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未来から視差、そして愛へ

 ブログの執筆が途絶えていた間触れていなかった筋少のアルバムが3枚も出ていた。
 うち1枚はちょくちょく書いている頃に出ていたのであるが、それでも年に1枚というペースを考えると君のララミーの如く申し訳ない気持ちになりつつもおりゃ知らねえわからねえぜサルだからなと音頭に逃避してウッキーしたくもあり。
 ともあれさすがに来年はもういいかな? という会話がメンバーの中でも浮かぶぐらい、毎年毎年本当に楽しませてもらいました。

Future!


 前作『おまけのいちにち』のインタビューにて「『SHOW MUST GO ON』は豪華なゴールデンデラックス路線だったので、『おまけのいちにち』は肩の力を抜いていくことにした」とオーケンが語っていた。だから『SHOW MUST GO ON』が『西部警察』で、『おまけのいちにち』に『大都会のテーマ』なんだと。本当かどうかはわからない。俺は四割ぐらいの確率でいつものホラ話だと思う。
 さておき、おいちゃんの封印曲をバンドアレンジに仕立てたりしてた『おまけのちにち』(『UFOと恋人の頃に近いとはよく言ったものである)より、さらに実験の度合いが強まったのは確かだろう。その昔オーケンがかましたショーケントレインのパロディというびみょうなパフォーマンスが元ネタと思われる『オーケントレイン』のようなよくわからない切り口の曲、久々のアコースティック曲『サイコキラーズ・ラブ』、猛烈な音数で溢れるメタル分を補充できる(でもこれ橘高さんではなくおいちゃん作曲)『ディオネア・フューチャー』というように、オーケイントレインの向かっているのは未来か来世か、デビュー30周年を目前にしてなおも若々しく路線を模索しているようだ。
 もっとも変化球であっても落ち着いて聞けるのは筋少印の音色は守られていて、ほしがるファンのツボは押さえつつ探っているためであろうか。これを新鮮味が無いと批判する一部の声もあるようだが、最早再結成期間の方がそれ以前の活動より長くありつつある円熟のバンド、煮込まれた客との関係を維持しつつ攻めていくのも立派な処世術ではないだろうか。実際『ディオネア・フューチャー』は筋少楽曲投票企画でトップ10を軒並み再結成前の曲が占める、年季あるファンの強さを知らしめた中で大健闘し、ライブのラストソングの定番曲としてエディのコーラスとして受け容れられている。『タチムカウ』のセルフアンサーとでも言うべき『T2』も、ベテランバンドならではのお遊びか。
 そんな中で、今でも『エニグマ』のような曲を作るのだから口が裂けても新鮮味が無いなんて言ってられない。オーケン曰くプログレは面倒で売れない音楽、サポートドラムの長谷川さんと2人して「変拍子とかホント嫌」と愚痴っているのにこんな超プログレ曲をよく作ってくるもんである(余談だが長谷川さんの好きな曲は『俺の罪』だそうだ。「歌詞がとてもいい」とのこと)。『T2』ならぬ『人間嫌いの歌パート2』とでも言うべき『告白』でもテルミンをぶわんぶわん吹かすし、今も筋少は攻めている。特にウッチーの変な事をしたい精神は。曲自体が普通の人間を夢見る人間モドキの歌であるし(あのフレーズは素晴らしい)。
 よくわからないと言えば『わけあり物件』はパチスロのタイアップ曲だそうだ。わかるようでわからない組み合わせである。人間椅子に『ダイナマイト』を書いてもらうとか、他所の業界のやることはよくわからない。また『人から箱男』は「仕事帰りのサラリーマンがカラオケボックスで熱唱するような曲をお願いします」と発注されたそうで、「それ最初はデーモン閣下に頼む予定だった仕事なんじゃない」とオーケンは疑っていた。
 『THE SHOW MUST GO ON』の『月に一度の天使』を皮切りに「うまくいかなかった恋愛を懐古する曲」、高齢ロックとでも言うべき楽曲がアルバムに1曲は入るようになっており、『別の星の物語り』に続く『3才の花嫁』はド直球のいい曲。アコースティックイベントでオーケン・おいちゃんが歌ったのを聞いた時からノックアウトされた、一発昏倒確実の必殺涙技だ。『フラッシュ・ゴードン』のワンフレーズが混じるお遊びまでシャレている(恥ずかしながら筆者は人に言われて知った)。
 このアルバムでナンバーワンに推すのはインストゥルメンタルの『奇術師』。橘高さんの泣きのギターが泣きに泣きまくる、時間いっぱい泣きの箇所しかない、一大叙事詩である。橘高さんのデビュー30周年記念(25歳だけど)ライブの時に聞いた『THANK YOU』を思い出すこの泣きっぷり、首は振らずともメタル魂に震えて共振せよ。

ザ・シサ


 シサとは何さ!? その答えは「視差」。未来に続くものが視差、これもわかるようなわからないような、だがひとつのSFである(そうか?)。
 30周年を記念するアルバム、音楽としては意外にも筋少オーソドックスに仕上がっていると感じた。橘高さんのハードロック、ヘヴィメタル成分、おいちゃんのポップス成分、ウッチーのヘンテコ成分が正統派に発揮されている。30年の集大成という感じだろうか。おいちゃんの『I,頭屋』、橘高さんの『衝撃のアウトサイダー・アート』『ゾンビリバー~Row your boat』は実に手堅く締まった筋少ロックで安心してノれる。『衝撃のアウトサイダー・アート』は、初期のアルバムタイトル『アウトサイダー・アート』を冠している(このタイトルはオーケンミステリ文庫のアルバムに使用された)だけあって哀感溢れるまごうこと無き筋少印、橘高印の楽曲でシビれるのだ。そういえば最後の『パララックスの視差』のように、スンナリと終わらせずちょっと不思議な曲で〆るパターンが近年の筋少のトレンドなのであろうか(この路線は『ニルヴァナ』から始まっている)。
 ちなみにオーケン曲はなし。そもそも『おまけのいちにち』以降、作曲にクレジットされていない。「弾き語りを始めて音楽のことが少しわかるようになったら作れなくなっちゃった」らしい。エディから「だからあんたは勉強しない方がいいって言ってたのにもったいない」と惜しまれていた(ちなみに特撮のナッキーも同じことを警告されていた)。
 曲はオーソドックスでも作詞はいつも以上にキレてるのだが。一番ビックリしたのは『なぜ人を殺しちゃいけないのだろうか?』。おいちゃんが上げてきたとてつもなく健康な曲にこんな物騒な歌詞を乗せるのがさすがというかなんというか。その答えが「黒いスーツ着たりネクタイ締めたりするのが面倒だから」なのはもう、まいった。こういうトンチを書けるならアラフィフになったってまだまだ大丈夫だ。
 それにMVを見てナンボの『オカルト』、歌手ならば一度は歌いたかった…というオーケン版ズンドコ節、野坂昭如大先生の怪曲『マリリン・モンロー・ノーリターン』のアンサーソング、『マリリン・モンロー・リターンズ』、この胡散臭さは近年でも上位に入る。アンサーソングという評価については首を傾げられたことがあるが、ノーリターンと歌われてたモンローが帰ってきた歌なのだからアンサーソングで文句あっか。ライブで演奏したら盛り上げるのがとてつもなく難しそう(同様の理由で『おまけのいちにち』の『S5040』もライブでは厳しいとか)であるが、確か発売記念ツアーで聞いた覚えがある。『マリリン・モンロー・ノーリターン』と『オーケンのズンドコ節』は2連発の構成でウッチーの手による濃厚な珍曲ぶりを満喫できる。一体何なんであろうかこのバンドは、と筋少に触れる度に繰り返されてきた哲学的思索をリフレインすることうけあいだ。
 また『I,頭屋』の歌詞にある「崩御の日に鬼ごっこをした~」は橘高・本城両氏を迎えた筋少再スタートの時期で、まさに昭和天皇陛下崩御の年にボヨヨーンボヨヨーンと叫んでいたり俺にカレーを食わせろと要求していたりしていた。30周年ならではの歌詞である。『セレブレーションの視差』の「猫に見えているものは実は一斤のパンかもしれない、悲しみに見えるものも本当は幸せなのかもしれない」は特撮の『ケテルビー』であり、ファンならばすぐにピンと来たことであろう。こうしたお遊びも興味深い。
 しかしまあ30年やってきた記念アルバムのリード曲が『オカルト』なのはそれらしいというか、なんというか。久しぶりにオーケンのボースカ声も耳にした。にしても人類、滅び過ぎ。

LOVE


 未来に視差を一つ加えた結果が、愛。
 もっとも、歌詞はうまくいかなかった愛の歌ばっかりなのであるが。歌謡曲テイストの歌が多いこのアルバム、歌謡曲ってやたらと挫折や別れの歌が多いし、よく合ってる(全体のコンセプトに「男はだめだ、女はわからん」があるとか)。
 売り文句は「20枚目オリジナル名盤」であるが、オレは迷盤、怪盤の類であると思う。もちろん、いい意味で。
 30周年記念の『ザ・シサ』が先述の通り手堅くまとまっているのに対し、31年目の『LOVE』はガタッと崩してきた。リード曲が『ボーン・イン・うぐいす谷』なのは象徴的であり、( ゚ω゚)んんんー? と思ったのをよく覚えている。アルバム名『LOVE』でうぐいす谷かぁ。確かにラブホテル街ではあるけれど(北口を出てすぐのマクドナルドがホモの逢引きスポットらしい)。いや、現実の鶯谷とは違う架空のうぐいす谷であったか。ちなみにエディは『直撃カマキリ拳! 人間爆発』がそうだと思ったらしい。いや、それはそれでどうなんだ。一曲目の『愛は陽炎』以降、変な曲しかないぞこのアルバム
 そして変な曲というと圧倒的にウッチー曲が強い。正統派のかっちょいい『愛は陽炎』が終わってすぐに、「後の祭り」という単語から『from now』というタイトルに全然似合わないワッショイワッショイコールがいきなり始まって貴様のハートはワシ掴みだ。『Futurre!』以後定番のインストゥルメンタル・オリジナル曲は今回ウッチーが担当し、『ベニスに死す~LOVE』でおどろおどろしくも荘厳な世界を奏でている。さすがはエディ・長谷川さんとのベース・ピアノ・ドラムで構成されるThunder You Poison Viperでならした腕前だ。余談だけどこのバンド名は毒蝮三太夫に由来すると知ったのは、ライブを聞きに行ってからだいぶ過ぎてだったりする。『You!』は名盤なので買ってアニメ『戦闘妖精雪風』のアレンジ、『Engage』を聞くように(アニメ版はエディが音楽に参加していた)。

 ウッチー曲の白眉は『ドンマイ酒場』、これで決まり。お酒が飲めないウッチーが藤子Aテイストの酒場を想像しながら作ったというこの曲、ライブバージョンではメンバーの掛け合いの演出がさらにパワーアップしており、これを聞いてナンボ。是非ともライブ映像を商品化してほしいものだ。それに、オーケンが別口で歌ったソロバージョンの歌詞がまた凄まじい。「人殺しなんて大したことじゃありませんよ、テレビで毎日やってるじゃないですか」これにはギクッとした。こちらも何らかの形で収録してほしい。
 おいちゃんも今回、結構変な曲を作っている(『ボーン・イン・うぐいす谷』からしてそうだけど)。曲の入りのパパパパッパパパパパッパ~が印象的な『ハリウッドスター』、後半の怒涛の盛り上がりながら、物凄く後ろ向きな歌詞に物凄く力強いコーラスが乗るのが好きだ。ヘーイ! じゃねえよ!(余談ながら今回妙な曲の割にサラッとしてるタイトルが多い気がする。『from now』『ハリウッドスター』『妄想防衛軍』『Falling out of love』がそれ)
 だいたい筋少の曲は先に音ができて後から詩が乗るものが多いそうで、今回詩先は『ボーン・イン・うぐいす谷』だけだそうだが、『直撃カマキリ拳! 人間爆発』についてはどうも怪しいと筆者は睨んでいる。おいちゃんの軽音魂が触発されて書いたノリノリのロックンロールに、「イントロがカンフー映画っぽい」というだけでなんであんな歌詞が書けるんだよ! しかも直撃してないじゃん。「人間爆破のツボあって、それ押した♪」の後の「んじゃお前は」がこぼれまくってるし。『直撃地獄拳 大逆転』を見ていたせいで、最後の老師との掛け合いは千葉真一とアラカンがやってる様をつい想像してしまう。

 歌謡曲テイストを決定づける、実質最後のボーカル曲(最後はポエトリーリーディングなので)『喝采よ! 喝采よ!』は、まさに往年の歌謡曲の歌詞なのだけれど、実に筋少であり筋少でなければできない曲で、愛の行き着いた先がこれか、と唸らされる。最初に触れたとおり、やたらと失恋と挫折と破局が多い歌謡曲、そういう聞いてると死にたくなってくるような曲のファンである筆者にはもうたまんない。
 オーケンミステリ文庫のMVが『ぽえむ』であったように、『LOVE』の最後はポエトリーリーディングの『Falling out of love』。オーケンがやってみたかったと語っていたテーマで、30年過ぎてなお意欲が尽きない筋少からはまだまだ目が離せそうにない。なお、この曲もいつもの筋少の演奏だと爆音一発ですべて吹き飛んでしまうという理由でライブではやらないそうである。合掌。
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テーマ : 筋肉少女帯
ジャンル : 音楽

やり直し

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 ウナギの密漁に手を出してブタ箱に突っ込まれてましたが、この度お勤めを終えて戻ってきました。
 幸いムショの中にも筆記具の持ち込みは許可されていたのでR&Rの連載に穴を空けることはありませんでした。
 更新ペースは相変わらず気まぐれになるだろうけどよろしくね

We are Pathfinders!#293~来年最初のRole&RollはパスファインダーRPG特集~

 今年は開店休業状態が続いていたが何もサボってばかりいたわけではない!
 すまん! サボってばかりいたわけではないのはウソだったのだ! あと実は俺は宇宙刑事ではなかったのだ! マクー空間の侵略を阻止していたのはどっかの知らないおっさんだったんだ!
 まーブログに注力できない理由もいろいろあったのですよガチャを回して爆死したとかパンツのゴムが緩んで歩いているだけで落ちてくるとかね。セッション、特にオンセの機会が増えて執筆の時間とカブるようになったのがでかいかな。あとRole&Rollのパスファインダー記事。こっちもなかなか毎回女々しくキーボードを涙で濡らしつつ〆切と格闘しておりますので、文を書くパゥワァを吸われがちなのです。
 んで普段の数倍の労力とパゥワァと涙を注いで書いた記事が来年いっぱつめのRole&Rollに掲載されます。情報早いなオイ! 俺もツイッターで見かけて仰天した。


 パスファインダーRPG特集でこの表紙、お嬢様かはたまたお付きのアンチャンがドルイドか? ボアの相棒とは通好みだねお客さん! いやただ単に亥年だからそうなだけで別にパスファインダー関係ない気がしますがねハハハ。さておきこのくそ忙しいド年末に大分量執筆で関係者一同悪鬼羅刹の如き奮戦を見せましたので、かなり遅いお年玉代わりに読んでみて下さい。どんだけページ貰えたのかは発売されたら御覧じろ。
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迫ってくる〆切と戦うスタッフの図
 そうそうコア・ルールブックも無事現物が届きましたのでどうやら世間が俺をだましていたわけではないようです。やったね!(クレジットに自分の名前もちゃんと載っていて安心した。話だけ聞いてたので誤認だったらどうしようかと)
 来年からの執筆ペースがどうなるのか自分でも怪しいですが、てなこた忘れて皆様よいお年を。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#292~コア・ルールブック日本語版発売~

 私は自分の目で見たものしか信じないタチゆえ現物を確認していない以上まだ信じてはいないのですが、そりゃあビギナー・ボックス発売から1年も待たされたからね
 でも続々と確保の報告が来てるし、R&Rvol.172の次号予告にデカデカと特集記事が組まれてることだから、そろそろ出てなきゃ引っ込みがつかない頃だろう。
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これでも信用できん場合は現物を買って確かめるように。

 世間がネットぐるみで俺をだましているのではない限り、以下の情報はホントだと思われます。筆者も暮れか年始あたりに確認でする予定です。


 祝! コア・ルールブックやっと発売!
 配布中のクリアファイルが最新のアクセサリになるので欲しい人は急ぐのだ。
 私もパスファインダーRPGで世界征服を企む秘密結社PF団の一員として、コア・ルールブックが1冊売れるごとにコーラアップ一袋を貰える部署についていますので、積極的に販促活動を行っていきます。9000円+税の商品1冊で200円の商品がもらえるんですからAmazonのアフィリエイトより効率いい仕事ですよ。
 あとコーラアップ貰えるバイト以外にもほんのちょっとだけお手伝いさせていただきました。クレジットに私の名前が載ってるのがその名残です。
 もっとも『ベスティアリ』が出るまでは本格始動はお預けとなるのですが何は無くとも初動が肝心、Role&Roll誌のサポートともども、日本国内のパスファインダーRPG展開のためにも、そして筆者のコーラアップのためにもコア・ルールブックよろしくお願いします。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#197~変なマルチクラスの話~

 数か月ぶりの更新だが言うことは特にねえ!
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 というわけでさっさと本題に入ろう。今回は更新しない間に見たりこねくり回したりした変なマルチクラスの話。
 例えば激怒ドルイドのような。

●激怒ドルイド(月の円環ドルイド+バーバリアン)
 なんせ話題に上げたのがどえらく昔&更新せんかったのでなんやされという人も多かろうから解説しておくと、ドルイドを2レベルまで上げて月の円環を選択した後、“自然の化身”で得られるhpをババリソの“激怒”で物理攻撃に対して2倍適用できるようにするというくそみたいなビルドだ。これを発明したあかつきには「そんなことを考えるのは君ぐらいだ」と呆れられたものよフフン(自慢にならん)。
 低レベルの間は1ラウンド目に“自然の化身”、2ラウンド目に“激怒”するだけで前衛としての能力は十分だろう。2ラウンドかかるのは、どっちもボーナス・アクションのため。月の円環でボーナス・アクションにするのは「できる」ではないので、アクションで変身する選択は恐らく不可能(原文もYou canではない)。変身する野獣は安定型がブラウン・ベア、毒の一発を狙うならジャイアント・スパイダー、相手のACがべらぼうに高い場合はダイア・ウルフの“連携戦闘”が活きる。力押しだけの相手なら、クマ張り手と噛みつきを振り回しているだけで敵は勝手に死んでいく。また4レベルからは水泳移動速度もちの野獣を選択できるようになるので、間合い15フィート+自動つかみのタコや“飲み込み”のジャイアント・トードも選べるようになる
 序盤の安定感はバッチシであるが、中盤になると敵の火力も上がってくるため、“激怒”をもってしてもやや不安が残る。脅威度2以上の野獣に変身できるのはレベル6から、とかなり遠い。hp60のジャイアント・コンストリクター・スネークに変身できれば一安心(水泳移動速度もドルイド6レベルになる頃にはクリアできる)だが、それまではPFのババリソよろしくキュアスポンジと化すのもやむを得ない。
 もう一点、バーバリアンを何レベルまで伸ばすかも難しい問題。万全を期すなら3レベルまで伸ばして[精神]を除いた抵抗の熊バリアンに進みたいところだが、恐らくは前述の脅威度2の野獣に変身できるドルイド6レベルまで挟む余裕はない。もっと言うとババリソを2レベル以上伸ばすかも課題。“捨て身の攻撃”と“危険感知”はいずれも垂涎の能力ながら、これまた変身先の向上を遅らせてまで取ったものかは難しい相談だ。正直ドルイドのクラス能力は“自然の化身”が本体みたいなもんなので能力値上昇を済ませるか、2レベル呪文が解禁される3レベルまで伸ばしたらババリソを積んでもいいかもしれない。
 もっと容赦のない事を言うと、ドルイドを10レベルまで伸ばせば月の円環ではエレメンタルに変身できるため、“激怒”によるダメージ減少の意味が殆どない(一応、魔法の武器に対しては“激怒”は有効)。これを鑑みると低~中レベル圏を見越したマルチクラスとなるので、利用の際には留意されたし。
 それとこれを発明したのはどうやらオレらしいので、使用の際にはパテントを頂いている。使いたい場合は1回につき当ブログに掲載されている商品を1個買って下さい。嫌ならグッドベリーでもいいです。なおグッドベリーは1個2.5円換算とお考え下さい。
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俺好きなんだよねこのネタ

 次に、他の人がやっていた変なマルチクラス。

○電撃ウィザード(占術ウィザード+嵐の領域クレリック2L)
 嵐の領域クレリックはご存知[電撃][雷鳴]ダメージ最大化のスゴイ奴だが、その効果を最大限発揮するには呪文リストが物足りない。シャターでも十分に強力であるが、せっかくならもっといろいろな呪文を最大化したい…というわけで編み出されたのがこのビルド。ウィザードには1レベルから単体ながらシャターと同ダメージのクロマティック・オーブあり、そして3レベル呪文で狙うのは勿論ライトニング・ボルト。高レベル発動しなくても直線100フィートに48点のダメージが襲いかかる
 さらにミソなのは占術ウィザードを混ぜてあるところだ。2d20の出目が悪ければ、最大化ライトニング・ボルトのセーヴ出目に使用して無理矢理通すことができるし、良い出目であればクロマティック・オーブを叩き込めばいい。うっかり20の出目を確約された時にクロマティック・オーブを叩き込んだりすればDM悶絶間違いなし。なお、基本的にクリーチャーがセーヴに習熟していることは稀だから、出目10前後を使っても意外と通せる。
 嵐の領域で重装鎧と盾に習熟しているのでACも術者とは思えないほど跳ね上がる。攻守において隙の無いマルチクラスである。
 問題は、ウィザードにせよクレリックにせよ2レベル以上に上げないと機能しないビルドである事。ダメージ最大化はキモなのでとっとと上げたいが、そうすると占術の“予見”能力が遅れることになるし、そもそも術者の呪文能力が遅れるのは致命的。何より高度な[電撃][雷鳴]ダメージを与える呪文の修得を考えたら、この足止めは実に悩ましい。
 クレリックは2レベルで止めれば仕事をしてくれるが、その2レベルをどこで積むか、1レベルスタートのキャンペーンではプレイヤーのセンスが問われる奥の深いビルドだ。成長には尻から屁が出る程悩むことだろう。

 サプリを使った変なマルチクラスも。

●ドラゴンブレスソーサラー(ソーサラー+ファイター2L)
 ぶっちゃけ2レベルまで伸ばして“怒涛のアクション”が使えるようになったファイターはどんなクラスに混ぜても強いのだが、特に楽しいのは術者だろう。ボーナス・アクションで呪文を発動したらキャントリップ以外の呪文を発動できないという縛りがあるが、“怒涛のアクション”で得た追加アクションなら2連発しても文句あるめぇ、というわけだ。ファイアボール2連発を叩き込んでもいいし、ホールド・パースンで麻痺らせた後【敏捷力】セーヴ強制失敗なんて外道コンボも可能になる。
 特にその中でも楽しそうなのがソーサラー。呪文高速化が驚きの魔力点2点という効率の良さなので、気軽に連射できる。ただ、高速化すると“怒涛のアクション”で2回アクションしてもキャントリップ2連射では…というところに登場するのが、12月末発売予定(ダイマ)のザナサー収録の2レベル呪文、ドラゴンズ・ブレス。この呪文はボーナス・アクションで発動、接触したクリーチャーは、1分間(集中)アクションで3d6ダメージのブレスを吐くことができるようになる。で、このブレスは呪文発動ではなく、かつ1ターンに1回という縛りも無い。そこで“怒涛のアクション”で増えたぶん+通常のアクションを加えればブレス2連射、さらに呪文高速化で範囲攻撃3連発が可能になる。実用性はさておき、見た目の楽しさ&アホっぽさは群を抜いていると思うが、どうか。
 それとドラゴンズ・ブレス+高速化は“怒涛のアクション”抜きでも使えると覚えておくといいだろう。

 後はあまり見ない1レベルだけ混ぜるとうーまーいーぞーなマルチクラスの話を。
 UAレンジャー自体がレギュ外のためかそうそう見ないが、1レベルでイニシアチブに有利が乗るのはなかなかスゴイ。イニシアチブに干渉する手段が少ない中で、この能力は相当なアドバンテージになるはずだ(行動していないクリーチャーへの攻撃ロール有利もおいしい)。残念ながら“得意な敵”のボーナスは武器ダメージ限定なので活かす機会は術者だと少ない。メインは野生の感知力だ。
 【魅力】の高いサポート型術者なら、バードを1レベル混ぜるのもアリではないか。実はバードの声援はレベルが上がっても使用回数その物にあまり変化はない(小休憩で回復する、回転率は上がる)ので、声援ダイスが向上する5レベルまではそこまで差が出ない。これまたザナサー収録のディヴァインソウル・ソーサラーだとクレリック呪文リストを参照できるから、バードを1レベル混ぜるとサポートよりの秘術職として、かなり手広くやれるようになる。バードをマルチクラスした場合、技能1つが降ってくるのも見逃せない。ヴィシャス・モッカリィの修得もいい感じだ。
 なお、レンジャーとローグでも技能1つは取れるがあくまでもクラス技能。自由な技能1つはバードだけの特権だ。補足しておくと、バードはマルチクラスで選んでも失うものがハンド・クロスボウ、ロングソード、レイピア、ショートソードの習熟ぐらいと少ないのも特徴。呪文をメインにするならこれは大して気にならない。HDは劣るものの、術者で【耐久力】セーヴに習熟できるソーサラーは稀少なので、1レベルはこちらを選ぶべし。

 まだまだマルチクラス案は色々出てくるが一本伸ばしでも強いというか一本伸ばしの方が強いのが5eの通例なので、どちらかといえばマルチクラスは強さよりも面白路線の追求と考えた方がいい。自分だけのアレンジを探求しつつ足を引っ張らずかつ死なない程度の実用性も維持するのがTRPGにおけるウケ狙いのヒケツだ!

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

D&D5e余話#196~これから出そうな、というか出ません? 特技~

 えらく間が空いた5e記事だ。
 5eはいい具合にカスタマイズの余地がたくさん配置されたシステムなだけに、ハウスルールで特技を追加したり、改良したりしている声をよく聞く。その中で、そーいや無かったなーと思ったのが、「前提条件に特技を含む」「特定のクラスを前提とする」特技。
 前者は、特技の取得タイミングが非常に限られるため、そうそう選んでられない(俺もまず主要能力値を20まで伸ばすことを優先する)ためそんなもん用意できっかと言われたらそりゃあそうである。PHBに収録するのもどうかなあと思う。どちらかとゆうと、特技のチューンよりもクラス特徴で強さを立たせるのが5eの方針であることだし(その辺はファイターの特権)。
 しかし3eに4e、いやさ数々のTRPGでずんずん特技を積み重ねてきた身としては、1つの特技にもまた尖った存在感を求めたがるのが渡世人の辛い所でして、早速考えてみた。

《二刀の旋風》
前提条件:《二刀の使い手》
・君は左右の手でそれぞれ1つずつの近接武器を使用している際、ACに+1のボーナスを得る(このボーナスは《二刀の使い手》と重複する)。
・君は別の手に持っている片手近接武器が“軽武器”でなくても、二刀流におけるボーナス・アクションとしての1回の近接武器攻撃を行える(つまり、軽武器でない片手近接武器二本で二刀流が可能)。
・1体の目標に攻撃アクションとして行った近接武器攻撃と、二刀流のボーナス・アクションとして行った近接武器攻撃の両方がヒットした場合、2d6点の追加ダメージを与える。このダメージの種別は、君が手に持っているいずれかの武器と同じであり、好きな方を選んでよい。

 《二刀の使い手》をベースに強化しつつ、《二刀のかきむしり》が好きだったのでそれをイメージした特典を付与した。序盤の火力としては頼もしいが、意外とダメージに伸び悩む二刀流の底上げになってくれるだろう。
 二刀流の手数の多さを特化し「ボーナス・アクションを使用せずに逆手の攻撃を行える」という特典を考えた人もいる。これだと追加攻撃を抜きにしても、3回の攻撃(通常のボーナス・アクションを二刀流に費やせば)が行える。手数の増加はしょっちゅうやばい結果を生むから、人間ヴァリアントを採用して最速で4レベルでこれというのはちょっとやり過ぎかもしれない。前提条件にレベル(8レベル以上)を追加するとか、あるいは戦闘スタイル:二刀流を付与するのはどうだろう? レンジャーやファイターを筆頭とした、特定のクラスのみが発揮できる上級特技、これもなかなか面白いのでは。

《いなしの決闘術》

前提条件:【敏捷力】13以上、《守りの決闘術》
・“妙技”特性を持った(君の習熟している)武器を使用している時に【敏捷力】セーヴィング・スローをするなら、君はリアクションを用いてセーヴィング・スローに武器のダメージ・ダイスに等しいダイスを加えることができる。セーヴィング・スローの出目を見てから使用してもよいが、成功か失敗か確定する前でなければならない。
・君が《守りの決闘術》を使用し、攻撃がミスしたなら、君は攻撃してきた目標に1回の近接武器攻撃を行ってもよい。
・“妙技”特性を持った(君の習熟している)武器を使用している時に君が回避アクションを取る際、君の次のターンの開始時まで、君が受ける武器攻撃のダメージを君の習熟ボーナスぶん軽減する。

 限界を超えた剣捌きは、ついに炎や稲妻でさえいなすに至ったッ!(マジシャンズ・レッドの炎を切り裂くチャリオッツ風味)  ただし、これを使ってしまうと《守りの決闘術》のACアップが使えないのが悩みどころ。また妙技武器はだいたいがダメージ・ダイスが小さい(レイピアのd8が限度)ので、過信は禁物だ。最初は習熟ボーナスにしようかと思ったが、【敏捷力】セーヴィング・スローに習熟していると二倍取りになってしまうのでこうなった。ダメージ・ダイスの小ささや《守りの決闘術》との兼ね合いなど、なかなかよくできたと自負に鼻の穴を膨らませている。
 もうひとつはスワッシュバックラーで言うところの野送り。少しは攻撃的な要素を混ぜないと特技2個埋めたろうという意欲を喚起できるか不安だったので。この攻撃は該当するアクションが存在しないが、強いて言うならリアクションの一環だろう。
 最後は回避アクションを取った際のオマケ。飛んでくる武器を次々払い落とすような姿を思い浮かべていただきたい。

 特定のクラスを前提とする特技については、あんまり強い、いや必須レベルだと「じゃあそういうのは基本のクラス特徴に入れておけコノヤロウ」と言われるのが難しいところ(俺もよく言ってたし)。強さよりは、戦い方を拡張する方が適切だろう。そういや上記の戦闘スタイルを前提条件に含む案も、間接的にクラスを前提としていると言えるか。
 こういうのはクラス特徴にまで絞って考えれば無数に思いつくのだけれど、あんまりごしゃごしゃデータを取りそろえるタイプのタイトルではないから、公式で扱うとは考えづらい。

《得意な敵追加》
前提条件:“得意な敵/Favored Enemy”
・君の“得意な敵”に1種類のクリーチャー種別を追加する。もしも“上級得意な敵/Greater Favored Enemy”を君が得ていたなら、“上級得意な敵”のリストから選択してもよい。

 いやほんと、こういう能力こそ特技で拡張できるようにしてほしいっすよ。パスファインダーでもね。それでも複数回取得はできないので、ドカドカ増やすというわけにもいかない。あとUAレンジャーを想定してるからね。生レンジャーの得意な敵感がまるでない得意な敵の場合、特技枠を費やしてまで拡張しようとする人はおるまい(いてもいいけど)。
 この手の拡張タイプでは、“習熟強化”に技能1つを追加、もあってよさそうだ。

《聖邪退散》
前提条件:“神性伝導:アンデッド退散”
・君はアンデッド退散の効果を、フィーンドとセレスチャルにも使用することができる。1回の“神性伝導”で退散させることができるのは、1種類の種別だけである。
・君のアンデッド退散に対する【判断力】セーヴィング・スローには、不利が与えられる。

 5eになってグッと信頼性の上がったアンデッド退散の対象を拡張。それだけではパンチ力が弱いので、退散の効果自体も強化した。元から相手を選ぶ能力であるし、このぐらい底上げがあってもいいだろう。どうしてもボスが退散させられるのが嫌なら伝説的抵抗か完全耐性:退散と書いとこう。

《秘術攪乱》
前提条件:ウィザード1レベル
・君は呪文に対するセーヴィング・スローを行う時、セーヴィング・スローの種類に関わらず【知力】セーヴィング・スローを使用することができる。この効果は一度使用したら小休憩か大休憩を終えるまで再度使用できない。君が“秘術の学派”で防御術系統を選択しているなら、この効果を使用したセーヴィング・スローに有利を得る。
・君の発動した呪文は、対象の“魔法抵抗”を無視する。

 とにかく使わない使わないと言われる【知力】セーヴ、しかも主要能力値が【知力】ということでクラス特徴こそ恵まれているがじゃっかんやるせないツラをしていたウィザードに防御策を追加。呪文のスペシャリストであるウィザードならではの攪乱術、才能や契約任せで呪文を振り回す連中とは違うのです。我々は賢いので。
 せっかく防御的な特技なのだから、防御術系統専門には特別なボーナスを付け加えた。もっとも防御術系統でなくても有益なのは間違いない。
 もう1つは《抵抗破り》。有利打ち消しはかなり強力だが、逆に魔法抵抗をどうにかする手段が全然ない(っつーかイーブンにするのが限界)。ソーサラーの呪文セーヴ妨害ぐらいなのだ。また、相手に不利を与えるのではなく、無視するだけなのが隠し味。魔法抵抗以外に有利を乗せる手段があれば、これを逃れることも可能だ。この辺でノーコストである利点を大き過ぎないものにしたい。
 特技は意外と術者、特にウィザードが取ってうれしいものが少なかったので、ウィザードをフューチャーした特技は是非書いておきたかった。

 5eの特技は特定の状況下でのみ発揮する効果だけに限らず、別の能力を持たせたり、能力値を伸ばしたりして腐らせないというコンセプトを感じる。特技を取れる機会が一般的なタイトルと比べて限られているのもあるのだろうが、なかなか参考になる姿勢である。5eの中でも新規データを期待できる要素だけに、ザナサーに続いたサプリでの拡張が待たれる。武器特技とか正式採用してほしいし。

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#291~パスファインダー協会日本支部奮闘ノ記inTRPGフェス~

 熱海に朝夕のバイキングを食いに行ってきました。

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テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#290~パスファインダーRPG2nd テストプレイ版DL開始~

 結局先月もロクに更新せぬまま終わった(この言い訳もういいか)が、今月は今日という日はこれを告知せねばならない!
 パスファインダーRPG2nd、テストプレイ版ダウンロード開始!
Rulebook_01.jpg
 Starfinderの時みたいにDLが朝までかかる、なんてことはないから安心だ。
 ルールブック単体でDL可能なほか、Bestiaryやフリップマット、シナリオまで同梱してあるセット版もDLできる。
 ろくにまだ読み込んじゃいないのだが、ハッキリ言えることは、パスファインダーRPGがD&D3.75eだった時代は終わる。D&Dから派生したゲームであることに違いはないが、これからはパスファインダー独自の道を歩むことになるだろう。もっともStarfinderの影響は大きいし、もっと言えば5eから大いに影響を受けた雰囲気はあるけどね。
 そしてもう一つ、新たなパスファインダーRPGがどうなるのか目が離せない、この楽しみも間違いないぜ! パスファインダー協会員ならばPaizoのページに飛んでダウンロードのボタンを押してくるのだ! 別にユーザー登録しなくても(たぶん)DLできるからまあ面倒がらずやってくれや。あとゴブリンがPC種族にいるのはともかく、《強打》がファイター専用になってると聞いてしっこちびったりするなよ!

テーマ : TRPG
ジャンル : ゲーム

We are Pathfinders!#289~答え合わせ~

 またも一ヶ月更新してへんぞワーレー広告が出てしまうほど放置してしまいましたが、おかげさまというかなんというかR&R誌のパスファインダー連載が忙しくて毎月机に突っ伏して泣いている日々でして。アンケートの評判もよろしいようで大変嬉しいことです、ありがとうございます。お気に入り頂けましたら、是非ビギナー・ボックスやコア・ルールブックも買ってくんねぇ。
 それはそれとして毎号の記事には何らかの小ネタを織り込むのを勝手な課題としているのですが、いまんところそっちに関してはノーリアクションです。だからといって何だというワケでもありませんし、自分で自分のギャグを解説するのはゴムの伸びたパンツぐらい虚しいのですが、誰にも言及されないのは悔しいので、泥水をすするような気持ちで敢えてここで解説していきます。

●Vo.162
・平凡パンチが最も恐ろしい武器になる→対戦ホットギミック

 必殺技「平凡パンチ」は麻雀対戦ホットギミックの対人戦の時に使われるネタ。一人プレイの時は「連打開始ッス!」で知ってる人は知ってるギャルにやらしいおしおきをする、まあ脱衣麻雀の範疇に入る(ストーリーが「全ての問題は麻雀で解決できる気がする。っていうか、しろ」とかなんか色々おかしいのだが)のだが、対人戦になると何故かシリーズ伝統で実写のむさくるしいおっさんがコスプレをしてどつきあう猟奇的光景が繰り広げられる。一生に一度使うかどうかわからんが対人戦はジャンファイトモードと呼ばれ、コスプレおっさんらはジャンファイターと呼ばれる。
 そのジャンファイトモードで、どのシリーズか失念してしまったのだが、「平凡パンチ」の名のもとに単なる拳を繰り出す必殺技演出を筆者は大いに気に入り、「平凡パンチ」を通常攻撃の意味で使用するようになった。
 なお、シリーズの開発元である今は亡き彩京はゲームの登場人物にやたら性的倒錯者を含める傾向があり、脱衣麻雀なのに隠しキャラにマッチョな野郎(しかもホモ)がいた。

・悪そうな奴はだいたい為政者→DragonAshの『Greatful days』より「悪そうな奴は大体友達」

 実のところ、元ネタより『労働参加』の「へこんでるやつらは大体友達」、それも筋少バージョンの方がなじみ深いです。


●Vol163
・「オラは神格になっちまっただ」→ザ・フォーク・クルセダーズの『帰ってきたヨッパライ』

 これは文中でも言及してますが、「オラは死んじまっただ~」のフレーズは知っていても「帰ってきたヨッパライ」を知らない人は多いんではないでしょうか。

●Vol.164
・アナーキー・イン・ヴァリシア→セックス・ピストルズの『アナーキー・イン・ザ・UK』

 言わずと知れたセックス・ピストルズのキラーチューン。
 最初は元ネタに従って「アナーキー・イン・・ヴァリシア」と書いたのですが、ヴァリシアの場合定冠詞は不要なのでは、とかなり真剣に悩みました。

●Vol.165
・エイローデン已に死す→三国志の黄巾族のスローガン、「蒼天已死 黄天當立 歳在甲子 天下大吉」

 身内で使ったネタですがその時はあんまり反応が良くなかった。

・「時はまさに聖○魔Ⅱ」→ヘヴィメタルバンドの聖飢魔Ⅱ

 多分怒られないとは思ったけど、閣下本人よりも各方面へ遠慮して念のため伏字にしました。


・尋問者の影→ジーン=ウルフの『拷問者の影』

 ジーン=ウルフのSF小説『新しい太陽の書』五部作の一冊目。筆者は未読。響きが気に入ったので。

・ディストピア小説『1984年』→ジョージ=オーウェルの『1984年』

 ディストピア小説の金字塔。ディストピアものに影響を与えまくった。実際読んでいてパロりたくなるネタが満載かつ読んでると死にたくなってくる。ビッグ・ブラザーはお前を見ている。
 以前EncountersのPCで使ったゴールドスタインの元ネタもこれ。

・なのにあなたは帝都にゆくの→チェリッシュの『なのにあなたは京都へゆくの』

 2004年版鉄人28号の『京都燃ゆ』で知りました。大好きな曲なので是非使いたかったのと、Chelish(シェリアックスの~)とチェリッシュをかけた渾身のダブルミーニングだったのですが、まったく反応が無かった。これが一番ダメージ大きかったです。あと今見たら「なのにあなたは帝都“”ゆくの」じゃなきゃいけねえじゃん、と気付いてクリティカル2倍ダメージを食らったので今日はもう不貞寝します。

 というワケで、内海地域のあやしい話と変な小ネタでお送りするR&R連載記事をどうかよろしくね。

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TRPGこぼれ話#308~カードランカー遊んできた~

 ここ最近すっかり5e&パスファインダーRPGブログと化していたっていうか更新頻度が壊滅的になっていたけど、いろいろTRPGを遊んでいるのは変わってませんよ!
 てなわけで筆者が一番好きなサイフィク『カードランカー』を遊んできた久々のレポートだ!

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R&RにてパスファインダーRPGのサポート記事を担当させていただいております。

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