D&D5e余話#170~覇権種族への道・5e編~

 TRPGの人間という種族には、世界で一番多いという理由づけに妙なスーパーパワーを設けられる、という話を聞いたがこれはまったく納得であり、一番強い種族が一番のさばるというのは自然の道理というものである。
 そうは言いつつも、筆者がTRPGを始めた頃の人間ってそんなにスーパーパワーを持ってた覚えってねいのだが。実は3eが一番最初に人間の強さを実感したシステムだったかも? ソード・ワールドでも強みはダイス目任せの能力値であって、そのダイス目任せって要はTRPGにおいて最も信用できないモンじゃねえか。一体何度アレクラストで何人のファイターがダメージ軽減で1ゾロ振って死んだと思ってるんだ。年季のいったゲーマーの方には、GMの見てない所でダイス振りましたとか平然と能力値ボーナスオール+3以上の人間冒険者を差し出してくるおっそろしいプレイヤーと遭遇したかもしれませんが、オレはそういう人と出会わないでヨカッタ。
 SW2.0では《運命変転》のおかげで、これは文句もなく列強種族入りですよ。どんなに優秀な種族であっても先制判定でファンブルすれば敵に一方的にバフられてこっちがバフれない間に殴り殺されるんだからよ(逆もまた然りである。ただモンスターはそれを前提にしたバランスにしてる感がある故、先制を許しちゃうと大惨事に)。それにダメージロールにクリティカルはあっても、ダメージ軽減にクリティカルはないからな。まあアレはなくなって正解だったと思うけどよ(理由:前述のファイターの死因)。
 とは言いつつも、エルフやナイトメアみたいなゲームに必要な能力値だけが伸びるような奴らも十分列強入りしていいとも考えているのだが。ただエルフは本領発揮が水中とかあの能力値で勘違いしたゲッター3みたいなことぬかすからダメ。ナイトメアは迫害種族なんで社会的に芽を潰されてるんで繁栄するのは難しいですな。もしかしたらハーフオークみたいに、穢れを持たせた奴を作ると強いらしいと人為的にナイトメアを作り出す研究とかもやってるかもしれん。
 なおファンタジー世界の常連、ドワーフの王国は衰退するもの、エルフの王国は滅びるものと相場が決まっているという逸話をどっかで耳にした覚えがある。ドワーフの王国が衰退するのは石頭故に時代についていけなくなるのは何となくワカるのだが、エルフの王国が滅びる理由は何だったかなあ。高慢チキ故に足をすくわれるというのはよくありそうなエピソードだが。それとも内乱だっけ?(六門世界はそうだった) んでその間を根無し草のハーフリングとかがウロウロしてる感じ。
 あ、変なパワーは無いが旧版シャドウランは疑いなく人間が最強種族だったなPC作成時、種族にAを振らなくていいだけで最強種族の座は既に揺るぎない。シアトルの闇を駆けるのに必要なものは一に財力二に強化反射神経、三四がなくて五にチーム・カルマなのだ。
 んで最初に人間の強さを認識した3e、特技1個と毎レベル技能ランク追加で1点、たったこれだけで説明できる特典であれほどの強さを発揮できるってスゲエ。それでいて人間の柔軟性を表現している。モンテ先生やスキップ先生も伊達にクソシナリオライター呼ばわりされているだけではないのだ。いやこれじゃ褒めてねえや。PFにおいても将来的に人間の英雄共はどうせ《惑わぬ幸運》《惑わぬ幸運》《英雄の血脈》を標準取得し始めるからそりゃ人間がはびこる筈ですよ! ……でも、これらの特技を取得しているPCって見たことがない。できないことができるようになるワケではないから、いつか取りたい特技だけどすぐ取りたい特技ではないところがウマい。俺も後回しにするなこの手の特技は。
 エルフが3e系列で覇権種族になれないのは【耐久力】が下がるという一点だけで涙を呑むと容易に想像できるが、ディフェンス最強の座を連守し続けるドワーフなら対抗馬になれるか? 実はPFのドワーフって伸びるのが【耐久力】と【判断力】で、いずれも意外と多くのクラスで求められる能力値とは言い難かったりする。前衛を作ろうとすると【筋力】を高めようとした際、人間やハーフエルフ、ハーフオークと比べてンマー能力値ポイントに苦労すること。ローグやウィザード、というか【魅力】を求められないクラスなら大概強いのだが、能力値ポイントのやりくりにはどれも骨を折る。この適性クラスにおける多様性に欠けるあたりが今一歩覇権種族に及ばない所かもしれない。あと足が遅いせいかな。3eだと【耐久力】だけが伸びたんだけど、他の種族も伸びる能力値は1つだけ(人間に至っては伸びない)故に、かえって多様性に欠けたというイメージは無かったんだなあ。
 当時【筋力】が唯一伸びるけど【知力】【魅力】の下がるハーフオークの扱いからは、PFと比較して隔世の念を覚えます。それでも最強種族の一角であったのだから、【筋力】が伸びるというアドバンテージは偉大だったのだ。
 4eで人間(ヒューマン表記)は無限回パワーが一個増えるという妙にシブい奴でデビューしたが、すぐにヒロイック・エフォートなんてくそパワーを獲得し、本性をむき出しにしやがった。サプリでくそ特技が増えれば増えるほどボーナス特技が暴威を振るうし。全ての防御値+1はなかなか味があって良かったのだけれど(ACが上がらないところも好き)。
 ヒューマンはヒロイック・エフォートの一点突破型だったが、4eドワーフのくそ能力の巨塊というイメージも記憶に強烈である。ありとあらゆる能力がすべて環境に噛み合っている。オレの遊んだD&Dでドワーフが弱かった覚えない(CD&DとAD&Dはやってない。SOMのドワーフだってでりゃーうおおおが決まれば大抵のボスは死ぬ)が、ドワーフがそんな百式改的ナイス量産機なら、4eドワーフはフルアーマー百式改と言うべき凶悪ワンオフ機であった。TRPG全体で見ても歴代最強ドワーフだったかも。
 エルフは攻撃ボーナスが低くてクリーチャーのACが高い頃ならヒロイック・エフォートも無かったからエルヴン・アキュラシィが光っていたんだけどね……。一方エラドリンはシブイ強さでヒューマンとドワーフともタメを張れるポテンシャルであったが、圧倒的ではなく変化球だったな。
 そして5eにおいても人間が覇権種族の座を維持するのは特技ヴァリアントのくそっぷりを見れば自明の理である何度も言うけど、せめて好きな技能1個ぐらいはヴァリアント不使用時に回して良かったような……。世界が人間に駆逐されないのはヴァリアント不使用の連中が大多数だから、と予想したが、やがて時代が進めば淘汰が起き、ヴァリアント使用の人間だけが生き残るような恐ろしい時代がやってくるかもしれん。そうなる前に版を上げよう
 列強の常連だったドワーフも今回はちょっと大人しい。特技ヴァリアントが解禁されてなかった頃は、能力値ボーナス合計+4のマウンテン・ドワーフが重用されてたのに……“ドワーフ流防具訓練”もクレ公を1レベル噛ませればすぐ重装鎧に習熟するようになっちゃったしね。エルフも今回も弱かないんだけど他にもっと強い奴がいるせいであまり目立たない。
 そのもっと強い奴と言えばライトフット・ハーフリング。こいつとローグの相性は鬼に金棒焼肉と白米そして景清に必殺旋風剣イヤア――! 級。あらゆる面で優位を誇る人間も、この“隠密の天性”と“巧妙なアクション”の組み合わせには舌を巻くであろう。ローグでないと真価を発揮できないものの、その気になればローグで前衛を張れるしアーケイン・トリックスターに進めば呪文も使える割と万能なクラスだったりするから、これはおっそろしい犯罪集団だ。しかしハーフリングだけでは“隠密の天性”を発揮できないが故に、世界がハーフリングのローグに裏から操られずに済んでいるのだ。世の中うまくできたもんだな!
 あまり使用されているのを見ないが、呪文に対する【知力】【判断力】【魅力】セーヴに有利が乗るノームも覇権種族の資格十分であると考えられる。呪文に対するセーヴが最も効果を発揮するのは大抵人型生物同士であり(ウソだと思うならMMのNPC術師のくそ呪文レパートリーを見んさい)、そのどつきあいで一方的にセーヴに有利を取れるノームもまたライトフット・ハーフリングと同じくのさばる危険性を孕んでいる。ただ、固定で伸びる能力値が【知力】ということで、ウィザードを除くとバカキャラ歓迎のクラスばっかしな5eにおいてはやや強みを発揮しづらいのが惜しい所である。
 それにしても4eの頃は小型であることのメリットが皆無であったせいか影の薄かったハーフリング、そして見向きもされなかったノームが5eにて突如として凶器攻撃を振り回しながら逆襲に転じる様は、なんかの意趣返しかとつい勘ぐってしまう。

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TRPGこぼれ話#303~やったことがないキャンペーン~

 筆者はキャンペーンが終わんないことへの恐怖感が常にあるので、基本的にキャンペーンを始める時はまず結末を定めるようにしている。こうすると終着点が見えてくるのでキャンペーン全体の長さやペースも自然と決まる。この方針のおかげか、中断したキャンペーンというのは普段「キャンペーンは終わらないもの」とネタにしてる割にはそんなに無い。
 一方で終着点が見えているだけに、終わりを設けずダラダラと続けるキャンペーンというのはやった覚えが無い。別に結末を決めてからダラダラやってもいいのだが、なまじキャンペーン未完への恐怖があるもんだから長期的な計画はびびって立てられず、せいぜい長くて10回ぐらいに収まることになる(世間的にこれを短いというのか長いというのか筆者は知らない)。
 リアルセッション至上主義者なので、単に人や会場を押さえるのがつらいという話もある。参加者の年齢も上がり忙しい身になってくると定期的に集まるのは勿論、日程を合わせるだけでも一苦労で、上記の10回程度のキャンペーンでも完結に2年ぐらいかかった。こうなるとキャンペーンを進めること自体にも疑心暗鬼になって来くる→やがてキャンペーン終わらない恐怖症がぶり返す→ついには合わない日程・参加者・世の中などなど全てに怒りを抱くようになる→やさぐれる→世界を滅ぼそうと決意→なんやかんやあって地球滅亡→荒廃した地球に宇宙人が降り立ち、PFのビギナーズ・ボックスを発掘→宇宙人の言語に翻訳してみる→たまたま宇宙人の使っている言語が日本語だった→その記憶が時を越え次元を超えPaizoスタッフにパイルフォーメーション→こうしてビギナーズ・ボックスの翻訳が決定したのサ、とまあえらくムダな文章量を食った気がするが色々大変なことになって精神的にもよぐねえのよ。
 同じ考えかは知らないが、筆者がプレイヤーで参加しているキャンペーンも、長さは大体筆者と似たり寄ったりである。まあ、これは単にそのぐらいの回数遊んでいるとシステムに飽きてきたり、新しいシステムを遊んでみたくなったりするせいかもしれない。
 ついでに言うと、お金をコツコツ貯めるキャンペーンというのもやった覚えが無い。基本的に気前がいいGMが多いのか、報酬がショボイよりは数段良いが目標金額へつもり貯金するような地道な苦労はしたことがないし、さもなければ最初っから「この長さのキャンペーンでは絶対手が届かんな」と判断して候補から外していた。4eをやっていた時は現物支給でばんばんマジック・アイテムを貰ってたっけな。まあ、あまりにもアイテムが多過ぎて「ぼくこれがほしい」と告げるほど知らんかったというのもあるが。5eの時はバードだったんで鎧を買うための金を集めるような苦労はせんかったし。術者はあんまり金の使い道ないんよ。
 SW2.0の時は首切り刀を狙っていましたが、毎戦闘ポーションを消費するレンジャーで1ターンで数千ガメルすっ飛んでいく自分の戦闘を見つめ直して諦めました(ポーションを補充・消費するのをガマンして首切り刀買うより遥かに安定していた)。
 でも、オンセなら人や会場、時間の問題は相当軽減されるから、もしかしたらこんなふうに終わりを設けず、GMも明日のことは明日考える無頼マスタリングもできるかもしれない。実際ツイッターを眺めていると、それこそ毎晩のようにセッションをしている人達がいて、てえしたもんだと驚くと共に羨ましくも思う。もっと早く流行物は廃り物などと斜に構えず利用していれば……いやしてたんだけど、パスワード忘れてそのまま放置してたんで……まあこのまま知らずに終わるより乗る機会が増えたと思っておこう。実際そのおかげでセッションの機会も増えているのだし。
 できるものなら、PFで終わりを設けずそれこそダラダラと10回20回と続けるようなキャンペーンをやってみたいものですが。今日は此処でシナリオ解決したから明日はあそこでシナリオ解決、てな具合に気分と状況で次の舞台を決めていく、今日もどこかでデビルマン的なやつ。昔のキャンペーンってこんな感じだったんじゃねえかな。レベルアップはしなくても、シナリオで手に入れた財産やアイテムで強くなったことを実感できるようなキャンペーンも、一度ぐらいはのびのび長々とやったってバチは当たるめえ。勿論、GM側でもPL側でもね。皆でついに高品質の武器を買えるお金が貯まった、と手を取って喜びあえるような体験、たまにはしてみたいもんですよ
 そんでそういうキャンペーンに限って未完で終わったりしてな。

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D&D5e余話#169~訳語のもんだい・クリーチャーの二つ名~

 DM用ベーシックルールはデータや特殊能力の訳について安心して読める資料であるんだけど、残念ながら通常のクリーチャーの上位種……例えばゴブリンに対するゴブリンの首領みたいな……のデータは掲載されていない。ま、そういう遭遇を組みたかったらMM買ってくれやという方針に異論反論オブジェクションはないんであるけど、データはともかく上位種クリーチャーの和名については見てみたかったという気持ちがある。
 というか、人型生物の上位種の二つ名って似たような名前が多くて。列挙してみると、
・オーク……War Chief
・ゴブリン……Boss
・バグベア……Chief
・ホブゴブリン……Captain、Warlord
 どれもニュアンスは違うんだろうけど、いざ日本語で差異を付けようとするとなかなか難しい。ホブゴブリンなんて同じ種族内に似たような単語が並んでて特に大変だ。というかホブゴブリンの最上位、ウォーロード!? 4e→5eに移行するにあたり死んだはずじゃ! ノールのPack Lordみたいな特異な二つ名なら区別もつけやすいんですが。サフアグンのBalon(男爵)なんかも、すっかりおなじみですしな。
 単純にカタカナにしちゃってもいいといえばいいんですが、特技名を頑張ってひねくり出したように、出来れば雰囲気づくりというのは重視したいもので……当方で独自に訳した二つ名は、以下のようになります。
・オーク……War Chief→戦長
・ゴブリン……Boss→首領
・ノール→Pack Lord→群れ長
・バグベア……Chief→頭目
・ホブゴブリン……Captain、Warlord→司令官、戦王
 ……雰囲気を出そうという努力はしました。ノールの群れ長はかなり気に入ってます
 逆にEye of Gruumshみたいな種族独自の二つ名は「グルームシュの目」と訳すより、そのまんまカタカナで呼んだ方が好きだったりするんですが、これはごく個人的な嗜好であろうな。
 この手の独自二つ名の訳し方は4eが絶品で、流石MTGでならしたホビージャパンと唸らされる。『Volo's Guide to Monsters(以下VGtM)』に登場したKobold Dragonshieldなんかどっからどう見ても竜鱗盾のコボルド、もうそう呼ぶしかないじゃないですか。じゃあScale Sorcererも4eから取って竜司祭に……とはいかないわな。竜鱗呪術師とかかな? 4eから流用できそうでびみょうにズレてるあたりがもったいない。ナイスネームいっぱいあったのになー。ゴブリンひとつとっても、黒刃使いとか脳天割りとか。キュクロプスの串刺し屋・ぶったぎり屋というパワー屋さんどもも捨て難い。
 VGtMでカッコイイ二つ名持ちがドバッと増え、特にオークはBlade of Ilneval(イルネヴァルの刃)やClaw of Luthic(ルーシックの爪)など訳すと日本語の美しさを認識できそうで面白いと思うんですが(カタカナ呼びの方が好きと先に書いたがそれはそれ)。またノールはPack Lordに加えてFlesh Gnawer(生肉齧り)が登場、ノールの二つ名は数は少ないながら独特なセンスを感じられて好き
 クリーチャーの名称に関しては3e・4eを踏襲して統一されている感がありますが、この手の二つ名は皆さん訳したりしてるんでしょーか。他の方の訳も見てみたい。

テーマ : TRPG
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D&D5e余話#168~訳語のもんだい・ベーシックルールの用語訳~

 ベーシックルールのDM用は安心して参照できるクリーチャー・データの訳として取り上げたけど、訳と言えばプレイヤー用の方、ゲーム中の用語を訳すとしたらどうなるか? そげな疑問に対するプロの回答というところでも見所がある。オレだけかもしれないけどこんなところに見所を見出す奴は。5eのサイトを見て回ってるとゲーム中の用語って原語そのままだったり、発音をカタカナ表記していたり、独自の訳を当てていたりと扱い様々でたまーに混乱することがあったので。
 当方では独自訳を当ててきており、基本的な方針としては3eや4eに登場した用語を当てはめてきた。が、時々なんと当てていいのか困るやつもある。例えば単純なんだけど武器特性のHeavy。Lightは“軽量”という言葉がスパッと出てきたが、対になると“重量”ってのはおかしい、っちゅうかそれWeightとカブるし。「重い」という形容詞ってバラエティがありそうで適切な単語が意外と出てこなかったりしていたところ、何処で見たか忘れたが“重厚”と表現していたのに
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 と素早く反応して取り入れた。
 このHeavy特性はベーシックルールだと“重武器”という訳となっている。Lightは“軽武器”。言われてみればそういう訳もできるよね、ではある。が、個人的には“軽量”“重厚”の方が好きかな。
 ベーシックルールの訳は流石にプロの仕事ということでナールMと頷ける内容でもあり、時にはいやぼくのかんがえたすごいやくの方がいい時もあり、まあどーせ日本語版のライセンス下りねえことだし気分で使い分けていこうと思う
 今回はそんな公式……とはちょっと違うけど、公開されたベーシックルールに採用された気になるゲーム用語アレコレの話。

・Finess→妙技
 武器特性と言えばコレ。筆者がツベルクリン注射ぐらい嫌いなFiness特性は"妙技”特性となった。《武器の妙技》からのイタダキであろうが、Weapon Finesseを《武器の妙技》と訳した人、今見てもお美事な言語感覚にござりまする。“技巧”特性という訳を使っていたこともあるが、5eでも妙技という単語を使うというなら敬意を表して従いましょう。

・Shield→シールド(防具名)
 キタ━━(゚∀゚)━━ ! と思ったのがこの訳。
 5eはバックラーやライト・シールドやへヴィ・シールドやタワー・シールドみたいな区別なく一枚っきりだったので、Shieldを「」と訳す人も多かったが、筆者はガンとして「シールド」表記だった。あのうんこNPC御用達呪文シールドと混同されるのも恐れず「シールド」と通した。それは何故かと問うならば、D&Dの防具名は和名に訳さずカタカナ表記するモンだから。例え一枚こっきりしかなかったとしても、防具の分類は「盾」、そして防具名は「シールド」でなければあかんのです。
 この風習をキチンと5eでも死守した翻訳スタッフの方々の姿勢には拍手拍手。例えシールド一枚しかないのに盾分類を作る意義があったのか、しかもよりにもよって分類と防具名を同じにして、というギモソはあるとしても

・Prayer Wheel→マニ車
 侍祭の所持品欄を見て十人中七人ぐらいが初見で首を捻ったであろう謎アイテム、prayer wheel。祈祷と車輪という組み合わせで「あーあの回してお経唱える奴か」とピンと来た人もいたのではなかろうか。無論私は初見で気付いた十人中の三人ですがねフフン(ムカつく顔)。ベーシックルール出る前にこういうことは言うと格好がつくのにね!(コレクトゥルフと動画の関連性の時も言った
 ……しかし密教用語をまんま取り入れてよかったのか。聖輪とか少しは捻った訳をアテるのかと思っていたんだけど。なお形状はわかっても装備品の説明がまるでないので、データ面では相変わらず謎のままで侍祭背景を選ぶとすごく困る。重量:なしと言えるほど軽そうには見えないし。
 そういえば背景が訳されてD&D語でなく英語で書かれたフレーバー部分もフトゥーに読めるようになっていいことだ。水夫(sailor)はPHBにしか載ってませんが。背景で〈知覚〉を習熟できる唯一の存在は水夫だけ! 水夫だけです! だからPHBも買おう!(必死の宣伝)

・Trinket→珍品奇品
 背景のフレーバー部分ばりに訳すのが大変だったトリンケットつまらないものや小物という意味で、あんま適切な訳語が思いつかず当方ではそのまんまトリンケットと読んでいた。ちなみにトリンケットを持っているPCは便秘に悩まされません、何故ならオチは言うまでもないし想像つくだろうから言いません。
 訳した人間が( ・ω・)? な顔になるつまらないものにしては面白過ぎるパンチきいた商品だけに“珍品奇品”と命名されたが翻訳ティームも相当苦吟したのか何処となく苦し紛れ感漂うネーミングである。“稀少品”みたいな言い方もできたろうけど、稀少なのは間違いないがかといって所詮値段付けられない、むしろどうやって値段付けたらいいんじゃこんなもんと怒り出されそうなブツまで混入してるし。ネバネバして臭いピラミッド型のお香とか。なおコードウェル城奇譚に登場した守銭奴女・ガーメット古い靴下一足は恐らくこの中でも仏契(ぶっちぎ)りにショボイ“珍品気品”と思われる。
 それにしても「じゃあ君の持ってる珍品奇品を決めよう」とか言われたら、プレイヤーは( ・ω・)? だろうな。

・Mask of the Wild→自然隠れ
 装備品の話をフリにしたので流れ上いきなし装備品の話になってしまったので、手始めの種族話はこっから。ワイルド・エルフのMask of the Wildはチョイと洒落っ気を加えて“自然の覆い”なんてスカした訳をひねくり出してみたら、ベーシックルールでは想像以上に直球だった。直球にも程がある。

・Dwarven Resilience→ドワーフの毒耐性
・Dwarven Toughness→壮健なるドワーフ

 ResilienceとToughnessとか似たような単語に同じドワーヴンとか付けないで下さいよ! 訳に困ったよこれ! 和名を隠してどっちがドワーフの基本特徴でどっちがヒル・ドワーフの特徴? と聞かれて即答できない人も少なくなかろうよ。で、ベーシックルールは一目でResilienceが毒耐性とワカるようになった。それがワカれば二択問題なんだから間違えようがない。[毒]のドの字も原語になかろうとこういう配慮は翻訳において必要なのですな。べんきょになるなあ。

・Channel Divinity→神性伝導
 4eの頃は遭遇毎パワーで「チャネル・ディヴィニティ:○○」と表記されてたんで、5eでもこれに倣ってカタカナで書いていた。が、特殊能力は和名をアテるという方針のようで結構硬質な訳がついた。やはりなんだかんだで4eで見慣れてしまっていた単語なので和名で呼ばれると違和感があるのう。

・Dueling→片手武器戦闘
 うーむむむ決闘術という訳はかなり気に入っていたのですが。確かに片手武器で戦うと強いでというのは一目でワカるようになったんだけど、これじゃデュエリスト要素皆無だよ! かといって決闘術スタイルと言われて片手武器で戦う様を想像できる人もそんなに多くない気もするしなぁー。
 あ、Protectionは護衛となったのね。防衛と表記していたけど防御とゴッチャになりそうなのでこちらはGoo。

・Archetype→類型
 一番
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 となったのがこの訳。いや確かにアーキタイプって言えばそういう意味ですが、ウィザードやクレ公は学派領域と雰囲気盛られて来て類型と言われてもなんかこう、チョコパイと思って食ってたらエンゼルパイでマシュマロだったみたいな妙な歯触りが。[毒]のドの字もないのに毒耐性と振っちゃうぐらいなら、4eを引き継いでミの字もないけど「」としてほしかった……ということで、当方ではファイターなら戦士の道、ローグなら盗賊の道と表記するのでyrsk。

・Working Together→協力
 つい3e以来の慣習で戦闘も戦闘外もいっしょくたに“援護”と呼んでしまったが、今回は明確に別もんであった。ちなみにPFの“援護”はAid、5eはHelp。“援護”アクションで他人の攻撃に有利を与えるのは誰でもできるが、“協力”は有利を与えてあげる側もできる作業のみ、具体的に言うと習熟を問われる能力値判定(盗賊道具を使った罠解除とか)なら有利を与えてあげる側がソレに習熟していないとダメ。別に有利を貰う方が習熟してない分には構わないらしい……わざわざ習熟してないそいつが判定する状況もあまりないと思うが。また援護アクションによる能力値判定に習熟云々は書かれていないが、戦闘中の“協力”と考えるとやはり必要なんだろう。
 ちなみに、技能を用いない能力値判定、能力値ボーナスのみの判定なら、能力値そのものに習熟しているPCはいないハズなので誰でも協力できる。技能判定でなければ取りあえず協力しとけ。

・Investigation→〈捜査〉
 アルケミスト+シーフのぶんざいで〈知識:すべて〉がクラス技能という個人的に許せん(その理由は気が向いたら後で書く!)ACGのインヴェスティゲーターと同じやね。〈調査〉と振っていたのだけれど、思えば〈捜査〉という技能があったんだな。ホラあれ、3eで〈視認〉〈聞き耳〉と一緒にやる、眠くなりそうな罠発見の一手順

・Deception→〈ペテン〉
 一時期は〈欺瞞〉と表記されてた覚えがある(Encountersのキャラクターシートで見た)が、アレはどうだろうと心の中で思いながらも口に出せないままベーシックルールが出てしまった。当方では〈虚偽〉という訳をアテていた。3eや4eに倣って〈はったり〉としたトコもありそうだが、Deceptionという単語がちょっと〈はったり〉ではしっくりこなかったので……結構〈虚偽〉もうまくいったと気に入っていたけど、〈ペテン〉といういい意味で安っぽい響きも捨て難いものがあるな。オーケニストだし。もう十分に君は苦しんだ♪

・Revivify→リヴィヴィファイ
 モルデンカイネンズ・マグニフィシャントとかアナライズ・ドゥウェオマーとか舌を噛みそうな呪文が多いD&D界隈ながら、5eは比較的発音しやすくヤーパン人にも優しい並びのものがセレクトされておるが、ベーシックルールに収録されてる上に死者蘇生と使用頻度高そうな割に、ホントに正しいかいまひとつ自信が持てなかった呪文がコレ。
 字面からするとリヴィヴィとは発音するんだろうけどなんかそんなオーヤンヒーヒ―みたいな読みで良いのか、そんな不安も無事解消されたので遠慮なくこの発音を採用し、リヴィッ……リヴィビ……どうせDM側で使う機会は少なそうだから発音できなくていいや

 あとプロの手による翻訳を見てみたいのは特技。ドワーフの話じゃないけどResilientとToughとか似たような意味の特技名はあるし、それでなくてもそれっぽい単語をでっちあげるのはボールペンを肛門に出し入れされる、しかもクリップ付きで返しが激痛を呼ぶが如く苦悶の作業でありました。その成果がコレで、あれはペンですかいいえトムですの域から出ない英語力の割には頑張ったと自負しております。意外と特技に和名をアテてる人って見ないのよね。単純に外から見た人がわからんからだと思うが。
 理想はPHBも翻訳されて、晴れてこの独自名がPFの自作冒険者セットに続いてお役御免になる事なのですが、なかなか世の中総都合よく動きますまい。とは言えPFのビギナーズ・ボックス翻訳という「まさか」もある世の中なので、ラスト五秒の逆転ファイトを心の何処かで信じつつ焼けた砂にd20を投げ込む修業は続けていきます。

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ジャンル : ゲーム

TRPGこぼれ話#295~いやエラッタじゃなくてアップデートです、本当の意味で~

 UAにて公開されていたシン・レンジャーことレンジャーのリバイスド案。どこまで正式に取り込むのか注目していたけど、結局アドベンチャー・リーグではこっちのデータを使っていという裁定らしく、実質これが正しいレンジャーの姿と扱われているとみていいんでないかな。これで晴れてサル山の上からエイプの投石と弓の二十攻撃が行えるわけだ……そんなことするのはオレだけだったりして。理想を言えば、新しくPHBを刷る時にUAのデータに差し替えるのがベストだろうけど……一章まるまる書き換えるって、素人考えでも作業工程も費用もそう簡単に対処できるもんじゃないでしょうからな。しかもディープ・ストーカー狩猟団とか道が1つ増えてるし。
 無料で公開されているUA掲載という時点でガマンしておくのがユーザとしては正しい姿勢だろうか。こんだけネットが生活に密接に関わっている21世紀、ネット利用を前提にしたサポートでもやむを得まい。海外のミニチュア購入のためだけに作るクレジットカードと比べれば、査定とかないぶんずっと楽だよ!
 無料公開という点ではPFのPUも同じであるが、ゲームシステム自体の見直しという大胆な手入れに相変わらず豪華なビジュアルデザインを加えたサプリまるまる一冊というスキのない安定万全の態勢。クラスではローグやモンクで苦戦していた人に朗報のリバイスド版だったでしょう。まあ、なんか色々できるんだけどいずれも有効活用するのが難しかったモンクが、物凄い勢いで殴りつける一方で意志薄弱になったとか強化の方向性として正しいのか悩む面もありましたが。でも3eからこっち苦しいモンクを見続けた身からすれば、強くなったならいいんじゃないかな。サモナーだけは下方修正が加わったがあれは仕方ない、ちょっとやり過ぎた。ババリソはルール的に整理された側面の方が強いかな? 増えたhpが一時的hpになったんでバックファイアで死にづらくなったとか(でも【筋力】【耐久力】が伸びなくなったんで頑健セーヴや【筋力】技能が据え置きとなったのはちょっと残念)。

 4eは時としてパワーの効果そのものが丸ごと変わってしまうという困ったエラッタアップデートに泣かされることが多かった、ホント勘弁してほしいぐらい多かったけど、種族の能力値修正のように、全面的にユーザーフレンドリーな方向で変更を加えられる時もある。恐らくドラゴンボーンの能力値修正に「なんでお前【筋力】と【魅力】固定やねん」と泣いたユーザの声は相当数に上っていたが故の調整と思われる。もっともドラゴンボーンは「なんで【魅力】の方を固定するねん」と再度泣かされることになるのだけれど。使いもしない【魅力】が伸びて8から10になる冒険者ばかりだったのが改善されただけマシとゆうものか……いや、4e当時【魅力】重視のクラスだって弱かなかった、むしろ強かったですけど。その、そんなにイケメン種族ばかり並べられても。
 こんな感じで、いったん公開されたけど、使い勝手や強さがちょっとアレだったので……と調整された例は、他になんかあったかなあ……とそんなに思い当たるタイトルはないんだけど、振り返ってみればちょくちょくありはする。一番上記の例に近いのは、オレの中では六門2Eかな。4つ目のサプリという結構後半(言うてもたった一年後に出たんだけど)のガルシルトにて、基本クラスの特殊能力が大幅に見直された。追加データではなく、これまで掲載されてきた特殊能力をひっくるめてのアップデートとは相当ダイターンな調整である。
 中でも、この調整で恩恵を受けたのがシーフだろう。基本ルールブック掲載の時点でちょっとアレと判断されたのか、ジオテランで既に調整がなされていたが、今回で二度目の調整である。登場初期は投擲がメインとか前衛向けの能力の割に妙に薄いとか、癖が強い玄人向けクラスだったが、二度の強化で癖も強いが効果も劇的な玄人向けクラスになった……気がする。スロット制と致命的にあってない投擲武器は、やはりイバラの道ではないかと思うけれど……。

 メタリックガーディアンではベテランの特技取得が、上級ルールブックにて1レベル時にガーディアン特技から選択可能、レベルアップ時の数が2個、それに自動取得特技がいろいろと追加されるようになった。一見すると地味な調整のようだがなんのなんの、まずガーディアン特技からして、FEARゲーといえば汎用特技に汎用とは思えぬ、ぶっちゃけクラス特技に匹敵する好データが潜んでいるもの。またベテランは機体能力こそイマイチだが特技が胡散臭い強さのものが多数で、レベルアップ時にここから2つ選べるというのは飛躍的な戦力アップ。何よりも嬉しくかつずるいのが自動取得。《一騎当千》というベテランなら是非欲しい特技を埋めつつ、5レベルまで上げると全リンケージ垂涎の《能力解放》が取れるというのがあまりにもずっこい。サンプルキャラの仰っていた「大人には大人の戦い方があるんだ」というセリフの面目躍如である。

 一度公開したデータを調整するというのは「ゲームバランスが間違ってたスマン」と敗北を認めるようで心苦しいかもしれない。けど、直さないより直した方が断然いい、それに強かったものが下方修正を受けるよりは強くする方が反発が少ない、むしろ誰もが喜ぶことなんだから臆せずデザイナーの方々には検討してもらいたいものです。ミスッたものを取り繕おうとして局地的なカードを出し、さらに袋小路に入るMTGみたいな迷走よりは……。出来る事なら後出しジャンケンと言われようとも、再訓練ルールと並んですべてのTRPGにおいて標準化してもらいたい。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#238~何処へ往き着く秘術系クラス~

 筆者も体裁だけは初心者向け記事で触れたけれど、秘術系クラスで一番ラクなのは現時点最後発であるアーケイニストだろうと思っている。ちゅうか秘術系クラスは全体的に難易度が高いね。基本のウィザードやソーサラーも余計なオプションがないんで基本とされているだけで、「秘術クラスの中ではまあラクな方」だろう。クラス全域で見たらやはり難しい方に入るのではないか。ウィザードは呪文の準備がアナライズ・ドゥウェオマーの発音ぐらい難解であるが、ソーサラーは呪文の選択がこれまたモルデンカイネンズ・マグニフィシャント・マンションの正確な綴りぐらい悩まされる。ウィザードは呪文の修得上限がないぶんセッション外では悩まずセッション中悩まされる、ソーサラーはその逆でセッション中は悩まずセッション外で悩まされる、という対比は往時からあったがなかなか上手い事言ったもんだと今でも思う。
 アーケイニストというウィザードとソーサラーを足して2で割ったクラスの登場でやっと初心者の方にも(比較的)オススメしやすい秘術系クラスの登場とあいなったワケだ。後継機と言うのは改良もされているし、Xは∀の監視役なんだって月で模擬戦を続けてた御大将も言ってるだけはある。が、ここまでの道程が洗練されるのに必要な期間だったとするか、3eを引きずったが故の遅れと非難するかは判断の分かれるところであろう。
 まーPF発足当初のコンセプトが3eの引継ぎであったが故にウィザードやソーサラーの仕様を抜本的に見直すワケにはいかなかったという事情が一番大きかったんでしょうが……でもウィザードやクレ公、ドルイドの使う呪文はおろか回数まで指定されるあの仕様をそのまんまにしたのは割と今でも許さへんよ。いくらクレ公はキュア系任意発動があるとしても。アレのせいで3eやPFを薦めづらかったという事がある人は、きっとオレだけではないはずだとノーザンクロスの方角に向かって夜中吼えていたものよ。なんでAPGにてクレ公のソーサラーともいうべきオラクルが登場した時は待ってましたとばかりに手を打って喜んだのだけれど。3eではこういうクレ公版ソーサラーっていたんでしょうか? 3eはサプリを殆ど買ってないのでわからん。……一応バードもキュア系呪文を準備無しで発動できるが、3eの時に1レベル時点でキュア・ライト・ウーンズを発動できなかった君をこの括りに入れるのはオレは抵抗あるな。一応秘術系だし。
 一方秘術系はアーケイニストが出るまでウィザードとソーサラーをベースにした路線を踏襲し続けていたけど、これはホントのところ、案外ここに至るまでに単純に思いつかなかったんじゃないのかな。準備は必要だが使用は準備の範囲内で自由に、という仕様が。修得呪文制限と呪文の準備を別のラインの個性とすることこそ差別化、と認識されていたフシがあり、両者を結び付けるという発想は出にくかったのじゃないのかなあ。
 それを先んじたのが本家D&Dの5eで、ぶっちゃけるとアーケイニストの呪文修得と発動における仕様って5eウィザードのほぼ丸パクリだったりする
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マジでびっくりするぐらい同じ。
 そんなことしてるとWoCだけじゃなくPaizoまでねこたまに(以下略)。実はACGと5e、発売時期からするとどっちがパクったかは曖昧なんですが(偶然両者とも同じことを考えたなどという都合のいい可能性をプロレス的思考を唱える俺は信じない)。さておき、WoCにせよPaizoにせよ「あのくそ面倒臭い呪文の準備を何とかしろ」という声が相当届いていたが故の結果でしょう。そういやD&Dは4eの段階でまるっと仕様が変わって準備云々の負担は無きに等しくなったが、そもそも準備と言う行為そのものの意味までなかば消失したようで、
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 と腑に落ちなかったりしなかったものよ。思えば4e(特に初期)のパワーはPC全員に従来の呪文修得・発動システムが与えられたようなモンだったな。
 PF、D&D共に長い長い時を経てアーケイニストや5eウィザードという答えに行き着いたワケだが、果たしてこれがこれからの秘術系のスタンダードになるのだろうか? 筆者は待ちに待ってた負担の少ない秘術役(ま、呪文発動クラスと言うのは何に付けても負担は多い方だけど……)ということでそうなってくれたら喜ばしい。が、D&DはともかくPFだとアーケイニストが基本となったら、ウィザードやソーサラーという先輩格の立場はどうなるのか。ウィザードはアーケイニストの呪文仕様を引き継ぎ、クラス特徴置き換え、ソーサラーは呪文使用回数という強みをそのままに据えればなんとかなりそうな気がするが。後は5eソーサラーを見習って血脈のおもしろ成分を増していくとかな。そしてアーケイニストは秘術プールという立派な個性がある。クレ公に置き換えてみても、オラクルは呪いという超おもしろ成分があるので、クレ公が5eのやさしい呪文発動(ただ呪文の習得と選択は規定レベルに達すれば全部覚えるその中から選べ、で相変わらずちびしい)が採用されても割を食うことはあるまい。言うてもPFの次版が出ると仮定しての長い長い先の話で鬼が笑うどころかオーガ・メイジが抱腹絶倒しそうな杞憂でありますが。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

TRPGこぼれ話#289~能力値の役割の話~

 Unchainedローグ回で「きょうび命中とダメージで能力値が違うとかダッセー」などと吹いていたが、その昔は「命中とダメージに使う能力値が同じだとその能力値ばっかり伸ばすマンチ的思考が横行するのでいかがなものか」なんて考えたりもしていた。現在の効率厨極まる自分の姿勢を鑑みるに胸が痛む。
 言うてもそう考えたのは割とポンポン能力値が伸びるシステムを遊んでいた時の話で、世間一般のシステムがそう簡単に能力値伸びないどころかやりくりが大変なのに命中とダメージ分けられたりしたらやってらんないよ! と気付き、臆面もなく「命中とダメージに使う能力値は同じ方がストレスないよね!」と転んだのであった。
 てか実際そうだよな。3e系列で近接型ローグは仕込みが多くて大変だった。【敏捷力】が重視されるクラスであるが、【敏捷力】で殴るためには《武器の妙技》が必要、また持っていたとしてもダメージに使うのは結局【筋力】。それ故、火力は挟撃しやすくなることだし急所攻撃に頼らざるを得ず、3e時代だと案外多かったクリティカル・ヒットに完全耐性を持つ輩と出くわしてやる気がガシアス・フォームした近接型ローグも多いんではなかろうか。
 4eになってめでたく【敏捷力】で攻撃しつつダメージを出せるパワーが追加され、エッセンシャルではついにクラス特徴で常時【敏捷力】だけで攻撃・ダメージをまかなえるようになった。PHBのローグを見ると【筋力】への執着を捨て切れない様子が窺えて、3eから移行してきたユーザへの遠慮というものを透けて見ることができる。PFでも遅ればせながらUnchainedローグは“妙技訓練”によって限定的ながら4eのローグのような能力値の使用が可能になり、前に立つ意義がグッと増した。その一方で攻撃ボーナスの成長率やクラス特徴で純粋な前衛の火力職との差別化はちゃんと維持できている。ユーザの求める声あればシステムも応えてくれるものですな。何事も言ってみるものだ。ただ5eの技巧特性を見るに、クラスの役割とか重視される能力値とか必然性もなくそういうことを武器特性みたいに誰でも使えるようにすると非常によくないとも思った。まあ技巧特性の印象が悪いのはパック・タクティクス多過ぎと1レベル時のhpの低さと高い【敏捷力】にどいつもこいつもシールドを持ってるなど複合的な問題のせいだろうが……ってか技巧特性以外の問題の方が重いような気もする。
 その一方でUnchainedモンクのように【筋力】も【敏捷力】も重要だったりするクラスがさらに前のめりに【筋力】重視の攻勢クラスに生まれ変わったのを見ると、人生とはサハラ砂漠で狂った猫の反復横飛びを見るが如し、とスラッシュ禅問答してみたりするものだ。
 遠隔基礎攻撃も4eで【敏捷力】を命中・ダメージに使えるようになったが、PFは相変わらずで、かつ射撃武器に能力値を反映させるには、弓だとマイティ・コンポジット・ボウが必要。投擲武器なら【筋力】が乗るが投擲メインにしてるPCってあんまり見たことないな……《早抜き》がないと抜いて投げるのが面倒だしなあー。弓の場合は能力値より特技で攻めるのだ。5eでついに投擲武器まで【筋力】で投げられるようになるに至ったが、ここまでされるといらんお世話という気がしなくもない。
 攻撃とダメージに能力値が同じ、という程度ではさほど問題ではなかった。けれど、能力値に付随する役割によってはけっこう大変ンなことになったりする射撃の回で触れたようにダブルクロスは【感覚】が射撃の命中に使うのと同時に行動値に著しく反映されるため、【感覚】特化キャラが射撃を始めるとそらあもう大変だった。【感覚】が伸びればイニシアチブが伸びて移動力も伸びるとあれば、退き撃ちという戦術が生み出されたのもごく自然な流れであろう。【肉体】はドッジに使えるが攻勢超有利な3rdにおいてはさほどアドバンテージにならない……と見せかけて、ちゃんと《リフレックス》を組み合わせることができればハンパな攻撃ぐらい回避できると知ったので【肉体】派もなかなか侮れないかもしれん。高い【肉体】で得られるHPはべらぼうにダメージが出るゲームだけに焼け石に水なのがかなC。
 あ、思い出したけど3e系列は技能ポイントが【知力】と直結しているから、野獣とか【知力】が壊滅的な連中は技能周りがすごくヒサンなことになるんだったな……素で貰える技能ポイントも少ないし……ブサメンには優しくてもバカキャラには厳しいゲームだ。空気が読めない(【判断力】が低い)と意志セーヴ落して死ぬし。呪文に対する〈抵抗〉が【IQ】の六門世界でもビーストパワー溢れるめんめんは揃ってアーパーのため物凄く呪文に弱かった。あれは何とかならなかったのか。なりませんでしたが。フォートレスに進む道を許されるモンスターならなんとか……。
 ブレカナは能力値の割り振りはまあ納得のいく線であったが、Rにて秘儀魔法が消滅し、オービスが【希望】だけで食っていけなくなったのは「甘ったれんじゃねえ」ということでしょうか。
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 レジストがその代わりに【希望】になったのも違和感ナシ。そうなると戦闘だけを考えるなら攻撃に使う能力値と【希望】だけあればOK、数少ない技能は攻撃技能と〔自我〕さえあれば安泰だな! などとついほざいてみたものの、やってみると戦闘関連の技能以外1dしか振れないというのはリサーチでかなり死ねる(どうせ何やっても殺戮者と戦うことになるんだからどうでもいい、とかぬかす奴はブレカナ以前にTRPGに向いてない)ので、せめて〔知覚〕か〔隠密〕、〔交渉〕〔事情通〕のいずれかは2レベルにしておいた方が無難だ(体験談)。また【知性】は〔知覚〕と〔隠密〕に使えるので一見無縁に見えるグラディウスなんかが高くても無駄にはならない。〔知覚〕はともかく〔隠密〕を【知性】で振るのもちょっと不思議だが。ああ、無駄にはならないがデクストラは【知性】が高くても特技でそれを活かせるものが少ないという珍アルカナになっていたな。みんな〔錬金術〕を使わないどころか雷の杖で射撃もせず、《錬金連装》ばっかりしてるイメージがあるデクストラの癖に〔錬金術〕1レベルどまりとか貴様らそれでも「カブキのくせに〈芸能〉も取らないとは何事か」と説教した人種か! おれはコケにされるとけっこうネにもつタイプでな。
 話の腰がジャガッタ・シャーマンのようにベキッと折れたので元に戻すと、言われて気付いたのだがブレカナの能力値はちょっと不思議な関係にある。行動値が低すぎる装備ができないのは周知の事実であるが、行動値に関係するのは【反射】と【知性】で【体格】は関係ない。つまり重い鎧を着るにはムキムキマッチョではなく俊敏性や頭の良さが求められるのだ! あんだけ力任せなシステム(褒め言葉)でマッチョ否定思想を目にすることになるとはクソッなんて時代だ!
 命中とダメージで能力値が違うとかだせえよな、というか分けないで下さいお願いしますと痛感したのはSW2.0に他ならない。肉弾戦やっても射撃やっても命中には【器用度】が必須であり、モンスター・レベルが直に回避に反映されるシステムだけに成長のサボリは許されない。が、悲しい事にローグやレンジャーレベルがマトモに使えるビルドでもないと、命中以外でせっかく高めた【器用度】が使われる機会は殆ど無い。【敏捷度】は回避に使用するがこれまたモンスター・レベルが命中に直結しているシステム、どうせ回避できんならあってもなくても……と思っていると先制判定で負けて死ぬ。あとたまに移動力が追い付かず泣くハメになる。局所的にしか使わない能力値だけど捨て置くわけにはいかないというのは色々ムズ痒い。ちゅうかあのシステム、【筋力】も【生命力】も【精神力】も1点2点の差が大した影響にならないシステムだったな。【生命力】【精神力】は抵抗に関わるのでボーナスが伸びる域まで達すればまだうまみはあるも、【筋力】に至っては+6されたところでダメージが1点伸びるだけだし。武器防具の必要【筋力】には必要だが制約を満たすための能力値というのは、能動的な使い道と言えるのか。てか、基本的に素の能力値より技能レベルの方が重要なシステムだからか……
 唯一の例外は【知力】で、コレを伸ばすと呪文のかかりやすさもダメージも伸びる、っていうかあのシステム呪文職と前衛職で求められる能力値が違い過ぎるんよ。【知力】と【精神力】さえあればなんとでもなる呪文職に対して、前衛に進むとダメージと必要【筋力】のために【筋力】はいるし命中させるために【器用度】はいるしダメージに耐える【生命力】もいるし、精神抵抗のために【精神力】は誰にでも必要だし(しかもいい武器を持つには特技が必要)。ノーコストで戦えるんだからという言い訳もあろうが、結局練技でMP使ったりするしな、いやさ消費するリソースは同じなのに呪文職しかMP伸びないという仕様を俺は許さへんよ。呪文は防護点無視抵抗されても半減ダメージ、クリティカルが基本10って仕様にもな。ボス戦で一番危機を感じたのが打撃力でも特殊能力ではなく、PCも使える呪文、それもあからさまにNPC用の【フォース・イクスプロージョン】連発だった経験を思い返すとなおのことそう信じたくなるも、能力の話からズレてきたのでこのぐらいにしとこう。SW2.0のグチが長過ぎた。
 メタリックガーディアンではものがロボットものだけに操縦者の能力値をダメージや装甲に反映することはなかった。まあ、命中や回避に反映できるならダメージや装甲に反映できてもよさそうなもんだが……と思いきや、アルシャードも同様だった。スタンダードなRPGを自称(異論はあると思うが名乗るだけなら勝手だからな)していながら、ダメージや防御力に能力値を反映させないとはかなり思い切った仕様だ。一部を除いて戦闘能力は能力値ボーナスの平均を取っており(セブン=フォートレスにちょっと似ている)、一点突破を難しくしている。特定の能力値に依存するのを避けた結果だろうけど、これはこれで重要な能力値がどれかちょっとワカりづらくもある。ま、あのシステムだとスキルの取り方さえ間違えなければ、そこまで能力値にこだわらなくても大丈夫でしょうが。アリアンロッド2Eでもダメージや防御力に能力値は依存しない。FEARゲーの流行りなんだろうか(そういえばブレカナもそうだ)。アリアンの場合能力値が直に戦闘能力に反映されるが、1点にこだわるよりは、判定のダイスを増やせるスキルを優先すべきかと。またアリアンの場合【筋力】を使う戦闘能力はなんと移動力。思わずズッコケそうになるが、【筋力】が高ければ重い武器を持てる(こっちはマッチョならOKだ)し、【筋力】依存のスキルを【筋力】が高いクラスはちゃんと持っているから安心だ。
 能力値の分担は重要ながら細分化され過ぎるのも困る。細分化した結果重要度もへったくれもない能力値ができるとか。真・女神転生覚醒篇は実に10もの能力値があるが、PC作成から伸ばすことのある能力値はそのうち一握りだろう。具体的に置物になる奴を言うと魔力と知力と魅力と加護と直観と器用さ。って半分以上やないかい! 一応、伸ばす機会の少ない中でもさらに少ない順に列挙したが。器用さを伸ばすことがあるというのは、武器の制限のため。ぶっちゃけこれ以外で伸ばす意味は格闘系だとほとんどないので、やがてみんな素手に走るというのも納得。直観も射撃回避にしか使わないので基本的に捨てることになるだろうが、超能力、特にPKは直観一本で攻撃も射撃回避も高くなるため、あとは精神力(これは誰でも必須なので自然と高くなるだろう)さえあれば攻守にわたってスキが無くなる。問題はレベルが上がるごとに増えていく消費MP、これだけは泣き所である。ドリアン海王よろしくチャクラ・ドロップは山ほど買ってあげよう。加護は魔法防護点に関わるものの、相当高レベルの悪魔でさえ魔法防護点が20点チョイだったりするのを見ると、これは装備品で何とかする数値なんだなとプレイヤーが判断しても責められはしまい。魅力はサマナーでなければまず使わないが、使い道が仲魔に引き込むための会話という鳥獣用ポイントのため局所的も局所的ながらおろそかにはできない。また、直観・加護・魅力は戦闘には使わないがリサーチ中に求められる機会が多いという点で、全員が全員低かったりすると、ちょっと困るかも。
 リサーチに使うかもしれないというと知力もそうだけど、このシステムだと知力って技能取得の制限ぐらいしか出番がないもんで……魔界魔法以外にまず使わず、リサーチに使う機会もそうそうないであろう魔力こそ覚醒篇における置物オブ置物の能力値の座がふさわしかろう。一応、魔法防護点に反映されるのであるが、その目的なら加護を上げた方がもう少しいいことあるかも。流石に反省したのか、メガテンXだと半分に切り捨てられました。元から半分も必要な能力値が無かったんだからこれは当然の処置か。
 クトゥルフはPOWとEDUさえあれば、できればCONもあると尚良いというのがクトゥルフにおけるマンチの弁だと考えておりますが、世の中にはAPPを高くするためだけに振り直しをするプレイヤーもいるそうで、TRPG環境というのは様々だ。不必要な能力値は容赦切り捨てられ、最も不要であろうAPPに最低値が割り振られるためにD&D以上の超ブサメンが闊歩するのは当たり前、が筆者の知るクトゥルフなのですが。「これほどまでにAPPが意味を持つセッションは初めての気がする」とプレイヤーにのたまわれたのは伊達ではありませんぞ(自慢にならん)。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

TRPGこぼれ話#287~射撃の思い出~

 筆者は薄い鎧で華麗にかわす軽戦士よりも分厚い重装鎧でブン殴り合う泥臭い戦闘の方が好きだと以前書いたけど、そんな趣味故後衛から射撃するよか前衛の肉弾戦の方を好む。とは言え射撃にもそれなりに思い出というものはある。
 初めてやったTRPGのソード・ワールドではレンジャーが経験点少な目で伸ばせて弓も打撃力が高いので、ダメージ自体は割と高かった。ただマトックやモールに選択ルールの強打まで持ち出されるとちょっと厳しく、これに対抗しようとするとクロスボウという選択肢が人気だった。装填しておく手間はあるがダメージのレートはやたらと高いので、開幕の一発で使う分には強力だった。高レートに目を付けて使い捨てにする戦法が横行していたのか、装填のために糸を巻いておいた状態をどこまで認めるか、ちょっと議論になった覚えがある。その程度で議論になるんだから思えばのどかな時代だった最終的に一番やばい火力は、ダメージ減少しか通じない上にクリティカル値が10の呪文という事実の前には屁みたいな問題である。SW2.0でも固定値はべらぼうに上げる手段こそ増えたが、結局この結論は変わってない気がする。
 そういやSW2.0では射撃をするにはシューターと《精密射撃》が必要という余計な手間あり、かつフューチャーされているのがマギテックシューターのため、どうにもやる気が起きない。二丁拳銃の火力は確かに凄いが命中判定が必要な上に実現に時間がかかる、バカスカMPを使うことを考えると別にソーサラーで呪文を撃ってればいいんじゃねえの、という気がしなくもない。防護点が高くて回避の低い奴には強いと聞くが、基本的に防護点も高ければ回避も高い奴としか戦闘しなかったオレはどうにもその有用性を信じ難い(高レベルになれば強いと聞くが)。純正シューターは完全に未知数。用意されてる特技が《射手の体術》であることを考えると、何となくロクな扱いをされないんだろうな、という予感はする
 D&D3eでは弓矢だと【筋力】ボーナスを乗せるにはマイティ・コンポジット・ボウでなければならず、しかも等級を定められてるもんだから固定値を伸ばすのが結構大変で、《速射》による手数の増加は必須だった。それでも【筋力】ボーナス1.5倍の両手武器と《強打》から生み出される、あの狂ったような火力に対抗するのは容易ではなく、基本ローグで急所攻撃コミでやるもの、というイメージだった覚えがある。《武器開眼》とロングボウもそれはそれで強かったが。PFにて《致命的な狙い》という絶好の特技が加わった上に、3e系列にはびこるでかい=強いにのっとった接触ACのチョロい連中を恐怖のズンドコに叩き起こす最終兵器《針の目を通す狙い》という到達点まで用意されて至れり尽くせり。地位が補強されただけでなく、レンジャーのアイコニック・キャラクターのように、クロスボウによる一発狙いなど方向性も多様になった。ただ、相変わらず《近距離射撃》《精密射撃》の仕込みは面倒だけど。
 4eはさらに制限が緩くなったが、射撃というとハンターがディスラプティブ・ショット撃ってた思い出しかないや。呪文と射撃の差もほとんど無くなってたなあ思えば。最終的に突撃してすごい火力を叩き出すことにみんな走っていた覚えがあり、これまた射撃の印象薄い。ただ暴れ役相手にディスラプティブ・ショットの動けない状態で足止めするのが物凄く楽しかったので、コレが一番熱心に射撃型のキャラクターをやってたシステムかもしれない。グリーン・ドラゴンを追加行動も含めて2ターンに渡って足止めしていたのが俺の射撃型PCのMAX。
 5eでは射撃ファイターが一派として存在するが、ハンド・クロスボウを近距離で撃ちまくるあれを射撃型として認めていいのかには少々の議論が必要であろう。レンジャーがハンターの道を進むとかなり面白い射撃型キャラになりそうなんだけど、そこまでのレベルで遊べるレギュレーションを体験してない上に、レンジャーというクラス自体が見たこと絶無だったりする。まあ1レベルがワーストと呼べる弱さの上に、戦闘以外で経験点が入りづらい環境だったりすると選びづらいというのはよくワカる。
 ウォーハンマーは射撃に対して回避も受け流しもできないため、一方的に撃たれまくると盾を装備して命中率を下げるぐらいしか対策がなく、非常にツライ。その代わり接近してしまえばピストルかクロスボウ・ピストル以外で射撃することができない。キャンペーンに参加していた射手はネズミ捕りのキャリアで手に入れていた犬をけしかけることで見事にこの欠点を打ち消していた。ダークエルフの射手との射撃対決でも、この犬を仕向けてダメージ・レースに打ち勝っている。クトゥルフでもそうだがやはり犬は正義
 そのクトゥルフは真面目にルールを運用しようとすると、回避した場合まったく行動がでけんので銃を持った人間に動物は絶対に勝てないそうな……銃を外さなければの話ですけど。言うても〈マーシャルアーツ〉蹴りの物凄い破壊力を見てしまった後だと、貫通する武器への耐性を持ってる神話生物がやたら多いのも含めてあまり銃器に走る気にならない(こういうことを言ってるから7版で〈マーシャルアーツ〉にメスが入るのだ)。それに、現代日本を舞台にしたシナリオが多いせいで、銃の技能を伸ばしてもそんなに撃つ機会がないし、そもそも所持してない場合が多い。所持を許されてる警察官でも無闇にバンバン撃つのは法治国家日本ではなぁー……と思ったけど、考えてみると周囲の警察官探索者はそれこそ天才バカボンの本官さんのように乱射するおまわりさんばっかりだった。そんなに気にすることないのだろうか。また銃器は圧倒的に撃った経験より狂人に撃たれた経験の方が多い。銃器のデータが『2015』で追加されて喜ぶのはKPだけ! というクソみたいな宣伝文句を見たが実際その通りで、毎ターン連射してくる銃器は場合によっては呪文や神話生物並に手を焼かされる。やっぱり近代兵器というのは怖いもんだ。
 メガテン覚醒篇のシューティング技能は銃の威力の高さのために序盤は重宝されるが、意外と威力を伸ばす特技が無い(ピンホール・ショットだけ撃ってればいいっちゃいいが)。銃の威力依存の為将来性もやや厳しいため、個人的には射撃するなら弓を推奨したい。強さが必要なのが難だが、特技も武器の性能も高い。考えてみると、このシステムも悪魔の特技フルオートの方が鮮明かもしれない。みんな射撃回避は大体捨てているところに炸裂する全体を対象にした射撃攻撃のクソ特技。基本的に覚醒篇はマスターだったので撃たれた記憶はありません。
 あー射撃全盛と言えばダブルクロスは射撃に必要な能力値を上げるとイニシアチブも高くなるので、凄まじく効率が良かったのを思い出す。キュマイラの完全獣化のダイス数で筆者も対抗はしていたが、内心近接戦に巻き込まれることもない安全圏から先手を取っての大火力を叩き込む様に震え上がっておったよ。3rdで全体的にシンドロームの強さが平たくなったけど、未だにGM禁じ手の一つに「退き撃ち」があるのを聞いて、もう少し何とかならんのかなあと思ったり。
 サタスペは割合だけなら射撃型キャラの方が多かったが、あれは肉弾戦に入るまでが大変な上に、先手を取ってフルオートで大体カタがつくからという消極的な理由で選んでいたからで、4eのように能動的に射撃を選んだとは言い難い。六門2Eのシューターも強いんだけど使ったことないんだよなあ。
 全体的に射撃型PCの機会が少ないと、やはりどうしても撃っているのを見た記憶か、撃たれた記憶の方が印象深いのう。しかしPCでやらなくても、マスターで撃った記憶もあるはずなんだけど……と考えて思い当たったのが、筆者の出す射撃型の敵って速攻で足止めの前衛を排除され、取り囲まれてボコられて終了とまるで射撃役としての仕事を果たさず散っていった輩ばっかりのせいかもしれない。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

TRPGこぼれ話#285~続編キャンペーン~

続編って始めたはいいけどよく失敗するよね……」とか言われたら、世の作家と呼ばれる方々やヲタクの多くは悶絶すると思うが、TRPGユーザの場合は余さず(偏見)悶絶するであろう
 ちなみに筆者が真っ先に思い浮かべたTRPGの続編モノは旧ソード・ワールドの『アンマント財宝編』だった……うーん。

 TRPGのバヤイは続編というと大体はキャンペーンだと思われる。単発の続編ということで始めたならあまり問題はない、っていうかコレキャンペーンになっていく過程なんであんまり続編モノとしてカウントしたくないな。まあそれはさておいて。
 PL、GM問わずキャンペーンで愛着の湧いたPCでまた続きを! という要望が出る気持ちは
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 ワカり過ぎる程ワカるのだが、にも関わらず世に悲しみと共に流星と消えた失敗した続編キャンペーンは絶えないのか。
 それは何故かと問うならば、媒体がTRPGなのがいけないんじゃないかな……。ミもフタもないけど。
 TRPGは出たとこ勝負、緩急自由自在、行き当たりばったりのドライヴが許されるゲームではあるけど、それだけに迷走やクラッシュなどのアクシンデントが発生しやすい。それも、他の媒体と比べ、格段に関わっている人もまったく意識していない事故が起こりやすい。それでPCが死ぬだけならまだしも、少しもドラマチックでもカッコよくもない死に様でロストされたりしたら、続編と沸き立っていた卓をあげて
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 こんな感じの弱っチングな空気になっても止むを得ない。PCの死は次のシナリオへの強力なヒキとなるけれど、それが単なる事故死だったりすると、ヒキにされた方も困るよね……しかもこのカッコ悪い事故死がTRPGってかなり起きやすかったりする君にも防御判定でファンブルしてダメージ減少を一切適用できず死んでいったファイターとか、振ったダイスがイニシアチブと継続的ダメージへのセーヴと死亡セーヴだけだった英雄級とか覚えがあるだろう? ない? 無ければ君は幸運だ!
 PCが高レベルになってると、こうした事故死の一つや二つ、三つや四つ、いやいや今ならさらにもうひとつ付けても対処できる手段があったりもするが……キャンペーンを経て成長したPCをそのまま使う続編というのも、それはそれで危険である。TRPGって往々にして高レベルは破綻するものだからね。っていうか前述したような、事故死の一つや二つ三つや四つそのまた五つをどうにかできるようなPCを相手にオレあんまりGMしたくないよ! やってる方もやられてる方も何が何だかワケがワカらないドラゴンボール的戦闘を毎度繰り広げるというのは、それが楽しければ一向に構わんのですがちょっと怖いもんがあるな。戦闘に限らず高レベルPCのやることというのは、D&Dの占術みたいにだんだん何をしているのかわからないぐらいに何が何だかわからなくなってくる。コワイ!
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こんな気分になるよね。
 個人的にTRPGで一番面白いのは中堅(できることとできないことのバランスがちょうどいい)と思っているから、高レベルPCによる続編というのは、「このレベルだとこんなことができるのかあ」というお試し程度に収め、せいぜい前・後編ぐらいが安全策ではあるまいか。休みなく続けていたキャンペーンと地続きならよく馴染んでいるだろうからともかく、スパンが空いてからの続編でいきなり高レベルPCとなると、何ができるか把握するまでの間に高レベル帯なら何してもいいと言わんばかりの敵のクソ能力でなんもせん内に即死、とかも十二分にあり得る。
 TRPGで続編というなら、設定だけを引き継いで新キャラスタート……という世代交代が無難と言いたいが、無難と見せかけてこれも難しい。世代交代した続編で成功した例というと、成功した続編モノの中でも特に数が搾られるんじゃなかろうか。それはひとえに前世代のキャラクターの扱い方の難しさで、これをしくじると作品そのものがコケかねない。そしてしくじる要因は無数にあるのがさらにさらに困る。前世代より魅力がない、前世代の退場理由が納得いかない、前世代に現世代が食われる……エトセトラ。
 特に「前世代の退場理由が納得いかない」「前世代に現世代が食われる」は世代交代キャンペーンだと考えておくべき。身近にいる自分たちより遥かに強いPCというのは、社会的立場とか個人的事情とかで出張らないようにする手段でいくらでもあるけど、かといって裏方の仕事だけというのは、PLからするとせっかく自分たちで育てたPCが出てきたのに、と物足りないかもしれない。が、具体的に活躍を描写するとうっかりすると吟遊GM一直線なのが難しいところだ。
 加えてTRPGにおいては、前世代をロールプレイするのが誰か、という問題もある。基本的にはGMが担当することになるだろうが、人によっては自分のPCを他人に借りられる、というのはイヤなことかもしれない。それで不本意なセリフとか喋らされたなら尚更。前世代PCのロールプレイをする際は時々担当PLに「~というようなことを言ってるけど、どうだろう」と確認を取るようにするとあまり気分を害さずに済むでarrow。
 キレイに終わったキャンペーンをまた再開して晩節を汚すようなオチになるのはどーもなぁー、というならスター・ウォーズやドラクエ的に前日譚的なセッティングにするという手もある。この場合は前日譚という縛りにあまり執着せず、ハナっから「ここで起きた事はあのキャンペーンに繋がるが繋がらないこともある」とパラレルワールド宣言しちまう開き直り根性が大切だ。迂闊に若い頃とか親とかPCやNPCで作って死んだりすると単なる続編以上に辻褄合わせに四苦八苦することになる。それがどんだけヒドいことになるか、知りたい人はサタスペリプレイの『アジアンパンク GO! GO!』収録の特別編を読むといいだろう。本編が美しくまとまっているだけにオレは読まない方がいいと思うが

 TRPGでキャンペーンの続編をやる、それも間を空けて、というなら、形態は問わず「続編であることにこだわり過ぎない」のが重要なポイントとなるだろう。熱意というのは何事にも大事なものだけれど、それが過去の遺産に向けられると上滑りしやすい。持つべきはリスペクトしつつも踏み越える向上心と図太さだ!
 筆者としては続編キャンペーンやるならここで語った世代交代型のセッティングを選びたい。終わった話を掘り返すのにあんまり気が進まないのと、どうせやるなら気分を一新して遊びたいので。一つのシステムで何度もキャンペーンをやる機会があんまりないので、いろんなPCをイチから育てる喜びを分かち合いたいのよ。直接PCが世界を変えていくよりも、PCによっていかに世界が変わっていったか……をGM側で語る方がハンドリングしやすいし、フカシもこきやすいという都合もある。
 世代交代型セッティングで良い例というと、ジョジョ四部を挙げたい。承太郎があれだけ完成した元主人公ながら、現主人公の仗助を食わない絶妙なポジションを保っている。杜王町の日常に潜む悪意や殺意がテーマであるため、いかに強キャラであるからといって常に頼るわけにはいかない、という事情も巧みな仕掛けだ。四部のトラブルはなし崩し的に巻き込まれるとか、友達の恋愛騒動だとか、承太郎にわざわざ依頼する理由が薄く、個々人で解決しなければならない題材が多いんである。携帯電話もそんなに普及してなかったから、すぐに連絡をつけることもできないし。
 一方娘の徐倫が主人公の第六部では、ここで指摘しているような続編の難しさを感じさせる、アレな感じの親父っぷりを発揮しちゃってましたが……。
 またスピードワゴンとSPW財団も、筆者が提唱している「存在を匂わせるが大々的に関与しない」という前世代要素のウマい出し方である。スピードワゴン本人が亡くなった後も通してジョースター家を支え続けた影響力は発揮し続け、ジョジョを象徴する名として残り続ける。かつ研究・調査など面倒な裏方仕事を担当し、派手な見せ場は主人公に譲る奥ゆかしさ。見事な年季の入ったバイプレーヤー稼業である。
 人によっては同じキャラクターを版を跨いで遊び続けている(そのシステムで遊ぶ時は決まってそのキャラ)とか、キャンペーン世界だけは引き継いでPCとシステムは変更で長い長い話を続けているとか、続編モノにも色々やり方があるもんだ。後者のような遊び方をしているのが『ヘルシング』『ドリフターズ』の平野耕太さんで、「ゲーム内の時間は50年近く進んでいて、自分のキャラが敵として出てきている」と語っていた時はほおー、と感心しました。思えばRPGマガジンとか魔獣の絆とかでも描いてましたね。
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できるもんなら俺もそんな長尺セッティングをやってみたいもんだ。
 さてここまで長々と語ってきた続編の考察を全てブチ壊しかねない素晴らしいアドヴァイスが4eのDMGに掲載されているので、ここに抜粋しておく。

「キャンペーンがどんな結末を目指して進んでいるかを自覚せよ。そして目指す結末に行き着いたなら、そこで終えるべきである。躊躇なく」
アンドリュー・フィンチ

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#141~コンバートのガイドライン~

 5eは過去の版のシナリオやなんやかんやをコンバートして遊べる! というのが売り文句だった……と言ってた気がする。妙に薄弱な記憶なのは、そういや以前の版の素材をコンバートするとか考えたことも無かったなぁ……と思い返したため。わざわざコンバートしなくても5eで処理がシンプルになったから、新しく作り直してもそんなに手間にならないし。てかそもそもコンバートできるもんなのかそんなに簡単に、と疑っていたのもある。D&Dって版が変わるごとに「昔は良かった新版はクソゲー」派閥や「新参お断りの旧版にしがみつくこの老害が」派閥、その横で「AD&Dも知らずしてD&Dを語るかこのヒヨッコどもめ」とニヒルに笑う派閥、「わしCD&Dしか絶対認めないもんね」派閥が入り乱れ熾烈な空中戦を交わす(以上勝手な俺のイメージ)ほどのシステムの大変動が起きてるもんだからさあ。ちなみに私は「各自好きなのを遊べばいいじゃん」と言いつつもTPOによって体色を変えるコウモリ、ところによりPathfinder派閥。
 しかし疑いつつも5eは歴代D&Dのいいとこどりを実現したシステム、それに必要に応じてユーザの環境に合わせてオプションを搭載することを示唆している、素の5eで遊んでもいい5eアサルトでも5eバスターでもいいなんなら合わせ技の5eアサルトバスターで遊ぶことも許される懐の広いシステムだ。ンまいことDMGのヴァリアントを起用していけば、版の違いを乗り越えて遊ぶこともできるやもしれぬ。
 そんなコンバートに関するガイドラインが公式で提示された第五隧道(仮)さんで知りました。今回もカゲシタさんの翻訳を参考にしています。グラシアス!)。コンバートについて言及されているのはPCとシナリオ。
 まずPCについて、4eのキャラクターの場合はレベルを2/3とする。なんで4eだけ具体的に、しかも妙に中途半端な分数が出てくるのかというと、4eは最初から30レベルまでを想定していたからだろう。また、これに従うと端数切捨てなので4eのPCが3レベルになる頃、初めて5eにおいて2レベルに到達することになる。4eにおいては都合2レベル分の苦労でやっと5eのPCが1レベルアップというスピード差を思うと、公式シナリオで1レベルで苦しむ期間が妙に長いのも納得……あまりできんな。
 種族は5e収録のものから最も近しいものを選ぶように指示されているが、一部データの置き換えに関しては認められている。例えば3eのワイルド・エルフはスピアとジャヴェリンに習熟しているため、これを再現するために“エルフ流武器訓練”のロングソードとショート・ソードの習熟の代わりにこれらを用いる、など。また3eのエルフはレイピアにも習熟しているので、ロングソードとの交換も考えられる……ってか3eのエルフがレイピアに習熟するなんて忘れてたそんなの……。すっかりロングソードとロングボウの習熟っていうイメージだったもので。ただ、差し出がましい事を言うとエルフの能力値修正とレイピアはロングソードより相性が良いので、これを等価の交換とするのは意見が分かれるところだと思う。レイピアと置き換えるなら、同じ軍用武器かつd8ダメージのロングソード、ロングボウ、そしてレイピアのいずれか一つに習熟、ぐらいが妥当ではなかろうか。
 もうひとつ、種族の特徴に関しては一貫性を持つもののみ保持すべきだとも書かれている。特に単一の版のみに現れる種族特徴は無視せよ、とのこと。確かにヒロイック・エフォートとかヒューリアス・アソールトとか5eにコンバートされたらえらいことになるもんな……いや違った、種族パワーは基本無視するか類似した呪文効果に置き換えよ、だそうですよ。またそれらが解禁されるのは、置き換えた呪文を発動できるレベルに達してからとなる(ティーフリングの擬似呪文能力の解禁が遅めになったのはこのガイドラインのせいだろう)。
 種族特徴に表れる修正値(例えばセーヴ+1とか巨人に対してAC+4とか)は、+4or-4より小さければ無視、それより大きければ習熟ボーナスや有利/不利として扱われる。細かい修正値がおおむね死滅した5eらしい裁定である。
 クラスに関しては最も近いものを選ぶべし、特に元のクラスにこだわる必要はない、としている。CD&Dのマジックユーザーならスタイルに合わせてソーサラーやウォーロックを選んでも良いし、パラディンや戦のクレリックがファイター/クレリックのマルチクラスを再現するのも良い選択肢になるだろう。という無難な指示と見せかけて、4eのアヴェンジャーは5eのボウ・オヴ・エンミティを持つ絶対殺すマンこと復讐のパラディン(うn)もしくは影の道のモンク(うn?)果てはクレリック/モンク(うn!?)とか物凄いことが書いてあったりしち。ウォーデンがハンターのレンジャーってのもホントか?
 能力値に関しては、種族修正と種々の修正を合わせても+3までに押さえ、一つの能力値に対する種族修正が+2を超えることを良しとしていない。この辺は5e用の種族を見れば文句のないところだろう。能力値そのもののコンバートに関しては5e形式であらためて組み直すことを推奨しているし、筆者もこれを採用することをオススメする。4eだとポイントバイで20以上の能力値を作ることは結構簡単だったが、5eではダイスを振らない限り20以上の能力値は生まれないどころか、ポイントバイでも上限は17。そして習熟ボーナスが伸びづらい5e環境で、能力値修正の1点の差というのはたかだか1点ではなく、どえらい差となるからだ。
 そうは言いつつ20以上の能力値があったらそれをそのまんま使えというたまげた記述もあるんだけど、これを採用する場合は同じ方式でPC全員の能力値を決定した、ハイパワーなゲームということを納得してもらうコンセンサスが必要となるだろう。
 技能に関しては、5eだと背景によって指定されるぶん、コンバート元の技能に適したものを選ぶとPCの設定との齟齬が生じやすいと思われる。これに対してはむしろコンバート元の技能から新しい背景を作るという対処法が提示されている。特に4eの背景やテーマはこの辺とマッチしていてE感じだ。
 特技は扱いが完全に別もんになってしまったので、基本的に無視するか、取得を考えるのは人間で作成する、もしくは4レベル以降の能力値成長の引き換えとして取得するしかない。一方呪文は5eで古式ゆかしいラインナップになったので、同じ名称もしくは類似の効果を探すのは困難ではないだろう。みんな大好きテンサーズ・フローティング・ディスクもちゃんとあるで!
 後は、細かい話だが4eだと秩序なら善、混沌なら悪しかなかったんで考え直す必要がある。もっと細かいこと言うと真なる中立じゃなくて無属性だったな。それと夜目も消えて殆ど暗視になった。これで暗視も無しに地下探検? とかドラウに鼻で笑われずに済むワケだな。
 んで次に冒険というかシナリオのコンバート。
 ここでは方法よりも、CD&D、AD&Dではひとつひとつの遭遇は簡単にして、数をこなせるようにしてある(だから異なる敵グループが増援として加わるのも簡単)一方、3eと4eではPCのレベルに合わせた遭遇の作り方をしているという指摘が興味深い。特に4eではEncountersやダンジョン・デルヴで提示されているように、他の版と比べると戦力の一極集中と少数の遭遇というイメージが強い。散発的な遭遇が続く他版と比べてこの違いは割と珍しいのではないだろうか……っていうか他の版が遭遇多過ぎて、3eでさえ公式シナリオを見るとダンジョンのフロアごとに戦闘が待ってたりしてな。ウォーハンマーだと宿屋と馬車を見たら襲撃と思え、だったがD&Dではフロアを移動したら遭遇と思え、だな。もっとも4eでもシャドウフェル城とか似たようなもんなシナリオはあったが。
※なお、「4eの場合はコンバート元の遭遇レベル×2/3が5eにおける遭遇の難易度になる」という表記は「7レベルキャラクターのためにデザインされた冒険で遭遇レベル9の場合~」というくだりに関係ないと思われる(例によって4eは30レベルまでを想定しているためだろう)。
 モンスターのコンバートはシナリオに限らず心強い。版を変えると消えてしまったモンスターというのは結構多いから、お気に入りのあの子が消えてしまって残念がったキミも俺も安心だ。
 データ・ブロックが3e以降とだいぶ異なるCD&D、AD&Dのモンスターは以下のようにコンバートされる。
・AC→19-クリーチャーのAC。最大で22。
・攻撃ボーナス→HD/2+2。最大で+12。
・セーヴDC→8+HD/2。最大で20。
・得意な能力値ロールorセーヴはHD/2+2。そうでない場合は修正値を用いないか、苦手なものならペナルティを使用する。
 思えば昔はACは低い方が良かったんですねえ(遠い目)。
 3eの場合は
・AC→実際のACと接触ACの平均もしくは2割減。上限は22。
・攻撃ボーナス→適切な能力値修正+3。
・セーヴDC→10+適切な能力値修正。
・能力値ロールorセーヴは能力値修正値を使い、得意なロールなら+3。
 ACについてはかつては接触ACなんてもんがあった故の処置だろう。あれのせいで何度重戦士が涙を呑んだことが(ギリギリ)。まあ俺もマスター側でかなり呑ませたが。攻撃ボーナスやセーヴがHDに応じた習熟ボーナスでないのがやや気になるが、実は元から5eもたまに習熟ボーナスに基づかない謎のデータもあったりする。ブラウン・ベアの攻撃ボーナスは+5なのだが【筋力】は19、【敏捷力】も10、一体何を基にこの+5が導き出されているのかがワカらない。
 んではこのコンバートを、3eで一番好きだったクリーチャー、ジルに当てはめてみる。
 AD&Dのデータをコンバートすると
・AC→19-0=19
・攻撃ロール→5/2+2=4
・セーヴDC→5/2+8=10
・ジルが得意であるロールが何であるのかイマイチ掴みかねるのだが、不意討ちが得意という特性から【敏捷力】のセーヴは得意とする。寄って5/2+2=4
 HDが低いせいで経験点の割にAC以外はどえらくしょぼい修正値になってしまった。THAC0は15なのになあ。
 んで3eのデータが元でははこんな感じになった。
・AC→(20+13)÷2=16or20×0.8=16
・攻撃ボーナス→【敏捷力】修正値+3(武器がショート・ソードなので技巧特性を持つ)+3=+6
・セーヴDC→10+【耐久力】修正値+2=12が麻痺に対するDC
・来訪者は全てのセーヴが得意なので特徴が出づらい。こちらも【敏捷力】のセーヴには+3が乗るとした。
 やっぱり攻撃ボーナスがかなりしょっぺえが、元から手数と手管で押すタイプなのでこんなもんかもしれない。
 全体としては柔軟に版に合わせてコンバートせよ、が指針なのでぶっちゃけガイドラインとして示されるほどでもないかもしれないが、公式自ら必要とあらばデータを置き換えていい、とアナウンスしてくれるのは心強い。クリーチャーデータのコンバートも、3eのMMを持ってる人にとっては面白いサジェスチョンになるだろう。っていうかPFのウィキからデータをぶっこ抜いて来てもいいんだし。と言っても忘れてはならないのは、柔軟に版に合わせて、かつデータをよく見て判断せよ、という大前提の忠告。版が変わってゲームそのものも様変わりしたのなら、遭遇そのものの難易度も様変わりしていてまったくおかしくない
 例えば3eのファイターはコボルドに囲まれてもそう簡単に倒れはしない。4eの場合は、囲まれるコボルドの質にもよるが割と倒れる可能性が高い。5eの場合はコボルドに囲まれるとまず確実に倒れる。TRPGというのはフランクな遊びだけに杓子定規は事故の元だ!

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