D&D5e余話#171~モンスター注意報! 第六回 ノール編~

 5eの1レベル時はPCの戦力が突き抜けて貧弱なので、バランスに苦慮している方々も多いのではなかろうか。なんせ作成したてのPCはhp少ないリソース少ないそれにえーっと……そう、選択肢も少ないの三重苦。最後の一つはちょっとムリクリ出した感があるな。ピアノがないぐらいにしとけばよかったか。ダメージは4eの無限回パワーぐらい叩き出せるのにhpや回復リソースは3e並に引き下げられるというチグハグな仕様も相まって、即行で呪文も特徴も使い切りどーすんのよコレという状態で行軍を強いられる悪しきD&Dの伝統が繰り返されていることは想像に難くない。
 そんなデリケートゾーンをどう凌げばいいのかというユーザの素朴なギモソに公式のこうすればいいんじゃという答えはスターターセットでバグベア(そろそろ伏字にしなくていいかなあ)をぶっつけたり6レベル術者で一人ずつ3レベルマジック・ミサイルで嬲り殺しにしたりすることだったんですが、まあアレはあまりアテにしない方がさわやかD&Dライフを送れると思いますバグベアはスターターセットのシナリオ読んだ人のほぼ全員が「いや、あれは無いでしょう」とゆってたし。
 1レベルPCが弱いのも困ったもんだけど、そのレベル帯にぶつけるべきであろう、脅威度の低い連中の評価が難しいのもまた困りもの。脅威度1以下のクリーチャーは「ボスにしては物足りないがザコとして大量に出すには強い」という輩が多い。散々脅威度詐欺とブーたれてきたが、本当にそれが該当するのはフライング・ソードとドラウ、スペクターぐらいのもんだろう。
 例えば誰が決めたか冒険者はじめのA定食ことゴブリン退治であるが、5eのゴブリンは立派な脅威度1/4。1レベル冒険者一人がさほど問題なく相手にできる、ただし時には問題になることもある評価で、ひと山いくらでフッ飛ばされる拳王の取り巻きほど貧弱ではない。むしろhp7点はd8ダメージだと1レベルPCが安定して即死させることができないし、何よりACは15もある。数で出てこられた場合は“素早い脱出”と相まって始末に時間がかかることだろう。殴れば吹っ飛ぶのはコボルドの方が適切だがこっちは“連携戦闘”のせいで数出すとゴブリン以上の惨事になりやすいし。
 まーこれらはある程度数が出てきても止む無し、というメンツであるが、それらを束ねるボス格で何を出すかというと、「ボスにしては物足りないがザコとして大量に出すには強い」問題として提起したようにさらに難しい。
 少し上の脅威度1/2を見てみると、オークはACこそ低いが伝統のグレートアックスの一撃はカンタンに1レベルPCのhpを消し飛ばす破壊力がある。その一方でhpは脅威度1/2の人型生物なり(15点)で、即死こそしないがスリープで取り巻きもろとも眠らされてもおかしくない。1レベル相手に数は出しづらいがボスを張るにもちょっと食い足りない。かといって硬くて威力があるけどhpも命中率も低いという、いつ出しても嫌がられるだけ、という奴もな(ホブゴブリンのこと)。
 せめてボス格なら脅威度1/2以上はありたいところですが……ウイングド・コボルドがボスというのもちょっと締まらないし。かといってそれこそスターターセットのアレとかもな。ゴブリンズ・ボスのACがもっと低ければちょうどいいぐらいだったのだけれど。
 そんな反抗期の娘さんのような扱いに難のある時期に対して、比較的穏当かつそこそこの脅威度を持つ、1レベルパーティにぶつけたい筆者推しメンクリーチャー、ノールが今回の主役。
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ハイエナ頭という設定もさることながら、タッパはあるが猫背で目立たないのと不自然に巨大な手という特徴が魅力。
 ノールと言えばD&Dにはおなじみのハイエナ野郎、ジャンニーキックプキャンセルガードのTODのクソ挙動で一部アクションゲーマーはハラワタ煮えくり返るかもしれないが、5eのノールはSOM仕様を髣髴とさせるマイルド調整。片手武器の、しかも性能のあまりよくないスピアを使っているのでダメージ・ダイスはd6と控え目で、これで即倒れるようなPCはあんまり前衛にいないだろう。特殊能力の“大暴れ”の発動条件も「近接攻撃で」hpを0にすることなので、頻繁に発動することはないはず。
 一方で防御能力はAC15、攻撃ボーナス+5の1レベルPCが攻撃する際には出目10以上から、とワカりやすくかつまずまずの数値。加えて22点の高hpもあって、即無力化させるのは困難な数値。この時点で高いhpの敵をダウンさせる数少ない手段、スリープでも確実性を取るなら何度か打撃を与えてからになるだろう。
 打撃力としては遠隔武器のロングボウの方が強力で、薄い後衛を狙い撃ちにしてやると冷や汗をかかせられるだろうが、こちらは攻撃ボーナスがスピア以上に低い(ダメージも固定値は1点低い)ので、案外竜ソーサラーやローグ相手には外すこともある。何より両手が塞がるので、盾が使えないのが痛い。仮に接近を許した場合は、1ラウンドかけて盾を用意するよりスピアを両手持ちせざるを得ないだろうが、そうなったらそうなったで1d8ダメージの両手スピアが火を吹くので、ガッチリ防御したノールとはまた違った脅威を演出できたりする。“大暴れ”を披露する機会も増えるかもしれない。
 このように、火力と防御力のバランスが良いので、手段の少ない1レベルPC相手でもじっくり戦うことができ、一方的な戦闘になりづらいのがノール推しの大きな理由。スピア+盾による接近戦、ロングボウの射撃→スピア両手持ちへの移行など、戦い方とデータの幅が広いのも魅力。
 『Volo's Guide to Monsters』(以下VGtM)で追加されたノールの亜種も、1レベルPC相手として十分使える強さ。ノールの狩人盾を抜いた代わりに2回攻撃を可能にしたものと思ってほぼ間違いない。脅威度は同じだが打撃力重視のノールにしたい場合はコチラになる。が、盾が無い=ロングスピアを両手持ちしない理由が無いし、【敏捷力】ボーナスが+2となりロングボウの命中率もダメージも上がっているので、これを乱射されると前衛でも危ない。SOMでもそうだったように、真に恐れるべきは弓ノールなのです(そうか?)。普通ノールと比べて経験点枠は同じでもややデッドリーな遭遇となる。
 脅威度1のノールの生肉齧りは、脅威度1にしてはhpは低目。ACも14とそこまで苦労する数値ではない。ただしショートソード×2と噛みつきの3回攻撃はやはり依然として脅威であり、d6ダメージとd4ダメージでも1レベルPC相手に出すにはキツイと考える人もいるかもしれない。筆者としては取り巻きの数と脅威度を絞って出すならアリという感じ。並ノールはもちろんノールの狩人とコレをいっぺんに相手するのはナンであろうから、ハイエナ二匹程度で。遠隔攻撃は持っていないから、距離を空けた状態で開戦して飛び道具を撃つチャンスを与えつつ、“不意の猛進/Sudden Rush”で度胆を抜いてやるというのもアリだな。
 スケルタル・ノールとでも言おうかウィザーリングは脅威度1/4だが攻撃回数が2回にhpも11と高めで、付近のノールが倒れるとなお殴る、とやたらと手数が多い。1レベルPCでも対処はできるが数を並べるのはちょっと難ありかな。
 PCで相手にする場合は、打撃も防御も標準的で変化球もないから、まあ単純に「強い敵」と戦う心構えでドシフンを締めてかかればいいだろう。“大暴れ”はhpが0にならなければ発動しないので、クレ公など指揮役は倒れそうな味方を見逃さないように。ロングボウで撃たれた場合は低下したACにつけこんで射返したり、一気に隣接して封じたり、5eの戦闘の基本を活かした対策を立てていけば、自然と戦闘ルールも学習でき身に着いていくのではないでしょうか。1レベルPCにぶつけるちょっと強い敵とはこうあってほしいよネ。性格的にも混沌にして悪の典型らしく、残虐で怠け者で嗜虐的で同族食いも辞さない絵に描いたようなクソ野郎だから遠慮なく迷いなく退治できるし。自分たち以外は食料兼奴隷、弱い異種族を連れててもおかしくないから混成部隊も出しやすいし。
 余談ながら上位種のノールの群れ長、“イーノグフの牙”とも正統派のブン殴り屋で、あまり頭を使わず運用できて好感を持てる。“大暴れの煽動/Incite Rampage”をアクションで使うぐらいなら自分で殴った方が早そうだし。VGtMのフリンドになるとなんかよくわかんないことを始めるが。
 唯一の難点を挙げるとしたら、ノール語しか喋らないんでコミュニケーションを取りづらいことか。PC作成時の言語でノール語を選択するような悪趣味な人もあんまりいないだろうし。カッコイイ前向上を言ってもオジー・オズボーンのモノマネをするブラック菩薩のオジー・文彦こと橘高文彦さんが上げるような奇声しか返って来ないと思います。

 
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D&D5e余話#169~訳語のもんだい・クリーチャーの二つ名~

 DM用ベーシックルールはデータや特殊能力の訳について安心して読める資料であるんだけど、残念ながら通常のクリーチャーの上位種……例えばゴブリンに対するゴブリンの首領みたいな……のデータは掲載されていない。ま、そういう遭遇を組みたかったらMM買ってくれやという方針に異論反論オブジェクションはないんであるけど、データはともかく上位種クリーチャーの和名については見てみたかったという気持ちがある。
 というか、人型生物の上位種の二つ名って似たような名前が多くて。列挙してみると、
・オーク……War Chief
・ゴブリン……Boss
・バグベア……Chief
・ホブゴブリン……Captain、Warlord
 どれもニュアンスは違うんだろうけど、いざ日本語で差異を付けようとするとなかなか難しい。ホブゴブリンなんて同じ種族内に似たような単語が並んでて特に大変だ。というかホブゴブリンの最上位、ウォーロード!? 4e→5eに移行するにあたり死んだはずじゃ! ノールのPack Lordみたいな特異な二つ名なら区別もつけやすいんですが。サフアグンのBalon(男爵)なんかも、すっかりおなじみですしな。
 単純にカタカナにしちゃってもいいといえばいいんですが、特技名を頑張ってひねくり出したように、出来れば雰囲気づくりというのは重視したいもので……当方で独自に訳した二つ名は、以下のようになります。
・オーク……War Chief→戦長
・ゴブリン……Boss→首領
・ノール→Pack Lord→群れ長
・バグベア……Chief→頭目
・ホブゴブリン……Captain、Warlord→司令官、戦王
 ……雰囲気を出そうという努力はしました。ノールの群れ長はかなり気に入ってます
 逆にEye of Gruumshみたいな種族独自の二つ名は「グルームシュの目」と訳すより、そのまんまカタカナで呼んだ方が好きだったりするんですが、これはごく個人的な嗜好であろうな。
 この手の独自二つ名の訳し方は4eが絶品で、流石MTGでならしたホビージャパンと唸らされる。『Volo's Guide to Monsters(以下VGtM)』に登場したKobold Dragonshieldなんかどっからどう見ても竜鱗盾のコボルド、もうそう呼ぶしかないじゃないですか。じゃあScale Sorcererも4eから取って竜司祭に……とはいかないわな。竜鱗呪術師とかかな? 4eから流用できそうでびみょうにズレてるあたりがもったいない。ナイスネームいっぱいあったのになー。ゴブリンひとつとっても、黒刃使いとか脳天割りとか。キュクロプスの串刺し屋・ぶったぎり屋というパワー屋さんどもも捨て難い。
 VGtMでカッコイイ二つ名持ちがドバッと増え、特にオークはBlade of Ilneval(イルネヴァルの刃)やClaw of Luthic(ルーシックの爪)など訳すと日本語の美しさを認識できそうで面白いと思うんですが(カタカナ呼びの方が好きと先に書いたがそれはそれ)。またノールはPack Lordに加えてFlesh Gnawer(生肉齧り)が登場、ノールの二つ名は数は少ないながら独特なセンスを感じられて好き
 クリーチャーの名称に関しては3e・4eを踏襲して統一されている感がありますが、この手の二つ名は皆さん訳したりしてるんでしょーか。他の方の訳も見てみたい。

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D&D5e余話#163~言語を考える~

 スピードワゴンはジョナサンに手加減蹴りを喰らって「正真正銘の紳士だ」と認めていましたが、筆者的D&Dにおける紳士かそうでないかの基準はPC相手に共通語で喋ってくるかどうかです。
 だってそうじゃないですか。たとえその内容がトレビアン下着の色は何ザマスかでもぼけっ死にさらせーっでも、お国言葉もとい種族言語じゃなく、取りあえず相手に伝わるであろう言語で話しかけてくれるとゆう気遣い、これが紳士でなくてなんですか。闇の帝王ヴォルフガング=クラウザーさんも確か対戦相手に通じないと困るんでドイツ語は限られた時しか使わないという設定もあったし、心の広い人物というのは敵対者であっても気配りができるものなのです。
 5e(いや4eからかな)だと共通語を喋ることができる種族が多くて
1470905895565.jpg
 と感心する機会が増えた気がします。どうでもいいんだけど、筆者が時々発する「おお、紳士だ」というリアクションはこの画像が元ネタ。なんたってゴブリンやコボルドはもちろん、オーガでさえ共通語をしゃべくるんだからファイア・ジェナシもビックリだ。あからさまに学習する気もなさそうなフンガー系の中でも特にあたま悪そうな連中なのに。……というか、巨人の中で共通語を喋るのは、クラウド・ジャイアントとストーム・ジャイアントしかいない。あれ? ……まあ、これは人間社会との接点の多少という問題か。ちなみにエティンはオーク語(他種族をパシリにするからか)、フォーモリアンは地下共通語と巨人語以外を使える珍しい巨人。
 逆に言うと共通語を喋らん種族というのは、いかに人間社会と接点がないか、あるいは「敵性言語なんぞ使っていられるか! この非国民がッ!」という根性曲がりども、ということだろうか。ホブゴブリンやオークはともかく、流石にノールやサフアグンぐらいもう人間じゃないゾーンに入っちゃうと人間とワカり合える余地がないようだ(彼らの種族言語のみ)。完全カエル人なブリーワグもちょっと。このツラで親しげに共通語で「お前牛丼チェーン店でどこが好き? 俺なか卯派」とか話しかけてきたら応対に困ります。とはいえブライトでさえ共通語を理解できるんだから、お前らもうちょっと他文化に寛容になれよ、と言いたくもなりますが。っていうか植物クリーチャーらしく理解するならせめて森語とかにしたらどないやねん。アーラコクラはMMだとアーラコクラ語しか話せないが、PCで使う場合は共通語はおろか巨人語まで使いこなすインターナショナルなので安心だ。
 ちなみに独自原語でウケを取るならウォーグがオススメ。「お前たちの中にウォーグ語を話せる者はいるか!」という質問にはPLから「いるわけねーだろ!」とナイスツッコミが返ってくることであろう。まあ普通にゴブリン語喋れやっちゅう話ですわな。イエティ語なんて超狭い範囲でしか使われない言語もあるでよ! モドローンのモドローン語もかなりイカス。
 人間もとい地上の人間社会と出会う機会が少ないアンダーダーク住まいなら、地下共通語が話せるならまあ許せる範囲か。逆に言うとアンダーダークで共通語でコンタクトを取ろうとする奴なんざぁ巨人帽被って阪神電車に乗り込んだも同然ということだな。そう考えると地下共通語しか話さないクオトアの使うのが、地下共通語のスタンダードだったりするのだろうか。クオトアが他種族の地下共通語を聞くと「このエセ地下共通語が!」とエセ関西弁聞いて怒る純関西人みたいな反応したりして。レンジャーでディープ・ストーカーなら覚える言語は地下共通語一択やね。なお、比較的インテリ層に入るであろうビホルダー様やマインド・フレイヤーも地下共通語を喋っても共通語は通じない。なんでえ、地下のエラブツも意外と不勉強だなあ。イリシッドはテレパシーがあるとはいえ。
 そういえば、いくら住まいがアンダーダークだからといって、日光に弱いぶんざいであんだけ地上で活動してるドラウどもが共通語を話せなくていいんだろうか(エルフ語と地下共通語のみ)。なんとドラウの女帝になってもこの言語的不自由は直ってない。よく公式シナリオでゴブリンやオークの背後で暗躍する黒幕を気取ってる割には脇が甘い奴らだな。故に普通ドラウと遭遇して「くたばれこのガングロ野郎」とか共通語で罵ろうにも何言ってんだコイツという顔をされるだけだ。PCで使った場合は流石に共通語も解するようになるが、あろうことかお里言葉である地下共通語を忘れるので、アンダーダークの案内役なんてまるで務まらなくなる。エェ━(・3・)━! それ一番忘れちゃいけないことのような……。
 PCの取得する言語とゆうのはちょっとした悩みどころであるが、汎用性という観点からならオススメはドワーフ語言葉は通じなくとも、文字でドワーフ語を使っている種族というのはかなり多いのだ(オーク語、ノーム語、巨人語、ゴブリン語の文字はドワーフ語)。また異文化圏で活動する場合は、上記のようにヘンな独自言語以外喋る気がない奴もいることだし、取りあえずコンプリヘンド・ランゲージズを儀式発動しておくのが吉。
 実際言語が通じないというのは、PCにとってもつらいがマスターにとってもつらいものである。かっこよく登場して前向上を述べたワームリング・ドラゴンが竜語しか話せないせいで、眼前にいたPCには「なんかガアガア喚いてるなあ」ぐらいにしか通じず、しかも第一発見者のそのPCが月の結社のドルイド(変身中)で、慌てて仲間に警告を発しようにも「クマの声でゴウゴウ吼えられてもわからねえんだよなあ」と首を傾げられるというシュールな光景が繰り広げられたことがある。

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D&D5e余話#161~部族形式の遭遇を考える~

 ここでいう部族形式の遭遇、というのは同一の種族(ゴブリン、コボルドなど)が中心である敵勢力を蹴散らしていき、最終的にその種族の長と対決するような一連の遭遇を想定している。雑多な種族が強力な支配者の下で使役されている、という遭遇もそれはそれでいいが、こういう統一感を持たせた遭遇というのもシナリオを組む上で雰囲気作りに大事だと思うのれす。
 ほんじゃもっちゃ種族の長はMMで提示されている上位種を使えばよかんべえ、と言いたいところだが、5eだと種族の一般的な輩とボス格の脅威度の間にどでかい差が開いている例も多く、そう単純ではない。てなわけで5eのMMに掲載されている同一種族で上位種のデータが掲載されている連中を抜き出してみた。

・コボルド(脅威度1/8)……ウィングド・コボルド(脅威度1/4)
・ゴブリン(脅威度1/4)……ゴブリンの首領(脅威度1)
・ドラウ(脅威度1/4)……ドラウの上級戦士(脅威度5)、ドラウの魔術師(脅威度7)、ドラウのロルスの女帝(脅威度8)
・クオトア(脅威度1/4)……クオトアの鞭打ち(脅威度1)、クオトアの高司祭(脅威度6)
・オーク(脅威度1/2)……オーク・アイ・オヴ・グルームシュ(脅威度2)、オログ(脅威度2)、オークの戦長(脅威度4)
・ホブゴブリン(脅威度1/2)……ホブゴブリンの司令官(脅威度3)、ホブゴブリンの戦王(脅威度6)
・ノール(脅威度1/2)……ノールの群れ長(脅威度2)、ノール・ファング・オグ・イーノグフ(脅威度4)
・リザードフォーク(脅威度1/2)……リザードフォークのシャーマン(脅威度2)、リザードフォークの王/女王(脅威度4)
・サフアグン(脅威度1/2)……サフアグンの女帝(脅威度2)、サフアグンの男爵(脅威度5)
・バグベア(脅威度1)……バグベアの頭目(脅威度3)
・ギスヤンキ(ギスヤンキの戦士、脅威度3)……ギスヤンキの騎士(脅威度8)
・ギスゼライ(ギスゼライのモンク、脅威度2)……ギスゼライのゼルス(脅威度6)
・ユアンティ(ユアンティ・ピュアブラッド、脅威度1)……ユアンティ・マリズン(脅威度3)、ユアンティ・アボミネーション(脅威度7)

 種族のトップとの差はこうして見ると相当に大きい。一般的な個体といい勝負ができるレベル帯では、トップの一歩手前の奴をぶつけておくのがシナリオのボスとしてはちょうどいいぐらいか。とは言え、5eだと攻撃ボーナスが伸びづらいせいで脅威度が低い敵でも侮り難くはあるのだけれど。
 中でも低脅威度から中脅威度まで対応できるオークの懐の広さが心強い。基本のオークさえグレートアックスの一発があるため侮り難く、“猛進”の機動力もあって後衛も迂闊な立ち回りができない。アイ・オヴ・グルームシュは“グルームシュの怒り”の大火力にスピリチュアル・ウェポン+ブレスのクソコンボ搭載(【判断力】が低いのでスピリチュアル・ウェポンであまりヘイトを買わない良心的設計)、オログは高いACと複数回攻撃という単純明快にして美しくさえある上位種ぶりで、まさに理想的な中ボス。コイツら1体がいるだけで、2~3レベルになって強さを実感できるようになったパーティでも大苦戦は免れまい。hpはそこそこなんで、やられる時はアッサリやられるところも潔い。ボスのオークの戦長は次ターンまで有利を与える狂能力“鬨の声”のおかげで言うこと無し。序盤から中盤にかけてどこで出してもいい、部族形式の遭遇のベストなモデルケースと言えましょう。
 ゴブリンの上位種、ゴブリンの首領は複数回攻撃で脅威を拡散でき、かつ2回目の攻撃には絶対に有利が乗らず(不利がつくため)、火力も控え目で1レベル相手でも出せそうな珍しいボス格。ただ、以前に何度か言及したようにAC17というのは1レベル相手には高い壁。ゴブリン自体もAC15と脅威度の割には高いので、初心者相手のインサートのようなシナリオだったら、シールドは外した方がストレス溜めなくて済むかもしれない。代わりはジャヴェリンを握らせておくとか、他のゴブリンはショートボウを射かけさせるとか。
 ゴブリンの下にはコボルドがいるが、上位種がウィングド・コボルドと基本個体に毛が生えたような奴なんで、これをボス格で出すというのもちょっとね……。上空からの投石で後衛を襲いに行っても、スリープ一発で眠って落下ダメージで即死しそう。あと、コボルドばっかの遭遇というのはパック・タクティクス祭りに必然的になるんで心象よぐねえ。
 低脅威度の中で脅威度詐欺著しい5eにおいて、ノールは数値の割に火力も特殊能力も大人しい、珍しく良い奴である。ファング・オヴ・イーノグフまで到達してもそれほど嫌らしい攻撃は少なく、わりかし安心して正統派の殴り合いが楽しめるだろう。が、個人的にコイツらの最大の危険性は種族独自の“大暴れ”ではなく射程150のロングボウにあると思う。攻撃ボーナスはチョロくても呪文すら届かない距離から矢ブスマにされかねないので油断は禁物。
 リザードフォークは脅威度1/2から複数回攻撃持ちで、ACもなかなかと攻守のバランスが取れている。そのぶんダメージは控え目。一見多彩な攻撃方法は持っているがデータ上の際は殆ど無いのであまり気にしなくていい。せいぜい、ヘヴィ・クラブを落としてジャヴェリンを投げた後でも噛みつきとシールド・スパイクで殴れるぐらい。……てか、なんでヘヴィ・クラブを持ってるんだろう。さておき、上位種のリザードフォークのシャーマンはAC13、hp27と脅威度2にあるまじきヘッポコ野郎だが、呪文はエンタングルヒート・メタルと非常にいやらしい。コンジュア・アニマルズで手勢を増やすなど、早々に始末しないと面倒なことになる。hpが低いのと、要精神集中の呪文が多い欠点を突いて、マジック・ミサイルを撃ち込んで精神集中を乱した後に集中攻撃を仕掛けるのがベストだ。呪文の恐ろしさを教えるなら、コピペのような呪文表しか持ってないNPCどもなんかよりこういう奴で示したいもんですな。リザードマンの王/女王は“串刺し”による火力アップと一時的hpがマジヤベェので、「経験点枠上問題ありません」とかぬかしてレベルの低いPCが混じってるパーティにぶつけると惨事になる。てか、なった(体験談)。珍しくセーヴにも習熟しているため、搦め手もやや通じづらく、DMもプレイヤーも手に汗握るガチンコファイト倶楽部を覚悟で戦うべし。【敏捷力】セーヴだけがやや苦手なので、突くならそこか。
 サフアグンはちょっとでも傷つくと“血の狂乱”に入るキレキャラで、脅威度1/2の中でも攻撃性はオーク以上と言える。3発は叩き込まないと倒れないhpもいやらしい。有利の代わりに一発一発は軽そうに見えて、スピアを両手で握りつつ噛みつきが可能なので打撃力も十分。実は1レベルPC相手だとボスとしてちょうどいいぐらいかも(攻撃回数が多いので軽めのダメージをバラ撒ける、ACの低さは高いhpで補っているため、「ダメージを与えている」という実感を与えられる)。男爵になると図体がでかくなるが、攻撃回数増加ぐらいで、4eで味わった別格感は意外と薄いかもしれない。四本腕の四回攻撃が無いのはザネンム・ネーン。女帝はいつもの呪文使いって感じでクソ面白くないのでノーコメント。まあ要するにブレススピリチュアル・ウェポンホールド・パースンってことです。
 クオトアはオフェンス・ディフェンスともまあ脅威度1/4相応であるが、クオトア名物“粘着盾”があるため、潜在的な危険性は高い。予備の武器を用意するヒマがない作成直後のPCだったりすると、こいつ一つで完封されかねない。低い脅威度のために大量に出現しやすく、ネットの一斉投擲などいやらしい攻撃には事欠かない。上位種のクオトアの鞭打ちもピンサー・スタッフによる組みつきやベイン呪文など妨害を得意としつつも、恐るべきはhp65点という脅威度1にあるまじきタフガイ。脅威度の構成こそゴブリンと同じであるが、作りたてのPC相手にはちとマズかろう。ちなみに高司祭になるとホールド・パースンスピリチュアル・ウェポンの二大クソ呪文使いという途端につまらない奴に成り下がる(こればっかりや)。この露骨な効率優先の呪文セレクトには[電撃]ダメージ付与のセプターも台無し。
 困った奴がホブゴブリンで、AC18という非常に強固な防御と、“連携打撃”による追加ダメージ持ち。“連携打撃”の性質上、複数出現してくるのが普通なのがさらに困る。攻撃ボーナスは低いのでデザイナーはそれでバランスを取ったのかもしれないが、なんかAC高くて攻撃は当たりづらいが一発がある、って低レベルPCは一撃に怯えながら延々殴り続け、高レベルになってACが上がるとただただ邪魔っ気、とどう転んでもフラストレーションを溜めるだけのような……。最上位の戦王も芸無く“受け流し”でACを高めてくるのがいただけないそういうデザインをしてるから、慌てて秘術呪文使いにもAC狙いでなくセーヴを振らせるキャントリップをサプリで増やすハメになるのであるよ
 ドラウは基本個体と一個上の間がボコーンと空いているが、そもそもドラウ自体がほぼ全ての面において脅威度1/4という数値が嘘っぱちに思える能力なんで、PCが上級戦士と渡り合えるレベルになっても、普通ドラウも十分脅威になり得るだろう。本当にアレを脅威度1/4に設定した奴、誰? 多分「レンジャーこれじゃ弱くないですか」という意見を「弱くない」と突っぱねた奴と同一犯だな(と勝手に思っている)。余談ながら、ドラウの魔術師って野郎しかなれない落ちこぼれだったと記憶しているけど、女帝と1しか脅威度離れてないのが笑える。絶対女系社会を謳いながら、所詮管理してる女ドラウも落ちこぼれと大差ないカビの生えたもとい蜘蛛の巣の張った旧態依然体質か。
 バグベアはあんまり群れてるイメージが無いのだが、頭目のデータも存在している。ボス格がハマるとかっこわるい効果(恐怖とか麻痺とか)へのセーヴに有利があるため、豪快な殴り合いにはピッタリ。バグベアの基本脅威度が高い分、頭目の脅威度3に対して適切なパーティレベルを考えると多数の徒党を組んでの遭遇はやりづらいかもしれないが、肉弾戦ボスはこうあるべし、というデザインで好感が持てる。
 ギスヤンキは攻防に渡ってバランスが良く、特にセーヴが3種類に習熟と非常に優秀。戦法も上位種のギスヤンキの騎士とあまり変わらず、同じ感覚で扱えるだろう。ギスゼライもシールド呪文にややイラッとさせられるがまあ正統派の上位種って感じ。
 最近のD&Dスタッフの推しメンユアンティは、最下層のピュアブラッドから呪文抵抗を持っており、hpも高めでタフさは及第点ながら、攻撃面では複数回攻撃のみとちょっと脅威度1にしては物足りない。素直に殴りに行くよりは、激怒してるババリソなんかにポイズン・スプレーで一泡吹かせてみたい。マリズン、アボミネーションになると有毒の噛みつきやロングボウ、巻きつきで攻撃面がググッと強化される。オークが序盤~中盤なら、中盤以降の部族モデルケースとして使いたいなかなかの良構成。全員が全員呪文抵抗持ってるんで、スペルユーザPCのことを思うと普通ヘビとかパシリの他種族はいた方がいいだろう。
 遭遇の作りやすい種族は難易度や対応レベル帯も考えて、
◎オーク、ノール、リザードフォーク
○ゴブリン、ユアンティ、サフアグン、バグベア
 このあたりかと。基本個体と中堅の差がデカすぎる奴はDMGに従って脅威度の調整をして出すという手もあるが、やっぱ公式で提示された上位種データの方が、ユーザ個々のさじ加減よりは安心ですわな。そういうクリーチャー強化のテンプレートがあるなら兎も角。むしろこの手のPFでいうアドヴァンスド・テンプレートのルールの掲載は全てのTRPGに標準装備してほしいものだっぜ。

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D&D5e余話#150~武器のダメージ属性~

 5eは武器ごとの大きな差異があんまりないシステムではあるが、列挙してみると

●1d4ダメージ
(近接武器)
・クラブ…1sp、[殴打]、2ポンド、軽量
・シックル…1gp、[斬撃]、2ポンド、軽量
・ライト・ハンマー…2gp、[殴打]、2ポンド、投擲(20/60)
・ダガー…2gp、[刺突]、1ポンド、技巧、軽量、投擲(20/60)
・ウィップ…2gp、[斬撃]、3ポンド、技巧、間合い
(遠隔武器)
・ダート…5cp、[刺突]、1/4ポンド、技巧、投擲(20/60)
・スリング…1sp、[殴打]、なし、矢弾(30/120)

○1d6ダメージ
(近接武器)
・クォータースタッフ…2sp、[殴打]、4ポンド、両用(1d8)
・ジャヴェリン…5sp、[刺突]、2ポンド、投擲(30/120)
・スピア…1gp、[刺突]、3ポンド、投擲(20/60)、両用(1d8)
・トライデント…1gp、[刺突]、3ポンド、投擲(20/60)、両用(1d8)
・メイス…5gp、[殴打]、4ポンド
・ハンドアックス…5gp、[斬撃]、軽量、投擲(20/60)
・ショートソード…10gp、[刺突]、2ポンド、技巧、軽量
・シミター…25gp、[斬撃]、3ポンド、技巧、軽量
(遠隔武器)
・ショートボウ…25gp、[刺突]、2ポンド、矢弾(80/320)、両手
・ハンド・クロスボウ…75gp、[刺突]、3ポンド、矢弾(30/120)、軽量、装填

●1d8ダメージ
(近接武器)
・グレートクラブ…2sp、[殴打]、10ポンド、両手
・ウォー・ピック…5gp、[刺突]、2ポンド
・モーニングスター…15gp、[刺突]、4ポンド
・フレイル…10gp、[殴打]、2ポンド
・バトルアックス…10gp、[斬撃]、4ポンド、両用(1d10)
・ロングソード…15gp、[斬撃]、3ポンド、両用(1d10)
・レイピア…25gp、[刺突]、2ポンド、技巧
(遠隔武器)
・ライト・クロスボウ…25gp、[刺突]、5ポンド、矢弾(80/320)、装填、両手
・ロングボウ…50gp、[刺突]、2ポンド、矢弾(150/600)、重厚、両手

○1d10ダメージ
(近接武器)
・パイク…5gp、[刺突]、18ポンド、重厚、間合い、両手
・ハルバード…20gp、[刺突]、6ポンド、重厚、間合い、両手
・グレイブ…20gp、[斬撃]、6ポンド、重厚、間合い、両手
(遠隔武器)
・ヘヴィ・クロスボウ…50gp、[刺突]、18ポンド、矢弾(100/400)、装填、両手

●1d12ダメージ
(近接武器)
・ランス…10gp、[刺突]、6ポンド、間合い、特殊
・グレートアックス…30gp、[斬撃]、7ポンド、重厚、両手

○2d6ダメージ
(近接武器)
・モール…10gp、[殴打]、10ポンド、重厚、両手
・グレートソード…50gp、[斬撃]、6ポンド、重厚、両手

 さすがに値段は正直と言ったところで、値段の高いものを選べばダメージ・ダイスは同じでも重量や特記事項で優秀なものが手に入る。PC作成時など自由に武器を選べる際には、高いものを獲得したい……と見せかけて、両用ですらない1d6ダメージのメイスがクォータースタッフと比べて異様に高いとか当てはまらないケースはある、てな話は散々したので繰り返さない。金属製でないと燃えるとか言われたらそりゃ影響はある(あと金属製でないとできない武器の改良も)が、それでもウォー・ピックとモーニングスターなんてどっちも似たようなもんだしなあ。
 さてもうひとつは武器のダメージ属性。4eで消えたこのシステムが復活している。全体的な傾向を見ると、[殴打]ダメージは安物に見受けられ、[斬撃]は高価な武器、[刺突]はその中間というイメーヂを受ける
 武器のダメージ属性が存在すると言われると、てことは高価な武器に限られがちの[斬撃]武器の方が有利なのか、とか3eやPFみたいに[斬撃][刺突][殴打]一揃え持ち歩いていないとダメージ減少相手に死ぬんだろうか、とかマンチ的警戒心が頭をもたげてくるのだが、果たしてそうなのか。モンスター・マニュアルで[殴打][斬撃][刺突]ダメージ属性に強い・弱いクリーチャーを抜き出してみた。
 その結果、

・抵抗[刺突]…フレイムスカル
・抵抗[殴打][刺突]…トレント
・完全耐性[斬撃]…オーカー・ジェリー、ブラック・プティング
・弱点[殴打]…スケルトン
・弱点[刺突](全のクリーチャーが装備した武器)…ラークシャサ

 コレしかいなかった。魔法の武器じゃないとダメとかアダマンテインじゃないとダメの場合は[殴打][斬撃][刺突]全部ダメだったので除いてある。特殊能力や呪文は置いといて、ダメージ抵抗or完全耐性欄に[殴打][斬撃][刺突]いずれかの記述があるクリーチャーはこれだけ(見落としがあったらすまぬ)。
 肉弾戦がてんでダメ夫なフレイムスカルに飛び道具が大体そうである[刺突]の抵抗を持たせるとか木のトレントには[斬撃]だけが通るとかなかなか考えられておるわいフフフと含み笑いで評価したいところもあるが、なんか選んでメリットと言えるのがスケルトンに強い[殴打]が一番の気がするのだが。あんだけ高い金払わせて得た[斬撃]に無効の奴が2体もいるとかどうなっとるんじゃワーレーと問い詰めたいけど、まあ通常装備なんてはした金で買えるんだからガタガタ言うなということか。あと「初期装備ならスケルトンに強い[殴打]ダメージ一択」と語っていた某クソマスターの発言もワカらんでもない。ま、現実に道具としての汎用性なら斬ることができるものが一番だろうし……(ダメージにはならなくとも、叩く、突くという使い方もできるとみなしても文句はなかろうて)。
 てなわけで武器のダメージ属性は気にした方がいい時もあるが、あまり気にすることもないという程度の認識でいいかと。強いて言うなら[斬撃]ダメージだけだとオーカー・ジェリー、ブラック・プティング相手に詰むことがあるから何らかのサブ武器は用意しておくといいだろう。ジャヴェリンは近接武器としても使えるし初期装備によく含まれているから5eの前衛のお供ならコレか。やはりD&Dはジャヴェリンゲーだよな!(4eだとそうでもなかった) それにラスト・モンスターやブラック・プティングには金属製の武器で殴ると劣化するんで非金属性の武器も本当に用心するならひとつぐらい……おかしい、さっきから一番高いんだから安心であるべきはずの[斬撃]武器の場合の対策ばっかり講じているような……。
 余談だが、武器のダメージ属性はそこまで気にしなくてもいいと書いたけど銀製の武器は序盤から必須と言える。脅威度が低い中でも銀製武器以外のダメージ抵抗ならまだいいとこで、完全耐性とか戦士は回避専念でも宣言して肉の壁にでもなってろって言うのかこのCD&Dのマジックユーザー崇拝の老害が! とか喝破したくなる(穿ち過ぎ)輩は割と容赦なく存在する(ジャッカルワーは脅威度1/2で銀製武器でなければ武器ダメージ無効)。魔法の武器は基本DMの気前次第であるし、アダマンテイン製にするのも大変だが銀製は十分手が届く価格(鎧よかよっぽど安い)。用心して前衛が一本ずつぐらい持っておけば安心感が断然違う。ちなみにデーモンは魔法の武器でないとダメだがデヴィルには銀製の武器が通じたりする。流石にろくな資金も用意できない段階で特定の材質以外無効とか通常武器抵抗を盾に殴り続けるとかやらかすDMもそういないと思うが、銀製の武器、それに2レベル呪文が解禁したらマジック・ウェポン、これはセットでお守りにしたい。
 と、言いつつも、武器を銀製にするヒマもない(金もあんまりない)のにボスがライカンスロープであったり1レベルPC相手にスペクターや手負いのヴロックをぶつけてきたりするシナリオをオレは知っているのだが。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#145~ビーストマスターはイケているのかいないのか・後編~

 ビーストマスター特集、後編は実践編。
 動物との相棒との連携であるが、ビーストマスター見直しのきっかけは「騎乗して二刀流と組み合わせるといいでよ」というアイデアを見たこと。本体の二刀流と相棒の連携は別に騎乗しなくてもできるが、騎乗することで相棒の移動力を活用できるし、なんといっても《騎乗戦闘/Mounted Combat》で乗騎への攻撃を自分に変更できるので、hpが心配な相棒への強固な防御手段となってくれる。消費した追加攻撃もボーナス・アクションの逆手攻撃があるので問題ない。これに複数回攻撃の相棒が加われば実に四回攻撃、高レベルファイター並みの攻撃回数だ。ここまでやるなら《二刀の振るい手/Dual Wielder》でレイピア二本と徹底的にいきたいところだが、《騎乗戦闘/Mounted Combat》と合わせて能力値上昇のチャンスが2回潰れるのは呪文のために【判断力】も高めたいレンジャーにとってはチョット悩ましい。
 ところでPHBの騎乗時の戦闘ルールを読むと、御されている乗騎は移動と共に疾走・離脱・回避のいずれかを行えるとあり、これに従うと命令なくともこのような行動が取れるようにも読めるのだが……どこまで「御されている」乗騎なのかが難しい。動物の相棒は命令なき限り行動しないと明記されているので、出来ないという解釈もあるだろう。馬に類する乗騎ならOKという文言もあるので、表:乗騎とその他の動物に含まれるようなクリーチャーを相棒にするなら良いような気もする。
 それと、動物の相棒に騎乗する戦法について大前提がある。PCは小型種族でなければならない動物の相棒に出来るのは中型サイズまでなので、それより一段階以上小さいクリーチャーでないと騎乗できない=小型種族のみなのだ
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↑人間ヴァリアントを狙っていた奴
 射撃型で攻撃回数を維持しつつ動物の相棒と連携するなら《クロスボウの練達者/Crossbow Expert》がオススメ。こっちはビーストマスター以外でも取得時の戦い方はあまり変わらない。被弾しづらいので精神集中は途切れにくいが、《騎乗戦闘/Mounted Combat》がないぶん動物の相棒を守る手段には乏しい。
 続いては動物の相棒の選択。
 騎乗に関する制限は特に書いてないので、中型サイズなら取りあえず乗れるものと考える。その中で、ジャイアント・バジャーは複数回攻撃を無条件で行える(パンサーも“飛びかかり”が発動すれば可能)。それに対して、ウルフはバーディングを着ていなくてもそこそこACが高く、パック・タクティクスも含めた攻撃の安定性と、引きずり倒しが魅力。転倒させてから主人の二刀流でアタックと戦法にも合致している。騎乗してる主人がいるんだから常時パック・タクティクス状態でもあるし
 一発狙いならばジャイアント・ポイゾナス・スネーク。こいつはウルフ以上のACにウルフ以上の攻撃ボーナス、10フィートの間合いまで持つ。そして最大の武器は[毒]の追加ダメージ3d6。【耐久力】セーヴDCがトッポイので早晩通じなくなってしまうのが悲しいが、ヘッポコ魔術師ぐらいなら一噛みで悶死させる破壊力がある。10フィートの間合いのおかげでヒット&ウェイがやりやすく、下手に前線に加わらずに済む。何よりも驚異的なのは基本ステータスの高さ。AC16(3レベル時の習熟ボーナス加算済み)とチェインメイル並のACも驚きだが攻撃ボーナス+8、ダメージ1d4+6。8レベルPCの素殴り並みの攻撃ボーナスの高さである。ダメージの固定値はそれ以上。この上[毒]の可能性があると思えば、直接的な打撃力では随一と言っていいだろう。
 前述した御された乗騎、とみなせそうな動物も実は結構強い。ポニーはACこそへっぽこだが蹄の蹴っぱぐりがウルフの牙並みの破壊力がある。最大の利点はバーディングを装備しても文句を言われる筋合いが無い事、【筋力】15なので移動力のペナルティ無しに重装鎧のバーディングを装備できる数少ない動物という二点だな(後者の条件を満たす野獣はマジで少ない)。プレートを着て習熟ボーナスが限界まで到達できればAC24。まず間違いなく主人より固い。
 相棒の攻撃は切り捨て、飛行できる相棒の背に乗って安全な上空から矢を撃ちまくるという手もある。これも飛行能力を持つクリーチャーも相棒に出来る立派なビーストマスターならではの戦法(のはず。アーラコクラとかレギュ外の種族の話は忘れなさい)。飛行できる中型の野獣というとぐっと範囲が狭まり、プテラノドンヴァルチャーしかいない。これは圧倒的にプテラノドン有利。ヴァルチャーの目玉はパック・タクティクスだが、残念ながらこの戦術ではまったく活かしようがない(鋭敏視覚・嗅覚と〈知覚〉の高さで偵察には向いているが……)。対して、プテラノドンは移動距離60に“かすめ飛び攻撃”まで持っているので、騎乗+射撃でなくとも面白い連携攻撃ができるかも。その分、攻撃能力は控え目。
※修正。ジャイアント・ワスプは脅威度1/2、ジャイアント・ヴァルチャーは脅威度1なのでムリでした。ご指摘ありがとうございます。中型というトコだけ見ていたようだが、何故ヴァルチャーをジャイアント・ヴァルチャーと書いたのか……。
 相棒可能な動物の中でhpのトップはジャイアント・フロッグであるが、残念ながらhp以外のステータスはビビアンリー。せっかくの丸飲みも小型サイズ以下しか対象に出来ないため、メリットが発揮されるのは他の野獣にhpが追い付かれるまでの間だろう。
 動物の相棒候補の中で特段にヘンな奴がフライング・スネーク。文字通り空飛ぶヘビ(水も潜れるけど)なのだが、魔獣ではなくちゃんと野獣扱い。ACも攻撃ボーナスもジャイアント・ポイゾナス・スネーク並で、牙のダメージこそ固定だがセーヴ抜きで3d4の[毒]ダメージが与えられる何かおかしい。そして移動力は飛行60フィート、“かすめ飛び攻撃”もあるので機会攻撃を生じさせない。宝竜黒蓮珠首頭・鄧罦傑もビックリなレッドスネークカモン! と飛び出す東京コミックショー戦法が可能。ラクラク敵の頭の上を飛び越して後衛を荒らして回れる。5eのウィザードはマジック・ミサイルシールドが呪文リストに入っていないと公式チェックが通らないようで、こういう戦法をしているとシールドで弾かれた後狙い撃ちにされる可能性があるが、そういう場合は超小型サイズを活かして荷物の中にでも隠れちまえマジック・ミサイルは視線が通っていないと目標に指定できない)。
 イチオシはどれかと言えば、ジャイアント・ポイゾナス・スネーク。攻撃ボーナスが非常に伸びづらい5eにおいて数レベル先を行っているのは心強いし、射程10フィートの強みがある。騎乗していてもしなくても活躍が期待できる。騎乗に特化するなら、将来性(15レベルという遠い遠い先の話だが)を考えてウルフかな。あとは、フライング・スネークの相棒の真価は誰か確かめて是非とも教えてほしい(オレは自分で体験しない内に版が変わる予感がしている)。
 動物の相棒を攻撃から守る手段は《騎乗戦闘/Mounted Combat》が非常にカタい。ジャイアント・ポイゾナス・スネークが乗騎なら、遠隔攻撃中心のレンジャーでも取得の候補になり得る。ジャイアント・ポイゾナス・スネークは間合い10フィートから攻撃できるため、レンジャー本人が遠隔攻撃を同時に行う際に不利を受けずに済むという寸法。ただ《クロスボウの練達者/Crossbow Expert》を併用した場合、いずれかは8レベルとかなり遠くになってしまう。二刀流と違って、《クロスボウの練達者/Crossbow Expert》がないと複数回攻撃ができないのが痛い
 二刀流+ダイア・バジャーで四回攻撃とかジャイアント・ポイゾナス・スネークでレンジ外から異様に高い攻撃ボーナスで噛みまくりとかロマーンは感じるのですが……果たしてここまで書いてきた戦法はちゃんと通じるのか。あのhpで動物の相棒は死なずに戦闘についてこれるのか。オレは心配で仕方ないぞ。っていうか一番の懸念が《騎乗戦闘/Mounted Combat》を獲得するまで、つまり動物の相棒を取った直後だ。特に相棒が働かない内に殺されたりするんじゃないだろうな。そんなことになったらそのプレイヤー二度とビーストマスター遊ばないと思うのだが。
 PFでヘヴィ・クロスボウレンジャーに開眼させられたように、レンジャーというクラスの闇は深いようだ。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#137~鎧が欲しければ着てる奴を襲えばいいじゃない~

 5eのEncountersなどのイベントでは敵から装備をかっぱぐのは基本的にNGだった。
 5e全体でも敵から装備品をかっぱぐのは推奨していないという話もチラと聞いた気がするのだが、本当なんでしょうか
 あの鎧の値段を見るに、てっきりチェインメイル以降を入手するのは、装備してる奴から分捕るのが一番手っ取り早いということだろうと推察していたのですけれど。いわゆるウォーハンマー方式という奴(似非魔術師が呪文を使っても捕まらない魔術師になるには活版印刷本が必要→活版印刷本を持ってる奴を殺して奪うのが一番早い。恐らく狙われるのは見習い魔術師)。
 ちなみにそんなに脅威度高くない割にいい鎧を着てるのは
・ギスヤンキ・ウォリアー→脅威度3、ハーフ・プレート
・ヘルムド・ホラー→脅威度4、プレート
・ハーフレッド・ドラゴン・ヴェテラン→脅威度5、プレート
・ホブゴブリン・ウォーロード→脅威度6、プレート
 こんな感じ。流石にいい鎧を着てるだけになかなかのふてぶてしいツラ魂が揃っている。一番脅威度の低いギスヤンキ・ウォリアーでさえグレソのダメージに加えて2d6の[精神]ダメージが飛んでくる大火力なので、奪おうと挑みかかるにしても命懸けなのは覚悟すべし。脅威度こそ高いが一発一発の軽いヘルムド・ホラーの方が楽かもしれない。ヘルムド・ホラーはシールドによるAC強化と飛行能力をどれだけDMが悪用してくるかで評価が変わるな。あと気前の良さ(非魔法の物理ダメージ半減を持つ)。ハーフレッド・ドラゴン・ヴェテランもヒマさえあればシールドを持たせたがる5eのMMにおいて珍しく二刀流なのでAC18据え置き、ブレス攻撃を除けばそれほどヘンなことはしてこない。パリィは気合で消費させるのだ。
 デス・ナイトやエリニュスなど、鎧を着る習慣のある高位モンスターの中でもプレートを着ているのは限られる。いかに5eのプレートが高級品かうかがわせる。制限すっごい軽くなって、着られるなら着ない理由ないもんな。【敏捷力】の上限とかもなくなったし(4eの時点でもうない)。
 てなわけで、モンスターからのかっぱぎOKのDMは上記の面々を出す場合は多少気にした方がいいかもしれない……が、どいつもこいつも結構しんどい相手だから、倒した暁にはそのぐらいの報酬があってもいい気もする。っていうか、ヘルムド・ホラーの素体になったプレートとかどう見ても呪われそうであんまり着たくねぇ。あと、この記事を読んだからってオウギスヤンキ・ウォリアーとかヘルムド・ホラー出せや! とDMを強請るのも禁止な! そういう邪な要望は考え得る限りの最悪の状況で叶えられることになるぞ!(水中に叩き落とされた上に、水面に顔を出すとヘルムド・ホラーが襲ってくるとか)

Monster Manual (D&D Core Rulebook)(2014/09/30)
Wizards RPG Team

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テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#129~年末隠し芸・思ったより言われてない5eネタ~

 更新頻度を見ればおわかりいただけるように年末色々地獄待ち状態だったので(年始も割と戸口に待ってる様が見える)、今回が多分年内最後の更新だ!
 そんなラストチャンスでも歌いたくなる今回は忘年会用に取っておいた5e(および旧版もちょこっと)であまり言われていないネタを御蔵出しの隠し芸大会だ!
 これは俺の持ちネタなので気に入ったからってパクらないように。一本木蛮先生のラムちゃんコスプレの生写真を持ってたら使用許諾が降りますが俺本人が持ってないので別に問いません。あともしも先に言ってる人がいたらゴメンしよう。

●5eのスケルトンは笑いを解する小粋な骸骨
 今回、意外なことに[精神]および[精神作用]タイプの効果に完全耐性を持っているモンスターが少なめ。昔はアンデッドにダメ人造にダメ植物にダメ蟲にダメとクリーチャー相手には通用しづらい効果でしたが(通ると酷いことになるんでまあわからんでもない)。おかげであの脅威度1/4のぶんざいで完全耐性まみれのフライング・ソードでさえヴィシャス・モッカリーの悪口が通用したりする
 飛来剣が悪口で身悶えするというのもかなりシュールな光景だが、さらに笑えるのがターシャス・ヒディアス・ラフター。対象をウルトラハッピーにして大爆笑させるこの呪文、【知力】4以下のクリーチャーには通じないという条件のせいで、流石に人造やアンデッドには効果薄なのであるが、あろうことかスケルトンは【知力】6なので通ってしまう。残念ながらスケルトンは喋れないので笑い声は出せないが、笑いとは高度な感情表現であるとブラック・ジャックの友人ゲラも言っていたし、しゃれこうべにそんな芸当を可能にする5eの死霊術は時代と共に進化したということか。もしくは笑点の常連客がスケルトン創造に適しているとか新理論でも見つかったか。

○激怒+ワイルド・シェイプ強化
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 ワグナス! 評議会は月の結社ドルイドマルチババリソを異端ビルドと決定したぞ!

 5e関連で今年一番のショックはEncountersで暴虐を振るった激怒+ワイルド・シェイプ強化の話をしたら、「そんなビルドを思いつくのは君ぐらいのもんだ」と呆れられたこと。
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 ちょっと待ってくれ。純正和マンチな考えなのは否定しないが、マンチなら誰でも思いつく組み合わせだろこの程度!? 4eやPFであんだけ変なビルドをする鍛えられたD&D者が行き着かないアイデアなんてまさかそんな。っていうか本国でさえ「モンクの素手戦闘でワイルド・シェイプ中の肉体武器を使えますか?」とかヘンな質問が来るぐらいなのに何故ドルイドとババリソのマルチを思いつかん!
 というわけでもしかすると激怒+ワイルド・シェイプ強化の組み合わせは俺がオリジンかもしれない(やめろ覚悟! 身勝手な妄想!)ので断り無く使っているのを見つけた場合200円をその場で徴収するので注意するように。嫌ならドングリでもいいです。1ドングリは0.5円とお考え下さい。
 あと確かにEncountersの間は強かったけれど、何度か記事にしたように、月の結社のドルイドは次の位の野獣に変身できるまでの時間が長いので、これが遅れるのはかなりの痛手。しかもエレメンタルに変身できるようになると非魔法の物理攻撃の抵抗が得られるため、激怒の利点はだいぶ薄れる(激怒は魔法の武器の攻撃にもちゃんと抵抗があるので完全な無駄ではない)。かといってレベルが上がってくるとワイルド・シェイプで得たhpってアッという間に失われていくし、エレメンタルに変身できるのは10レベルとすんごい先なので、つなぎとして激怒を取るというのもやっぱりアリといえばアリかな。
 そうそう、忘れずに【筋力】は13にしておいてね。ババリソのマルチに必要だから。

●5eの判定で振るd20は多くて2個? いえいえそうではありません
 ザックリしたルールになったと言われる5eだが、その最たるものがしちめんどうくさい修正値をゴテゴテのっけるスタイルから有利・不利でd20の数を変化させるようになった、この変更点だろう。有利と不利が同時に乗った場合は数を比べ合うのではなく、普通に1個だけの判定になるという裁定もシンプルで心強い。これまで複雑そうと敬遠していたイカさない男もバカボン教に入会しなくてもD&Dを嗜めるイカス男になれるので安心してほしい。
 じゃあ5eってd20は2個あればいいんだね、というと実はちょっとだけ抜け道がある。有利・不利が乗ったら2個、ぶつかりあったらお互いの数を問わず1個というのが鉄則であるが、特技《幸運》だけはこの適用外。《幸運》は判定の後にd20を振って適用するか否かを選べるので、有利が乗っている場合に使うと実質d20を3個振っていることになる。では不利が乗っている場合は? うーん、《幸運》を使うのは「結果が出る前」なので、不利で低い方を選んだ後に振ってその出目を使うかどうか選択する、ということでいいんじゃないでしょうか(Q&Aでもそれっぽい回答があった)。
 ついでに話すと、ややこしいけどハーフリングの“幸運”は1が出た時に振り直してその目を使う、となっているので、不利を持っている状態で1を出した場合そのダイスを振り直し、あらためて出目を比較することになる、と思われる(「結果が出る前に」ではないので)。それと2個振って両方1が出た時は振り直せるのは1個だけと173Pに記載あるので振り直しても無駄。チェ。つまり幸運でも助からない超不運ということか。あってる。
 《幸運》は一、二を争うぐらい、いずれ誰でも持っておきたい特技だと思うのだが、不思議と俺以外取得しているのを見たことが無い。1レベルから持ってもいいと思うのだけれど。人間だと強いのはともかく種族的に面白みがないからだろうか。ごもっともで。幸運つながりでハーフリングは大失敗知らずで使ってみると非常に助けられる。小型種族の風が5eでは吹いておるわい(“狡猾なアクション”+“生来の隠密性”むっちゃ楽しい!)。

○クリーチャーの脅威度順一覧はDMG掲載
 筆者はすごく心が狭い(狭量:-5CP)ので許せないことはたくさんある。それはトンカツに醤油をかけることであるとか、斬影拳の硬直が長いことであるとか、赤毛で筋肉質の女戦士を俺に挨拶せず嫁認定するとか色々あるのだが、5eのMMで脅威度順の一覧が無くなったことは絶対許早苗ランキングのかなり上位に入る。見た瞬間スワッと目が細くなり、二代目麻宮サキのようにおまんら許さんぜよ! と土佐弁でタンカを切ることも辞さなかったね。
 ただでさえレベル順でなくてアルファベット順の呪文表が見づらい見づらいと言われている(これも許早苗ランキングの上位ランカー)のに、まったくアメ公はゲームデザインはお上手でもグラフィックデザインはヘタクソなんだからよー、とか失礼な事を思ってたらDMGに掲載されていた
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 ……これ、もしかしてMM出してから抜けてるのに気付いて慌ててDMGにのっけたんじゃありませんのん?

●D&D御三家→キャリオン・クロウラー、ビホルダー、アンバー・ハルク
 御三家と言えば橋幸夫・舟木一夫・西郷輝彦、新御三家と言えばヒロミ・ヒデキ・ゴロー、フォーク御三毛と言えば千春・チンペー、さだとさだまさしさんご自身が自虐的に語っておられたが、D&Dの御三家と言やあ5eとなった今でもおいどんこのご三人(?)を推しますよ。D&D独自色が強く(と、勝手に筆者が思っている)、かつAD&Dから5eにかけてMM掲載から漏れたことがないもんね。AD&DのMMは原書で持ってたんで全員いたぞと覚えてますがクラシックとなるとアンバー・ハルクがいたか自信ない。
 かつPFには出張していないという大御所感もポイント高い。通してMM掲載と言うのはアティアグとか結構見かけますが、この条件を満たすとなるとなかなかいないもんです。一応ユアンティとかギスゼライとかは3e~5e通してMM掲載なんだけど、ヘビ人間や宇宙人じゃ流石にこのビッグネームの前では厳しいんではないか。ユアンティは4eでなんか闇組織としてメジャーに押し上げようという公式のアプィールを感じたが、どうにもイマイチなアイドルを映画やらCMやらに押しまくる売り込み戦略のようで空回り気味だったし(ドラウ押しとか4eの頃はこういうの多かった気がするなー)。
 強いて対抗できる古ツワモノというとクオトアとかどうだろうか。3e→4e→5e、どれを切り取ってもイソパクトの強い顔とキャラクター、そして版が上がるごとに
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 という感想を抱かれる超整形術、いずれビッグ4の仲間入りするやも妖鳥シレーヌ。

○5e世界はドレッドヘアーが大流行
 マジ多い。PHBのあっちこっちにドレッドヘアーがいる。今年の3月、5ePHB発売から半年近くと割と後れを取ったものの、激怒ドルイドの発案者としての自信はあまりないが、このツッコミを入れたのは俺が最初ではないかという点にはかなり自信を持っている(持ってどうする)。
 きっとソード・コーストのあたりは犬も歩けばドレッドに当たるというぐらい餓狼3のボブウィルソンみたいなヘアースタイルの住人で溢れているに違いあるまい。全員BRPクトゥルフで言う〈頭突き〉に習熟している(レバー入れCのスライドヘッドバッドは気絶値高い=スタン・チェックが必要)。

 ……というわけでこれにて今年の記事は多分おひらき。また来年もトンチキな記事を続けていこうと思いますのでyrsk!

Player's Handbook (D&D Core Rulebook)(2014/08/19)
Wizards RPG Team

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テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D余話#101~サル者は追わず~

 年々干支にまつわるネタで年賀状を書くぞい! と気合を入れては間に合わないので、今年は早めにTRPGにおけるサルネタを構想中。
 と思ったら5eってD&Dサル界ヒエラルキー上位に位置するギラロンがMMにいないのな。D&Dのサルというとまっさきにアレが浮かんだのだが。他にサル顔というとイエティが最もサルっぽいが、あの野郎セーヴを落とすと即麻痺・抜け出せないと複数回攻撃がクリティカル確定というなかなかのクソ野郎だからな。強いて他にサル面っぽい奴を探すとなると、クァーゴスぐらいか。
 PFは3e系列を引き継ぐだけにギラロン御大はちゃんといるし、プレイヤー種族にまでヴァナラというサル野郎が用意されている。充実した亜空大作戦が決行できそうである(ゴリラゴリラゴリラ♪)。そういえばMM2にもギャンボルてなトランスフォーマーっぽい名前のサルもいたよね。常時加速装置で追加アクションとかMM2らしいクソモンスターだった記憶が。と思ったら取れるの部分アクションじゃねーか! ……部分アクションってなんでしたっけ。3eのみにあったルールかな? 3.5eのPHBを見ても載ってないようだし。ううっ思い入れのあるシステムのルールを忘れてるって悲しい。
 WoCつながりでMTGのサルだと《年経たシルバーバック/Ancient Silverback》が思い浮かぶ。クリーチャーのパワーが低く、「は使えない」「WoCはが嫌い」などとファッティがとかく冷遇・軽視されがちだった時代の産物だけに、流石にきょうびの同コストクリーチャーと比べるとキビシイものがある(「は使えない」と言われていたのはあんたたち回れば殺せる瞬殺デッキにばかり目が行ってたせいでしょ、という気もするのだが)。が、1マナで再生できる6/5が毎ターンぶん殴ってくるというのはそれはそれでクリーチャー対処が不十分だとリミテッドに限らず脅威だろう。初心者向きというのは出来ることが少ないのではなく、やるべきことが最小限で最大限の効果を引き出せることなのだなあ、と学ばせてくれる、三度の基本セット採用も納得のカードだ。べ、別に甲鱗様をディスってるわけじゃないですよ。初心者が「ただでかいだけのクリーチャーは弱いんだな」と学ぶためのカードだとか。ところでイラストだと大概背中が見えないんで「シルバーバック」の意味が分からんと思うのだが(年を取ったゴリラは背中の毛が白くなる)。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#120~一年とちょっと過ぎての遭遇論~

 前回の「以前の版と同じノリでやると失敗する」という話に関連して。
 4eで恐らく最も多かった失敗は、3eと同じノリで遭遇を構築したせいで標準モンスターが多数並べてしまうことではないだろうか。おかげで遭遇毎・一日毎パワーを使い切っても敵を殲滅できず、無限回パワーで延々殴りつけるだけの戦闘になって「なんか4eってタルいシステムだなぁ」と思われるケースは誰もが体験したと思われる(筆者もやらかした)。
 長い事4eを遊んだ知人氏曰く、4eの遭遇の構築は「標準(精鋭・単独含む)モンスターの数は控え目にする代わりに大量の雑魚を出す」ことが基本形、とのことだった。こうすることで遭遇毎・一日毎パワーは集中して使用することが可能になり、また被ダメージの総量は雑魚の減少によって少なくなっていくため、ミニチュア戦闘における面の攻撃が大きな意味を持ってくる。戦闘にメリハリが生まれるのだ。
 言われてみると、標準モンスターをバラバラ並べるのでは、プレイヤーも何時どこでパワーを切るのか迷ってしまうし、いざ切って失敗した場合の落胆は大きくなる。それに威力は低いが広範囲に作用する制御役のパワーも効果のほどを実感しづらい。やはりあの頃は4eのシステムの遊び込みが甘く、システムの評判にもプレイヤーにも悪い事をしたなぁ、と思い出す度反省している次第。
 となると、『シャドウフェル城の影』の滝におけるアイアントゥース(だっけ?)との戦闘は、少数の標準モンスターに無数の雑魚という構成、4eの理想形に近かったというワケだな。まあ規模に関してはまるっきり間違っているし、アレ以外の戦闘は大概タルかった記憶があるのだが(関係ないけど↑の知人氏の選ぶ雑魚は倒すと爆発するノーカーとか雑魚の分際でダメージ減少を持つとかクソモンスターばかりだった)。
 この辺デザイナーの方も4e展開当初あんまり把握してなかったフシがあり、PHB素のままで作ったロースペックなPCでACもhpも高めのMM掲載モンスターとぶつかると、標準少数+雑魚多数の構成でもタルくなる可能性は高い。攻撃ボーナスがかなり高めにでき、命中してから宣言可能なパワーを多数持つエッセンシャルのクラスで、Monster Vault掲載のモンスターと戦えば、タルいどころか手に汗握り血の涙を流す熾烈な争いになるはずなのだが。先にエッセンシャルが発売されていれば、一部の4eを鬼子のように罵る一派(と原理主義者とPFに逃げ込んだ3e残党)との溝ももう少し浅かったのではないか、と後の祭りながらつくづく嘆息してしまう。
 さて5eの話だ。
 システム全体の揺り戻しもあってか、5eの公式シナリオは往年のD&Dよろしくかなり戦闘回数が多いように感じる。3eのシナリオはあんまり覚えてないのだが、アレもこんなもんだっただろうか? 流石にクラシックかコンシューマRPGのような三歩進むとまた遭遇、なんて頻度ではな……なくもない……やめろ、そのシナリオをオレに見せるな
Hoard of the Dragon Queen (D&D Adventure)(2014/08/19)
Wizards RPG Team

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 (お茶を飲んで落ち着く)ひとつの遭遇に戦力を集中するのではなく、小出しにぶつけることで回数を稼ぐのが基本方針らしい。昔なつかしい一部屋一遭遇、みたいなダンジョンアタックを覚えておいでの方は「あああんな感じね」と納得してくれるのではないでしょうか。
 ただ、TRPG専用ガレージを持っていてリアルに途中セーブができるような、時間の使い方も空間の使い方もダダダダーイナミックなメリケンならともかく、どっちも限られている日本のプレイスタイルにはあまり合わないような気がする。まず戦闘というのはそれ自体が時間を食う。どんなに短く終えても、敵味方の配置やイニシアチブなどの手順で20分ぐらいはかかるもの。それを何遭遇も重ねるというのは、セッション時間のかなりの割合が戦闘に終始することになる。こうなると時間は勿論の事、疲れる。濃ゆい5eの戦闘を繰り返していけばプレイヤーの脳ミソは茹っていき、終盤には謎解きもボスへの煮えロールプレイも忘れて、火葬場で骨をつつき合うような筆記用具とダイスの音だけがカラコロ響く寂しいクライマックスになることだろう
 プレイヤーの体力もさることながら、PCもそんなに何遭遇ももたない。口を酸っぱくして言ってきたけれど、5eは一度崩れてからの建て直しに8時間の睡眠という結構な時間がかかる。そんなにポンポン気軽にリソースを切れるのは、かなり先の話になってくる。4eの項でも書いた通り、リソースを集中すべき場面が読めないというのは、プレイヤーとDM双方にとって不幸なすれ違いを生む。ここはリソースを投入して凌ぐ時! と判断して打ち込んだ次の遭遇がボス戦で愕然、なんて事故は小生もウンザリする程目にしてきた。体感として3回以上の遭遇というのは、間に大休憩を挟むことになる可能性がかなり高い。小休憩は言うに及ばず、ダンジョンから一時撤退して安全な所で大休憩を取るような判断も必要になるし、DMもそうしたフレキシブルな提案は認めるべきだろう。
 中には普段の遭遇からしてリソースを切らないと生き残れないような「致死」レベルを何度もぶつけながら、最後にその数倍の戦力に挑ませるシナリオもあったりするのが困ったもんですが、そういうシナリオに限って「これは一晩のうちに起こったことなので大休憩は許されない」とかいらん所だけはめざとくてねぇやめろォ! だからそのシナリオをオレに見せるな!
Hoard of the Dragon Queen (D&D Adventure)(2014/08/19)
Wizards RPG Team

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 (お薬を飲んで落ち着く)アメリカぐらいセッションの時間をたっぷり確保できるなら、それこそCD&Dよろしくベトナム戦争の若手兵士のようにバタバタ死んでも「あー死んじゃったねー」と笑って許せるかもしれんけど、月一回数時間しか集まれないような忙しい日本人ユーザでそういうプレイスタイルというのはどうだろう(それでいいというなら構わないけど)。一つのセッションに集中し、キャラクターに愛着を持つという意味では、戦力を小出しにして回数を増やすよりも密度を上げた方がいいんではないでしょうか。キャラクターが皿洗いのバイトのように入れ替わるのもそれはそれで味があるが、やっぱキャラクターは何度も使い込んで愛着を持ってナンボだと思うのですよ
 で、筆者の考えた遭遇というのがこちらで書いた通り「PCレベルと同脅威度のボス1体、PCレベル-1~-2の副官1体、あとは脅威度1未満の下っ端で固める」という編成。今回PC側のAC・火力・攻撃ボーナスがそう簡単に伸びないため、脅威度1/4~1/2の所謂雑魚でも割と長い間敵として使っていける。ACも攻撃もそこそこ、恐るべき機動性を秘めた種族特性を考えたら、ゴブリンなんかレベルが上がってからも十分後衛に対する脅威としての仕事をできるだろう。オーク、ホブゴブリンなど、かなりの猛打者がひしめいているのも見逃せない。中には脅威度1/4と言い張る明らかな詐称野郎どももいるしな呪文と毒が使えてhpもACも高いドラウとか、聳え立つクソデータの山のフライング・ソードとか。ケッ
※フライング・ソードは何度も言ってきたが、ドラウもあんだけ恵まれた性能と多芸で脅威度1/4を騙るのは相当の太さであるダークネスが使えるようになるのは、PCだと5レベルからですぜ?)。どーせジェームズ・ワイアットあたりの差し金だろう。
 あとは、遭遇の回数は普通は3回、多くて4回ってところか。これぐらいに押さえると大体戦闘にかける時間が1時間半~2時間ぐらいで、小刻みに繰り返すよりも緊張感を維持しつつ、戦闘してばっかりという印象を与えなくて済む……と思う。
 公式の遊び方を踏襲するのもひとつの価値観であるが、メリケンがそうでも我らは大和民族だけんね、日本男児には日本男児なりの遊び方があるけんね、と主張しながら、今日もそれが正しい事を実証したろやないかいと鼻息荒く来るべきキャンペーンに向けて構想と遭遇を練っている。始めたいのはやまやまなんですけど、なかなかメンツが揃わなくてねえ。
 もちろん、本国のようなTRPG専用ガレージを持っててリアルに途中セーブができるほど場所と時間の有り余っている方々は、じゃんじゃんアメリカンスタイルのプレイをしていただきたい。っていうか出来る人が居たら連絡下さい。取材に行きつつ永住する準備を整えておきます

Monster Manual (D&D Core Rulebook)(2014/09/30)
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テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

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