We are Pathfinders!#275~ワンドはワンドでも世界が終わるまではWANDS~

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また一ヶ月更新が空いたことに気付いた筆者
 しかも先月はまるまる更新が無かった。
 仕方が無かったんです。十月は色々酷かったので。吐きそうなほど酷かった。というか吐きました。弱音とか。うがいした後の水とかね。
 アホなことはさておいて、久々の更新はちょいと思うところがあったのでPFのワンド特集。1本買うと50チャージというえっ本当にそれでいいのかよとルールを見るたびに思うあのトンデモアイテム、キュア・ライト・ウーンズのワンドを腕がもげる程振って戦闘後の負傷を治したり、ダンジョンに入る前にメイジ・アーマーのワンドを振る機械になったりしてる術者も多い事でしょう。それというのも呪文使用数は巻物やポーション、ワンドで何とかせんといかんシブチンなシステムのせいというのもあるが。そんなワンドで準備しておくと便利な呪文をずらずらと挙げてみたずら。ワイアードのベックじゃなくてラブライブのずら丸ずら。
 ちなみにレギュレーションでは買った場合ハーフチャージ(25回で半額)というものが多いようだ。まあ、当然と言えば当然か。
 んで、そんなワンドで何の呪文を用意すればいいのか、というのが今回の趣旨。クラス解説とかで「このワンドを買うのがいい」とはちょくちょく書いてはきたけど、その総集編&アップデート版てな感じだな。ちなみに2レベル以上になるとワンドは途端に高くなる(4500gp)。そういうものをバンバン買えるようになっている頃には、ワンドに頼らずともなんか不思議な力で何とかできるようにPCはなってるだろうから、1レベル呪文&1レベル術者作成前提ね。「パラディンにとってレッサー・レストレーションは1レベル呪文なんでワンドで買います」とかぬかす輩はシゴウしちゃる!(GMが許可出せばいいけど)

キュア・ライト・ウーンズ
 定番中の定番。ハーフチャージとしても、回復量の期待値5×25=120点もの回復を補えると思えば経費で領収書切っても税務署に突っ込まれることはありますまい。メンド臭かったら「期待値で1回ごとに5点回復したことにしていいですか」と聞いてもいいだろう。

メイジ・アーマー
 これも定番。ウィザードやソーサラーが自分に振るのはもちろん、モンクなど鎧を着られない人、鎧のACボーナスが低い人に念のため振ってあげたりもする。動物の相棒やサモナーの幻獣に使えるのも嬉しい限り。

ハイトゥンド・アウェアネス(ACG)
 これは新顔。使えるクラスがやたらと多く、持続時間も10分/レベルと長い、そして〈知識〉〈知覚〉に+2、効果を終了させることでイニシアチブ+4というサギ臭い性能。これをたった375gpで25回も使えて本当にいいんですか、と特に強く訴えたい。ワンドで使うと時間がちょっと心配かもしれないが、技能判定に応じて振ったり、新しいフロアに入る時や遭遇が予想される時に限って振るだけでも十分だろう。

アイデンティファイ
 魔法のアイテムを拾う機会の多いPFだけに、うっかり呪われたアイテムを装備してしまったりすることの無きように。効果時間は短めながら、気になるものを発見次第使えばいいのであまり気にしなくてよいのもワンドで済ませるのに適している。べらぼうに高いボーナスはどうせ術者レベル関係ないしね。

コンプリヘンド・ランゲージズ
 金が無い間は巻物で何とかしたい呪文だけど、1本ぐらいワンドにしておくと未知との遭遇の時に色々と安心。アイデンティファイよりも使用する機会が限られそうだが、一度必要な局面になると巻物やスロット発動ではおっつかない恐れもある(例えば、言語の通じない種族相手に長期間接触して交渉しないといけないとか…)。この種の呪文にしてはびみょうに持続時間が短い(術者レベルごとに10分)ところもやや不安ということで、回数に心配が無いワンドで用意してみてはどうか。

ブレス
 ワンドで用意できる支援効果としてはこれもかなりインチキ臭い。うまく士気ボーナスで重複しないよう他の支援を考えたい。

リムーヴ・シックネス
 リムーヴ・フィアーと比べて対象を増やせないので、使用回数を気にしなくていいワンド向き。あと、恐怖に陥ったPCって大抵物凄い勢いで距離を取るんで、ワンドの範囲から外れやすくて……その点、吐き気がする状態は1回の移動アクションしか取れないから対象より遠ざかりづらくて安心だな(本当はそのせいでもっと惨事になりやすいのだけれど)。

リデュース・パースン
 小型種族がパーティにいる時に持っておくとなかなか面白い。狭い所を通ったり、荷物の中に隠れたり……。

イル・オーメン(APG)
 使えるクラスはちょっと限られるが、やることがなかったら取りあえずこのワンドを振ってるぐらいでもいい。それだけでGMゲンナリ。あんまりヘイトを買い過ぎると敵が呪文抵抗持ちばっかりになるが。
 〈呪文学〉を持ってる奴にはバレたら移動アクションで無効化されるが、全力攻撃を封じられるだけでも相当に嫌がられることだろう。また、話すことができ、片方の手が自由でなければいけないなど、人型生物でないクリーチャー相手に地味に有効な制限&術者レベルに左右されず妨害を期待できるのが素晴らしくワンド向き。セーヴ不可って偉大だね。

グリース
 これは組みつき対策。グリースには鎧や衣服に効果が発揮している最中、〈脱出術〉判定、組みつきから脱出するための戦技判定、組みつきを避けるためのCMDに+10の状況ボーナスを得るという特性がある。射程はやや短いが1分間継続するため、これで脱出してからも持続するのがGoo。鎧や服ならルパン脱げするようなこともないだろうし。
 組みつき対策に特化しているリベレイティング・コマンド(UC)は1レベル術者で発動するとボーナスが些細なのでイマイチ。ワンドで用意するなら、割り込みアクションで脱出の判定を行わせることに着目して使うべきだろう。

フェザー・ステップ(APG)
 今回紹介する中でもシブイ呪文ながら、なかなかどうして強力な支援効果。移動困難地形を無視するのは飛行することが当たり前のようなレベルじゃなきゃ結構大変なのだ。これで「冒険者たるもの地面全てが移動困難地形のダンジョンへ対策してくるぐらい当たり前だ、な?」とかぬかすクソシナリオも安心だ!(あれは割とクラス・レベル高め向けのシナリオだった気もするけど)。
 持続時間が10分と長く、決め打ち気味に撃てるのも利点。元の呪文だと対象を増やせないぶん、ワンドで数を稼ぎたい。使えるクラスが限られているのが実に残念。

マインドリンク(OA)
 これも新顔。10分間かかる情報伝達を一瞬で終わらせることができる。言語を使わないから盗み聞きされる恐れが無いし、イメージ映像で伝えるから複雑な視覚・感覚も克明に描写できる。情報交換以外に、場を盛り上げる効果としても楽しそうである(死にゆく人に、生き別れた娘の姿を語ってあげるとか)。セッション上だとかくかくしかじかで済ませる情報伝達をマジでそうできるエクスキューズにもなるから、リアルリアリティによるツッコミを避けるのにも有用。

オブジェクト・リーディング(OA)
 今んとこオカルト連中しか使えるクラスが無いのだが、情報収集に凄まじく便利。関係者の口を封じることはできても、物品の口を封じることはそうできないからな。現場は語るとはこのことか。ただし、GMに語らない権利があることも留意すべきではある。やり過ぎると触れる物体にことごとくインプラント・フォールス・リーディングがかけられたりする恐れもあるし。あと重要な情報が出てきそうな場合はちゃんとスロット発動して精神集中しよう。

マジック・ミサイル
 何度か言及したことはあったが、いくらチャージ数が多いとはいえ標準アクションを使って1d4+1点というのは、ワンドを買えるようなレベル帯になるとちょっと効率が悪い。やることがない時のために、と言ってもそれ以外にマシなことはいくらでもクラス特徴で追加されていくだろうし、他に攻撃手段がないからこれに頼る、というほどの長丁場というのは実はシステム上少ない……というかパーティがかなり不味い状況に陥っているはずだからあんまり想定したくもない。
 それでも、確定で最低でも2点ダメージを与えられる駄目押しの手段というのは最後の最後の策として持っておくのも、まあ悪くはない。例えばGMがうっかり「あぶねえ、ちょうど1点で残った」とか漏らした時がこいつの抜きどころだ。

 さて、ここでワンドのルールを再確認。
 ワンドは呪文開放型のマジック・アイテム。例えその呪文を修得していなかったり、まだ発動できなかったりしても、呪文リストにその呪文があれば起動することはできる。例えばレンジャーが呪文を使えるようになるのは4レベルからだが、フェザー・ステップはレンジャー呪文リストにあるので、フェザー・ステップのワンドなら起動できる、という寸法。修得呪文数のしんどいソーサラーやオラクルはどんどん活用していくべし。
 この呪文開放型で特筆すべきは機会攻撃を誘発しないこと。さらに組みつかれている状態でも問題なく使用できる。組みつかれている最中の精神集中DCは相手のCMBを参照するため無体な数値になりやすいだけにこの抜け道は覚えておくが吉。例えばダイア・タイガーに丸かじりされている最中でもポクポクキュアのワンドで頭を叩いたり、自分にグリースのワンドを振ったりして脱出の補助にしたりすることができる。それと、あまり気にならないだろうけど、防具の呪文失敗確率を被らない。
 なお、発動時間はGMによって解釈が分かれるところがある。ワンドの発動時間は基本的に標準アクションであり、それより長い場合は呪文に準ずる、これはよい。が、標準アクションより短い時間で発動できるような呪文に関しては、どう扱うのかが明記されていないのだ。ワンドのルールを見ると起動は前述の通り(基本的に)標準アクションとあるが、魔法のアイテムの項だと、呪文と同じパワーを起動するためにかかる時間はその呪文の発動時間と同じとある(ちなみに巻物なんかはちゃんと最低でも標準アクションと明記されている)。
 例えばタイムリー・インスピレーション(APG)の発動タイミングは割り込みアクションだが、これをワンドで用意することはできるのか? 効果からすると割り込みアクションで発動できないと矛盾するのだが、かといっていくら起動がカンタンだからといって割り込みアクションでワンドをぶん回せるかというとちと無理があるような。これを当方が処理するとなると、待機していたアクションとしてなら発動してもよい、とするか……即行アクションの呪文なら標準アクションかな。この辺はGMによって判断が異なる(ルール的に混乱を生みそうなので全部ダメ、という人もいるだろう)案件なので、要確認。
 DC20の〈魔法装置使用〉に成功すれば、呪文発動能力が無くてもワンドを使うことはできる。巻物と違って呪文レベルに左右されない所がミソで、技能判定にファンブルは発生しない=固定値で19さえあれば失敗することなく起動することができる。クレリックが忙しい時はソーサラーが代わってブレスのワンドを振るなんて芸当も可能になる。
 ただ、固定値19は言うまでもないが大変だ。技能の固定値を伸ばす手段は豊富に用意されており、中でも手っ取り早いのは《技能熟練》 。《魔法の才》も一緒に〈呪文学〉に+2されるのがおいしい。これにクラス技能ボーナス+3を加えれば+8。技能ランク=キャラクター・レベルと換算し、能力値ボーナスを+4~+5と仮定すれば、6~7レベルで実現できるようになる。ただ、特技が《技能熟練》 と《魔法の才》で埋まると、ワンドを買えるようになるまではそれらが置物と化す可能性も否定はできない(《魔法の才》の〈呪文学〉はともかく、〈魔法装置使用〉がそんなにバシバシ使う技能かというと)。というかキャンペーンで作るPCではない気もする。特技2枠が技能関連ですってびみょうに他のPCの生存率に波及しそうだし。ある程度レベルを積んだレギュレーション向けかな。
 ハーフエルフは《技能熟練》 をボーナス特技で貰えるので、その辺は余裕がある。また種族修正でボーナスを底上げするのも言い手だ。サンサーランは好きな技能をクラス技能にした上にその判定に+2のボーナスを得るというなめた種族特性を持ち、これだけで2レベルの先取りになる(他種族もキャラクター特徴の〔危険なまでの好奇心〕でも似たようなことはできる)。ラットフォークも〈魔法装置使用〉に+2のボーナスを得られるところはいっしょ。
 そしてTRPG格言「金で何とかできる問題はとにかく金で片付けろ、金で何とかならない問題はビルドで片付けろ」通り、そんなに頑張らなくてもACGで追加されたワンド・キー・リングを使えばワンド使用時の〈魔法装置使用〉に+10ものボーナスを得られるのだムハハハ。3000gpと割と現実味のある値段なのが助かります。これさえあれば《技能熟練》 等のブーストがなくても、クラス技能ボーナスと技能ランクで固定値+19を達成するのはカンタンだ。
 これらは呪文発動能力が無いorその呪文がリストに無い人のする工夫であり、世には探してみるとそうしたものとは別に、ワンドに関連したオプションもあったりする。ローグには偽魔術師(ACG)というワンドを使うのに特化したクラスが用意されているし、サンサーランは〈魔法装置使用〉をクラス技能化する代わりに、“神秘的な過去生”でムリクリ他クラスの呪文をリストに加えてワンドで発動できるようにすることも可。ワンドありきのビルドをするなら一考してみては如何か。それと、ワンドを自由に発動できると言っても使うにはワンドを抜き、振る(そして使用後はしまう)という当たり前の動作が必要になるのも忘れてはならない。例えばパラディンがロング・アームのワンドを使えると言っても、両手が武器や盾で埋まるようならそんな仕込みをするヒマもない可能性が高い。どちらかというと自身の強化よりは、単独行動中にハイトゥンド・アウェアネスのワンドを振ったり、オラクルがグリースのワンドを組みつき脱出に使ってあげたり、行動の幅を広げる目的の方が〈魔法装置使用〉でワンドを使うのは適しているのではないかと筆者は考える。
 最後に、自分の呪文リストをじっくり見ておくこと。PFの呪文リストには領域や系統など、他のリストから加えられるものも多いし、意外なクラスが意外な呪文を覚えたりもする(二重呪いのオラクルのイル・オーメンのように)。せっかくサモナーがアイデンティファイを使えるのにワンドを買い忘れてた、なんてことがないように(冒頭で語った思うところ)。いやあいつコンプリヘンド・ランゲージズも使えないから、便利系の呪文を担当するって発想が抜け落ちててさぁ。

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D&D5e余話#186~5eことはじめ記・いつかドラゴンスレイヤーになるために バード編~

 またも更新しないまま9月が終わる!
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↑日付を見て戦慄する筆者
 このままダンマリを決め込んでも別にブタ箱に送られるとか突然現れた怖いおじさんに5e日本語版を買う権利を取り上げられるとかそういうことはないので、いっそ寝正月までカマしてもどうせ世の中変わるわけじゃない(突如刹那的な人生観)が、もしかしたら更新するかしないかで自分の命をチップにしてるギャンブラーがいたりするかもしれないし、まあ一番は放置したままなのを見る俺が一番つらいので、重くなり過ぎて椅子と一体化した腰を持ち上げてやっこらしょうと執筆と相成ったわけです。
 そして気分一新とんでも発奮して更新せしパツイチは、驚くなかれ呆れるなかれ前回から3か月以上が経過した、5eはじめてさん向け記事だ。ファイター、ローグ、クレ公、ウィザードと四職来て、その続きは初心者向けということを優先した。その結果が前衛向けで、比較的やることがはっきりしてるパラディンにしたが、なんだか世間では汎用性の高い【敏捷力】特化パラディンという輩が闊歩しているそうで、頑張って【筋力】と【魅力】を併せて伸ばしてくだちとゆってる自分の指示と真逆の方向に進んでいるようで
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 だから嫌いなんだよ妙技特性だけで飯を食っていけると思ってるような輩はよぉ!
「ただでさえ【敏捷力】は技能やセーヴで汎用性高いんだから、これを戦闘能力に直結されたら【筋力】の立場ないよね」という言があったが、今まさにそれを見せつけられてる感じ(#^ω^)ピキピキ
 久々に更新していたらいつものディスリ癖というよくない持病が出てきてしまった。
 んで初心者向けということを優先するとなるとババリソになるのだが、前衛クラスを立て続けに紹介するのはどうか、というマリカーにおけるヨッシーのケツぐらい見飽きた話題になるんで、クラスの選択は技能役・信仰役・秘術役のいずれかということになる。そしてこの縛りだと初心者向けを選ぶのがかなり厳しい。基本四職以外が5eってかなり尖ってるため。やることがワカりやすいという点ではウォーロックなんかがそうだが、あれはただ単に決まったことしか「できない」というタイプだったりする。ドルイドも月はわかりやすいっちゃわかりやすいがあれは信仰役じゃなく前衛、しかも回復する気ない1レベルでいいことがない。レンジャーはいきなりUAを推奨するのはどうか、さもなくば素レンジャーでは1レベルでいいことが何もない、本当に何もない。ソーサラーはクラスからして変態クラスだ(竜のソーサラーだとよォ~極端な話、呪文の幅も使用回数も劣化ウィザードだからよォ~)。……パラディンの時も似たような事は書いた、つうかそれ以外で何度も書いた気がするが、まあ久々の更新だから大目に見てクレメンタイン。実際パラディンとババリソ抜きで残りのクラスからはじめてさんに何を紹介するか、というとほんとに悩みましたのよ。
 そして尻から屁が出る程考え抜いた結果、やるべきことがハッキリしているよりも、できる・できないの幅が把握しやすく、かつ何もやることがありません、という状況に陥りづらいこの人を二週目第二の刺客にセンバツすることにしました。

バード

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We are Starfinders!#01~Pathfinder、宇宙へ~

 今夏はいろいろあったせいでろくに更新できませんでした。
 そのうちのひとつに、PF翻訳・5e翻訳に続くBIGニュースが。
 先に言っておくと、PF日本語版発売日決定ではありません。5e日本語版より先に出るって聞いてたんだけどナー……セッションを生放送するらしいから、進んではいるようですが(鈴木銀一郎元帥や内山靖二郎先生がプレイヤーだそうな)。
 閑話休題。
 5eの他言語版解禁に負けじとトンデモ発奮したのか、PFもワールドワイドを飛び越えてさらに広い世界にすっ飛んでいきました
 Pathfinder、宇宙へ。
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ゴブリンも宇宙へ。スペースゴブリンもゴブリン魂ドッグスライサーは手放さない。
 Paizoがたまにやるゴブリンジョークではありません。手の込んだバカファンアートでもありません
 Starfinder、始まるよ。
 っていうか始まってるよ。DL販売も8/17から解禁されたし
 宇宙に飛び出てレーザーガンを撃ち合ったり宇宙船の戦闘になると突如ヘックスになったりトンチキなことをしたい人は下のリンクかPaizoストアで買ってくんな!

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D&D5e余話#185~ウォーロキアンへの道・後編~

 前回はウォーロックの「らしさ」を構成するであろうパズルのピースをあれやこれやとみつくろったところで後編はビルド実践編だ。
 んで、「これは」と思ったのが悪魔の視覚/Devil's Sight+ダークネス戦法。まずはここから考えてみよう。
 このダークネス戦法のあらましをもう一度整理しておくと、
ダークネスは術者を中心に発動する(暗闇に覆われる範囲は半径15フィート)。
・こちらを視認されないため、攻撃ロールに有利が乗る。
・敵に視認されないため、敵からの攻撃に不利を乗せられる。
・ダークネス内に存在するクリーチャーは自身の攻撃に不利が乗るが、攻撃される側も攻撃者を視認できず有利を与えるために打ち消し合う。つまり、有利も不利も乗らなくなる
・対象が視認できなければならない呪文を無効化できる。
・敵に視認されなくても、隠れていない限り居場所はわかる(攻撃の対象にはなる)。
 これらを鑑みて、至極妥当な判断ではあるが、あまり変な事は考えずエルドリッチ・ブラストからの砲撃を主体としたい。接近して敵も味方もダークネスに巻き込むと有利が乗らなくなるのはクラスによって困ることになるし、姿が見えないからといって攻撃の対象にならないのはもちろん、機会攻撃を受けないというルールも5eにゃ無いのだ(DMによって判断は変わるかもしれないけど)。薄いACをフォローするための一撃離脱戦法は、ダークネスだけでは有効性に欠ける。敵が“連携戦闘”持ちだったりすると、敵味方とも闇に巻き込む意味も一応はあるかもしれないが、それはケースバイケースということで。今思い付いたけどこれ楽しそう。ならず者とかに有利を与えずキリキリ舞いさせてやりたい(一番そうさせてやりたいのはコボルドだが、どうせダークネス使えるようなレベルになったら出てこねえだろう)。
 “妖しの嘆願/Eldritch Invocations”は悪魔の視覚苦悶の爆発/Agonaizing Blastで安定と言ったところだが、呪文と“異世界の後援者/Otherworldly Patron”“契約の恩恵/Pact Boon”はどうするか。
 ダークネスは集中が必要の為併用はできないが、やはりヘックスウォーロックの魂故修得しておきたい。専用呪文ってスペシャル感出るじゃない。それに敵に魔法の闇を見通せる奴がいるとこの戦法詰むしな。なお、ダークネスを他者にかけてもらえばまさにパーフェクトであるが、ダークネスを使える術者というとだいたいウィザードかソーサラーで秘術役モロかぶりなのがいただけない。専用呪文と言えばヘリッシュ・リビュークも滅多にウォーロック以外の呪文リストに出てこない呪文だった。ダークネスを鬱陶しがって攻撃(特に範囲攻撃)を仕掛けてくる敵に脅しとして使い、抑止力としての効果を期待するというのはアリかも。もっともダークネスの精神集中が切れていたらしまいであるし、そうでなくても二度以上ヘリッシュ・リビュークを唱える呪文スロットはそうそうないと思うけれど……。
 ミスティ・ステップもいきなりダークネスの暗闇が飛び込んでくると思うとなかなか面白い。場所自体は闇の中でも結局悟られるので殴られるし、闇の外に攻撃する時も上記の通り不利無しになるのを考えると、有効なのはやはり対象を視認できないと苦しい呪文主体の敵か。
 悪魔の視覚による偵察能力を強化するような呪文となると、インヴィジビリティメジャー・イメージあたり。ウォーロック呪文リストだとあまり存在しないのが惜しい。
 “異世界の後援者”はいずれもこれぞ、という相性の良さなワケではないが、どれかというならフィーンドか。単に攻撃ロールの必要な呪文がリストにあったスコーチング・レイ)というかなり
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 な理由であるが、一応14レベルの“地獄送り/Hurl Through Hell”も攻撃のヒットが条件なので、ダークネスからの有利を活用しやすいぞ(そのレベルだと無視界知覚の敵ばっかりだとかダークネスに頼らなくても有利取れるとか言わない)。実際、フェイの“霧歩き/Misty Escape”の不可視状態や、グレート・オールド・ワンの“エントロピーの守護/Entropic Ward”で与える不利と貰える有利はダークネス戦法で最初っからついてるんで噛み合ってないのは事実なのだが。
 “契約の恩恵”は近接戦闘をやらんと決めた以上、でなければどちらでも。でインプを偵察のお供にするもよし、で汎用性の高い呪文を加えるもよし。ウォーロックは技能が偵察向けとは言い難いので、ガイダンスの出目で補強するのが特にオススメ。どっちも専用の嘆願で鎖の支配者の声/Voice of the Chain Master太古の知恵の本/Book of Ancient Secretsという使いでのあるものが用意されている。
 種族で戦法にこの上ないほど合致しているのはゴブリン。“素早い脱出”でボーナス・アクションで隠れられるため、視覚に頼る相手には範囲攻撃以外をほぼ完封できる。ただし【魅力】が種族修正で上がらないし、他の種族特徴は小型の割に30フィートの移動速度ぐらいしか見るべきものが無いのが悲しい。そもそもモンスター種族を候補に入れるなっちゅう話もあるが(そんなことでは【魅力】クラスがどいつもこいつも呪文抵抗と完全耐性:毒持ちのユアンティになってしまう)。
 小休憩で回復しないが、ダークネスの使用回数が1回増やせるドラウも相性は良い。〈知覚〉に習熟できれば、レイピアに習熟するので接近戦もそこそここなせ、ショートソードも使えて妙技特性+二刀流するしかねゑって感じ。問題はひとたび日光下でダークネスの外に出ると高確率で〈知覚〉も攻撃ロールも死ぬってことだな(元からある暗視120フィートがちょっともったいない気も)。能力値と技能の相性ならタバクシーの方が実用的だろう。〈隠密〉と〈知覚〉というこの上ないほど偵察役向けの技能を素で習熟してくれるのが大変ありがたい。
 人間の場合は特技が取れるワケだが、さて何にしよう。無難なのは《戦闘発動/War Caster》か《儀式執行者/Ritual Caster》あたりだが、それじゃ当たり前すぎて面白くねぇ、というなら前回挙げた《中装鎧習熟/Moderately Armored》は変わり種と言えるんではなかろうか。スケイル・メイルと盾で【敏捷力】+2どまりでもACを18まで持っていけるし、強化ボーナスでさらに伸ばせるため、破れかぶれでダークネスに撃ち込まれた不利付きの攻撃による事故を劇的に防げるようになる。さらに《盾の巧者/Shield Master》まで取れればダークネス破りの範囲攻撃につきものの【敏捷力】セーヴに強くなり、かつ半減ダメージも受けなくなる……そこまでするか、という気もあるが。シールドに習熟していれば《盾の巧者/Shield Master》を優先できるものの、残念ながらシールドに習熟できる種族は今のところ存在しない。流石のマウンテン・ドワーフや戦闘狂のホブゴブリンでも盾の扱いまでは学べないらしい。
 どうしてもダークネス戦法と近接攻撃を組み合わせたい場合は《機動力/Mobile》をオススメするダークネス戦法で近接戦闘を考えなかったのは前線に居続けることの難であって、前線に居続けないのであれば問題はない。またダークネス戦法(とヘックスも)は攻撃回数が多ければ多いほどそのシナジーは大となる。二刀流という割と早期に攻撃回数が多くなる手段が用意されているため、の恩恵で片手武器を作り、逆手に軽い武器を持てば有利付きの攻撃が1ラウンドに2回飛ばせる。渇く刃/Thirsting Bladeが解禁されれば、3回攻撃だ。エルドリッチ・ブラストと比べて強いかと言われると俺は明確に弱いと思うのだが。特技はいるし両手が塞がって呪文の構成要素を満たせなくなるしそもそも5レベルでエルドリッチ・ブラストを2本飛ばせるようになるのだし。ちなみに、実はゴブリンだとこれも特技がいらない。しかも離脱アクションなので攻撃した目標に限らず機会攻撃を受けない。
 の恩恵は武器攻撃という点でエルドリッチ・ブラストと異なる性質であり、戦術に組み込むのであればこの一点に活路を見出したい。考えられるのはマルチクラス
 例えば、ローグなら急所攻撃の武器攻撃という条件を見事に満たしているし、有利が乗っているため単独で行動していても発動する。1ターンに1回という制限は残念だが、ダークネスで集中していてヘックスを発動できないぶんの火力の穴埋めにはなる。2レベルまで上げれば“巧妙なアクション”で闇の中に隠れることさえ可能になる。なお、急所攻撃が発動するのは妙技特性が必要なため、の恩恵で作り出すのはレイピアとなるだろう。それと、1レベルでも技能一個のオマケはもちろん、“習熟強化”が非常にオイシイ
 戦闘スタイル目当てにファイターという手もある。片手武器戦闘スタイルや二刀流スタイルで威力の底上げを図るもよし、両手武器戦闘スタイルでヘックスと一緒にグレソをぶん回してもよし。それに中装鎧と盾に習熟できるので、そこまでACを気にしなくていい。
 鎧の習熟目当てでは、クレリックなら一足飛びで重装鎧に習熟できるものの、【判断力】13が少々つらい。その代わり領域呪文に1レベル呪文スロットが2つ、領域特典と得る物は多い。クレリックで得た呪文スロットは大休憩でないと回復しないが、これを使ってウォーロック呪文は発動できる。スロットのレベルを問わない呪文、端的に言えばヘックスをコレに当てられる。信仰の領域は追加呪文で【判断力】の関係無い物を使える、がマッチしている。これもローグ同様に2レベルまで上げると“神性伝導”が解禁されるためかなりドリーミー。フィーンドを選んでいるのなら、“暗きものの悪運/Dark One's Own Luck”で攻撃ロールに+1d10を足せるため、ダークネスの有利と併せて《大業物の達人/Great Weapon Master》もロマンではない《大業物の達人/Great Weapon Master》は戦クレ公が“神性伝導”で使う特技、みんな知ってるね! が、そこまで頑張るかはキャラクター・レベルと相談しよう。あと“戦闘司祭/War Priest”は【判断力】を思うとそう頻繁に使えまいが、どうせ小休憩で回復すると思えば呪文同様にそこそこ気軽に使っていいかもしれない。UAが解禁されてる場合はシールドを使えて鎧を魔法化でさらにAC底上げのできる鍛冶の領域/Forge DomainもE感じ。
 “異世界の後援者”はの恩恵にするなら前回はフェイかフィーンドか、と言っていたが、あらためてフィーンドを強くススメる。10レベルの“魔物のしぶとさ/Fiendish Resilience”で[殴打][斬撃][刺突]のいずれかに抵抗を得られるため、前衛として踏み止まる能力がだいぶマシになる。どれを取るかは敵次第なので要情報収集ながら、ノー手がかりなら噛みつき対策の[刺突]だろうか。この業界爪や手足はなくとも口はある奴は割と多い筈だ(インテレクト・ディヴァウラーとかが相手だったらすまん)。
 思った以上にのウォーロックの項が長くなってしまった。しかも後半割とダークネス戦法と関係ない。まあ、の恩恵は一応ウォーロックならではの特徴であるし、ここまでやれば火力を出すだけでなく、前衛を張れるぐらいのACは実現できるだろう、多分。それでもエルドリッチ・ブラストによる遠隔攻撃と、“妖しの嘆願”で汎用呪文をちょこちょこ増やしていった方が火力が出るし秘術役的な仕事も兼ねられるよという内なる声に打ち勝つことは難しいが。
 さて、ここまで述べてきたウォーロック案をまとめて筆者がやってみたいビルドを構想。まずは順当なエルドリッチ・ブラストの遠隔砲撃役から。
・ダークネス戦法を鑑みて、種族はゴブリン。【魅力】は種族で伸びない故、呪文能力はちょいと落ちるがそこは“素早い脱出”でカヴァーだ。“小兵の怒り/Fury of the Small”は、まあ思い出した時に使うぐらいでいいや。ウォーロックは〈隠密〉に習熟できないので、これは背景で選ぶ。〈知覚〉も欲しいが無い物ねだりはしてられねぇや。
・“契約の恩恵”はキャラクター的にはで口達者なインプを連れてると凸凹コンビっぽくて楽しそう。ウォーロックは初級呪文でセーヴを攻めるのが苦手だから、ヴィシャス・モッカリーを増やすことも考えたけど、【魅力】が劣るからねぇ。
・戦闘は自分を中心にダークネスを張り巡らせ、有利付きのエルドリッチ・ブラストを撃ったらボーナス・アクションで隠れるのが基本となる。どうしても味方を巻き込んでしまうような狭い場所、ACの低い敵にはヘックスで攻める。
・呪文能力を優先する場合(もしくはモンスター種族がダメな場合)はタバクシー。【魅力】【敏捷力】に〈隠密〉〈知覚〉習熟で悪魔の視覚などを使った斥候役を存分にこなせる。登攀移動速度も地味に役立つ。【魅力】を16までもっていけるから、こちらはの恩恵でヴィシャス・モッカリーを修得、ガイダンスも用いて技能判定も強化しておこう。
・まったく関係ないが筆者がプレイする猫人種族のツラ構えは大体↓である。
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の恩恵ウォーロックでは、人間を選択してダークネス戦法との兼ね合いで《機動力/Mobile》。の恩恵解禁までは置物と思うかもしれないが、いやいや待て待て誰がそれまで接近戦をしないと言った。上でも書いたがダークネス戦法もヘックスも攻撃回数が多ければ多いほど相乗効果は強くなる、つまり二刀流を仕掛ければエルドリッチ・ブラスト一発よりもその総合的破壊力は大となる(きっと)。また刃の恩恵で作るのは両手武器にする=【筋力】型だと、ハンドアックス二刀流できるのだヘックスを使えば2d6+【筋力】修正値に逆手で2d6が飛ぶ。どうだ。どうだ、と言われても困るかもしれないけど。
・ちなみに【筋力】型にするとガントレッツ・オヴ・オーガパワーを拾えたら19まで持っていけるので放置してよいというメリットがある。売価が設定されてない魔法のアイテムをアテにするのもどうかと思うが。
・“妖しの嘆願”は悪魔の視覚魔物の活力/Fiendish Vigor、5レベルで渇く刃を取ってしまうと12レベルの命を飲み干すもの/Lifedrinkerまで急いで取る物が無い。ので、7レベルで影の鎧/Armor of Shadowsを取ってもまあいいか。
・能力値的に無駄が無いのは妙技特性武器(レイピア)なのだが逆手に持つのがダガーでたった1d4ダメージなんてしゃらくせぇ、やっぱり男は両手武器よ! で、ダークネスの有利に“暗きものの悪運”と合わせて《大業物の達人/Great Weapon Master》とくらぁ! といきたいが、“暗きものの悪運”が6レベル解禁であることを考えると、流石に4レベルでこれは早過ぎる気がする。渇く刃も5レベルであることだし、ここは8レベルまでガマンするか。
・最終形は12レベルの命を飲み干すものだが、《大業物の達人/Great Weapon Master》をやるからには戦のクレ公2レベル積みたいなー。というワケで万全を期すなら完成はキャラクター・レベル14ということになる。なんかこのレベルになるとの恩恵云々以前に考えないといけないことが多過ぎる気もするけど、とりあえず理想は理想ってことで。
 ……と、つらつらとウォーロック「らしさ」を追求してきたのだけれど、前回・今回語ってきた事は“妖しの嘆願”や“契約の恩恵”が中心。故に、1レベルでは殆ど使用できない。この段階でウォーロックのキャラ立てすることはエルドリッチ・ブラスト一代男+ヘックスの火力以外にないと思う
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 後はグレート・オールド・ワンを後援者にしてクトゥルフに媚びる電波キャラを演じるとか……。
 小休憩で呪文が回復することを利用して範囲攻撃のバーニング・ハンズを撃ちまくる……にしても結局1戦闘に1発という縛りと1レベルだと1回の小休憩でHDを使い切って2回以上する意味がねーよメーンという状況に陥りやすい事を考えると、ウィザードと大差ないかもしれない。っていうか小休憩挟まれるとウィザードの方が呪文数で恵まれていたりする可能性ある(素で2スロット、小休憩で1スロット回復できる)。だからそういう役目はソーサラーだろうと
 種族によって能力値の大きな差異を出すのが難しくなった&ライトフット・ハーフリングローグのような失禁ものの相性の良さを作り出し難いクラス特徴からすると、やはりここは人間のヴァリアント、特技でプラスアルファを産むしかないと思うのだが。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#184~ウォーロキアンへの道・前編~

 ボーッとしていたら一ヶ月更新されてへんで広告が表示されていたので慌てて執筆。
 でもそんな久々の更新だけどディスり記事なんだ。仕方ないよね。当局における5eの歴史はウォーロックディスりと共にあったんだし。なお4eの歴史は途中からドラウディスりと共にありました。どこからそうなったのかは忘れた。
 んで5e発売以来ひたすら罵詈雑言を浴びせてきたウォーロックであるが、恵まれてるか恵まれてないかで言えば、これで恵まれてないと言ったら生レンジャーとモンクがツープラトンを仕掛けてくる(ただしレンジャーはUAで裏切りました)。呪文のスロット数回復に関してはガンとして大休憩を求めてくるD&Dにおいてまさかの小休憩で全回復。それも使うスロットは全てその時点での最高レベルとみなされるとか、
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 スリープのダイスを増やすために血眼になってウェブ用の2レベルスロットを切る他クラスの苦労をなんだと思ってるんだ。しかも秘術枠ヅラしながらHDはd8、軽装鎧に習熟とかバード舐めてんの? 秘術枠なんだけど秘術枠じゃないんですアピールしたければあのぐらいの中途半端さを意識しろっての。ったくこれだからデザイナーとコーデルに守護られてるクラスはよー。
 はい今日のノルマ終わり。
 ひとくさり「いつもの」って感じの儀礼的決まり事は済んだワケだが、しかし実際ウォーロックを運用してみると、ポテンシャルは高そうだが実際こいつは何ができるクラスなのか、という点で疑問が生じる。火力になれるのは間違いない。ウォーロックの魂ヘックスを乗せたエルドリッチ・ブラストが炸裂すれば1d10+1d6ダメージ、比較的安全な後列からこのダメージを叩き出せるというのだから1レベルとしては十分である。
 ただ、5eの他クラスを見ていると、火力を出すだけのクラスというのは少ない。パラディンなら厚い鎧と高いHDがあるし、ローグなら技能がある。そういう火力+αが売りになっているクラスに対して、ウォーロックが火力がただ出せるだけとなると、ぶっちゃけウォーロックでなくてもいいじゃん、という話になってしまう。しかも、ウォーロックの呪文の幅は狭い。あのソーサラーより狭いんだから情けなくって父ちゃん泣けてくらあ! とはっちゃく他ない。呪文修得数が少ないのは仕方ないにしても、初級呪文数まで少ないために、プレスティディジティションマイナー・イリュージョンメイジ・ハンドなど小細工の通じる呪文を揃える余裕までないもんだから、いよいよ大砲になるしかなくなってくる。
 それに、いくら小休憩で回復すると言っても呪文スロット数の少なさもまた、やはり厳しいもんがある。自慢のヘックスも一発撃ったら1時間休まないと再使用できないし、それを許してくれる環境というのはシナリオに依るところが大きい。で、そういう状況で貴重な呪文スロットを秘術役に求められるような汎用系呪文に回せるかと言えば、ウィザードでさえ「俺のマジック・ミサイルの回数が一回減るんだけど浮かぶ円盤作っていい?」とかそうそう言い出さない低レベル環境では是非もない。もっともクレリックにコンプリヘンド・ランゲージズディテクト・マジックの儀式発動をねだったりしたら、「コイツ何のためにいる秘術役なんだろう……?」と思われかねないけど。
 あと、砲台になるだけなら2レベル以降レンジャーにだってできるしな。ハンターズ・マーク+ロングボウで武器のダメージ・ダイスはちょっと落ちるが、能力値修正を乗せるにはウォーロックは苦悶の爆発/Agonaizing Blastを取得せねばならない。攻撃回数に関してはエルドリッチ・ブラストが5レベルで2本、11レベルで3本、17レベルで4本とファイター以上の早さの攻撃回数増加(ふざくんな)となるので流石に差が付くだろうが、一方で呪文は固定値を伸ばすのが結構難しい。《射撃の名手/Sharpshooter》のように特技で増強することができないからだ。3本になる11レベルまでは意外と伸び悩むかもしれない。それにダメージを出すだけじゃ、結局ウォーロックでなくてもいいじゃんという話に戻ってまうしな。
 実際、ただ火力が出せる奴が一人増えたところで、hpのおぼつかない低レベルにてPCが増えたからと遭遇の難易度を上げられたら、多分前衛がよりひどい被害を負うだけではないだろうか。火力はあっても攻撃ロールがある以上ちょくちょく外すし、低脅威度からACが高目の敵はしょっちゅう出てくるし、何と言ってもウォーロックは前線のどつきあいに参加しないだろうからね。増援も自慢の火力で薙ぎ倒すならともかく、なけなしのスロットをつぎ込んだヘックス+エルドリッチ・ブラストを外しまくったりしていたら、強化された敵戦力のぶんだけ前衛はとばっちりを浴びるハメになる。ただ火力を出せるだけというなら、他のPCは「それよりは両手武器持ちの前衛で参加してくれないかなあ」と、きっと心の中で思っていることだろう。
 いくら好きになれんとしても出会ってしまったのなら何かの縁、この恵まれたクラス能力に対していまひとつ立ち位置が見いだせないウォーロック「ならでは」の立ち回りを考えてみたい。
 で、あんだけ火力だけならウォーロックでなくてもいいじゃん、とは言ったが火力職として立つのがまずウォーロックの第一歩なのは否定しない。この最低限のポジションを確保するなら、選ぶべきはヘックスエルドリッチ・ブラストの組み合わせでまず間違いはないと思う。なんだかんだで防がれづらい[力場]のd10に1d6ダメージを90フィート(ヘックスの射程)から出せるんだからこれは大したもんだ。高レベルになれば本数は増えるし、それに全てヘックス苦悶の爆発が乗るとなれば、おさおさヒケを取ることはない。なお、ヘックスの追加ダメージは[死霊]なので防がれやすいのには注意されたし。また高レベル呪文になるとヘックスが乗ることはほとんどない。セーヴを強要する呪文がほとんどで、攻撃ロールの存在する呪文は稀だからだ。
 最大火力としては必ず殺すと書いて必殺のウィッチ・ボルトに違いないのだが、攻撃ロールが必要なことと、射程が短い(30フィート)のが厳しい。ACが低い敵限定で取りあえず修得しておく呪文と考えた方が無難かもしれない。
 戦闘ではヘックス+エルドリッチ・ブラストで立つのはいいとして、ではそれ以外のウォーロックらしさとは何だろう。呪文については正直修得の幅が狭すぎて、ここを「らしさ」の起点にするのは厳しいもんがあるので、クラス特徴の方に目を向けたい。
 最も注目すべきは“妖しの嘆願/Eldritch Invocations”、これだ。2レベルで修得できる“妖しの嘆願”にはウォーロックにのみ許される各種特典が、それも2つ選んで組み合わせられる。これと呪文、それに“異世界の後援者/Otherworldly Patron”を総動員することがウォーロックの「らしさ」を発掘することになるであろう。また“契約の恩恵/Pact Boon”が前提になっている場合もあるので併せて記述していく。
 苦悶の爆発を筆頭に、“妖しの嘆願”には戦闘向けのかなりいいもの、もしくはすごくいいものが揃っている。苦悶の爆発と並んで人気であるのが、恐らく影の鎧/Armor of Shadowsメイジ・アーマーを呪文スロット抜きで発動でき、術者クラスにしては高目のACを実現できる。【敏捷力】ボーナスが+3ならACは16、チェンメイル並の数値である。ただ、これは竜のソーサラーでも似たようなことができるし、8時間という持続時間を考えると、そこまでスロット消費無しという利点を活用できるとは言い難い(平時は朝起きたらまず発動して1時間小休憩、というムーブもできそうだし)。ウォーロックならではのウォーロックを目指すウォーロキアン(新しい造語)としてはもっとアクが強い嘆願を選びたい(モンクがいたりすると喜ばれるとは思うが)。
 一枠を苦悶の爆発に選ぶのであれば、もう一枠は冒険の補助に、汎用呪文の代用として使っていくのはどうか。例えばディテクト・マジックを発動できる妖しの視覚/Eldritch Sightとか、書いてある文字なら何でも読めるルーンの守護者の目/Eyes of Rune Keeperとか。儀式発動できないディスガイズ・セルフを使用する無数の仮面/Mask of Many Facesサイレント・イメージ霧の姿/Mistey Visionsになると、もっとウォーロック独自の個性が出てくる。
 特にウォーロックならではの能力として推したいのが悪魔の視覚/Devil's Sight。120フィートというドラウ並の闇を見通す能力に、魔法的な暗闇までもカヴァーできるオマケ付き。敵の群れの中にダークネスを発動してからエルドリッチ・ブラストを撃ち込む一方的攻撃が可能となるのだ。ただしダークネスは呪文集中が必要なのでヘックスと併用できないし、半径15フィートなんでアッサリ闇の中から抜け出せる。ダークネスを見通せるのは、普通悪魔の視覚を持ってるウォーロックだけなんで、それ以外のPCが困りそうだし。まあ、姿は見えなくても隠れていない限りは場所がわかるから、闇の中で殴り合った場合有利も不利も乗らんのだけれど。敵が見えないことによる不利と、敵も攻撃者を見えないことによる有利が打ち消し合って、結局ただの素殴りになるというガッカリ情報をそっと書き添えておかなければならない。不利が乗らなら別にいいじゃん、とはババリソの“無謀な攻撃/Reckless Attack”が死んだりするのを見ると、口が裂けても言ってられない。というかローグが特に死ぬ。ライトフット・ハーフリングローグなんて息してない。
 この戦法を取るなら有効なのは自分を中心に発動すること。こうすることで、味方の視覚を邪魔せず、かつ敵に自分の姿を見られることなく一方的に有利が取れる。クラウド・オヴ・ダークネスからの射撃みたいなもんである。隠れていない以上、場所を完全に隠蔽することはできないので攻撃は受けるだろうが、不利が乗るだけそこはマシだと思っておこう。ヘックスを乗せられない分威力は落ちるが、ホブゴブリンなどACがべらぼうに高い相手で、どうしても有利を取り続けたい場合は選択肢に入れてみてほしい。もうひとつ、防御策として優れているのは敵から視認されないため、「視認できる目標」と指定されている呪文を悉く無効化できること。見ることができない目標に撃てない呪文は実はすごく多い(原文を確認してみよう)。なんとマジック・ミサイルさえ無効化できる。範囲攻撃に関しては……味方を巻き込むことなく、自分だけを対象に使わせただけでも善しと思っておこう。
 なお、ボーナス・アクションで隠れることができるとダークネス戦法で完全に居所を埋伏することができる。これができる手っ取り早い手段はローグを2レベルまで伸ばすか、ゴブリンにするか。前者は確かに手っ取り早いにしてもちょっと悠長過ぎるので現実的なのは後者。その代わり1レベルで【魅力】を16まで引っ張り上げることはできないので、呪文に頼ろうとすると命中率やセーヴDCはやや下がる。
 2 つの精神の視線/Gaze of Two Mindsもなかなか面白い。他者の知覚を自分も共有できるようになる。危険な偵察・潜入任務の補助に大活躍するのは間違いない。シャドウランのアストラル投射のように使用中は無防備なため、周囲は信頼できる仲間に固めてもらおう。つまりこの能力を使用するウォーロックは、あたら仲間との関係構築を疎かにしてはいけない。何気なく「あの能力使わんの?」とか言い出されたりしたら、それは逃亡中に風呂を勧められるぐらい絶好の暗殺ポイントだ。
 さて、ここでちょっと嘆願と関係する“契約の恩恵”の話も。御存知の通り、“契約の恩恵”は鎖/Pact of the Chain本/Pact of the Tome刃/Pact of the Bladeの三種類。
 インプを使い魔にできるの恩恵が前提になっている鎖の支配者の声/Voice of the Chain Masterは、使い魔とテレパシー可能と相性バッチリ。インプはインヴィジビリティを使える上に武器へのダメージ抵抗があり、仮に透明化がバレても一気に20点前後のダメージを受けなければ死亡しない。しかもインプもしっかり悪魔の視覚、と偵察役として抜かりなし。他に使い魔にできるクァジットはダメージ減少の質と怯え/Scareの一発以外はインプとほぼ同等かやや劣る。スプライトは毒状態にする外道ショートボウと“精神視覚/Heart Sight”という面白い特殊能力はあるが、いかんせんhpが低過ぎる(2点)。飛行していると〈隠密〉に不利が乗るのも頭が痛い。普段から連れ回すのは難ありのため、毒ショートボウ狙いの時のみ呼ぶことになるだろう。ああそれと、攻撃を放棄することで使い魔に攻撃を行わせられるという効果はあんまり気にしなくてはいいんではなかろうか。
 の恩恵は初級呪文が3つも増えるため、汎用性に乏しいウォーロックの修得呪文もかなりマシになる。それもウォーロックの呪文リストに無くても良いというのが素晴らしい。ほぼバード専用のヴィシャス・モッカリーを引っ張ってきてACの高い敵に備えたり、ガイダンスで単独行動能力を高めたり、これは明確にウォーロックだけに許された芸当。多角的な振る舞いが可能になる。太古の知恵の本/Book of Ancient Secretsを選べば儀式発動もできるようになり、秘術役としての立場も相当マシになる。人間でなくても、4レベルの特技取得で《儀式執行者/Ritual Caster》を待たなくて済むのは大変うれしい。ちなみにシャレイリを覚えて殴りかかるなんてマネも可能だ。一応。
 最後に、の恩恵は作った武器に習熟することが最大のメリットであり、それ以上を求められると結構苦しい。渇く刃/Thirsting Bladeで2回攻撃できるようになるといってもエルドリッチ・ブラストがアホみたいな回数撃てるようになるのを考えると、わざわざ武器を作って近寄って殴る危険を冒す必要性は薄いのではないかと思う。またエルドリッチ・ブラストの高性能ぶりに対して、作った武器攻撃がそれに比肩しうる打撃力となるかもやや疑問である。威力を求めるなら両手武器となるが、現状両手武器は【筋力】で殴るしかないし、エルドリッチ・ブラスト+苦悶の爆発の破壊力はそこいらの両手武器に匹敵するダメージとなる。敵に隣接するのがヤだからグレイブを作って間合い外からつつく、なんてやるぐらいなら最初からエルドリッチ・ブラスト+苦悶の爆発してろ、という話だわな。12レベルで命を飲み干すもの/Lifedrinkerが解禁されればダメージに【魅力】を乗せられるため、かなりの固定値となるとは思うのだが。【筋力】【魅力】とも魔法のアイテムで19まで引っ張り上げられることだけは救いだ。
 の恩恵で戦おうとするならACの増強は不可避ながら、前述の通りメイジ・アーマーは影の鎧に頼るより、呪文スロットで隙を見て仕込むことをオススメする。その代わり、魔物の活力/Fiendish Vigorによる一時的hpの壁で凌ぐのだ。呪文スロットを消費せず連打できるメリットは、メイジ・アーマーよりもフォールス・ライフの方に軍配が上がると筆者は考える。また、“異世界の後援者”で相性がいいのは敵を倒す度に一時的hpが貰えるフィーンド、もしくはフェイを選ぶと“フェイの影響力/Fey Presence”の射程の短さを無視できるようになる。どっちかと言うと前のめりなフィーンドの方が「らしい」か。
 これはの恩恵に限らないけれど、ACを上げたい場合は《中装鎧習熟/Moderately Armored》を取るという手もある。ウォーロックは最初から軽装鎧に習熟しているためコレを取得することが可能で、気合を入れれば盾無しでもAC17は目指せる。それに中装鎧と一緒に盾の習熟がついてくるのが地味に美味しい。後衛でも自衛策としては十分すぎるくらいだろう。ウォーロックは案外初期の所持金がある方(平均で100gp)なので、1レベルからでもスケイル・メイルとシールド、呪文構成要素ポーチを揃えるぐらいはできる。
 見た感じ使い魔や“妖しの嘆願”を絡めた斥候役を兼ねるのが良さそうであるが、実際にそれらを用いてどんなウォーロックを作成するのかは次に譲る。次回は今回取り上げたファクターをまとめ上げたウォーロキアンたるビルド、いざ参らん! まあ言った通り俺ウォーロック嫌いなんだけど。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#183~だいぶ過ぎての遭遇論~

 5eのクリーチャーには脅威度1とそれより低い敵との間にまず大きな壁があり、さらに脅威度2とそれより低い敵の間には越えられない壁ができる。ただでさえhpのおぼつかない頃に出会う脅威度1クリーチャーの打撃力は心臓に悪いが、これが脅威度2になると当たり前のように特に何の根拠も無く追加のダメージ・ダイスを得て(強いて言うなら「オークですから」。まあ、オークじゃ仕方ねえか)ブン殴って来たりするのでこれはもうはうあ! 心臓が苦しい!(漫☆画太郎調) と心筋梗塞必至。
 が、ダメージ自体は一部を除いて、脅威度が上がってもそこから先はあまり変わっていなかったりする。戦闘狂いのデーモン、ヴロックは脅威度6だが打撃力は嘴(2d6+3)と爪(2d10+3)が1回ずつと戦闘狂いの割にかなり大人しい。上位の脅威度8のヘズロウだと3回攻撃ながら噛みつき(2d10+4)1回に爪(2d6+4)2回。爪が1回増えたがダメージ自体は大差ナッシン。このサンプル2体は“悪臭”や“朦朧化の絶叫”による無力化からの打撃がメインのためかもしれないが……言うてもセーヴ難易度がだいぶ有情になったし、例え有利を貰って殴ってもガッチリ盾と鎧で身を固めた前衛相手にはそうそう当たらなかったりする。タハー 習熟ボーナスの伸びづらい今、ヘズロウの攻撃ボーナス+7はかなり高い方であるが、プレート+盾に命中させるには13以上とまだまだ失敗確率の方が大きく、これでうっかり魔法の防具なんて手渡してたりすると、そこらの腕力自慢クリーチャーではカスリもせず憤死も冗談ごとではない。
 これはPCが特技の取得や能力値の増加が著しく制限されるようになった影響とクリーチャーも無縁でなく、データ・ブロックやサイズに対して与えるダメージが割と正直であるためかと思われる。《強打》だの《断頭の一撃》だのをぶん回せば固定値がモリモリ上がった以前ならいざ知らず、きょうびのクリーチャーどもは特技をそもそも持ってすらいない。ダメージを伸ばす特殊能力が無ければ、基本的には追加ダメージは武器固有のダイスに能力値が根拠となる。中には攻撃ボーナスとダメージに何の能力値を使っているのかよくワカらない奴もいたりする(ブラック・ベアとか)が、能力値とダメージがまるで合って無いインチキは見当たらず、わりかし正直な数値となっている。余談だけれど、クリーチャーは特技を持ってないから、敵の間合い以内で呪文や遠隔武器を使っても機会攻撃で殴られることはないのだ。やったぜ(遠隔武器に対して機会攻撃を行う特技はそもそも無かった気がするけど)
 また数値は見た目通りだが攻撃回数に関しては、見た目に反してやや控えめとなった。クマはクマでもクマプソ名物張り手張り手のがぶりよりこと爪爪噛みつきをやってくるクマ系クリーチャーは存在せず。ポーラー・ベアに至っても攻撃回数は2回のまま。一縷の望みをかけてワー・ベアを見てもやっぱり2回攻撃。データ・ブロックは見た目通りながら、ゲームバランスを考えて攻撃回数はそうはいかず、キャップを設けたということか。なお、たまにトログロダイトとか見た目通りの3回攻撃で脅威度1/4とかデータ・ブロックを偽ってるクソ野郎はいる。
 故に大ダメージを与える場合は特殊能力依存で、追加の[酸]だとか[火]、[毒]ダメージを与える奴が選ばれる。この追加ダメージを与える奴になると途端にすさまじく、ブラック・プティングなんか一度に4d8の[酸]ダメージを与えてきたりする。また前述のオークは1d8の追加ダメージ、バグベアは追加の武器ダメージ・ダイス+1(1[W]ではないようだ)と素でもかなりの打撃力を誇り、たかだか脅威度2の司祭の「呪文スロットを1つ消費すると追加で3d6[光輝]ダメージ」もかなり頭おかしい。もっともNPCの脅威度じたいが5eでは特にアテにならんのだけれど。また一度に大規模なhpを奪い取る手段としては呪文がやはり手っ取り早い。その昔「前衛が何度も攻撃を命中させて与えるダメージを術者は1回のアクションで与えられる。だから前衛はゴミ」とか言い出す奴が出るぞ、などと揶揄した手前こういうことを書くのはじゃっかん気が引けるが、やはり広範囲に一度にダメージを、セーヴに成功されても半減与えられる効率の良さは否定できない。フレイムスカルのファイアーボール、オニのコーン・オヴ・コールドなんかがその代表格。ただし、これはカウンタースペルの格好の標的であることを忘れてはならない。できれば4レベル以上であることが望ましく、またその対策にカウンタースペルをクリーチャー側で用意しておくのは大変不毛極まるので止めた方がいい。どうしても破られるのが嫌ならシレッと効果が同じ特殊能力にしておくとか(くそDM)。
 では改めて素殴りと手数だけのクリーチャーとなると、序盤~中盤はともかく、PCのhpやACが整ってくると、肉弾戦志向のボスとしては少々物足りなくなってくる。激怒したババリソの防御力は打撃だけでは突破できず、クリーチャーの攻撃ボーナスだと純粋な前衛のACに命中させるのはなかなかしんどい。ACはピンキリながらhpはさすがに脅威度相応に100点前後でそう簡単に倒れず、4e風に言うなら兵士役的な使い方となるであろうか。これをボスに据えるとPC側の攻撃はよく通るがなかなか倒れず、ボス側の攻撃はじわじわ削れるが大事には至らず、ちゅうかあんまり脅威を演出できない地味な攻防になりがち。あ、そういえばセーヴを落としやすいせいで存外簡単に無力化されるのも兵士役っぽい(そうだっけ?)。クリーチャー側のセーヴ難易度は有情になったが、逆にセーヴに習熟してるクリーチャーが少なくってねぇ。どうせ親玉にするからには、何らかの増強が望ましい。
 手っ取り早いのは魔法の武器。これで攻撃ボーナスとダメージを+1~+2するだけでも、大幅に打率が上がるはず。武器をPCに奪われるとちょっと、という場合は悪属性限定とか、サイズの違うクリーチャーに持たせるようにすればOK。ただし後で売り払ったり、ランクの低い魔法のアイテムに置き換えて別種の報酬にしてあげるのがフェアである。セーヴに関しては、クローク・オヴ・レジスタンスリング・オヴ・プロテクションで補強できる。特にリング・オヴ・プロテクションは、手足がない奴でも装備できる余地があるのが良い(DMGでもビホルダー様が眼枝に嵌めておられる)。……こっちもジャイアントが嵌めていた指輪をPCが使用できるか、には一考の余地があるな。また、5eは魔法のアイテムの効果が大抵累積するため、この手のアイテムを多用すると、PCのACとセーヴがばんばん伸びていくので気を付けよう。ただでさえ当たらない重戦士への攻撃が、さらに当たらなくなっていく。致命的な呪文(ホールド・モンスターのような)に対しては、伝説級クリーチャーになると“伝説的抵抗力”で1日に3回まで失敗したセーヴを成功にすることができるので、伝説級に相応しい大ボスには、これを採用してみては如何か。
 もうひとつは特殊能力の付与でダメージを増強する。単純な武器によるダメージでなく、激怒や《重装鎧の熟達者/Heavy Armor Master》で防げない[火]などのダメージを追加で与えられるのが望ましい。言うてもあんまりやり過ぎるとしばかれるんで、せいぜい追加するのはd8いっこぐらいに押さえておくのが無難かと。毒は特殊能力を与えるためのエクスキューズを考えずに済むので特にラク。種族で抵抗を持ってるPCも多いしあんまりヘイトを買わずに済むんでないかな。クリーチャーの騎士が持っている“指揮”でダイス目そのものを増強するのもE感じ。騎士専用能力に限らず、もっとグローバルなテンプレートとして付けてもいいんじゃないかな、これ
 呪文による範囲攻撃ももちろん有効であるが、頻繁にやるとカウンタースペル合戦になって不毛また不毛この話題もういいや。単純に呪文をいちいち参照管理するのがめんどいという理由もあるけど。
 それと、クリーチャーの攻撃ボーナスという面で見ると、VGtMで追加されたクリーチャーの方が全体的に高いように感じる。脅威度5~6程度でも攻撃ボーナス+5どまりでガチガチの前衛相手に手も足も出ないことも多かったのを反省してか、底上げが図られたようだ。後継機というのは改良もされているしターンXは∀の番人と御大将も言っていたことであるし、もっとスリリングな戦闘を望むのであればVGtMを買おう(くそDM)。……ダメージ自体はそこまで変わっとりゃせんけどね。
 最後に、暴れ役にふさわしい例外的なクリーチャーとなると、これはホントに凄いダメージがすっ飛んでいく。ヒル・ジャイアントはフンガー系もフンガー系らしく3d8+5の2回攻撃で、攻撃ボーナスも+8と図抜けている。ジャイアント名物岩投げも1回攻撃ながら3d10+5ダメージ、グレートクラブ以上の破壊力でぼーっとしていた後衛は悶死必至。両手武器は殴る時だけ両手で持てばよい=いつでも片手で投石可能と抜かりはない。またベーシックルールの唯一脅威度7であるジャイアント・エイプは3d10+6の拳×2もしくは7d6+6の投石というヒル・ジャイアントの上位互換みたいな奴。つまりこいつの投石はファイアーボール並、いや固定値で+6ある時点で単体火力だがファイアーボール以上とさえ言える。ここまで来たら激怒したババリソでさえ殴り負ける恐れがある。ただのでかいゴリラか、などと侮っていられない、すごいゴリラ略してすゴリラな亜空大作戦クリーチャーだ。
 おっと書き忘れていた、魔法のアイテムによる増強にせよ、オリジナルの特殊能力付与にせよ、伝説級にするにせよ、脅威度の調整は忘れずにね♡

 

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D&D5e余話#182~5eことはじめ記・いつかドラゴンスレイヤーになるために パラディン編~

 役職ごとにクラスを紹介してきた5eはじめてさん向け記事、古参四傑を終えてからハタと困った。
 正直言ってファイター・ローグ・クレリック・ウィザードの四クラスを抜くと、意外とストレートに使いやすいと言えるクラスって少ない。前記4クラスと比べて派手だったり、変化球だったりするものの、それを強さに結びつけるのはひと手間だったりする。調子に乗るとあっという間にガス欠になる奴等と1レベル時がつら過ぎる奴等だからな(前者:ババリソとかバードとかウォーロック、後者:ドルイドとモンクと生レンジャー)。
 そんな中から比較的オススメしやすいと言えるのは、派手だし爽快感もあるしでこの人かな、と。
 1レベル時はファイターと大差ないからとも言えるが。

パラディン

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We are Pathfinders!#274~アイコニック・キャラクター:ネオハースク君のハナシ~

 ネオはネオジャパンとかのノリで。
 前回のハースク君改造計画、アイコニック・キャラクター故PHBの縛りの中でやっていたが、APGにはめでたくクロスボウ戦闘スタイルが追加され、クロスボウ・レンジャーのビルドにも困らずに済むようになった。リストの中には《致命的な狙い》もあれば《乾坤の一射》(APG)もあり、ダメージを伸ばす特技が用意され、かつ6レベルで《クロスボウ体得》(APG)が用意。リピーティング・ヘヴィ・クロスボウに頼らずとも、ヘヴィ・クロスボウで連射できるようになっている。
 しかし早急に《精密射撃》は取りたいし、《精密射撃強化》は非常に多くの前提をすっ飛ばしての取得で美味しいしなあ、んでやっぱり《針の目を通す狙い》は必須でしょ、ってこれじゃ弓術スタイルと同じだ! ……そもそも、《クロスボウ体得》自体弓術スタイルで選べる(なんでやねん)んで、前回のようにヘヴィ・クロスボウをなんとか導入しようとする尻から屁が出るような苦労も消し飛ぶワケだが、まあPHB縛りがあったからよお。
 少し変化を加えるなら、《乾坤の一射》はこれも割と前提が面倒なんでこれをスタイル特技で取るといいか……よくねえ。そうすると《精密射撃》を自力で取らないといけなくなる。そのためには《近距離射撃》が必要で、3レベルで《精密射撃》を取ったとすると、ただ単に《乾坤の一射》の順番が前後するだけだったりする(《乾坤の一射》の前提は《近距離射撃》と《精密射撃》)。それに《乾坤の一射》は30フィート以内でしか機能しないから、結局アウトレンジからヘヴィ・クロスボウという作戦はパアである。タハー 第一、クロスボウスタイルに《遠射》も入ってないしね。って、マジかい。
 《クロスボウ体得》も《精密射撃強化》に比べて割とフツーに取れそうなところが切ない。《近距離射撃》《高速装填》《速射》、その気になれば5レベルでも取得可能だったりする。もっとも、《高速装填》をヘヴィ・クロスボウで指定したりすると、《クロスボウ体得》を取るまで《速射》が完全に死ぬから、出来ればスタイル特技で取りたいものですが。《精密射撃強化》で厳しいのは基本攻撃の縛りだけで、後の【敏捷力】19と《近距離射撃》《精密射撃》はなんとでもなる。遮蔽と視認困難無視は非常に強力ながら、今すぐ取りたい取らないと死ぬと泣き喚くものではなく、「いつか」取っておきたいものなので、これまた後ろ髪を引かれる思いであるが、後回しにしても責められるいわれは無いだろう。多分。
 なお、《クロスボウ体得》さえ取れば装填はクロスボウの種類に限らずフリー・アクションとなるため、別に《高速装填》でライト・クロスボウを指定して、《クロスボウ体得》を取得したらヘヴィ・クロスボウに移行してもよい。ただ、装填がフリー・アクションになると言っても、「《高速装填》を修得しているクロスボウの種類に対する装填は、機会攻撃を誘発しなくなる」という一文を読むに、やはり装填自体が機会攻撃を誘発する行為なのは変わらないようだ。
 このような筆者の判断基準からすると、クロスボウスタイルを選んでもあまり変化は無いのだけれど、クロスボウがメインのハースク君なんだから、そうして悪い理由はあるまい。強いて言うなら《遠射》が取れないぐらいか。あらかた戦闘スタイル特技を取り尽したら手を伸ばしても良かったのだが……ん? これって弓術スタイルの方がいいんじゃ……。
 え、えーと、《クロスボウ体得》によって5レベルからヘヴィ・クロスボウの連射が可能になるから6レベル以降の攻撃回数増加も無駄にならないし、1レベル時から《高速装填》で指定して問題無し。リピーティング・ヘヴィ・クロスボウを買うまではボウで代用するなんてダサい選択をしなくて済む(自分で考案しておいてなんだが)。ただ戦闘スタイル特技は、弓術スタイルと比べて変化が無いと言っても、やっぱり2レベルは《精密射撃》ではないかと思う。-4のペナルティと言うのは無視するにはあまりにもしんどい。んでもって6レベルで《クロスボウ体得》、10レベルで《針の目を通す狙い》。《乾坤の一射》は【知力】ボーナスが低いと追加攻撃を捨ててまで得たのがコレかあ、になってしまうので、実は魔法のアイテムによる増強が可能になった14レベルで取ってこそ真価を発揮するやもしれぬ(ハースク君のビルドだと、ちょっと【知力】に回す余裕が無い)。それに、標準アクションなので《針の目を通す狙い》と同時に使用もできないし。18レベルは正直取るもんあらかた取り尽している気がするが、まああって損はないから《機動射撃》か。……言うてもコレ、全ラウンド・アクションだから各種特技と併用できず、やっぱり相性は悪い。戦い方の幅を広げるつもりで取るのが吉か。いっそ《速射》の方が良かったかも……ん? これも弓術スタイルにあったような……しかも《近距離射撃体得》《撤退射撃》(APG)を弓術スタイルならスタイル特技で取れるという文言が……。
 結論、《乾坤の一射》に未練が無い人は弓術スタイルのままでいいと思います。【知力】がそこまで高くなければ、ぶっちゃけ《針の目を通す狙い》を使った方が強そうだし。
 3レベルの特技は《致命的な狙い》。《近距離射撃》でもいいが、4レベルになった際の伸びたダメージ・ボーナスを即座に使用できるところを買った。また30フィート以内という制限が《クロスボウ体得》が無くて移動できない間はまだちょっと苦しい。ただ、《近距離射撃》は《収束射撃》の前提にもなっているので、5レベルでは獲得しておきたい。これで7レベルで《収束射撃》(UC)の条件を満たせる。矢弾で切り替えが利くとは言え、固定値を稼ぎづらい、しかも【筋力】の乗らないクロスボウとあっては、ダメージ減少克服に《収束射撃》は必須だ。9レベルは《クリティカル強化》、10レベルのスタイル特技で《針の目を通す狙い》を取得し、11レベルで《精密射撃強化》、これでアイコニック・キャラクターの最高レベルである12レベルまでの特技取得は終了。
 以降は筆者の趣味で選んだ《クリティカル熟練》を取りに行ってもいいし、《武器熟練》で固定値を伸ばすもよし。《クロスボウ体得》を取ったなら、《速射》だって遠慮なく使える。個人的に是非使ってほしいのが《伏せ射撃》(UC)。伏せ状態の場合遠隔攻撃へのACが+6とべらぼうに伸びる。これだけ伸びれば遠隔接触攻撃とてそう簡単には当たらなくなる。どうせ《針の目を通す狙い》を使う時は移動できないのであるし、《近距離射撃》や《乾坤の一射》を使わないと言うなら、これで伏せたままヘヴィ・クロスボウの射程を活かして固定砲台になるというのも面白いキャラクターになりそうだ。実は、伏せ状態になっていても受けるペナルティは近接攻撃と近接攻撃に対してだけで、別に反応セーヴがしづらくなったりはしないのである。いいのかなあ。ま、いいか。
 14レベルはせっかくスタイル特技で取得できるようになったし、《近距離射撃体得》で敵に寄られても平然と撃ち抜くCOOLな絵面を演出したい。結局クロスボウ戦闘スタイルはやめて弓術スタイルにしたのかって? まあ、そういうことです。
 クラス特徴は、“得意な敵”はどうしても相手を選んでしまうので、個人的にはAPGの案内人で“レンジャーの集中”に変えた方が好みであるが、巨人殺しを捨て去るのはキャラクターの設定に抵触するので仕方あるまい。その代わり遊撃兵(APG)アーキタイプを使用するのはどうか。“狩人の技”の絡みつき攻撃は、攻撃が命中した場合1ラウンドの間絡みつかれた状態になる(セーヴ不可、サイズなどの制限無し)とかとんでもないことが書いてある。これ、《針の目を通す狙い》と併用したら大変なことになるんじゃ……遠隔攻撃できないデカブツなんか完封されてもおかしくない。防御的弓術で接近してきた敵をブチ抜いたり、戦闘だけでなく技能の達人でここぞという技能ロールに備えたり、その効果は多岐に渡る。《伏せ射撃》を使っている人は素早き立ち上がりがオススメ。呪文がまるっきり失われてしまうのは寂しいが、レンジャーの呪文能力の伸びはかなり緩やかなので、オマケと割り切るのもひとつの考え方である。エンタングルが植物の生えてない所でも使えたら、ワンドで振りまくる作戦もあったのだが(そういうことを考える奴がいたからかなあ)。
 CRB以外のサプリを解禁した場合のハースク君は以上のようなビルドとなった。特技を整理し直すと、

1レベル:《高速装填:ヘヴィ・クロスボウ》
2レベル:《精密射撃》(スタイル特技)
3レベル:《致命的な狙い》
5レベル:《近距離射撃》
6レベル:《クロスボウ体得》(スタイル特技)
7レベル:《収束射撃》
9レベル:《クリティカル強化》
10レベル:《針の目を通す狙い》(スタイル特技)
11レベル:《精密射撃強化》

 取りあえず7レベルの時点でも割と本気出していると思うのだけれどどうだろう。クリティカル前提のため、出目が良くなければいかんせん真価を発揮しないというか、これマイティ・コンポジット・ロングボウを使った方が遥かに簡単に火力出せるんじゃという気が何度もしたのだけれど、そこはアイコニック・キャラクターで敢えてクロスボウという道を進んだスタッフとハースク君の心意気とドッ根性を買おうではありませんか。
 ガンスリなら1レベルの時点で接触攻撃ができるですって? うるさいよ!

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#273~アイコニック・キャラクター:ハースク君のハナシ~

 アイコニック・キャラクターだらけのセッションをやったら、一番不人気なのはレンジャーのハースク君ではないかという意見を耳にした。
 ハースクファンクラブ第一号にして会長兼書記長兼会計兼名誉理事兼ヒラ会員として即座に
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 といきり立ったが、同時に「ええまあ」と答えた自分に気付き、ひとしきり
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 こんな感じで部屋の中の物に八つ当たりをしていた。
 ……1レベルの特技が《高速装填》だからかなぁ……。
 実際アイコニック・キャラクターの中から使いたい子どーれだと言われたら、ヴァレロス君かアミリたんくーださいと答える。ほら、オレハースクファンクラブ会員と同時にアミリたんファンクラブ特攻隊長だし。
 なんで最下位なのかというと、本気出すのが12レベルだからだそうです。ま、そりゃそうだ……7レベルの時点でも、《クリティカル強化》さえ取れてないし(実際に取れるのは9レベル)。
 一番好きなアイコニック・キャラクターってのはホントよ。PFでレンジャーが中装鎧に習熟しただけで、こんなに世界が広がるなんて、と感心した。が、レンジャーでもクロスボウ使いがいる、それもクロスボウのクリティカル領域の広さを活かした《クリティカル強化》に、《速射》による攻撃回数ではなくヘヴィ・クロスボウと《針の目を通す狙い》の一撃狙いというビルドには目からウロコがバラバラと落ちた。さらに《針の目を通す狙い》のデメリット、そのターンに移動してはならないという縛りをヘヴィ・クロスボウの装填によって実質無意味なものとしている。考えたのは相当の手練れと見た。
 しかし本気を出す12レベルの段階でも、いくら接触攻撃とは言え1d10+3[刺突]+1d6[火]ダメージが1回が12レベルで適切なダメージかどうかは判断の分かれる……っていうか低くない? クロスボウは弓と違ってダメージに【筋力】を乗せられんから、強化ボーナス頼りになるんだよなー。いやそれよりも《針の目を通す狙い》を取ってるのなら、何故《致命的な狙い》を取らんのや。接触攻撃できるのなら《致命的な狙い》のペナルティなんか屁でもないのに。12レベルでダメージ・ボーナスもきっかり+8になってまっせ。固定値を乗せづらいクロスボウなら、《遠射》よりこっちを優先すべきでは……もしかして《遠射》は弓術スタイルで取ったのかな。ただ、2レベルで《精密射撃》、6レベルで《精密射撃強化》、10レベルで《針の目を通す狙い》でスタイル特技は埋められるから、《遠射》を選ばない選択もあったのでは。確かにヘヴィ・クロスボウの射程を活かすなら《遠射》もアリだと思うが……って、《近距離射撃》を使おうとしたら30フィート以内に行かないといけねえでないの。《遠射》主体で行くなら、前提の《近距離射撃》を無視できるスタイル特技で取ればいいのに。ううむ、どうにも戦い方がちぐはぐだな。一番好きなビルドであるのは確かだが、なんか読み込めば読み込むほど使いたい気力が減退していくのを感じる。
 そもそも《速射》や《束ね射ち》で矢を撃ちまくることを想定しているっぽい弓術スタイルでクロスボウを使おうとすること自体に無理が生じるのかもしれない。《速射》のペナルティを恐れてか、《致命的な狙い》がスタイル特技に入ってないし。って、マジかよ。二刀流スタイル特技に《強打》が入ってないのはワカるが、《針の目を通す狙い》をスタイル特技に含めるなら、こっちだってあってもよさそうなものなのに。APGで追加されたクロスボウ戦闘スタイルでは《致命的な狙い》はもちろん、《乾坤の一射》がスタイル特技に加えられて、いっそう固定値を稼ぎやすくなった。もちろん《針の目を通す狙い》も変わらず取得可能だ。
 普通にクロスボウ・レンジャーを組むならこちらを選べば問題ないが、アイコニック・キャラクターという立場上、できることならデータはPHBの範囲内に押さえたい。その上でギャルもキャラクターシートを見ただけで2コマ即オチ級の罪なクロスボウ・レンジャーを考えてやろうではありませんか。
 と、いうわけであらためてデータを見てまず目に付くのが能力値。【筋力】14は亡き兄貴の形見であるバトルアックスを活用せんとする意気込みかもしれないが、よりにもよってクロスボウで戦うとなると、この【筋力】は無駄としか言いようがない……とは言え、レンジャーは基本攻撃ボーナスが良好で、さらに【敏捷力】型の都合上ACもそれほど悪くない。普段はクロスボウを撃ちつつ、後方に抜けてくる敵がいたらバトルアックスを抜いて切り替えるという戦法も取りようがある。それでも、14はちょっとやり過ぎという感がある。あくまでも嗜み程度に考えるなら、12に押さえて+1ボーナスだけは確保し、バトルアックスへのシフト戦法は前衛が堅固でない序盤に限って良いかと。完全に切って手つかずの10、もしくはそれ以下にしなかったのは、人情だけでなく荷重の問題のため。ローグ同様にレンジャーにとって中荷重以上は大の敵、それも得物のバトルアックスやヘヴィ・クロスボウは重いのだ。
 【筋力】を14から12にして浮いた3能力値ポイントは【敏捷力】に回すと1レベル時に17、4レベルの能力値上昇で18まで持っていける。【魅力】を7(種族修正を入れると5)にすれば【敏捷力】18まで持っていけるが、愛されキャラであるべきアイコニック・キャラクターであんまりブサメンなのもどうかと思う。【魅力】と全然縁が無いクラスであるウィザードのエズレンおじいちゃんだって10をキープしているのであるし(驚くなかれ、【魅力】だけでなく【筋力】も10あるぞ)。なお、【敏捷力】が奇数になったことで、能力値上昇の1回を元のビルドのように【耐久力】に寄り道するヒマはない、と考える人もいるだろう。その場合は【耐久力】を1点下げると能力値ポイントが1点浮く。この1点で変わることはそうそうないが、【筋力】を13にして荷重上限を高めておくか? もう1点あれば【知力】ボーナスを+1まで持っていきたかったのだが。
 次に特技と装備の話。ヘヴィ・クロスボウを得物にする以上、《高速装填》は避けて通れない……と言いたいところだが、世の中にはリピーティング・クロスボウという便利な代物があった。こいつは特殊武器ながら、クロスボウ・ボルトがカートリッジ式で装填されている優れもので、なんとクロスボウにもかかわらず、再装填をフリー・アクションで行える。しかも、ライトであろーとヘヴィであろーと関係無しだ(!)。5発撃ち切ってしまうとカートリッジの装填に全ラウンド・アクションを使わなくてはならないが、この利便性は代え難いものがある。
 代金はライト・クロスボウなら250gp、ヘヴィ・クロスボウなら400gp。やはり世の中は金ですか。金が無いとダメですか。
 1レベルだと泣こうが喚こうが手に入らない金額なんで、コレに手が届くまではやはり通常のヘヴィ・クロスボウ頼みとなるワケだが。リピーティング・クロスボウはコンポジット・ボウと違って、武器の構造が違い過ぎるためか《武器熟練》などで指定する際、ヘヴィ・クロスボウとしてはみなされない。ハースク君のような《武器熟練》《クリティカル強化》でヘヴィ・クロスボウを指定するタイプのビルドでは効率が悪い。あと、《針の目を通す狙い》を活用するとなると、リピーティング・ヘヴィ・クロスボウの連射力が死ぬ……のは、10レベルになってからだから、いいか。ちゅうかヘヴィ・クロスボウと《針の目を通す狙い》ではレンジャーの良好な攻撃ボーナスによる複数回攻撃がもったいない。
 クロスボウのクリティカル一発狙いは成就するまでに時間がかかるので、二兎を追う者は一兎をも得ず、ではなく
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 という5eばりのいいとこどりマインドで挑むのだ。そもそも二兎を追う者は一兎をも得ず、という格言は「二兎を追ってるぐらいでは一兎も得られん、三匹四匹五匹と追いまくれ!」という意味なのを知らんのか(『大熱言』で読んだ)。普段はリピーティング・ヘヴィ・クロスボウを連射しつつ、ACの高い敵が出てきたら《針の目を通す狙い》を活用して確実にダメージを通す、この二重作戦がザ・ニューハースク君の戦法となるだろう。
 ……ところで、お気付きかも知れないが、リピーティング・ヘヴィ・クロスボウを使っている限り、あまりヘヴィ・クロスボウを使う意味が無い。ヘヴィ・クロスボウ+《針の目を通す狙い》が相性が良いのは移動してはいけないというデメリットを気にしなくてよくなるからで、弓やリピーティング・ヘヴィ・クロスボウでもそれを気にしないというなら、それは同じことなのだ。一応、ヘヴィ・クロスボウなら毎ラウンド発射できるというメリットもあるが……リピーティング・ヘヴィ・クロスボウは5発撃ったら再装填が必要なため、6ラウンド目は一回休みとなる。ただ、《針の目を通す狙い》を使うようなレベル帯だと、5ラウンドも撃っていたらそれで戦闘は終わっている気がする。
 筆者を感動せしめたデメリットを帳消しにするビルドを捨て去るのは馬謖どころか鄧芝を斬るぐらい辛いことだが、リピーティング・ヘヴィ・クロスボウを利用するならその案はオクラ入りせざるを得ない。《高速装填》の代わりに取るのは《特殊武器習熟:リピーティング・ヘヴィ・クロスボウ》となる。なお、《高速装填》+ライト・クロスボウだとダメージ・ダイスが落ちる代わりに5発撃った後の弾倉交換を気にしなくて良くなる。では連射したい時はライト・クロスボウで、一発狙いではヘヴィ・クロスボウで……と言いたいところだが、《高速装填》ではクロスボウの種類を指定しなくてはいけないので不可。げぐぐ。
 どうしてもヘヴィ・クロスボウを使いたい場合は《致命的な狙い》による一発しかないと思うが、マイティ・コンポジット・ロングボウで固定ダメージが乗り、しかもこっちは《速射》まで可能となると、その地位も少々危うい。個人的には、リピーティング・ヘヴィ・クロスボウを買うまではライト・クロスボウで凌ぎ(ぶっちゃけ弓でもいい)、リピーティング・ヘヴィ・クロスボウ解禁後は手数でクリティカル発生率上昇を見込みたい。残念ながらキーン武器は近接攻撃にしか適用できないため、クリティカル領域拡張には9レベルの《クリティカル強化》を待たねばならないのだし。《渾身の一打》的な特技があれば、ヘヴィ・クロスボウもやりようはあるんだけど。
 1レベルで《高速装填》を取らなくてよくなったが、そうなると1レベルの特技は何にするか。一方でスタイル特技は2レベルで《精密射撃》、6レベルで《精密射撃強化》、10レベルで《針の目を通す狙い》は変わりなし。2レベルで《精密射撃》を取るのはドワーフだとボーナス特技抜きでは絶対に不可能であるし、遮蔽と視認困難による失敗確率完全無視は非常に心強い。それと、9レベルでやっと待望の《クリティカル強化》を取得できる、これは確定。ここから逆算していってみよう。
 まず絶対に取りたいのは《致命的な狙い》。これで【筋力】が乗らない分のダメージは補う。んで、それをいつ取るか? 1レベルからというのは、《強打》と比べると少々気が早いと感じる。接近戦をしている所に撃ち込もうとすると-4のペナルティがあまりにも痛いし、リピーティング・ヘヴィ・クロスボウを買うまでライト・クロスボウを使っていたとすると、装填で移動が潰れるぶん、遮蔽を避けるのも一苦労となる。また、PHBの“ゲームマスター”の項によれば、2レベルのPCの標準的な財産は1000gpなので、これをアテこんで《特殊武器習熟》を取る……のもそれは希望的観測に過ぎる。そもそも、武器については財産の1/4までにすべきだ、という示唆もあるしな。3レベル(3000gp)なら流石に文句なく買えるだろうから、ここで《特殊武器習熟》とセットで獲得できるのが理想なんだけど、《致命的な狙い》を後回しにしていると取得のタイミングがかち合う。ううむ、悩ましい。まあリピーティング・ヘヴィ・クロスボウを入手するまでは完全置物より、使わない時もある《致命的な狙い》の方がいいか……接近戦に入る前に撃てればペナルティは-1だけなんだし。
 3レベルでリピーティング・ヘヴィ・クロスボウ+《致命的な狙い》が可能になったら、次は複数回攻撃を想定して攻撃ロールにボーナスを与えるものを取得したい。と、なると一番効率が良いのは《近距離射撃》。ヘヴィ・クロスボウの射程を活かし切れないのは残念だが、クロスボウ・レンジャーにとってダメージまで+1とあっては背に腹は代えられない。30フィートまで接近するのがめんどいという人は《武器熟練:リピーティング・ヘヴィ・クロスボウ》で。
 後は7レベルと11レベル。元ハースク君は《鋼の意志》を取っており、これは非常にカタい選択だが、せっかく《持久力》をタダで貰えるのに《不屈の闘志》を取らないのはもったいない。使われない理由の三割ぐらいが《持久力》が前提になっていることなんだし(三割は推察)。残りの一枠だが、11レベルで《クリティカル熟練》はどうだろう。ファイターと違ってクリティカル特技は取れないが、クロスボウのクリティカル領域の広さと《クリティカル強化》にマッチした選択で、実用性よか見栄えの良さで推奨したい。“獲物”で指定できない奴らもこれでバシバシクリティカル・ヒットの餌食にしてやるのだ。
 装備品について見直すと、7レベルで+2スタデッド・レザーを買っているが、ACを上げるならベルト・オヴ・インクレディブル・デクスタリティの方が攻撃ロールまで伸びて都合がいい。スタデッド・レザーの強化ボーナスを+1に落すのはいいとして、後の金はバトルアックスの魔法化を諦めて工面するか。余った金は銀製・冷たい鉄製・できればアダマンテイン製のボルトを揃えておこう。
 クローク・オヴ・レジスタンスは12レベルでも+2のまま、このレベル帯になってきたら鎧の強化よりはこっちを優先するべきだと考える。そのための資金は、て、アンタなんでヘヴィ・クロスボウと《針の目を通す狙い》で戦うのにブーツ・オヴ・スピードなんて履いてるの。リピーティング・ヘヴィ・クロスボウで戦うようになったのなら出番はあるだろうが、どっしり腰を据えて《針の目を通す狙い》で戦うことも考えると、これは仲間にヘイストを使用してもらった方がいいんではないかなあ。同じ両足部位ならブーツ・オヴ・エルヴンカインドの方が適しているだろう。あ、そういえばアイズ・オヴ・ジ・イーグルも持ってねえや。メリシールもアイズ・オヴ・ジ・イーグルゴーグルズ・オヴ・マイニュート・シーイングを持ってないのを見るに、アイコニック・キャラクターはアイテムで技能の固定値をモリモリするのがお気に召していないのだろうか。それと、ベルト・オヴ・インクレディブル・デクスタリティ+4については、ベルト・オヴ・フィジカル・マイト+2で【敏捷力】ボーナスを1点落としても【耐久力】を伸ばすのが好みであるが、これは人によるだろう。
 技能については、“得意な敵”で巨人をブッチするなら〈知識:地理〉よりは〈知識:地域〉を優先するべき……と思ったけど、“得意な敵”があれば未収得判定可だったか。しかし技能抜きでデータを割るのはかなり厳しいので、巨人殺しを主張するならやっぱりあった方がいいような。それに〈呪文学〉は未収得判定不可なので伸ばしておいて損は無いと思う。〈生存〉〈治療〉〈動物使い〉に振っているポイントを、これと非常用に〈水泳〉〈登攀〉あたりに回してもいいのでは(“得意な地形”が山岳なのに〈登攀〉に一切ポイントを振らない潔さが小気味良い)。……そういえばレンジャーって〈軽業〉も〈脱出術〉もクラス技能じゃないのね。【敏捷力】高いのに、惜しい。
 クラス特徴の“得意な敵”“得意な地形”に関してはシナリオ次第としか言いようがない。ハマった時は強いがそうでない時はキャラクターシートの汚れ、これはレンジャーの宿命なので致し方なし。と、いうか“得意な敵”の分類が細か過ぎるのがイカンのだが。せめてクリーチャー識別に使う〈知識〉と同じぐらい大雑把な括りにしてくれてもよかったのに。設定から巨人殺しに走るのは当然として、第二にフェイを選んでいるのは、ダメージ減少を持ってるくそ野郎が多いので、固定値を乗せづらいクロスボウでコレをブチ抜くのは確かに頷ける。ただ、将来的に《針の目を通す狙い》を活かすのであれば、接触攻撃に弱い外皮頼みの奴をいたぶり回したい。そうなると竜か魔獣あたりかな。ところで、12レベルで“得意な敵”に「人型生物:人間」を選んでいるのは一体何があったんだハースク君。兄の死に邪悪な人間が絡んでいる真相でも知ってしまったのか。
 呪文は、1レベル呪文でエンタングルのシブさが光る。半径40フィートというアホみたいな広さを絡みつかれた状態にするえげつなさで、術者相手に使ったりすると覿面に効く。DC13という低さだけが残念だが、これは絡みつかれた状態目当てではなく、範囲内を移動困難地形にする方が重要なのだろう。射程が中距離で、半径40フィートを移動困難地形って肉弾戦しか能のない奴が先手取られて撃ち込まれたら、それだけで泣きそう。その間にゆっくりと味方は強化をさせてもらおう。
 データの見直しは大体終わったので、さらにハースク君を使いたくなるようなパーソナリティを紹介しておこう。
 ドワーフの割にトンネル潜りは好まず、広々とした平野と空を好み、仲間と連れ立って歩くよりは林の中に一人しゃがみこんで得物を待つ方が好きと言う変わり種。持ち物のティーポットもアルコールよりもお茶を好むというドワーフらしからぬ嗜好の象徴なのだ。ヴァレロス君におけるジョッキみたいなものだと思っていただきたい。
 本格的に冒険に出るようになったきっかけは、しばしば文中に出てきたバトルアックスの持ち主である兄の死。兄のシグールは巨人の小集落に攻撃を仕掛ける際に彼を副官に召集しようとしたが、温厚で平和主義なハースク君はそれを断った。結果としてシグールは待ち伏せに遭って戦死、それを看取ったハースク君は憤怒と憎悪に燃えて巨人のキャンプを練り歩き、背後から射殺しては森に隠れ、またはぐれた一匹を射殺して、を繰り返し、ついに巨人を全滅させた……死ぬために向かわされたフロスト・ジャイアントを逆に叩きのめしたアミリといい、物騒で壮絶な過去を持つ人がアイコニック・キャラクターには多いなあ。しかもクロスボウの射程を活かした背後からの一撃→装填を考えず逃げの一手という的確この上ないやり口。シャドウランみたいな冷静極まる殺害方法がそれ以上に怖い。大人しい奴ほどキレると怖い、というやつか。
 兄の形見となったバトルアックスから目を離すことはないが、自分の才能がクロスボウによる狩りと奇襲であることを自覚し、それを使うのは最後の手段としている所もまた熱い。こんなキャラクター、死ぬ時は「射撃型のPCが接近戦を挑む時はパーティが全滅する時だな」と呟きながらバトルアックスを握りしめる、身震いするほどカッコイイ最期に決まっているではありませんか!

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#181~呪文修得のテンプレート~

 さて前回の汎用パワーの中で出てきた、呪文修得にテンプレート用意したらどうか、という話だ。
 それというのも、5eに関する数少ない不満、それは呪文修得。以前の版への揺り戻しというかいいとこどりが指向されている5eで、それは今んとこかなりイイ線行ってると思うのだが、なんもあの膨大な呪文リストから選ばせる呪文修得に戻さんでもええやねん。それも、攻撃呪文にサポート呪文、妨害呪文、一発ネタ呪文、何に使うのかよくわからない呪文まで並列の価値とされた呪文リストから(この辺の話は前回の「使い道の明確な効果と、局所的な効果を同列の価値として選択肢に並べていいのか」というくだりを読んでネ)。
 個人的には、呪文修得のペースとレパートリーは4eぐらいがちょうどよかった。規定のレベルで1つずつ増え、選ぶのは(サプリを考えなければ)3~4つの中から。熟慮は必要であるものの、五十音順(原文ならアルファベット順)に並べられた呪文リストの中から該当するものを、上を下への大移動を繰り返しながら探し出した上でやっと選択に入れる従来の方式と比べれば、負担は雲泥の差である。いや、数の問題じゃなくて、「そのレベルで取れる呪文がまとめて提示されている」だけでも十分だったのかもしらんな。SW2.0の呪文修得があんまり苦にならんかったのもこれが理由か。っていうか国産ゲーなら普通の処理なんだ、これが。
 しかし4eは4eで多くがハッキリ「攻撃パワー」と銘打っていただけに、D&D特有の攻撃以外の変呪文に手が回らなかったきらいがある。「俺はアンシーン・サーヴァントを取ることがD&Dの習わしなのに」という人もいただろうし、「私は死体を運ぶためにテンサーズ・フローティング・ディスクを取りたかったのに」という人もいただろう(儀式で発動することはできたが)。それに、単純に旧来のD&Dにおける呪文数に、4eの呪文増加数では追い付けなかったというのもある。
 結局5eでは元の方式に戻ったのだけれど、すっかり戻すのではなく、もうちょっと老害を喜ばすばっかりじゃなく、ヤングに優しい方式は思いつけなかったんでしょうか。耳にシャターダコができるぐらい繰り返してきたが、ウィザード呪文を選ぶ際に「じゃあこの呪文リストから選んで」と初級呪文16個、1レベル呪文30個の羅列と、それらがレベル順でなくアルファベット順の呪文データを見せられたユーザの気持ちを考えたことがあるのか。クイックビルドという例も提示されてはいるが、いやオレはこの手のアメ公が作ったアーキタイプは信用しないね(それもすべてFASA社のゲームが悪い←とばっちり)。それでなんも指針が無いと、準備してる1レベル呪文がアイデンティファイアラームイリューソリィ・スクリプトサイレント・イメージです、なんて言い出す可能性もまったくないとは限らないしな。いやどんな選択でどんな結末に終わっても楽しめるプレイヤーというのは確かにいるもんだけど、その術者は楽しいかもしれないが、秘術呪文使いの選択がそれじゃ周囲は困った顔をするだろう。
 筆者が考えたのは、攻撃呪文○個、サポート呪文○個、妨害呪文○個、フリー枠○個……みたいな感じで、呪文の修得にある程度の指針を示すテンプレートを作ってはどうか、というもの。このような分類ごとに整理された呪文を枠に入れていくだけで、修得呪文が出来るっちゅう塩梅だな。これには呪文の「系統」がいい指針になるだろう。ダメージを与える呪文は力術、サポートは変成術、妨害は幻術や心術……という感じで大体相場が決まっておるのだし。そういえば、4eのキャラクターのタイプによってパワーに特典が付いてくるのも、あれはうまいやり方だった。“秘術の学派”のように、選択した系統を得意系統として特典を付ければ、固定とか多目に選ばないといけないという制限への不満も緩和される。クレリックやドルイドの場合は神や自然の領域によって呪文準備のテンプレートを作ることになる。系統が不適当なら、領域に関連するタグを作ったりしてもいいだろう
 1レベル時の呪文選択では、得意系統の呪文2つ、得意系統でない呪文を2つ(同じ系統から2つはダメ)、フリー枠1つ、おもしろ呪文枠1つ、大体こんなもんだろうか。ウィザードの1レベル呪文修得数が6つであることを考えても、そんなに悪くはないと思う。あとは、誰が使っても間違いのない呪文を埋め込む、とかかな。メイジ・ハンドマジック・ミサイルがこれにあたる。クレリックならヒーリング・ワードあたりか。
 問題になるのがレベルが上がった時の呪文修得。ウィザードは5eだとレベルが上がるごとに2つの呪文が増える。この2つをテンプレートで縛るとなると、著しく範囲が狭まることになる。1つを得意系統で縛ったりすると、それ以外の系統なんてレベルアップでまるで増えていかない。そうなると、得意系統を2つまで選べるようにするとか? 系統ごとに特典が複数用意されていて、得意系統を重ねることも可能にするか。しかし、あまりゴチャゴチャプレイヤーが選ぶものが増えるのもちょっと。これはエルドリッチ・ナイトやアーケイン・トリックスターのように、特定のレベルに達した時フリー枠が降ってくるようにして対処したい。得意系統を2つ選んでいいなら、毎レベル得意系統から1つ+フリー枠1つもアリかのう。あとはおもしろ呪文枠、これも特定のレベルに達したら。
 もっと大きな問題は、修得呪文数の少ない奴ら。端的に言うと【魅力】で呪文を発動する連中のこと。誰もかれもが神様からの授かりものなんで呪文は全部覚えますとか好きなだけ呪文書に書き込めますとかなめくさったゆるさではないのだ。ソーサラーとかバードとかテンプレートを作る事すら難しそう……ウォーロックみたいにそのうちPHBから消えるようなクラスはどうでもいいよ(暴論)。ちゅうか、ウォーロックぐらい呪文の幅が狭ければあまりテンプレートを作る必要も感じないな。バードは汎用枠に回せそうな呪文が多いから、これももう少し頑張って削ればテンプレート不要なぐらいにはイケるかもしれない。つまり、ソーサラーはあの限られた呪文修得数に対してウィザードと類似の膨大な呪文リストを使ってる所がいくない。1レベル時に1レベル呪文2つ、その先1レベルにつき1個しか増えない(増えない時すらある)呪文数で、あの呪文リストから選べって言われても、この判断が正しいのか正しくないのか不安で仕方ないぜ。4eみたいにソーサラーに限らずそのクラス専用の呪文群が用意されてれば、こんな悩みを抱かなくても済むのだろうが。嗚呼サポートが切れてからワカる4eの簡便さよ。
 バードのようなタイプの術者なら、上述の通りおもしろ呪文枠に回せる呪文は回すことで、通常の呪文修得はテンプレート抜きでもいけるのではないだろうか。その代わりに、おもしろ呪文を修得する機会を多くし、呪文の系統ではなく方向性で差別化を図るという寸法。それに「これぞバード」という呪文を固定で追加していく(ヴィシャス・モッカリーのような)。ソーサラーの場合は血脈で特色を打ち出したいところ。しかし1レベル時の呪文2個という無情さでは、特色を出すもへったくれもない気がするが。クレリックやドルイド用に作ったタグをうまく再利用しつつ、PFのように血脈で貰える呪文リストで幅の狭さを補うか。あ、幅が狭いというなら、いっそシステムの側で修得呪文の多くを決めてしまうってのはどうよ? 大体血脈で決定されるからラクだけど、そのぶんフリー枠でいっそう頭を悩ませることになるぞ。こうやって呪文を固定で決めるなら、ウィザードやバードのような「これぞ○○」という呪文を追加する必要は無さそうだ。
 ……と、色々考えてきた呪文修得のテンプレート、後半はあんまりテンプレートっぽくなかったが、ある程度システム側で縛ってくれた方がやりやすい事だってあるのよ、ってことで。3eにあった、系統以外のタグを活用する手段はなかなかいいと思うんだけどな。呪文リストを作るのに、系統ごととかタグごととか整理がちょいと面倒なことになるが、ただズラズラ呪文名を並べるよりはずっとユーザの事を慮ったレイアウトになるんじゃねえんですかいええWoCさんよ(無意味な強気)。それがムリなら呪文のデータをレベルごとに分けて掲載するだけでもええんやで。っていうか、それを3e系統でできない理由、「術者ごとに使用する呪文スロットが異なる場合がある」が5eだとほとんど生じないのに、なぜそれをせず頑なにアルファベット順にしたのか……本当にアメ公はあの配置で満足しているのか……。

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