマーチ君の爆弾と、チュッフィ君の急所攻撃となるだろう。
 ところで、モグマーチ君の装備品を見てみると錬金術師の火を3つも持っている。爆弾と比べて射程は短いが、威力自体は1レベルなら遜色ないし、ちゃんと“万能投擲術”もしくは‟炎の砲手”(ARG)も適用される。飛散ダメージは反応セーヴで半減できないから、爆弾の威力が上がるまでこっちをメインにするのもアリではないか。もっとも、一発20gpがすっ飛んでいくのは懐に優しくないが、そんなことはゴブリンなら気にするない。さらに、錬金術師の火は爆弾には適用できない《焼け!焼け!焼け!》(ARG)でダメージアップできるという非常に大きな利点がある。直撃した場合は1d6+1d4+【知力】ボーナス、これで一挙ポイントゲッターに昇格だ。さらに〔放火魔〕を乗せれば“万能投擲術”と併せて攻撃ロール+2。良好な攻撃ボーナスを持つクラスぐらいの命中率を出せる(しかも接触攻撃)。
 《焼け!焼け!焼け!》が適用されるのは錬金術師の火だけではなく、松明の打撃にも1d4ダメージを足せる。こちらはなかなか使い減りしないし数を用意できるのが魅力。ただ、松明でぶん殴るには炎の爆弾魔アーキタイプや《炎の手》(ARG)が必要のためちょっと非現実的……と見せかけて、代用武器の未習熟ペナルティを被らない、しかも攻撃ロールに+1の〔商売道具の武器〕というナイッスなキャラクター特徴が用意されている。〈職能〉〈製作〉とも背景技能(導入されているなら)でランクは振れるし、松明を使う仕事なんてゴブリンにはいくらでも考えられることだろう。〈製作:松明〉はもちろん、〈職能〉で松明で飯を食うゴブリンと言い張っても俺は許可します(俺以外のGMには確認を取って下さい)。
 惜しいのは《武器の妙技》を適用できるか否かが曖昧な所。代用武器のサイズは各種武器から判断するよう示唆されるのみであり、そのクリーチャーにとって軽いか否かという問題はGM判断に任される。松明の重量(1ポンド)からするとゴブリンにも軽い武器扱いになりそうだが、クリーチャーに適したサイズかというと、松明はそういうことを考慮されて作られていないだろうし(この理由で筆者としては軽い武器ではないのでは? と判断する)。それと、《炎の手》にせよ〔商売道具の武器〕にせよ、ペナルティを受けなくなるだけであって、習熟を得るというわけではないようだ。故に《武器熟練》で指定するような事はできない(炎の爆弾魔なら単純武器として扱えるので可能)。
 さてプレロールドキャラクターの中で松明をぶん回す戦法に適したキャラと言えば、イマイチ方向性が見えなかったリータちゃん。ファイターの特技の多さを活かして、《焼け!焼け!焼け!》とのプラスアルファを生むって寸法よ。例えば《炎の手》(ARG)を取れば攻撃ロール+2、特徴ボーナスと無名ボーナス故に各種ボーナスと重複させやすい。《武器熟練》を使えないデメリットはこれで補える(《武器開眼》については言わねえでくれや)。《武器の妙技》に頼らない前衛で行くと決めたからには【筋力】優先ビルドとなるため、《強打》を取ることだってできるだろう。もっとも14以上を望むのはかなり厳しい話だけれど。「軽い武器でない」という扱いを逆手に取って、両手で持って【筋力】ボーナスと《強打》のボーナス1.5倍という情け無用の残虐ファイトも一応選択肢には入るものの、「松明は両手で持っても(レイピア同様)メリットはない」と蹴られる可能性は常に覚悟しておくように。前回紹介した《犬殺し、馬狩人》を残しておきたい場合は、〈職能〉or〈製作〉、〈装置無力化〉、〈動物使い〉とちょっと技能ランクがファイターには辛い。背景技能を導入するか否かで【知力】も変わってくる。
 また前衛を張るなら鎧はレザーから判定ペナルティを飲んでももうちょっと鎧ACは高めておきたい。チェイン・シャツはちょいと高いのと、【敏捷力】ボーナス上限を考えるとベストは革製ラメラー。スケイル・メイルにするという手もあったが、やはり移動速度30フィートは確保したかった。加えて、盾の習熟はファイターならではであり、《武器の妙技》を使うとペナルティを受けるという欠点を気にしなくてよいところもマッチしている。これで【敏捷力】ボーナス+3、鎧ボーナス+4、へヴィ・シールドで+2、サイズ・ボーナスで+1。一挙AC20に到達できる。プレロールドキャラクター共通の欠点、立ちすくみ状態を狙われても17でかなりの安心感がある。安心してチュッフィ君に挟撃を提供できるし、自身で殴りに行ってもドッグスライサー以上の打撃力が期待できる(地味に松明の[火]ダメージ1点の追加が大きい)。難点としては戦闘中に火が消えてしまうと再点火が面倒であること。プーグ君にスパーク(APG)は準備してもらうようお願いするか。
 《武器熟練》が取れないのも困るが、“武器修練”の対象にできないのも大いに困る。いくらファイターでも代用武器までは修練する気ないでしょうし。“武器修練”を捨てるアーキタイプ、鎧の達人(UC)などを入れるか、もしくは片手一刀流戦士(APG)ならカテゴリ関係なく“武器修練”同様のボーナスを得られる。が、盾が使えなくなるのと、クラス特徴が対武器使いに限定されがちなのが悩ましい。それと、代用武器というなら《代用武器体得》も目指してみたくはなるが、元が1d2だけに修得しても1d3、これではちょっとねえ…っていうかそのレベルまで松明武装で使い続ける人もいないよな。……いませんよね?

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

プロフィール

銀河アズマ

Author:銀河アズマ
R&RにてパスファインダーRPGのサポート記事を担当させていただいております。

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