D&D5e余話#182~5eことはじめ記・いつかドラゴンスレイヤーになるために パラディン編~

 役職ごとにクラスを紹介してきた5eはじめてさん向け記事、古参四傑を終えてからハタと困った。
 正直言ってファイター・ローグ・クレリック・ウィザードの四クラスを抜くと、意外とストレートに使いやすいと言えるクラスって少ない。前記4クラスと比べて派手だったり、変化球だったりするものの、それを強さに結びつけるのはひと手間だったりする。調子に乗るとあっという間にガス欠になる奴等と1レベル時がつら過ぎる奴等だからな(前者:ババリソとかバードとかウォーロック、後者:ドルイドとモンクと生レンジャー)。
 そんな中から比較的オススメしやすいと言えるのは、派手だし爽快感もあるしでこの人かな、と。
 1レベル時はファイターと大差ないからとも言えるが。

パラディン

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We are Pathfinders!#274~アイコニック・キャラクター:ネオハースク君のハナシ~

 ネオはネオジャパンとかのノリで。
 前回のハースク君改造計画、アイコニック・キャラクター故PHBの縛りの中でやっていたが、APGにはめでたくクロスボウ戦闘スタイルが追加され、クロスボウ・レンジャーのビルドにも困らずに済むようになった。リストの中には《致命的な狙い》もあれば《乾坤の一射》(APG)もあり、ダメージを伸ばす特技が用意され、かつ6レベルで《クロスボウ体得》(APG)が用意。リピーティング・ヘヴィ・クロスボウに頼らずとも、ヘヴィ・クロスボウで連射できるようになっている。
 しかし早急に《精密射撃》は取りたいし、《精密射撃強化》は非常に多くの前提をすっ飛ばしての取得で美味しいしなあ、んでやっぱり《針の目を通す狙い》は必須でしょ、ってこれじゃ弓術スタイルと同じだ! ……そもそも、《クロスボウ体得》自体弓術スタイルで選べる(なんでやねん)んで、前回のようにヘヴィ・クロスボウをなんとか導入しようとする尻から屁が出るような苦労も消し飛ぶワケだが、まあPHB縛りがあったからよお。
 少し変化を加えるなら、《乾坤の一射》はこれも割と前提が面倒なんでこれをスタイル特技で取るといいか……よくねえ。そうすると《精密射撃》を自力で取らないといけなくなる。そのためには《近距離射撃》が必要で、3レベルで《精密射撃》を取ったとすると、ただ単に《乾坤の一射》の順番が前後するだけだったりする(《乾坤の一射》の前提は《近距離射撃》と《精密射撃》)。それに《乾坤の一射》は30フィート以内でしか機能しないから、結局アウトレンジからヘヴィ・クロスボウという作戦はパアである。タハー 第一、クロスボウスタイルに《遠射》も入ってないしね。って、マジかい。
 《クロスボウ体得》も《精密射撃強化》に比べて割とフツーに取れそうなところが切ない。《近距離射撃》《高速装填》《速射》、その気になれば5レベルでも取得可能だったりする。もっとも、《高速装填》をヘヴィ・クロスボウで指定したりすると、《クロスボウ体得》を取るまで《速射》が完全に死ぬから、出来ればスタイル特技で取りたいものですが。《精密射撃強化》で厳しいのは基本攻撃の縛りだけで、後の【敏捷力】19と《近距離射撃》《精密射撃》はなんとでもなる。遮蔽と視認困難無視は非常に強力ながら、今すぐ取りたい取らないと死ぬと泣き喚くものではなく、「いつか」取っておきたいものなので、これまた後ろ髪を引かれる思いであるが、後回しにしても責められるいわれは無いだろう。多分。
 なお、《クロスボウ体得》さえ取れば装填はクロスボウの種類に限らずフリー・アクションとなるため、別に《高速装填》でライト・クロスボウを指定して、《クロスボウ体得》を取得したらヘヴィ・クロスボウに移行してもよい。ただ、装填がフリー・アクションになると言っても、「《高速装填》を修得しているクロスボウの種類に対する装填は、機会攻撃を誘発しなくなる」という一文を読むに、やはり装填自体が機会攻撃を誘発する行為なのは変わらないようだ。
 このような筆者の判断基準からすると、クロスボウスタイルを選んでもあまり変化は無いのだけれど、クロスボウがメインのハースク君なんだから、そうして悪い理由はあるまい。強いて言うなら《遠射》が取れないぐらいか。あらかた戦闘スタイル特技を取り尽したら手を伸ばしても良かったのだが……ん? これって弓術スタイルの方がいいんじゃ……。
 え、えーと、《クロスボウ体得》によって5レベルからヘヴィ・クロスボウの連射が可能になるから6レベル以降の攻撃回数増加も無駄にならないし、1レベル時から《高速装填》で指定して問題無し。リピーティング・ヘヴィ・クロスボウを買うまではボウで代用するなんてダサい選択をしなくて済む(自分で考案しておいてなんだが)。ただ戦闘スタイル特技は、弓術スタイルと比べて変化が無いと言っても、やっぱり2レベルは《精密射撃》ではないかと思う。-4のペナルティと言うのは無視するにはあまりにもしんどい。んでもって6レベルで《クロスボウ体得》、10レベルで《針の目を通す狙い》。《乾坤の一射》は【知力】ボーナスが低いと追加攻撃を捨ててまで得たのがコレかあ、になってしまうので、実は魔法のアイテムによる増強が可能になった14レベルで取ってこそ真価を発揮するやもしれぬ(ハースク君のビルドだと、ちょっと【知力】に回す余裕が無い)。それに、標準アクションなので《針の目を通す狙い》と同時に使用もできないし。18レベルは正直取るもんあらかた取り尽している気がするが、まああって損はないから《機動射撃》か。……言うてもコレ、全ラウンド・アクションだから各種特技と併用できず、やっぱり相性は悪い。戦い方の幅を広げるつもりで取るのが吉か。いっそ《速射》の方が良かったかも……ん? これも弓術スタイルにあったような……しかも《近距離射撃体得》《撤退射撃》(APG)を弓術スタイルならスタイル特技で取れるという文言が……。
 結論、《乾坤の一射》に未練が無い人は弓術スタイルのままでいいと思います。【知力】がそこまで高くなければ、ぶっちゃけ《針の目を通す狙い》を使った方が強そうだし。
 3レベルの特技は《致命的な狙い》。《近距離射撃》でもいいが、4レベルになった際の伸びたダメージ・ボーナスを即座に使用できるところを買った。また30フィート以内という制限が《クロスボウ体得》が無くて移動できない間はまだちょっと苦しい。ただ、《近距離射撃》は《収束射撃》の前提にもなっているので、5レベルでは獲得しておきたい。これで7レベルで《収束射撃》(UC)の条件を満たせる。矢弾で切り替えが利くとは言え、固定値を稼ぎづらい、しかも【筋力】の乗らないクロスボウとあっては、ダメージ減少克服に《収束射撃》は必須だ。9レベルは《クリティカル強化》、10レベルのスタイル特技で《針の目を通す狙い》を取得し、11レベルで《精密射撃強化》、これでアイコニック・キャラクターの最高レベルである12レベルまでの特技取得は終了。
 以降は筆者の趣味で選んだ《クリティカル熟練》を取りに行ってもいいし、《武器熟練》で固定値を伸ばすもよし。《クロスボウ体得》を取ったなら、《速射》だって遠慮なく使える。個人的に是非使ってほしいのが《伏せ射撃》(UC)。伏せ状態の場合遠隔攻撃へのACが+6とべらぼうに伸びる。これだけ伸びれば遠隔接触攻撃とてそう簡単には当たらなくなる。どうせ《針の目を通す狙い》を使う時は移動できないのであるし、《近距離射撃》や《乾坤の一射》を使わないと言うなら、これで伏せたままヘヴィ・クロスボウの射程を活かして固定砲台になるというのも面白いキャラクターになりそうだ。実は、伏せ状態になっていても受けるペナルティは近接攻撃と近接攻撃に対してだけで、別に反応セーヴがしづらくなったりはしないのである。いいのかなあ。ま、いいか。
 14レベルはせっかくスタイル特技で取得できるようになったし、《近距離射撃体得》で敵に寄られても平然と撃ち抜くCOOLな絵面を演出したい。結局クロスボウ戦闘スタイルはやめて弓術スタイルにしたのかって? まあ、そういうことです。
 クラス特徴は、“得意な敵”はどうしても相手を選んでしまうので、個人的にはAPGの案内人で“レンジャーの集中”に変えた方が好みであるが、巨人殺しを捨て去るのはキャラクターの設定に抵触するので仕方あるまい。その代わり遊撃兵(APG)アーキタイプを使用するのはどうか。“狩人の技”の絡みつき攻撃は、攻撃が命中した場合1ラウンドの間絡みつかれた状態になる(セーヴ不可、サイズなどの制限無し)とかとんでもないことが書いてある。これ、《針の目を通す狙い》と併用したら大変なことになるんじゃ……遠隔攻撃できないデカブツなんか完封されてもおかしくない。防御的弓術で接近してきた敵をブチ抜いたり、戦闘だけでなく技能の達人でここぞという技能ロールに備えたり、その効果は多岐に渡る。《伏せ射撃》を使っている人は素早き立ち上がりがオススメ。呪文がまるっきり失われてしまうのは寂しいが、レンジャーの呪文能力の伸びはかなり緩やかなので、オマケと割り切るのもひとつの考え方である。エンタングルが植物の生えてない所でも使えたら、ワンドで振りまくる作戦もあったのだが(そういうことを考える奴がいたからかなあ)。
 CRB以外のサプリを解禁した場合のハースク君は以上のようなビルドとなった。特技を整理し直すと、

1レベル:《高速装填:ヘヴィ・クロスボウ》
2レベル:《精密射撃》(スタイル特技)
3レベル:《致命的な狙い》
5レベル:《近距離射撃》
6レベル:《クロスボウ体得》(スタイル特技)
7レベル:《収束射撃》
9レベル:《クリティカル強化》
10レベル:《針の目を通す狙い》(スタイル特技)
11レベル:《精密射撃強化》

 取りあえず7レベルの時点でも割と本気出していると思うのだけれどどうだろう。クリティカル前提のため、出目が良くなければいかんせん真価を発揮しないというか、これマイティ・コンポジット・ロングボウを使った方が遥かに簡単に火力出せるんじゃという気が何度もしたのだけれど、そこはアイコニック・キャラクターで敢えてクロスボウという道を進んだスタッフとハースク君の心意気とドッ根性を買おうではありませんか。
 ガンスリなら1レベルの時点で接触攻撃ができるですって? うるさいよ!

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We are Pathfinders!#273~アイコニック・キャラクター:ハースク君のハナシ~

 アイコニック・キャラクターだらけのセッションをやったら、一番不人気なのはレンジャーのハースク君ではないかという意見を耳にした。
 ハースクファンクラブ第一号にして会長兼書記長兼会計兼名誉理事兼ヒラ会員として即座に
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 といきり立ったが、同時に「ええまあ」と答えた自分に気付き、ひとしきり
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 こんな感じで部屋の中の物に八つ当たりをしていた。
 ……1レベルの特技が《高速装填》だからかなぁ……。
 実際アイコニック・キャラクターの中から使いたい子どーれだと言われたら、ヴァレロス君かアミリたんくーださいと答える。ほら、オレハースクファンクラブ会員と同時にアミリたんファンクラブ特攻隊長だし。
 なんで最下位なのかというと、本気出すのが12レベルだからだそうです。ま、そりゃそうだ……7レベルの時点でも、《クリティカル強化》さえ取れてないし(実際に取れるのは9レベル)。
 一番好きなアイコニック・キャラクターってのはホントよ。PFでレンジャーが中装鎧に習熟しただけで、こんなに世界が広がるなんて、と感心した。が、レンジャーでもクロスボウ使いがいる、それもクロスボウのクリティカル領域の広さを活かした《クリティカル強化》に、《速射》による攻撃回数ではなくヘヴィ・クロスボウと《針の目を通す狙い》の一撃狙いというビルドには目からウロコがバラバラと落ちた。さらに《針の目を通す狙い》のデメリット、そのターンに移動してはならないという縛りをヘヴィ・クロスボウの装填によって実質無意味なものとしている。考えたのは相当の手練れと見た。
 しかし本気を出す12レベルの段階でも、いくら接触攻撃とは言え1d10+3[刺突]+1d6[火]ダメージが1回が12レベルで適切なダメージかどうかは判断の分かれる……っていうか低くない? クロスボウは弓と違ってダメージに【筋力】を乗せられんから、強化ボーナス頼りになるんだよなー。いやそれよりも《針の目を通す狙い》を取ってるのなら、何故《致命的な狙い》を取らんのや。接触攻撃できるのなら《致命的な狙い》のペナルティなんか屁でもないのに。12レベルでダメージ・ボーナスもきっかり+8になってまっせ。固定値を乗せづらいクロスボウなら、《遠射》よりこっちを優先すべきでは……もしかして《遠射》は弓術スタイルで取ったのかな。ただ、2レベルで《精密射撃》、6レベルで《精密射撃強化》、10レベルで《針の目を通す狙い》でスタイル特技は埋められるから、《遠射》を選ばない選択もあったのでは。確かにヘヴィ・クロスボウの射程を活かすなら《遠射》もアリだと思うが……って、《近距離射撃》を使おうとしたら30フィート以内に行かないといけねえでないの。《遠射》主体で行くなら、前提の《近距離射撃》を無視できるスタイル特技で取ればいいのに。ううむ、どうにも戦い方がちぐはぐだな。一番好きなビルドであるのは確かだが、なんか読み込めば読み込むほど使いたい気力が減退していくのを感じる。
 そもそも《速射》や《束ね射ち》で矢を撃ちまくることを想定しているっぽい弓術スタイルでクロスボウを使おうとすること自体に無理が生じるのかもしれない。《速射》のペナルティを恐れてか、《致命的な狙い》がスタイル特技に入ってないし。って、マジかよ。二刀流スタイル特技に《強打》が入ってないのはワカるが、《針の目を通す狙い》をスタイル特技に含めるなら、こっちだってあってもよさそうなものなのに。APGで追加されたクロスボウ戦闘スタイルでは《致命的な狙い》はもちろん、《乾坤の一射》がスタイル特技に加えられて、いっそう固定値を稼ぎやすくなった。もちろん《針の目を通す狙い》も変わらず取得可能だ。
 普通にクロスボウ・レンジャーを組むならこちらを選べば問題ないが、アイコニック・キャラクターという立場上、できることならデータはPHBの範囲内に押さえたい。その上でギャルもキャラクターシートを見ただけで2コマ即オチ級の罪なクロスボウ・レンジャーを考えてやろうではありませんか。
 と、いうわけであらためてデータを見てまず目に付くのが能力値。【筋力】14は亡き兄貴の形見であるバトルアックスを活用せんとする意気込みかもしれないが、よりにもよってクロスボウで戦うとなると、この【筋力】は無駄としか言いようがない……とは言え、レンジャーは基本攻撃ボーナスが良好で、さらに【敏捷力】型の都合上ACもそれほど悪くない。普段はクロスボウを撃ちつつ、後方に抜けてくる敵がいたらバトルアックスを抜いて切り替えるという戦法も取りようがある。それでも、14はちょっとやり過ぎという感がある。あくまでも嗜み程度に考えるなら、12に押さえて+1ボーナスだけは確保し、バトルアックスへのシフト戦法は前衛が堅固でない序盤に限って良いかと。完全に切って手つかずの10、もしくはそれ以下にしなかったのは、人情だけでなく荷重の問題のため。ローグ同様にレンジャーにとって中荷重以上は大の敵、それも得物のバトルアックスやヘヴィ・クロスボウは重いのだ。
 【筋力】を14から12にして浮いた3能力値ポイントは【敏捷力】に回すと1レベル時に17、4レベルの能力値上昇で18まで持っていける。【魅力】を7(種族修正を入れると5)にすれば【敏捷力】18まで持っていけるが、愛されキャラであるべきアイコニック・キャラクターであんまりブサメンなのもどうかと思う。【魅力】と全然縁が無いクラスであるウィザードのエズレンおじいちゃんだって10をキープしているのであるし(驚くなかれ、【魅力】だけでなく【筋力】も10あるぞ)。なお、【敏捷力】が奇数になったことで、能力値上昇の1回を元のビルドのように【耐久力】に寄り道するヒマはない、と考える人もいるだろう。その場合は【耐久力】を1点下げると能力値ポイントが1点浮く。この1点で変わることはそうそうないが、【筋力】を13にして荷重上限を高めておくか? もう1点あれば【知力】ボーナスを+1まで持っていきたかったのだが。
 次に特技と装備の話。ヘヴィ・クロスボウを得物にする以上、《高速装填》は避けて通れない……と言いたいところだが、世の中にはリピーティング・クロスボウという便利な代物があった。こいつは特殊武器ながら、クロスボウ・ボルトがカートリッジ式で装填されている優れもので、なんとクロスボウにもかかわらず、再装填をフリー・アクションで行える。しかも、ライトであろーとヘヴィであろーと関係無しだ(!)。5発撃ち切ってしまうとカートリッジの装填に全ラウンド・アクションを使わなくてはならないが、この利便性は代え難いものがある。
 代金はライト・クロスボウなら250gp、ヘヴィ・クロスボウなら400gp。やはり世の中は金ですか。金が無いとダメですか。
 1レベルだと泣こうが喚こうが手に入らない金額なんで、コレに手が届くまではやはり通常のヘヴィ・クロスボウ頼みとなるワケだが。リピーティング・クロスボウはコンポジット・ボウと違って、武器の構造が違い過ぎるためか《武器熟練》などで指定する際、ヘヴィ・クロスボウとしてはみなされない。ハースク君のような《武器熟練》《クリティカル強化》でヘヴィ・クロスボウを指定するタイプのビルドでは効率が悪い。あと、《針の目を通す狙い》を活用するとなると、リピーティング・ヘヴィ・クロスボウの連射力が死ぬ……のは、10レベルになってからだから、いいか。ちゅうかヘヴィ・クロスボウと《針の目を通す狙い》ではレンジャーの良好な攻撃ボーナスによる複数回攻撃がもったいない。
 クロスボウのクリティカル一発狙いは成就するまでに時間がかかるので、二兎を追う者は一兎をも得ず、ではなく
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 という5eばりのいいとこどりマインドで挑むのだ。そもそも二兎を追う者は一兎をも得ず、という格言は「二兎を追ってるぐらいでは一兎も得られん、三匹四匹五匹と追いまくれ!」という意味なのを知らんのか(『大熱言』で読んだ)。普段はリピーティング・ヘヴィ・クロスボウを連射しつつ、ACの高い敵が出てきたら《針の目を通す狙い》を活用して確実にダメージを通す、この二重作戦がザ・ニューハースク君の戦法となるだろう。
 ……ところで、お気付きかも知れないが、リピーティング・ヘヴィ・クロスボウを使っている限り、あまりヘヴィ・クロスボウを使う意味が無い。ヘヴィ・クロスボウ+《針の目を通す狙い》が相性が良いのは移動してはいけないというデメリットを気にしなくてよくなるからで、弓やリピーティング・ヘヴィ・クロスボウでもそれを気にしないというなら、それは同じことなのだ。一応、ヘヴィ・クロスボウなら毎ラウンド発射できるというメリットもあるが……リピーティング・ヘヴィ・クロスボウは5発撃ったら再装填が必要なため、6ラウンド目は一回休みとなる。ただ、《針の目を通す狙い》を使うようなレベル帯だと、5ラウンドも撃っていたらそれで戦闘は終わっている気がする。
 筆者を感動せしめたデメリットを帳消しにするビルドを捨て去るのは馬謖どころか鄧芝を斬るぐらい辛いことだが、リピーティング・ヘヴィ・クロスボウを利用するならその案はオクラ入りせざるを得ない。《高速装填》の代わりに取るのは《特殊武器習熟:リピーティング・ヘヴィ・クロスボウ》となる。なお、《高速装填》+ライト・クロスボウだとダメージ・ダイスが落ちる代わりに5発撃った後の弾倉交換を気にしなくて良くなる。では連射したい時はライト・クロスボウで、一発狙いではヘヴィ・クロスボウで……と言いたいところだが、《高速装填》ではクロスボウの種類を指定しなくてはいけないので不可。げぐぐ。
 どうしてもヘヴィ・クロスボウを使いたい場合は《致命的な狙い》による一発しかないと思うが、マイティ・コンポジット・ロングボウで固定ダメージが乗り、しかもこっちは《速射》まで可能となると、その地位も少々危うい。個人的には、リピーティング・ヘヴィ・クロスボウを買うまではライト・クロスボウで凌ぎ(ぶっちゃけ弓でもいい)、リピーティング・ヘヴィ・クロスボウ解禁後は手数でクリティカル発生率上昇を見込みたい。残念ながらキーン武器は近接攻撃にしか適用できないため、クリティカル領域拡張には9レベルの《クリティカル強化》を待たねばならないのだし。《渾身の一打》的な特技があれば、ヘヴィ・クロスボウもやりようはあるんだけど。
 1レベルで《高速装填》を取らなくてよくなったが、そうなると1レベルの特技は何にするか。一方でスタイル特技は2レベルで《精密射撃》、6レベルで《精密射撃強化》、10レベルで《針の目を通す狙い》は変わりなし。2レベルで《精密射撃》を取るのはドワーフだとボーナス特技抜きでは絶対に不可能であるし、遮蔽と視認困難による失敗確率完全無視は非常に心強い。それと、9レベルでやっと待望の《クリティカル強化》を取得できる、これは確定。ここから逆算していってみよう。
 まず絶対に取りたいのは《致命的な狙い》。これで【筋力】が乗らない分のダメージは補う。んで、それをいつ取るか? 1レベルからというのは、《強打》と比べると少々気が早いと感じる。接近戦をしている所に撃ち込もうとすると-4のペナルティがあまりにも痛いし、リピーティング・ヘヴィ・クロスボウを買うまでライト・クロスボウを使っていたとすると、装填で移動が潰れるぶん、遮蔽を避けるのも一苦労となる。また、PHBの“ゲームマスター”の項によれば、2レベルのPCの標準的な財産は1000gpなので、これをアテこんで《特殊武器習熟》を取る……のもそれは希望的観測に過ぎる。そもそも、武器については財産の1/4までにすべきだ、という示唆もあるしな。3レベル(3000gp)なら流石に文句なく買えるだろうから、ここで《特殊武器習熟》とセットで獲得できるのが理想なんだけど、《致命的な狙い》を後回しにしていると取得のタイミングがかち合う。ううむ、悩ましい。まあリピーティング・ヘヴィ・クロスボウを入手するまでは完全置物より、使わない時もある《致命的な狙い》の方がいいか……接近戦に入る前に撃てればペナルティは-1だけなんだし。
 3レベルでリピーティング・ヘヴィ・クロスボウ+《致命的な狙い》が可能になったら、次は複数回攻撃を想定して攻撃ロールにボーナスを与えるものを取得したい。と、なると一番効率が良いのは《近距離射撃》。ヘヴィ・クロスボウの射程を活かし切れないのは残念だが、クロスボウ・レンジャーにとってダメージまで+1とあっては背に腹は代えられない。30フィートまで接近するのがめんどいという人は《武器熟練:リピーティング・ヘヴィ・クロスボウ》で。
 後は7レベルと11レベル。元ハースク君は《鋼の意志》を取っており、これは非常にカタい選択だが、せっかく《持久力》をタダで貰えるのに《不屈の闘志》を取らないのはもったいない。使われない理由の三割ぐらいが《持久力》が前提になっていることなんだし(三割は推察)。残りの一枠だが、11レベルで《クリティカル熟練》はどうだろう。ファイターと違ってクリティカル特技は取れないが、クロスボウのクリティカル領域の広さと《クリティカル強化》にマッチした選択で、実用性よか見栄えの良さで推奨したい。“獲物”で指定できない奴らもこれでバシバシクリティカル・ヒットの餌食にしてやるのだ。
 装備品について見直すと、7レベルで+2スタデッド・レザーを買っているが、ACを上げるならベルト・オヴ・インクレディブル・デクスタリティの方が攻撃ロールまで伸びて都合がいい。スタデッド・レザーの強化ボーナスを+1に落すのはいいとして、後の金はバトルアックスの魔法化を諦めて工面するか。余った金は銀製・冷たい鉄製・できればアダマンテイン製のボルトを揃えておこう。
 クローク・オヴ・レジスタンスは12レベルでも+2のまま、このレベル帯になってきたら鎧の強化よりはこっちを優先するべきだと考える。そのための資金は、て、アンタなんでヘヴィ・クロスボウと《針の目を通す狙い》で戦うのにブーツ・オヴ・スピードなんて履いてるの。リピーティング・ヘヴィ・クロスボウで戦うようになったのなら出番はあるだろうが、どっしり腰を据えて《針の目を通す狙い》で戦うことも考えると、これは仲間にヘイストを使用してもらった方がいいんではないかなあ。同じ両足部位ならブーツ・オヴ・エルヴンカインドの方が適しているだろう。あ、そういえばアイズ・オヴ・ジ・イーグルも持ってねえや。メリシールもアイズ・オヴ・ジ・イーグルゴーグルズ・オヴ・マイニュート・シーイングを持ってないのを見るに、アイコニック・キャラクターはアイテムで技能の固定値をモリモリするのがお気に召していないのだろうか。それと、ベルト・オヴ・インクレディブル・デクスタリティ+4については、ベルト・オヴ・フィジカル・マイト+2で【敏捷力】ボーナスを1点落としても【耐久力】を伸ばすのが好みであるが、これは人によるだろう。
 技能については、“得意な敵”で巨人をブッチするなら〈知識:地理〉よりは〈知識:地域〉を優先するべき……と思ったけど、“得意な敵”があれば未収得判定可だったか。しかし技能抜きでデータを割るのはかなり厳しいので、巨人殺しを主張するならやっぱりあった方がいいような。それに〈呪文学〉は未収得判定不可なので伸ばしておいて損は無いと思う。〈生存〉〈治療〉〈動物使い〉に振っているポイントを、これと非常用に〈水泳〉〈登攀〉あたりに回してもいいのでは(“得意な地形”が山岳なのに〈登攀〉に一切ポイントを振らない潔さが小気味良い)。……そういえばレンジャーって〈軽業〉も〈脱出術〉もクラス技能じゃないのね。【敏捷力】高いのに、惜しい。
 クラス特徴の“得意な敵”“得意な地形”に関してはシナリオ次第としか言いようがない。ハマった時は強いがそうでない時はキャラクターシートの汚れ、これはレンジャーの宿命なので致し方なし。と、いうか“得意な敵”の分類が細か過ぎるのがイカンのだが。せめてクリーチャー識別に使う〈知識〉と同じぐらい大雑把な括りにしてくれてもよかったのに。設定から巨人殺しに走るのは当然として、第二にフェイを選んでいるのは、ダメージ減少を持ってるくそ野郎が多いので、固定値を乗せづらいクロスボウでコレをブチ抜くのは確かに頷ける。ただ、将来的に《針の目を通す狙い》を活かすのであれば、接触攻撃に弱い外皮頼みの奴をいたぶり回したい。そうなると竜か魔獣あたりかな。ところで、12レベルで“得意な敵”に「人型生物:人間」を選んでいるのは一体何があったんだハースク君。兄の死に邪悪な人間が絡んでいる真相でも知ってしまったのか。
 呪文は、1レベル呪文でエンタングルのシブさが光る。半径40フィートというアホみたいな広さを絡みつかれた状態にするえげつなさで、術者相手に使ったりすると覿面に効く。DC13という低さだけが残念だが、これは絡みつかれた状態目当てではなく、範囲内を移動困難地形にする方が重要なのだろう。射程が中距離で、半径40フィートを移動困難地形って肉弾戦しか能のない奴が先手取られて撃ち込まれたら、それだけで泣きそう。その間にゆっくりと味方は強化をさせてもらおう。
 データの見直しは大体終わったので、さらにハースク君を使いたくなるようなパーソナリティを紹介しておこう。
 ドワーフの割にトンネル潜りは好まず、広々とした平野と空を好み、仲間と連れ立って歩くよりは林の中に一人しゃがみこんで得物を待つ方が好きと言う変わり種。持ち物のティーポットもアルコールよりもお茶を好むというドワーフらしからぬ嗜好の象徴なのだ。ヴァレロス君におけるジョッキみたいなものだと思っていただきたい。
 本格的に冒険に出るようになったきっかけは、しばしば文中に出てきたバトルアックスの持ち主である兄の死。兄のシグールは巨人の小集落に攻撃を仕掛ける際に彼を副官に召集しようとしたが、温厚で平和主義なハースク君はそれを断った。結果としてシグールは待ち伏せに遭って戦死、それを看取ったハースク君は憤怒と憎悪に燃えて巨人のキャンプを練り歩き、背後から射殺しては森に隠れ、またはぐれた一匹を射殺して、を繰り返し、ついに巨人を全滅させた……死ぬために向かわされたフロスト・ジャイアントを逆に叩きのめしたアミリといい、物騒で壮絶な過去を持つ人がアイコニック・キャラクターには多いなあ。しかもクロスボウの射程を活かした背後からの一撃→装填を考えず逃げの一手という的確この上ないやり口。シャドウランみたいな冷静極まる殺害方法がそれ以上に怖い。大人しい奴ほどキレると怖い、というやつか。
 兄の形見となったバトルアックスから目を離すことはないが、自分の才能がクロスボウによる狩りと奇襲であることを自覚し、それを使うのは最後の手段としている所もまた熱い。こんなキャラクター、死ぬ時は「射撃型のPCが接近戦を挑む時はパーティが全滅する時だな」と呟きながらバトルアックスを握りしめる、身震いするほどカッコイイ最期に決まっているではありませんか!

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D&D5e余話#181~呪文修得のテンプレート~

 さて前回の汎用パワーの中で出てきた、呪文修得にテンプレート用意したらどうか、という話だ。
 それというのも、5eに関する数少ない不満、それは呪文修得。以前の版への揺り戻しというかいいとこどりが指向されている5eで、それは今んとこかなりイイ線行ってると思うのだが、なんもあの膨大な呪文リストから選ばせる呪文修得に戻さんでもええやねん。それも、攻撃呪文にサポート呪文、妨害呪文、一発ネタ呪文、何に使うのかよくわからない呪文まで並列の価値とされた呪文リストから(この辺の話は前回の「使い道の明確な効果と、局所的な効果を同列の価値として選択肢に並べていいのか」というくだりを読んでネ)。
 個人的には、呪文修得のペースとレパートリーは4eぐらいがちょうどよかった。規定のレベルで1つずつ増え、選ぶのは(サプリを考えなければ)3~4つの中から。熟慮は必要であるものの、五十音順(原文ならアルファベット順)に並べられた呪文リストの中から該当するものを、上を下への大移動を繰り返しながら探し出した上でやっと選択に入れる従来の方式と比べれば、負担は雲泥の差である。いや、数の問題じゃなくて、「そのレベルで取れる呪文がまとめて提示されている」だけでも十分だったのかもしらんな。SW2.0の呪文修得があんまり苦にならんかったのもこれが理由か。っていうか国産ゲーなら普通の処理なんだ、これが。
 しかし4eは4eで多くがハッキリ「攻撃パワー」と銘打っていただけに、D&D特有の攻撃以外の変呪文に手が回らなかったきらいがある。「俺はアンシーン・サーヴァントを取ることがD&Dの習わしなのに」という人もいただろうし、「私は死体を運ぶためにテンサーズ・フローティング・ディスクを取りたかったのに」という人もいただろう(儀式で発動することはできたが)。それに、単純に旧来のD&Dにおける呪文数に、4eの呪文増加数では追い付けなかったというのもある。
 結局5eでは元の方式に戻ったのだけれど、すっかり戻すのではなく、もうちょっと老害を喜ばすばっかりじゃなく、ヤングに優しい方式は思いつけなかったんでしょうか。耳にシャターダコができるぐらい繰り返してきたが、ウィザード呪文を選ぶ際に「じゃあこの呪文リストから選んで」と初級呪文16個、1レベル呪文30個の羅列と、それらがレベル順でなくアルファベット順の呪文データを見せられたユーザの気持ちを考えたことがあるのか。クイックビルドという例も提示されてはいるが、いやオレはこの手のアメ公が作ったアーキタイプは信用しないね(それもすべてFASA社のゲームが悪い←とばっちり)。それでなんも指針が無いと、準備してる1レベル呪文がアイデンティファイアラームイリューソリィ・スクリプトサイレント・イメージです、なんて言い出す可能性もまったくないとは限らないしな。いやどんな選択でどんな結末に終わっても楽しめるプレイヤーというのは確かにいるもんだけど、その術者は楽しいかもしれないが、秘術呪文使いの選択がそれじゃ周囲は困った顔をするだろう。
 筆者が考えたのは、攻撃呪文○個、サポート呪文○個、妨害呪文○個、フリー枠○個……みたいな感じで、呪文の修得にある程度の指針を示すテンプレートを作ってはどうか、というもの。このような分類ごとに整理された呪文を枠に入れていくだけで、修得呪文が出来るっちゅう塩梅だな。これには呪文の「系統」がいい指針になるだろう。ダメージを与える呪文は力術、サポートは変成術、妨害は幻術や心術……という感じで大体相場が決まっておるのだし。そういえば、4eのキャラクターのタイプによってパワーに特典が付いてくるのも、あれはうまいやり方だった。“秘術の学派”のように、選択した系統を得意系統として特典を付ければ、固定とか多目に選ばないといけないという制限への不満も緩和される。クレリックやドルイドの場合は神や自然の領域によって呪文準備のテンプレートを作ることになる。系統が不適当なら、領域に関連するタグを作ったりしてもいいだろう
 1レベル時の呪文選択では、得意系統の呪文2つ、得意系統でない呪文を2つ(同じ系統から2つはダメ)、フリー枠1つ、おもしろ呪文枠1つ、大体こんなもんだろうか。ウィザードの1レベル呪文修得数が6つであることを考えても、そんなに悪くはないと思う。あとは、誰が使っても間違いのない呪文を埋め込む、とかかな。メイジ・ハンドマジック・ミサイルがこれにあたる。クレリックならヒーリング・ワードあたりか。
 問題になるのがレベルが上がった時の呪文修得。ウィザードは5eだとレベルが上がるごとに2つの呪文が増える。この2つをテンプレートで縛るとなると、著しく範囲が狭まることになる。1つを得意系統で縛ったりすると、それ以外の系統なんてレベルアップでまるで増えていかない。そうなると、得意系統を2つまで選べるようにするとか? 系統ごとに特典が複数用意されていて、得意系統を重ねることも可能にするか。しかし、あまりゴチャゴチャプレイヤーが選ぶものが増えるのもちょっと。これはエルドリッチ・ナイトやアーケイン・トリックスターのように、特定のレベルに達した時フリー枠が降ってくるようにして対処したい。得意系統を2つ選んでいいなら、毎レベル得意系統から1つ+フリー枠1つもアリかのう。あとはおもしろ呪文枠、これも特定のレベルに達したら。
 もっと大きな問題は、修得呪文数の少ない奴ら。端的に言うと【魅力】で呪文を発動する連中のこと。誰もかれもが神様からの授かりものなんで呪文は全部覚えますとか好きなだけ呪文書に書き込めますとかなめくさったゆるさではないのだ。ソーサラーとかバードとかテンプレートを作る事すら難しそう……ウォーロックみたいにそのうちPHBから消えるようなクラスはどうでもいいよ(暴論)。ちゅうか、ウォーロックぐらい呪文の幅が狭ければあまりテンプレートを作る必要も感じないな。バードは汎用枠に回せそうな呪文が多いから、これももう少し頑張って削ればテンプレート不要なぐらいにはイケるかもしれない。つまり、ソーサラーはあの限られた呪文修得数に対してウィザードと類似の膨大な呪文リストを使ってる所がいくない。1レベル時に1レベル呪文2つ、その先1レベルにつき1個しか増えない(増えない時すらある)呪文数で、あの呪文リストから選べって言われても、この判断が正しいのか正しくないのか不安で仕方ないぜ。4eみたいにソーサラーに限らずそのクラス専用の呪文群が用意されてれば、こんな悩みを抱かなくても済むのだろうが。嗚呼サポートが切れてからワカる4eの簡便さよ。
 バードのようなタイプの術者なら、上述の通りおもしろ呪文枠に回せる呪文は回すことで、通常の呪文修得はテンプレート抜きでもいけるのではないだろうか。その代わりに、おもしろ呪文を修得する機会を多くし、呪文の系統ではなく方向性で差別化を図るという寸法。それに「これぞバード」という呪文を固定で追加していく(ヴィシャス・モッカリーのような)。ソーサラーの場合は血脈で特色を打ち出したいところ。しかし1レベル時の呪文2個という無情さでは、特色を出すもへったくれもない気がするが。クレリックやドルイド用に作ったタグをうまく再利用しつつ、PFのように血脈で貰える呪文リストで幅の狭さを補うか。あ、幅が狭いというなら、いっそシステムの側で修得呪文の多くを決めてしまうってのはどうよ? 大体血脈で決定されるからラクだけど、そのぶんフリー枠でいっそう頭を悩ませることになるぞ。こうやって呪文を固定で決めるなら、ウィザードやバードのような「これぞ○○」という呪文を追加する必要は無さそうだ。
 ……と、色々考えてきた呪文修得のテンプレート、後半はあんまりテンプレートっぽくなかったが、ある程度システム側で縛ってくれた方がやりやすい事だってあるのよ、ってことで。3eにあった、系統以外のタグを活用する手段はなかなかいいと思うんだけどな。呪文リストを作るのに、系統ごととかタグごととか整理がちょいと面倒なことになるが、ただズラズラ呪文名を並べるよりはずっとユーザの事を慮ったレイアウトになるんじゃねえんですかいええWoCさんよ(無意味な強気)。それがムリなら呪文のデータをレベルごとに分けて掲載するだけでもええんやで。っていうか、それを3e系統でできない理由、「術者ごとに使用する呪文スロットが異なる場合がある」が5eだとほとんど生じないのに、なぜそれをせず頑なにアルファベット順にしたのか……本当にアメ公はあの配置で満足しているのか……。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#180~汎用パワーよもう一度~

 日本語版の発売が目と鼻の先……と言うほど近くないな……じゃあ額とアゴの先……これじゃ意味が違うな……まあいいや、とにかく迫っているけど、PCが7レベルに達したもんだから4レベルウィザード呪文を自力で訳さねばならなくなった。んで、ハリューサナトリ・テレインの効果を見ながら、
幻の情景を被せる呪文か……4レベル呪文が解放されたから訳すけれど、これをPCが使う日は来るのだろうか……
 と、思ったその瞬間、4eに存在していた汎用パワーの意義を電撃のように理解できた
 前々から筆者の呈してきた疑問であるが、「使い道の明確な効果と、局所的な効果を同列の価値として選択肢に並べていいのか」という問題。上の例で言えば、前者がアイス・ストームみたいな攻撃呪文、後者がハリューサナトリ・テレインのような言っちまえば一発ネタな呪文。
 こういうことを書くと「戦闘の事しか考えない和マンチが!」という説教が聞こえてくる(実際に言われたことは一回しかないから幻聴かもしれない)し、効果文を読むと秘められた悪辣さ(例えばオークの軍団の進軍を遅らせる場合は、このような大規模な呪文でないと難しいだろう)は理解できる。のであるが、しかしこういう呪文って輝く時は卓をあげて感嘆されるほどのまばゆい輝きを放つが、そうでない時はザ・置物、どっちを修得するのをオススメするか、と聞かれたら、悲しいかな私はアイス・ストームと即答するアイス・ストームなら敵の大群を見たら中心にぶち込む、という明快な使い道があるものの、ハリューサナトリ・テレインがキャラクターシート上なら付着した文字様の黒い粉、ゲーム上ならウィザードの頭の中で準備枠を食うノイズとして終わる様を想像するのはさほど難しくない。ただでさえ5eの呪文準備数って余裕が無いのに。
※ついでに書いておくと、ハリューサナトリ・テレインみたいな呪文の成果はDMの裁量が大きく働くのも評価を難しくしている。上記の例で言えば、オークの進軍を遅らせようと裂け目を作った場合、オークは何の疑問も持たずに進路を変えるだろうか? 突然の裂け目を不審に思ってもそれはアンフェアなマスタリングではないだろう。かといって4レベル呪文スロットというリソースを支払った効果に見合った対処となると、DM次第としか言いようがない。
 思うに、こういう呪文はDMが「物凄い力を持つ黒幕が、PCを騙くらかすために地形にまやかしをかけた」という演出で使うものであり、PCが積極的に修得して使うのにはあんまり適してないんじゃないか、と思うのだが。リソースを割くにしても演出的に使う神業、もしくはシーン効果ってやつだね。ただ、何をするにつけてもいちいちデータを用意して、かつPC側にも使える権利を与えようとする生真面目さと律義さが、5eやPFなどD&D系列の良いところでもあり悪しきところでもある。使えるぞ、と言われても
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 としか答えようがない呪文を、ごくごくスタンダードな呪文といっしょくたに並べられてもね……というかそのせいであのくそ長い、やる気ディスインテグレイトな呪文リストが出来上がっておるのだし。
 生真面目さ律義さと言えば、余談だけれど、別システムのシナリオをd20モダーンでやろうとして、ヒロインをさらったザコ敵が瞬間移動で逃げ去るというシーン、D&Dで言うとむちゃくちゃ高レベルの呪文使いになってしまうのでバイクで2ケツして逃げるという、デーハーな物語な割にみょうに地に足の着いた演出になった、という話があったな。
 で、そんな時思い当たったのが4eの汎用パワー。
 この種の一発ネタ呪文を当てはめるのに、これほど適格な枠はなかった……。
 汎用パワーだけに多少尖った使い道でもいいし、使われなかったとしても「まあいいや」とそんなに惜しがる思いをすることもないし(実際には4eの汎用パワーもだいたいが戦闘向けで余ることはそうないのであるが)。よく使う呪文、使い道のはっきりした呪文は通常の手段で修得し、使うかどうか定かでない呪文は汎用パワー枠で修得するようにすれば、この手の一発ネタ呪文ももっと日の目を浴びるし、「面白いんだけどスタメンはちょっと……」という人も安心、それに膨大な玉石混交の呪文リストより選択する手間も省けるのではなかろうか。DM用に汎用パワーで演出効果をガンガン追加するようにすれば、クリーチャーのレベルを上げずにエクスキューズが取れるぞ。F○ARゲーみたいなこと言うなって? す、すいません。
※なお、一発ネタ枠というなら4eでは儀式の方がよりふさわしいが、エッセンシャルではオミットされ、5eでは発動時間10分間と引き換えに呪文スロットを使わなくていいまったく異なる概念に変わってしまったことを鑑みるに、イマイチ浸透しなかったようだ。ちょっと求める物が多過ぎたか。ウォーター・ウォークコンプリヘンド・ランゲージズを金とブツさえあれば発動可能、というのは助かるのだけれど。ナウいシステムにそのまま導入するのは相応しくないと考え、ここでは「汎用パワー」で統一した。
 何かと前後の版と比較される(この話は激論になりそうなのでスルー)4eであるが、今にして思えば、4eは「使い道の明確な効果と、局所的な効果を同列の価値として選択肢に並べていいのか」という問題に対し、パワー取得という形で応えてくれた数少ないD&Dだった。ウィザード2レベルの汎用パワー、ジャンプ(フリー・アクションで跳躍のための〈運動〉、助走付きとみなして判定+10)も、仮にアイシー・テレインのような攻撃パワーと同列の遭遇毎パワーに並んでいたら、取るのは相当通好みの士だろう。が、そこを汎用パワーという補助的な枠に据えることで、選択の余地を作り出すことに成功している。しかも使う際には同じ呪文スロットを消費するのではなく、パワーごとになっているから「マジック・ミサイル一発をすごい跳躍と引き換えにして良いのか」というあまねく術者共通の悩みを抱える必要もない。ここは5eだと儀式発動で対応しているが、まだまだ儀式発動できる呪文も限られておることだし。一発ネタ呪文を使用も取得も思い切りよく行ける、これは5eでも拾うべきアイデアだったのではないでしょうか。まあオレはジャンプの存在する2レベルの汎用パワーなら絶対シールドの方を取るけれど、それをゆうたら話が進まないので。
 特技に関してはガンガンの戦闘系でないものにも能力値+1、イニシアチブ+5なんかを与えることでうまく釣り合いを取っていた。このバランス感覚が呪文にも発揮されてくれると必ずやE感じになるでしょう。
 D&DやPFの呪文修得には無秩序に選択せい、というのではなく、一種のテンプレートを与えるのがイイのではないか、と思ったが、これからはこの汎用パワーをテンプレートに加えていきたいと思う。じゃあそのテンプレートってなんじゃいな、となると、これは主題からズレるのでまた次回。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#179~UA:アーティフィサーについて~

 3eでは【知力】が技能ランクに直結しているため、バカキャラに厳しくブサメンには比較的優しいゲームだった。
 4eだと技能ランクから解放された上に、反応防御値は【敏捷力】を使えたのでだいぶバカキャラが増えた。一方で【魅力】を意志防御値に使えるようになったぶん、【魅力】12~13程度のややイケは増えた。
 5eではブサメンのバカキャラばっかりだ!
 【魅力】の伸びる種族と【魅力】を使うクラスは多い、っていうか多過ぎるぐらいなんだけれど、特に【魅力】型クラスに関しては使い方がやや変則的でな。
 なんであれ、あんだけ【魅力】を推してる割に【知力】を使うクラスがウィザードしかないのは如何なものかと思う(実は【知力】メインって4eのPHBでもウィザードしかいなかったのだが)。……【知力】技能だって〈宗教〉や〈神秘学〉、〈自然〉と使う機会の多い技能なのに、【魅力】以上に軽んじられるという論調はなんでなのだろう。やっぱりセーヴの機会の差かなあ……【魅力】セーヴは稀にあるけど、【知力】セーヴって極稀だし(マインド・フレイヤーの脳髄抽出とか)。下手するとPCによっては1回も振らないかも。
 UAにて登場したアーティフィサーは、そんな風にバカキャラの蔓延する5eにやっとこさ現れた【知力】メインの第二のクラス。即大休憩にてシフターの姉さんがやってた、ひたすらマジック・ウェポンを外してたというアレだ(ちゃんと後半当たるようになりました)。あと一部にびみょうに人気があったからといってシーカーと混同しないように(オレだけか)。
 アーティフィサーは魔法のアイテムの造詣が深いクラスであり、火炎瓶(錬金術師の火に非ず)や“雷鳴の砲/Thunder Cannon”と呼ばれる、早い話が銃のような、各種錬金術道具を扱うことに長ける。イメージ的にはPFで言うアルケミストにガンスリンガーをチョイ足しみたいな感じ。道具だけでなく、呪文を使うことも可能。3レベルからとちょっと遅いが。また盗賊道具にも習熟しており、6レベルからは機械仕掛けのしもべを連れるようになり、つまりウィザードっぽくもあればローグっぽくもあり、またドルイド……は5eだと動物を連れないんだったな、改めレンジャーっぽくもある。これじゃなんだか全然ワカりませんな。修得呪文を考えると、ウィザードというよりバードの方が近そうなのだが。おっと、貴重な【耐久力】に習熟する呪文使いでもあるのですよ。
 クラス特徴は、HDはd8と標準的、軽装鎧と中装鎧に習熟している。メインで無いとはいえ、最初から中装鎧に習熟しているのは嬉しい限りだ。なんと初期装備に最上級の軽装鎧、スタデッド・レザーも含まれとるんやで! 弓術ファイターが歯ぎしりして悔しがるぞ。ちなみにもう一択はスケイル・メイルね。武器は単純武器全般に習熟。後述するが、アーティフィサーが普通の武器を使うことはあんまり無いので、さほど気にはならないだろう。
 道具は先述の通り、盗賊道具に習熟。2レベルからは、ローグのように習熟ボーナスを倍にできる。ほか2つの道具に習熟。
 セーヴは【耐久力】と【知力】。さっき散々使わないと言った【知力】セーヴであるが、マインド・フレイヤーに脳髄引っこ抜かれることだって無いとは言えないんだから文句たれるんじゃない(他に使う機会がぱっと出てこない)。精神集中に使う【耐久力】に習熟できるだけありがたく思わねば。
 技能はローグには及ばないものの、3つとかなり優秀。【知力】型らしく【知力】技能に穴は無い。と思ったら、あれ、〈知覚〉に習熟しないんでないの。そういえば〈隠密〉も無い。ローグっぽい技能というと〈手先の早業〉と〈はったり〉、それに先に挙げた〈捜査〉ぐらいか。まあ、元から技術屋であって盗賊稼業は専門外なんだから仕方ないか。地味に〈治療〉を取れたりもする。
 初期装備ではライト・クロスボウを最初から支給される。選択肢によっては遠距離の相手に使うこともあるかもしれないが、まったく使わないこともある。そういう場合は最初から持ってないウィザードやモンクなんかに渡しておくといい。ハンドアックスとライト・ハンマーは何を想定しているのかさっぱりわからない。技術職っぽい近接型武器ということで選んだのかもしれない。重装鎧を着るでもなきゃ【筋力】8のヒョロガリが基本の5eにおいて、有効活用できる道は少ない。素直にダガーでも貰っとこう。
 細かい事だけれど、珍しく装備品パックが地下探検家パックで固定のクラス。学者パックでもよさそうなんだけど……地下探検家パックに盗賊道具が固定装備のクラスで、〈知覚〉にも〈隠密〉にも習熟しなくていいのかなあ。
 アーティフィサーはクレリックと同じく、1レベルからアルケミストガンスミスか、いずれかを選ばなくてはならない(“技術家の専門分野/Artificer Specialist”)。
 アルケミストの場合は、様々な特殊効果を持つ薬瓶が入った“錬金術師の鞄/Alchemist’s Satchel”を得られる。つまりかばんちゃんだな(恥も外聞も風化も恐れず流行り物に乗る根性)。そのかばんちゃんから飛び出すのは火炎瓶やら酸瓶やら発煙棒だったりするのだが。お前はどこの全共闘世代だ。それとも熱狂的なひばりファンか。
 かばんちゃん(こだわる)に何が入っているかは、“錬金術師の処方/Alchemist’s Satchel”で決定される。て、まんまPFのアルケミストのパクリじゃねっすか。そんなことだからWoCがねこたまに(以下略)。基本で入っているのが錬金術の炎/Alchemical Fire(まぎらわしいけど一般用アイテムの方はAlchemist's Fireね)、錬金術の酸/Alchemical Acid、それに一種類の処方。錬金術の炎/Alchemical Fireは30フィートの射程を持つ火炎瓶で、半径5フィート以内に【敏捷力】セーヴを行わせ(DCは8+【知力】ボーナス+習熟ボーナスのいつもの)、失敗した場合1d6の[火]ダメージを与える。これが何度も使えるというのはオドロキだが、初級呪文の効果を考えればこんなもんかも。だが、アーティフィサー専用というだけあって、初級呪文と比べてダメージの上昇が4レベルで2d6と早く、しかも3レベルごとに1d6ずつ(最終的に19レベルで7d6!)どんどん伸びていく。錬金術の酸/Alchemical Acidもあるので、[火]に完全耐性がある奴がいると泣くような爆弾アルケミストのような心配はいらない。こちらは単体攻撃である代わりにダメージの伸びが早く、2レベルごとに1d6ずつ上昇(最終的に19レベルで10d6)。物体に使用した場合自動的に効果を及ぼし、最大値のダメージを与えるという特性を持つ。どっちも何度も使える攻撃手段としてはなかなか頼もしい。難点は、どっちも防がれやすい【敏捷力】セーヴであること。あと、2レベルまでは錬金術の酸/Alchemical Acidが使われる機会はあんまり無いかも。
 残りの一つは選択。治癒の薬/Healing Draughtはアクションとして飲むことで1d8のhpを回復する薬瓶を取り出す。これは取り出すのはアクションであるが、使用するのは他人のアクションということが回復呪文と異なる。つまり事前に渡しておいて使ってもらう回復アイテム。1時間で消えてしまうので、取りあえずダンジョンに入る前に渡しておくというのは難しく、かといって戦闘中に使うのも二重の手間がかかる。まあ、別に使い減りするもんでもないから取り出すだけ取り出しておいて、1時間経って消えちゃったらまた渡せばいいだろう。もしくは、戦闘後の治療に使うか。薬瓶が存在する間は再使用できないから、やはりこちらの方が適当か。1度効果を適用した相手には、大休憩を終えるまで使用できない。これは《癒し手/Healer》より厳しめ。回復量も1d8のみながら、1レベルからばんばん使っていけるんだからそれほど気にもなるまい(第一こんだけ回復リソースがシブい5eで人数分の1d8回復が用意できると思うだけでも十分)。回復量も、2レベルごとに1d8増加(最終的に19レベルで10d8)と伸びが良い。
 発煙棒/Smoke Stickは3eユーザには懐かしい名前の処方。手に持って使うだけではなく、投げて使うこともできるようになった。射程は30フィート、半径10フィートの暗視すら遮る煙幕を作り出す。1分間に1度しか使えず、レベルが上がっても使用回数が増えたりしないので、使い所は十分に考える必要がある。
 速歩の薬/Swift Step Draughtボーナス・アクションで移動速度を1分間20フィート増加させる薬を作り出す。て、これ本当に何度も使えていいんですか。ううむ、1分経つまで再使用不可としか書いてないから、確かにそのようだな。これも他人に渡してアクションとして使用可能であるが、1分間で消えてしまうから、治癒の薬/Healing Draughtと違って明確に戦闘中に作って渡すものだな。取り出すのはボーナス・アクションだから、すぐに自分で飲むことも、他人に飲ませることもできる。
 足留め袋/Tanglefoot Bagみんな大好きローグの最終兵器最終兵器というか急所攻撃に耐性がある奴にはこれぐらいしかやることがない、という事実は秘密だ! 足留め袋/Tanglefoot Bagと言いつつ拘束状態にするのでもなければ移動不能にする効果もなく、これの何が足留め袋/Tanglefoot Bagか……と思いきや、セーヴもなんもなく、効果範囲内でターンを始めたら移動速度半分ってマジ? しかも半径5フィート以内が移動困難地形って……え? あ、これも1分間に1回ね。
 雷石/Thunderstone、これも3eユーザには懐かしさで涙ちょちょぎれそうな名前。ただ、轟音ではなく衝撃で吹き飛ばす。射程は、30フィート、そこから半径5フィート以内のクリーチャーは、【耐久力】セーヴに失敗すると着弾ポイントから10フィート強制移動させられ、さらに転倒する。ダメージよりも転倒、そして何より5eでは珍しくなった強制移動効果が強烈。例えば、ウェブに突っ込ませたり、足留め袋/Tanglefoot Bagの範囲に叩き込んだりすると……?
 一番カタいのは言うまでも無く治癒の薬/Healing Draughtであるが、足留め袋/Tanglefoot Bagのいやらしさや雷石/Thunderstoneの制御能力も捨て難いものがあるな。また投擲型の処方はどれも射程が30フィートと短いので、無駄に敵に接近しなくていいように、速歩の薬/Swift Step Draughtを仕込んでおくというのも手ではある。追加の処方が得られるのは3レベルだが、その先が9レベル、14レベル、17レベルとかなり長い。いくら回復リソースがシブく1レベルのhpが低いからと言って、治癒の薬/Healing Draughtで一枠潰してしまうのはもったいない気もする。
 ガンスミスは特殊な武器、“雷鳴の砲/Thunder Cannon”に習熟する。両手で使用し、2d6[刺突]ダメージ、射程150/500のごおっつい雷鳴バズーカじゃ。て、[刺突]なんだから[雷鳴]ぢゃないじゃん。あ、いやいやレベルが上がれば銃から様々な攻撃が飛び出し、[力場]や[電撃]や[火]ダメージを与えるようにもなるのだ。て、やっぱ[雷鳴]ぢゃないじゃん。
 ダメージ種別はさておき“雷鳴の砲/Thunder Cannon”は現状唯一の2d6ダメージの射撃武器。“秘術の弾倉/Arcane Magazine”で40発もの弾薬をセットできるというビックリドッキリメカだ(小休憩ごとに10発補充)。3レベルになると“雷鳴の運び手/Thunder Monger”でダメージが1d6アップ、以後2レベルごとに1d6ずつ上昇していく(最終的に19レベルで+9d6)。急所攻撃つきのローグ並の打撃力は保証されてるってワケだな。
 本官さんのようにバンバン銃をぶっぱなすだけでなく、9レベル(遅ッ!)で“衝撃波/Blast Wave”が使用可能に。15フィートの円錐に向けて衝撃波ぁぁぁっ!(ゴッドマーズ調)を解き放ち、2d6の[力場]ダメージを与えつつ10フィート吹き飛ばす強制移動を生じさせる。……このレベルで2d6(13レベル、17レベルで1d6上昇)というのはかなり寂しいが、そこは強制移動の方を買おうか……あと、珍しい【筋力】セーヴであることも……でも、このレベルへの脅威度を考えるとマッシブな野郎ばかりな気も……。14レベルの“貫きの一射/Piercing Round”は幅5フィート、長さ30フィートの直線状に【敏捷力】セーヴ失敗で4d6の[電撃]ダメージ(19レベルで6d6に)、17レベルの“爆裂の一射/Explosive Round”は“雷鳴の砲/Thunder Cannon”の射程内の半径30フィートに【敏捷力】セーヴ失敗で4d8[火]ダメージ、正直言ってこれらも修得レベルに対してハッキリ言ってしょぼい。セーヴに成功されると半減ダメージすら与えられないのも厳しい。基本的には生“雷鳴の砲/Thunder Cannon”を叩き込み、一体一体撃っていては間に合わない場合やACの高い敵にこれらの特殊攻撃に頼ることになりそうだ。威力はしょぼくても、使用回数の制限のない特殊攻撃であるのだし。言うてもサブ的な攻撃となると、これらのセーヴ難易度に関わる【知力】よりは命中とダメージに関わる【敏捷力】を優先するのも仕方ない……ん? 【知力】型クラス……? あ、それとアーティフィサーは初級呪文を使えないのだが、ガンスミスは“鍛冶の達人/Master Smith”でメンディングを使えるようになる。
 さて、冒頭に“技術家の専門分野/Artificer Specialist”を長々と紹介してしまったが、やっとこさアーティフィサー本体のクラス特徴の話を進められる。
 1レベルでは他にディテクト・マジックアイデンテイファイを儀式発動できる“魔法のアイテム分析/Magic Item Analysis”がある。アイデンテイファイというと物質要素を1レベルでは絶対に用意できない哀愁の呪文だが、
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 使えるんです。
 2レベルになると“道具習熟強化/Tool Expertise”で、習熟している道具類の習熟ボーナスを2倍にできるのは書いた通り。また“驚異の発明/Wondrous Invention”で、なんとなんと魔法のアイテムを作り出し、所持することができる。以後5、10、15、20レベルで新たな魔法のアイテムが作成可能になる。ヘルム・オヴ・コンプリヘンド・ランゲージズで通訳したり、アイズ・オヴ・マイニュート・シーイングで〈捜査〉を強化したり、やや不安のある技能職としての仕事はこれでカバーしたい。魔法のアイテムの効果はDMGを見よと明記されているので、使いたければDMGを買うしかねぇなぁ(商売っ気フンプンの笑みで)。あと、この手の能力を見ると絶対に考える奴がいるだろうが、作り終えて得られるのは指定のレベルに達した時だけ。作ったものを売っ払って小金を得るのは必ずや後悔するんで止めた方がいい。
 3レベルでようやく呪文が解禁。呪文は勿論【知力】で使用、呪文の準備が必要ないタイプで、儀式発動はできない。
 呪文のレパートリーはキュア・ウーンズで回復もできればサンクチュアリシールド・オヴ・フェイスで守る一方、アラームディスガイズ・セルフジャンプで冒険の補助もできる。ダメージを与えることを除いたウィザード+クレリックという感じ。秘術呪文と信仰呪文の複合という点ではバードに似ているが、修得呪文はだいぶ異なる。バードには使えず、かつウィザード呪文リストにあってクレリック呪文リストにない、逆もまた然り、なロープ・トリックプロテクション・フロム・ポイズンがリストに含まれるところが特徴。
 4レベルになると、修得した呪文を“魔法注入/Infuse Magic”で非魔法的なアイテムに込めることができるようになる。呪文は、注入したアイテムを持っている者が発動可能。対象が自身の呪文も、これで他人に使用可能となる。て、これアルケミストのエキスのパクリじゃねっすか。そんなことだからWoCがねこ(以下略)。アーティフィサーの呪文リストを考えると、キュア・ウーンズを込めておいて、クレリックを待たずして自力回復したり、ディスガイズ・セルフで他人を変装させるような使い方がメインとなるだろう。一度に注入できる呪文の数は【知力】ボーナスまで。
5レベルでは“優れた同調/Superior Attunement”によって、通常3つまでの要同調アイテムを4つまで使用可能に。“驚異の発明/Wondrous Invention”で魔法のアイテムに触れる機会の多いアーティフィサーなら、恩恵を得る機会も多いだろう(15レベルで5つに)。
 6レベルにてレンジャーのように“機械仕掛けの下僕/Mechanical Servant”で相棒を得られる……だんだんなんのクラスかよくわからなくなってきました。相棒は脅威度2以下の大型の野獣のデータを持ち、人造なので魅了されず、[毒]と毒状態に完全耐性を持つ。作成者の言語を理解してくれるのも便利(ただし話せない)。最初から独自のイニシアチブを持つと記述されているので、旧ビーストマスターのようなワケのワカらん行動制限に悩まされることもない。アーティフィサーが近接攻撃の対象になった時、アーティフィサーはリアクションで相棒に命じることで、近接攻撃を行ってきた目標をリアクションで攻撃できるオマケつき。
 難点は人造のせいで、キュア・ウーンズヒーリング・ワードといった回復手段が使えないこと。hp修復には手立てを考えておく必要がある。メンディングじゃダメだろうなぁ。死亡した場合は、リヴィヴィファイなどで蘇らせることはできるし、大休憩を終えると1hpでまた動き出す。意外と立ち直り早いな。脅威度2より強くなることはないから、あまりガンガン前に出すのは考えものかもしれない。
 さてはてこんだけ錬金術に気合を入れたフューチャーをしてきたのだから、20レベルでどんな物凄い発明が待っているのかなぁ( ^ω^)ワクワクとしてたら、なんでか“アーティフィサーの魂/Soul of Artifice”はセーヴ強化。思わずズッコケそうになるが、同調しているアイテム一つに付き全てのセーヴに+1( ゚ω゚)!? ……これは確かに目を疑うような物凄い発明だ。
 第二の【知力】型クラスにして盗賊道具に習熟している、あってよさそうなのに無かった立ち位置は満たしている感じ。ローグであっても盗賊道具の習熟ボーナスは“習熟強化”で指定しなければ通常通りであるし、その点アーティフィサーは2レベルで自動的に2倍になるから、罠解除の腕前は(1レベルを除けば)遜色はない。その代わり〈知覚〉や〈隠密〉に習熟しておらず、習熟ボーナスを伸ばせるわけでもないので、技能職としてはやや頼りなく、呪文のサポートに期待したい。
 “技術家の専門分野/Artificer Specialist”は【知力】、個人的にはいっぽんで食っていけるアルケミスト派であるが、こちらは3レベルで錬金術の酸/Alchemical Acidが2d6ダメージを与えられるようになるまでは、戦闘中ダメージでかなり寂しい思いをしそうだ。ダメージが欲しければd8ダメージで【敏捷力】ボーナスの乗るライト・クロスボウを併用すべき。その他の処方も、使用回数の増加が見込めないところが気になる。一方でガンスミスは【知力】と一緒に【敏捷力】を伸ばしていかないといけないのがつらい。
 正式採用に至っては、処方の使用回数の増加(治癒の薬/Healing Draughtをレベルが上がると同時に複数本起動できるとか、1分間に1度のやつは複数回使えるようになるとか)に相棒の強化、それらと共に、7・11・13・19のクラス特徴のなんもない所を埋めてほしいものである。確かにアルケミストにせよガンスミスにせよダメージの伸びるタイミングなのだが、もっと色々仕込めそうなクラスなのに、びみょうにネタ切れ感が漂っているので

テーマ : TRPG
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D&D5e余話#178~エルフのエルドリッチ・ナイト作成案~

 PFのエルフは【知力】が伸びるし呪文抵抗に強いしで、我こそウィザード向けの種族第一人者でございってツラしてるが、3eの頃は敏捷力】しか伸びなかった(“エルフの魔法”もなかった)。おかげで「お前それでよく適性クラスはウィザードとか“ウィザード呪文はエルフが作った!(`・ω・´)キリッ”なんて言えるな」と失笑を買っていたものです(笑っていたのはオレだが)。ついでに言うと知覚系技能に強く、隠し扉の自動発見まであったせいで、「エルフは生まれついての盗賊」などという失礼な放言まであった(これはオレが言ったんじゃない)。
 が、種族の項をよくよく見ていたら「エルフの間ではファイター/ウィザードはごく当たり前の存在である」という爆雷がまだ眠っていた。当たり前の存在である、じゃねえよ。
 PFならまだしも、あのファイター苦境の時代、それも秘術系のマルチクラスが困難な時代で一体どんなビルドが当たり前の存在になっていたのか……しかもコレPHBの記述なんですけど。サプリマシマシでもなく、あの限られたデータでファイターとウィザードのマルチクラスか……トゥルー・ストライクのように動作要素が存在しない呪文をメインにするのは誰もが考えると思いますが、数少ない呪文にスポットを当てるなら、呪文スロットの多いソーサラーの方がよくない? 呪文のレパートリーや修得スパンで将来性はウィザードの方が高いと言っても、マルチクラスする以上それを活かすのも難しそうだしなー。
 何よりも、エルフでファイターとウィザードをマルチしても、あんまりいいことがなさそうなのが……【耐久力】は下がるし(hpが下がるだけでなく、〈精神集中〉までヘタクソになる)、別にファイターを取らなくてもロングソードやロングボウは使えるし。
 そんな疑惑のビルドなエルフだったが、5eでは呪文発動における防具の制限がエラく緩くなった(習熟してれば邪魔しない)んで、「ファイターとウィザードの双方で修行を続ける」(ベーシックルール22P)という記述もおかしくなくなった! やったぜ! ……ただ、ファイターをマルチする目的が軍用武器と鎧習熟なら、クレリックで戦の領域や嵐の領域を選んだ方がいいんじゃ(くそ野郎の弁)。まあ【判断力】13がちょっと面倒だし、最初にファイターを選んでウィザードをマルチクラスする方がスマートであろうな。それでも、どっちをどこまで伸ばすのか、という問題が付きまとうけど。なんせファイターは一本伸ばしにしないと追加攻撃や能力値上昇が生きてこないし。ウィザードも学派が解禁されてからが本番、レベルが上がれば上がるほど外道呪文が増えていくし……ただ、前述のマルチクラスの問題を考えると、ウィザードは後からマルチクラスし、サブとして使うのが主流になる気がする。一応、“秘術回復”があるから、小休憩でフル戦力が整うファイターとは相性がいいと言えるかも。余談だけど、ウィザードをマルチクラスして得られる習熟はありません(ソーサラーも同じく)。
 最初から、ファイターと呪文を併用したければ
         -─ヽ ` v '⌒ ゝ
         /          \
        /        ∧.    ヽ
      i    , ,イ/  ヽト、!  N
       │r‐、 ノレ'-ニ」  Lニ-'W
       |.| r、|| ===。=   =。==:!   エルドリッチ・ナイトに
       │!.ゝ||. `ー- 1  lー-‐' !    すれば
     /|. `ー|! r   L__亅 ヽ|   ええんちゃう……?
   /  |  /:l ヾ三三三三ゝ|
 ‐''7    | ./  `‐、, , , ,ー, , ,/ヽ_
  7   ./K.     ` ー-‐ 1   ヽ-
 /   / | \       /|ヽ   ヽ
 という話ですけど。
 いくら呪文の使用回数の伸びが悪いと言っても、ウィザードを一緒に伸ばしてd6のHD混じりで前に立たないといけないというのは、ちょっとね……ファイターをやるなら、いち早く追加攻撃や能力値上昇で押していきたいというのもある。あとマルチクラスで悩むのが面倒臭ぇ(これが一番の理由)。占術ウィザード/嵐の領域クレリックで「クレリックをいつ2レベルにするか」と尻から屁が出そうなほど悩んでいる前例を見ているので(完成形はライトニング・ボルト最大化&占術で強制セーヴ失敗)。
 エルドリッチ・ナイトにするからには大事なのが【知力】、故にエルフはエルフでもハイ・エルフとなる。ただ、【筋力】が上がらないので肉弾戦能力はやや落ちる……と見せかけて、5eには妙技特性という新要素がある。これ1つあれば【敏捷力】で斬ってダメージも与えられる、【敏捷力】いっぽんで食っていけるようになる凄い奴、これを利用しない手はない。敵が使う場合は散々ディスってたって? そりゃDMに使われる側とPCで使う側なら発言は180度変わりますよ!(そう言ってる奴に限ってウェブエンタングルを喰らって、捨てた【筋力】セーヴで泣くことになる。まあファイターは【筋力】セーヴに習熟するから……)
 エルフは【敏捷力】の上がる種族なので、妙技特性の武器を持てば【筋力】型のファイター並の近接戦闘力を持てる。故に、武器はレイピアで決定。優雅なハイ・エルフに人間や半豚や髭ビール樽の振り回す泥臭い武器は似合わない。蝶のように舞い蜂のように刺す華麗な戦法には細身のレイピアがピッタリ。レイピアの習熟はドラウじゃないと取れないじゃないかって? 元々3eでは習熟できてたからいいんです。種族修正の【敏捷力】+2と相性のいいレイピアは、公式が推しのドラウ(4eで懲りてないのかね)に掠め取らせたに違いない、いやそうに決まった!(偏見) どうでもいいけど、カシアス・クレイは戦い方はともかく、優雅というより割とごつい外見だった。
 【敏捷力】型ファイターの場合、鎧をどうするかという問題がある。重装鎧にすると【筋力】13以上ないと移動速度が落ちるが、【敏捷力】いっぽんで食っていくと決めた以上そんな無駄能力値は作りたくはない、つーか能力値ポイントが足りん。いっそ「そんなもん知らん」と移動速度20フィートで戦う手もあるが、それがどんなにツライかは3eとPFの前衛やクレ公で骨身に沁みてワカっているので……。そうなると軽装鎧中装鎧で手を打つことになるけど、ファイターの初期装備ではチェインメイルとレザーの二択しかない。レザーを選ぶのは論外として、チェインメイル並のACを保とうとすると、スケイルメイルが必要。これ50gpもする(この際【敏捷力】ボーナス上限が+2なのは仕方ない)。仮にチェインメイルを売り払って買い直す場合、背景で貴族を選ばないと所持金が追い付かない。高慢チキなハイ・エルフに貴族背景はピッタリだから、これはまあいいか。言うても装備品の置き換えが許される優しいDMなら最上であるが、売ってあらためて買うのが許されるだけでも僥倖、それすらも不可の場合は移動速度20フィートで亀のようにずりずり歩き回るしかないだろう(ああ早くも優雅なイメージから遠ざかっている)。
 【耐久力】には一切手を付けられないため、最低でも14は確保しておきたい。【敏捷力】は種族修正コミでボーナスを+3に持っていくとして、後は【知力】。セーヴDCや呪文攻撃能力を気にしないならそんなに高くしなくてもいいのだが、せっかく【知力】の上がるハイ・エルフでエルドリッチ・ナイトにしたるばいと鼻息荒くしたから、これも【敏捷力】並にしておきたいよね……というか、もしかするとこれ以降一切伸ばさない恐れもあるしヘッドバンド・オヴ・インテレクトくだち!)。余った能力値ポイントは【判断力】に回しておく。
 イケメンのハイ・エルフなのに【魅力】8でいいのかって? まあ、美形でもモブ的な美形かもしれないし、顔は良くても性格ブサメンなら【魅力】は低いでしょうから……。
 そして、これが【知力】をおろそかにしなかった主要な理由、ハイ・エルフは初級呪文を1つ修得できるトゥルー・ストライクのような両手が埋まっていても使える“仕込み”呪文もいいが、ここはファイターが苦手な「AC以外の攻撃手段」として、ポイズン・スプレーを選ぼう。ただの術者の場合、深刻な問題になる射程距離10フィートもファイターならば問題無しだ。何より貴重な初級呪文で【耐久力】セーヴ、脅威度の低いクリーチャーにありがちな「どうせ妙技特性があるしー初級呪文は【敏捷力】セーヴだから相性いいしー」などと甘っちょろい事を考えている小型種族どもは泡吹いて悶死するがよかろう! アンデッドやエレメンタル、人造と効かない奴が物凄く多いのは困るけど、まあ辛い1レベルの間を耐えるための選択だからね。初級呪文はエルドリッチ・ナイトになれば増えるし。
 レイピアで行くと決めたからには、当然シールドを持つ。ポイズン・スプレーを唱える場合は武器を捨てないといけないのがちょいと面倒だけど、その他のアクションが余っていれば拾うことができるので今んとこは問題ない。問題になるのはエルドリッチ・ナイトになってから。どうせ力術か防御術しか覚えられないなら、アーケイン白羽取りことシールドは修得したいが、シールドは動作要素を必要とする。そのためには防具の方のシールド(ややこしい)を諦めるか、自分のターン以外では武器をしまっておかないといけない。ACを考えたら後者だが、機会攻撃をまったくできないというのは、それはそれで問題だろう。
 この問題には、《戦闘発動/War Caster》が解決策となる。両手が埋まっていても動作要素OK、ついでに機会攻撃も呪文で行える=高ACの敵に機会攻撃でもセーヴを振らせることができる。精神集中に強くなる能力は、スペルキャスターなら必須となるんでエルドリッチ・ナイトだって取って損はしない。ただ4レベルでこれを選ぶか、能力値上昇を選ぶかは悩ましい。敵のACも上がりづらい代わりに攻撃ボーナスも伸びづらくなった5eでは、固定値1点とて決して笑えない数値。これはファイターの能力値上昇の多さでカバーするとして、4レベルで早めに押さえてしまうか。人間なら1レベルの内から取れるのに、という一瞬よぎった思いは、それは触れてはいけない問題なので忘れよう。ハイ・エルフじゃないと初級呪文もついてこないしこれでいいんだ。多分。もっと言うと筋力】で両手武器を振り回せば《戦闘発動/War Caster》もいらなくなるのだが、それは意図してでも無理矢理にでも忘れること。
 3レベル、エルドリッチ・ナイト取得直後では《戦闘発動/War Caster》がないから、武器を納めておかないといけない。武器を抜く→攻撃をするとその他のアクションを使ってしまっているため、手をフリーにするには武器を捨てるしかない。敵前で武器を捨てると「その武器を拾う」と言われるとかなり困る……と思いきや、エルドリッチ・ナイトにはボーナス・アクションで武器を瞬間移動させる“武器との絆”がある。ボーナス・アクションで武器を手に戻す→攻撃→武器を納める、で見事武器を捨てずして空手で待機するサイクルが完成。武器落としされない特性や武装解除された際だけでなく、こんな使い方もあったのだな。“底力”でボーナス・アクションを使う場合はちょっと困るのと、結局機会攻撃できねえじゃんと言われるとすごく困るのだが。
 エルドリッチ・ナイトに進むなら両手武器が最適で、妙技特性のある両手武器が存在するなら迷うことなくそっちにしたのだがね。生憎そんな都合の良い武器は用意されてない。こんだけ妙技特性でブイブイ言わせてるクリーチャーが低脅威度でウロウロしてるなら、それも当たり前か。HoDQにいた、ひたすらシールドで防ぎつつ金属鎧の前衛にショッキング・グラスプを使いつつ殴るだけのクソ寒い戦い方のエルフのエルドリッチ・ナイトなんてぜってえ使ってただろうな。うーむ、スパイクト・ガントレットが5eにもあったらな。
 あ、そうだ、ファイターの戦闘スタイルは片手武器戦闘だろう。リアクションをシールドで使うことを考えると護衛スタイルは活かしづらいし、ただでさえ片手で非力なぶん、防御スタイルでガチガチに固めるのは後ろ向きにも過ぎる。レイピアでそれなりの打点を出しつつ、打撃だけでは難しい敵、数の多い敵には呪文で崩しにかかる、これがハイ・エルフのエルドリッチ・ナイトの戦い方。
 エルドリッチ・ナイトは初級呪文が2つ、1レベル呪文が3つと修得呪文はすごく少ない。特に初級呪文は7レベルでコレを発動しつつボーナス・アクションで殴れる“戦の魔術”に関わり、かつ10レベルまで増えないので厳選が必要。一枠は、効かない奴が多いポインズン・スプレーだけでなのはしんどいから、安定安心のフロスト・バイトにしておくか。サンダークラップで範囲攻撃も考えたものの、これ以上射程の短い呪文を増やしてもなあ。で、あと一枠、トゥルー・ストライクで有利を得つつ殴るのもいいが、それなら追加攻撃で2回殴った方が手っ取り早そうだから、ブレード・ウォードにしておこう。ちゃんと魔法の武器相手でも機能する抵抗だ。
 1レベル呪文はシールドは確定として、あと1つ力術か防御術を選ばないといけない。ウ~ム、そうなると防御術では他にあまりいものがないし、やっぱマジック・ミサイルか? 【知力】を問われることもないし。日頃「マジック・ミサイルが呪文リストにあった場合修得しないと条例違反だぞ」と人を脅しているけど、ありゃ最初から呪文発動能力を持ってる奴の話ですんで……。バーニング・ハンズも悪かないが、範囲が狭いんだよなあ。ま、ボディーブローにマジック・ミサイル、範囲攻撃用にバーニング・ハンズと両方取ってもいいか。スリープでいきなり眠りに落したり(セーヴもいらない)、作ったグリース範囲に立ち塞がって足止めなんてのもいいゾ。
 というワケで、組んでみたハイ・エルフのエルドリッチ・ナイトはこんな感じになる(3レベル時点)。

●エルフのエルドリッチ・ナイト
種族:エルフ 背景:貴族
筋力】8 【耐久力】14 【敏捷力】16 【知力】16 【判断力】12 【魅力】8
hp:28 イニシアチブ:+3 AC:18(スケイルメイル、シールド) 移動速度:30
技能:〈軽業〉〈看破〉〈説得〉〈知覚〉〈歴史〉
クラス特徴:戦闘スタイル(片手武器戦闘)、底力、怒涛のアクション、呪文発動、武器との絆
近接武器:レイピア/攻撃ボーナス:+5/ダメージ:1d8+3
遠隔武器:ライト・クロスボウ/攻撃ボーナス:+5/ダメージ:1d8+3/射程:80/320
0レベル呪文:ブレード・ウォードフロスト・バイトポイズン・スプレー
1レベル呪文:シールドバーニング・ハンズマジック・ミサイル

 結局1レベル呪文は【知力】16にしたことだし、それをセーヴDCに反映させることができるバーニング・ハンズにした。グリースでトリカゴも考えたが、バーニング・ハンズの難点、起点が術者を解消できるシナジーを評価。それに
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 魔法戦士のイメージにピッタリな中坊臭さを買った。
 そこまで現実味のないビルドではないと思うがいかがでしょ。あとはどうやって3レベルまで、そしてその先生き残るかだが、そこはどんなPCにとっても共通の課題なんで、各位の奮闘に期待する。

テーマ : TRPG
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We are Pathfinders!#272~PFことはじめ記・いつかパスファインダー協会員になるために PUバーバリアン後編~

 PUバーバリアン後編も前例に倣って実用的な話。
 “激怒”がバーバリアンのはじまりであるが、“激怒”に身を任せてはいけない。「怒りのハイパーモードは使ってはならん!」とシュバルツ・ブルーダーも言っている。
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 ハラは立てつつもそれに流されず、殺るべき奴を見定め、群れからはぐれたところを速やかに殺るハンティングスタイルがPUババリソの戦い方だ……これじゃレンジャーじゃない?

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テーマ : TRPG
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We are Pathfinders!#271~PFことはじめ記・いつかパスファインダー協会員になるために PUバーバリアン前編~

 ファイター・ローグ・クレリック・ウィザード……じゃなかったアーケイニストで筆者が勝手に考える四役がそろい踏みとあいなったところで、一周して次のはじめてさん向けクラスの選別に移ろう。そうなると優先されるのはやはり前衛クラスになるワケで、まあなんというか技能ポイントの多いクラスは戦い方も変則的で面倒だし、呪文を使うクラスはその数倍面倒で記事を書く方も大変でねぇ(アーケイニストなんて修得呪文だけで1回使っちまったい)。
 などという泣き言はさておいて、昔は特技修得で悩むファイターよりワカりやすいと思ったけど、意外と繊細な奴だと知って後回しにしたこの人。いや、↓こんな見かけだけど実際戦い方に細やかな気遣いがいる奴なんです。
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3e時代のババリソのアイコニック・キャラクター、クラスク君。見さらせこの絵に描いたようなザ・蛮人っぷり。実際あの頃のハーフオークは【筋力】が伸びる代償に【知力】と【魅力】が下がる正しく脳筋で蛮人であった。
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そして時を経てPFのババリソのアイコニック・キャラクターは女子(筆者イチオシのアミリたん)に。角刈りカットの凶漢からギャルになったあたりに時代の変遷とPaizoの柔軟性を感じます……蛮人っぷりはあんまり変わってませんね。

PUバーバリアン

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好きな歌#02~喝采~

 以前、「どうして歌謡曲ってああも悲しい歌詩ばっかりなんだろうか」という疑問を提言した。
 昭和30~40年のヒット曲集のCDを聞いてて確信した。
 こんなに負の念が渦巻く音楽ジャンル、歌謡曲以外にそうそうねぇ。別れとか破局とか挫折とか死とか、即死級のネガティブチャネルエナジーが飛び交っている。特に死。デスメタルかよってレベルで死が出てくる
 外国人が聞くと演歌はロックに聞こえるんでウケが良いと言うが、あの歌詞はロックっていうかパンクだよ。反社会反道徳の極みだよ。
 個人的にロックというのは実らない恋やうまくいかない世の中をケッ飛ばして「負けてたまるか、俺はまだ負けてない!」という反骨心を歌うものだと思っているんだけど、歌謡曲だと既に負けてるからね。実らない恋ならいっそ殺してとか死ぬわとか。『昭和枯れすゝき』なんて「貧しさに負けた いえ 世の中に負けた」なんてド直球で出だしから負けてるじゃねえか! 負けた自分を歌うのはそりゃロックじゃなくてパンクの領域ですよ! ついでに言わせてもらうと、オーケンも思ったらしいけど、なんでそういうことを歌にして聞かせるのよ!? 聞かせてどうしろってのよ!
 歌謡曲というのは日本語独特の世界であり、決して日本語以外ではできない世界であり、剛柔を多様な表現で演出できる複雑な言語だからこそあの世界は成立する、と考察するワケですが、その妙なる言語で人生に打ちのめされて敗北した悲哀を歌われたんじゃ、聞いてる方はいろんな意味でたまんねえわな。実際たまんねえ。なんであんなに後ろ向きな歌詞と曲調なのに心に響くんだろうか。やっぱり日本人に染み付いた負け犬根性なのだろうか。
 オレ的に一番やばい歌詞の歌は『お金をちょうだい』と『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』が二大巨頭なのだが、昭和30~40年代のCDを聞いてる中で発見したこの曲も相当やばい。

喝采(ちあきなおみ)


 最初は流し聞きをしている中で「お、なんかこの曲心に残るな」程度だったんですが、繰り返し聞いている内に曲の内容を理解していって、こんな顔になって
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 こうなった。
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 これはやばい。第14回日本レコード大賞を受賞するのも納得であるが、審査員から「もう決まったかと思ってたのに悩ましい曲を書かないでよ~」とボヤかれたエピソードもワカる。作曲した人も「まさか」の受賞だったそうだが、その気持ちもワカる。
 これ程までに人の心をズッタズタにする歌、そうそうありませんよ。
 別れた想い人を置いて恋の歌を歌う歌手の元にやってきたのが、想い人の訃報ですよ。想い人の死に流す涙さえ忘れた歌手が、いつものように、「それでも」恋の歌を歌うですよ。
 この時点でもうマッスルスパーク天と地が極まっているのに、それでタイトルが『喝采』。そんな歌い手が恋の歌で浴びる『喝采』。もうアロガントスパーク入ってるよ。必ず殺すと書いて必殺だよ。
 しかも歌い出して数節で入る手紙に黒い縁取りというくだりが、もう開幕必殺技。これで筆者は完璧に打ちのめされた。この言葉を「変えろ」と言われてもガンとして変えなかった作詞家の姿勢は全肯定されるべきであるし、「これがこの歌詞の核だから」という訴えも
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 と百万回首がもげるほど同意ヘドバンする。黒い縁取りなんてぇ単語、この曲で出さなきゃ音楽業界の歴史で二度と出てこない可能性ありますよ。『イタコLOVE』まで待たなきゃいけないよ……ってかこの曲が元ネタだろうなあの歌詞は。
 一番もキツイが二番もまたキツイ。暗い待合室、一人座っている自分の耳に、想い人を置いてきた自分の恋の歌が響く、もうやめてくれってレベルでキツイ。
 歌詞もベタ褒めしてますが、こんな歌詞に悲哀たっぷりの曲調を乗せるでなく、穏やかな、っていうかのどかで明るいとさえ言える調べを合わせたというところがまた歌謡曲ならではのニクさ。想い人との過去の別れと、この世との別れが重なる複雑でどうしていいかわからない感情を、実に淡々と優しく歌い上げる、冷徹なアイロニカルは和製音楽と日本語じゃなきゃあできない地獄のコンビネーションですよ。ほんとに歌謡曲は地獄だぜ。一種、キツイ歌詞には明るい歌を合わせるという、北斗の拳的もしくはススムちゃん大ショック的発想を感じる(生々しい話ほどデフォルメされた絵でやれ、突拍子もない話ほどリアルな絵でやれ、という指針)。
 ちあきなおみさんと言えば、直球のやばい歌『夜へ急ぐ人』、一方こちらは変化球のやばい歌、力の2号技の1号って感じ。やっぱり、素晴らしい作品凄い作品というのは、人を引かせるぐらいのパワーが無いと、人の心をズッタズタにできる感性が無いと、人の心を動かすことはできないんだって思い知らされますね。
 自分もそういう人の心をズッタズタにするようなものを作ってみたいな、とは常々思っているんですが……特に自分と接点の多い娯楽のTRPGで、他の参加者の心をズッタズタにするようなことをしちゃ、色々マズイわな。

テーマ : 70年代 歌謡曲
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頑張りましょうと言えないのがとても残念です

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