D&D5e余話#159~最初のトログロダイトとの戦闘は操船ミスじゃない~

 3eの時はDMGに掲載されていた地形ごとのモンスター一覧を見るのが楽しかった(今ではprdj@ウィキでかなり近いものを参照できる)。モンスター達の生息地域が地図になって浮かび上がってくるようで。「ほうほう沼地にはウィル・オ・ウィスプとブラック・ドラゴンが出るのか。よしオレ絶対沼地には近寄らねぇ」とか人生設計を立てたものですが、別の地形を見ると山岳地帯ではレッド・ドラゴンに追い落とされるし砂漠ではブルー・ドラゴンが頭だけ出してるし森ではグリーン・ドラゴンが毒霧吐くししもう(安全な場所なんて)ないじゃん……と『勇者への道』のグリーンリバーライトこと緑川光さんのようなそしてこの諦念……の境地に沈むのがオチ(緑川さん「ダメですよ山は雪崩が起きるし海は津波が来るんです」)。
 この生息地域はクリーチャーが共通している以上、大体5eでも流用できそうだ。5eのDMGにも掲載されているけど、もうちょっと細かい分類が欲しい時もありますんで。ただ、時々外見や習性どころか属性まで変わってる奴もいるんで説明文には目を通しておかねばイカンでしょうな。4eのアルコンとか。何時の間に氷炎軍団に加わってそうな面相に。君昔犬の顔とかしてなかったっけ?
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←ビフォー アフター→
 まあ、ありゃアルコンといいつつエレメンタルだったから存在自体が別もんなんだけど。
 そのつもりでシナリオに出す敵の構成の参考にしようと眺めていたら、この一覧だと河川に出てくるクリーチャーってあんまり流用できませんな。3.5eだとそもそも河川/湖というカテゴリ自体載ってないにしても、アボレス、エレクトリック・イール(こいつ5eにいない)、クロコダイル、コンストリクター・スネーク、ダイア・クロコダイル……というのは正直に言ってかなり淋しいラインナップ。もそっとこう、河賊のように一団で襲いかかれる知性的なメンツを期待していたんですけど……って、アボレスって地底じゃなくて川に出るのかよ……おっかねぇ……。河賊として出すならリザードフォークがまあ穏当なところだろうか……サフアグンとか真水に出たら死にそうな気がするし。5eのケロロ軍曹ことブリーワグ君は単品でしかデータが載ってないので、徒党を組ませるにはあんまり面白い遭遇にならなそう。後はウォーター・エレメンタルとかだが、5eになってサイズ別のデータが無くなってまったからな。あ、ウォーター・ウィアードとかおるやん。物理抵抗と巻きつき以外芸がない、にぎやかしにはちょっと不足な人材もといクリーチャー材だが
 D&Dで河というとベスピア川のイカダ下りでブラック・ドラゴンのブレス(オエーップ!)に追い回されるのを連想する世代なのですが、あそこで出てくるトログロダイトが別に河住まいでもなければあんなにぴちぴちした機敏な生き物でもないと知ったのはだいぶ後でした。5eだと「俺太陽光ダメなんすよ」とか言い出す穴居人という意味のすっトロいキモトカゲのぶんざいで、なんであんなに元気いっぱい日光下で動き回れてたんだろう……シャドーオーバーミスタラの雑魚の中でもトップクラスに動きが速かったような。大抵【敏捷力】ボーナス低いのに。それとも4eのトログロダイト(割と【敏捷力】高め)を予想していたとか? マジックユーザーの呪文システムが5eのウィザードと同じ(それを言うたら3eのソーサラーとも同じだけど)だったりと意外と先見性あったからな。

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D&D5e余話#158~DM用ベーシック・ルール~

 ビースト狩猟団でPHBに掲載されていないエイプを指定してくるとは使いたくばMMを買えと言うことか。まるで駄菓子屋のやり手ババァのように購買意欲をそそるわいグフフ、などと勝手に感心していたら無料で閲覧できるDM用ベーシック・ルールで公開されていたコチラ)。プセキュ~。DM用のルールならDMGがあるしいいだろ、と思い込んでスルーしていたんですがやっぱ取りあえず目を通してみないとイカンですねえ。
 無料掲載ではあるがプレイヤー用同様に71ページの太っ腹ボリュームで、モンスター・データがドーンとどころかドドドォーンと大量掲載されている。っていうか序文3ページから先は64ページまで全部モンスター・データ(NPC含む)DM用ルールって残り7ページしか無いじゃねえか! ちなみに最後の2ページは脅威度順に並べたモンスター一覧。こっちは最初から同梱されてるんで(遭遇が)多い日も安心だやっぱりMMは付け忘れたんでしょうか。
 大半を占めるだけに掲載されているモンスター・データは一部分だけ、と言っても脅威度0~脅威度5あたりまでは各脅威度まんべんなく豊富な顔ぶれが揃えられている。脅威度6以降はガクッと少なくなり、脅威度10以降は一足飛びで脅威度17のアダルト・レッド・ドラゴンとなるが、プレイヤー用との併せ技でお試しプレイ程度なら十分繰り返し遊ぶのにも耐え得るラインナップだろう。
 どうでもいいんだけど、脅威度6はキマイラやワイヴァーン、メドゥサ、脅威度8にヒドラ、フロスト・ジャイアントとメジャーな名前が並ぶ中、それに挟まれた唯一の脅威度7のジャイアント・エイプが異彩を放っている。本当にゴリラ好きだなアメリカ人は。
 ファンタジー世界のおなじみの住人はきっちり押さえてあるし、グリックや4eにて相当のヘイトを買ったであろうナシックのようなD&D独自色の強いモンスターもちょくちょく見受けられるのでD&D布教用素材として抜かりはない。そしてD&Dの洗礼を浴びせるならあの人(虫?)のデータは欠かせないってキャリオン・クロウラーが掲載されてないんですけお!? アンバー・ハルクとビホルダー様もいねえ(スペクテイターはいる)ってどういうことだオイ! グム~やはりD&D御三家たるこのお歴々には有料のMMでなければ出演叶わなかったということか。
 そういえばスペクテイターはいてもスペクターはいないんやな。あんな脅威度詐欺のクソモンスターを載せなかったのは英断と言えよう。実際脅威度とのデータの乖離が著しい(とオレが主張している)ドラウやトログロダイトみたいな連中も軒並み排除されているようで、これは個人的に初心者の方々にも安心して遊んでもらえそうで公式スタッフエライ。だがそれでもフライング・ソードを捻じ込んでくる公式スタッフやっぱりエラくない
 また、ゴブリンやオークは掲載されていても、その上位種……ゴブリンズ・ボスやオーク・アイ・オヴ・グルームシュ、オーク・ウォー・チーフのような頭目タイプは収録されていない。いろんなクリーチャーが強大な一匹に統率されているような遭遇ならともかく、種族や部族をテーマにしたシナリオになると、ちょいと工夫が要るかも。まあ、そこは無料公開ということで……こらえてくれ。
 プロの手が入った翻訳ということで、安心して読めるクリーチャー・データである点でもコレは一見の価値があった。データ・パートは英語じゃなくD&D語もしくはD&D弁で書かれていると言われているだけあって、D&D慣れしている人なら独自訳はそこまで難しくなかったかもしれないが、やはり言語の壁というのは厚いかんね。ワイルド・シェイプの変身先、ビーストマスター改めビースト狩猟団の動物の相棒、またコンジュア系呪文で召喚するクリーチャー・データについては、これからはDM用ベーシック・ルールが判断基準となるんじゃないかな。
 DM用ルールは少ないものの、DM掲載の遭遇の作り方もきっちり訳されている。おおむね自分の独自訳と違いが無かったようで安心した。まあそれが正確になればなるほど公式シナリオの全然これらの指針を守ってねえって事実が浮き彫りになるんだけどさ! そもそも『冒険の一日』の、「1日に6~8回の“通常”または“困難”ば遭遇に対処できる」っていう文言がオレは信用できねぇ。ちなみに1レベルの間は致死遭遇は控え目に、3レベル以降になると致死ギリギリぐらいじゃ困難にもならない、という点を押さえておけば結構参考になる指針ですぞ。
 モンスター・データに比べると少数ながらマジック・アイテムのデータも掲載。実際の効果はもちろん、スクロールのようにプレイヤーからの要望が多いであろうアイテムをプロの訳で読めるというのは5eはじめてさんだけでなく有益な資料。マジック・ミサイルがスロット無しで撃てる上に使用回数が大休憩で回復する戦略兵器・ワンド・オヴ・マジック・ミサイルズも紹介されているでよ! Encountersで何度か見たが、あんな指定危険物ホイホイPCに渡しちゃいけません。消防法にひっかかりますよ!
 マジック・アイテムのデータが掲載されてはいても、売買の方法が掲載されていないのを見たら「ああ5eってそういうゲームなんだ……」と思ってもらえるんじゃないですかね。
 個人的に気になっていたのは、クリーチャーの特殊能力の翻訳指針。勝手に当方ではパック・タクティクスチャネル・ディヴィニティなんかはカタカナ表記の方がいいかなー、と思っていたんですが、基本的に特殊能力は全部和名がアテられているようですパック・タクティクスは「連携戦術」になった。乏しい言語のセンスをひっくり返してなおネーミングもちょくちょく見受けられたが故、こういう観点でもプロのお仕事というのは参考になります。一番和名に困ったのが特技なので、ベーシック・ルールじゃなくコッチの翻訳が公開されたら良かったんですけどねぇー。

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D&D5e余話#124~20の壁~

 D&D Encounters『Out of the Abyss』レポートは諸般の事情により休載いたします。
 まあ色々あって参加できなくなったワケで。予告通り代わりにビキニアーマー講座でもしようかと思ったんですが、そっち方面で下品さを上げるのはキャラじゃないかなーという判断で(何を今更)、5eの鎧を含めた防具、AC関連の話でお茶を濁そう。
 御存知の通り5eでACを上げるのは結構大変だ。なんつっても鎧が高い。大抵の前衛がデフォで持ってるチェイン・メイルでさえ75gpもする。【敏捷力】ボーナス+2以上なら同等のACになるスケイル・メイルも50gp。重装鎧にせよ中装鎧にせよその先は200gp(スプリント)or400gp(ブレストプレート)ととっても遠い。そしてさらにその先は1500gp(プレート)or750gp(ハーフ・プレート)ととってもとってもとっても遠い。現金の使い道が構成要素などに限られる秘術系クラスは報酬を融通してあげてもいいだろう。それは1レベルの時は黙ってシールドを持っておけ、と言われるわけだよ。10gpと片手で高価な2段階上の鎧を着ているのと同じ効果なんだもの。それをワカっていながら道具を使えるモンスターにポンポンシールドを持たせてるんだろうか、あのデータを作ったデザイナーは(特に低脅威度)。まあその話はいいや。
 最上級のプレートとシールドを持つことで、ACは20になる(ハーフ・プレートだと【敏捷力】ボーナス+2以上で19)。魔法やマジック・アイテムの仕込み抜きだと、ひとまずはこれがACの達する一つの頂と見ていいだろう。これを超えるのは、簡単なのがファイターやパラディンの“防御術”戦闘スタイル。一見地味だがACを上げるのが大変な5eにおいては、かなりオススメ度が高い。これでACは21。
 一時的にACを上げるなら、《堅牢なる決闘者/Defensive Duelist》。習熟ボーナスによっては相当な硬さになる。が、1ラウンド1回なのでちとレギュ外か。エルドリッチ・ナイトでシールド呪文も同じような効果と言えるし。
 恒常的なACの高さというと、実は20を超える見込みがあるのは大穴バーバリアンだ。20レベルになると【耐久力】の上限が天元突破して24になるため、“鎧わぬ守り”のACボーナスが【耐久力】だけで+7になる。これで【敏捷力】ボーナスが+3以上あればプレート+シールドと同等、おお【敏捷力】が上限の20にシールドまで加えればなんと24ではないか。これはタラスクと1点しか違わない、そういう領域の硬さである(タラスクは25)。まあそんなことしてたら【筋力】がおろそかになるだけなんで、ババリソ的に良い事は特に無いと思いますが。同じく“鎧わぬ守り”を持つモンクは盾を持てず、上限も変化が無いので頑張っても20止まり(【敏捷力】【判断力】20の場合)。その代わり能力値の依存度はいずれもババリソと比べて高いので迷いなく20にできる。
 これにマジック・アイテムが加わると能力値がいじれたりするのですっげえ面倒になる。というかデータを見返すのがめんどいので正直な話あんまり触れたくない。ワカりやすい方から埋めていくと、ブレイサーズ・オヴ・ディフェンスは鎧を着ず、かつ盾を持っていないとAC+2なのでババリソ、モンクに最適。竜の血脈のソーサラーも、それなりのACになったりする。
 大抵ごく稀に分類されているんで現実的でないが、アイウーン・ストーンのような能力値上昇型のアイテムがあれば、ババリソの【敏捷力】20作戦も夢ではないかもしれん。これまたごく稀ながら、ディフェンダー特性を持つ武器は+3のボーナスをACに全部回すことができる。【耐久力】24【敏捷力】20で盾を持ったババリソが全力で守りに入れば27まで上がる。ピット・フィーンドやバロール相手にも堂々防御率60%を誇れる数値だ(ピット・フィーンド、バロールの攻撃ボーナスは+14)。《堅牢なる決闘者/Defensive Duelist》を併用すればレベル20なので習熟ボーナス+6、なんと33! タラスクさえ失敗する確率の方が高い。実用性はともかく(っていうか無い)ここまで人生捧げれば相応の結果は得られるということか。
 実はゴチャゴチャ言わずすごく強化ボーナス(懐かしい単語)の高い鎧とシールドを持ってればそれだけですごく高いACになるんですが。特にシールドはちゃんと強化ボーナスがACに乗る、4eみたいな魔法の盾でもACボーナスは変わらない脱毛しそうなガッカリ仕様でなくなったし。最上級の魔法の鎧(プレート)とシールドを装着して“防御術”を選択した場合のACは27。あれほど人生賭けたババリソ作戦と同等であるしかもディフェンダー特性のボーナスを振り込まずともコレ(ディンフェンダーのボーナスと《堅牢なる決闘者/Defensive Duelist》を振り込めば36、タラスクなら出目17からヒット)。流石は伝説級の鎧と盾。何の特性が無くても、強化ボーナスがあるだけで大切にしなくちゃね。ただ硬いだけの魔法の防具が重宝される時代が来るなんて、3eや4eの頃を思うと信じられねえべっちゃ
※魔法のアイテムはどうせ手に入らんと思ってあんまり読み込んでません。こんなアイテムがあるで、という情報があったらコメント等でお伝え下さい。

Dungeon Master's Guide (D&D Core Rulebook)(2014/11/18)
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D&D5e余話#115~インスピレーション再び それとヒーローポイント~

 みんなーッインスピレーションもらってるーッ!?
 俺もらってなーい(ヒラコー風)。
 いや、導入されると聞いた直後は悠久の歴史と格調を誇るD&DがFEARゲーのロールプレイ支援システムを取り入れるとは時代も変わりましたなぁゲシャシャシャ! とか下劣な笑いを上げていたんですが、このトシになるとロールプレイでキメるってのは色々とつらいね! いや天羅みたいなロールプレイで何とかする、というかロールプレイをしなければどうにもならない(気合溜まんないし)システムであるとか、そういうロールプレイをしていかないとクリアできないシナリオであるとか、卓全体がそういうセッティングをお望みであるというならやってやろうじゃねえかこのゴンダクレどもが、と無駄に喧嘩腰になるぐらいの野生の牙は残っていると思いたいですが。
 中二病高二病まっさかりならともかく(高二病まっさかりで出会ったDXには悪い事をした)、どうしてもトシを取ると照れが出てくるってのもあるが、プレイヤー層全体が高齢化してきてスレてきて、かつての遊び方……PCへの感情移入から、セッションをメタ的……「まあゲームだからね、遊びだからね」と神の目線から俯瞰して見るというスタンスが卓に生まれてくると、カッコつけててもどこか外したロールプレイでないと“浮く”ってのはありまさぁな。何でもギャグにしてしまうのは良くないと思うんだけど。
 それと「オウこういうロールプレイをしたからインスピレーションくれや!」とガツガツと食いついていく気力もあんまりないというのがある。散々放言暴言を吐いてきたが、なんだかんだ言ってオレ割と口だけだからね。いざセッションになるとその辺は奥手なので「インスピレーションくれや!」と言いたいが気後れするのであのーすいませんインスピレーションもらえないでしょうかと下手に出るか、そもそも黙っている場合が多いのである。セッションの流れを乱したくないし。筆者の場合は奇抜というかおかしい言動が常態化しつつあるので、どこまでがロールプレイでどこまでが素の発言なのかDMも区別できず困っているのかもしれない。
 DMからしても、インスピレーションというのは渡すタイミングが難しい。ロールプレイにフューチャーしてきたシステムでは(あまり)ないから、浮くんじゃないか? という懸念は当たっていたようで、いざ渡そうとするとセッションの流れがどうしても断ち切られてしまう経験がしばしばあった。天羅ぐらいロールプレイと合気チットの受け渡しが常態化してるなら、シームレスに与えることもできたんでしょうが、頭突っつき合わせての相談から、敵味方入り乱れる盤上の緻密な戦闘までゲーム風景が変わるとなると、なかなか渡すスキを見つけるのが忙しくって。やっぱりFEARゲーと揶揄されても、あれはあれで焦点をしっかりさせたよく出来たゲームだったんだな。
 最初の頃は筆者もインスピレーションをロールプレイに応じて渡していたのだが、段々笑点の座布団化していて、いいロールプレイと言うより面白いor変なロールプレイに渡すようになっている自分に「いや、こんなシステムじゃないな」と内省を促していた。俺は歌丸師匠じゃないっつうの。最近は面倒なので各プレイヤーに最初に1点渡しておいて、好きな時に使ってネというヒーローポイント制を取っている。
 ヒーローポイントはヒーローポイントでDMG264Pに掲載されているのだけれど、d20の出目に+1d6、1つの判定に使えるのは1点まで、はいいとして、5+キャラクター・レベルの半分というスッゲヱ大雑把な上限は如何なモノであろうか。d20モダンばりの無頓着さだ。PC作成直後から、5回もd20とd6を振った合計値を使用できるってそれもう別ゲーじゃなかろうか。必死こいてd6を判定に足してあげるバードの苦労をワカってちょうだいよ。回復するのはレベルアップ時だけなんで、1シナリオ1シナリオでちょこちょこ使っていくのを想定しているのかもしれんが、それなら1シナリオごとに使える上限も設けた方がよぐねえか。1点使うと死亡セーヴに自動成功っちゅうのはイイね。
 アイデア自体は悪くないと思うので、筆者が使うなら、インスピレーションとヒーローポイントを複合させた形でしょうか。

1.シナリオ開始時に1点のヒーローポイントを持っている。
2.ヒーローポイントを1点使うと、有利を得るか、ダイス1つを振り直すか、ダイスロールの結果にd6を足すか、死亡セーヴに自動的に成功する。
3.アクションorボーナス・アクションorリアクションとして他のPCにヒーローポイントを譲渡できる(何の制限も無しに渡せるならチーム・カルマ制にした方が早いと思ったので。どれを使わせるかは考え中)。

 上限や出目への追加はバードに倣って、10レベルから2点&+1d8、20レベルで3点&+1d10になるとか、要調整ですな。振り直しや結果への加算はダイスなので、ダメージ・ロールにも使用可能。結構色々と拡張していますが、マァー1シナリオ1点ならいいじゃありやせんか、と思っていますけどどんなもんでしょ。

Dungeon Master's Guide (D&D Core Rulebook)(2014/11/18)
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D&D5e余話#113~例えばこんな戦闘遭遇~

 前回遭遇構築についての持論に語ったので、じゃあ実際に手前が作るとしたらどんな遭遇になるんだええおいという回答編。
 基本的にPCは4人を基準にして、ボス戦としてぶつける戦力を想定しています。

●ノールの群れ追われの兄弟団(1レベル用)
レシピ:ノール×2(1体はスピアとシールド、もう1体はロングボウ装備)、ゴブリン×3(シールドとショートボウは装備していない)、ハイエナ×2
遭遇経験点枠:740…(ノール100点×2+ゴブリン50点×3+ハイエナ10点×2)×2、「致死」級遭遇
背景:群れを追われたノールの兄弟二匹は、仕事を押し付ける手近な奴隷にゴブリンを選びました。襲撃されたゴブリンはたちまち蹴散らされ、何人かノール兄弟の胃袋に収まったのを見て、やむなく服従します。兄弟は食料探しや見張りといった面倒な仕事はゴブリンに任せ、自分たちはゴブリンいじめ(時々やり過ぎて殺害)や惰眠、飽食に精を出しています。人型生物が付近を通りがかると、自ら略奪に乗り出します。
 このノール達は、ゴブリンにとっては困った存在です。機嫌を損ねるとその日の食料になるのももちろんですが、自分たち以上に頭の悪いノールは、ゴブリン語はおろか共通語すら話せません――主に「襲え」「食事を持って来い」「見張れ」という命令は手振りから理解できるようになりましたが、今でも取り違えて殴りつけられるゴブリンは後を絶ちません。
解説:脅威度1/2の中でもノールが割と大人しいのは、なかなか“大暴れ”が発動しないためだと考えて、hpの低い1レベルPCならその目もあるかとボスに据えてみました。シールドとスピアで武装したノールはゴブリンとハイエナをけしかけながら、自身も前線に突っ込んでいきます。ゴブリンはノール語の命令を理解できないので各自の判断で行動します。基本的にはニンブル・エスケイプで離脱を宣言しながら、ACの薄いPCに斬り込んでいきます。それを避けて後退するPCを狙い撃つのがロングボウを装備したノールの役目です。
 ノールがゴブリン達を打擲する時に小癪な知恵を働かせないよう、シールドは取り上げられています。飛び道具のショートボウも同様です。ゴブリンが従っているのは恐怖のためだけで、不利を悟ったならニンブル・エスケイプで離脱を宣言後、一目散に疾走で戦場から離れようとします。迂闊に離れるとロングボウで射殺されるため、このような判断をするのはノールの片方が倒され、PCよりも自分たちが少数になってからになります。場合によっては、去り際にノールに一撃を加えていくことすらあります
 ノールも兄弟ですが血縁の絆など欠片もありません。前線のノールが倒れたなら、ロングボウ装備のノールはためらわず逃げ出すでしょうし、逆の立場になっても前線のノールも同じ行動を取るでしょうが、スリープなどで寝てしまっている場合は、やむなく自分の手で起こしに行きます。「そこで寝ている奴を起こせ」という命令はノール語を解さないゴブリンに通じませんし、文字通り寝首をかかれる恐れがあるからです
簡単にする場合:ノールは見張りをゴブリンに任せ、自分たちは寝そべっています。シールドも放り出しているため、戦闘に参加するには立ち上がるために移動速度の半分を費やし、シールドを装備するのに1アクションを使わなければなりません。ゴブリンの武器も、反乱を防ぐため、より非力なダガーにします。
難しくする場合:ゴブリンにシールドを装備させます。1レベルPCだと五分の命中率になるので、後衛に斬り込める可能性はかなり上がるでしょう。

●コボルドと御神体(2レベル用)
レシピ:アニメイテッド・アーマー、ウィングド・コボルド×1、コボルド×4
遭遇経験点枠:700…(アニメイテッド・アーマー200点+ウィングド・コボルド50点+コボルド25点×4)×2、「困難」級遭遇
背景:窖に棲みつくコボルド達の間には、“御神体”と呼ばれる存在がありました。それは深部に安置されていた、古びたアニメイテッド・アーマーです。このアニメイテッド・アーマーの製作者はドラゴンボーンの妖術師で、デザインもドラゴンボーン用のものとなっています。ドラゴンボーンの妖術師はクロマティック・ドラゴン(コボルドの体色と同じにするといいでしょう)崇拝者で、アニメイテッド・アーマーを製作する際、「ドラゴンの血筋以外の者を攻撃せよ」と命じられています。コボルド達はある時野生動物に襲われ、窖に逃げ込んだ際、このアニメイテッド・アーマーに出会いました。コボルドからかすかなドラゴンの血筋を嗅ぎ取ったアニメイテッド・アーマーは、彼らに手を出さず、野生動物を撃退します。
 ドラゴンボーン用のデザインと、自分たちを守ったことから、コボルドはこれを自分たちの守り神と勘違いし、以後崇拝の対象となっています。PCと戦闘になった際、リーダー格のウィングド・コボルドは高らかにこの逸話を披露し、PCの死を宣告します。
解説:2レベルになり頑強になったPCなら、パック・タクティクスの嵐を耐え抜く能力もついているだろう、という判断で多数のコボルドとの戦闘です。待機アクションを使ったパック・タクティクスへの対処などを、それとなく教えてあげてもいいでしょう。
 アニメイテッド・アーマーは攻撃に関しては大したことはありませんが、非常に高いACを持っています。コボルド達はこれをタテにパック・タクティクスを活用します。ウィングド・コボルドも、アニメイテッド・アーマーに隣接したPCを優先的に狙って石を落としてきます。アニメイテッド・アーマーを狙うのはセイクリッド・フレイムのようなセーヴを要求する手段の方が望ましく、攻撃ロールが必要なならばコボルドを先に片付けるべきです。
 アニメイテッド・アーマーはドラゴンの血筋を持つ者以外を狙うため、PCにドラゴンボーンがいた場合、攻撃目標からは外れます。ドラゴンボーンのPCに攻撃された場合は、自衛のために反撃もするかもしれません。自分たちの守り神と信じていたアニメイテッド・アーマーが、ドラゴンボーン相手に躊躇してコボルドが呆気にとられる、というのはなかなか面白いシチュエーションです。
簡単にする場合:アニメイテッド・アーマーは経年による劣化によって錆びており、ACが2点低下しています。コボルドはアニメイテッド・アーマーに守られていると興奮しており、積極的に接近戦を挑みます。
難しくする場合:アニメイテッド・アーマーに足止めをさせている間に、コボルドはスリングで遠隔攻撃を行います。接近戦を挑むのは、前線をすり抜けて、手薄な後衛を狙う場合に限ります。

●血に飢えたオークの襲撃部隊(3レベル用)
レシピ:オーク・アイ・オヴ・グルームシュ、オログ、オーク×4
遭遇経験点枠:…2600点(オーク・アイ・オヴ・グルームシュ450点+オログ450点+オーク100点×4)×2、「致死」級遭遇
背景:オーク・アイ・オヴ・グルームシュに指揮される襲撃部隊です。勇壮な同胞のアイ・オヴ・グルームシュに、グルームシュの寵愛を受けたオログまでが戦列に加わり、オーク達は意気軒昂です。
解説:オーク・アイ・オヴ・グルームシュ、オログとも脅威度は2ですが攻撃性、タフネスは3~4レベルの冒険者パーティにも十分通用します。オーク・アイ・オヴ・グルームシュの呪文の支援と、オログのプレートに守られたACを突き崩すのは、容易ではないでしょう。
 オーク・アイ・オヴ・グルームシュは自ターン開始時に必ずブレスを使用します。これによってオログの複数回攻撃や、オークのグレートアックスの波状攻撃が強化されるのはもちろん、自身のスピリチュアル・ウェポンと併用可能です(あんだけディスっておいてこれを書くのはじゃっかん気が引けるが)。ブレスの対象はオログ、オーク、それに自身です。呪文の動作要素・物質要素を満たすため、彼はスピアを最初装備していません。2ターン目にスピリチュアル・ウェポンを使用後、スピアを抜いて攻撃してきます。
 オークはあまり難しいことを考えず、“攻撃性”で隣接した手近な敵を殴りつけていきます。オログは他のオークと比べて知性的なため、連携を考えて攻撃します。
簡単にする場合:彼我の距離を60フィートより長くします。こうすると、オークは疾走と“攻撃性”を組み合わせてやっと隣接できるので、遠隔攻撃でオークの数を減らす余裕が生まれます。オーク・アイ・オヴ・グルームシュは呪文の動作要素・物質要素を満たすため、シールドを装備させず、ACを2点下げます。
難しくする場合:彼我の距離を60フィート以内に縮めます。こうすると、60フィート以内に存在する後衛にも接敵しつつ攻撃できるため、迂闊な散開をしていたPCにはスリリングなことになるでしょう。また、オークのうち1体は訓練を受けており、仮にイニシアチブでアイ・オヴ・グルームシュを上回った場合、ブレスが発動してから攻撃するという待機アクションを取ります。荷運びに使うボア(脅威度1/4)を加えたりする手もあります。

 おまけでだめな遭遇。読んで使おうとするDMがいた場合を考えて明記しておくと、こんな遭遇出されて「適正遭遇です」と言い張られたら、俺は机を蹴って帰ります

●とりあえず思いついた限りのくそ遭遇(1レベル用)
レシピ:フライング・ソード×3、アコライト、コボルド×2
遭遇経験点枠:450点…(フライング・ソード50点×3+アコライト50点+コボルド25点×2)、これでも「致死」級遭遇からちょっと足が出たぐらい
解説:アコライトはフライング・ソードにブレスを使用後、遠距離からセイクリッド・フレイムを使用してきます。フライング・ソードは飛行移動速度を利用して、前衛を飛び越えてアコライトを脅かす遠隔攻撃を使用できるPCを攻撃します。コボルドはフライング・ソードが健在な間は絶対に接敵しません。パック・タクティクスで有利を貰いながら延々スリングで攻撃し続けます。
 攻撃性を重視する場合はフライング・ソード1体をトログロダイトに変えてもいいですが、hp・ACともフライング・ソードよりかなり低いので、この場合遠隔攻撃2発ぐらいでくたばる恐れがあります。

Dungeon Master's Guide (D&D Core Rulebook)(2014/11/18)
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D&D5e余話#112~一年過ぎての遭遇論~

 PHB発売以来一年に渡りちょくちょく5eを遊んできて、いろんな遭遇を目にしてきた。自分で組み立てたこともあれば、PLとして組み合ったこともあり、色々感じ入る(あるいはかなり腹を立てる)ものがあった。
 およそ一年前にマスタリングについては雑感を語ったことがあるのだが、大体あの時と意見は変わっていない。D&D最初のシナリオはアレという伝統、てなヨタ話にも。加えて、あの時は1レベル環境でしか遊んでいなかったのが、今では4レベルまで体験談が広がった……つっても4レベルだけど。5eは4レベル以降のレベルアップが遠くてねえ。そんなにワシャワシャ遊ぶ時間がないのよ。
 で、それでも多少はレベル帯を広げての遭遇を経験できたことで、あらためてDM、特に遭遇にフューチャーした論を考えてみたい。↑で書いた通り、5レベル以降は未プレイなので、そっから先は意見も変わるかもしれない。

1.PCレベルと同脅威度が出てきただけで大激戦
 3eや4eとの一番大きな感覚的な違いがコレだろう。かつてはPCレベルと同脅威度の敵というと、どうにもチョロそうに感じられたけど、5eではそうも言ってられない。DMGのXP閾値を見ればわかる通り、1体だけでも同じレベルのPC4人に対して「標準~困難」の間の戦いができることになる。なおPCが1レベルの場合、「標準~困難」というのはウソだ。脅威度1になると大抵は上等なhp・AC・ダメージのいずれか2つは持ち合わせており、1人や2人くたばりかねない(ハーフ・オーガやバグベアがいい例)。スリープ一発で寝るかもしれない相手が「困難」や「致死」なわけないじゃないですかという意見も(多分このレベル帯を担当したデザイナーから)聞こえてきそうだが、イニシアチブを取られた場合寝てるのは敵じゃなくてスリープを使える秘術呪文使いになるだろう
 脅威度が1変わるだけでも、モンスターの強さは段違いになる。特に脅威度1未満と1との間には高い壁が、1と2との間には果てしなく高い壁が存在する。それ以降はかなり高い壁になるんで、越えられないというほどでもない感じだが。兎も角、PCのレベルが低い間は、3eや4eのようにちょっと盛るつもりでPCレベルより高い脅威度のモンスターを出すのは止めた方がいい。出してもボス格で1体で十分。1レベルに限れば脅威度1のモンスターをぶつける場合は全滅の覚悟を要するから、安全に行くならデータをいじるか、ノールのような緩めの脅威度1/2モンスターをボスに据えて、さっさと2レベルに進ませてあげるのが良いかと。以後のレベルでも、PCレベルより高い脅威度は+1までに押さえ、かつ単品で勝負するぐらいでもいいと思う。
 単体での強さもそうだが、今回敵の数を増やすとあっという間に経験点枠を使い果たす本当にあっという間に使い果たす。2体出しただけでも1.5倍の経験点枠になるから、例えば1レベルPC相手に脅威度1のモンスターにオマケを添えようとしたもんなら、もう脅威度1のモンスターだけで300点を食っている。3体出すと2倍で400点、これだけで「致死」以上は確定。PCレベルと同脅威度のモンスターとは、そんなに沢山並べるものではないとワカる。なお経験点枠の効率だけを考えると、弱い奴を複数出すより数を絞って強い奴を2体出す方が良いのだが、多分惨事になるのでやめた方がいい。数字の上では正しくても、ゴブリンズ・ボス&ゴブリン×2とバグベア×2(どっちも遭遇枠は600点使用)、どっちが危険かは言うまでもない。

2.脅威度2以上の敵を並べてはいけない
 じゃあPCレベルより低い脅威度なら並べてもいいのか、というと、これもレベル帯による。
 PCは2レベルになると劇的に強くなるが、これはダメージや攻撃ボーナスが上がるのではなく、多芸になるという感じで、それとhpが上がって一度の被弾に怯えなくなるという意味の方が強い。爆発的に火力が伸びるパラディンでも、伸びるのは2d8。攻撃ボーナスに至っては変化するPCはレンジャーの弓術スタイルぐらい(弓術ファイターなら1レベルからこの数値)。ライトフット・ハーフリングのローグのように、有利を取りやすくなるキャラクターもいるが、基本的に打撃力はあまり変わらないと思っていい。
 2レベル以降でも、片手武器で安定して10点以上を出すというのは今回難しくなっている。リソースを投じれば10点は固いが、20点以上となるとかなり苦しい。嵐の領域のラス・オヴ・ザ・ストームのような、出目の最大化のような極端な手段を使えば突破は出来るがあくまでも極端な手段の場合だ。
 それに比べて、モンスターのhpは脅威度に比例してばんばん伸びていく。脅威度2なら40点は当たり前、脅威度3だとモノによっては80点以上ある奴もいる。脅威度1までは20~30点なので2~3回のヒットや上手くいけば即死させられる目もあるが、脅威度2以上は倒すのにかなり時間がかかると思っていい
 さらに、脅威度2以上、早ければ脅威度1の段階で、モンスターは大抵追加ダメージ・ダイスを得るようになっている。何のリソースも使わずにPC以上の打撃力、それも複数回攻撃と合わせてこれが発揮されると、あっという間にPCを壊滅させる恐れがある。いくらPCレベルよりも脅威度が低いと言っても、脅威度2以上のモンスターだと、hpも火力もPCより上という期間はかなり長い(4レベルPCより脅威度2のオログやオーク・アイ・オヴ・グルームシュの方がタフで硬くて痛い)。これがPCと同数以上出たりすると、hpも火力もPCより高いのが頭数多いんだから、普通はえらいことになる。
 脅威度1なら短期間で倒せる可能性もあるからまだしも、火力の向上が難しい5eでは、脅威度2以上のモンスターとは高レベル圏に至らない限り前座気分で複数並べるのは如何なものだろうか
 これらを考慮すると、5eの遭遇の構築は4eに近いものがある。3eを長く遊んできた人が4eで犯しがちな過ちは、「標準モンスターを並べたせいで、高いhpを削り切るまでダラダラした戦闘になる」ことだった。正しくは数を出すなら標準や精鋭モンスターは絞って雑魚を大量に出すと、軽快に戦力を削りつつ、主要なパワーはボスや副官格に集中できて、テンポが良くなる。アレだ。PCレベルと同脅威度のボス1体、PCレベル-1~-2の副官1体、あとは脅威度1未満の下っ端で固めるのが5eバージョン
 ACや攻撃ボーナスに限ると脅威度1未満の下っ端とさほど変わらないし、デフレ傾向に相まってそうした下っ端でも案外高レベルPC相手にも当てて避ける可能性はあり得る。数値上ではPCレベルより大幅に劣る奴でも、壁や前座としては十分役目を果たせるもんだ。繰り返すように、片手武器でノーリソースで10点以上安定して出すのは難しい。前述した脅威度1/2の中でもおとなしめのノールだって、ACは盾で防御していれば15あるし、hpも22点もあるのだ。効率ばかりに目をやらず、下っ端連中の数を増やすことに経験点枠を使った方が、理不尽となじられない遭遇は組み立てられると思うのだが。こうして作った遭遇は、「致死」の1.5倍ぐらいに達しても、割とちょうどいいぐらいのバランスになったという経験を添えておく。

3.戦場は前後に広く
 下っ端で数を揃えるのを推奨したが、その際合わせてコレも推しておく。
 5eではリアクションが1ターンに1回、機会攻撃も1ターンに1回になってしまったので、足止め能力は非常に低下した。FEARゲーのようなエンゲージという概念もないので、その気になれば数さえ上回っていれば簡単に前衛を抜けて後衛に殺到できる。しかも、一度張り付かれると移動距離で上回っていない限り、そこから脱出するのは非常に困難。そうでなくても60フィートぐらいなら簡単に接敵できる奴は多い(ゴブリン、オークなど)。ただ数で上回られてイニシアチブを取られただけで接敵されて嬲り殺しにされるのでは、位置取りや戦術のへったくれもない。くそみたいに多いパック・タクティクス持ち相手だと、戦場が狭いとあっという間に寄られて袋叩きにされて1ターンで気絶、なんてケースも非常にありがち。こうして見ると、何故挟撃の概念がなくなったのか、よくわかるな
 なので、バトル・グリッド(懐かしい言葉)を採用するなら、ある程度前進後退の余地がある広さを用意してあげるといいヒーリング・ワードのような30フィートと短めの呪文はもちろん、“バードの鼓舞”のような効果も60フィートと結構難しい射程距離なので、戦場の押し引きは十分存在するはず。広いマップを用意しても、後衛がマップの端から120フィートのレンジからずっと撃ち続ける、なんて状況にはならないだろう。ちゅうか単体でそんな所にジッとしてるなら、それこそ手空きのモンスターが急行してやるといい。逆に恐怖の150フィートレンジを持つロングボウの射手をどう対処するか、なんてのもPCの腕の見せ所。
 一度張り付かれたら離れるのが難しい、という点でも脅威度2以上のモンスターを数出すのは控えた方がいい。脅威度1以下だとスリープなど然るべきリソースを切れば脱することができる場合もあるが、脅威度2以上では倒さない限り断ち切るのは難しく、延々張り付かれたまま、毎ターンシールドを使い続けるようなウンザリした展開になる。数シナリオに1度ならともかく、毎戦闘のように数にモノを言わされてこういう状況になるPLのストレスたるや察するに余りある(体験談)。

4.イニシアチブは同種のモンスターでも多少は分けて振る
 以前イニシアチブは面倒がらず1体1体振った方がいい、と言ったが、あれはちょっと言い過ぎた
 でも、数が多いなら武器の違うごとにイニシアチブを分けるぐらいはやっぱりした方がいい。3で申し上げた通り数が多いと後衛に殺到するのは容易であるし、PCが脆い低レベル圏なら尚更。イニシアチブを取られただけで気絶するというのは、いくらhpの低いD&Dでもあんまりと言えばあんまり。もちろんPCに配慮するばかりでなく、先手を取られて雑魚モンスターが固まっている所を範囲呪文で薙ぎ払われてアディオス、なんて事態の防止にもなる。
 単体でPC以上の実力を持ち得る連中、特にタフな脅威度2以上なら1体1体分けて振っても良し。hp40点ぐらいなら瞬殺できるほど火力が高まってきて初めてこういう連中はジッパヒトカラゲに扱おう。

5.連戦はつらいよ
 当たり前の話だけれどリソースにシブい5eで連戦は厳しい。特に1レベルの間は呪文回数もHDもたかが知れている。小休憩を行っても、ハッキリ言って事態が好転することは少ない。立て直すためには大休憩が必要な場合が多々あるだろう。敵地のど真ん中でなくとも、一端入り口まで引っ返して大休憩という選択肢はええ度胸やのうおまんと言いたくなるが、そうでもしないと回復しないリソースが多いんだから仕方がない。
 こういう状況に陥りやすい5e(特に低レベル圏)では、シナリオに最初から大休憩を挟む余地を入れておくとE感じ。昼~夜に戦いを終えたら一晩時間を置いてボス戦に挑むとか。無論、大休憩を挟むまでもなくPCがイケイケならボス戦の難易度が容易になるようなボーナスはあって然るべき。このような条件に合致するシナリオとなると、ダンジョンシナリオよりは敵との距離を取りやすい、野外の方がいいのかな? ランダムエンカウントのスリルもあるし。もしくは休む場所を見つけやすいシティ・アドベンチャーか。
 で、連戦をさせる場合の遭遇は、「簡単~標準」を初戦に、次戦以降は「標準~困難」ぐらいに抑えておくが吉。事前に大休憩が入るなら「致死」ギリギリぐらいの遭遇からボス戦に雪崩れ込むことも可能ではある。
 小分けにして何度も遭遇を起こすなら、出し方やクリーチャーのデータをちゃんと見て組み立てないと、「簡単」や「標準」の遭遇でも回数を重ねるとたちまちリソースが枯渇したりする。ふとしたことで呪文もクラス特徴も使い切り、後がないまま前進を余儀なくされるというのは精神衛生上よろしくないので、戦わせるなら小分けにするよりはまとめてぶつけた方が良いかと。経験点枠的に考えると小分けに出した方が効率はいいのだが、マスタリングにおいて効率ばかり考えるのもそれはクソマスターの思考だろう、ということで、ひとつ。

Dungeon Master's Guide (D&D Core Rulebook)(2014/11/18)
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D&D5e余話#101~101回目だからこそ言いたいこともあるのだ~

 2015年、最も大きなヨロコビを与えてくれたTRPGといえば、これは5eをおいて他にあるまい
 コアルールブック三冊揃い踏みから今日に至るまで、実に楽しく遊ばせてもらっているし、他のプレイヤーからも評判はおおむね上々である。D&Dの新版としては十分成功したと言っていい手応えであろう。本格的なキャンペーンを早く始めてみたい。
 が、同時に2015年、最も大きな怒りを覚えたTRPGといえば、また5eであることも告白せねばなるまい。

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D&D5e余話#75~さわりのさわり・経験点枠~

 公式はDMGで示された経験点枠を守る気がねえな! とブチブチ言っていたが、何度かDMをやって思うところがあったのと、誤解を招くとヤなのでちょっと訂正。経験点枠を守った方がいいのはPCが貧弱な1レベルの間で、2レベル以降は致死級をブッチしてもいいというか、致死級をどのぐらい上回っていいかは手探りになる
 よし経験点枠的には標準遭遇だな! とハーフ・オーガを出されたら即死する可能性のある1レベルならいざ知らず、レベルが上がると2d8ダメージでも耐えられるでぇというhpになり、かつ2レベルになると大抵のクラスが一挙に強くなる、というか、酷い能力が解禁される(“ワイルド・シェイプ強化”とか、“神の一撃”とか)ため、案外致死級ピッタリぐらいの経験点枠で遭遇を組むとアサーリ突破されたりする。しかも沢山出すとえらい勢いで経験点枠を食う仕様上、「ボスキャラに副官を添えて取り巻きを配置して……」とかやってると致死級の2倍ぐらいになるのはザラスクープ。
 3レベルパーティの時にディスプレイサー・ビースト2体に襲われて手に汗握るファイトを体験したが、あれでも致死級ちょい増しぐらいだったから、パーティレベルに等しい脅威度のモンスターであれば、そいつを2体並べるか1下の脅威度の奴を副官にするのが大休憩を挟まず突入するボス戦闘ではちょうどいいかと。が、トッポイ奴らの数で攻めるなら、致死級の1.5倍ぐらいの経験点枠でも何とかなっちゃうんじゃないかなぁ、というのが体感。ただその場合は大休憩も柔軟に取らせてあげたい。数で押すっちゅうことはそれだけ事故りやすいということであるし。
 念を押しておくけど、これはPCが2レベル以降の話。ゴブリンに2回殴られると倒れる1レベルの時は、まじめに経験点枠を守った方がいい。あと、ちゃんと出すモンスターは考えること。フライング・ソードが4体でも適正遭遇とぬかすシステムで、紋切型の判断をしちゃあいけねぇ(しつこいねオレも)。



Dungeon Master's Guide (D&D Core Rulebook)Dungeon Master's Guide (D&D Core Rulebook)
(2014/11/18)
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D&D5e余話#57~さわりのさわり・5eについていろいろ体験してきた~

 またまた5eを遊んでいろいろワカったこと。

月の結社のドルイドは超前衛。なんだあのクマプソのhpシールドと噛みつき&爪の火力は。変身中は回復呪文が使えないなんて制限も、“戦闘的ワイルド・シェイプ”のおかげで屁でもないぜ!(味方の損害は知らんぷり)
 ただし変身するまでに打撃を受けるとひじょうに困ったことになる。イニシアチブに干渉する手段が減ってまった今、《警戒/Alert》が欲しい。不意討ちを受けて変身する間もなくザクザク斬られる恐れもなくなり二度おいちい。

復讐のパラディンは火力職。時間はかかるがボウ・オヴ・エンミュティハンターズ・マークディヴァイン・フェイヴァーと着実に殺傷力を増していく様は恐怖の一言。これに残った呪文が神の一撃として注がれるんやで…(ゾーッ)。
※精神集中の必要な呪文は同時に使用できないのでした。ギャー

ディスプレイサー・ビーストやっぱりつおい。AC13というのは、ブレスを乗っけても不利を受けると意外と通せない。優位を自発的に取れる人(ババリソやライトフット・ローグ、復讐のパラディンなど)がいるなら、先手を失ってでもその人に殴ってもらい、可能な限り“所くらまし”を消しやすくするという分析は間違っていなかった。火力も実質2d6+4と期待値で10点を超えるダメージをたたき出すのでモタモタしていられない。
 【判断力】は人並みなので、ここを攻め立てるのも突き崩すポイント。キャントリップぐらいならともかく、1レベル呪文を使われてちょいと難易度が上がるだけでもう苦しくなる。恐怖状態になる効果を喰らったりするともうしょんぼり。バトルマスターなら威嚇攻撃が狙い目。

DMGの遭遇構築ルールの「致死」級遭遇は総力戦になるんで、大休憩とった後とかでないとホントに死人が出る。遭遇をこなしつつボス戦に飛び込むようなら、「困難」~「致死」の間に収めておくぐらいが安全かと。また敵の数をちょっと増やしただけで経験点枠をすごく食うので、今回数をそろえるのが難しい(だって2体にしただけで経験点枠が1.5倍になるのだ)。といっても、脅威度2あたりから強さのケタがグンと変わっていくので、3レベルPC相手に脅威度2のボス格+脅威度1/4~1/2の小物複数の配置とかでもかなりいい勝負できる気がする。数で押したい場合は首領格の脅威度を抑えるのがよさげ?(ただ、首領格は脅威度2以上なら瞬殺を避けるために40点以上のhpは欲しいところ)。

・以前モンスターはデータブロックだけ見ればいいと言ったけど、あれは忘れてください。フレイムスカルとか、呪文名だけ書いてある奴も時々います。

モンスターの脅威度ごとの一覧はMMじゃなくて(なぜか)DMGに載ってますなんだか見てはいけないものを見てしまった気がするが、載せないよりはあった方がまだいいので、
yosi.jpg
(こめかみに浮かぶ青筋を押さえつつ)



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D&D5e余話#50~新春お年玉スペシャル・ミニチュア戦闘と戦闘遭遇の作り方~

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