クトゥルフ神話TRPGヨタ話#85~少しまじめに覚える戦闘ルール・技能編~

 前回さんざなんだこのズブなシステムはとかこれでよくもベーシック・ロールプレイング・ゲームと名乗れたもんだとかそれにつけても金の欲しさよとかディスったクトゥルフの戦闘システム、これ以上掘り進めても「各自でハウスルールを作って回さないと話にならん」と う結論に落ち着きそうな空気がふんぷんとしているのだが、始めちまったもんは仕方がねえ。そう、クトゥルフの戦闘ルールは前回押さえた基本的事項だけでなく、戦闘に関わる技能それぞれにも個別のルールが記載されているのだ! だからそういうことは戦闘ルールに包括しておけよ!
 早くも怒りのあまり歌舞伎揚げバリューパックを一袋空けてしまいそうな険悪ムードが漂ってきてますが、そんな既に敗北感たっぷりのクトゥルフ戦闘システムおさらい記事、今回は戦闘関連技能特集60分一本勝負だヨ!

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クトゥルフ神話TRPGヨタ話#84~少しまじめに覚える戦闘ルール・基本編~

 故あってクトゥルフのルールを再確認している時、ふと「そういえばオレまじめに戦闘ルール読んだことねえな」と思った。
 本当に読んだこと無かった。まじめに戦闘する気が無かったから。
 護身用に銃ぶっぱなすとか空手蹴りするとかならともかく、KPから戦闘ルールを読み込んでいないと生き残れないほどのガチンコファイト倶楽部を挑まれるというのは、それは探索者のシナリオ的敗北だろうという古い考えが染み付いたウサミン世代なので。確かにKGBもといその前身のチェーカー相手にドロップキックで飛び回る大ハシャギをしたこともあるが、ありゃ若気の至り(あと装甲をもらえたし)であり、クトゥルフのシナリオってのは頭脳パズルで、足で稼いだ情報をひらめきで組み合わせれば必ず道は開ける! というのが基本的方針は今でも疑っていない。まあその割にオレが参加するシナリオはなんか独立種族に引っかかれたり狂人に銃で撃たれたり狂人が操った味方に銃で撃たれたりとやたらと物理的戦闘を強要された記憶ばかりなのだがな!
 とは言えいつまでも仲間内のゆるゆる裁定に与えてルールを疎かにしていると、いずれ来る全てをTRPGで解決するホビーアニメ的な世界において脱落し、ひとりジャパリまんを食い損ねるフレンズに落ちぶれる危険性も否定できない(もう言ってる方もわけわからん)。ここはひとつ卒業シーズンであることだし心機一転、少しはまじめに戦闘ルールを把握してみるか、とルールブックに手を付けた。
 手を付けたんだけど、本当にクトゥルフのルールブックって戦闘ルールパート少ねえのな
 およそTRPGにおいて戦闘というのは重要なファクターであり、それが占めるルールブックの割合というものは結構なものとなる。D&DやPFなんてそれだけで一冊の本が……とは言わない(考察や分析を含めるなら楽勝)が、小冊子一冊ぐらいはできそうな分量があるし、読めば読むほど新しい発見がある。オレ戦技を試みる前に機会攻撃でダメージを受けたらダメージぶんのペナルティを受けるなんてこの間初めて知ったよ。いやそもそも機会攻撃受けるような状況で戦技しなかったからさあ。大抵GM側で《(戦技)強化》持ってる奴ばっか使ってたから。
 対して、クトゥルフの戦闘ルールは6ページで終わる。そのうち4ページはスポット・ルール、さらに細かく見ると4ページ中2ページは火器のスポット・ルール。銃器の携行が許されていない現代日本だとまるで見ない可能性もある。見開きでルールがまとまる番長学園!! もなかなかに衝撃であるが、これでベーシック・ロールプレイング・ゲームを名乗るケイオシアムのふてぶてしさも相当なモンである。みくは〈頭突き〉がキャラクターシートに最初から印刷してあるシステムはベーシックではないという意見を曲げないよ。
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曲げない前川
 なんか記事にするほど熱心に読み返さなくてもいいような気がするけど、なんせ今ナウでイマいヤングに大人気のクトゥルフ、あたしもクトゥルフの戦闘ルールを把握して一人前の探索者になったるばい、ととんでもハップンする博多女子も見ているかもしれない。方言で喋る女性キャラを見ると興奮する性癖の筆者としては方言女子とエンカウントのチャンスを逃すわけにもいかないので、ここはひとつ本気(まじ)モードで戦闘ルールを再確認してみた。それに、戦闘ルールの記述こそ少ないが、実は〈回避〉や〈組みつき〉は技能個別の解説に重要な事柄が記載されているので、実際に把握せねばならないルールは見た目以上に多いのだ(この記述の散逸っぷりは何とかしてほしい。7版で直ってるといいネ)。

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We are Pathfinders!#259~ハローMr.Unchained 変更版マルチクラスのススメ~

 変更版マルチクラスの仕様は以前述べた通りなんで、今回はそれを活用したビルドの話を。
 まず真っ先にオススメするのはキュア系が任意発動可能になるクレリック、3レベルで領域特典まで獲得できてゲバゲバ30分と言いたいところだが、個人的にまず推したいのはバード。これを搭載して〈知識〉判定全般に対応しようというものだ。未収得判定不可の技能を出来る限り減らしたいというのはパスファインダー協会員として当然の備え、
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 なんて会話が交わされるゴラリオンにてクリーチャー識別を落とさないのは生死を分ける判断力であるが、なんでかPFというシステムはクラス技能で〈知識:すべて〉の輩に限って技能ランクが2点だったりする(インヴェスティゲーターみたいな例外もいはする)。故に〈知識〉を分担するのは自然な流れであるのだけれど、分担することすら困難な技能ランクとアーパーばっかしというのも割とあり得るパーティ構成(ファイターとかパラディンとか)。そうでなくても〈知識〉はむっちり10種類にも及ぶため、これらを安定した技能ランクで判定するというのは難しい。また、〈知識:歴史〉のようにクリーチャー識別に使わなくても汎用性の高いものもあるので尚のこと割り振るポイントには頭を悩まされる。
 この辺の悩みが二次クラスでバードを仕込むと、3レベルで“バードの知識”が降ってくるのでパパーと一挙に解決。例えポイントを振っていない〈知識〉でも判定可能になるし、キャラクター・レベルの半分が判定に加えられるので、ポイントが散ってしまっていてもそこそこの固定値は確保できる。ウィザードなんかが《イニシアチブ強化》と《戦闘発動》さえ押さえておけば最低限の仕事はしてみせる、と割り切ってくれるならこれで〈知識〉担当は万全。
 二次クラスの特徴が無駄になりづらいのも、バードを推奨する理由。“勇気鼓舞の呪芸”を獲得してから2レベル後(9レベル)ですぐにボーナスは+2に上がるし、“武勇鼓舞の呪芸”も獲得時点で3人に効果を及ぼすことができる(19レベルで獲得するため、15レベル・バードとして計算される)。“万能なる芸”がちょっと浮いているが、関連する技能2つの再訓練を自由にしていいという裁定に、背景技能の導入がなされると途端に外道な事をし始める。今までろくに使ったこと無かった〈軽業〉をキャラクター・レベルと同じランクで機会攻撃範囲を抜けるのに使い出すとか。
 属性を問わずに激怒しまくるというのは先生感心しないのだが、ババリソを仕込んでおけば確かに接近戦能力は向上する。激怒以降の二次クラス特徴もいずれも強力なもので、特技1つぶんの働きは保証してくれる。“直感回避”まで付いてくるのは少々やり過ぎ感すら漂っている。まあ、ACの低下と伸びた【耐久力】のバックファイアはゆめゆめ忘れなさるな。
 最初に触れたクレリックの二次クラスはキュア系任意発動不可のクラスが仕込むとみんなに喜ばれるが、7レベルの時点で得るものがエネルギー放出1d6と死ぬほどショボイのが実に悩ましい。一応、11レベルになるとキャラクター・レベル-4のクレ公になるので、やっと4d6と使い物になってくるが、戦闘中の使用に必須である《選択的エネルギー放出》を取るチャンスは変更版マルチクラスの仕様故これまた悩む。ちうかただでさえ特技が少ないのにそれを《選択的エネルギー放出》にアテてしまっていいものか。ウィッチは《呪術追加》など取りたい特技も多いから、敢えて垣根の魔女のような任意発動可能なアーキタイプを優先する、というのも手である。低レベルの間に限るとキュア系を好きな時に使える安心感は言うに及ばず、3レベルで領域特典も付いてくるからまあ解放の領域っつっとけばいいんじゃねえの(投げやり)。あと、領域特典はキャラクター・レベルを有効クレリック・レベルとして扱えるが、【判断力】準拠のやつもあるんでそこんところは注意。解放の領域にゃねえけどよ。
 少々変化球になるが、実は前衛クラスがソーサラーを選ぶというのもアリ。異形と運命の子の血脈の力は前衛クラスが使用しても問題ないし、あまり【魅力】を問われないのも○。“長き腕”はそもそも前衛向きの能力と言える。《物質要素省略》の代わりに選べる血脈特技も、実は前衛向け特技も少なくないのだ。11レベルで獲得する、血脈で貰える耐性やセーヴ向上もエラく強い。ただ、血脈の1レベルの力はオマケ(ばっちり【魅力】が関わる)程度なので、真価を発揮するのは7レベルから、と少々遅め。
 ローグは3レベルで“罠探し”を獲得できる、と見て「おっ」と思ったものの、魔法の罠解除目当てなら1レベルローグを普通にマルチクラスした方がいいような……急所攻撃もすぐに付いてくるし。ただ、“罠探し”のボーナスは変更版マルチクラスの方が活用できる。“罠探し”の能力そのものより、目当てにすべきはこっちだな。
 今回取り上げたのは、クラス独自の持ち味を活かしていると感じた変更版マルチクラスで、他はそうした能力の獲得が遅く、かつかんなり限定的な効果というものが多い。変更版マルチクラスを実感するのは7レベルから、さらにそれが実践的になるかどうかも技量と工夫が求められる。ウィザードの“秘術の発見”を取得なんか悪さできそうなんだけど、遅いんだよなぁ、とにかく(15レベル)。サモナーの幻獣なんか獲得は7レベルで有効レベル-4に進化ポイント半減、サモン・モンスター擬似呪文能力でないと呼べない、と意地でも戦力にさせへんで、という強い意志を感じる。せめてサモン・モンスター擬似呪文能力の使用回数に余裕があれば、耐性の多い使い魔みたいに運用出来たんですがねぇ(小型の幻獣という選択肢も活用できたのに)。一方ドルイドは7レベルまではしょっぱいが11レベルになると完全にキャラクター・レベルを反映した相棒を持てるようになる。動物ならあまり変な事をしないという思惑だろうか?
 まー余計な寄り道せず他のクラスの特徴を黙ってても取得できるんだから、あまり贅沢は言うめぇ。使い勝手の優劣に限らず、変更版マルチクラスの真価は「キャラクター・レベルを二次クラスのクラス・レベルに適用できる」ところにアリ、と思うので、ここらへんに活路を見出したい。

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We are Pathfinders!#258~Monster Codexがあらわれた! ノール編~

 脅威度詐欺のクソモンスターが横行するTRPG界において、ノールは大抵脅威度相応のイイ奴と思ってきましたが、MCのババリソのアーキタイプを見てやっぱりあんな怠惰で傲慢で残忍外道なハイエナ野郎どもは絶滅させるべきだと考え直しました。
 ちゅうか暴力的で残虐で自分以外を食料としか思わず労働なんて大キライ、てなクソ野郎がD&D系列には多過ぎてぱっと見キャラ被りも甚だしい。そこでノールみたいなハイエナ頭とか強烈な外見で個性付けてるのも上手い所だけど、MCみたいに詳細な記事を読み込んでいくと同じクソ野郎でも方向性が違いとワカって面白い
 特にMCは種族独自の行動原理の表記にセンスがあって(トロルは家族、サフアグンは社会とか)、ノールにとっては
・自分より弱い→餌
・自分より強い→狩るに十分に強い
・群れに属さない奴→動く肉

 という極めてワカりやすい他者認識を持つという。
 また、もうひとつのキーワードは“群れ”で、狩りの相棒ハイエナ同様に群れによる戦術を得意とする。獲物を発見しても急がずゆっくりと取り囲み、追い詰め、嘲笑い、疑心と恐怖と疲労で戦えなくなったところを一気に血祭りにする、そんな気長な戦術が取れる種族である。【知力】ひとケタの分際でよくそんな戦術を理解できんなあ。いや野生的な【判断力】でなさしめているのか。
 そんな群れ戦術をフューチャーしたのが冒頭で触れたババリソのアーキタイプ、集団激怒者チームワーク特技を30フィート以内の味方全員に与えるという吐きそうな能力を持つ。ね、絶滅させたくなるでしょ? 言うても解禁されるのは7レベルからだし、それまで味方に一緒に取ってもらったチームワーク特技がちょっともったいない気もするけど、そのうち2つ3つ与えられるようになるからいいよねそのぐらい。5eのパック・タクティクスはこのぐらい連携戦闘らしい連携をしてみせろと説教したい
 ちなみにダメージ減少が無くなるのが地味に痛い。激怒パワーが激減りするのはすごく痛い
 ブーダはウィッチのアーキタイプ。アーパーのノールに【知力】準拠のウィッチなんかできんのか、と思いきやノールの女性は大抵男性より大柄で頭もよく、一族のリーダーを務めるそうな。トロルといいゴラリオンの異種族は女系社会が多いのね。ブーダはそのようなリーダーに助言者として仕えている神秘の力を秘めたウィッチというワケ……別にウィッチというクラスは女に限らない、てな話はこの際いいっこなしね。クソ野郎のノールのウィッチだけあって悪属性限定という制限がある。
 専用呪術のブーダの目はAC、能力値判定、攻撃ロール、セーヴィング・スロー、技能判定のいずれかにペナルティを与える。8レベルでペナルティが-4になるのもキツイが、さらに1日に1回2つのペナルティを与えられるのがエグイ。効果としては邪眼の上位互換だが、邪眼があるとペナルティを与える対象が1つ増えるため、後述するブーダの例でもばっちりセットで取得している。またダイア・ハイエナ(もしくは普通ハイエナ)に変身でき、その間スピーク・ウィズ・アニマルのようにハイエナと交信できるというドルイドっぽい要素も持ち合わせている。
 群れの戦術を押しているだけあって、種族特技はなんと五個中四個がチームワーク特技。これには集団激怒者もウッハリ。それでいて《追尾》が前提の《協調位置替え》や武器落とし失敗に続けてさらに武器落としを行う《連携武器落とし》というシブさがたまらない(《協調位置替え》は訳がバグっているのだが、正しくは「この特技を持つ味方が、君が機会攻撃範囲内に収めているクリーチャーを機会攻撃範囲に収めており、かつ5フィート・ステップをした時に自分も割り込みアクションで5フィート移動できる」かな)。ただし前提が攻撃ボーナス+9に噛みつきと重いだけに《挟撃噛みつき》即行アクションで噛みつきをカマしてくる恐るべきラフファイトっぷり。こんなチームワーク特技持ってる一団がノールの標準戦力なら覇権種族入り待ったなしだが、そこは基本攻撃ボーナス+9、ちゃんと脅威度というものをわきまえた連中ですからな。噛みつきは《噛み千切り》で取得可能。頭が肉食獣だけに、主要攻撃かつ1d6ダメージ、と並の中型人型生物の得る噛みつきより一段階ダメージ・ダイスが大きい。
 どこにでも住んでいる、それこそトリンタン村から大樹の大要塞、浮遊城まで出張するフットワークの軽い種族であるが、ノール本来の住処は熱砂の不毛地帯。ノールの魔法のアイテムは、そんな過酷な暑熱と砂塵から生き抜くためのサバイバルキットになっている。ハイエナ・ショールは着用していると砂嵐に視界を遮られなくなり、嵐で非致傷ダメージも受けなくなる。さらに、不快な笑い声によって聞いたものを恐れ状態、セーヴに失敗しても1d4ラウンド怯え状態に陥れるいやらしい特殊能力付き。獲物を不安に陥れる嘲笑も、コレが一因で語られるようになったんではあるまいか。ハンターズ・ノーズ・リングは文字通り鼻輪。着用者に鋭敏嗅覚を与えると共に、獲物を追跡する判定にボーナスを与えてくれる。プラチナが編み込まれているためか、妙に高い(10,000gp)。まあ、技能2つに+4ボーナスと鋭敏嗅覚となればそのぐらいはするのかもしれんが、10,000gpの鼻輪かぁ……うーん。
 何かとノールと縁のあるグレムリンのバグワンピ(Bestiary2掲載)の生皮を使ったバグワンピ・ブレイド(刃のBladeではなく紐のBraid。MTGのガロウブレイドと同じ)は1分間の間副種別(ノール)以外全てのd20ロールを2回振って悪い方を選ばねばならないというかなりサイテーなオーラを放つ災厄のおまじない。バグワンピをノールは毛嫌いしているのでそりゃあガンガン素材にするために始末されていることでしょう。幸運ボーナスがあれば無効化できるためノール討伐の際にはクレ公に豊富にディヴァイン・フェイヴァーを用意させたりするのであろうな。
 野生的な種族ながら戦術に長けるためか、ノールの例におけるクラスは案外幅が広い。またD&Dならイーノグフ、ゴラリオンならラマーシュトゥのように異形の神への信心深いだけあり、信仰系の例も多いのが特徴。
 ノールの蛮族はバーバリアン。ノールの激怒狂(バーバリアン/集団激怒者2レベル、脅威度3)は激怒で上昇した【筋力】によるグレートアックスと噛みつきの複数回攻撃が持ち味だが、チームワーク特技は《協調位置替え》というシブさが光る。その上位種はノールの群れの長(バーバリアン/集団激怒者8レベル、脅威度9)。パックロード! 5eにも出ていたパックロードじゃないか! あっちでは割とフトゥーの上位種だったがババリソ8レベルと気合入ったクラス・レベルだけあって《挟撃噛みつき》がばっちり火を吹く。これでノールの激怒狂なんかを連れ回されたら手が付けられん。が、思ったほどチームワーク特技を取りまくってないところにやはり奥ゆかしさが感じられる(他は《連携武器落とし》《連携武器落とし強化》だけ)。《追尾》はあっても《協調位置替え》取ってないし。
 天性の狩人であるノールにとってノールの遊撃兵はごく自然なサンプル、当然クラスはレンジャーってノールの乱暴者は違うじゃありませんのん!?(ファイター1レベル/ローグ1レベル、脅威度3) それも乱暴者て! 確かに遊んで撃ってそうだがそういう意味ぢゃないと思う。などとつっこみつつも、戦い方は《強行突破》による斬り込みや足留め袋など乱暴者にしては小回りが利き、しっかり遊撃役を務めているやり手デアデヴィル・ブーツなんてものを用意しており、〈軽業〉のすり抜けもかなりの腕前である。例え判定ペナルティを受けない物もあろうと鎧を着ないところは流石空気を読める畜生ノールの用心棒は今度こそレンジャー(9レベル、遊撃兵アーキタイプ使用、脅威度10)。腕っ節が自慢のノールながら、弓術スタイルであるところに群れの戦術に本領を発揮する性質が表れていると言えよう。砂混じりの風の中を見通す巧妙な射撃支援攻撃で仲間を援護し、《機動射撃》で撃っては逃げ、隙を見ては《速射》してくる、こんな狩人を相手にしてたら疲労とストレスがマッハである。
 ノールの戦争指揮官ノールの軍曹もレンジャー(3レベル、脅威度4)。戦闘指揮官というからには、もう1レベル伸びたら仲間との絆を持っていそうなのだがちょっと間に合わなかった。それにノールに「仲間」との「絆」というのも、な。こちらも弓術スタイルで、やはりノールの恐れるべきはSOMに倣って弓か。クセのない《速射》メインの射手ながら筋力】等級4などとどえらく上等なコンポジット・ロングボウを持っている。砂漠に来た冒険者とノールの軍曹の間では熾烈なコンポジット・ロングボウの奪取戦が発生することであろう(高いし)。ノールの副官はファイター(5レベル、脅威度6)。ただでさえ技能ランクがくそなファイターの上に【知力】6、その全てを結集した《威圧演舞》で敵の士気をくじくマイトガイだ(見よ技能の〈威圧〉のみという侠らしさ)。筆者もこれには直に出会ったことがあるが、敵で使われると[精神作用]の効きづらさや相手のHDの高さを大して気にしなくてよく、大抵のPCの士気をヘシ折る恐るべき効果を発揮するのだ(だって固定値で6レベルの【判断力】ボーナス無しのPCの士気をくじけるんだぜ)。なおそん時筆者はゴブリンだったんでいやあ士気が折られに折られまくったぜ。おしっこちょっと出た。
 前述したようにラマーシュトゥの信徒であるノールは信仰系クラスにも縁がある。ノールの信奉者がそれ。ノールのクレリック(クレリック4レベル、脅威度5)は欺きと力の領域を授かっている。混沌にして悪だけに負のエネルギー放出であるが《選択的エネルギー放出》なんて持っちゃいねえ。隣のノールもお構いなしに餌食にするのだ。そもそもキュア系呪文を任意発動できなければ準備すらしてないので癒す気まるで無し。ノールの強奪者(アンティパラディン10レベル、脅威度11)は善を討つ一撃&《クリティカル強化》ヒューマン・ベイン・ファルシオンという激アツな殺戮者だが、実はイケメンというほどではなくややイケ(【魅力】13しかない)ぐらいで、善を討つ一撃による攻撃ボーナス上昇は+1のみというあたりにやはりそこはかとない控え目さが(そろそろ表現する言葉が無くなってきた)。
 階層構造の指揮者である選ばれし者もクレリック(11レベル、脅威度12)。実は選ばれし者と大層な名前が付いている割にノールのクレリックのレベルが上がっただけで、劇的に変化した感は薄い。てゆーか神に選ばれたと自称するぶんざいで並クレリックと【魅力】が同じというのはいかがなものかヘッドバンド・オヴ・アリュアリング・カリズマ+2でやっと14)。まあ11レベルまで成長した実績と、《エネルギー放出強化》より《選択的エネルギー放出》を取る判断力が選ばれし者の所以か……。
 助言者ながらノールの例の最上位がノールのブーダ(ウィッチ/ブーダ12レベル、脅威度13)。ブーダの項で触れたように、邪眼ブーダの目を両方修得しているところにデバフ要員としてのやる気まんまん。これらでセーヴを下げてやったらクラウド・キルスティンキング・クラウドで一網打尽だ。他の呪文もバングルビストウ・カースを筆頭に盲目状態にするやつが2つもあったりとデバフの本気に抜かりはない。なお、秘術呪文はノールにあまり縁がないそうで、秘術クラスの例はブーダのみ。種族呪文も存在しない(信仰呪文ならあってもよかったような)。
 ノールの亜種ではこれまた5eにも出演していたフリンドを紹介。5eみたいな変な特殊能力は持っていない、純粋にノールのアップァーバージョン(脅威度も3)であるが、緻密な交配によって生まれた独立した種族という背景を持つ。種族アイテムのフリンドバーは文字通りフリンドが愛用するヌンチャカ。武器が整理された5eではただのフレイルであるが、珍妙な武器データが豊富なPF、こっちは軽い武器ではないが足払い特性に[殴打]および[刺突]に対応する独自性を持つ。まあフリンドは《足払い強化》も《武器落とし強化》も無いのだが、そこでノールの群れの長が《連携武器落とし強化》を提供するワケか。軽い武器じゃないから両手で持てるし。ちなみにフリンドバーはノールにフリンドが一本一本オーダーメイドで作らせる一品もので、たいそうこだわりを持つという。作成にしくじるとフリンドから痛い目に合わされるらしいから、〈製作:フリンドバー〉も命懸けだろう。
 ノールの遭遇サンプルは役割分担がはっきりしているせいか、あまり複雑な戦力の構成にはなっていない(複数の襲撃部隊が編成されるという記述もある)。狩猟隊(脅威度5)はノールの激怒狂率いる並ノールであるし、野生の群れ(脅威度5)はなんとMCで紹介されたノールの例が一体も含まれていない(これはMCでは珍しいと思う)。普通ノールとハイエナのみの構成である。フリンドの群れ(脅威度7)はフリンドの群れと言いつつフリンドは一体だけ、ほかのノールの乱暴者も脅威度は同じだったり。まあ、それでいてノールを従えられるのがフリンドという地位というワケか。呪術師と用心棒(脅威度14)はブーダと用心棒のみで、畏怖されがちなブーダなら側における戦力もこのぐらいシンプルでないといけないかな。
 その中で夜の恐怖(脅威度10)はまさに夜の恐怖で、クレリック、乱暴者、群れの長の混成部隊。こんな奴に夜間追い回され続けたら睡眠できないし昼間は暑熱で疲労するし、で長く生きられる者は少なかろうて。というか急所攻撃つきの噛みつきが即行アクションで襲ってくるとか普通に真正面から襲われても殺られそう
 先にも触れたように、ノールの女性は大柄で頭も良いので、リーダーになるのは女性となる(ブーダや選ばれし者もそう)。その代わり絵に描いたようなゲス野郎だけに、リーダーが衰弱したり面目を失ったりすると「リーダーなんていらんかったんや! オレが法律や!」と即座に熱い手の平返しを見せて結束を忘れた血生臭い内紛に身を投じる。結果失敗した指導者候補や支持者は群れから叩き出されるので、ノールの群れは分散しやすく、大きな群れをつくるのは難しい。真に強固な軍勢を作り上げるのは類稀なるカリスマ性と、移ろいやすいノールの群れの性質を掌握し切った者でなければならない。故にそれは強力なノール、あるいは外部から来た第三者的視点を持つ者であるそうだ。フリンドのような種族を作ったのも、恐らくこうした特A級のノールの女帝だろう。
 ノールの食生活は厳然とした肉食であり、特に知的生物の肉を好むが、これは痛めつけると意味のある言葉で嘆き悲しむという嗜虐的な理由でなく、いやそれも含まれてると思うんだけど喰らった肉からそいつの能力を吸収できるというお前は『荒野に獣慟哭す』のチプカ族か、てな迷信に基づく。ただしノールに媚びるバグワンピだけは、食べると弱体化の呪いを受けるということで皮をバグワンピ・ブレイドの素材にして肉は腐らせるのが普通。こんなクソ野郎を神と崇め奉るバグワンピもよっぽどの好き者であるが、ノールなんて種族をフューチャーしたグレムリンを作る方も作る方だよ
 自分たち以外の動くものは肉と考えるノールながら、単純作業を厭う怠惰さから奴隷として暫く使うこともある。そして、虐待して十分に弱ってくるとノールの子供が行う狩りの最初の獲物にするという。その目的のために奴隷は若い方が好まれるが、最終的には戦闘能力を失っていることがサイコーの条件とかサイテーな事が書いてある
 怠け者で頭も足りないのに群れの戦術を確立しており、かつ長期的な狩りに熱心というのは矛盾しているようだが、ノールの性質を考えるに、これだけ注力できるのは獲物を追い詰めて殺すのが楽しいから、という一点に尽きるんだろう。やる気のある所には全力を注ぐがそれ以外はだるいっぺれ~とプセるのはそれはそれで混沌にして悪らしいスタンスではある。整理された分業と執拗かつ巧妙な追い詰める手口、この2つをうまく表現できると、そこいらに溢れるただの乱暴者でない、ノールの独自性をアプィールできるでarrow。そして繰り返し言うが、トロルみたいに種族そのものがくそみたいな変な特殊能力は持っていないし、独自色もくそな方向性ではなく、あくまで脅威度相応の範囲で持ち味を発揮しているので比較的GMにもPLにも優しい。適性レベルの遭遇を存分に楽しみつつ、こっそり集団激怒者でチームワーク特技を撒いたりノールの副官で《威圧演舞》したり、健やかなダーティファイトを繰り広げていただきたい。

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D&D5e余話#171~モンスター注意報! 第六回 ノール編~

 5eの1レベル時はPCの戦力が突き抜けて貧弱なので、バランスに苦慮している方々も多いのではなかろうか。なんせ作成したてのPCはhp少ないリソース少ないそれにえーっと……そう、選択肢も少ないの三重苦。最後の一つはちょっとムリクリ出した感があるな。ピアノがないぐらいにしとけばよかったか。ダメージは4eの無限回パワーぐらい叩き出せるのにhpや回復リソースは3e並に引き下げられるというチグハグな仕様も相まって、即行で呪文も特徴も使い切りどーすんのよコレという状態で行軍を強いられる悪しきD&Dの伝統が繰り返されていることは想像に難くない。
 そんなデリケートゾーンをどう凌げばいいのかというユーザの素朴なギモソに公式のこうすればいいんじゃという答えはスターターセットでバグベア(そろそろ伏字にしなくていいかなあ)をぶっつけたり6レベル術者で一人ずつ3レベルマジック・ミサイルで嬲り殺しにしたりすることだったんですが、まあアレはあまりアテにしない方がさわやかD&Dライフを送れると思いますバグベアはスターターセットのシナリオ読んだ人のほぼ全員が「いや、あれは無いでしょう」とゆってたし。
 1レベルPCが弱いのも困ったもんだけど、そのレベル帯にぶつけるべきであろう、脅威度の低い連中の評価が難しいのもまた困りもの。脅威度1以下のクリーチャーは「ボスにしては物足りないがザコとして大量に出すには強い」という輩が多い。散々脅威度詐欺とブーたれてきたが、本当にそれが該当するのはフライング・ソードとドラウ、スペクターぐらいのもんだろう。
 例えば誰が決めたか冒険者はじめのA定食ことゴブリン退治であるが、5eのゴブリンは立派な脅威度1/4。1レベル冒険者一人がさほど問題なく相手にできる、ただし時には問題になることもある評価で、ひと山いくらでフッ飛ばされる拳王の取り巻きほど貧弱ではない。むしろhp7点はd8ダメージだと1レベルPCが安定して即死させることができないし、何よりACは15もある。数で出てこられた場合は“素早い脱出”と相まって始末に時間がかかることだろう。殴れば吹っ飛ぶのはコボルドの方が適切だがこっちは“連携戦闘”のせいで数出すとゴブリン以上の惨事になりやすいし。
 まーこれらはある程度数が出てきても止む無し、というメンツであるが、それらを束ねるボス格で何を出すかというと、「ボスにしては物足りないがザコとして大量に出すには強い」問題として提起したようにさらに難しい。
 少し上の脅威度1/2を見てみると、オークはACこそ低いが伝統のグレートアックスの一撃はカンタンに1レベルPCのhpを消し飛ばす破壊力がある。その一方でhpは脅威度1/2の人型生物なり(15点)で、即死こそしないがスリープで取り巻きもろとも眠らされてもおかしくない。1レベル相手に数は出しづらいがボスを張るにもちょっと食い足りない。かといって硬くて威力があるけどhpも命中率も低いという、いつ出しても嫌がられるだけ、という奴もな(ホブゴブリンのこと)。
 せめてボス格なら脅威度1/2以上はありたいところですが……ウイングド・コボルドがボスというのもちょっと締まらないし。かといってそれこそスターターセットのアレとかもな。ゴブリンズ・ボスのACがもっと低ければちょうどいいぐらいだったのだけれど。
 そんな反抗期の娘さんのような扱いに難のある時期に対して、比較的穏当かつそこそこの脅威度を持つ、1レベルパーティにぶつけたい筆者推しメンクリーチャー、ノールが今回の主役。
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ハイエナ頭という設定もさることながら、タッパはあるが猫背で目立たないのと不自然に巨大な手という特徴が魅力。
 ノールと言えばD&Dにはおなじみのハイエナ野郎、ジャンニーキックプキャンセルガードのTODのクソ挙動で一部アクションゲーマーはハラワタ煮えくり返るかもしれないが、5eのノールはSOM仕様を髣髴とさせるマイルド調整。片手武器の、しかも性能のあまりよくないスピアを使っているのでダメージ・ダイスはd6と控え目で、これで即倒れるようなPCはあんまり前衛にいないだろう。特殊能力の“大暴れ”の発動条件も「近接攻撃で」hpを0にすることなので、頻繁に発動することはないはず。
 一方で防御能力はAC15、攻撃ボーナス+5の1レベルPCが攻撃する際には出目10以上から、とワカりやすくかつまずまずの数値。加えて22点の高hpもあって、即無力化させるのは困難な数値。この時点で高いhpの敵をダウンさせる数少ない手段、スリープでも確実性を取るなら何度か打撃を与えてからになるだろう。
 打撃力としては遠隔武器のロングボウの方が強力で、薄い後衛を狙い撃ちにしてやると冷や汗をかかせられるだろうが、こちらは攻撃ボーナスがスピア以上に低い(ダメージも固定値は1点低い)ので、案外竜ソーサラーやローグ相手には外すこともある。何より両手が塞がるので、盾が使えないのが痛い。仮に接近を許した場合は、1ラウンドかけて盾を用意するよりスピアを両手持ちせざるを得ないだろうが、そうなったらそうなったで1d8ダメージの両手スピアが火を吹くので、ガッチリ防御したノールとはまた違った脅威を演出できたりする。“大暴れ”を披露する機会も増えるかもしれない。
 このように、火力と防御力のバランスが良いので、手段の少ない1レベルPC相手でもじっくり戦うことができ、一方的な戦闘になりづらいのがノール推しの大きな理由。スピア+盾による接近戦、ロングボウの射撃→スピア両手持ちへの移行など、戦い方とデータの幅が広いのも魅力。
 『Volo's Guide to Monsters』(以下VGtM)で追加されたノールの亜種も、1レベルPC相手として十分使える強さ。ノールの狩人盾を抜いた代わりに2回攻撃を可能にしたものと思ってほぼ間違いない。脅威度は同じだが打撃力重視のノールにしたい場合はコチラになる。が、盾が無い=ロングスピアを両手持ちしない理由が無いし、【敏捷力】ボーナスが+2となりロングボウの命中率もダメージも上がっているので、これを乱射されると前衛でも危ない。SOMでもそうだったように、真に恐れるべきは弓ノールなのです(そうか?)。普通ノールと比べて経験点枠は同じでもややデッドリーな遭遇となる。
 脅威度1のノールの生肉齧りは、脅威度1にしてはhpは低目。ACも14とそこまで苦労する数値ではない。ただしショートソード×2と噛みつきの3回攻撃はやはり依然として脅威であり、d6ダメージとd4ダメージでも1レベルPC相手に出すにはキツイと考える人もいるかもしれない。筆者としては取り巻きの数と脅威度を絞って出すならアリという感じ。並ノールはもちろんノールの狩人とコレをいっぺんに相手するのはナンであろうから、ハイエナ二匹程度で。遠隔攻撃は持っていないから、距離を空けた状態で開戦して飛び道具を撃つチャンスを与えつつ、“不意の猛進/Sudden Rush”で度胆を抜いてやるというのもアリだな。
 スケルタル・ノールとでも言おうかウィザーリングは脅威度1/4だが攻撃回数が2回にhpも11と高めで、付近のノールが倒れるとなお殴る、とやたらと手数が多い。1レベルPCでも対処はできるが数を並べるのはちょっと難ありかな。
 PCで相手にする場合は、打撃も防御も標準的で変化球もないから、まあ単純に「強い敵」と戦う心構えでドシフンを締めてかかればいいだろう。“大暴れ”はhpが0にならなければ発動しないので、クレ公など指揮役は倒れそうな味方を見逃さないように。ロングボウで撃たれた場合は低下したACにつけこんで射返したり、一気に隣接して封じたり、5eの戦闘の基本を活かした対策を立てていけば、自然と戦闘ルールも学習でき身に着いていくのではないでしょうか。1レベルPCにぶつけるちょっと強い敵とはこうあってほしいよネ。性格的にも混沌にして悪の典型らしく、残虐で怠け者で嗜虐的で同族食いも辞さない絵に描いたようなクソ野郎だから遠慮なく迷いなく退治できるし。自分たち以外は食料兼奴隷、弱い異種族を連れててもおかしくないから混成部隊も出しやすいし。
 余談ながら上位種のノールの群れ長、“イーノグフの牙”とも正統派のブン殴り屋で、あまり頭を使わず運用できて好感を持てる。“大暴れの煽動/Incite Rampage”をアクションで使うぐらいなら自分で殴った方が早そうだし。VGtMのフリンドになるとなんかよくわかんないことを始めるが。
 唯一の難点を挙げるとしたら、ノール語しか喋らないんでコミュニケーションを取りづらいことか。PC作成時の言語でノール語を選択するような悪趣味な人もあんまりいないだろうし。カッコイイ前向上を言ってもオジー・オズボーンのモノマネをするブラック菩薩のオジー・文彦こと橘高文彦さんが上げるような奇声しか返って来ないと思います。

 

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#257~ハローMr.Unchained PUバーバリアン~

 やり過ぎたサモナー、やらなさ過ぎたモンク、やり過ぎなかったらしいローグにはPUで手が入ったが、この人もひっそりその候補に入っていた。マイナーチェンジの枠に収まっているので、そこまで騒ぐほどでもなかった……と思いきや、実はバーバリアンもPUで変わってるんですねえ、だいぶ
 さてババリソと言えば激怒、激怒と言えばババリソ。ブラッドレイジャーとスカルドとバジャーは君達の話じゃないんで座ってるように。【筋力】アップによる凄まじい爆発力も強烈だが、同時に気絶して激怒が解けた瞬間【耐久力】減少分のバックファイアを受けて死に瀕するこりゃ激アツな死に様も同じぐらい強烈な印象である。ものっそいババリソっぽいハイリスクハイリターンな能力で、これはこれで好きなのだが流石にハイリスクにも程があるのと、能力値が一時的にゴチャゴチャ変わるのはよろしくないと判断されたのか、筋力】のアップは近接攻撃の攻撃ロールとダメージ・ロール、投擲武器のダメージ・ロールへのボーナスに、【耐久力】のアップは一時的hpとして表現されるようになった。
 扱いとしては一時的な能力値の増減による修正の変化が少なくなり、かつバックファイアに怯えなくてよくなったのだが、元のデータと比べてみると弱体化した面も多い。まず能力値が変化しないので、激怒中の【筋力】依存の技能へのボーナスが失われてしまった。それ以上に痛いのが【耐久力】が上昇しないせいで頑健セーヴが伸びない。いくらあっても足りないセーヴへのボーナスがひとつ失われてしまった(意志セーヴ+2は健在)のは大きな損失である。どうせなら頑健セーヴへのボーナスも入れてくれればよかったのに……また一時的hpになったため、失われると回復で取り戻すことができないのも残念。
 地味に終了時の疲労状態の期間も変更されており、何ラウンド激怒しようが1分間に統一された。以前なら1ラウンドだけ激怒していれば2ラウンドの疲労状態で回復するのだが、これからは一瞬の激怒でも10ラウンドゆったり気を静めないといけない。……まあ、5ラウンド以上激怒していれば同じかそれより短い疲労状態で済むし、あんまり1ラウンドや2ラウンドだけで激怒を終わらせる状況ってないと思うけれど。いちいち激怒したラウンドを覚えておかなくていいようにした、というのが正解だろうな。
 大きなメスが入ったのは激怒パワーも同じ。激怒パワーはババリソレベルの上昇と共に結構な頻度で増加していくが、使い切りのものも多く、使ったか使ってないか、どれを使うかの判断でどうもごしゃごしゃしたイメージがあった。PUではそこんとこを刷新し、使い切りの能力はバッサリ1日1回にしたり、あるいは使い切りから継続的に発動できるようにされたりしている。つまりは激怒中1回使用のやつは使用機会がゲソッと減ったというワケだな! 有り余る激怒使用時間をちょこっと2ラウンド消費してダイス目+1d6なんてお財布に優しい吉兆の印はもうないよ! そん代わりダイス目への修正がレベルによって加わるようになったんで許しち。4レベルごとに+1とかなんかひっどいことになってるし。あ、逃走不能みたいに使用回数の制限がなくなってるのも探せばあるでよ。粉砕者も制限は無くなったがダメージ減少無視がババリソのレベルを参照するようになった。掠り傷に至っては1日に1回になった代わりにセーヴに成功すればダメージ一切無効、失敗してもダメージは半分で非致傷ダメージとかなんかおかしいことが書いてある。
 継続的に発動するようになったのは驚異的精度力任せの一打なんかが該当する(これらは精密さの構え剛力の構えと名を変えた)。これらは“構え激怒パワー”と呼称される。お、ちょっと4eっぽい。起動に移動アクションが必要になったので、高速移動で間合いを詰めてから即座に発動なんて使い方はできなくなったものの、あの能力が激怒中ずっと発動すると思えばこれはメリットの方が大と言えるだろう。だって4レベルごとに+1のボーナス上昇はそのままに、毎ラウンド殴りかかってくるんだぜ。そのおかげでちょっと切ない事になってしまった無謀なる構え(元・自暴自棄)なんて激怒パワーもあるが、そこは遠隔攻撃にもオッケーな所を活用するとか凶暴の奮起で味方にバラ撒くとか。って無謀なる構えの効果を味方に与えられるってマジ?:(;゙゚’ω゚’):
 なお、複数の構え激怒パワーは同時に起動できないので、相変わらず精密+剛力で攻撃ロールにボーナスを得つつダメージにも、てなことはできない(驚異的精度力任せの一打も即行アクションでの起動が必要だった)。逆に吉凶の印なんかとは併用が可能に。
 実は構えのアイデア自体はCRBの頃から存在しており、慎重なる構えは近接攻撃でなくてもよくなったのと、持続時間を除けば同じ。上記のような激怒パワーはこれを元に構えとして統一されたものと思われる(慎重なる構えが単にACへのボーナスになったので、しなやかな回避はお役御免となった。合掌)。
 中にはダメージ減少上昇とか本当に強化されただけのやつもある。強化が1/-から2/-になっただけでも恐ろしいのに、相変わらず3回まで取得できる。素の最大値と合わせてダメージ減少11/-ってそれもう人間じゃないだろ駿足も移動速度アップが5フィートから10フィート、3回まで取得可能もバッチリ維持だ。明晰な心は即座に効果が発揮されなくなったが使用回数に制限が無くなった&即行アクションを消費しないので、モリモリターン終了時に二度目の意志セーヴを振ってくれたまい。ただし忘れぬようにな(この手の能力オレは絶対忘れる)。エネルギー吸収はダメージ無効化のみならず受けたダメージの半分を一時的hpとして獲得とよりヘンテコに、さらにエネルギーの爆発まで内包してブレス攻撃へと転嫁まで可能になった。ブレス攻撃は12レベル時点じゃできないが、従来の16レベルになれば解禁されるので安心……であるが、【耐久力】が上がらないせいでセーヴDCはだいぶ下がるのであった。フガァーア。
 【筋力】+4が得られなくなり、同時に【筋力】技能への+2も消滅してしまったので怒れる泳者など技能に対する激怒パワーを愛用していたシブイババリソは注意が必要であるが、PUの方針に従いこれまたスッキリ。例に挙げた怒れる泳者は〈水泳〉へのボーナスがクラス・レベルから+8へ、天井こそ大幅に下がったけどいきなりこのボーナスなんだから文句は言うめぇ、第一+8ボーナスの出所は水泳移動速度を獲得することによるのだから。野蛮な泳者と統合されたようなモンで、場所が海洋のシナリオだったりすると、十分候補には入れられる。怒れる登攀者も同様に登攀移動速度(野蛮な登攀者と統合)、怒れる跳躍者は落下距離を半減する猫受け身が可能になり、いずれもボーナスは+8で固定。いくら技能をフューチャーされても、相当高レベルにならなきゃボーナスがこの程度ではねえ、とお嘆きの方々も相好を崩すに違いない便利能力になった。特に怒れる登攀者の登攀移動速度はかなりの悪さをしてきそうで怖い。20レベルババリソで〈軽業〉+20とかできなくなったのは残念ですが……なお+8は強化ボーナスだけど、魔法のアイテムで技能に与えられるボーナスは技量ボーナスが多いんで意外と重複する
 新顔激怒パワーは突撃の経路にいる味方を無視できる(通常で1体、上級で何体でも)押しのけ。なかなかババリソらしくて面白い。器官防御はクリティカル確定ロールに対しAC+4。とかくACの低いババリソにとって、せめてクリティカルを避ける救いの手になる……かもね(焼け石にウォーターにならんことを祈る)。
 おおむねAPGやUCで掲載された激怒パワーはそのまんま使用できるが、いくつかの激怒パワーが統合されたように、PUババリソにはサポートされていない激怒パワーもある。例えば擬似《一撃離脱》(いや《かすめ飛び攻撃》の地上版というべきか)の野蛮な跳躍者怒れる泳者野蛮な泳者怒れる登攀者野蛮な登攀者と違って〈軽業〉と関連が無く、統合するにもし難いと判断されたかリストに入っていない。快走瞬発力に改訂されたと言えるが、あの狂ったような移動力は最早昔日の影である。思いっ切り移動するのは1日1回では不十分だし、かといって構え激怒パワーにするのも制限なしも不適当、という判断に落ち着いたのであろうか。中でも強化破壊前提の呪文破壊がリストにないのだけれど、これはどうしたものやら。一番近い(多分呪文破壊と統合された)魔女狩りを指定しておくのが穏当なところか……。魔女狩りで継続的な呪文効果を抑止するにはクリティカルが前提だから、武器破壊の呪文破壊とはだいぶ違う効果なのだけれど、武器破壊自体が特殊なルールであるし、抑止できるラウンドもちょっと面倒だったせいかねえ。……でも、強化破壊はやっぱり武器破壊を使うし、修正なく使用するのはムリなような。それとも呪文破壊がリストから漏れているのか、単に強化破壊を消し忘れてしまったのか、はたまた呪文破壊を飛ばして強化破壊を使えるのか、うーむ。
 激怒に関しては大体同じ感覚で使えるであろうが、激怒パワーは大幅に使い勝手が変わっており、まずは構え激怒パワーを把握することから始めたい。4eっぽい能力と書いたように、スレイヤーやスカウトに慣れた人ならすんなり入り込めるのではないか。移動アクションでシコを踏めば驚異的精度やら力任せの一打やらが常時発動で飛んでくる、そのOHモーレツぶりにGMをうんじゃりさせてほしい。一方、フンガー系の割に消費型激怒パワー多数で管理が大変だったのと、気絶時のリスクは軽減されたものの、ACの低下による防御の脆さは変わっていないし、さらに一時的hpになったことでhpの天井そのものが下がったために今まで以上に慎重な立ち回りを要求されることになる。耳にマインド・フレイヤーが生えるほど連呼してきたが、間違ってもイニシアチブが突出した状態で攻撃回数の多い奴や大群のど真ん中に特っ攻み(とっこみ)かけたりしてはいけない。まず間違いなく袋叩きされて激怒終了によるバックファイアで死にはしないものの一時的hp消滅してフトゥーに気絶した上、1分間の疲労状態が今度は待っている(あ、激怒が1ラウンドで終わる時ってこういう時だ)。粗暴な見た目に反して挙動は繊細な奴とわかってあげて下さい。本当に無謀なババリソは5eの方です
 合言葉は
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(・∀・)コレダ!!

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#256~ハローMr.Unchained 変更版マルチクラス~

 個人的にマルチクラスはすると強くなるではなく幅が広がる、強くなりたきゃ一本伸ばしの方が正解、ぐらいが理想。
 3eのマルチクラスではモンクを1レベルだけ搭載とかパラディンに進む前に何を積むか尻から屁が出るほど悩むとか董卓遷都直後の如き混迷の様相を呈した。これを反省して4eではマルチクラス特技なんてブツを揃えたはいいが結局ハイブリッドとかワケわかんない方向に出戻りした(マルチクラス特技と聞いて「ああ、あったねそんなの」と言われてもオレは怒らない)挙句、5eでは従来の形に戻ったりと兎角D&Dのマルチクラスは魔境と見える。5eは中でも相当上手くやってる方だと思うが。流石はD&Dのいいとこどりに成功した版(能力値上昇や追加攻撃が規定のレベルでなくクラス特徴に含まれている所が妙である)。
 PFも3eの血を受け継ぐものとしてワケわかんないことになるマルチクラスからは逃れられない宿命であったが、そこは35もの技能を12に圧縮したに飽かず、ついには技能ランクのシステムまでバッサリ断罪断罪また断罪してしまったPU。ちゃんと道理の通ったワケのわかるマルチクラスとして、変更版マルチクラスのルールが掲載されている。
 この変更版マルチクラスでは、使用してもクラス技能や技能ランク、基本攻撃ボーナス、基本セーヴなどクラスの根幹に当たるデータに変更は加えられない。それに他のクラスの特徴をまるまる全部貰えるワケでもない。っていうか異なるクラスのレベルを上げるわけでもない。最早ここまで来ると何処がマルチクラスやねん、とツッこまれそうであるが、まあ待ちんさい。ちゃんと他のクラスの特徴は獲得できるが、それは3・7・11・15・19レベルの特技の代わりとして得られるのである。つまりはキャラクターの成長自体は一本伸ばしと同じ。そしてマルチクラスとして選んだクラスを“二次クラス”、特技の代わりに得られるクラス特徴を“二次クラス特徴”と呼ぶ。特技の代わりに二次クラス特徴を得る、発想自体は4eのマルチクラス特技と近いものがある。というかコレを参考にしたのかもしれない。
 例えばソーサラーを二次クラスとして選んだ場合、3レベルになったら特技の代わりに二次クラス特徴の1レベルの“血脈の力”を得られる。が、ソーサラーを伸ばしたわけではないので呪文と基本セーヴは得られないし、技能ランクが2点になるわけでもない。その辺の成長はメインのクラスの成長に従う、てな具合。
 マルチクラスで他所につまみ食いしてる間にメインクラスの成長が疎かになることもないし、技能ランクや基本攻撃ボーナスの計算でゴチャゴチャした数字をこねくり回す混乱もない、実にスッキリしたマルチクラスである。が、前述の通りクラス特徴はそのまんま貰えるのではなく、二次クラス特徴として指定された特徴のみなので、通常のマルチクラスと比べて融通性はかなり落ちる。パラディンを二次クラスとして指定したんで“信仰の恩寵”貰えないんすかとか甘い事ぬかすようなら貴様命いらんのか(byヒロシ)って感じだ。
 また二次クラス特徴を得るためには1レベル時点で決定しておかなくてはならないという非常に厳しい制限がある。しかも特技と二次クラス特徴のどちらかを選んで、なんてムシのいい話は通じない。計画性が必要なのは、通常も変更版も同じやね。また、仕様上2つ目の二次クラス特徴を得ることもできない。
 各二次クラス特徴は特技1個分の働きをするとも見られ、Paizo側の特技1個分の勘定が窺い知れて面白い(5eの能力値2点に匹敵する特技1個を思い出すなあ)。ローグを仕込んでおけば3レベルになった時点で“罠探し”を取れるから、ローグ不在時の魔法の罠を恐れることもない(急所攻撃が7レベルと遅いのは残念)し、バードを仕込んで未収得判定不可の〈知識〉を“バードの知識”でまかなうのもE感じ。その一方でボーナス特技が半身みたいなファイターは、二次クラス特徴をソレにするわけにもいかず、“武勇”のみ、しかもキャラクター・レベル-1とがつかりな奴もいる。っていうかウィザードが15レベルでボーナス特技取れるのになんでファイターが取れへんのや! おんどれシゴウしちゃる! オラクルに至っては1レベルだと呪いを受けるだけだなこれ。なんか統合技能のクラス技能といい、PUのオプションで妙にオラクルの扱いが悪いような……。
 いずれのクラスにせよ、マルチクラスらしい本領を発揮し始めるのは7レベルからと少々遠い。また呪文や動物の相棒、幻獣など重めのクラス特徴は初級呪文のみであったり、有効レベルが低かったりと本格的に使いこなすのは難しい感じ(その分、あまり必要な能力値を問われないが)。そっちは通常のマルチクラスを使用してネってところか。通常版マルチクラスと変更版マルチクラスを同時に使用することも可也と記載されていることだし。急所攻撃やボーナス特技の即効性が目当てなら、1レベルの寄り道を犠牲にしてでも通常版を選ぶ方が有効だろうて。
 なお、二次クラス特徴を得られるのはキャラクター・レベルなので、例え通常版マルチクラスで寄り道した結果キャラクター・レベルが既定の値に達したとしても、二次クラス特徴は獲得できるようだ。二次クラス特徴は従来の意味でのクラス特徴とはまた違った、それこそ特技のようにキャラクター・レベルのみを問うのと同じラインに存在とする考えた方がワカりやすい。
 脚光を浴びるのは間違いなくクレリックのキュア系呪文を任意発動できる能力で、なんと1レベルから解禁。これに3レベルで降ってくる領域の力で解放の領域を指定すれば、フリーダム・オヴ・ムーヴメントまで付いてくる至れり尽くせりの好待遇。キュア系任意発動できないばっかりに苦渋を強いられた信仰系クラスのむせび泣きが屈辱から喜びに変わるのはまだしも、フリーダム・オヴ・ムーヴメント目当ての下劣な笑みを浮かべたエセ信者どもが我も我もと駆け寄りそうであるが、特技の代償であることと、以降の二次クラス特徴も強制で獲得せねばならないということを忘れてはなるまい。なんせ3レベルまではいいものの、7レベルのエネルギー放出は有効レベル-6、つまり1レベル=1d6というこのレベル帯にしては気休めも気休め、しかも当然《選択的エネルギー放出》抜きでは無差別。諸所の前提条件を満たして肩があったまってきた7レベル時点で獲得する特技の価値に対し、相当見劣りするっていうか比較もにならん。そういうゲスい即効性を求めるならメインの成長が止まるとか適性クラス・オプションがないとヤだとか我侭言わず、素直にクレ公を1レベル伸ばしなさい。
 またパラディンだと秩序属性なんでババリソをマルチクラスできん故、二次クラスでババリソを指定して激怒しまくる聖戦士が横行しているという聞くだにインクィジター案件待ったなしの噂も流布しておるが、まあパラディン規範に反しているとみなされない範囲かつ「秩序属性だと二次クラスに選べへんで」とかエラッタが出ない間好きに怒りまくるがよかろうて。……ホントに属性問わず選べるんだよなー……二次パラディンは行動規範があるしモンクも秩序属性でなければ気蓄積(秩序)は得ないのに。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#170~覇権種族への道・5e編~

 TRPGの人間という種族には、世界で一番多いという理由づけに妙なスーパーパワーを設けられる、という話を聞いたがこれはまったく納得であり、一番強い種族が一番のさばるというのは自然の道理というものである。
 そうは言いつつも、筆者がTRPGを始めた頃の人間ってそんなにスーパーパワーを持ってた覚えってねいのだが。実は3eが一番最初に人間の強さを実感したシステムだったかも? ソード・ワールドでも強みはダイス目任せの能力値であって、そのダイス目任せって要はTRPGにおいて最も信用できないモンじゃねえか。一体何度アレクラストで何人のファイターがダメージ軽減で1ゾロ振って死んだと思ってるんだ。年季のいったゲーマーの方には、GMの見てない所でダイス振りましたとか平然と能力値ボーナスオール+3以上の人間冒険者を差し出してくるおっそろしいプレイヤーと遭遇したかもしれませんが、オレはそういう人と出会わないでヨカッタ。
 SW2.0では《運命変転》のおかげで、これは文句もなく列強種族入りですよ。どんなに優秀な種族であっても先制判定でファンブルすれば敵に一方的にバフられてこっちがバフれない間に殴り殺されるんだからよ(逆もまた然りである。ただモンスターはそれを前提にしたバランスにしてる感がある故、先制を許しちゃうと大惨事に)。それにダメージロールにクリティカルはあっても、ダメージ軽減にクリティカルはないからな。まあアレはなくなって正解だったと思うけどよ(理由:前述のファイターの死因)。
 とは言いつつも、エルフやナイトメアみたいなゲームに必要な能力値だけが伸びるような奴らも十分列強入りしていいとも考えているのだが。ただエルフは本領発揮が水中とかあの能力値で勘違いしたゲッター3みたいなことぬかすからダメ。ナイトメアは迫害種族なんで社会的に芽を潰されてるんで繁栄するのは難しいですな。もしかしたらハーフオークみたいに、穢れを持たせた奴を作ると強いらしいと人為的にナイトメアを作り出す研究とかもやってるかもしれん。
 なおファンタジー世界の常連、ドワーフの王国は衰退するもの、エルフの王国は滅びるものと相場が決まっているという逸話をどっかで耳にした覚えがある。ドワーフの王国が衰退するのは石頭故に時代についていけなくなるのは何となくワカるのだが、エルフの王国が滅びる理由は何だったかなあ。高慢チキ故に足をすくわれるというのはよくありそうなエピソードだが。それとも内乱だっけ?(六門世界はそうだった) んでその間を根無し草のハーフリングとかがウロウロしてる感じ。
 あ、変なパワーは無いが旧版シャドウランは疑いなく人間が最強種族だったなPC作成時、種族にAを振らなくていいだけで最強種族の座は既に揺るぎない。シアトルの闇を駆けるのに必要なものは一に財力二に強化反射神経、三四がなくて五にチーム・カルマなのだ。
 んで最初に人間の強さを認識した3e、特技1個と毎レベル技能ランク追加で1点、たったこれだけで説明できる特典であれほどの強さを発揮できるってスゲエ。それでいて人間の柔軟性を表現している。モンテ先生やスキップ先生も伊達にクソシナリオライター呼ばわりされているだけではないのだ。いやこれじゃ褒めてねえや。PFにおいても将来的に人間の英雄共はどうせ《惑わぬ幸運》《惑わぬ幸運》《英雄の血脈》を標準取得し始めるからそりゃ人間がはびこる筈ですよ! ……でも、これらの特技を取得しているPCって見たことがない。できないことができるようになるワケではないから、いつか取りたい特技だけどすぐ取りたい特技ではないところがウマい。俺も後回しにするなこの手の特技は。
 エルフが3e系列で覇権種族になれないのは【耐久力】が下がるという一点だけで涙を呑むと容易に想像できるが、ディフェンス最強の座を連守し続けるドワーフなら対抗馬になれるか? 実はPFのドワーフって伸びるのが【耐久力】と【判断力】で、いずれも意外と多くのクラスで求められる能力値とは言い難かったりする。前衛を作ろうとすると【筋力】を高めようとした際、人間やハーフエルフ、ハーフオークと比べてンマー能力値ポイントに苦労すること。ローグやウィザード、というか【魅力】を求められないクラスなら大概強いのだが、能力値ポイントのやりくりにはどれも骨を折る。この適性クラスにおける多様性に欠けるあたりが今一歩覇権種族に及ばない所かもしれない。あと足が遅いせいかな。3eだと【耐久力】だけが伸びたんだけど、他の種族も伸びる能力値は1つだけ(人間に至っては伸びない)故に、かえって多様性に欠けたというイメージは無かったんだなあ。
 当時【筋力】が唯一伸びるけど【知力】【魅力】の下がるハーフオークの扱いからは、PFと比較して隔世の念を覚えます。それでも最強種族の一角であったのだから、【筋力】が伸びるというアドバンテージは偉大だったのだ。
 4eで人間(ヒューマン表記)は無限回パワーが一個増えるという妙にシブい奴でデビューしたが、すぐにヒロイック・エフォートなんてくそパワーを獲得し、本性をむき出しにしやがった。サプリでくそ特技が増えれば増えるほどボーナス特技が暴威を振るうし。全ての防御値+1はなかなか味があって良かったのだけれど(ACが上がらないところも好き)。
 ヒューマンはヒロイック・エフォートの一点突破型だったが、4eドワーフのくそ能力の巨塊というイメージも記憶に強烈である。ありとあらゆる能力がすべて環境に噛み合っている。オレの遊んだD&Dでドワーフが弱かった覚えない(CD&DとAD&Dはやってない。SOMのドワーフだってでりゃーうおおおが決まれば大抵のボスは死ぬ)が、ドワーフがそんな百式改的ナイス量産機なら、4eドワーフはフルアーマー百式改と言うべき凶悪ワンオフ機であった。TRPG全体で見ても歴代最強ドワーフだったかも。
 エルフは攻撃ボーナスが低くてクリーチャーのACが高い頃ならヒロイック・エフォートも無かったからエルヴン・アキュラシィが光っていたんだけどね……。一方エラドリンはシブイ強さでヒューマンとドワーフともタメを張れるポテンシャルであったが、圧倒的ではなく変化球だったな。
 そして5eにおいても人間が覇権種族の座を維持するのは特技ヴァリアントのくそっぷりを見れば自明の理である何度も言うけど、せめて好きな技能1個ぐらいはヴァリアント不使用時に回して良かったような……。世界が人間に駆逐されないのはヴァリアント不使用の連中が大多数だから、と予想したが、やがて時代が進めば淘汰が起き、ヴァリアント使用の人間だけが生き残るような恐ろしい時代がやってくるかもしれん。そうなる前に版を上げよう
 列強の常連だったドワーフも今回はちょっと大人しい。特技ヴァリアントが解禁されてなかった頃は、能力値ボーナス合計+4のマウンテン・ドワーフが重用されてたのに……“ドワーフ流防具訓練”もクレ公を1レベル噛ませればすぐ重装鎧に習熟するようになっちゃったしね。エルフも今回も弱かないんだけど他にもっと強い奴がいるせいであまり目立たない。
 そのもっと強い奴と言えばライトフット・ハーフリング。こいつとローグの相性は鬼に金棒焼肉と白米そして景清に必殺旋風剣イヤア――! 級。あらゆる面で優位を誇る人間も、この“隠密の天性”と“巧妙なアクション”の組み合わせには舌を巻くであろう。ローグでないと真価を発揮できないものの、その気になればローグで前衛を張れるしアーケイン・トリックスターに進めば呪文も使える割と万能なクラスだったりするから、これはおっそろしい犯罪集団だ。しかしハーフリングだけでは“隠密の天性”を発揮できないが故に、世界がハーフリングのローグに裏から操られずに済んでいるのだ。世の中うまくできたもんだな!
 あまり使用されているのを見ないが、呪文に対する【知力】【判断力】【魅力】セーヴに有利が乗るノームも覇権種族の資格十分であると考えられる。呪文に対するセーヴが最も効果を発揮するのは大抵人型生物同士であり(ウソだと思うならMMのNPC術師のくそ呪文レパートリーを見んさい)、そのどつきあいで一方的にセーヴに有利を取れるノームもまたライトフット・ハーフリングと同じくのさばる危険性を孕んでいる。ただ、固定で伸びる能力値が【知力】ということで、ウィザードを除くとバカキャラ歓迎のクラスばっかしな5eにおいてはやや強みを発揮しづらいのが惜しい所である。
 それにしても4eの頃は小型であることのメリットが皆無であったせいか影の薄かったハーフリング、そして見向きもされなかったノームが5eにて突如として凶器攻撃を振り回しながら逆襲に転じる様は、なんかの意趣返しかとつい勘ぐってしまう。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

TRPGこぼれ話#303~やったことがないキャンペーン~

 筆者はキャンペーンが終わんないことへの恐怖感が常にあるので、基本的にキャンペーンを始める時はまず結末を定めるようにしている。こうすると終着点が見えてくるのでキャンペーン全体の長さやペースも自然と決まる。この方針のおかげか、中断したキャンペーンというのは普段「キャンペーンは終わらないもの」とネタにしてる割にはそんなに無い。
 一方で終着点が見えているだけに、終わりを設けずダラダラと続けるキャンペーンというのはやった覚えが無い。別に結末を決めてからダラダラやってもいいのだが、なまじキャンペーン未完への恐怖があるもんだから長期的な計画はびびって立てられず、せいぜい長くて10回ぐらいに収まることになる(世間的にこれを短いというのか長いというのか筆者は知らない)。
 リアルセッション至上主義者なので、単に人や会場を押さえるのがつらいという話もある。参加者の年齢も上がり忙しい身になってくると定期的に集まるのは勿論、日程を合わせるだけでも一苦労で、上記の10回程度のキャンペーンでも完結に2年ぐらいかかった。こうなるとキャンペーンを進めること自体にも疑心暗鬼になって来くる→やがてキャンペーン終わらない恐怖症がぶり返す→ついには合わない日程・参加者・世の中などなど全てに怒りを抱くようになる→やさぐれる→世界を滅ぼそうと決意→なんやかんやあって地球滅亡→荒廃した地球に宇宙人が降り立ち、PFのビギナーズ・ボックスを発掘→宇宙人の言語に翻訳してみる→たまたま宇宙人の使っている言語が日本語だった→その記憶が時を越え次元を超えPaizoスタッフにパイルフォーメーション→こうしてビギナーズ・ボックスの翻訳が決定したのサ、とまあえらくムダな文章量を食った気がするが色々大変なことになって精神的にもよぐねえのよ。
 同じ考えかは知らないが、筆者がプレイヤーで参加しているキャンペーンも、長さは大体筆者と似たり寄ったりである。まあ、これは単にそのぐらいの回数遊んでいるとシステムに飽きてきたり、新しいシステムを遊んでみたくなったりするせいかもしれない。
 ついでに言うと、お金をコツコツ貯めるキャンペーンというのもやった覚えが無い。基本的に気前がいいGMが多いのか、報酬がショボイよりは数段良いが目標金額へつもり貯金するような地道な苦労はしたことがないし、さもなければ最初っから「この長さのキャンペーンでは絶対手が届かんな」と判断して候補から外していた。4eをやっていた時は現物支給でばんばんマジック・アイテムを貰ってたっけな。まあ、あまりにもアイテムが多過ぎて「ぼくこれがほしい」と告げるほど知らんかったというのもあるが。5eの時はバードだったんで鎧を買うための金を集めるような苦労はせんかったし。術者はあんまり金の使い道ないんよ。
 SW2.0の時は首切り刀を狙っていましたが、毎戦闘ポーションを消費するレンジャーで1ターンで数千ガメルすっ飛んでいく自分の戦闘を見つめ直して諦めました(ポーションを補充・消費するのをガマンして首切り刀買うより遥かに安定していた)。
 でも、オンセなら人や会場、時間の問題は相当軽減されるから、もしかしたらこんなふうに終わりを設けず、GMも明日のことは明日考える無頼マスタリングもできるかもしれない。実際ツイッターを眺めていると、それこそ毎晩のようにセッションをしている人達がいて、てえしたもんだと驚くと共に羨ましくも思う。もっと早く流行物は廃り物などと斜に構えず利用していれば……いやしてたんだけど、パスワード忘れてそのまま放置してたんで……まあこのまま知らずに終わるより乗る機会が増えたと思っておこう。実際そのおかげでセッションの機会も増えているのだし。
 できるものなら、PFで終わりを設けずそれこそダラダラと10回20回と続けるようなキャンペーンをやってみたいものですが。今日は此処でシナリオ解決したから明日はあそこでシナリオ解決、てな具合に気分と状況で次の舞台を決めていく、今日もどこかでデビルマン的なやつ。昔のキャンペーンってこんな感じだったんじゃねえかな。レベルアップはしなくても、シナリオで手に入れた財産やアイテムで強くなったことを実感できるようなキャンペーンも、一度ぐらいはのびのび長々とやったってバチは当たるめえ。勿論、GM側でもPL側でもね。皆でついに高品質の武器を買えるお金が貯まった、と手を取って喜びあえるような体験、たまにはしてみたいもんですよ
 そんでそういうキャンペーンに限って未完で終わったりしてな。

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TRPGこぼれ話#302~バレンタイン大作戦

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そしてセッション当日
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